Sun WorkShop TeamWare ユーザーズガイド ホーム目次前ページへ次ページへ索引


第 11 章

Sun WorkShop TeamWare のショートカット

Sun WorkShop TeamWare には、簡単に利用できるように、いくつかのショートカットが用意されています。この章は、次のトピックで構成されています。

コマンド行からの TeamWare の使用方法

Sun WorkShop TeamWare ツールは、グラフィカルユーザーインタフェース (GUI) からだけでなく、システムプロンプトで TeamWare のコマンドを入力して利用することもできます。GUI およびコマンド行のどちらからでも Sun WorkShop TeamWare コマンドを利用することができ、両者の間に機能上の違いはありません。同時にある機能では GUI を利用して、別の機能ではコマンド行を利用するといったこともできます。スクリプトやプログラムにこれらのコマンドを含めて、ファイル管理をさらに自動化することもできます。

ワークスペース管理ツールのコマンド

ワークスペース管理ツールのコマンドの一覧を表示するには、codemgr と入力します。

example% codemgr
    codemgr bringover ...
    codemgr codemgrtool
    codemgr help	
    codemgr putback ...
    codemgr resolve ...
    codemgr workspace ....
    codemgr ws_undo  ....

実際には、このリストには、コマンドオプションが角括弧で囲まれた、各コマンドの構文が示されます。たとえば、次は bringover コマンドの構文です。

% bringover [-w 子ワークスペース] [-p 親ワークスペース] [-c コメント] 
[-m コメントファイル] [[-f flp]...] [-n] [-g] [-q] [-v] [-B] [-C]
[-i 取り込みファイル] [-x 除外ファイル] [ファイルおよびディレクトリ]

次は、コマンド行から bringover コマンドを発行している例です。

% bringover -w my_child -p their_parent /usr/ws/project 

Sun WorkShop TeamWare ツールには、環境変数ファイルや、以前に指定された引数を格納した引数ファイルなどの、長いコマンド行の入力の手間を省く機能がいくつか用意されています。コマンドとそのコマンドで使用できるオプションの詳細リストを表示するには、次に示すように、man commandname の形式でコマンドを入力します。

% man bringover


注 - Sun WorkShop 製品のマニュアルページは、標準のディレクトリの /usr/share/man にはインストールされません。このため、Sun WorkShop TeamWareのマニュアルページにアクセスするには、MANPATH 環境変数の設定を変更する必要があります。「Sun WorkShop 開発ツールへのアクセス方法」を参照してください。

表 11-1 に、ワークスペース管理ツールでよく使用されるメニュー項目と対応するコマンドをまとめます。

表 11-1   「ワークスペース管理」のメニュー項目と対応するコマンド
GUI メニュー項目 対応するコマンド
ワークスペース作成 workspace create
名前変更 workspace move
親の変更 workspace parent
作成ブリングオーバー bringover
更新ブリングオーバー bringover
プットバック putback
取り消し ws_undo
衝突解決 resolve


特定のワークスペースをコマンド行コマンドのデフォルトとして設定するには、CODEMGR_WS 環境変数を設定します。「環境変数の設定」を参照してください。

バージョン管理ツールのコマンド

コマンド行からバージョン管理ツールを起動するには、twversion に続けてアンパサンド (&) を入力します。

demo% twversion &

ファイルマージツールのコマンド

ファイルを読み込まずに、コマンド行からファイルマージツールをバックグラウンドで起動するには、シェルコマンドプロンプトに対し、twmerge に続けてアンパサンド (&) を入力します (ファイルマージツールの実行可能ファイルが、指定した検索パスにある場合)。

demo% twmerge &

この twmerge コマンドは、ファイルを読み込まずにバックグラウンドでファイルマージツールを起動します。各区画にファイルを読み込んでファイルマージツールを起動する方法については、「起動時に 2 つのファイルを読み込む」を参照してください。

次は twmerge コマンドの構文です。コマンドオプションは、角括弧で囲まれています。

twmerge [-b] [-r] [-tabsize 値] [-diffopt [bwi]] 
[-a 祖先] [-f1 名前] [-f2 名前] [-l リストファイル] 
[左のファイル [ 右のファイル [ 出力ファイル ] ] ] [-V]

起動時に 2 つのファイルを読み込む

コマンド行からファイルマージツールを起動するときに 2 つのファイルを読み込むには、それらのファイルが存在するディレクトリに移動して、コマンド行にそれらのファイル名を指定します。たとえば、file_1file_2 という 2 つのファイルをマージするには、次のコマンドを使用します。

demo% twmerge file_1 file_2 &

1 つ目のファイルが左のテキスト区画、2 つ目のファイルが右のテキスト区画にそれぞれ表示されます。

起動時に 3 つのファイルを読み込む

ancestor_file という名前の共通の祖先ファイルと比較して、2 つのファイルをマージするには、それらのファイルが存在するディレクトリに移動して、次のコマンドを使用します。

demo% twmerge -a ancestor_file file_1 file_2 &

祖先ファイルそのものは表示されませんが、祖先ファイルと 2 つの子孫ファイル間の相違にマークが付けられ、祖先ファイルに基づいて、マージ結果がファイルに出力されます。

フリーズポイントツールのコマンド

コマンド行からフリーズポイントを作成、更新、抽出できます。

フリーズポイントコマンドのリストを表示するには、freezept と入力します。

example% freezept
    freezept compare ...
    freezept create ...
    freezept diff ...
    freezept extract ...
    freezept help	
    freezept sid ...
    freezept smid ...
    freezept update  ....

コマンド行からのフリーズポイントの使用方法については、freezept のマニュアルページを参照してください。マニュアルページを表示するためのコマンドは次のとおりです。

% man freezept

GUI のショートカット

Sun WorkShop TeamWare インタフェースには、いくつかのショートカットが組み込まれています。ショートカットは、ワークスペースやディレクトリ、ファイルの選択で利用できます。

表 11-2 に、Sun WorkShop TeamWare のその他のマウスおよびキーボードショートカットをまとめています。

表 11-2   マウスおよびキーボードショートカット  
操作 働き 詳細説明
項目の何もない部分にワークスペースのアイコンをドラッグ & ドロップ 「作成ブリングオーバー」タブを表示
子ワークスペースのアイコン上に親ワークスペースのアイコンをドラッグ & ドロップ 「更新ブリングオーバー」タブを表示
親ワークスペースのアイコン上に子ワークスペースのアイコンをドラッグ & ドロップ 「プットバック」タブを表示
親子関係のないワークスペースのアイコン上に別のワークスペースのアイコンをドラッグ & ドロップ ブリングオーバーまたはプットバックを行うかどうかを問い合わせるポップアップダイアログボックスを表示
Control キーを押しながら、ワークスペースのアイコン上に別のワークスペースのアイコンをドラッグ & ドロップ 親を変更 「ワークスペースの親子関係の変更」を参照
Control キーを押しながら、項目の何もない部分にワークスペースをドラッグ & ドロップ ワークスペースを親から切り離す 「ワークスペースの親子関係の変更」を参照
ワークスペースのアイコンの名前フィールドをクリック ワークスペース名を変更
「ワークスペース管理」でマウスの右ボタンをクリック 「ファイル」、「ワークスペース管理」、「トランザクション」メニューを結合したメニューを表示
「ワークスペース管理」の項目のない部分で Props キーを押す 「ツール属性」ダイアログボックスの「ワークスペース管理」タブを表示 「ツール属性によるワークスペース管理ツールのカスタマイズ」を参照
「ワークスペース管理」でワークスペースを選択した状態で Props キーを押す 「ワークスペース属性」ダイアログボックスを表示 「ツール属性によるワークスペース管理ツールのカスタマイズ」を参照
「ワークスペース管理」でワークスペースのアイコンをダブルクリック ツールを起動 (起動するツールはユーザーが設定可能で、デフォルトはバージョン管理ツール) 「ワークスペース管理ツールでのダブルクリック時の動作」を参照
衝突を含むワークスペースのアイコンをダブルクリック ツールを起動 (起動するツールはユーザーが設定可能で、デフォルトは「衝突解決」ウィンドウ) 「ワークスペース管理ツールでのダブルクリック時の動作」を参照
「バージョン管理」でファイルのアイコンをダブルクリック ファイルをチェックアウトするか、ファイルの履歴を表示 (どちらにするかはユーザーが設定可能) 「ワークスペース管理ツールでのダブルクリック時の動作」を参照
「バージョン管理」のファイル履歴でデルタをダブルクリック デフォルトのエディタのウィンドウにそのデルタを表示 「ワークスペース管理ツールでのダブルクリック時の動作」を参照
「バージョン管理」でマウスの右ボタンをクリック ファイルの選択とコマンドメニューを結合したメニューを表示
「バージョン管理」のファイル履歴でマウスの右ボタンをクリック 「バージョン」メニューと「枝のマージ」を結合したメニューを表示 「ファイルの履歴の表示」を参照
「ファイルマージ」でマウスの右ボタンをクリック 「ナビゲート」メニューを表示 「相違の解決」を参照


ワークスペース管理ツールでのダブルクリック時の動作

ワークスペースのアイコン上にポインタを置いて、マウスをダブルクリックすると、TeamWare のバージョン管理ツールが自動的に起動し、選択したワークスペースが自動的に読み込まれます。未解決の衝突が存在するワークスペースのアイコン上にポインタを置いて、ダブルクリックすると、ワークスペース管理ツールによって自動的に「衝突解決」タブが表示されます。選択状態のワークスペースから衝突しているファイルが自動的に読み込まれ、すぐに処理を行うことができます。ワークスペース管理ツールにでもダブルクリック時の動作は、「ツール属性」ダイアログボックスを使用してカスタマイズできます (図 3-7 を参照)。

バージョン管理ツールでのダブルクリック時の動作

「バージョン管理」ウィンドウでファイルをダブルクリックすると、デフォルトでは、ファイルの 2 つの状態が交互に切り替わります。そのファイルがチェックアウトされていない場合は、チェックアウトされ、すでにチェックアウトされている場合は、チェックインされます。バージョン管理ツールの「一般」タブを使用して、ダブルクリックでファイルの履歴が表示されるように設定することもできます。「一般」タブを表示するには、「表示」 「オプション」を選択します。「バージョン管理ツールの属性の設定」を参照してください。

ファイル履歴でのダブルクリック時の動作

バージョン管理ツールの「ファイル履歴」ウィンドウでデルタをダブルクリックすると、デフォルトのエディタにそのデルタが表示されます。


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