ここでは、x86 システムをブートする手順を説明します。x86 システムのブートでは、次の 2 つのサブシステムを使用します。
Solaris ブートディスク
MDB ディスク (マルチデバイスブートディスク) ともいいます。ネットワークからシステムをブートするためのプログラムが保存されています。このディスクによって、ディスク、ネットワーク、CD-ROM などの現在接続されているブートデバイスが、メニューに表示されます。AutoClient システムは必ずネットワークからブートするので、ブート時にはネットワークデバイスのコードを入力する必要があります。
二次ブートサブシステム
二次ブートサブシステムのメニューには、使用できるブートオプションが表示されます。60 秒以内にオプションを選択しないと、システムが自動的にレベル 3 でブートを開始します。レベル 3 以外のオプションを選択して、ブートオプションを指定したりブートインタプリタを入力したりすることもできます。boot(1M) を参照してください。
ネットワークから x86 システムを手動でブートする手順を説明します。画面の表示内容は、システムの設定によって異なります。
「AutoClient システムの追加」または 「既存システムから AutoClient システムへの変換」の説明に従って設定されていることを確認します。
Solaris ブートディスクをドライブに挿入します。
リセットボタンを押します。
しばらくすると、一次ブートサブシステムのメニューが表示されます。
Solaris 2.4 for x86 Multiple Device Boot, vsn 2.1 Solaris/x86 Multiple Device Boot Menu Code Device Vendor Model/Desc Rev ======================================================= 10 DISK MAXTOR LXT-535S 8.75 11 CD SONY CD-ROM CDV-8012 3.ld 12 NET SMC/WD I/O=300 IRQ=5 Enter the boot device code: 30 |
Solaris ブートディスクによって、ディスク、ネットワーク、CD-ROM などの現在接続されているブートデバイスが、メニューに表示されます。
左下に表示される 30 という数字は、ブートデバイスコードが設定されるまでの残り時間 (秒数) を表わします。値は次第に小さくなり、30 秒以内に (数字が 0 になるまでに) ブートデバイスコードを指定しないと、C ドライブ (デフォルトのデバイス) からブートします。
ネットワークからブートするブートデバイスのコードを入力します。
この例では、ブートデバイスコードは 12 です。
しばらくすると、二次ブートサブシステムのメニューが表示されます。
Solaris 2.4 for x86 Secondary Boot Subsystem, vsn 2.11 <<< Current Boot Parameters >>> Boot path: /eisa/dpt@5c88,0/cmdk@0,0:a Boot args: /kernel/unix Type b [File-name] [bootflags] <ENTER> to boot with options or i <ENTER> to enter boot interpreter or <ENTER> to boot with default <<< timeout in 60 seconds >>> Select (b)oot or (i)nterpreter: |
b または boot と入力して Return キーを押し、システムをブートします。
AutoClient システムのキャッシュを作成し直す場合は、boot コマンド (または b コマンド) に -f オプションを付けて実行します。ブートエラーが表示される場合 (「AutoClient システムブート時の障害対処法」を参照) や、サーバーのファイルシステムをバックアップから復元する場合は、キャッシュを作成し直す必要があります。
ここでは、x86 MDB (マルチデバイスブート) フロッピーを作成して、x86 AutoClient システムが常にネットワークから自動ブートされるようにする手順について説明します。ネットワークからブートしない場合は、マスター MDB フロッピーをドライブに挿入すると、x86 システムの電源を入れた後に C ドライブからブートします。詳細は、「x86: ネットワークからのブート」を参照してください。
MDB ブートフロッピーを作成し始める前に、x86 システム用の MDB マスターフロッピーと 1.44 M バイトのフロッピーを用意してください。フロッピーはフォーマットされるので、必要なデーターが入っているフロッピーは使用しないでください。
ディレクトリを変更します。
# cd /opt/SUNWadm/2.2/floppy |
MDB ブートフロッピーを作成します。
# ./mk_floppy |
MDB マスターフロッピーと空のフロッピーをフロッピードライブに挿入するタイミングが、スクリプトによって指示されます。その他の情報も表示されます。
Please insert the master MDB floppy and press Return: Please insert a blank floppy and press Return: Formatting 1.44 MB in /dev/rdiskette ............................................................. ................... fdformat: using "./mdboot" for MS-DOS boot loader Successfully created the AutoClient floppy. # |
作成した MDB ブートフロッピーを、x86 システムのフロッピードライブに挿入します。
電源を入れ直すとシステムが自動的にネットワークからブートされるように、作成した MDB ブートフロッピーをフロッピードライブに挿入しておいてください。
AutoClient システムが正常にブートされない場合は、「AutoClient システムブート時の障害対処法」を参照してください。問題なくブートできた場合は、 第 8 章「AutoClient 環境の保守」に進んでください。