この章では、Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD に含まれている Solaris 8 対話式インストールプログラムを使用して Solaris ソフトウェアのインストールやアップグレードを行う方法について説明します。
Solaris 8 対話式インストールプログラムは、GUI と CLI で実行 (IA: Device Configuration Assistant (デバイス構成用補助) を使用する起動を含む) できます。
GUI – ローカルまたはリモートの CD-ROM ドライブまたはネットワーク接続、ビデオアダプタ、キーボード、およびモニターが必要です。
CLI – ローカルまたはリモートの CD-ROM ドライブまたはネットワーク接続、キーボード、およびモニターが必要です。tip(1) 接続で Solaris 8 対話式インストールプログラムを実行すると CLI インストールを行うことができます。
CLI を使用する場合は、Control-U (ページの上方へ移動) と Control-D (ページの下方へ移動) を使用してテキスト内をナビゲートしてください。
Solaris 8 対話式インストールプログラムは、システムにビデオアダプタがあることを検出すると自動的に GUI を使用し、検出できないと CLI を使用します。操作手順や設定内容は、GUI も CLI もほとんど同じです。
Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD に含まれている Solaris 8 対話式インストールプログラムを使用して、Solaris オペレーティング環境を SPARC システムにインストールまたはアップグレードすることができます。Solaris 8 対話式インストールプログラムでは、追加ソフトウェアをインストールすることはできません。
次の CD を用意してください
Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (SPARC)
Solaris 8 SOFTWARE 2 of 2 CD (SPARC) – 必要に応じて、インストールプログラムがこの CD を挿入するように要求します。
Solaris 8 LANGUAGES CD (SPARC) – 特定地域の言語をサポートするために必要な場合、インストールプログラムがこの CD を挿入するように要求します。
作業 |
説明 |
参照先 |
---|---|---|
必要な情報を収集する |
チェックリストに従ってワークシートに記入しながら、Solaris ソフトウェアのインストールに必要なすべての情報を収集します。 | |
(アップグレードのみ) システムをアップグレードするための準備をする |
システムのバックアップをとります。 | |
(省略可能) システム構成情報を事前設定する |
sysidcfg ファイルやネームサービスを使って、システムのインストール情報 (locale など) を事前設定することができます。これによって、インストール時にこの情報を入力するように求められなくなります。 | |
(省略可能) ネットワーク上でインストールするためのシステムを設定する |
リモートの Solaris 8 SOFTWARE CD (SPARC) イメージをインストールする場合は、インストールサーバーまたはブートサーバーからシステムをブートしてインストールするように、システムを設定する必要があります。 | |
インストールまたはアップグレードを行う |
システムをブートし、プロンプトに従って Solaris ソフトウェアをインストールまたはアップグレードします。 | |
(アップグレードのみ) アップグレード後に必要な作業を行う |
アップグレードで失われたローカル変更がある場合は、それを復元します。 |
CD-ROM ドライブとネットイメージのどちらを使用してソフトウェアをインストールするかを決定します。
CD-ROM ドライブを使用する場合は、Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (SPARC) を挿入します。
ネットインストールイメージを使用する場合は、インストールメディアが置かれているディレクトリに移動します。必要に応じ、ネットワーク管理者に場所を尋ねてください。以下に、コマンド例を示します。
% cd /net/install-svr/export/s8/sparc |
システムをブートします。
新しく購入したばかり (未使用) のシステムの場合は、システムの電源を入れます。
既存システムのインストールまたはアップグレードを行う場合は、システムをシャットダウンします。
ローカル CD からブートする場合は、次のように入力します。
ok boot cdrom |
ネットワーク上のインストールサーバーからブートする場合は、次のように入力します。
ok boot net |
Solaris 8 対話式インストールプログラムが始まります。
システム構成の質問に答えます。
すべてのシステム構成情報が事前設定されている場合は、構成情報の入力は求められません。
システム構成情報の事前設定を行なっていない場合は、インストール用のワークシートまたは アップグレード用のワークシートを参照して、システム構成の質問に答えます。
画面に示される手順に従って、Solaris ソフトウェアをシステムにインストールします。
Solaris ソフトウェアのインストールが終了した後、システムを自動的にリブートするか、手動でリブートするかをたずねられます。
インストールが終了すると、インストールログがファイルに保存されます。インストールログは、次のディレクトリに作成されます。
/var/sadm/system/logs
/var/sadm/install/logs
アップグレードを行なった場合は、保存されなかったローカル変更があればそれを復元します。詳細は、Solaris 8 対話式インストールプログラムによるアップグレード後に必要な作業を参照してください。
(省略可能) Solaris 8 DOCUMENTATION CD など、追加ソフトウェアをインストールする場合は、付録 B 「Solaris 8 をインストールした後のソフトウェアの追加と削除」 を参照してください。
Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD に含まれている Solaris 8 対話式インストールプログラムを使用して、Solaris オペレーティング環境を SPARC システムにインストールまたはアップグレードすることができます。Solaris 8 対話式インストールプログラムでは、追加ソフトウェアをインストールすることはできません。
次の CD を用意してください
Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (Intel)
Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (Intel) – 必要に応じて、インストールプログラムがこの CD を挿入するように要求します。
Solaris 8 LANGUAGES CD (Intel) – 特定地域の言語をサポートするために必要な場合、インストールプログラムがこの CD を挿入するように要求します。
作業 |
説明 |
参照先 |
---|---|---|
必要な情報を収集する |
チェックリストに従ってワークシートに記入しながら、Solaris ソフトウェアのインストールに必要なすべての情報を収集します。 | |
(アップグレードのみ) システムをアップグレードするための準備をする |
システムのバックアップをとります。 | |
(省略可能) システム構成情報を事前設定する |
sysidcfg ファイルやネームサービスを使って、システムのインストール情報 (locale など) を事前設定することができます。これによって、インストール時にこの情報を入力するように求められなくなります。 | |
(省略可能) ネットワーク上でインストールするためのシステムを設定する |
リモートの Solaris 8 SOFTWARE CD (Intel) イメージをインストールする場合は、インストールサーバーまたはブートサーバーからシステムをブートしてインストールするように、システムを設定する必要があります。 | |
インストールまたはアップグレードを行う |
システムをブートし、プロンプトに従って Solaris ソフトウェアをインストールまたはアップグレードします。 | |
(アップグレードのみ) アップグレード後に必要な作業を行う |
アップグレードで失われたローカル変更がある場合は、それを復元します。 |
CD-ROM ドライブとネットイメージのどちらを使用してソフトウェアをインストールするかを決定します。
CD-ROM ドライブを使用する場合、Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 (Intel) を挿入します。
ネットイメージを使用する場合、インストールメディアが置かれているディレクトリへ移動します。必要に応じ、ネットワーク管理者に場所を尋ねてください。次にコマンド例を示します。
% cd /net/install-svr/export/s8/ia |
システムのブート方法を決定します。
Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 (Intel) CD からブートする場合は、CD を挿入します。システムの BIOS は、CD からのブートをサポートするものでなければなりません。
ネットワークからブートする場合は、PXE (Pre-boot eXecution Environment) ネットワークブートを使用してください。システムは PXE をサポートするものでなければなりません。システムの BIOS 設定ツールまたはネットワークアダプタの構成設定ツールを使用して、PXE を使用するようにシステムを設定します。
フロッピーディスクからブートする場合は、システムのフロッピーディスクドライブに Solaris 8 Device Configuration Assistant (デバイス構成用補助) のフロッピーディスクを挿入します。
ブートフロッピーディスクソフトウェアのアクセスは、http://soldc.sun.com/support/drivers/dcs_diskettes の「Solaris Developer Connection」からこのソフトウェアをフロッピーディスクにダウンロードしてコピーすることによって行えます。
システムをシャットダウンし、電源を切ってからまた入れ直してシステムをブートします。
メモリーテストとハードウェア検出が実行されます。画面が再表示されます。
Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (Intel) からブートした場合は、次のメッセージが表示されます。
SunOS - Intel Platform Edition Primary Boot Subsystem, vsn 2.0 |
続いて、次のようなメッセージが表示されます。
SunOS Secondary Boot version 3.00 Solaris Intel Platform Edition Booting System Running Configuration Assistant... |
PXE ネットワークブートを使用してネットワーク上でブートする場合は、次のメディアが表示されます。
Solaris network boot... |
続いて、次のような情報が表示されます。
SunOS Secondary Boot version 3.00 Solaris Intel Platform Edition Booting System Running Configuration Assistant... |
Solaris 8 Device Configuration Assistant (デバイス構成用補助) フロッピーディスクを使用してブートした場合、次のメッセージが表示されます。
Solaris Boot Sector Version 1 |
続いて、次のようなメッセージが表示されます。
Solaris for x86 - FCS DCB Version 1.242 loading /solaris/boot.bin |
画面が再表示され、次のようなメッセージが表示されます。
SunOS Secondary Boot version 3.00 Solaris Intel Platform Edition Booting System Running Configuration Assistant... |
「Solaris Device Configuration Assistant」画面が表示されたら、「Continue」を選択します。
「Bus Enumeration」画面に次のメッセージが表示されます。
Determining bus types and gathering hardware configuration data ... |
「Scanning Devices」画面が表示され、システムデバイスのスキャンが行われます。スキャンが終了すると、「Identified Devices」画面が表示されます。
変更する必要があるか確認します。
変更しない場合は、「Continue」を選択します。
変更する場合は、「changes」を選択します。
「Loading」画面に、システムをブートするためにロードされたドライバに関するメッセージが表示されます。数秒後に「Boot Solaris」画面が表示されます。
「Boot Solaris」画面で「CD」、「Net」、または「Disk」を選択し、「Continue」を選択します。
デフォルトのブートディスクが、システムのインストールまたはアップグレードに必要な条件を満たしているかどうかが検査されます。
システム構成の質問に答えます。
すべてのシステム構成情報をあらかじめ構成してある場合は、手順 8へ進みます。
システム構成情報の事前設定を行なっていない場合は、インストール用のワークシートまたは アップグレード用のワークシートを参照して、システム構成の質問に答えます。
数秒後に「The Solaris Installation Program」画面が表示されます。
「Continue」を選択します。
「kdmconfig – Introduction」画面が表示されます。
「Continue」を選択します。
「kdmconfig - View and Edit Window System Configuration」画面が表示されます。
(省略可能)「kdmconfig - View and Edit Window System Configuration」画面の構成情報を確認し、必要な場合は変更します。
構成情報の確認が終わったら、「No changes needed - Test/Save and Exit」を選択し、「Continue」を選択します。
「kdmconfig Window System Configuration Test」画面が表示されます。
「Continue」を選択します。
画面が再表示され、「kdmconfig Window System Configuration Test palette and pattern」画面が表示されます。
ポインタを移動でき、パレット上に示されている色が正しく表示されていることを確認します。
色が正しく表示されていない場合は、「No」をクリックするか (可能な場合)、キーボードのいずれかのキーを押すか、「kdmconfig Window System Configuration Test」画面が自動的に終了するのを待ちます。そして、一連の色が正しく表示され、ポインタを正しく移動できるまで、手順 10 から 手順 13 を繰り返します。
一連の色が正しく表示されている場合は、「Yes」をクリックします。
Solaris 8 対話式インストールプログラムが始まります。
システム構成の質問に答えます。
すべてのシステム構成情報が事前設定されている場合は、構成情報の入力は求められません。
システム構成情報の事前設定を行なっていない場合は、インストール用のワークシートまたは アップグレード用のワークシートを参照して、システム構成の質問に答えます。
システムのリブートとディスクの取り出しを自動的に行うかを決定します。
PXE を使用してネットワークからブートする場合は、手動リブートを選択してください。システムがその起動時にネットワークからブートしないように設定する必要があります。ネットワークブートを無効にするには、リブート時にシステムの BIOS 設定ツールかネットワークアダプタの構成設定ツールを使用してください。
指示にしたがって Solaris ソフトウェアをインストールします。
Solaris ソフトウェアのインストールが終了した後、システムを自動的にリブートするか、手動でリブートするかを尋ねられます。
インストールが終了すると、インストールログがファイルに保存されます。インストールログは、次のディレクトリに作成されます。
/var/sadm/system/logs
/var/sadm/install/logs
アップグレードを行なった場合は、保存されなかったローカル変更があればそれを復元します。詳細は、Solaris 8 対話式インストールプログラムによるアップグレード後に必要な作業を参照してください。
(省略可能) Solaris 8 DOCUMENTATION CD など、追加ソフトウェアをインストールする場合は、付録 B 「Solaris 8 をインストールした後のソフトウェアの追加と削除」 を参照してください。
アップグレードを行うと、Solaris 8 対話式インストールプログラムは、既存システムに対して行なったローカルなソフトウェア変更と新しい Solaris ソフトウェアをマージします。ただし場合によっては、マージが行われないことがあります。したがって、システムのアップグレードが終了したら、保存されなかったローカル変更を復元しなければならない場合があります。
保存されなかったローカル変更を復元しないと、システムがブートされないことがあります。