Advanced System Monitoring (ASM) は、ライセンス化された付加価値ソフトウェア製品です。この製品のインストールは、Sun Management Center 3.5 ソフトウェアのインストール時に選択します。ASM は、より総合的なシステム監視機能をサポートする追加モジュールを提供します。ASM には、この節で説明している以下のモジュールが含まれます。
このモジュールを使用すると、エージェントがインストールされているホスト上の任意のディレクトリとそのサブディレクトリを分離してそれらのサイズを監視できます。サブディレクトリとリンクは、モジュールポップアップメニューからアクセスできるウィンドウを使用して再帰的に表示できます。
複数のディレクトリを個々に監視するには、ディレクトリサイズモニタリングモジュールのインスタンスを複数読み込むか、あるいはプロパティテーブル内で追加ディレクトリ用の行を追加してください。詳細は、ディレクトリサイズを監視するを参照してください。
次の表は、ディレクトリサイズモニタリングのプロパティについて概要を述べたものです。
表 C–118 ディレクトリサイズモニタリングプロパティ
プロパティ |
説明 |
---|---|
インスタンス名 |
特定モジュールまたはモジュール内の行を個別に識別するために Sun Management Center エージェント内で内部的に使用される単一の語句または英数字文字列 |
ディレクトリ名 |
監視対象となっているディレクトリの名前 |
ディレクトリサイズ (KB) |
ディレクトリの現在のサイズ (単位: K バイト) |
速度 (KB/秒) |
1 秒間にディレクトリがサイズを変化させる速度 (単位: K バイト) |
ファイル走査モジュールは、ホスト上のファイルを走査し、ユーザが指定したパターンがないかを探します。ファイル走査モジュールのインスタンスを複数読み込むと、複数のファイルを走査できます。このモジュールでは、データプロパティテーブル用に行を追加する必要があります。詳細は、データプロパティテーブルに行を追加するを参照してください。
ファイル走査モジュールには、以下の管理対象オブジェクトが存在します。
ファイル ID テーブル
ファイルの統計情報テーブル
走査テーブル
次の表は、ファイル走査のプロパティについて概要を述べたものです。
表 C–119 ファイル走査プロパティ
プロパティ |
説明 |
---|---|
ファイル ID |
ファイル走査で使用されるパターンの名前 |
ファイルの統計情報 |
表示されるパターンの状態 |
走査テーブル |
ファイル走査で使用されるパターンの名前 |
次の表は、ファイル ID のプロパティについて概要を述べたものです。
表 C–120 File ID プロパティ
プロパティ |
説明 |
---|---|
ファイル名 |
走査の対象となるファイルの絶対パス名 |
走査モード |
ファイル走査のモード |
開始時刻 |
ファイル走査が当初開始された時間 |
ファイルの統計情報テーブルには、走査対象となるファイルの概要が示されます。次の表は、ファイルの統計情報のプロパティについて概要を述べたものです。
表 C–121 ファイルの統計情報プロパティ
プロパティ |
説明 |
---|---|
修正時刻 |
ファイルの最終変更日時 |
ファイルサイズ (バイト) |
ファイルのサイズ (バイト数) |
行数 |
ファイル内の行数 |
1 秒あたりの行数 |
1 秒あたりでファイルが変化する速度 (単位: 行) |
次の表は、走査のプロパティについて概要を述べたものです。
表 C–122 走査テーブルプロパティ
プロパティ |
説明 |
---|---|
パターン名 |
ファイル走査で使用されたパターンの名前 |
パターンの説明 |
「Scan Results」セクションの「名前」フィールドに表示されるパターンエントリの名前 |
正規表現のパターン |
ファイルを走査してエントリを探す場合に使用される一定の正規表現パターン |
パターンの状態 |
表示されるパターンの状態 (on または off)。off の状態は、表示されるパターンがファイル走査で使用されないことを示す |
一致 |
パターンを含む行の番号 |
Hardware Diagnostic Suite は、システムをテストしてハードウェア障害がないかを確認します。このモジュールが読み込まれていて、Hardware Diagnostic Suite ソフトウェアがインストールされている場合は、「詳細」ウィンドウ内の「アプリケーション」タブを使用してテストを開始できます。Hardware Diagnostic Suite の詳細は、『Sun Management Center Hardware Diagnostic Suite 2.0 ユーザーガイド』を参照してください。
状態モニターモジュールは、ホストの健全さを監視します。アラーム状態が発生すると、このモジュールは必要に応じシステムのパフォーマンスを向上させる方法をユーザに示します。
たとえば、このモジュールは使用できるスワップ空間、予約されているスワップ空間、割り当て済みのスワップ空間、使用済みのスワップ空間などを監視します。次に、アラームメッセージの例を重大度の小さいものから順に示します。
No Worries:sufficient swap space available
There is lots of unused swap space
Not much swap left: perhaps add some more
Swap space shortage: add some more now
Dangerous swap space shortage: add more immediately
この節では、状態モニターモジュールによって管理される以下のオブジェクトについて説明します。
スワップテーブル
カーネル競合テーブル
NFS テーブル
CPU テーブル
ディスクテーブル
RAM テーブル
カーネルメモリテーブル
ディレクトリキャッシュテーブル
次の表で説明しているように、状態モニターモジュールはシステムプロパティを追跡して上記のオブジェクトがないか探します。
表 C–123 状態モニタープロパティ
プロパティ |
説明 |
---|---|
スワップ |
スワップ空間の詳細 |
カーネル競合 |
カーネル競合 (相互排他) |
NFS |
NFS クライアント情報を提供する |
CPU |
CPU 能力についての情報を提供する |
ディスク |
ディスク I/O 情報を提示する |
RAM |
ランダムアクセスメモリ (RAM) 情報 |
カーネルメモリ |
カーネルメモリの情報 |
ディレクトリキャッシュ |
ディレクトリのキャッシュ |
次の表は、走査のプロパティについて概要を述べたものです。
表 C–124 スワッププロパティ
プロパティ |
説明 |
---|---|
使用可能なサイズ (KB) |
使用できるスワップ空間 |
予約済みのサイズ (KB) |
予約されているスワップ空間 |
割り当て済みのサイズ (KB) |
割り当て済みのスワップ空間 |
使用中のサイズ (KB) |
使用済みのスワップ空間 |
スワップ規則 |
スワップの規則 |
次の表は、カーネル競合 (相互排他) のプロパティについて概要を述べたものです。
表 C–125 カーネル競合プロパティ
プロパティ |
説明 |
---|---|
相互排他時のスピン |
相互排他におけるスピン (最初の試行ではロックは取得されない) - すべての CPU の合計 |
CPU 数 |
CPU の数 |
相互排他時のスピン規則 |
相互排他におけるスピン (最初の試行ではロックは取得されない) - すべての CPU の合計 |
次の表は、NFS クライアント情報のプロパティについて概要を述べたものです。
表 C–126 NFS クライアント情報プロパティ
プロパティ |
説明 |
---|---|
呼び出し |
受信された RPC 呼び出しの合計数 |
不良呼び出し |
RPC レイヤによって拒否された呼び出しの合計数 |
再送 |
タイムアウトのために再送信された呼び出し |
不良 XID |
外部呼出しに対応していないサーバからの応答 |
タイムアウト |
サーバからの応答を待機している間に呼び出しのタイムアウトが発生 |
新規 CRED |
認証情報が再表示された回数 |
不良 VERF |
応答における不正なベリファイアのために失敗した呼び出しの数 |
タイマ |
タイムアウトが発生した回数が、呼び出しに対して指定されている最小のタイムアウト値を超える |
メモリなし |
メモリ割り当てに失敗 |
送信不可 |
NFS/RPC 規則の送信に失敗 |
NFS/RPC 規則 |
NFS/RPC 規則の値 |
次の表は、中央処理装置 (CPU) のプロパティについて概要を述べたものです。
表 C–127 CPU プロパティ
プロパティ |
説明 |
---|---|
実行待ち行列中のプロセス |
実行待ち行列内のプロセスの数 |
待ちプロセス |
リソース要求をブロックされたプロセスの数 |
スワップされたプロセス |
実行できるがスワップされた状態にあるプロセスの数 |
CPU パワー規則 |
CPU 能力の規則 |
次の表は、ディスクのプロパティについて概要を述べたものです。
表 C–128 ディスクプロパティ
プロパティ |
説明 |
---|---|
ディスク名 |
ディスクの名前 |
ディスク別名 |
ディスクの名前 (例: c0t0d0) |
ディスク待ち時間率 (%) |
サービスを待機しているトランザクションの平均数 |
ディスクビジー率 (%) |
ディスクがビジー状態にある時間の割合 |
サービス時間 (ミリ秒) |
ミリ秒単位で表した平均サービス時間 |
ディスク規則 |
ディスクの規則 |
次の表は、ランダムアクセスメモリ (RAM) のプロパティについて概要を述べたものです。
表 C–129 RAM プロパティ
プロパティ |
説明 |
---|---|
ハンドスプレッド |
ハンドスプレッド (カーネルパラメータの 1 つ) ページの値 |
スキャンレート |
ページ走査の頻度 |
実メモリ規則 |
実メモリの規則 |
次の表は、カーネルメモリのプロパティについて概要を述べたものです。
表 C–130 カーネルメモリプロパティ
プロパティ |
説明 |
---|---|
カーネル割り当ての合計失敗回数 |
カーネル割り当てが失敗した回数 |
未使用物理メモリ |
空いている物理メモリの量 |
カーネルメモリ規則 |
カーネルメモリ規則の値 |
次の表は、ディレクトリキャッシュのプロパティについて概要を述べたものです。
表 C–131 Nネームキャッシュ統計情報プロパティ
プロパティ |
説明 |
---|---|
キャッシュヒット |
以前にアクセスされたページが見つかった回数 |
キャッシュミス |
以前にアクセスされたページが見つからなくなった回数 |
ヒット率 |
|
参照率 |
|
DNLC 規則 |
ディレクトリ名ルックアップのキャッシュ規則 |
カーネルリーダモジュールは、カーネル統計とあらゆるカーネル情報 (CPU 統計情報、システム読み込み情報、ディスク情報、ファイルシステムの利用など) を監視します。この節では、カーネルリーダによって管理されるオブジェクトのプロパティとそれらの説明を示しています。
ユーザ統計情報テーブル
ディスク統計情報テーブル
入出力エラー統計情報テーブル
ファイルシステム使用状況テーブル
CPU 統計情報テーブル
メモリ使用統計情報
この節では、プロセスモニタリングモジュールのパラメータとそれらのプロパティについて説明します。このモジュールでは、データプロパティ一覧のための行を追加する必要があります。詳細については、データプロパティテーブルに行を追加するを参照してください。
一致するプロセスが見つかると、それらのプロセスによって消費される CPU 時間の割合と一致プロセスの数が表示されます。モジュールパラメータを変更したい場合は、ポップアップメニューをアクセスしてエントリ名以外のすべてのパラメータを編集できます。詳細は、ポップアップメニューを使用するを参照してください。
次の表は、プロセスのプロパティについて概要を述べたものです。
プロセステーブルに行を追加する場合は、以下の表の最初の 5 つの行に情報を入力する必要があります。詳細は、データプロパティテーブルに行を追加するを参照してください。
プロパティ |
説明 |
---|---|
エントリ名 |
プロセス統計テーブルエントリの名前 (一意の名前でなければならない) |
名前パターン |
監視したいプロセスのバイナリ名に一致するパターン |
Argv パターン |
プロセスを実行するコマンドの引数に一致するパターン |
ユーザ指定 |
プロセスを実行するユーザの名前 |
エントリの説明 |
エントリの説明 (必須フィールド) |
プロセスコマンド |
プロセスの開始に使用するコマンド (該当する場合) |
プロセス数 |
パターンに一致する、現在稼動中のプロセスの数< |
CPU 使用率 (%) |
|
システム CPU 使用率 (%) |
システムプロセスによって使用される CPU 時間の割合。この値は、さまざまな間隔で計算される使用時間による平均。この割合を UNIX ps コマンドの入力後に得られる値と混同しないでください。 |
ユーザ CPU 使用率 (%) |
プロセスによって使用される CPU 時間の割合 |
仮想サイズ (KB) |
プロセスの合計サイズ (単位: K バイト) |
常駐セットサイズ (KB) |
プロセスの常駐サイズ (単位: K バイト) |
モニタリング状態 |
on (行が有効になる) と off (行が無効になる) のトグル。行が無効になると、すべてのエントリは 0 (ゼロ) として表示される |
次の表は、マイクロステート情報のプロパティについて概要を述べたものです。
表 C–133 マイクロステート情報プロパティ
プロパティ |
説明 |
---|---|
エントリ名 |
エントリの名前 (一意の名前でなければならない) |
CPU 待ち時間率 (%) |
CPU 待ち時間の割合 |
テキストページデフォルト時間率 (%) |
テキストページフォルトが発生する時間の割合 |
データページデフォルト時間率 (%) |
データページフォルトが発生する時間の割合 |
メジャーページデフォルト数 (毎秒) |
1 秒間に発生するメジャーページフォルトの回数 (テキストフォルトとデータフォルト) |
I/O 内の文字数 (毎秒) |
1 秒間に読み取りと書き込みが行われる文字の数 |
強制コンテキストスイッチ数 (毎秒) |
1 秒間に行われる強制的なコンテキスト切り替えの回数 |
取得した子プロセスの CPU 時間率 (%) |
親プロセスから切り離された子プロセスによって使用される CPU 時間の割合 |
ユーザロック時間率 (%) |
ユーザロックに使用される時間の割合 |
システムトラップ時間率 (%) |
システムトラップに使用される時間の割合 |
総スワップ時間率 (%) |
スワップに使用される時間の割合 |
エントリの説明 |
エントリの説明 (必須フィールド) |
ファイルアクセス規則 |
ファイルアクセスに適用される規則 |
次のような状況では、きわめて高い割合で CPU ベースが使用されます。
特定のプロセスが、アクティブになるのを待っている多数のスレッドを抱えている
User Lock Time にとって、スレッド数が限界に達している