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Oracle Enterprise Manager Grid Controlアドバンスト・インストレーションおよび構成ガイド
11gリリース1(11.1.0.1.0)
B61023-01
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21 Enterprise Manager 11gへのアップグレード

この章では、サイレント・モードを使用して、Enterprise Manager 10g Grid Controlリリース4(10.2.0.4)以上をEnterprise Manager 11g Grid Controlリリース1(11.1.0.1.0)にアップグレードする方法およびOracle Management Service 10gリリース4(10.2.0.4.0)をOracle Management Service 11gリリース(11.1.0.1.0)にアップグレードする方法について説明します。

特に、次の内容について説明します。


注意:

Enterprise Manager 10g Grid Controlリリース4(10.2.0.4)以上にアドオンがインストールされている場合は、この章に示されている手順を実行しないでください。この場合は、第V部「Enterprise Managerシステムのアップグレード」の、アドオンがインストールされているEnterprise Manager Grid Controlをアップグレードする手順に従ってください。

また、スタンドアロン管理エージェントをアップグレードする場合は、第VI部「Oracle Management Agentのアップグレード」で説明されているアップグレードに関する章を参照してください。



注意:

Enterprise Manager 10g Grid Controlリリース1(10.1)またはEnterprise Manager 10g Grid Controlリリース3(10.2.0.3)以下を使用している場合、これらをEnterprise Manager 11g Grid Controlリリース1(11.1.0.1.0)に直接アップグレードする前に、まずアップグレードまたはパッチ適用を行ってEnterprise Manager 10g Grid Controlリリース4(10.2.0.4)以上にする必要があります。アップグレードまたはパッチ適用を行ってEnterprise Manager 10g Grid Controlリリース4(10.2.0.4)以上にする方法の詳細は、My Oracle Supportノート1076420.1を参照してください。

アップグレードまたはパッチ適用を行ってEnterprise Manager 10g Grid Controlリリース4(10.2.0.4)以上にした後、この章に示す手順に従って、これをEnterprise Manager 11g Grid Controlリリース1(11.1.0.1.0)にアップグレードします。


概要

レスポンス・ファイルupgrade.rspを使用して、サイレント・モードで既存のEnterprise Manager Grid ControlまたはOracle Management Service(OMS)をアップグレードできます。以前のリリースのEnterprise Manager Grid Controlをアップグレードする方法としては、インストーラにより提供されるGUIの豊富な画面を使用する方法以外に、レスポンス・ファイルを使用する方法があります。このレスポンス・ファイルにより、インストーラが取得したすべての必要な情報が取得され、インストーラとまったく同じ機能が実行されます。これはアウトオブプレース・アップグレードであり、以前のリリースのOracleホームは変更されずに残り、11gリリース1用の新しいOracleホームが作成されます。

レスポンス・ファイルにより実行される機能を次に示します。


注意:

複数のOMSが1つの管理リポジトリに接続されている場合は、すべてのOMSを停止し、インストーラを使用して最初のOMSをアップグレードしてください。最初のOMSをアップグレードすると、インストーラにより管理リポジトリもアップグレードされます。他のOMSも、同じ管理リポジトリに接続されるため、停止する必要があります。

管理エージェントの停止は必須ではありません。その結果、エージェント関連のログ・ファイルの数が増加することがあります。しかし、これは問題にはならないので、無視してもかまいません。

OMSのアップグレードの完了後に、インストーラを再び起動し、同じ管理リポジトリに接続されるその他すべてのOMSを同時にアップグレードされるように選択してアップグレードします。OMSをアップグレードする各ホストにOracle WebLogic Server 10.3.2(Oracle Fusion Middleware 11gリリース1のパッチ・セット1)がインストールされていることを確認します。Oracle WebLogic Serverのインストールの詳細は、My Oracle Supportノート1063762.1を参照してください。


このアップグレード・プロセスでは、次の処理は行われません。

開始前

10gリリース4(10.2.0.4)以上の「新規データベースを使用したEnterprise Manager 10g Grid Control」または「既存データベースを使用したEnterprise Manager 10g Grid Control」のインストール・タイプをアップグレードする場合は、開始する前に「開始前」に示された点に注意してください。

10gリリース4(10.2.0.4)のインストール・タイプ「その他の管理サービス」をアップグレードする場合は、「開始前」で説明されている前提条件を満たしていることを確認してください。

前提条件

サイレント・モードでEnterprise Manager 11gにアップグレードする前に、次の前提条件を満たしていることを確認してください。

必要に応じてこの項を印刷し、各前提条件についてまたは×を記入してください。こうすることで、すでに満たされている前提条件と満たされていない前提条件を追跡できます。

表21-1 サイレント・モードでEnterprise Manager 11gにアップグレードするための前提条件

要件 説明

基本的な前提条件

Enterprise Manager Grid Controlをアップグレードするための基本的な前提条件は、アップグレードするインストール・タイプによって異なります。

  • 10gリリース4(10.2.0.4)以上の「新規データベースを使用したEnterprise Manager 10g Grid Control」または「既存データベースを使用したEnterprise Manager 10g Grid Control」のインストール・タイプをアップグレードする場合は、「前提条件」で説明されている前提条件を満たしていることを確認してください。最も重要な前提条件の1つは、Oracle WebLogic Server 10.3.2(Oracle Fusion Middleware 11gリリース1のパッチ・セット1)をインストールすることです。

    重要: 「前提条件」に示されている前提条件の1つは、既存のデータベースに対して管理リポジトリが構成されていないことです。ただし、アップグレードの場合は、アップグレード中に既存の管理リポジトリが再利用されるため、この前提条件は無視してください。

  • 10gリリース4(10.2.0.4)のインストール・タイプ「その他の管理サービス」をアップグレードする場合は、「前提条件」で説明されている前提条件を満たしていることを確認してください。最も重要な前提条件の1つは、Oracle WebLogic Server 10.3.2(Oracle Fusion Middleware 11gリリース1のパッチ・セット1)をインストールすることです。


既存の管理リポジトリ

動作保証済の既存のOracle Databaseに対してすでに管理リポジトリが構成されていること、およびその管理リポジトリがOracle Management Service 11gリリース1(11.1)と互換性があることを確認します。詳細は、My Oracle Supportノート412431.1を参照してください。


既存のデータベースのバックアップおよびOMSのバックアップの要件

管理リポジトリ、OMSのOracleホームおよびOracle Inventoryディレクトリが含まれる動作保証済の既存のOracle Databaseをバックアップする必要があります。これにより、環境をアップグレードする前のデータベース、Oracleホームおよびインベントリ詳細のコピーが保守されるため、必要に応じて環境を元に戻すことができます。


データベース・パーティション化の要件

管理リポジトリが含まれる既存のOracle Databaseで「パーティショニング・オプション」が有効になっていることを確認します。

これを確認するには、SYSDBAとしてデータベースに接続し、次の問合せを実行します。

SQL> select value from v$option where parameter = 'Partitioning';

この問合せの結果は、VALUE=TRUEになります。管理リポジトリが含まれるデータベースには、その他のパーティション化ライセンスは必要ありません。


データベース・パーティション・メンテナンスの要件

アップグレードしようとするEnterprise Managerシステムが長時間停止していた場合は、管理リポジトリが含まれる動作保証済の既存のOracle Databaseに、新しいデータをロードするためのパーティションは作成されません。したがって、この場合は次のようにします。

  1. SYSMANとしてデータベースにログインし、次のコマンドを実行します。

    execute emd_maintenance.analyze_emd_schema('SYSMAN');

    commit;

  2. OMSのOracleホームからOMSを再起動します。

    $<ORACLE_HOME>/bin/emctl start oms


データベースおよびリスナーのステータスの要件

動作保証済の既存のOracle Databaseおよびそのリスナーが実行されていることを確認します。


有効なオブジェクトの要件

動作保証済の既存のOracle Database内に有効なSYSMANおよびSYSオブジェクトのみが存在していることを確認します。

  • 有効なSYSMANオブジェクトのみがあるかどうかを確認するには、SYSとしてデータベースにログインし、次のコマンドを実行します。

    select object_name, object_type from all_objects where owner='SYSMAN' and status <> 'VALID';

    このコマンドが何も行を返さなければ問題ありません。ただし、1つ以上の行が返された場合は、無効なオブジェクトがあるということです。これらのオブジェクトを有効にするには、SYSMANとして次のコマンドを実行します。

    @admin_recompile_invalid.sql SYSMAN

    このコマンドを再び実行して、すべてのSYSMANオブジェクトが有効になっていることを確認します。それでも無効なSYSMANオブジェクトがある場合は、Oracleサポート・サービスに連絡してください。

    注意: admin_recompile_invalid.sqlスクリプトは、OMSのOracleホームの次の場所にあります。

    <ORACLE_HOME>/sysman/admin/emdrep/sql/core/latest/admin

  • 有効なSYSオブジェクトのみがあるかどうかを確認するには、SYSとしてデータベースにログインし、次のコマンドを実行します。

    select object_name, object_type from all_objects where status<>'VALID' and object_name like 'DBMS%';

    このコマンドが何も行を返さなければ問題ありません。ただし、1つ以上の行が返された場合は、無効なオブジェクトがあるということです。これらのオブジェクトを有効にするには、次のコマンドを実行してオブジェクトを再コンパイルします。

    alter <object type> <object name> compile;

    次に例を示します。

    object_typeがmypackageで、object_nameがfooの場合、次のコマンドを実行します。

    alter mypackage foo compile;

    このコマンドを再び実行して、すべてのパッケージが有効になっていることを確認します。それでも無効なパッケージがある場合は、Oracleサポート・サービスに連絡してください。


DBMSジョブおよびDBMSスケジューラのステータスの要件

動作保証済の既存のOracle Database内のDBMSジョブおよびDBMSスケジューラを停止する必要があります。これを行うには、SYSとしてデータベースにログインします。

  1. 次のコマンドを実行して、job_queue_processesの値を書き留めます。

    select a.instance_name as sid, b.value as jobqueue from gv$instance a, gv$parameter b where a.inst_id = b.inst_id and b.name='job_queue_processes';

  2. 次のコマンドを実行して、DBMS JOBSを停止します。

    execute emd_maintenance.remove_em_dbms_jobs;

    alter system set job_queue_processes=0 SID='*';

    commit;

    注意: このコマンドでは現在実行中のジョブを終了できますが、新しいジョブを開始することはできません。

  3. 次のコマンドを実行して、アクティブなジョブがないことを確認します。

    select l.id2 job, l.sid, to_char(last_date, 'DD-MON-YYYY:HH24.MI.SS') last_date, to_char(this_date, 'DD-MON-YYYY:HH24.MI.SS') this_date, l.inst_id instance from sys.job$ j, gv$lock l where l.type = 'JQ' and j.job (+) = l.id2 order by 5, 4;

  4. 次のコマンドを実行して、DBMSスケジューラを停止します。

    execute dbms_scheduler.set_scheduler_attribute('SCHEDULER_DISABLED','TRUE');

  5. 次の問合せで0が返されるまで待ち、アクティブなスケジューラが実行されていなかったことを確認します。

    select count(*) from dba_scheduler_running_jobs where SLAVE_PROCESS_ID IS NOT NULL;


「統計の収集」ジョブのステータスの要件

動作保証済の既存のOracle Database内で実行されている「統計の収集」ジョブを停止する必要があります。これを行うには、SYSとしてデータベースにログインし、次のコマンドを実行します。

Oracle Database 10g(10.2.0.4)以上

execute dbms_scheduler.disable('GATHER_STATS_JOB',TRUE);

execute dbms_scheduler.stop_job('GATHER_STATS_JOB',TRUE);

Oracle Database 11g(11.1.0.7)以上

execute dbms_auto_task_admin.disable('auto optimizer stats collection',null,null);


ユーザー権限の要件

SYSMANユーザーとDBSNMPユーザーに、動作保証済の既存のOracle Database内のDBMS_RANDOMパッケージにアクセスするためのEXECUTE権限があることを確認します。ユーザーにEXECUTE権限があるかどうかを確認するには、次の問合せを実行します。SYSMANユーザー対してこの問合せを実行する場合は<user_account_name>をSYSMANとし、DBSNMPユーザーに対して実行する場合は<user_account_name>をDBSNMPとする必要があります。

SQL> CONNECT AS SYS;
SQL> SELECT grantee, grantor, owner, table_name
FROM DBA_TAB_PRIVS
WHERE table_name = 'DBMS_RANDOM'
AND privilege = 'EXECUTE'
AND grantee IN
(
SELECT DISTINCT granted_role
FROM DBA_ROLE_PRIVS
START WITH grantee = '<user_account_name>'
CONNECT BY PRIOR granted_role=grantee
UNION ALL
SELECT '<user_account_name>'
FROM dual
WHERE ROWNUM = 1
UNION ALL
SELECT 'PUBLIC'
FROM dual
WHERE ROWNUM = 1
)

これらのユーザーにEXECUTE権限がない場合は、次のコマンドを実行してこれらの権限を付与します。SYSMANユーザーに対して権限を付与するためにこのコマンドを実行する場合は<user_account_name>をSYSMANとし、DBSNMPユーザーに対して実行する場合は<user_account_name>をDBSNMPとする必要があります。

SQL> GRANT EXECUTE ON DBMS_RANDOM TO <user_account_name>;


環境変数の設定の要件

環境変数ORACLE_HOMEがOMSのOracleホームに設定されていることを確認します。

たとえば、Cシェルでは次のように環境変数を設定します。

setenv ORACLE_HOME /home/OraHomes/oms10g

たとえば、bashシェルでは次のように環境変数を設定します。

export ORACLE_HOME= /home/OraHomes/oms10g


OMSおよびGrid Controlプロセスのステータスの要件

すべての実行中のプロセス(OPMNやDCMなど)を停止し、同じ管理リポジトリに接続されているすべてのOMSも停止する必要があります。これを行うには、次の手順を実行します。

  • OMSの各Oracleホームから、次のコマンドを実行します。

    $<ORACLE_HOME>/opmn/bin/opmnctl stopall
    $<ORACLE_HOME>/bin/emctl stop oms
    
  • 管理エージェントの各Oracleホームから、次のコマンドを実行します。

    $<ORACLE_HOME>/bin/emctl stop agent
    

カスタマイズ・ファイルの要件

アップグレード・プロセスに使用されるユーザー・アカウントの資格証明を使用してアクセスできない中間層カスタマイズ・ファイルがある場合、このようなカスタマイズを削除またはコメント・アウトする必要があります。これらのカスタマイズは、アップグレードの完了後に再適用できます。


Oracleホーム・パスの要件

次のファイル内で、Oracleホームのパスが、アップグレードするコンポーネントと同じであることを確認します。パスはハードリンクである必要があります。

<Oracle_Inventory>/ContentsXML/inventory.xml


SUDO構成の要件

環境内にSUDOを構成する必要があります。SUDOを構成できない場合、またはSUDOを構成せずにいずれかのコア・コンポーネント(OMSまたは管理エージェント)をすでにアップグレードした場合は、My Oracle Supportノート945697.1に記載されている回避策に従ってください。


ユーザー定義のメトリック・スクリプト定義の要件

アップグレードする管理エージェントのOracleホーム内にユーザー定義メトリック・スクリプトがある場合は、そのすべてのスクリプトをOracleホーム外の別のディレクトリに手動でコピーし、スクリプトの新しい場所を反映するようにユーザー定義のメトリック定義を更新する必要があります。

これは、管理エージェントのアップグレード後、ユーザー定義のメトリック・スクリプトは自動的に新しいOracleホームにコピーされないためです。




注意:

表21-1に示されている前提条件に加えて、My Oracle Supportノート1073166.1を参照して、その他のアップグレード関連の既知の問題、前提条件および追加要件を確認してください。

アップグレード手順

サイレント・モードでEnterprise Manager 11gにアップグレードするには、次の手順を実行します。

  1. 次のレスポンス・ファイルをローカル・ホスト上のアクセス可能な場所にコピーします。

    <Software_Location>/response/upgrade.rsp

    このコマンドの<Software_Location>は、<DVD><Software_Downloaded_Location>のいずれかです。

    次に例を示します。

    /u01/app/response/upgrade.rsp

  2. レスポンス・ファイルを編集します。

    • Enterprise Manager Grid Controlをアップグレードする場合、表21-2に示されている必須のパラメータに値を指定します。

    • 追加OMSをアップグレードする場合は、表21-3に示されている必須のパラメータに値を指定します。

  3. インストーラを起動します。

    ./runInstaller -silent -responseFile <absolute_path_location>/upgrade.rsp


    注意:

    • Microsoft Windowsの場合は、runInstallerではなくsetup.exeを起動してください。

    • Microsoft Windowsで、ソフトウェアのダウンロード場所のパスに複数の語とその間の空白からなるサブディレクトリ名が含まれている場合、このようなサブディレクトリの親ディレクトリに、そのサブディレクトリの最初の語と一致する名前のファイルが含まれていないことを確認します。

      たとえば、ソフトウェアがC:\Documents and Settingsにダウンロードされている場合、setup.exeを起動する前に、C:\ driveにDocumentsというタイトルのファイル(たとえば、C:\Documentsのようなショートカット・ファイル)が存在しないことを確認します。

    • インストールが正常に終了すると、OMSおよび管理エージェントが自動的に起動されます。自動的に起動されないようにするには、START_OMS=falseおよびb_startAgent=false引数を使用してインストーラを起動します。

      ただし、START_OMS=false引数を渡した場合、インストールでEMCLIツールが構成されないため、EMCLIコマンドはいずれも機能しません。このため、インストールの終了後に、$<ORACLE_HOME>/binディレクトリ内に手動でEMCLIツールを構成する必要があります。これを行うには、次のURLで入手できる『Oracle Enterprise Managerコマンドライン・インタフェース』を参照してください。

      http://www.oracle.com/technology/documentation/oem.html

    • WebLogicドメインの作成に使用されるデフォルト名は、GCDomainです。

      これを上書きするには、次のコマンドを使用してインストーラを起動します。

      ./runInstaller WLS_DOMAIN_NAME=<Custom_Domain_Name>


  4. OMSのOracleホーム(oms11g)から、allroot.shスクリプトを実行します。

    $<ORACLE_HOME>/allroot.sh

    たとえば、SUDOを使用してrootユーザーに変更する場合は、次のコマンドを実行します。

    /usr/local/bin/sudo /scratch/OracleHomes/oms11g/allroot.sh
    

表21-2 Enterprise Manager Grid Controlをアップグレードするためのレスポンス・ファイル・パラメータ

パラメータ 説明

OLD_BASE_DIR

アップグレードする必要のある既存のOMSがインストールされているインストール・ベース・ディレクトリのフルパスを指定します。

SECURITY_UPDATES_VIA_MYORACLESUPPORT

  • セキュリティ更新をダウンロードしてインストールする場合は、TRUEを指定します。続いて、次のパラメータの資格証明を指定します。

    MYORACLESUPPORT_USERNAME

    MYORACLESUPPORT_PASSWORD

  • セキュリティ更新のダウンロードとインストールを行わない場合は、FALSEを指定します。

DECLINE_SECURITY_UPDATES

  • セキュリティ更新を拒否する場合は、TRUEを指定します。この場合、SECURITY_UPDATES_VIA_MYORACLESUPPORTにFalseを指定する必要があります。

  • セキュリティ更新を拒否しない場合は、FALSEを指定します。この場合、SECURITY_UPDATES_VIA_MYORACLESUPPORTにTRUEを指定する必要があります。

ORACLE_MIDDLEWARE_HOME_LOCATION

Oracle WebLogic Serverのインストール中に指定した場所を指定します。たとえば、u01/app/Oracle/Middlewareなどです。ミドルウェアの場所に、OMSのOracleホームと管理エージェントのOracleホームを作成するための書込み権限があることを確認します。

たとえば、デフォルト場所の/u01/app/Oracle/Middlewareを受け入れると、OMSのOracleホームは/u01/app/Oracle/Middleware/oms11gとして作成され、管理エージェントのOracleホームは/u01/app/Oracle/Middleware/agent11gとして作成されます。

この場所の詳細は、「Oracleミドルウェア・ホームとは」を参照してください。

注意: ここで指定するミドルウェア・ホームは、Enterprise Manager Grid Controlのみに対して使用されるようにします。Enterprise Manager Grid Controlに指定したミドルウェア・ホームに、Oracle Fusion Middlewareの他の製品またはコンポーネントがインストールされていないことを確認してください。

ORACLE_INSTANCE_HOME_LOCATION

デフォルトでは、gc_instがすべてのOMS関連構成ファイルを格納するためのOMSインスタンス・ベース・ディレクトリとしてみなされます。デフォルトのディレクトリを受け入れる場合は、このフィールドを空白のままにしておきます。しかし、カスタム・ディレクトリが必要であれば、カスタム・ディレクトリの名前を指定します。

デフォルトのディレクトリを受け入れるかカスタム・ディレクトリを指定するかにかかわらず、ディレクトリはデフォルトでOracleミドルウェア・ホームの親ディレクトリの下に作成されます。たとえば、Oracleミドルウェア・ホームが/u01/app/Oracle/Middlewareの場合、ディレクトリは/u01/app/Oracle/gc_instとなります。

この場所の詳細は、「Oracle Management Serviceインスタンス・ベースの場所とは」を参照してください。

WLS_ADMIN_SERVER_USERNAME

WebLogicドメイン用の管理ユーザーとして使用されるデフォルト・ユーザー名を指定します。デフォルトのユーザー名は、weblogicです。

WLS_ADMIN_SERVER_PASSWORD

WebLogicユーザー・アカウントのパスワードを指定します。

WLS_ADMIN_SERVER_CONFIRM_PASSWORD

WebLogicユーザー・アカウントのパスワードを確認します。

NODE_MANAGER_PASSWORD

ノード・マネージャ・パスワードを指定します。

NODE_MANAGER_CONFIRM_PASSWORD

ノード・マネージャ・パスワードを確認します。

SYS_PASSWORD

SYSユーザー・アカウントのパスワードを指定します。


表21-3 追加のOracle Management Serviceをアップグレードするためのレスポンス・ファイル・パラメータ

パラメータ 説明

OLD_BASE_DIR

アップグレードする必要のある既存のOMSがインストールされているインストール・ベース・ディレクトリのフルパスを指定します。

SECURITY_UPDATES_VIA_MYORACLESUPPORT

  • セキュリティ更新をダウンロードしてインストールする場合は、TRUEを指定します。続いて、次のパラメータの資格証明を指定します。

    MYORACLESUPPORT_USERNAME

    MYORACLESUPPORT_PASSWORD

  • セキュリティ更新のダウンロードとインストールを行わない場合は、FALSEを指定します。

DECLINE_SECURITY_UPDATES

  • セキュリティ更新を拒否する場合は、TRUEを指定します。この場合、SECURITY_UPDATES_VIA_MYORACLESUPPORTにFalseを指定する必要があります。

  • セキュリティ更新を拒否しない場合は、FALSEを指定します。この場合、SECURITY_UPDATES_VIA_MYORACLESUPPORTにTRUEを指定する必要があります。

ORACLE_MIDDLEWARE_HOME_LOCATION

Oracle WebLogic Serverのインストール中に指定した場所を指定します。たとえば、u01/app/Oracle/Middlewareなどです。ミドルウェアの場所に、OMSのOracleホームと管理エージェントのOracleホームを作成するための書込み権限があることを確認します。

たとえば、デフォルト場所の/u01/app/Oracle/Middlewareを受け入れると、OMSのOracleホームは/u01/app/Oracle/Middleware/oms11gとして作成され、管理エージェントのOracleホームは/u01/app/Oracle/Middleware/agent11gとして作成されます。

この場所の詳細は、「Oracleミドルウェア・ホームとは」を参照してください。

ORACLE_INSTANCE_HOME_LOCATION

OMSの構成ファイルを作成できるディレクトリを指定します。指定するディレクトリに書込み権限があることを確認します。

デフォルトでは、この場所はOracleミドルウェア・ホームの親ディレクトリの下です。たとえば、Oracleミドルウェア・ホームが<$Home>/Oracle/Middlewareの場合、OMSインスタンス・ベースは<$Home>/Oracle/gc_instとなります。

この場所の詳細は、「Oracle Management Serviceインスタンス・ベースの場所とは」を参照してください。

ADMIN_SERVER_HOSTNAME

管理サーバーが実行されているホストの名前を指定します。管理サーバーは、最初のOracle Management Service 11gリリース1をインストールしたときに作成されたサーバーです。

ADMIN_SERVER_PORT

管理サーバーが実行されているポートを指定します。

WLS_ADMIN_SERVER_USERNAME

WebLogic Serverドメイン用の管理ユーザーとして使用されるユーザー名を指定します。デフォルトのユーザー名は、weblogicです。

WLS_ADMIN_SERVER_PASSWORD

Oracle Management Serviceの最初のインストール時に指定したWebLogicユーザー・アカウントのパスワードを指定します。

SYS_PASSWORD

SYSユーザー・アカウントのパスワードを指定します。


アップグレード後

アップグレード後は、次の手順を実行します。

  1. DBMSジョブを開始し、DBMSスケジューラを起動します。これを行うには、SYSとしてデータベースにログインし、次の手順を実行します。

    1. job_queue_processesを前提条件としてのDBMSジョブの停止中に記録した値に設定することにより、DBMSジョブを開始します。

      alter system set job_queue_processes=<original_value> scope=both;

    2. 次のコマンドを実行して、DBMSスケジューラを起動します。

      execute dbms_scheduler.set_scheduler_attribute ('SCHEDULER_DISABLED','FALSE');

    3. 次のコマンドを実行して、DBMSジョブを発行します。

      execute emd_maintenance.submit_em_dbms_jobs;

  2. 次のコマンドをSYSとして実行して、既存のデータベース内の「統計の収集」ジョブを開始します。

    Oracle Database 10g(10.2.0.4)以上

    execute dbms_scheduler.enable('GATHER_STATS_JOB');

    Oracle Database 11g(11.1.0.7)以上

    execute dbms_auto_task_admin.enable('auto optimizer stats collection',null,null);

  3. 追加OMSをアップグレードした場合は、追加OMSを追加した結果としてのドメインの構成変更がGrid Controlコンソールに反映されるように、Enterprise Managerアプリケーションが含まれるOracle WebLogic Serverドメインをリフレッシュします。Oracle WebLogic Serverドメインをリフレッシュするには、次の手順を実行します。

    1. Enterprise Manager Grid Controlで、Enterprise Managerアプリケーションが含まれるOracle WebLogic Serverドメインのホームページにナビゲートします。ほとんどの場合、ホームページへのダイレクトURLは次のようになります。ドメイン名がGCDomainでない場合は、その文字列でドメイン名を置換してください。

      [protocol]://[host]:[port]/em/faces/as/as/domainHome?target=/secFarm_GCDomain/GCDomain&type=weblogic_domain

    2. 「WebLogicドメイン」メニューから「WebLogicドメインのリフレッシュ」をクリックします。

    3. 「WebLogicドメインのリフレッシュ」ページで「続行」をクリックします。


    注意:

    これにより、「WebLogicドメインのリフレッシュ」ジョブが発行されます。このジョブによってドメイン構成変更が取得され、Enterprise Manager Grid Controlコンソールに反映されます。このジョブは1日に1回繰り返されます。このため、将来的にさらに追加OMSを追加したり、Enterprise ManagerシステムからOMSを削除したりすると、このジョブによってOracle WebLogic Serverドメインの構成変更が自動的に取得されます。追加OMSを追加するたびにこの手順を繰り返す必要はありません。

  4. Oracle Application Server関連のターゲット(Oracle Application Server、Oracle HTTP Server、OC4JおよびOracle Web Cacheなど)を管理リポジトリから削除します。

    具体的には、<OLD_OMS_NAME><OLD_OMS_NAME>_home<OLD_OMS_NAME>_OC4J_EM<OLD_OMS_NAME>_OC4J_EMPROV<OLD_OMS_NAME>_HTTP Serverおよび<OLD_OMS_NAME>Web Cacheを削除します。

    表21-4に、Enterprise Manager Grid Controlでのこれらのターゲットの表示名の例を示します。

    表21-4 Oracle Application Serverターゲットの削除

    ターゲット名 ターゲット・タイプ

    EnterpriseManager0.hostname.com

    Oracle Application Server

    EnterpriseManager0.hostname.com_home

    OC4J

    EnterpriseManager0.hostname.com_HTTP Server

    Oracle HTTP Server

    EnterpriseManager0.hostname.com_OC4J_EM

    OC4J

    EnterpriseManager0.hostname.com_OC4J_EMPROV

    OC4J

    EnterpriseManager0.hostname.com_Web Cache

    Web Cache


    これらのターゲットを削除するには、Enterprise Manager Grid Controlにログインし、「すべてのターゲット」をクリックします。次にターゲットを選択して、「削除」をクリックします。

  5. Enterprise Manager Grid Controlコンソールを使用するか、新規ターゲットが実行されている管理エージェントのOracleホームから次のコマンドを実行して、Scan Listenerなどの新規ターゲットをすべて検出します。

    $<ORACLE_HOME>/bin/agentca -d

  6. Enterprise Manager 11g Grid Controlでは、emoms.propertiesファイルはサポートされなくなりました。管理リポジトリに関連する詳細を表示するには、次のコマンドを実行します。

    emctl config oms -list_repos_details

  7. (オプション)別の管理リポジトリに接続する場合は、OMSを停止して次のコマンドを実行してから、OMSを再起動します。

    emctl config oms -store_repos_details (-repos_host <host> -repos_port <port> -repos_sid <sid> | -repos_conndesc <connect descriptor>) -repos_user <username> [-repos_pwd <pwd>] [-no_check_db]


    注意:

    Linuxでは、一重引用符または二重引用符を使用して接続記述子をダブルエスケープする必要があります。ただし、Microsoft Windowsではその必要はありません。

    Linuxでの例を次に示します。

    emctl config oms -store_repos_details -repos_host myreposhost.mydomain.com -repos_port 12345 -repos_sid mydb -repos_conndesc '"(DESCRIPTION=(ADDRESS=(PROTOCOL=TCP)(HOST=myreposhost.mydomain.com)(PORT=12345))(CONNECT_DATA=(SID=mydb)))"' -repos_user sysman

    Microsoft Windowsでの例を次に示します。

    emctl config oms -store_repos_details -repos_host myreposhost.mydomain.com -repos_port 12345 -repos_sid mydb -repos_conndesc (DESCRIPTION=(ADDRESS=(PROTOCOL=TCP)(HOST=myreposhost.mydomain.com)(PORT=12345))(CONNECT_DATA=(SID=mydb))) -repos_user sysman


  8. (オプション)新しくインストールされたターゲットを検出する場合、スタンドアロン管理エージェントをクラスタベース管理エージェントに変換する場合、クラスタの新規ノード上でターゲットを検出する場合、またはクラスタベース管理エージェントを再構成する場合は、agentcaスクリプトを実行して、再構成およびすべての新規ターゲットの検出を行う必要があります。

    agentcaスクリプトの詳細は、「エージェント・コンフィギュレーション・アシスタントの用途」を参照してください。

    管理エージェントの再構成およびすべての新規ターゲットの検出の詳細は、付録I「Oracle Management Agentの再構成および新規ターゲットの検出」を参照してください。

  9. (オプション)WLSでトランザクション・リクエストをトレースするためにリクエスト監視機能を有効にする場合は、監視対象のターゲットに対して、アプリケーションの依存性とパフォーマンス(ADP)のマネージャとエージェントおよびJVM診断を構成する必要があります。

    JVM診断のインストールおよびリクエスト監視機能の有効化の詳細は、Oracle Enterprise Manager管理ガイドを参照してください。

    Enterprise Manager Grid ControlでのADP機能の有効化の詳細は、『Oracle Enterprise Manager Management Pack Plus for SOAスタート・ガイド』を参照してください。

    これらのガイドはいずれも、次のURLで入手可能です。

    http://www.oracle.com/technology/documentation/oem.html

  10. OMSおよび管理エージェントの古いOracleホーム(oms10gおよびagent10g)を削除します。また、/etc/oratabファイルからもそれらのエントリ(oms10gおよびagent10g)を削除します。ただし、データベースのOracleホームは、アップグレード・スキーマが含まれているため削除しないでください。