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Sun™ Identity Manager 8.0 管理ガイド 

第 7 章
データの読み込みと同期

この章では、Identity Manager でのデータの読み込みと同期機能の説明および手順を示します。Identity Manager のデータの同期ツール (検索、調整、および同期) を使用してデータを最新に保つ方法がわかります。

Identity Manager のデータの読み込みと同期機能の詳細な説明については、『Identity Manager の配備に関する技術概要』の「データ読み込みと同期」の章を参照してください。


データ同期ツール: 最適なツールの選択

Identity Manager には、アカウントデータのインポートと同期に使用できるいくつかのツールがあります。表 7-1 を参照して、タスクごとに正しいツールを選択してください。


Identity Manager のデータの読み込みと同期機能の詳細な説明については、『Identity Manager の配備に関する技術概要』の「データ読み込みと同期」の章を参照してください。


表 7-1 各タスクで使用するデータ同期ツール 

実行するタスク

使用する機能

読み込みの前に表示確認など行わずに、最初からリソースアカウントを Identity Manager に読み込ませる

リソースから読み込み

最初からリソースアカウントを Identity Manager に読み込ませる。オプションの作業として、読み込みの前にデータを表示および編集する

ファイルへ抽出、ファイルから読み込み

定期的にリソースアカウントを Identity Manager に読み込ませる。設定されたポリシーに従って各アカウントを操作する

リソースの調整

リソースアカウントの変更を Identity Manager に適用する、または読み込ませる

Active Sync アダプタを使用した同期 (複数リソースの実装)


検索

Identity Manager アカウント検出機能を使用すると、導入とアカウント作成タスクの速度が向上します。これらの機能には次のものがあります。

これらのツールを使用して、新しい Identity Manager ユーザーを作成したり、リソースのアカウントを既存の Identity Manager ユーザーアカウントに相互に関連付けたりすることができます。


この節では、Identity Manager の検索機能を使用する方法について説明します。データの読み込みと同期機能の詳細については、『Identity Manager の配備に関する技術概要』の「データ読み込みと同期」の章を参照してください。


ファイルへ抽出

この機能は、リソースアカウントをリソースから XML または CSV テキストファイルに抽出するために使用します。これにより、抽出したデータを表示して変更したあとに、Identity Manager にインポートすることができます。

アカウントを抽出するには、次の手順に従います。

  1. メニューバーで「アカウント」を選択し、「ファイルへ抽出」を選択します。
  2. アカウントの抽出元となるリソースを選択します。
  3. 出力のアカウント情報のファイル形式を選択します。データを XML ファイルまたはテキストファイルに抽出することができます。アカウント属性はカンマ区切り値 (CSV) 形式で表示されます。
  4. 「ダウンロード」をクリックします。Identity Manager は「ファイルのダウンロード」ダイアログを表示し、そこで、抽出したファイルを保存するか表示するかを選択できます。

ファイルを開く場合は、そのファイルを表示するプログラムを選択しなければならない場合があります。

ファイルから読み込み

この機能は、リソースアカウント、つまり Identity Manager を通じてリソースから抽出されたリソースアカウントか、別のファイルソースから抽出されたリソースアカウントを Identity Manager に読み込むために使用します。Identity Manager のファイルへ抽出機能で作成されたファイルは XML 形式です。新しいユーザーのリストを読み込んだ場合、通常、データファイルは CSV 形式です。

CSV ファイル形式について

ほとんどの場合、読み込まれるアカウントはスプレッドシートにリストされ、値をカンマで区切った CSV 形式で保存されて、Identity Manager に読み込まれます。CSV ファイルの内容は、次のフォーマットガイドラインに従っている必要があります。

アカウントを読み込むには、次の手順に従います。

  1. 管理者インタフェースで、メニューから「アカウント」をクリックし、「ファイルから読み込み」をクリックします。
  2. Identity Manager の「アカウントのファイルからの読み込み」ページが表示されます。

  3. 「アカウントのファイルからの読み込み」ページで次の読み込みオプションを指定します。
    • 「ユーザーフォーム」 − 読み込み結果により Identity Manager ユーザーが作成される場合、ユーザーフォームは、ロール、リソース、およびその他の属性と同様に組織を割り当てます。各リソースアカウントに割り当てるユーザーフォームを選択してください。
    • 「アカウント相関規則」 − アカウント相関規則は、所有者のいない各リソースアカウントの所有者候補となる Identity Manager ユーザーを選択します。所有者のいないリソースアカウントの属性が与えられると、相関規則は、所有者候補のユーザーを選択するために使用される名前のリストまたは属性条件のリストを返します。所有者のいない各アカウントを所有している可能性のある Identity Manager ユーザーを検索するための規則を選択してください。
    • 「アカウント確認規則」 − アカウント確認規則は、相関規則が選択した所有者の候補から所有者でないものを除外します。Identity Manager ユーザーの完全なビューと所有されていないリソースアカウントの属性が与えられた場合、確認規則はユーザーがアカウントを所有していれば true を、そうでない場合は false を返します。リソースアカウントの各所有者候補をテストするための規則を選択します。「確認規則なし」を選択した場合、Identity Manager はすべての所有者候補を確認なしで受け入れます。

    • お使いの環境で、相関規則が各アカウントに対して多くとも 1 つの所有者しか選択しない場合、確認規則は必要ありません。


    • 「一致のみ読み込み」 − 既存の Identity Manager ユーザーと一致するアカウントのみを読み込むことを選択します。このオプションが選択されている場合、不一致のリソースアカウントはすべて読み込みから破棄されます。
    • 「属性の更新」 − 現在の Identity Manager ユーザー属性値を、読み込まれたアカウントの属性値で置き換えることを選択します。
    • 「属性値のマージ」 − その属性値が上書きではなく (重複を除いて) 結合されるような、1 つ以上の属性名をカンマで区切って入力します。このオプションは、グループやメーリングリストなどの、リストタイプの属性にのみ使用できます。また、「属性値の更新」オプションも選択する必要があります。
    • 「結果レベル」 − 読み込みプロセスがアカウントの個々の結果を記録するしきい値を選択します。
      • 「エラーのみ」 − アカウントの読み込みでエラーメッセージが生成されたときにのみ個々の結果を記録します。
      • 「警告およびエラー」 − アカウントの読み込みで警告またはエラーメッセージが生成されたときに個々の結果を記録します。
      • 「情報以上」 − すべてのアカウントの個々の結果を記録します。これを選択すると、読み込みの速度が低下します。
  4. 「アップロードするファイル」フィールドで、読み込むファイルを指定して「アカウントの読み込み」をクリックします。

    • 入力ファイルにユーザー列が含まれていない場合は、読み込みを正常に続行するために確認規則を選択する必要があります。
    • 読み込みプロセスに関連付けられているタスクインスタンス名は、入力ファイル名に基づいています。そのため、ファイル名を再利用すると、最後の読み込みプロセスに関連付けられているタスクインスタンスによって以前のすべてのタスクインスタンスが上書きされます。

  5. 図 7-2 に、「ファイルから読み込み」画面で使用できるフィールドとオプションを示します。

    図 7-2 ファイルから読み込み
    読み込みプロセスを使用して、ファイルからアカウントを読み込みます。

アカウントが既存のユーザーと一致する (または相互に関連する) 場合、読み込みプロセスではアカウントがユーザーにマージされます。また、相互に関連しない入力アカウントから新しい Identity Manager ユーザーも作成されます (「相関は必須」が指定されていない場合)。

bulkAction.maxParseErrors 設定変数は、ファイルの読み込み時に検出するエラーの数の制限を設定します。デフォルトでは、エラー数の制限は 10 です。maxParseErrors の数のエラーが発生した場合、解析が停止します。

リソースから読み込み

この機能は、指定した読み込みオプションに従ってアカウントを Identity Manager に直接抽出してインポートするために使用します。

アカウントをインポートするには、次の手順に従います。

  1. 管理者インタフェースで、メニューから「アカウント」をクリックし、「リソースから読み込み」をクリックします。
  2. 「リソースからのアカウントの読み込み」ページが開きます。

  3. 「リソースからのアカウントの読み込み」ページで読み込みオプションを指定します。
  4. このページの読み込みオプションは、「ファイルから読み込み」ページ (こちら) のオプションと同じです。


調整

調整機能を使用して、Identity Manager 内のリソースアカウントをリソース上に実際に存在するアカウントと定期的に比較できます。調整により、アカウントデータが関連付けられ、違いが強調表示されます。


この節では、管理者インタフェースを使用して調整タスクを実行する方法について説明します。調整の詳細については、『Identity Manager の配備に関する技術概要』の「データ読み込みと同期」の章を参照してください。


調整の概要

調整は処理の進行中に比較するために設計されており、次の特徴があります。

また、リソース処理の次の各時点で任意のワークフローを起動するように調整を設定できます。

Identity Manager 調整機能には、「リソース」領域からアクセスします。リソースリストには、各リソースが最後に調整された日時および現在の調整ステータスが表示されます。


調整は、Identity Manager の調停サーバーコンポーネントによって実行されます。調停サーバー設定の詳細については、「調整サーバーの設定」を参照してください。


調整ポリシーについて

調整ポリシーを使用して、調整タスクごとに各リソースに対して一連の応答を設定できます。ポリシーでは、調整を実行するサーバーを選択し、どのような場合にどのような頻度で調整を実行するかを指定して、調整中に発生した各状況に対する応答を設定します。また、アカウント属性に対して (Identity Manager を経由せずに) ネイティブに行われた変更を検出するように調整を設定することもできます。

調整ポリシーの編集

調整ポリシーを編集するには、次の手順に従います。

  1. 管理者インタフェースで、メニューから「リソース」をクリックします。
  2. 「リソースリスト」からリソースを選択します。
  3. 「リソースアクション」リストから「調整ポリシーの編集」を選択します。

Identity Manager は「調整ポリシーの編集」ページを表示し、ここで、次のようなポリシーの項目を選択できます。

次のいずれかの応答オプションを選択します (状況により、選択できるオプションは異なる)。

ポリシーの変更を保存するには、「保存」をクリックしてください。

調整の開始

調整タスクを開始する場合は、次の 2 つのオプションが利用可能です。

調整のキャンセル

調整をキャンセルするには、次の手順に従います。

  1. 管理者インタフェースで、メニューから「リソース」をクリックします。
  2. 「リソースリスト」から、調整をキャンセルするリソースを選択します。
  3. 「リソースアクション」リストから「調整のキャンセル」を選択します。

調整ステータスの表示

調整ステータスを表示する主な方法は 2 つあります。詳細な調整ステータスを表示する場合は、特定のリソースの調整結果の概要ページを開きます。調整ステータスの一部を「リソースリスト」から直接確認することもできます。

詳細な調整ステータスの表示

調整結果の概要ページを使用して、詳細な調整ステータスを表示します。

詳細な調整ステータスを表示するには、次の手順に従います。

  1. 管理者インタフェースで、メニューから「リソース」をクリックします。
  2. 「リソースリスト」で、調整ステータスを表示するリソースを選択します。
  3. 「リソースアクション」リストから「調整ステータスの表示」を選択します。
  4. そのリソースの調整結果の概要ページが開きます。

「リソースリスト」での調整ステータスの表示

「リソースリスト」から調整ステータスを知ることもできます。(「リソースリスト」を表示するには、管理者インタフェースを開いて、メニューから「リソース」をクリックします。)

「ステータス」列に、次のような調整ステータスの状態が表示されます。

アカウントインデックスの操作

アカウントインデックスは、Identity Manager に認識される各リソースアカウントの最後の既知の状態を記録します。アカウントインデックスは主に調整によって保守されますが、ほかの Identity Manager 機能も、必要に応じてアカウントインデックスを更新します。

検索ツールはアカウントインデックスを更新しません。

アカウントインデックスの検索

アカウントインデックスを検索して、リソースアカウントの最後の既知の状態を表示します。

アカウントインデックスを検索するには、次の手順に従います。

  1. 管理者インタフェースで、メニューから「リソース」をクリックします。
  2. 「リソースリスト」から、アカウントインデックスを検索するリソースを選択します。
  3. 「リソースアクション」リストから「アカウントインデックスの検索」を選択します。
  4. 「アカウントインデックスの検索」ページが開きます。

  5. 検索タイプを選択してから、検索属性を入力または選択します。
    • リソースアカウント名 − このオプションを選択した場合は、「が次の文字列で始まる」、「が次の文字列を含む」、「が次の文字列と等しい」のいずれかの修飾子を選択してから、アカウント名の一部または全部を入力します。
    • 検索対象リソース − このオプションを選択した場合は、リストから 1 つ以上のリソースを選択して、指定したリソース上にある調整済みアカウントを検索します。
    • 所有者 − このオプションを選択した場合は、「が次の文字列で始まる」、「が次の文字列を含む」、「が次の文字列と等しい」のいずれかの修飾子を選択してから、所有者名の一部または全部を入力します。所有者のいないアカウントを検索するには、UNMATCHED または DISPUTED 状況のアカウントを検索します。
    • 調整状況 − このオプションを選択した場合、リストから 1 つ以上の状況を選択して、指定した状況と一致する調整済みアカウントを検索します。
  6. 「検索」をクリックすると、検索パラメータに従ってアカウントを検索します。検索結果の数を制限するために、「結果表示を次の件数に限定」フィールドに数を指定することもできます。デフォルトの制限数は、検出されたアカウントの最初から 1000 件目までです。
  7. 「クエリーのリセット」をクリックすると、ページがクリアされ、新たに選択を行えます。

アカウントインデックスの検査

すべての Identity Manager ユーザーアカウントを表示することができます。また、オプションとして、それらをユーザーベースで調整することができます。

アカウントインデックスを検査するには、次の手順に従います。

  1. 管理者インタフェースで、メニューから「リソース」をクリックします。
  2. 二次的なメニューで「アカウントインデックスの検査」をクリックします。
  3. 「アカウントインデックスの検査」ページが開きます。

Identity Manager が認識するすべてのリソースアカウントが表形式で表示されます (Identity Manager ユーザーに所有されるアカウントかどうかに関係なく)。この情報は、リソース別、または Identity Manager の組織別にまとめられます。この表示を変更するには、「インデックス表示の変更」リストから選択を行います。

アカウントの操作

リソースのアカウントを操作するには、「リソースごとのグループ」インデックス表示を選択します。Identity Manager のリソースタイプごとにフォルダが表示されます。フォルダを展開して特定のリソースに移動します。リソースの隣の + または - をクリックすると、Identity Manager が認識するリソースアカウントがすべて表示されます。

リソースに対する最後の調整後に、そのリソースに直接追加されたアカウントは、表示されません。

アカウントの現在の状況に応じて、いくつかの操作を実行できます。アカウントを右クリックすると、有効な修復オプションの一覧が表示されます。また、アカウントの詳細を表示したり、その 1 つのアカウントを調整したりすることを選択できます。

ユーザーの操作

Identity Manager ユーザーを操作するには、「ユーザーごとのグループ」インデックス表示を選択します。この表示では、「アカウントのリスト」ページのように、Identity Manager ユーザーおよび組織が階層構造で表示されます。Identity Manager で現在ユーザーに割り当てられているアカウントを表示するには、ユーザーに移動してユーザー名の隣のインジケータをクリックします。ユーザーのアカウントと、Identity Manager が認識するそのアカウントの現在のステータスがユーザー名の下に表示されます。

アカウントの現在の状況に応じて、いくつかの操作を実行できます。また、アカウントの詳細を表示したり、その 1 つのアカウントを調整したりすることを選択できます。

タスクスケジュール繰り返し規則の使用

タスクスケジュール繰り返し規則を使用して、調整スケジュールを設定できます。たとえば、土曜日にスケジュールされている調整を次の月曜日に適用するには、タスクスケジュール繰り返し規則を使用します。

タスクスケジュール繰り返し規則は、完全調整と差分調整の両方のスケジュール設定に使用できます。

タスクスケジュール繰り返し規則を選択する方法については、「調整ポリシーの編集」を参照してください。

調整実行時間のスケジュール方法

調停サーバーコンポーネントは、調整ジョブが完了すると、次の実行スケジュールをチェックします。

調停サーバーは、最初にデフォルトスケジュールをチェックして次の実行時間を取得します。次に調停サーバーは、適用可能なすべてのタスクスケジュール繰り返し規則を実行し、スケジュールの調整が必要かどうか確認します。調整が必要な場合、その調整のデフォルトスケジュールより規則のスケジュールが優先されます。


タスクスケジュール繰り返し規則でデフォルトスケジュールを上書きすることはできません。ジョブごとの開始時間をスケジュールする際に「優先される」だけです。


「すべての日付を受け入れる」サンプル規則

この節では、「すべての日付を受け入れる」という名前の組み込みサンプル規則について説明します。

「すべての日付を受け入れる」サンプル規則を表示するには、次の手順に従います。

  1. テキストエディタで、Identity Manager の sample ディレクトリにある ReconRules.xml を開きます。
  2. SCHEDULING_RULE_ACCEPT_ALL_DATES という名前の規則を検索します。

規則を「調整ポリシーの編集」ページの「タスクスケジュール繰り返し規則」ドロップダウンメニューのリストに表示するには、規則の subtype 属性を SUBTYPE_TASKSCHEDULE_REPETITION_RULE に設定する必要があります。

前の説明にもあるとおり、タスクスケジュール繰り返し規則でデフォルトの調整スケジュールを変更できます。

変数 calculatedNextDate には、デフォルトモードで計算した次の日付を設定することも、別の日付を返すこともできます。サンプル規則に記述されているように、calculatedNextDate は無条件にデフォルトの日付を受け入れます。

コード例 7-1 SCHEDULING_RULE_ACCEPT_ALL_DATES 規則のロジック (抜粋)

<RuleArgument name='calculatedNextDate'/>

<block>

  <ref>calculatedNextDate</ref>

</block>

カスタムスケジュールを作成するには、<block> 要素の間にある規則のロジックを書き換えます。たとえば、調整開始時間を土曜日の午前 10:00 に変更するには、次のような JavaScript を <block> 要素の間に記述します。

コード例 7-2 サンプルタスクスケジュール繰り返し規則のロジック

<block>

  <script>

    var calculatedNextDate = env.get('calculatedNextDate');

    // このタスクが土曜日にスケジュールされているかどうかテスト

    // (JavaScript では土曜日は 6 で表される)

    if(calculatedNextDate.getDay() == 6) {

      // もしそうなら、時刻を 10:00:00 に設定

      calculatedNextDate.setHours(10);

      calculatedNextDate.setMinutes(0);

      calculatedNextDate.setSeconds(0);

    }

    // 変更された日付を返す

    calculatedNextDate;

  </script>

</block>

コード例 7-2 では、calculatedNextDate は最初、デフォルトのスケジュール時間に設定されています。次の実行予定日が土曜日であれば、この規則で調整が 10:00 に開始されるようにスケジュールされます。次の実行予定日が土曜日でない場合、コード例 7-2 から時刻の調整なしで calculatedNextDate が返され、デフォルトのスケジュールが使用されます。

Identity Manager で使用するカスタム規則の作成の詳細については、『Identity Manager 配備ツール』の「規則の操作」の章を参照してください。


Active Sync アダプタ

Identity Manager の Active Sync 機能を使用すると、アイデンティティー情報の源泉として信頼性の高い外部リソース (アプリケーションやデータベースなど) に格納された情報を、Identity Manager のユーザーデータと同期させることができます。Identity Manager リソースに対して同期を設定することで、アイデンティティー情報の源泉として信頼性の高いリソースへの変更をリスニングまたはポールすることができます。

適切なターゲットオブジェクトタイプに対するリソースの同期ポリシーの入力フォームを指定することにより、リソース属性変更の Identity Manager への伝達方法を設定できます。


この章では、管理者インタフェースを使用して Active Sync タスクを実行する方法について説明します。Active Sync の詳細については、『Identity Manager の配備に関する技術概要』の「データ読み込みと同期」の章を参照してください。


同期の設定

Identity Manager は、同期ポリシーを使用してリソースの同期を有効にします。

同期ポリシーの編集

各リソースには固有の同期ポリシーがあります。

同期を編集または設定するには、次の手順に従います。

  1. 管理者インタフェースで、メニューから「リソース」をクリックします。
  2. 「リソースリスト」から、同期を設定するリソースを選択します。
  3. 「リソースアクション」リストから「同期ポリシーの編集」を選択します。
  4. そのリソースの「同期ポリシーの編集」ページが開きます。

「同期ポリシーの編集」ページの次のオプションを指定して同期を設定します。

「保存」をクリックして、リソースのポリシー設定を保存します。

Active Sync アダプタの編集

Active Sync アダプタを編集する前に、同期を停止します。

同期を停止するには、次の手順に従います。

  1. 「同期ポリシーの編集」ページを開きます。(詳細については、「同期ポリシーの編集」を参照してください。)
  2. 「スケジューリングの設定」で「起動タイプ」から「無効」を選択します。
  3. サービスプロバイダユーザーでは、「同期の有効化」オプションを選択解除します。

    アクティブな同期が無効にされたことを示す警告メッセージが表示されます。

  4. 「保存」をクリックします。
  5. リソースに対して同期を無効にすると、変更の保存時に同期タスクが停止されます。

Active Sync アダプタのパフォーマンスのチューニング

同期はバックグラウンドタスクであるため、Active Sync アダプタ設定によってはサーバーのパフォーマンスが影響を受ける可能性があります。次のタスクを実行して、Active Sync アダプタのパフォーマンスをチューニングします。

Active Sync アダプタは、リソースリストを通じて管理します。Active Sync アダプタを選択し、「リソースアクション」リストの「同期」セクションから処理を制御する実行、停止、ステータス更新を利用してください。

ポーリング間隔の変更

ポーリング間隔は、Active Sync アダプタが新しい情報の処理を開始する時期を決定します。ポーリング間隔は、実行するアクティビティーのタイプに基づいて決定する必要があります。たとえば、アダプタがデータベースから多数のユーザーのリストを読み込むたびに、Identity Manager の全ユーザーを更新する場合、この処理を毎日早朝に実行するとします。アダプタによっては処理する新しい項目を即座に検索するため、毎分実行するよう設定できるかもしれません。

アダプタを実行するホストの指定

アダプタを実行するホストを指定するには、waveset.properties ファイルを編集します。sources.hosts プロパティーを次のいずれかのオプションに編集します。

メモリーと CPU サイクルを多く必要とする Active Sync アダプタは、専用のサーバー上で実行するように設定して、システムの負荷を分散することができます。

開始と停止

Active Sync アダプタは、無効化したり、手動で開始したり、自動で開始したりすることができます。Active Sync アダプタを起動または停止するには、Active Sync リソースを変更できる適切な管理者機能が必要です。管理者機能の詳細については、「機能のカテゴリ」を参照してください。

自動に設定すると、アプリケーションサーバーが再起動したときにアダプタが再起動されます。アダプタを開始すると、アダプタは指定したポーリング間隔で即座に実行します。アダプタを停止すると、アダプタは次回に停止フラグを検出したときに停止します。

アダプタログ

アダプタログは、現在処理中のアダプタの情報を取得します。ログが取得する詳細の量は、設定したログレベルに応じて異なります。アダプタログは、問題のデバッグとアダプタプロセスの進行状況の監視に役立ちます。

各アダプタには独自のログファイル、パス、およびログレベルがあります。適切なユーザータイプ (Identity Manager またはサービスプロバイダ) の同期ポリシーの「ログ」セクションでこれらの値を指定します。

アダプタログの削除

アダプタログは、アダプタが停止されたときにのみ削除しなければなりません。ほとんどの場合は、ログを削除する前に、ログをコピーしてアーカイブしておきます。



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