Sun Java System Calendar Server 6.3 管理ガイド

1.5 Calendar Server バージョン 6.3 のエンドユーザー管理

エンドユーザーは、Web グラフィカルユーザーインタフェース (GUI)、Sun Java System Communications Express、または Connector for Microsoft Outlook を使用してクライアントマシンから Calendar Server に接続できます。Connector for Microsoft Outlook を使用すると、エンドユーザーは Calendar Server のバックエンドを使用しながら、デスクトップで Outlook の使用を継続できます。ユーザーは LDAP ディレクトリに一意のエントリを持っている必要があります。各ユーザーは 1 つ以上のカレンダを所有し、1 つ以上のグループに所属できます。

適切な権限を持つ管理者は、Delegated Administrator ユーティリティー (コマンド行) またはコンソール (GUI) を使用して、ユーザー LDAP エントリまたはリソース LDAP エントリを追加、削除、または変更できます。

Delegated Administrator ユーティリティー (commadmin ) のマニュアルについては、『Sun Java System Communications Services 6 2005Q4 Delegated Administrator Guide 』を参照してください。

Delegated Administrator コンソールのマニュアルについては、コンソールのオンラインヘルプを参照してください。

また、必要があれば、ldapmodify を使用して LDAP エントリを直接変更することもできます。ldapmodify については、『Sun ONE Directory Server Resource Kit 5.2 Tools Reference 』を参照してください。


注意 – 注意 –

csuser など、Java Enterprise System 以前のバージョンで使用されるユーティリティープログラムは、今回のバージョンでも Calendar Server にバンドルされています。Access Manager を使用している場合は、ユーザー、ドメイン、またはリソース LDAP エントリの管理や作成にこれらのユーティリティーを使用しないでください。これには例外がいくつかあります。このような場合、このマニュアルでは適切なユーティリティーを示します。


この節では、ユーザーおよびそのカレンダ管理に関する次の点について説明します。

1.5.1 Calendar Server バージョン 6.3 の適切なユーザー管理ツールの選択

次のいずれかのユーザー管理ツールを使用して、カレンダのユーザー、グループ、およびリソースを管理できます。


注 –

Delegated Administrator はカレンダを管理しません。ユーザー、グループ、およびリソースのカレンダを作成するには、Calendar Server のユーティリティー cscal および csresource を使用するか、自動プロビジョニングをオンにします。自動プロビジョニングをオンにすると、システムは、ユーザーがデフォルトカレンダを使用せずにログインした場合、またはデフォルトカレンダが存在する前にユーザー、グループ、またはリソースに対して出席依頼が発行された場合に、デフォルトカレンダを作成します。


1.5.2 Calendar Server バージョン 6.3 でのユーザー LDAP エントリの作成

次のツールを使用すると、LDAP でユーザーを作成できます。

1.5.3 Calendar Server バージョン 6.3 のユーザー認証

Calendar Server は、ユーザーの認証とユーザー設定の格納に使用する、Sun Java System Directory Server などの LDAP ディレクトリサーバーを必要とします。

1.5.4 Calendar Server バージョン 6.3 のユーザー設定について

Calendar Server では、ユーザーはディレクトリサーバーに格納されるユーザー設定属性を使用して、カレンダデータの表示方法をカスタマイズすることができます。ユーザー設定 (これと対をなすのが Calendar Server の構成パラメータ) は、ユーザーインタフェースでのカレンダデータの表示に適用され、カレンダを表示する際のユーザー名、電子メールアドレス、表示色などの項目がこれに含まれます。

設定できる項目については、『Sun Java System Calendar Server 6.3 WCAP Developer’s Guide 』get_userprefs および set_userprefs の WCAP コマンドを参照してください。

1.5.5 Calendar Server バージョン 6.3 の LDAPグループの概要

グループとは、ユーザーの名前付きの集合体です。各グループには、ユーザーまたはリソースエントリのように、LDAP エントリがあります。カレンダやメッセージングなど、すべてのサービスに対して同じグループエントリを使用できます。

次に、Calendar Server の LDAP グループに関する情報をいくつか示します。

グループカレンダの詳細は、次の節を参照してください。「1.5.7 Calendar Server バージョン 6.3 のグループカレンダの概要」

1.5.6 自動プロビジョニング: Calendar Server バージョン 6.3 のカレンダの自動作成

カレンダデータベースは、ics.conf ファイルで local.autoprovision="yes" と設定することで、自動的に設定できます。さらに、ドメインはカレンダ対応である (カレンダサービスを持つ) 必要があります。つまり、ドメイン LDAP エントリに icsCalendar オブジェクトクラスが含まれている必要があります。

デフォルトカレンダを自動的に作成するには、2 通りの方法があります。

たとえば、ディレクトリサーバーに tchang が存在するが、カレンダ機能はまだ有効になっていない (つまり、デフォルトカレンダを持っていない) と仮定します。自動プロビジョニングがオンになっており、ドメインカレンダが有効になっている場合は、次のようになります。

ユーザー、リソース、およびグループに必須の設定ファイルパラメータについて詳しくは、「4.3 LDAP ユーザー、グループ、およびリソースのカレンダの設定」を参照してください。

1.5.7 Calendar Server バージョン 6.3 のグループカレンダの概要

グループカレンダは、カレンダ対応のすべての LDAP グループに対して作成できます。このカレンダは、個人のカレンダと同じようにスケジューリングできます。グループに対して送られる出席依頼はグループカレンダおよびすべての個人メンバーカレンダにスケジューリングされます。グループが予定に出席依頼されたときにグループカレンダがまだ作成されておらず、自動プロビジョニングがオンになっている場合は、システムはデフォルトのプロパティーセットと ACL によってカレンダを作成します。

次に、グループカレンダについての情報をいくつか示します。

Calendar Server ユーザーについては、第 14 章「ユーザー、グループ、およびリソースの管理」を参照してください。

1.5.8 Calendar Server バージョン 6.3 のリソースの概要

リソースとは、会議室、またはプロジェクタなど、カレンダを使ってスケジューリングできるものを言います。そのような項目ごとに異なるリソース LDAP エントリがあります。LDAP エントリとそれに関連するカレンダの作成には、次の該当するツールを使用してください。


注 –

リソースカレンダを明示的に作成する必要はありません。自動プロビジョニングが有効になっていると、リソースが初めて出席依頼されると、システムはそのリソースに対するリソースカレンダを自動的に作成します。これは、ユーザーやグループに対するのと同じ動作です。