Solaris のシステム管理 (IP サービス)

DHCP サービスで IP アドレスを使用して作業する (作業マップ)

IP アドレスの追加、アドレス属性の変更、DHCP サービスからのアドレスの削除を実行するには、DHCP マネージャまたは pntadm コマンドを使用できます。IP アドレスを使用して作業する前に、表 15–4 を参照して、IP アドレスの属性をよく理解してください。この表を使用して、DHCP マネージャと pntadm を使用するための情報を知ることができます。


注 –

表 15–4 には、pntadm を使って IP アドレスの追加や変更をしながら IP アドレスの属性を指定する例が含まれています。pntadm の詳細については、pntadm(1M) のマニュアルページも参照してください。


次の作業マップに、IP アドレスを追加、変更、または削除するときに必要な作業を示します。さらに、作業マップには、作業の実行に必要な手順へのリンクが含まれています。

タスク 

説明 

説明 

単一または複数の IP アドレスを DHCP サービスに追加します。 

DHCP マネージャを使用して DHCP サービスですでに管理されているネットワークに IP アドレスを追加します。 

「単一の IP アドレスを追加する方法 (DHCP マネージャ)」

「既存の IP アドレスを複製する方法 (DHCP マネージャ)」

「複数の IP アドレスを追加する方法 (DHCP マネージャ)」

「IP アドレスを追加する方法 (pntadm)」

IP アドレスの属性を変更します。 

表 15–4 に示す IP アドレスの属性を変更します。

「IPアドレスの属性を変更する方法 (DHCP マネージャ)」

「IP アドレスの属性を変更する方法 (pntadm)」

DHCP サービスから IP アドレスを削除します。 

指定された IP アドレスを DHCP から使用できないように設定します。 

「IP アドレスを使用不可に指定する方法 (DHCP マネージャ)」

「IP アドレスを使用不可に指定する方法 (pntadm)」

「DHCP サービスから IP アドレスを削除する方法 (DHCP マネージャ)」

「DHCP サービスから IP アドレスを削除する方法 (pntadm)」

固定 IP アドレスを DHCP クライアントに割り当てます。 

クライアントがその構成を要求するたびに同じ IP アドレスを受け取るようにクライアントを設定します。 

「固定 IP アドレスを DHCP クライアントに割り当てる方法 (DHCP マネージャ)」

「固定 IP アドレスを DHCP クライアントに割り当てる方法 (pntadm)」

次の表に、IP アドレスの属性の一覧および説明を示します。

表 15–4 IP アドレスの属性

プロパティー 

説明 

pntadm コマンドで指定する方法

ネットワークアドレス 

作業の際に使用する IP アドレスを含むネットワークのアドレス。 

このネットワークアドレスは、DHCP マネージャのアドレスタブにあるネットワークリストに表示されます。 

ネットワークアドレスは、IP アドレスを作成、変更、または削除するために使用する pntadm コマンド行の最後の引数にする必要があります。

たとえば、IP アドレスをネットワーク 10.21.0.0 に追加する場合には、次のように入力します。

pntadm -A ip-address options 10.21.0.0

IP アドレス 

作成、変更、または削除する IP アドレス。 

この IP アドレスは、DHCP マネージャのアドレスタブの最初の列に表示されます。 

IP アドレスを操作する場合、pntadm コマンドに必ず -A-M、または -D オプションを付けます。

たとえば、IP アドレス 10.21.5.12 を変更する場合には、次のように入力します。

pntadm -M 10.21.5.12 options 10.21.0.0

クライアント名 

ホストテーブルで IP アドレスに割り当てられるホスト名。この名前は、アドレスが作成されるときに、DHCP マネージャによって自動的に生成できます。単一のアドレスを作成する場合、その名前を入力できます。 

-h オプションを使用してクライアント名を指定します。

たとえば、10.21.5.12 に対してクライアント名 carrot12 を指定する場合には、次のように入力します。

pntadm -M 10.21.5.12 -h carrot12 10.21.0.0

サーバーによる所有 

IP アドレスを管理し、DHCP クライアントの IP アドレス割り当て要求に応答する DHCP サーバー。 

-s オプションを使用して所有サーバー名を指定します。

たとえば、サーバー blue210.21.5.12 を所有することを指定するには、次のように入力します。

pntadm -M 10.21.5.12 -s blue2 10.21.0.0

構成マクロ 

dhcptab テーブルからネットワーク構成オプションを取得するために DHCP サーバーが使用するマクロ。サーバーを構成したり、ネットワークを追加したりすると、いくつかのマクロが自動的に作成されます。マクロについては、「DHCP マクロについて」を参照してください。アドレスを作成すると、サーバーマクロが同時に作成されます。サーバーマクロは、各アドレスの構成マクロとして割り当てられます。

-m オプションを使用してマクロ名を指定します。

たとえば、サーバーマクロ blue2 をアドレス 10.21.5.12 に割り当てる場合には、次のように入力します。

pntadm -M 10.21.5.12 -m blue2 10.21.0.0

クライアント ID 

DHCP サービス内で一意のテキスト文字列。

クライアント ID が 00 の場合、アドレスはどのクライアントにも割り当てられていません。IP アドレスの属性を変更する際にクライアント ID を指定すると、そのアドレスはそのクライアントに排他的に結合されます。 

クライアント ID は、DHCP クライアントのベンダーによって決定されます。Oracle Solaris DHCP クライアント以外のクライアントを使用している場合は、その DHCP クライアントのマニュアルを参照してください。 

-i オプションを使用してクライアント ID を指定します。

たとえば、クライアントID 08002094121E をアドレス 10.21.5.12 に割り当てる場合には、次のように入力します。

pntadm -M 10.21.5.12 -i 0108002094121E 10.21.0.0

 

Oracle Solaris DHCP クライアントの場合、クライアント ID は、クライアントの 16 進数ハードウェアアドレスから派生したものになります。クライアント ID には、ネットワークタイプの ARP コード (たとえば、Ethernet の場合 01) を表す接頭辞が含まれます。ARP コードは、Internet Assigned Numbers Authority (IANA) (Assigned Numbers 標準の ARP Parameters セクション) によって割り当てられます (http://www.iana.com/numbers.html を参照)。

たとえば、16 進 Ethernet アドレス 8:0:20:94:12:1e を持つ Oracle Solaris クライアントは、クライアント ID 0108002094121E を使用します。クライアントがアドレスを使用している場合、このクライアント ID は DHCP マネージャと pntadm で示されます。

ヒント: Oracle Solaris クライアントシステム上のスーパーユーザーとして次のコマンドを入力すると、そのインタフェースに関する Ethernet アドレスを取得できます。 ifconfig -a

 

予約済み 

このアドレスを指定した設定は、クライアント ID で示されるクライアントのために排他的に予約されます。DHCP サーバーがこのアドレスを取り戻すことはできません。このオプションを選択した場合、アドレスはクライアントに手動で割り当てます。

-f オプションを使用して、アドレスの予約または手動を指定します。

たとえば、あるクライアントについて IP アドレス 10.21.5.12 の予約を指定するには、次のように入力します。

pntadm -M 10.21.5.12 -f MANUAL 10.21.0.0

リースのタイプとポリシー 

クライアントによる IP アドレスの使用を DHCP が管理する方法を示す設定。リースは、動的または常時です。詳細な説明は、「動的リースタイプと常時リースタイプ」を参照してください。

-f オプションを使用して、アドレスが常時割り当てされるように指定します。デフォルトではアドレスは動的にリースされます。

たとえば、IP アドレス 10.21.5.12 に常時リースを割り当てるには、次のように入力します。

pntadm -M 10.21.5.12 -f PERMANENT 10.21.0.0

リースの有効期限 

リースが期限切れになる日付。動的リースが指定された場合のみ利用できます。日付は mm/dd/yyyy 書式で指定します。

リースの有効期限を -e オプションで指定します。

たとえば、有効期限として 2006 年 1 月 1 日を指定する場合には、次のように入力します。 

pntadm -M 10.21.5.12 -e 01/01/2006 10.21.0.0

BOOTP 設定 

BOOTP クライアントに対してアドレスが予約されていることを指定します。BOOTP クライアントのサポートについては、「DHCP サービスによる BOOTP クライアントのサポート (作業マップ)」を参照してください。

-f を使用して BOOTP クライアント用のアドレスを予約します。

たとえば、IP アドレス 10.21.5.12 を BOOTP クライアント用に予約する場合には、次のように入力します。

pntadm -M 10.21.5.12 -f BOOTP 10.21.0.0

使用不可設定 

どのクライアントにも割り当てられないようにアドレスに使用不可のマークを付ける設定。

-f オプションを使ってアドレスを使用不可にします。

たとえば、IP アドレス 10.21.5.12 を使用不可にするには、次のように入力します。

pntadm -M 10.21.5.12 -f UNUSABLE 10.21.0.0

DHCP サービスへの IP アドレスの追加

IP アドレスを追加する前に、それらのアドレスを所有するネットワークを DHCP サービスに追加する必要があります。ネットワークの追加については、「DHCP ネットワークの追加」を参照してください。

アドレスの追加は、DHCP マネージャまたは pntadm コマンドで行うことができます。

すでに DHCP サービスによって管理されているネットワーク上では、DHCP マネージャを使用すると、次のような複数の方法でアドレスを追加できます。

次に、「アドレスの作成 (Create Address)」ダイアログボックスを示します。「アドレスの複製 (Duplicate Address)」ダイアログボックスは、テキストフィールドに既存のアドレスの値が表示されていることを除いて「アドレスの作成 (Create Address)」ダイアログボックスと同じです。

図 15–8 DHCP マネージャの「アドレスの作成 (Create Address)」ダイアログボックス

ダイアログボックスには、「IP アドレス (IP Address)」、「クライアント名 (Client Name)」、「コメント (Comment)」の各フィールドを含む「アドレス (Address)」タブが表示されています。さらに、「構成マクロ (Configuration Macro)」というプルダウンリストが表示されています。

次の図に、一定範囲の IP アドレスの追加に使用する「ネットワークへアドレスの追加 (Add Addresses to Network)」ウィザードの最初のダイアログを示します。

図 15–9 DHCP マネージャの「ネットワークへアドレスの追加 (Add Addresses to Network)」ウィザード

コンテキストには、ウィザードの目的が示されています。さらに、「(Number of IP Addresses)」フィールドと「コメント (Comment)」フィールド、前方矢印と後方矢印、「(Cancel)」と「ヘルプ (Help)」ボタンが表示されています。

Procedure単一の IP アドレスを追加する方法 (DHCP マネージャ)

  1. DHCP マネージャの「アドレス (Addresses)」タブをクリックします。

    「DHCP マネージャを起動および停止する方法」を参照してください。

  2. 新しい IP アドレスを追加するネットワークを選択します。

  3. 「編集 (Edit)」メニューから「作成 (Create)」を選択します。

    「アドレスの作成 (Create Address)」ダイアログボックスが開きます。

  4. 「アドレス (Address)」と「リース (Lease)」タブで、値を選択または入力します。

    「ヘルプ (Help)」ボタンを選択して Web ブラウザを開き、ダイアログボックスのヘルプを表示します。また、設定値については、表 15–4 を参照してください。

  5. 「了解 (OK)」をクリックします。

Procedure既存の IP アドレスを複製する方法 (DHCP マネージャ)

  1. DHCP マネージャの「アドレス (Addresses)」タブをクリックします。

    「DHCP マネージャを起動および停止する方法」を参照してください。

  2. 新しい IP アドレスを配置するネットワークを選択します。

  3. 複製したい属性をもつアドレスを選択します。

  4. 「編集 (Edit)」メニューから「複製 (Duplicate)」を選択します。

  5. 「IP アドレス (IP Address)」フィールドに新しい IP アドレスを指定します。

  6. (省略可能) そのアドレスの新しいクライアント名を指定します。

    複製するアドレスと同じ名前のクライアント名を使用することはできません。

  7. (省略可能) 必要に応じて、ほかのオプションの値を変更します。

    ほとんどのオプションの値は変更の必要がないはずです。

  8. 「了解 (OK)」をクリックします。

Procedure複数の IP アドレスを追加する方法 (DHCP マネージャ)

  1. DHCP マネージャの「アドレス (Addresses)」タブをクリックします。

    「DHCP マネージャを起動および停止する方法」を参照してください。

  2. 新しい IP アドレスを追加するネットワークを選択します。

  3. 「編集 (Edit)」メニューから「アドレスウィザード (Address Wizard)」を選択します。

    「ネットワークへアドレスの追加 (Add Addresses to Network)」ダイアログボックスに IP アドレス属性の値を指定する必要があります。属性については、表 15–4 を参照するか、ダイアログボックスの「ヘルプ (Help)」ボタンをクリックしてください。「IP アドレスの管理に必要な選択 (作業マップ)」 には、さらに詳しい情報が記載されています。

  4. 情報を入力し終わったら、画面ごとに右矢印ボタンをクリックし、最後の画面で「完了 (Finish)」をクリックします。

    「アドレス (Addresses)」 タブに新規アドレスが更新されます。

ProcedureIP アドレスを追加する方法 (pntadm)

  1. スーパーユーザーになるか、DHCP 管理プロファイルに割り当てられている役割またはユーザー名になります。

    DHCP 管理プロファイルの詳細については、「DHCP コマンドへのユーザーアクセスの設定」を参照してください。

    役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細については、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。

  2. 次の書式のコマンドを入力して IP アドレスを追加します。


    # pntadm -A ip-address options  network-address
    

    pntadm -A で使用できるオプションの一覧については、pntadm(1M) のマニュアルページを参照してください。また、表 15–4 には、オプションを指定した pntadm コマンドの例が記載されています。


    注 –

    pntadm を利用して複数のアドレスを追加するような、スクリプトを作成することもできます。例 18–1 の例を参照してください。


DHCP サービスでの IP アドレスの変更

DHCP マネージャまたは 表 15–4 コマンドを使用すると、 Table 15–4 に記載されているアドレス属性を変更できます。pntadm -M の詳細は、pntadm(1M) のマニュアルページを参照してください。

次に、IP アドレスの属性を変更するときに使用する「アドレスの属性 (Address Properties)」ダイアログボックスを示します。

図 15–10 DHCP マネージャの「アドレスの属性 (Address Properties)」ダイアログボックス

「IP アドレス (IP Address)」、「(Owned by Server)」、「クライアント名 (Client Name)」、「コマンド (Comment)」フィールドをもつ「アドレス (Address)」タブ。さらに、プルダウンリスト付きの「構成マクロ (Configuration Macro)」が表示されています。

次に、複数の IP アドレスを変更するために使用する「複数アドレスの変更 (Modify Multiple Addresses)」ダイアログボックスを示します。

図 15–11 DHCP マネージャの「複数アドレスの変更 (Modify Multiple Addresses)」ダイアログボックス

ダイアログボックスには、「管理サーバー(Managing Server)」と「構成マクロ (Configuration Macro)」というプルダウンリストが表示されています。さらに、「BOOTP (BOOTP)」、「(Unusable addresses)」、「リースタイプ (Lease Type)」の選択ボタンがそれぞれ表示されています。

ProcedureIPアドレスの属性を変更する方法 (DHCP マネージャ)

  1. DHCP マネージャの「アドレス (Addresses)」タブをクリックします。

    「DHCP マネージャを起動および停止する方法」を参照してください。

  2. その IP アドレスのネットワークを選択します。

  3. 変更する IP アドレスを 1 つまたは複数選択します。

    複数のアドレスを変更する場合は、Control キーを押しながらマウスをクリックして、複数のアドレスを選択します。Shift キーを押しながらマウスをクリックして、一定範囲のアドレスを選択することもできます。

  4. 「編集 (Edit)」メニューから「属性 (Properties)」を選択します。

    「アドレスの属性 (Address Properties)」ダイアログボックスまたは「複数アドレスの変更 (Modify Multiple Addresses)」ダイアログボックスが開きます。

  5. 適切な属性を変更します。

    属性については、「ヘルプ (Help)」ボタンをクリックするか、表 15–4 を参照してください。

  6. 「了解 (OK)」をクリックします。

ProcedureIP アドレスの属性を変更する方法 (pntadm)

  1. スーパーユーザーになるか、DHCP 管理プロファイルに割り当てられている役割またはユーザー名になります。

    DHCP 管理プロファイルの詳細については、「DHCP コマンドへのユーザーアクセスの設定」を参照してください。

    役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細については、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。

  2. 次の書式のコマンドを入力して IP アドレスの属性を変更します。


    # pntadm -M ip-address options network-address
    

    pntadm コマンドでは、多数のオプションが使用できます。詳細は、pntadm(1M) のマニュアルページを参照してください。

    表 15–4 には、オプションを指定した pntadm コマンドの例が記載されています。

DHCP サービスからの IP アドレスの削除

特定の 1 つまたは複数の IP アドレスについて、DHCP サービスによる管理を停止したい場合があります。DHCP からアドレスを削除する方法は、その変更が一時的なものか永続的なものかによって異なります。

DHCP サービスで IP アドレスを使用不可にする

-f UNUSABLE オプションを付けて pntadm -M コマンドを使用すると、アドレスを使用不可に指定できます。

個々のアドレスの設定には、DHCP マネージャの「アドレスの属性 (Address Properties)」ダイアログボックス (図 15–10) を使用します。複数のアドレスの設定には、DHCP マネージャの「複数アドレスの変更 (Modify Multiple Addresses)」ダイアログボックス (図 15–11) を使用します。次の手順に従ってください。

ProcedureIP アドレスを使用不可に指定する方法 (DHCP マネージャ)

  1. DHCP マネージャの「アドレス (Addresses)」タブをクリックします。

    「DHCP マネージャを起動および停止する方法」を参照してください。

  2. その IP アドレスのネットワークを選択します。

  3. 使用不可に指定したい IP アドレスを 1 つまたは複数選択します。

    複数のアドレスを使用不可に指定する場合は、Control キーを押しながらマウスをクリックして、複数のアドレスを選択します。Shift キーを押しながらマウスをクリックして、一定範囲のアドレスを選択することもできます。

  4. 「編集 (Edit)」メニューから「属性 (Properties)」を選択します。

    「アドレスの属性 (Address Properties)」ダイアログボックスまたは「複数アドレスの変更 (Modify Multiple Addresses)」ダイアログボックスが開きます。

  5. アドレスを 1 つ変更する場合は、「リース (Lease)」タブを選択します。

  6. 「アドレスを使用しない (Address is Unusable)」を選択します。

    複数のアドレスを編集する場合は、「すべてのアドレスを使用しない (Mark All Addresses Unusable)」を選択します。

  7. 「了解 (OK)」をクリックします。

ProcedureIP アドレスを使用不可に指定する方法 (pntadm)

  1. スーパーユーザーになるか、DHCP 管理プロファイルに割り当てられている役割またはユーザー名になります。

    DHCP 管理プロファイルの詳細については、「DHCP コマンドへのユーザーアクセスの設定」を参照してください。

    役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細については、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。

  2. 次の書式のコマンドを入力して IP アドレスを使用不可に指定します。


    # pntadm -M ip-address -f UNUSABLE network-address
    

    たとえば、アドレス 10.64.3.3 を使用不可に指定するには、次のように入力します。

    pntadm -M 10.64.3.3 -f UNUSABLE 10.64.3.0

DHCP サービスからの IP アドレスの削除

IP アドレスを DHCP で管理したくない場合は、DHCP ネットワークテーブルからそのアドレスを削除する必要があります。pntadm -D コマンドまたは DHCP マネージャの「アドレスの削除 (Delete Address)」ダイアログボックスを使用できます。

次に、「アドレスの削除 (Delete Address)」ダイアログボックスを示します。

図 15–12 DHCP マネージャの「アドレスの削除 (Delete Address)」ダイアログボックス

ダイアログボックスには、削除する IP アドレスのリストと、「(Delete from hosts table)」というチェックボックスが表示されています。「OK」、「Cancel」および「Help」ボタンを表示します。

ProcedureDHCP サービスから IP アドレスを削除する方法 (DHCP マネージャ)

  1. DHCP マネージャの「アドレス (Addresses)」タブをクリックします。

    「DHCP マネージャを起動および停止する方法」を参照してください。

  2. その IP アドレスのネットワークを選択します。

  3. 削除する IP アドレスを選択します。

    複数のアドレスを削除する場合は、Control キーを押しながらマウスをクリックして、複数のアドレスを選択します。Shift キーを押しながらマウスをクリックして、一定範囲のアドレスを選択することもできます。

  4. 「編集 (Edit)」メニューから「削除 (Delete)」を選択します。

    「アドレスの削除 (Delete Address)」ダイアログボックスに、選択したアドレスがリストされるので、削除する内容を確認できます。

  5. ホスト名をホストテーブルから削除したい場合、「ホストテーブルから削除 (Delete From Hosts Table)」を選択します。

    ホスト名が DHCP マネージャによって生成されたものである場合、ホストテーブルからその名前を削除できます。

  6. 「了解 (OK)」をクリックします。

ProcedureDHCP サービスから IP アドレスを削除する方法 (pntadm)

  1. スーパーユーザーになるか、DHCP 管理プロファイルに割り当てられている役割またはユーザー名になります。

    DHCP 管理プロファイルの詳細については、「DHCP コマンドへのユーザーアクセスの設定」を参照してください。

    役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細については、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。

  2. 次の書式のコマンドを入力して IP アドレスを削除します。


    # pntadm -D ip-address options network-address
    

    -y オプションを指定した場合、ホスト名を保持しているネームサービスからホスト名が削除されます。

    たとえば、アドレス 10.64.3.3 をネットワーク 10.64.3.0 から削除して、対応するホスト名を削除するには、次のように入力します。

    pntadm -D 10.64.3.3 -y 10.64.3.0

予約済み IP アドレスを DHCP クライアントに割り当てる

Oracle Solaris DHCP サービスは、以前に DHCP を使用してアドレスを取得したクライアントに同じ IP アドレスを与えようとします。ただし、ときには、アドレスがすでに別のクライアントに再割り当てられていることがあります。

ルーターや、NIS/NIS+ サーバー、DNS サーバーなど、ネットワークにとって致命的なホストは DHCP クライアントになるべきではありません。ネットワークにサービスを提供するホストは、自らの IP アドレスを取得する際にネットワークに依存することは避ける必要があります。同じように、印刷サーバーやファイルサーバーなどのクライアントは、固定 IP アドレスをもつ必要があります。このようなクライアントは、そのネットワーク構成を受け取り、DHCP サーバーから固定 IP アドレスの割り当てることができます。

クライアントがその構成を要求するたびに同じ IP アドレスをクライアントに割り当てるように DHCP サーバーを設定できます。そのクライアント用に IP アドレスを予約するには、クライアントに割り当てるアドレスにクライアントの ID を手動で割り当てる必要があります。予約済みアドレスでは、動的リースか常時リースを使用できます。クライアントのアドレスで動的リースを使用する場合には、アドレスの使用を追跡することは簡単です。動的リースで予約済みアドレスを使用すべきクライアントの例としては、ディスクレスクライアントがあります。クライアントのアドレスで常時リースを使用する場合には、アドレスの使用を追跡することはできません。クライアントは常時リースを取得してしまうと、クライアントはサーバーに再度アクセスしません。クライアントは、更新された構成情報を取得するためには、IP アドレスを解放し、 DHCP とリースのネゴシエーションを再開する必要があります。

リース属性の設定には、pntadm -M コマンドか DHCP マネージャの「アドレスの属性 (Address Properties)」ダイアログボックスが使用できます。

次に、リースを変更するために使用する「アドレスの属性 (Address Properties)」ダイアログボックスの「リース (Lease)」タブを示します。

図 15–13 DHCP マネージャの「リース (Lease)」タブ

「リース (Lease)」タブには、「クライアント ID (Client ID)」フィールド、「予約 (Reserved)」チェックボックス、および「リースポリシー (Lease Policy)」、「(BOOTP clients)」、「(Address is unusable)」の設定フィールドなどがあります。

Procedure固定 IP アドレスを DHCP クライアントに割り当てる方法 (DHCP マネージャ)

  1. DHCP マネージャの「アドレス (Addresses)」タブをクリックします。

    「DHCP マネージャを起動および停止する方法」を参照してください。

  2. 適切なネットワークを選択します。

  3. クライアントで使用したい IP アドレスをダブルクリックします。

    「アドレスの属性 (Address Properties)」ウィンドウが開きます。

  4. 「リース (Lease)」タブを選択します。

  5. 「クライアント ID (Client ID)」フィールドにクライアント ID を入力します。

    クライアント ID は、クライアントのハードウェアアドレスから派生したものです。詳細は、表 15–4 の「クライアント ID」の項を参照してください。

  6. 「予約 (Reserved)」オプションを選択して、その IP アドレスがサーバーによって返還を要求されないようにします。

  7. 「アドレスの属性 (Address Properties)」ウィンドウの「リースポリシー (Lease Policy)」領域で、「動的 (Dynamic)」または「常時 (Permanent)」の割り当てを選択します。

    クライアントでリースを更新するネゴシエーションを行なって、アドレスが使用されている場合に追跡できるようにしたい場合は、「動的 (Dynamic)」を選択します。「予約 (Reserved)」を選択しているので、動的リースが使用されていても、アドレスは再利用できません。このリースの有効期限は指定する必要がありません。DHCP サーバーが、リース期間を使って有効期限を計算します。

    「常時 (Permanent)」を選択した場合、トランザクションの記録を有効にしない限り、IP アドレスの使用を追跡できません。

  8. 「了解 (OK)」をクリックします。

Procedure固定 IP アドレスを DHCP クライアントに割り当てる方法 (pntadm)

  1. スーパーユーザーになるか、DHCP 管理プロファイルに割り当てられている役割またはユーザー名になります。

    DHCP 管理プロファイルの詳細については、「DHCP コマンドへのユーザーアクセスの設定」を参照してください。

    役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細については、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。

  2. 次の書式のコマンドを入力してリースフラグを設定します。


    # pntadm -M ip-address -i client-id -f MANUAL+BOOTP network-address
    

    たとえば、MAC アドレスが 08:00:20:94:12:1E である Oracle Solaris DHCP クライアントに常に IP アドレス 10.21.5.12·を割り当てるためには、次のように入力します。

    pntadm -M 10.21.5.12 -i 0108002094121E -f MANUAL+BOOTP 10.21.0.0


    ヒント –

    クライアント識別子を決定する方法についての詳細は、表 15–4 の「クライアント ID」の項を参照してください。