管理者役割は、次のようなことを行うことがあります。
/etc/skel あるいは /etc/skel/tsol ディレクトリにコピーすべき他のファイルの追加
/etc/skel あるいは /etc/skel/tsol ディレクトリのデフォルトファイルの変更あるいはリネーム
サイト特有のスケルトンファイルのある代替スケルトンディレクトリの作成
代替のスケルトンディレクトリを使用する際は、管理者役割は、ユーザーマネージャを使用してユーザーアカウントを作成するときに「ホーム (Home)」ダイアログボックスに代替ディレクトリのパス名を指定することができます。
各シェル用にシェルスタートアップファイルのマスターコピーをスケルトンサブディレクトリに設定し、各ユーザーのデフォルトのシェルにあわせてスケルトンディレクトリをユーザーマネージャで指定する
これにより、アカウントの最下位の機密ラベルで最初にワークスペースが作成されたときに、スケルトンファイルのディレクトリから SLD に、ユーザーのデフォルト (ログイン) の SHELL
用の正しいスタートアップファイルだけがコピーされます。各シェルに別々の設定を実行する方法と、pfsh については、この章の「各シェル用にシェル初期化ファイルを分離するには」を参照してください。
Trusted Solaris システムでは、スケルトンディレクトリ内のファイルは、アカウントの持つ最下位ラベルで作成された、そのアカウント用の最初の SLD だけに自動的にコピーされます。
この後、アカウントはいくつかの設定を行う義務があります。ユーザーアカウントは、スケルトンディレクトリからコピーされたファイルを自分のデフォルトのシェルに合わせてリネームし、必要に応じてその内容を変更する必要があります。たとえば、ユーザーのデフォルトシェルが C シェルでその最下位機密ラベルが PUBLIC である場合、最初のログインの後、ユーザーはホームディレクトリ内の PUBLIC ラベルを持つ SLD に移り、そこで local.cshrc (/etc/skel から自動的にコピーされたもの)をリネームし、必要に応じてその内容を変更することになります。
これらの初期化ファイルはアカウントの持つ最下位ラベルで作成されたホームディレクトリ内の最初の SLD にロードされるだけなので、その他のラベルで作成された SLD にこれらのファイルを配置するにはさらに追加作業が必要となります。ホームディレクトリ内の SLD にファイルをコピーする場合やリンクを作成する場合には、ユーザーまたは管理者は、.copy_files か .link_files ファイルあるいはその両方のファイルを作成する必要があります。詳細は、「.copy_files および .link_files の使い方」を参照してください。