エンドユーザーは、Web グラフィカルユーザーインタフェース (GUI)、Sun Java System Communications Express、または Connector for Microsoft Outlook を使用してクライアントマシンから Calendar Server に接続できます。Connector for Microsoft Outlook を使用すると、エンドユーザーは Calendar Server のバックエンドを使用しながら、デスクトップで Outlook の使用を継続できます。ユーザーは LDAP ディレクトリに一意のエントリを持っている必要があります。各ユーザーは 1 つ以上のカレンダを所有し、1 つ以上のグループに所属できます。
適切な権限を持つ管理者は、Delegated Administrator ユーティリティー (コマンド行) またはコンソール (GUI) を使用して、ユーザー LDAP エントリまたはリソース LDAP エントリを追加、削除、または変更できます。
Delegated Administrator ユーティリティー (commadmin ) のマニュアルについては、『Sun Java System Communications Services 6 2005Q4 Delegated Administrator Guide 』を参照してください。
Delegated Administrator コンソールのマニュアルについては、コンソールのオンラインヘルプを参照してください。
また、必要があれば、ldapmodify を使用して LDAP エントリを直接変更することもできます。ldapmodify については、『Sun ONE Directory Server Resource Kit 5.2 Tools Reference 』を参照してください。
csuser など、Java Enterprise System 以前のバージョンで使用されるユーティリティープログラムは、今回のバージョンでも Calendar Server にバンドルされています。Access Manager を使用している場合は、ユーザー、ドメイン、またはリソース LDAP エントリの管理や作成にこれらのユーティリティーを使用しないでください。これには例外がいくつかあります。このような場合、このマニュアルでは適切なユーティリティーを示します。
この節では、ユーザーおよびそのカレンダ管理に関する次の点について説明します。
次のいずれかのユーザー管理ツールを使用して、カレンダのユーザー、グループ、およびリソースを管理できます。
Delegated Administrator コンソール
この GUI を使用して、Calendar Server 用の LDAP にユーザー、グループ、およびリソースをプロビジョニングします。GUI の使用方法については、Delegated Administrator コンソールのオンラインヘルプを参照してください。
Delegated Administrator ユーティリティー (commadmin)
これらのツールを使用して、Calendar Server 用の LDAP にユーザー、グループ、およびリソースをプロビジョニングします。詳細な手順については、『Sun Java System Communications Services 6 2005Q4 Delegated Administrator Guide 』を参照してください。
Calendar Server ユーティリティー
これらのユーティリティーを使用して、カレンダを管理します。さらに、設定で次の基準をすべて満たしている場合は、ユーザー、グループ、およびリソースの管理にも使用できます。
Access Manager を使用していない。
Sun LDAP Schema バージョン 1 を使用して、以前のバージョンの Calendar Server または Messaging Server がインストールされている。
Schema バージョン 1 を使用し続ける予定である。
このマニュアルに含まれているコマンド行ユーティリティーの参考資料、付録 D 「Calendar Server のコマンド行ユーティリティーのリファレンス」も参照してください。
Delegated Administrator はカレンダを管理しません。ユーザー、グループ、およびリソースのカレンダを作成するには、Calendar Server のユーティリティー cscal および csresource を使用するか、自動プロビジョニングをオンにします。自動プロビジョニングをオンにすると、システムは、ユーザーがデフォルトカレンダを使用せずにログインした場合、またはデフォルトカレンダが存在する前にユーザー、グループ、またはリソースに対して出席依頼が発行された場合に、デフォルトカレンダを作成します。
次のツールを使用すると、LDAP でユーザーを作成できます。
Schema バージョン 1 の場合、Calendar Server の csuser ユーティリティーを使用してユーザーとカレンダの両方を同時に作成します。
Schema バージョン 2 の場合、Delegated Administrator コンソールの「新規ユーザー」ウィザードでユーザーを作成します。続いて、Calendar Server ユーティリティー cscal を使用し、ユーザーのデフォルトカレンダを作成します。付録 D 「Calendar Server のコマンド行ユーティリティーのリファレンス」を参照してください。
Schema バージョン 2 の場合、Delegated Administrator ユーティリティー commadmin user create を使用します。続いて、Calendar Server ユーティリティー cscal を使用します。
ユーザーの追加について詳しくは、このマニュアルの 「14.1 カレンダユーザー LDAP エントリの作成」を参照してください。
Delegated Administrator ユーティリティーの使用方法については、『Sun Java System Communications Services 6 2005Q4 Delegated Administrator Guide』を参照してください。
Calendar Server は、ユーザーの認証とユーザー設定の格納に使用する、Sun Java System Directory Server などの LDAP ディレクトリサーバーを必要とします。
Calendar Server では、ユーザーはディレクトリサーバーに格納されるユーザー設定属性を使用して、カレンダデータの表示方法をカスタマイズすることができます。ユーザー設定 (これと対をなすのが Calendar Server の構成パラメータ) は、ユーザーインタフェースでのカレンダデータの表示に適用され、カレンダを表示する際のユーザー名、電子メールアドレス、表示色などの項目がこれに含まれます。
設定できる項目については、『Sun Java System Calendar Server 6.3 WCAP Developer’s Guide 』の get_userprefs および set_userprefs の WCAP コマンドを参照してください。
グループとは、ユーザーの名前付きの集合体です。各グループには、ユーザーまたはリソースエントリのように、LDAP エントリがあります。カレンダやメッセージングなど、すべてのサービスに対して同じグループエントリを使用できます。
次に、Calendar Server の LDAP グループに関する情報をいくつか示します。
Calendar Server グループは静的であることも動的であることもあります。
カレンダサービスを使用するグループには、独自のデフォルトカレンダがあります。
Calendar Server グループは、個人、リソース、およびほかのグループ (入れ子) で構成されます。
グループカレンダの詳細は、次の節を参照してください。「1.5.7 Calendar Server バージョン 6.3 のグループカレンダの概要」。
カレンダデータベースは、ics.conf ファイルで local.autoprovision="yes" と設定することで、自動的に設定できます。さらに、ドメインはカレンダ対応である (カレンダサービスを持つ) 必要があります。つまり、ドメイン LDAP エントリに icsCalendar オブジェクトクラスが含まれている必要があります。
デフォルトカレンダを自動的に作成するには、2 通りの方法があります。
ユーザーの初回ログイン時にユーザーの LDAP エントリが見つかると、システムはそのエントリに対してカレンダサービスを有効にし、デフォルトカレンダを作成します。
デフォルトカレンダが作成される前に LDAPユーザー、グループ、またはリソースが予定に出席を依頼されると、システムはそのエンティティーに対してデフォルトカレンダを作成します。
たとえば、ディレクトリサーバーに tchang が存在するが、カレンダ機能はまだ有効になっていない (つまり、デフォルトカレンダを持っていない) と仮定します。自動プロビジョニングがオンになっており、ドメインカレンダが有効になっている場合は、次のようになります。
tchang の Calendar Server への初回ログイン時に、システムはカレンダ機能の tchang を自動的に有効にし、calid tchang@hisdomain.com を実行してデフォルトカレンダを作成します。
あるいは、デフォルトカレンダが作成される前に、誰かが tchang を予定に出席依頼すると、システムは ics.conf ファイルで user.invite.autprovision="yes" と設定されていれば、tchang のデフォルトカレンダを自動的に作成します。
出席依頼されたグループに対し、次の ics.conf パラメータが設定されていれば、デフォルトのグループカレンダが作成されます。groupAutoprovisioning="yes"
同様に、リソースに対しても、次の ics.conf パラメータが設定されていれば、デフォルトのリソースカレンダが作成されます。resource.invite.autoprovision="yes"
ユーザー、リソース、およびグループに必須の設定ファイルパラメータについて詳しくは、「4.3 LDAP ユーザー、グループ、およびリソースのカレンダの設定」を参照してください。
グループカレンダは、カレンダ対応のすべての LDAP グループに対して作成できます。このカレンダは、個人のカレンダと同じようにスケジューリングできます。グループに対して送られる出席依頼はグループカレンダおよびすべての個人メンバーカレンダにスケジューリングされます。グループが予定に出席依頼されたときにグループカレンダがまだ作成されておらず、自動プロビジョニングがオンになっている場合は、システムはデフォルトのプロパティーセットと ACL によってカレンダを作成します。
次に、グループカレンダについての情報をいくつか示します。
グループカレンダには誰もログインしないため、グループカレンダには個人用のカレンダのようなユーザーインタフェース設定はありません。
個人がグループカレンダを閲覧するには、グループに登録する必要があります。
適切な ACL の設定は、グループの所有者が責任を持って行います。
グループカレンダの空き/予定あり情報を取得すると、個人メンバーのカレンダではなく、グループカレンダの情報しか表示されません。
グループカレンダの ACL が予定の企画者による出席依頼を許可していない場合は、システムはエラーを返します。この場合は、グループメンバーは誰も出席依頼されません。
企画者は、グループカレンダ ID またはメーリングアドレスのいずれかを使用し、グループに出席を依頼できます。
Calendar Server ユーザーについては、第 14 章「ユーザー、グループ、およびリソースの管理」を参照してください。
リソースとは、会議室、またはプロジェクタなど、カレンダを使ってスケジューリングできるものを言います。そのような項目ごとに異なるリソース LDAP エントリがあります。LDAP エントリとそれに関連するカレンダの作成には、次の該当するツールを使用してください。
Schema バージョン 2 の場合: リソース LDAP エントリの作成には Delegated Administrator を、カレンダの作成には Calendar Server ユーティリティーの resource を使用します。
Schema バージョン 1 の場合: リソース LDAP エントリとカレンダのどちらの作成にも csresource create コマンドを使用します。
リソースカレンダを明示的に作成する必要はありません。自動プロビジョニングが有効になっていると、リソースが初めて出席依頼されると、システムはそのリソースに対するリソースカレンダを自動的に作成します。これは、ユーザーやグループに対するのと同じ動作です。