Solstice PPP は、以下のファイルにある情報を使用して、同期/非同期 PPP リンクにおける IP 接続を確立します。
PPP パス構成ファイル (/etc/opt/SUNWconn/ppp/ppp.conf) は、Solstice PPP リンク上の IP 接続に使用する同期パスと非同期 (ダイヤルアップ) パスを定義します。このファイルには、Solstice PPP の論理 IP インタフェースを確立する ifconfig(1M) コマンドがあります。
このファイルに設定されているパラメータの詳細については、「PPP パス構成ファイル (ppp.conf) の編集」 を参照してください。
リンク構成ファイル (/etc/opt/SUNWconn/ppp/link.conf) は、PPP リンクの作成に使用する同期デバイスと非同期デバイスを定義します。このファイルには、リモートホストとの非同期リンクを開始するための発信情報があります。
このファイルに設定されているパラメータの詳細については、「リンク構成ファイル (link.conf) の編集」を参照してください。
モデムデータベースファイル (/etc/opt/SUNWconn/ppp/modems) には、Solstice PPP が認識するモデムが記述されています。また、着信接続と発信接続においてモデムを初期化するときに、Solstice PPP が使用する AT コマンドも記述されています。
このファイルに新しいモデムの記述を追加する方法については、「モデムデータベースファイル (modems) の編集」を参照してください。
CHAT (接続) スクリプトは、リンク確立フェーズで行われるエンドポイント間の情報交換を定義します。デフォルトでは、CHAT スクリプトはディレクトリ /etc/opt/SUNWconn/ppp/script に存在します。ファイル link.conf 中の定義を編集しファイルを移動して、スクリプトの場所を変更することができます。CHAT スクリプトには、非対話型 (交換すべき情報がすべてスクリプト中にある) と対話型 (スクリプトがユーザー入力を促すプロンプトを表示する) の 2 種類があります。
ローカルホストから発信対象の各リモートホストに、CHAT スクリプトを 1 個作成する必要があります。CHAT スクリプトの内容の一部は、リモートホストのオペレーティングシステムによって異なります。PPP 初期設定スクリプト (pppinit) は、Solaris 環境を実装するホストと接続するためのテンプレートファイルを作成することができます。Solaris 以外のオペレーティングシステム用にテンプレートファイルを変更する手順については、「CHAT (接続) スクリプトの編集」を参照してください。
リモートホストが開始した非同期 PPP 接続を受信するには、このリモートホストのユーザーアカウントがローカルマシン上に作成されている必要があります。admintool(1M) を使用し、図 4-1 に示すエントリをローカルユーザーアカウントファイル /etc/passwd、/etc/shadow に追加します。
図 4-2 は、ppp.conf と link.conf のファイルを組み合わせることによって、同期 PPP リンク上のポイントツーポイント IP 接続を定義する例を示しています。
図 4-3 は、非同期 PPP リンクにおけるリモートホストとのポイントツーポイント IP 接続の開始に使用する、ファイル ppp.conf、link.conf と CHAT スクリプトの関係を示しています。
図 4-4 は、非同期 PPP リンクにおけるリモートホストとのポイントツーポイント IP 接続の受信に使用する、ファイル ppp.conf、link.conf とユーザーアカウントの関係を示しています。