N1 Provisioning Server 3.1, Blades Edition Control Center 管理ガイド

Control Center の概念

Control Center は、N1 Provisioning Server ソフトウェアの Web ベースのユーザーインタフェースです。 このインタフェースを介して、配備の自動化、管理、および異機種システム混在環境の制御を行うことができます。 ユーザーは、複数の独立した論理サーバーファームを安全に設計、構成、配備、および管理することができます。

ドラッグ & ドロップなど、視覚的な操作が可能なので、複雑なネットワークトポロジの表現、ハードウェアの追加や削除、ファーム要素の構成も簡単です。 ファームライブラリやファームテンプレートを作成して、データセンター内、またはデータセンター間でのファームの配備を高速化、標準化、ならびに自動化することもできます。

新しく設計した論理サーバーファームごとに、次のタスクを実行できます。

Control Center は、ファームの「ライフサイクル」の概念を使用します。 「ライフサイクル」とは、ファームの設計から破棄までの推移を管理するプロセスを表す用語です。

  1. 新しいファームの設計は、次のいずれかの方法で行います。

  2. 新しいファームの設計が完了したら、起動のため、送信します。 指定されたとおりに、ネットワーク、デバイス、ストレージのプロビジョニングと構成が行われます。この処理にかかる時間は、設計がどの程度複雑かにもよりますが、非常に短時間 (10 分程度) です。

  3. ファームがアクティブになったら、サーバーモニターを配備し、アラームを構成します。 モニターとアラームは、ファームの保守管理や障害追跡において重要な役割を果たします。 詳細については、「要素のモニターとアラームの設定」を参照してください。 ビジネス上のニーズに合わせて、アクティブなファームに要素、サーバー、イメージを追加したり、反対に削除したり、再構成することもできます。 詳しい手順については、「アクティブなファームの更新」を参照してください。

  4. Control Center の待機オプションでは、ファームを保留状態にして、サーバーやロードバランサを組織内の別のユーザーが使用できるように解放することができます。 ユーザーのデータはあとで再度アクティブになるまで保持されます。 「ファームの待機状態への変更」を参照してください。 特定のファームの使用が完了したら、このファームを完全に廃棄して、すべてのハードウェアおよびディスクリソースを空きリソースプールに戻すことができます。

アクセス権

Control Center でアクセス権を管理するには、ユーザーレベルの許可と関連する特権によってアクセスを定義します。 アクセス権には、次の 3 つのクラスがあります。

ファーム管理タスク

I-Fabric の構築と N1 Provisioning Server ソフトウェアのインストールが完了したら、ファーム管理タスクを開始できます。 通常は、システムの承認の一環として、ファームを構築する前にグローバルなソフトウェアイメージとアカウントソフトウェアイメージを作成します。 ソフトウェアイメージの作成方法については、『N1 Provisioning Server 3.1, Blades Edition システム管理ガイド』を参照してください。

ファーム管理ライフサイクルには、次の主要タスクが含まれます。

ファーム管理の責任

一部の I-Fabric 実装では、ファームの設計と構成、モニターとアラームの作成、エンドユーザーアカウントの管理を、エンドユーザーが行います。 その他の I-Fabric 実装では、管理者がすべてのファーム管理タスクを実行します。

このマニュアルでは、管理者がすべてのファーム管理タスクを実行すると想定して説明を進めます。 エンドユーザーが管理サポートを要求できる領域については、その旨明記します。

ファームライフサイクルの各状態のタスク役割

Control Center は、さまざまなレベルのアクセス権をサポートします。 エンドユーザーや管理者は、これらのアクセス権を使って特定のファーム管理タスクを実行します。 エンドユーザーと Control Center との対話が許可されていない I-Fabric 実装では、管理者がすべてのタスクを実行します。

表 2–1 に、ファームライフサイクルの各状態で実行する必要がある高度なタスクを一覧します。


注 –

すべてのファーム管理を担当する管理者は、この表中のすべてのタスクを実行します。


表 2–1 ライフサイクルの状態と管理タスク

ユーザー / アカウントマネージャのタスク 

管理者のタスク 

ライフサイクルの状態 

新しいファームが作成されたが、まだ送信されていない  

なし 

設計 

ユーザーが承認と起動のためファームを送信した 

送信されたファームを手動で検証  

起動 

 

ファームが有効な場合、「Administration」画面を使って要求のブロックを解除 

 

 

Control Center の「Administration」画面で、コントラクトパラメータを設定 

 

 

アクティブなファームをユーザーに渡す  

 

アプリケーションとデータの移行 

ユーザーの移行処理を援助  

アクティブ 

サーバーイメージの作成 

グローバルイメージを作成 (『N1 Provisioning Server 3.1, Blades Edition システム管理ガイド』を参照)  

 

ファームの変更または変形 

リソースがコントラクト型の設定の制限範囲内である場合、ファームの変更処理は自動化される。 ファームがコントラクトによってバインドされていない場合、要求のブロックは解除される 

 

再設計したファームを新規ファームとして送信 

新規ファームの送信時と同じタスク  

 

すべてのファーム要素 (ストレージを除く) をプールに戻すように要求 

「Administration」画面から待機要求のブロックを解除 

待機 

要求の再起動 

「Administration」画面から再起動した要求のブロックを解除 

 

停止の要求 

「Administration」画面から停止要求のブロックを解除 

非アクティブ 

ファームの削除 

 

削除 

Control Center アカウント

Control Center アカウントには、論理サーバーファームの管理アクセス権および制御権を持ったユーザーのグループ (アカウントメンバー) が含まれます。 アカウントには、次の情報が含まれています。

Control Center には、複数のアカウントを含めることができます。各アカウントは、複数のファームを管理する複数のユーザーにサービスを提供するアカウントマネージャによって管理されます。その結果、複数の I-Fabric が連結される可能性があります。

特定のアカウント内のユーザーアクセスを持つユーザーは、ファームまたはファームのグループをその他のアカウントのユーザーから安全に隔離して管理できます。 Control Center アカウントの詳細については、第 3 章「アカウントの管理 」を参照してください。

Control Center のセキュリティと証明書

以下では、Control Center のセキュリティの局面について説明します。

セキュリティ証明書

Control Center には、デフォルトのセキュリティ証明書が用意されています。 このセキュリティ証明書の有効期間は 6 ヶ月です。 証明書の更新、または新規証明書のインストール方法については、『Sun ONE Application Server 7 Administrator's Guide to Security』を参照してください。