Sun Java System Calendar Server 6.3 管理ガイド

4.2 カレンダの設定

ここでは、次の内容について説明します。

Procedureユーザーカレンダを設定するには

  1. 設定を変更する権限を持つ管理者としてログインします。

  2. stop-cal を実行して Calendar Server サービスを停止します。

  3. /etc/opt/SUNWics5/cal/config ディレクトリに移動します。

  4. 古い ics.conf ファイルをコピーして名前を変更し、保存します。

  5. 次の表に示すパラメータを 1 つ以上編集します。

    calstore.calendar.default.acl

    ユーザーがカレンダを作成したときに使用されるデフォルトのアクセス制御設定を指定します。形式は、ACE (アクセス制御エントリ) 引数をセミコロンで区切ったリスト形式の文字列です。デフォルトは次のとおりです。

    "@@o^a^r^g;@@o^c^wdeic^g;
    @^a^fs^g;@^c^^g;@^p^r^g"

    ACE 形式については、「15.4 カレンダのアクセス制御」を参照してください。Calendar Server ユーティリティーについては、「D.5 cscalを参照してください。

    calstore.calendar.owner.acl

    カレンダ所有者のデフォルトのアクセス制御設定を指定します。デフォルトは次のとおりです。"@@o^a^rsf^g;@@o^c^wdeic^g"

    calstore.freebusy.include.defaultcalendar

    ユーザーのデフォルトカレンダを、そのユーザーの空き/予定ありカレンダリストに含めるかどうかを指定します。デフォルトは “yes” です。

    calstore.freebusy.remove.defaultcalendar

    ユーザーのデフォルトカレンダを、そのユーザーの空き/予定ありカレンダリストから削除できるかどうかを指定します。デフォルトは “no” です。

    service.wcap.freebusy.redirecturl

    異なるデータベースでのカレンダの検索に使用する URL を指定します。このパラメータは、カレンダデータベースの移行中にのみ使用します。カレンダが 2 つの異なるデータベースに分かれている間は、現在の Calendar Server データベース以外の URL を指定できます。システムでは、まず Calendar Server のカレンダデータベースを検索し、ユーザーが見つからない場合は、リダイレクト URL が利用できるかどうかを確認します。この機能をオフにするには、get_freebusy コマンドで 1 に設定された noredirect パラメータを渡します。

    calstore.subscribed.include. defaultcalendar

    ユーザーのデフォルトカレンダを、そのユーザーの登録済みカレンダリストに含めるかどうかを指定します。デフォルトは “yes” です。

    service.wcap.login.calendar.publicread

    "yes" に指定すると、ユーザーのデフォルトカレンダは公開読み取り/非公開書き込みに初期設定されます。"no" を指定すると、ユーザーのデフォルトカレンダは非公開読み取り/非公開書き込みに初期設定されます。デフォルトは “no” です。

    user.allow.doublebook

    ユーザーカレンダの同じ時間帯に複数の予定をスケジューリングできるかどうかを指定します。

    • "no": 複数のユーザーからの予約は拒否されます。

    • "yes": 複数のユーザーからの予約は許可されます (デフォルト)。

      このパラメータは、ユーザーカレンダの作成時にのみ使用されます。作成後は、Calendar Server はカレンダプロパティーファイル (ics50calprops.db) を参照して複数のユーザーからの予約の可否を決定します。

      複数のユーザーからの予約のカレンダプロパティーの値を変更するには、-k オプションを指定して cscal を実行します。

    user.invite.autoprovision

    ユーザーが出席依頼を受信したがデフォルトカレンダがない場合に、ユーザーカレンダを自動作成するかどうかを指定します。このオプションはデフォルトで有効になっています ("yes")。

  6. ファイルを ics.conf として保存します。

  7. Calendar Server を再起動します。

    cal-svr-base/SUNWics5/cal/sbin/start-cal

Procedureリソースカレンダを設定するには

  1. 設定を変更する権限を持つ管理者としてログインします。

  2. stop-cal を実行して Calendar Server サービスを停止します。

  3. /etc/opt/SUNWics5/cal/config ディレクトリに移動します。

  4. 古い ics.conf ファイルをコピーして名前を変更し、保存します。

  5. 次の表に示すパラメータを 1 つ以上編集します。

    resource.allow.doublebook

    カレンダの作成時に、リソースカレンダ (会議室や視聴覚機器などのリソースのカレンダ) の同一時間帯に複数の予定をスケジューリングできるように設定するかどうかを指定します。

    • "no": 複数のユーザーからの予約は拒否されます。これがデフォルトです。

    • "yes": 複数のユーザーからの予約は許可されます。

    • このパラメータは、リソースカレンダの作成時にのみ使用されます。

      リソースカレンダの作成後は、Calendar Server はカレンダのプロパティー (ics50calprops.db) を参照して複数のユーザーからの予約の可否を決定します。

      リソースカレンダのカレンダプロパティーを変更して複数のユーザーからの予約の可否を変更する場合は、-k オプションを指定した csresource コマンドを実行します。

    resource.default.acl

    リソースカレンダを作成するときに使用されるデフォルトのアクセス制御設定を指定します。デフォルトは次のとおりです。

    "@@o^a^r^g;@@o^c^wdeic^g;@^a^rsf^g")
    resource.invite.autoaccept

    出席依頼がリソースに送信されたときに自動的に受諾とマークを付けるかどうかを指定します。デフォルトは "yes" です。

    resource.invite.autoprovision

    リソースに対し予定への出席依頼がなされたときに既存のカレンダがない場合、自動プロビジョニングを行うかどうかを指定します。

    デフォルトは "yes" です。

  6. ファイルを ics.conf として保存します。

  7. Calendar Server を再起動します。

    cal-svr-base/SUNWics5/cal/sbin/start-cal

Procedureグループカレンダを設定するには

グループカレンダは、ユーザーカレンダに類似した予定を使用してスケジュールできます。ただし、ユーザーはグループカレンダにログインできません。ユーザーがグループカレンダを閲覧するには、そのカレンダに登録しておく必要があります。グループカレンダを設定するには、次の手順に従って、ics.conf ファイルを編集します。

  1. 設定を変更する権限を持つ管理者としてログインします。

  2. stop-cal を実行して Calendar Server サービスを停止します。

  3. /etc/opt/SUNWics5/cal/config ディレクトリに移動します。

  4. 古い ics.conf ファイルをコピーして名前を変更し、保存します。

  5. 次の表に示すパラメータを 1 つ以上編集します。

    group.allow.doublebook

    グループカレンダが複数のユーザーから予約できるかどうかを指定します。デフォルトは yes です。

    group.default.acl

    グループカレンダのデフォルト ACL を指定します。

    "@@o^a^r^g;@@o^c^wdeic^g;@^a^rsf^g"

    group.invite.autoprovision

    自動プロビジョニングを有効にするか無効にするかを指定します。デフォルトは "yes" (有効) です。

    group.invite.autoaccept

    グループの出席依頼に自動的に PARTSTAT=ACCEPTED を与えるかどうかを指定します。

    group.invite.expand

    出席依頼に応じてグループを拡張するかどうかを指定します。

    "yes" の場合、calstore.group.attendee.maxsize パラメータの制約を満たすとリストが拡張されます。拡張に失敗したり、このパラメータが "no" に設定されている場合は、出席者リストにはグループ名だけが表示され、RSVP は要求されません。

    calstore.group.attendee.maxsize

    グループを拡張できるかどうかを指定します。"0" の値は拡張限度がないことを示します。どのサイズのグループも拡張できます。

    拡張は可能ですが、無制限ではありません。パラメータの値は、拡張したグループ内で許容できる出席者の最大数を示します。グループ内の出席者数が最大サイズを超えた場合、そのグループは拡張されません。

    "-1" の値は拡張できないことを示します。

    最大サイズを超えたために拡張できない場合、出席者リストにはグループ名だけが表示され、企画者にエラーが返されます。

  6. ファイルを ics.conf として保存します。

  7. Calendar Server を再起動します。

    cal-svr-base/SUNWics5/cal/sbin/start-cal
参照

グループの設定については、「グループ用に Calendar Server を設定するには」を参照してください。

Procedureカレンダの自動プロビジョニングを無効にするには

ユーザーカレンダ、リソースカレンダ、およびグループカレンダの自動プロビジョニングはデフォルトで有効になっています。つまり、ログインしようとしたユーザーがまだデフォルトカレンダを持っていない場合、デフォルト設定を使用してユーザーカレンダが作成されます。

ユーザー、リソース、またはグループに対し予定への出席依頼が行われたが、デフォルトカレンダがまだ用意されていない場合、デフォルト設定を使用してリソースカレンダまたはグループカレンダが作成されます。

いずれかのカレンダの自動プロビジョニングを無効にするには、次の手順で示すように、ics.conf ファイルの該当するパラメータを変更します。

  1. 設定を変更する権限を持つ管理者としてログインします。

  2. stop-cal を実行して Calendar Server サービスを停止します。

  3. /etc/opt/SUNWics5/cal/config ディレクトリに移動します。

  4. 古い ics.conf ファイルをコピーして名前を変更し、保存します。

  5. 次のパラメータを編集して、ユーザーカレンダ、リソースカレンダ、およびグループカレンダの自動プロビジョニングを無効にします。

    local.autoprovision

    ユーザーカレンダの自動プロビジョニングを有効にするか (“yes”)、無効にするか (“no”) を指定します。デフォルトは “yes” です。

    resource.invite.autoprovision

    リソースカレンダの自動プロビジョニングを有効にするか (“yes”)、無効にするか (“no”) を指定します。デフォルトは “yes” です。

    group.invite.autoprovision

    グループカレンダの自動プロビジョニングを有効にするか (“yes”)、無効にするか (“no”) を指定します。デフォルトは “yes” です。

    autoprovisioning

    ユーザーカレンダの自動出席依頼を有効にするか (“yes”)、無効にするか (“no”) を指定します。デフォルトは “yes” です。

  6. ファイルを ics.conf として保存します。

  7. Calendar Server を再起動します。

    cal-svr-base /SUNWics5/cal/sbin/start-cal

Procedure空き/予定あり検索を設定するには

空き/予定ありビューは、いくつかの目的で使用されます。空き/予定ありビューの生成方法をカスタマイズするための ics.conf パラメータがいくつか用意されています。

  1. 設定を変更する権限を持つ管理者としてログインします。

  2. stop-cal を実行して Calendar Server サービスを停止します。

  3. /etc/opt/SUNWics5/cal/config ディレクトリに移動します。

  4. 古い ics.conf ファイルをコピーして名前を変更し、保存します。

  5. 次の表に示す 1 つ以上の ics.conf パラメータを編集します。

    service.wcap.freebusybegin

    get_freebusy の範囲指定の開始時刻に適用される、現在時刻からのオフセットを指定します (日単位)。デフォルトは "30" です。

    service.wcap.freebusyend

    get_freebusy の範囲指定の終了時刻に適用される、現在時刻からのオフセットを指定します (日単位)。デフォルトは "30" です。

    calstore.freebusy.include.defaultcalendar

    ユーザーのデフォルトカレンダを、そのユーザーの空き/予定ありカレンダリストに含めるかどうかを指定します。デフォルトは "yes" です。

    calstore.freebusy.remove.defaultcalendar

    ユーザーのデフォルトカレンダを、そのユーザーの空き/予定ありカレンダリストから削除できるかどうかを指定します。デフォルトは "no" です。

  6. ファイルを ics.conf として保存します。

  7. Calendar Server を再起動します。

    cal-svr-base /SUNWics5/cal/sbin/start-cal