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Sun ONE Application Server 7, Enterprise Edition インストールガイド

第 2 章
Enterprise Edition ソフトウェアのインストール

この章では、Sun ONE Application Server 7, Enterprise Edition をインストールする方法について説明します。このバージョンの製品は、対話形式でインストールできます。また、サイレントモードを使って、複数のマシンに対して同じ条件でインストールすることもできます。Sun ONE Application Server 7, Enterprise Edition を実行するための一連の全イベントを確認するには、「インストールの概要」を参照してください。

ここでは次の項目について説明します。

この章の作業を始める前に、「インストールの準備」の内容を十分に理解している必要があります。

最新の更新情報については、『Sun ONE Application Server リリースノート』を参照してください。インストール後にアプリケーションサーバーを設定する方法の詳細については、『Sun ONE Application Server 管理者ガイド』を参照してください。

次の Web ページには、製品のダウンロードや役に立つ情報が用意されています。


インストールについて

単一のマシンにインストールできる Sun ONE Application Server 7 は 1 つのみです。Application Server 7 がシステムにすでにインストールされている場合、インストールプログラムは既存のインストールを上書きせずに検出します。アンインストールプログラムを使って既存の Application Server 7 ソフトウェアを削除しないと、インストールを続けることはできません。


Solaris 9 バンドル版のインストールおよびパッケージベースでない評価バージョンのインストールは、Enterprise Edition インストールプログラムには影響しないため、システムから削除する必要はありません。


この節では次の項目について説明します。

インストールコンポーネント

通常は、Sun ONE Application Server Version 7, Enterprise Edition 製品の機能を提供する基本コンポーネントをインストールします。特定のコンポーネントを、インストールしないように選択することもできます。インストールしないことを選択したコンポーネントをあとから追加したい場合、依存関係が満たされていれば、そのコンポーネントの増分インストールができます。


どちらかの対話モードを使って、部分インストールを実行し、あとから増分インストールを何回でも実行できます。サイレントモードの場合、部分的な初期インストールを実行できますが、2 回目以降のインストールでは対話モードを使用する必要があります。


同じシステムには同じコンポーネントパッケージを 1 つしかインストールできないため、インストールプログラムは、すでにインストールされているコンポーネントを検出しようとします。コンポーネントがすでにインストールされている場合、そのコンポーネントのインストールは無効になります。

インストールプログラムは、各コンポーネントに対して指定されているコンポーネントの依存関係を適用します。いったんコンポーネントの依存関係が満たされると、コンポーネントのライフサイクルは独立します。特定のコンポーネントは、増分インストールと部分アンインストールのメカニズムによって、ほかのコンポーネントに影響を与えることなく動的にインストールまたはアンインストールすることができます。

Sun ONE Application Server 7, Enterprise Edition 製品には、次のインストールコンポーネントが含まれています。

Sun ONE Application Server のコンポーネントの詳細については、「インストールコンポーネント」を参照してください。

インストールオプション

インストールを実行するには、3 つの方法があります。

setup コマンドを使って、インストールに使用する方式を指定することができ、サイレントインストールの設定ファイルを作成することができます。


デフォルトのインストールモードはグラフィカル方式のため、setup を実行するときにオプションを指定しない場合、グラフィカル画面が表示されます。


setup コマンドを実行するときは、次の構文を使用します。

表 2-1 で、setup コマンドオプションについて説明します。

表 2-1 setup コマンドのオプション 

オプション

説明

-console

コマンド行方式を使ってインストールを実行します

-silent config_file

サイレントモードでインストールを実行します。インストールパラメータは、既存のインストール設定ファイルから読み取られます。このオプションは、savestate オプションと一緒に選択することはできません。

インストール設定ファイルのパスは、明示的に指定する必要があります。デフォルトのファイルパスはありません。サイレントモードのインストールとインストール設定ファイルの詳細については、「サイレントモードでのインストール (非対話型)」を参照してください。

-savestate

グラフィカル方式かコマンド行方式のどちらかを使ってインストールを実行し、このインストールに基づいてインストール設定ファイルを作成します。このオプションは、silent オプションと一緒に選択することはできません。このオプションを指定しないと、インストール設定ファイルは作成されません。

このファイルは statefile という名前で、install_dir にあります。

インストールの構文


Application Server ソフトウェアのインストール

この節では、グラフィカルインタフェースまたはコマンド行インタフェースを使って Sun ONE Application Server ソフトウェアをインストールする手順について説明します。両方の方式で、手順は同じです。ただし、コマンド行インタフェースの場合は、グラフィカル画面ではなくテキストベースの画面が表示されます。


ヒント

高可用性の概念とエンタープライズレベルの製品のインストールに精通している場合は、付録 A 「インストールのチェックシート」の要約チェックリストを使用することもできます。


トポロジを計画したあと、各システムでインストールプログラムを実行し、計画したトポロジに基づいて適切なコンポーネントを選択してインストールします。

  1. Application Server の Enterprise Edition のインストール先のマシンにある、以前のバージョンの Sun ONE Application Server 7 ソフトウェアをアンインストールします。

  2. Solaris オペレーティング環境にインストール済みのパッケージがバンドルされている場合、それらを削除する必要はありません。ただし、ポートの競合を解決する必要があります。


  3. インストールに適用されるすべての要件が満たされていることを確認します。要件については、「インストールの要件」を参照してください。
  4. root としてログインして、製品配布ファイル用に一時ディレクトリを作成します。

  5. ロードバランサプラグインをインストールする場合は、インストールプロセスを始める前に、ロードバランサプラグインのインストール先のマシンに Web サーバーがすでにインストールされている必要があります。「高可用性要件」を参照してください。


  6. システム上でポートを使用するプロセスのうち、Application Server ソフトウェアと同時に実行される可能性があるものをすべて起動します。インストールプログラムが使用中のポートを検出するため、使用中のポートがほかの目的に使用されることはありません。
  7. ダウンロードの場合は、.gz ファイルを次のように解凍します。
  8. gunzip sun-appserver7-sol.tar.gz

  9. ダウンロードの場合は、解凍したファイルを次のように展開します。
  10. tar -xvf sun-appserver7-sol.tar

    この処理には多少時間がかかることがあります。ファイルの展開が完了すると、sun-appserver7 ディレクトリが作成され、その中に setup ファイルと pkg ディレクトリが置かれています。

  11. sun-appserver7 ディレクトリに移動します。
  12. インストール方法を選択します。
  13. setup コマンドとともに使用する正しいオプションの選択については、「インストールオプション」を参照してください。

    インストールを始めると、インストールプログラムの「Welcome」ページが表示されます。


    「ヘルプ」ボタンをクリックすると、そのページのコンテキストヘルプを表示できます。


  14. 「Welcome」ページの内容を確認し、「Next」をクリックします。
  15. 「License Agreement」ページが表示されます。

  16. ライセンス契約の内容を確認し、「Yes」を選択して (またはコマンド行で「Yes」と入力して) 契約内容に同意してから「Next」をクリックします。

  17. インストールを続行するには、ライセンス契約に同意する必要があります。


    ライセンス契約に同意すると、「Select Installation Directory」ページが表示されます。

  18. Sun ONE Application Server のインストールディレクトリへのパス (デフォルトは /opt/SUNWappserver7) を指定します。
  19. HADB サーバーのコンポーネントのみをインストールする場合は、インストールディレクトリとして /opt を選択できます。これにより、HADB パッケージがデフォルトの場所にインストールされます。デフォルトの場所は /opt/SUNWhadb です。


    HADB サーバーのノードをホストするすべてのシステム上で、同じインストールディレクトリを選択する必要があります。



    Sun ONE Application Server を HADB とともにインストールする場合に、デフォルトのインストールフォルダを使用したくないときは、代わりのディレクトリを作成して /var/opt および /etc/opt ディレクトリからこれらのディレクトリへのシンボリックリンク (ln -s) を作成します。

    Solaris パッケージのパッケージ化のための規格では、ライセンスと設定ファイルが /var/opt および /etc/opt ディレクトリに存在する必要があります。


    • ディレクトリを指定するには、「Browse」をクリックします。デフォルトのインストールディレクトリを使用する場合は、コマンド行で Enter キーを押します。
    • 指定したディレクトリが存在しない場合は、「Create New Directory?」ダイアログボックスが表示されます。
      • 新しいディレクトリを作成するには、「Create Directory」をクリックします。コマンド行インタフェースの場合は 1 と入力します。
      • 「Select Installation Directory」ページに戻るには、「Choose New」をクリックします。コマンド行インタフェースの場合は 2 と入力します。
      • 「Component Selection」ページに、使用可能なコンポーネントが表示されます。

  20. 「Component Selection」ページからコンポーネントを選択します。コマンド行インタフェースの場合は、Yes と入力するか Enter キーを押してコンポーネントを決定します。

  21. 「Component Selection」ページで無効になっているコンポーネントがある場合 、あるいはコマンド行モードのインストールでインストール時に提示されないコンポーネントがある場合、これらのコンポーネントはシステムにインストール済みとして検出されています。


    • Sun ONE Application Server。グラフィカルインタフェースとコマンド行インタフェースを持つ。J2SE と Sun ONE Message Queue はこのコンポーネントとともにインストールされる

    • 同じシステム上に Sun ONE Application Server および HADB サーバーのノードをインストールする場合は、これらのコンポーネントを両方とも選択します。それ以外の場合は、どちらか 1 つを選択します。


    • (省略可能) サンプルアプリケーション
    • Sun ONE Application Server 管理クライアント (スタンドアロンのコマンド行をインストールするには、このコンポーネントのみを選択します)
    • 高可用性データベース
    • 高可用性データベースの管理クライアント
    • ロードバランサプラグイン

      このコンポーネントを別にインストールする手順については、「ロードバランサプラグインのインストール」を参照してください。


      Web サーバーがロードバランサプラグインのインストール先のマシンにまだインストールされていない場合、ロードバランサプラグインのインストールを続行することはできません。


  22. Sun ONE Message Queue - インストールプログラムがシステムに Sun ONE Message Queue がプリインストールされていることを検出した場合、次の手順のいずれかが表示されます。
    • 正しいバージョンのパッケージベースの Sun ONE Message Queue がインストールされている場合、それが使用されます。この時点で終了することができます。終了しない場合、インストールプログラムはインストール済みのバージョンを使用して次のステップを続行します。
    • パッケージベースの Sun ONE Message Queue がインストールされていない場合、インストールプログラムで Sun ONE Message Queue パッケージを自動的にインストールするように選択できます。
    • 正しくないバージョンのパッケージベースの Sun ONE Message Queue がインストールされている場合、現在のバージョンをアップグレードするかインストールを中止するかを尋ねるメッセージが表示されます。次のいずれかを選択します。
      • 現在インストールされている Sun ONE Message Queue のバージョンをアップグレードするには、「Upgrade」をクリックするか、コマンド行に 1 と入力します。
      • インストールプログラムを終了するには、「Cancel」をクリックするか、コマンド行に 2 と入力します。
  23. J2SE の場合 - インストールプログラムは /usr/j2se のデフォルトの場所を調べて、正しいバージョンの J2SE がシステムにプリインストールされているかどうかを検出します。
  24. 次の手順のいずれかが表示されます (この手順で問題が発生した場合は、「J2SE インストールとアップグレードの問題」を参照してください)。

    • 正しいバージョンのパッケージベースのJ2SE がインストールされている場合、それが使用されます。あるいは、別の正しいバージョンのパスを入力することもできます。インストールプログラムは次の手順に進みます。
    • パッケージベースの J2SE がインストールされていない場合、インストールプログラムで J2SE パッケージを自動的にインストールするか、既存の J2SE インストールを再利用するかを選択できます。
    • 正しくないバージョンのパッケージベースの J2SE がインストールされている場合、現在のバージョンをアップグレードするかインストールを中止するかを尋ねるメッセージが表示されます。次のいずれかのオプションを選択します。
      • 現在インストールされている J2SE のバージョンをアップグレードするには、「Upgrade」をクリックするか、コマンド行に 1 と入力します。

      • 実行中の他のアプリケーションがこの J2SE を使用している可能性もあるため、J2SE をアップグレードすると、プロセスが破壊される危険性があります。現在のインストール処理を中止し、プロセスを適切に終了するなどして、すべての依存関係を解決してください。


      • インストールプログラムを終了するには、「Cancel」をクリックするか、コマンド行に 2 と入力します。
      • インストールを続行する前に、現在 /usr/j2se にある J2SE をアンインストールするか、J2SE 1.4.1_03 にアップグレードする必要があります。その後、Application Server のインストールを再度実行します。


        J2SE のアップグレードが必要なときは、Application Server のインストールを完了したあと、マシンを再起動する必要があります。



        この Sun ONE Application Server 7 ソフトウェアは、Sun Microsystems 製の J2SE 1.4.1_03 で動作することが保証されています。サードパーティの J2SE 開発キットはバージョンに関係なくサポート対象外です。


  25. 製品の設定ディレクトリを指定します。
  26. デフォルト (/etc/opt/SUNWappserver7) を受け入れるか、Sun ONE Application Server 製品の設定ディレクトリへのパスを入力します。

    • ディレクトリを参照するには、「...」をクリックします。デフォルトのインストールディレクトリを使用する場合は、コマンド行で Enter キーを押します。
    • 指定したディレクトリが存在しない場合は、「Create New Directory?」ダイアログボックスが表示されます。
    • 「Create Directory」をクリックします。コマンド行インタフェースの場合は 1 と入力します。「Choose New」をクリックするか、コマンド行に 2 と入力して既存のディレクトリを選択することもできます。
  27. サーバーの設定ディレクトリを指定します。
  28. デフォルト (/var/opt/SUNWappserver7) を受け入れるか、Sun ONE Application Server Version 7, Enterprise Edition ドメインのインストールディレクトリへのパスを入力します。

    • ディレクトリを参照するには、「...」をクリックします。デフォルトのインストールディレクトリを使用する場合は、コマンド行で Enter キーを押します。
    • 指定したディレクトリが存在しない場合は、「Create New Directory?」ダイアログボックスが表示されます。
    • 「Create Directory」をクリックします。コマンド行インタフェースの場合は 1 と入力します。「Choose New」をクリックするか、コマンド行に 2 と入力して既存のディレクトリを選択することもできます。
    • Application Server のインストールを選択すると、「Server Configuration Information」ページが表示されます。手順 18 にスキップします。

      ロードバランサプラグインを選択した場合は、「Web Server Directory」ページが表示されます。手順 17 に進みます。

  29. ロードバランサプラグインを選択した場合は、Web サーバーを次のように識別します。
    • インストールする Web サーバー (Sun ONE Web Server または Apache Web Server) を選択します。
    • Web サーバーのインスタンスパスを入力します。

      デフォルトの値は、Web サーバーのタイプに基づいて指定されます。インストールプログラムにより、適切な設定ファイルが指定された場所にあるかどうかがチェックされます。

      ロードバランサプラグインを別にインストールする場合は、「ロードバランサプラグインのインストール」を参照してください。

  30. Sun ONE Application Server コンポーネントを選択した場合は、次のように入力します。
    • 「Admin User」 : サーバーの管理者の名前です (admin など)。
    • 「Admin User's Password」 : 管理サーバーにアクセスするためのパスワードです。8 文字以上の文字列を入力します (adminadmin など)。確認のためにもう一度パスワードを入力します。
    • 「Admin Server Port」 : 管理サーバーにアクセスするポート番号です。

      デフォルトのポート番号が表示されます (現在のマシン上で使用されていない場合。たとえば 4848 など)。必要に応じてデフォルトのポート番号を変更します。「Next」をクリックすると、インストールプログラムにより、指定のポート番号が有効かつ使用可能であるかどうかがチェックされます。

    • 「HTTP Server Port」 : デフォルトサーバーインスタンスにアクセスするポート番号です。
    • デフォルトのポート番号が表示されます (現在のマシン上で使用されていない場合。たとえば 80 など)。必要に応じてデフォルトのポート番号を変更します。「Next」をクリックすると、インストールプログラムにより、指定のポート番号が有効かつ使用可能であるかどうかがチェックされます。


      インストールプログラムにより使用中のポートが自動的に検出され、現在未使用のポートがデフォルトポートの候補として提示されます。デフォルトでは、初期デフォルトポートは HTTP サーバーでは 80 で、管理サーバーでは 4848 です。

      初期デフォルトポートがすでに使用中の場合、インストールプログラムにより別のポート番号が提示されます。


  31. 「Next」をクリックします。
  32. インストールプログラムにより、選択したコンポーネントに基づいて、十分なディスク容量があるかどうかの確認処理が開始されます。進行状況を示す「Checking Disk Space」進捗バーが表示されます。

    • ディスク容量が不足している場合は、エラーメッセージが表示されます。
    • この場合、インストールプログラムを終了し、十分な容量を確保してから、インストールを再度実行する必要があります。容量の要件については、「プラットフォーム要件」を参照してください。

    • 十分なディスク容量がある場合は、「Ready to Install」ページが表示されます。
  33. 「Ready to Install」ページでは、次の中から選択できます。
    • 「Back」をクリックして、前のページに戻ります。この場合、再度ディスク容量の確認が行われます。
    • 「Install Now」をクリックするか、コマンド行に 1 と入力して、インストールを完了します。
    • 「取消し」をクリックしてインストールプログラムを終了します。
    • インストールの進行状況を示す進捗バーが表示されます。

      インストールが完了すると、「Installation Summary」ページが表示されます。

  34. 「Installation Summary」ページでインストール結果をチェックします。インストールが失敗した場合は、次のログファイルを確認します。
  35. 「Finish」をクリックするか、コマンド行で「Finish」と入力して、インストールを完了します。
  36. これで、インストールコンポーネントがシステムにインストールされました。

  37. サーバーを起動します。
  38. 「サーバーの起動と停止」の手順を使って Sun ONE Application Server ソフトウェアを起動できます。

    管理コンソールが起動すると、Application Server グラフィカルインタフェースの初期ページが表示されます。


    インストールプログラムにより、server1 という単一のインスタンスを含む domain1 という初期ドメインが作成されます。追加のドメインとインスタンスの作成手順については、「ドメインとインスタンスの作成」を参照してください。


  39. まだ実行していない場合は、「ユーザー環境の設定」の説明に従って、HADB の bin ディレクトリを PATH 環境変数に追加します。
  40. HADB コンポーネントを選択した場合は、各ホストで次のように入力して、HADB ソフトウェアが正常にインストールされていることを確認します。
  41. hadbm --help

    このコマンドの結果は、hadbm コマンド行ユーティリティで使用できるすべてのコマンドのリストです。

これで、高可用性のためにシステムを設定する準備ができています。「HADB の設定準備」に進んで、このプロセスを開始します。


ロードバランサプラグインのインストール

この節では、ロードバランサプラグインのコンポーネントを別にインストールする手順を説明します。

ロードバランサプラグインのコンポーネントをインストールするには、次の手順を実行します。

  1. Web サーバーとロードバランサプラグインをホストするシステムをチェックして、インストール済みのロードバランサプラグインまたはリバースプロキシプラグインが存在するかどうかを確認します。存在する場合は、アンインストールプログラムを使って削除する必要があります。
  2. root 特権で次のコマンドを実行します。

    pkginfo SUNWaspx

    クリーンシステムでは、次のメッセージが表示されます。

    ERROR: information for "SUNWaspx" was not found.

  3. ロードバランサプラグインのインストール先のマシンに正しい Web サーバーが存在することを確認します。現在サポートされているバージョンは次のとおりです。
    • Sun ONE Web Server 6.0 SP6
    • Apache Web Server 1.3.27

    • Web サーバーのインストールディレクトリを書き留めます。この情報は、インストール中に必要になります。


  4. root としてログインし、製品配布ファイルの一時ディレクトリを作成します。
  5. ダウンロードの場合は、.gz ファイルを次のように解凍します。
  6. gunzip sun-appserver7-sol.tar.gz

  7. ダウンロードの場合は、解凍したファイルを次のように展開します。
  8. tar -xvf sun-appserver7-sol.tar

    この処理には多少時間がかかることがあります。ファイルの展開が完了すると、sun-appserver7 ディレクトリが作成され、その中に setup ファイルと pkg ディレクトリが置かれています。

  9. sun-appserver7 インストールディレクトリに移動します。
  10. インストール方法を選択します。
  11. setup コマンドとともに使用する正しいオプションの選択については、「インストールオプション」を参照してください。

    インストールを始めると、インストールプログラムの「Welcome」ページが表示されます。

  12. ライセンス契約の内容を確認し、「Yes」を選択して (またはコマンド行で「Yes」と入力して) 契約内容に同意してから「Next」をクリックします。

  13. インストールを続行するには、ライセンス契約に同意する必要があります。


    ライセンス契約に同意すると、「Select Installation Directory」ページが表示されます。

  14. Sun ONE Application Server インストールディレクトリへのパス (デフォルトは /opt/SUNWappsrver7) を指定します。
    • ディレクトリを指定するには、「Browse」をクリックします。デフォルトのインストールディレクトリを使用する場合は、コマンド行で Enter キーを押します。
    • 指定したディレクトリが存在しない場合は、「Create New Directory?」ダイアログボックスが表示されます。
      • 新しいディレクトリを作成するには、「Create Directory」をクリックします。コマンド行インタフェースの場合は 1 と入力します。
      • 「Select Installation Directory」ページに戻るには、「Choose New」をクリックします。コマンド行インタフェースの場合は 2 と入力します。
      • 「Component Selection」ページに、使用可能なコンポーネントが表示されます。

  15. 「Component Selection」ページからロードバランサプラグインのコンポーネントを選択します。コマンド行インタフェースの場合は、Yes と入力するか Enter キーを押してコンポーネントを決定します。

  16. 「Component Selection」ページで無効になっているコンポーネントがある場合 、あるいはコマンド行モードのインストールでインストール時に提示されないコンポーネントがある場合、これらのコンポーネントはシステムにインストール済みとして検出されています。


    ロードバランサプラグインのコンポーネントを選択した場合は、「Web Server Directory」ページが表示されます。

  17. Web サーバーを識別します。
    • インストールされている Web サーバー (Sun ONE Web Server または Apache Web Server) を選択します。
    • Web サーバーのインスタンスパスを入力します。

      デフォルトの値は、サーバーのタイプに基づいて指定されます。インストールプログラムにより、適切な設定ファイルが指定された場所にあるかどうかをチェックします。

  18. 「Next」をクリックします。
  19. 選択したコンポーネントに基づいて、十分なディスク容量があるかどうかの確認処理が開始されます。進行状況を示す「Checking Disk Space」進捗バーが表示されます。

    • ディスク容量が不足している場合は、エラーメッセージが表示されます。
    • この場合、インストールプログラムを終了し、十分な容量を確保してから、インストールを再度実行する必要があります。容量の要件については、「プラットフォーム要件」を参照してください。

    • 十分なディスク容量がある場合は、「Ready to Install」ページが表示されます。
  20. 「Ready to Install」ページでは、次の中から選択できます。
    • 「Back」をクリックして、前のページに戻ります。この場合、再度ディスク容量の確認が行われます。
    • 「Install Now」をクリックするか、コマンド行に 1 と入力して、インストールを完了します。
    • 「取消し」をクリックしてインストールプログラムを終了します。
    • インストールの進行状況を示す進捗バーが表示されます。

      インストールが完了すると、「Installation Summary」ページが表示されます。

  21. 「Installation Summary」ページでインストール結果をチェックします。インストールが失敗した場合は、次のログファイルを確認します。
  22. /var/sadm/install/logs/Sun_ONE_Application_Server_install.log

    詳細については、「ログとメッセージについて」を参照してください。

  23. 「Finish」をクリックするか、コマンド行で「Finish」と入力して、インストールを完了します。
  24. 提供されている loadbalancer.xml.example ファイルを編集して、実際のアプリケーションサーバーのインスタンスに参照を組み込みます。このファイルは次の場所にあります。
  25. Sun ONE Web Server の場合 :

    webserver_instance_dir/config/loadbalancer.xml.example

    Apache Web Server の場合 :

    webserver_instance_dir/conf/loadbalancer.xml.example

  26. 変更を加えたあと、同じディレクトリ内に loadbalancer.xml.example ファイルを loadbalancer.xml として保存します。

  27. Web サーバー上で、複数のインスタンスを設定する場合や、別のインスタンスを追加する場合は、手動での設定が必要です。この手順については、『Sun ONE Application Server 管理者ガイド』の「ロードバランサプラグインの設定」の節を参照してください。

    Apache Web Server の詳細については、Apache のマニュアルを参照してください。



サイレントモードでのインストール (非対話型)

Sun ONE Application Server Version 7, Enterprise Edition ソフトウェアをサイレントモードでインストールする場合は、ユーザーの入力なしでインストールプログラムを実行できます。サイレントモードでインストールを行うには、必要な設定情報をインストールプログラムに提供するテキストファイルが必要です。

この節では次の項目について説明します。

インストール設定ファイルの作成

インストール設定ファイルは、savestate オプションを setup コマンドとともに使用して対話型インストールを開始するときに作成されます。対話型インストール中、入力は指定した設定ファイル内に収集され保管されます。この内容はサイレントインストールのテンプレートとなり、あとから 1 台または複数のマシンに製品をインストールするときに使用できます。

必要に応じて、インストール設定ファイルを変更することができます。

この節では次の項目について説明します。

インストール設定ファイルの作成の構文

インストール設定ファイルの作成の構文は、以下のとおりです。

グラフィカル方式の場合 :

コマンド行方式の場合 :

詳細については、「インストールオプション」を参照してください。

インストール設定ファイルの例

インストール設定ファイルは次のようになります。

# Wizard Statefile created: Mon Jan 27 16:25:26 PST 2003

              Wizard path: /tmp/herc/sun-appserver7/./appserv.class

# Install Wizard Statefile section for Sun ONE Application Server

#

[STATE_BEGIN Sun ONE Application Server 108a4222b3a6a8ed98832d45238c7e8bb16c67a5]

defaultInstallDirectory = /opt/SUNWappserver7
currentInstallDirectory = /opt/SUNWappserver7

SELECTED_COMPONENTS = Java 2 SDK, Standard Edition 1.4.1_03#Application Server#Sun ONE Message Queue 3.0.1#Sample Applications#Load Balancing Plugin#Uninstall#Startup

USE_BUNDLED_JDK = FALSE
JDK_LOCATION = /usr/j2se
JDK_INSTALLTYPE = PREINSTALLED
AS_INSTALL_DEFAULT_CONFIG_DIR = /etc/opt/SUNWappserver7
AS_INSTALL_CONFIG_DIR = /etc/opt/SUNWappserver7
AS_INSTALL_DEFAULT_VAR_DIR = /var/opt/SUNWappserver7
AS_INSTALL_VAR_DIR = /var/opt/SUNWappserver7
DOMAINS_DIR = /var/opt/SUNWappserver7/domains
WEBSERVER_INSTALL_DEFAULT_DIR = /usr/iplanet/servers
WEBSERVER_INSTALL_DIR = /opt/iplanet/servers/https-tesla.red.iplanet.com
INST_ASADMIN_USERNAME = admin
INST_ASADMIN_PASSWORD = adminadmin
INST_ASADMIN_PORT = 4848
INST_ASWEB_PORT = 81
INSTALL_STATUS = SUCCESS
[STATE_DONE Sun ONE Application Server 108a4222b3a6a8ed98832d45238c7e8bb16c67a5]

インストール設定ファイルの変更

インストール設定ファイルは、表 2-2 に記載されている変数と値を編集することによって変更できます。

表 2-2 インストール設定ファイルの変数 

変数名

有効な値 (適用可能な場合)

内容

コメント

defaultInstallDirectory

 

デフォルトのインストールディレクトリパス

インストールプログラムがアクティブに使用していない値

currentInstallDirectory

 

選択したインストールディレクトリパス

 

SELECTED_COMPONENTS

 

インストールのために選択した製品コンポーネントのリスト

ポンド (#') 文字はリスト区切り文字として使用される

USE_BUNDLED_JDK

TRUE
FALSE

製品にバンドルされている J2SE をインストールするかどうか

 

JDK_LOCATION

 

J2SE パス

USE_BUNDLED_J2SE が false に設定されている場合はプリインストールされている J2SE パス。それ以外の場合は、バンドルされている J2SE のインストール先

JDK_INSTALLTYPE

PREINSTALLED
CANNOTUPGRADE
UPGRADABLE
CLEANINSTALL

既存の J2SE インストールの処理方法

サイレントインストールの設定ファイルに有効な値は、PREINSTALLED と CLEANINSTALL のみ

AS_INSTALL_DEFAULT_CONFIG_DIR

 

デフォルトの設定ファイルのディレクトリパス

インストールプログラムがアクティブに使用していない値

AS_INSTALL_CONFIG_DIR

 

選択した設定ファイルのディレクトリパス

 

AS_INSTALL_DEFAULT_VAR_DIR

 

デフォルトドメイン設定ファイルのディレクトリパス

インストールプログラムがアクティブに使用していない値

AS_INSTALL_VAR_DIR

 

選択したドメイン設定ファイルのディレクトリパス

 

DOMAINS_DIR

 

選択したドメイン設定ファイルのディレクトリパスと、ドメインのサブディレクトリ

AS_INSTALL_VAR_DIR と DOMAINS_DIR は通常は同じ値。ただし、従来のインストールプログラムコードは両方のエントリを必要とする

WEBSERVER_INSTALL_DEFAULT_DIR

 

デフォルトの Web サーバーインスタンスのディレクトリパス

インストールプログラムがアクティブに使用していない値

WEBSERVER_INSTALL_DIR

 

選択した Web サーバーインスタンスのディレクトリパス

 

INST_ASADMIN_USERNAME

 

初期ドメインの管理者のユーザー名

 

INST_ASADMIN_PASSWORD

 

初期ドメインの管理者のパスワード

 

INST_ASADMIN_PORT

0 - 65535

初期ドメインの管理サーバーのポート番号

 

INST_ASWEB_PORT

0 - 65535

初期サーバーインスタンスのサーバーのポート番号

 

INSTALL_STATUS

SUCCESS

FAILURE

インストール結果

インストーラの実装によって定まる。インストールプログラムがアクティブに使用していない値

サイレントモードでのインストール


サイレントモードの場合、部分的な初期インストールを実行できますが、増分 (2 回目以降の) インストールでは対話モードを使用する必要があります。


Sun ONE Application Server ソフトウェアを非対話型サイレントモードでインストールするには、次の手順を実行します。

  1. テキストエディタを使って現在のインストール設定ファイルを開き、サイレントインストールに適切な設定内容になっていることを確認します。
  2. config_file を任意の名前で保存します。次に例を示します。
  3. cp statefile my_silent_config

  4. Sun ONE Application Server Version 7, Enterprise Edition ソフトウェアをインストールしようとしている各マシンに、インストール設定ファイルをコピーします。
  5. Application Server をインストールしようとしている各マシンに、Sun ONE Application Server インストールファイルをコピーします。
  6. 該当するディレクトリにいない場合は、インストールファイルとインストール設定ファイルをコピーしたディレクトリに移動します。
  7. スーパーユーザーとして、コマンド行に次の形式のコマンドを入力してサイレントインストールを開始します。
  8. ./setup -silent config_file

    指定した config_file が読み込まれ、ディスク容量がチェックされます。その後、config_file のデータに基づいて製品がインストールされます。

    プロンプトが再度表示された時点で、サイレントインストールは完了し、インストールコンポーネントがシステムにインストールされています。

  9. 「サーバーの起動と停止」の手順を使って Application Server ソフトウェアを起動できます。
  10. 管理コンソールが起動すると、Application Server グラフィカルインタフェースの初期ページが表示されます。

これで、高可用性のためにシステムを設定する準備ができています。「HADB の設定準備」に進んで、このプロセスを開始します。



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