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Oracle Order Managementインプリメンテーション・マニュアル
リリース11i
B25742-01
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Order Entry

Order Managementでの交渉

概要

Order Managementは、交渉処理を介した簡単な見積の処理や文書から履行への遷移の自動化など、エンド・ツー・エンドのソリューションを提供します。このプロセスにより、管理費用が削減され、顧客ベースへの迅速な応答に向けた環境の生産性が向上します。

見積は、初期作成から(受注または包括受注基本契約としての)履行まで様々な段階を通過します。これらの段階には、草案の作成、顧客との交渉、内外でのビジネスの承認、顧客からのフィードバックに基づくバージョン作成、受注への変換、または失敗した見積や使用しなかった見積としての保存などが含まれます。Order Managementでの交渉は、見積ステータスから確定受注までのシームレスな処理フローを提供します。交渉には、次の操作が含まれます。

Quotingを使用して、次の操作を実行できます。

Oracle Order Managementには、内部承認や顧客受入のように通常は交渉プロセスで発生するアクティビティをサポートするためのワークフロー・フェーズが組み込まれています。このため、交渉フェーズで見積を作成して管理し、見積を確定受注に移行させることができます。機能は次のとおりです。

その他

見積と包括受注基本契約の両方に、同じシード済の交渉ワークフローを使用します。

顧客受入後、見積は受注に移行し、包括受注基本契約が有効になります。

包括受注基本契約ではオファー失効日が取得されないため、この機能は交渉フローでは利用しません。

サポート対象外の機能

見積でサポートされる機能は、受注のサポート・レベルと同様です。次のような一部の受注機能は、取引の交渉フェーズで使用できません。

設定

取引タイプ

取引タイプを作成する手順は、次のとおりです。

  1. 取引タイプを設定します。一般的な設定手順は、「取引タイプ」を参照してください。取引タイプに履行フェーズと交渉フェーズの両方が含まれる場合、設定には付加的な実装考慮事項が伴うことに注意してください。これらは、文書連番による文書番号の生成時期と生成方法に影響します。

    取引タイプ設定フォームには、文書番号を保持するためのチェック・ボックスがあります。受注タイプを1つ作成すると、2つのカテゴリが作成されます。以降の手順は「文書番号の保持」の値に応じて実行する必要があります。

  2. 取引が履行に移るときに見積からの文書番号を保持する必要がある場合は、文書連番を作成して割り当てるときに「TTXXX-Quote」が付いたカテゴリを使用します。

  3. 履行フェーズで取引用に新規の文書番号を生成する必要がある場合は、次のように2つの文書連番を設定する必要があります。

  4. オプションで、デフォルトの取引フェーズを割り当てます。取引フェーズは、「クイック受注」フォームまたは標準の「受注」フォームを開くときに、Order Managementのデフォルト・ルールに基づいて「交渉」または「履行」にデフォルト設定されます。「見積」メニュー・オプションからフォームを開いた場合、取引フェーズはデフォルト・ルールに関係なく常に「交渉」にデフォルト設定されます。取引フェーズが「交渉」にデフォルト設定される場合は、交渉ワークフローが関連付けられている取引タイプのみが表示されます。

    デフォルトがない場合は、システムにより履行フェーズが自動的に移入されます。

    注意: 取引を保存するか明細を入力するまでは、取引フェーズを変更できます。取引が保存されるか明細が入力された後は、取引フェーズを変更できず、「取引フェーズ」フィールドは更新不可になります。

取引フェーズを営業文書に直接設定できます。取引フェーズにより、ワークフロー内で取引が開始される位置が決定されます。1つの取引タイプを使用して、その取引タイプに履行および交渉の両方のワークフロー割当が存在する場合に、取引処理をどちらのフェーズで開始するかを選択できます。受注明細には取引処理に使用される明細タイプが割り当てられますが、見積と包括受注基本契約では明細タイプが使用されず、ヘッダー・フローのみをたどることに注意してください。

ヘッダーおよび明細ブロックのデータなどに加えて営業文書用に設計されている取引タイプは、次のとおりです。

包括受注基本契約では、取引タイプに次の設定を使用します。

文書採番

フロー割当

レイアウトおよび契約テンプレート

取引フェーズ

見積では、次の設定を使用します。

文書番号の保持

ヘッダー・フロー割当

取引フェーズ

レイアウトおよび契約テンプレート

ワークフロー

見積とワークフローでは、ワークフローの柔軟性を使用して見積のライフサイクルを管理します。ワークフローには「交渉」および「履行」という2つのフェーズがあります。ワークフローには柔軟性があるため、「交渉」フェーズと「履行」フェーズを特定のプロセスにあわせて調整できます。次の一般的なシード済ヘッダー・レベル交渉フローの一方を選択できます。この2つのフローを受注および包括受注基本契約の両方の取引タイプに関連付けることができます。どちらも受注に変換可能です。見積は、「入力済」または「記帳済」ステータスで受注に変換できます(記帳アクティビティが同期の場合)。シード済ワークフローは、次のとおりです。

見積のサポートでは、次のステータス・タイプが事前に定義されています。

内部承認と顧客受入を取り込むシード済ワークフロー

図の説明は本文中にあります。

見積がグループ化された後、承認のために発行できます。関連ドキュメントを検討のために営業、商務、法務または財務部門のユーザーなど、組織内の様々なユーザーに送ることができます。

承認者リストは、取引タイプ・レベルで定義します。取引がワークフロー内での進行に適格となるには、文書がリストに含まれる各関係者により承認される必要があります。承認者が制限時間内に応答しなければ、システムにより通知が再送されます。それでも承認者が応答しなければ、システムでは次の承認者に通知を送信するか(現行の承認者が最終承認者でない場合)、システム・パラメータの設定に基づいて通知を拒否します。

「承認者リスト」にアクセスするには、次の2つの方法があります。

  1. 「取引タイプ」設定ウィンドウからアクセスする方法: (N)「受注、返品」→「設定」→「取引タイプ」→「定義」。「承認」ボタンを選択して「承認者リスト」を表示します。

  2. 「承認者リスト」ウィンドウに直接ナビゲートする方法: (N)「受注、返品」→「設定」→「取引タイプ」→「承認」。

リストから承認者が削除されても、通知は引き続き処理する必要があります。

リストに承認者が追加されると、承認保留中の取引がある場合に通知を受け取ります。

ユーザーは通知を受け取り、承認または否認する必要があります。

デフォルト設定

見積では、受注と同じデフォルティング・フレームワークを使用します。次の見積属性についてデフォルト・ルールを設定できます。

取引フェーズ

見積日

オファー失効日

顧客事業所

見積の取引フェーズのシード済デフォルト・ルールは、次の順序で評価されます。1. プロファイル「OM: デフォルト販売取引フェーズ」を使用します。シード済のプロファイル値は「NULL」です。2. 受注タイプからのデフォルト取引フェーズを使用します。この2つのソースがどちらもデフォルトを戻さない場合、システムでは取引フェーズが「履行」に設定されます。

包括受注基本契約は、デフォルト・ルール・フレームワークと統合されていません。ただし、取引フェーズは、受注のシード済ルールと同じ順序を使用して自動的にデフォルト設定されます。つまり、1. プロファイル「OM: デフォルト包括受注取引フェーズ」を使用します。シード済のプロファイル値は「NULL」です。2. 包括受注取引タイプからのデフォルト取引フェーズを使用します。包括受注基本契約の場合も、デフォルトが戻されない場合、システムでは取引フェーズが「履行」に設定されます。

取引を作成するユーザーまたは職責に基づいて取引フェーズをデフォルト設定する場合は、該当レベルでプロファイル値を設定します。よりグローバルなデフォルト設定方法が必要な場合は、取引タイプからデフォルト設定することをお薦めします。

このプロファイルは、取引フェーズの代替デフォルト設定ソースです。デフォルトは「NULL」です。

処理制約

営業文書の次の属性を変更できる時期およびユーザーを決定し、それに応じて処理制約を定義します。

「見積番号」: 包括受注基本契約には適用できません。

「見積日」: 包括受注基本契約には適用できません。

「オファー失効日」: 包括受注基本契約には適用できません。

「文書名」

「取引フェーズ」

「ユーザー・ステータス」

「オファー失効日」

制約では、オプションで文書が交渉フェーズまたは履行フェーズにある間にのみ制約を適用するかどうかを指定できます。

検証テンプレートも、新規の交渉ワークフロー・ステータスを使用してシードされています。この種の検証テンプレートの一例が「顧客受入保留中」です。これらのテンプレートを制約条件に使用して、そのステータスになっている間の営業文書の変更またはバージョン作成を制限します。全シード済テンプレートのリストは、付録を参照してください。

ユーザー・ステータス・クイックコード

ステータス・コードを定義して、参照のために見積で取得できます。ユーザー・ステータスを営業文書に関連付けると、営業担当が内部で追跡できます。これらのステータスは、「ユーザー・ステータス」参照タイプに関連付けられているクイックコードに基づくユーザー定義です。ユーザー・ステータスは「受注/見積」ワークフロー・ステータスと比較検証されないことに注意してください。

ユーザー・ステータス・コードを、その他の属性とともに問合せに使用できます。この設定の詳細は、「参照」を参照してください。

オファー失効日の設定

見積を特定の有効期間に限定し、オファー失効日を割り当てることができます。ワークフローでは失効時にステータスが更新され、失効した取引はパージできます。この日付は、手動で入力するかデフォルト設定できます。たとえば、デフォルト・ルールを使用して交渉のデフォルト条件を選択し、システム変数を選択してシステム日付+1日を入力すると、失効日は現在のシステム日付の翌日にデフォルト設定されます。失効前に通知を生成できます。検索には失効日の範囲を使用できます。

進行中の見積が確実に正常にクローズされるようにするには、オファー失効日が必要です。これはオプション・フィールドですが、手動で「却下」ステータスまで処理されなかった取引は、失効日を割り当てるまで有効なままです。入力した日付はワークフローで使用され、その日付をすぎると、見積は自動的にワークフロー内で「失効済」ステータスに移行してパージ適格になります。

見積の失効日が近づいたときに、送信日にオファー失効前の日数を指定して通知を生成できます。失効前通知の送信時期を決定し、それに応じて交渉(OENH)項目タイプのワークフロー項目属性に値を割り当てます。たとえば、見積が10日で失効し、失効の2日前に通知を送信する必要がある場合は、「失効前時間率」(PRE_EXPIRE_TIME_PERCENT)属性を20%(10日の20% => 2日)に設定する必要があります。デフォルトの10%が適切な場合、この設定は不要です。つまり、デフォルトでは、見積が10日で失効する場合は、失効前日に通知が送信されます。

注意: 包括受注基本契約の失効日には異なる機能があり、このオファー失効機能は適用できません。

包括受注基本契約は文書が履行フェーズで有効になった後にのみ失効しますが、オファー失効は交渉フェーズで見積に適用されます。

顧客事業所

見積はビジネスの通常の過程で生成できますが、すべての見積が受注に至るわけではありません。見積には特定のライフサイクルがあるため、先日付の受注を生成するために任命されたユーザーの介入なしにサイクルが失効した場合は、見積をクローズする必要があります。

機能は次のとおりです。

Oracle Order Managementでは、顧客事業所の所在地タイプを表示して取得できます。たとえば、このフィールドを使用して、見積の郵送先所在地を表示できます。このフィールドはオプションです。

考慮事項

次の表に、Order Management QuotingとOracle Quotingで使用可能な機能の比較の概要を示します。

Order Management QuotingとOracle Quotingの比較
機能 Order Managementでの見積 Oracle Quotingでの見積
営業スイート間のコラボレーション   X
販促資料(Webカタログ、コンテンツ・マネージャ)   X
提案   X
商談の統合   X
iStoreの統合   X
承認 基本 拡張
What-If分析(売上総利益、価格設定および報酬) 基本 拡張
印刷 X X
バージョン作成 X X
見積ステータス X X
失効 X X
契約交渉 X X

注意: Oracle Quotingでは、承認にAME(Approval Manager)を使用するため、Quotingプロセス中に階層形式による承認を実行できます。

参照

バージョン作成

価格設定および有効数量

処理制約

取引タイプ

Oracle Order ManagementでのOracle Workflowの使用

受注採番用文書連番の定義

Order Management取引タイプの定義

処理制約の定義

デフォルト・ルールの定義

包括受注基本契約

受注

概要

Oracle Order Managementの「受注」ウィンドウによって、受注に関する情報の編成、入力、表示および更新を実行できます。Order Managementでは、明細レベルの独立性が提供されるため、同じウィンドウを使用して通常の受注と同様に返品を取り込むことができます。「受注」ウィンドウは、受注情報の作成および編集のみでなく、他のサブシステム(Shipping、Receivables、Purchasingなど)による要約情報や受注のステータスを表示するための便利ですばやいエントリ・ポイントをユーザーに提供します。

Oracle Order Managementには、受注属性に対するデータ操作(変更、削除など)に関して一貫した検証を実行する、受注処理APIと呼ばれるメカニズムが設計されています。このメカニズムによって、受注を管理するための一貫性のある安全で有効な方法が提供されます。

必要な設定

入力から請求までの受注の入力を完了するには、次の設定が必要です。

受注ヘッダー/明細のワークフロー・プロセス

Order Managementには、シード済のワークフロー・プロセスが用意されています。シード済のフロー、アクティビティおよび通知を検討し、そのデータによって自社のビジネス・ニーズを満たすことができるかどうかを判断してください。OMで標準的な受注を正常に入力するには、一般 - 受注フローおよび一般 - 明細フローを使用できます。シード済のワークフローを変更する必要がある場合は、コピーを作成し、そのコピーを変更することをお薦めします。また、特定のアクティビティを「同期」、「遅延」または「手動」のいずれに設定するかを決定できます。Workflow Engineは、アクティビティが同期アクティビティの間は、受注/明細を先に進めます。受注フローまたは明細フローは、ワークフローの継続に手動タスクが必要な手動アクティビティがあるとそこで停止します。ワークフロー・バックグラウンド・エンジンは、遅延アクティビティ、通知、待機アクティビティおよび時間切れアクティビティを処理します。このエンジンの設定は、使用中の環境にワークフローを設定するときに行います。また、「ワークフロー・バックグラウンド・プロセス」コンカレント・プログラムは、定期的に再発行するようにスケジュールする必要があります。このコンカレント・プログラムをスケジュールするときは、パラメータとしてOrder Managementの作業項目タイプを指定し、Order Managementの作業項目に関するアクティビティまたは通知のみが選択されるようにしてください。

取引タイプ

受注を入力から請求まで処理するには、受注と明細の両方の取引タイプを設定する必要があります。受注タイプの設定時には、受注ヘッダー・ワークフローおよび明細ワークフローを受注タイプに割り当てます。各明細は独自のフロー・プロセスに進むことができるため、各明細には独自のワークフロー・プロセスを設定する必要があります。明細レベルのワークフロー・プロセスは、受注タイプ、明細タイプおよび品目タイプの組合せを基に割り当てられます。たとえば、一般受注タイプ、一般明細タイプ、標準品目の組合せは、一般明細ワークフロー・プロセスとなります。

文書連番

文書連番機能は、受注に番号を割り当てるための機能です。この機能を使用すると、すべての受注タイプに同じ連番を割り当てることができます。たとえば、1から始まる自動連番を定義し、それをすべての受注タイプに割り当てるとします。この場合、入力する新規受注には、それぞれ連番の次の番号が割り当てられます。

処理制約

Order Managementには、データ整合性に関する問題を防止するためのシード済制約が用意されています。受注処理時に厳密なルールが必要な場合は、受注処理フローの変更や操作を制御するルールを設定できます。処理制約の設定方法の詳細は、「処理制約」を参照してください。

予定作成アクティビティ

予定作成機能は、ビジネス・ニーズに応じて、プロセス・フロー内の任意の場所で実行できます。予定作成の自動実行を設定する場合は、ワークフロー・プロセス内で自動的に起動する同期機能として設定できます。プロファイル・オプション「OM: 自動予定作成」を「Yes」に設定してください。予定は、「受注」ウィンドウで直接作成することもできます。予定作成の設定の詳細は、「予定作成」を参照してください。

出荷パラメータ

出荷パラメータは、企業のピック確認および出荷確認プロセスにあわせて設定します。「出荷パラメータ」ウィンドウは、「一般」、「ピック・リリース」、「出荷取引」および搬送グループ化の各タブで構成されています。「一般」タブには、積載率基準(数量)、重量単位区分および容積単位区分があります。これらのパラメータは、主にコンテナ輸送機能に使用されます。「ピック・リリース」タブには、デフォルトのピック・スリップ・グループ化ルール、リリース順序ルール、および受注が在庫からリリースされたことを確認する自動ピック確認フラグがあります。「出荷取引」タブには、出荷確認時のデフォルトの出荷文書およびコンテナ梱包制御があります。最後の搬送グループ化には、搬送明細をグループ化する基準が含まれています。搬送明細の出荷先事業所や倉庫などが、受注明細と同じであることが必要です。

マスター品目

標準の完成品目は、属性を適切に設定してInventoryモジュールで定義する必要があります。完成品目の処理を制御する主な属性は、「マスター品目」設定ウィンドウの「受注管理」タブにあります。フラグ出荷可能および取引可能を選択してください。品目を作成する最適な方法は、シード済の完成品テンプレートから品目をコピーすることです。

品目手持数量

品目を出荷するには、有効数量が十分であることが必要です。テスト環境では、Inventoryモジュールでその他の受入れを実行すると在庫を作成できます。その他の受入れを生成するには、「取引」→「その他取引」ウィンドウの順に選択します。新しく作成した品目名を入力し、保管場所と数量を指定して保存します。本番環境での在庫は通常、発注に対する受入または作業指示の完了によって設定されます。品目の手持数量は、受注のピック・リリース時に受注明細の量から減算されます。

価格表設定

受注に受注品目を入力するときに新規品目の価格を設定するには、その新規品目を価格表に追加する必要があります。品目を価格表に追加するには、「価格表の設定」ウィンドウを使用します。「価格設定」→「リスト」→「価格表の設定」の順に選択します。既存の価格表を問い合せるか、価格表を新たに作成します。新規明細を追加し、品目名、単位および価格を入力して保存します。価格と単位は、受注明細に品目を入力するときにデフォルト設定されます。

Installed Baseの統合

リリース11.5.6以降のOracle Installed Baseを使用しており、出荷不可だがInstalled Baseにインタフェースする必要のある品目(PTOモデル、PTOオプション区分およびサービス品目など)が存在する場合は、明細レベルのワークフローにInstalled Baseインタフェース・アクティビティを追加する必要があります。このアクティビティはシードされます。履行アクティビティの後の明細ワークフロー・プロセスに追加してください。

処理ステップ

この項では、入力から請求までの基本的な受注フローを説明します。次のステップがあります。

  1. 標準受注タイプを使用して受注ヘッダー情報を入力します。

    注意: シード済の取引タイプはありません。受注を請求まで進めるには、一般的な受注と明細のワークフローを使用する標準受注タイプを作成する必要があります。ワークフローおよび取引タイプの設定に関する「必要な設定」の項を参照してください。

    「受注情報」(ヘッダー)ウィンドウ

    図の説明は本文中にあります。

    「受注情報」画面は単一レコードの形式です。ほとんどの業種で通常使用されるフィールドがデフォルトで表示されます。フォルダ・ツールを使用すると、表示するフィールドを追加または削除できます。フォームはビジネス・ニーズにあわせてカスタマイズできます。フィールド値は、受注タイプや顧客レコードなどの様々なソースからデフォルト設定できます。営業単位で更新を防止する制約を定義していなければ、すべてのデフォルトが上書き可能です。

    受注ヘッダー情報を入力すると、「明細品目」画面で明細情報を入力できます。次の図に示されている「明細品目」ウィンドウは複数明細形式です。行外の領域には、「品目摘要」、「明細合計」および「明細数量」フィールドが表示されます。「明細」、「受注品目」、「数量」フィールドはウィンドウの固定フィールドです。受注の記帳に最低限必要な明細情報は、品目番号と数量です。「メイン」タブで入力できる他の明細情報には、「予定日」、「明細タイプ」、「ソース・タイプ」などがあります。「明細品目」ウィンドウには、詳細な明細情報を入力するためのタブが他に5つあります。これらのタブは、「価格設定」、「出荷」、「所在地」、「返品」、「サービス」および「その他」です。

    「受注」: 「明細品目」

    図の説明は本文中にあります。

    「受注情報」ウィンドウおよび「明細品目」ウィンドウで「処理」ボタンをクリックすると、その他の機能を使用できます。「受注情報」ウィンドウで「処理」ボタンをクリックすると、「コピー」、「取消」、「保留の適用」と「保留の解除」、「販売単価算出 (発注)」などの機能を使用できます。「明細品目」ウィンドウで「処理」ボタンをクリックすると、「明細の分割」、ATP、「価格設定 (明細)」、「コンフィギュレータ」などの追加機能を使用できます。

  2. 受注の予定作成は、ユーザーのニーズに応じて、手動または自動で実行するように設定できます。プロファイル・オプションを使用するか、「特別」メニューから自動予定作成機能を設定すると、受注の予定を自動的に作成できます。受注の予定を手動で作成するには、マウスの右ボタンを使用するか、または「特別」メニューから実行します。予定作成の詳細は、このマニュアルの最後に記述されている予定作成に関するトピック別説明を参照してください。受注の予定が作成されると、予定出荷日が受注の明細に挿入されます。

  3. 受注を記帳します。受注を記帳するには、「受注情報」タブまたは「明細品目」タブの「受注の記帳」ボタンを使用します。

  4. 「出荷」→「受注のリリース」→「受注のリリース」ウィンドウの順に選択し、受注をピック・リリースします。リリース順序ルール、倉庫、ピック・スリップ・グループ化ルールが含まれていることを確認し、「自動詳細」ボックスと「自動ピック確認」ボックスを選択します。「出荷取引」ウィンドウから受注をピック・リリースすることもできます。ただし、受注が確実にリリースされるように出荷パラメータを設定する必要があります。詳細は、前述の「必要な設定」を参照してください。

  5. 明細のピック・ステータスを表示します。ワークフロー・プロセスの「出荷確認」アクティビティに進むには、受注の明細のステータスが「リリース済」であることが必要です。ステータスは「出荷取引」ウィンドウで表示できます。最初に、「クエリー・マネージャ」ウィンドウで受注番号を問い合せます。このウィンドウで問合せが実行され、結果が「出荷取引」ウィンドウの受注明細に表示されます。

    「クエリー・マネージャ」ウィンドウ

    図の説明は本文中にあります。

    明細のステータスを表示するには、「出荷取引」ウィンドウの「明細/コンテナ」タブで水平スクロール・バーを使用し、「ピック・ステータス」というフィールドまで右にスクロールします。「詳細」をクリックして、このウィンドウを開くこともできます。すべての明細が「リリース済」であることを確認してください。

  6. 搬送を作成します。この処理は、「搬送の自動作成」に「Yes」を選択すると、ピック・リリース時に自動的に実行されます。「出荷取引」ウィンドウで、手動または自動で実行することもできます。搬送を手動で作成する場合は、出荷パラメータの設定基準に基づいて、同じ出荷先所在地、倉庫などを使用する必要があります。出荷パラメータの詳細は、「必要な設定」を参照してください。この例では、「出荷取引」ウィンドウで搬送を自動的に作成します。受注の問合せが行われると、その明細が「出荷取引」ウィンドウに表示されます。搬送を自動的に作成するには、搬送する明細をいくつか選択([Ctrl]キーを押しながらマウスをクリック)し、「処理」リストをクリックして「搬送の自動作成」を選択し、「実行」を選択します。システムによって、生成された搬送名が選択したすべての明細に挿入されます。この時点で「搬送」タブをクリックすると、搬送名、出荷先事業所および他の出荷情報を参照できます。

    注意: 搬送名にプリフィクスまたはサフィックスを使用する場合は、wsh_external_custom.delivery_nameパッケージを変更します。プリフィクスまたはサフィックスを指定するためのプロファイル・オプションはありません。

    「出荷取引」ウィンドウ

    図の説明は本文中にあります。

  7. 受注の出荷確認を行います。「出荷取引」ウィンドウの「明細/コンテナ」タブで出荷数量を指定し、オプションで「搬送」タブの「運送状」に入力します。受注の出荷確認を行うには、「搬送」タブで「処理」リストをクリックして「出荷確認」を選択し、「実行」を選択します。「出荷確認」ウィンドウが表示され、数量を出荷残とするか、すべて出荷するか、部分出荷するかのオプションおよびユーザー定義の出荷文書を印刷するためのオプションが表示されます。出荷確認プロセスによって、在庫インタフェースが自動的に起動されて数量が更新され、受注管理インタフェースが起動されて受注明細のステータスが更新されます。

  8. 履行アクティビティは、履行セットにある受注の全明細に対する同期化ポイントとして機能します。履行セットの明細は、セット内の明細がすべて履行アクティビティに到達するまで、そのアクティビティで待機します。履行セットにない明細は、単にアクティビティを通過します。

  9. 受注の請求を行います。「履行」アクティビティが完了すると、バックグラウンド・ワークフロー・プロセスは、受注明細の処理を「請求インタフェース」アクティビティに渡します。「請求インタフェース」アクティビティは、受注明細の情報を売掛管理インタフェース表に格納します。表に情報が書き込まれると、「請求インタフェース」は完了し、明細は「明細のクローズ」アクティビティに進みます。ただし、請求は、Receivablesで「自動インボイス」プログラムが実行されるまで実際には生成されません。請求が生成されると「受注」ウィンドウで参照できます。

テレセールスE-Businessセンターから「受注」ウィンドウへ

概要

テレセールスE-Businessセンターでは、受注履歴を表示して新規の受注を作成できます。「受注」タブの「新規」ボタンを選択すると、「受注」ウィンドウまたは「クイック受注」ウィンドウを起動できます。この2つのウィンドウには、E-Businessセンターで入力された関連パーティ、アカウント、所在地および担当情報が自動的に持ち越され、「受注」ウィンドウに移入されます。テレセールスにアカウントが存在しない場合は、Order Managementで新規アカウントが作成されます。これにより、必要な詳細を入力して受注を処理できるようになります。

設定

この機能を有効化するために必須となる設定ステップはありません。

プロファイル

OM: アカウント情報の作成

このプロファイルでは、アカウント、サイトおよび担当の作成権限を設定します。このプロファイルは、サイト、アプリケーション、職責およびユーザーの各レベルで変更できます。シード済のプロファイル値は次のとおりです。

デフォルト値は「なし」です。ユーザーは、このプロファイルを参照可能ですが更新はできません。システム管理者は、このプロファイルを全レベルで参照可能で、更新できます。このプロファイルはアカウント・レイヤーの作成APIによりチェックされ、ユーザーに適切な権限が設定されている場合にのみアカウント・レイヤーが作成されます。

OM: 受注フォーム優先度

このプロファイルでは、テレセールスE-Businessセンターから起動する受注ウィンドウを定義します。

参照

『Oracle TeleSales Implementation Guide』

受注パージ

概要

Oracle Order Managementでは、受注担当と受注管理者の操作要件の範囲内で不要になった受注データがパージされます。パージの結果、次のようになります。

制限事項

受注はパージする前にクローズする必要があります。受注がパージされるのは、オープン請求書やオープン返品など、その受注に対するオープン・アクティビティが存在しない場合のみです。

プロファイル

OM: コミット当り受注パージ

このプロファイルでは、コミット当りでパージ可能な受注数を指定します。デフォルトでは100に設定されます。

コピーした受注の明細番号の保守

概要

Order Managementの「受注のコピー」機能は「受注」ウィンドウと緊密に統合されており、レコードの複数選択をサポートしています。この機能を使用すると、受注がコピーされるのみでなく、明細が受注内でコピーされたり、新規または既存の受注にコピーされます。この機能により、次のように多数の機能上の問題が解消されます。

受注テンプレート

コピー機能を使用して、類似するか同一の複数の受注を処理できます。たとえば、私立小学校が文具のニーズを満たすために、2週間ごとに学校用品仕入先を指定して標準発注を行うとします。このニーズと一致するソース受注を設定し、必要に応じてこのソース受注に基づく受注を作成し、データ入力時間を最小限まで短縮できます。

返品承認(RMA)の作成

顧客から受注に対する品目が返品された場合、顧客サービス担当は新しくRMAを入力するかわりに、当初受注から明細をコピーしてRMAを作成できます。

設定

  1. コピー済受注の各列と設定を示します。

    コピー済受注
    R12列
    SOURCE_DOCUMENT_TYPE_ID 2
    SOURCE_DOCUMENT_ID SO_HEADERS.ORIGINAL_SYSTEM_REFERENCE
  2. original_system_line_referenceが移入されたコピー済受注に属している全明細の各列を、次のように設定する必要があります。

    Original_system_line_referenceの設定
    R12列
    SOURCE_DOCUMENT_TYPE_ID 2
    SOURCE_DOCUMENT_ID so_headers sohからsoh.original_system_referenceを選択します。soh.header_idはso_lines.header_idです。
    SOURCE_DOCUMENT_LINE_ID SO_LINES.ORIGINAL_SYSTEM_LINE_REFERENCE

包括受注基本契約

概要

包括受注基本契約は、顧客と仕入先との購買基本契約に関連した特定の特性が存在する場合に使用されます。この種の特性には、基本契約の日付範囲、含まれる品目、品目の価格、パーティが確約した各品目の数量およびその他の属性(運送条件や支払条件など)が含まれます。顧客に関して包括受注基本契約が入力されると、それに対する複数のリリース(受注)がOrder Management内で一定期間中に処理されます。受注は、包括受注基本契約の条件に従って履行され、請求されます。リリース済明細の履行数量、履行済金額などのトラッキング情報も累積されます。この情報を使用して、包括受注基本契約に対して実行された受注のステータスが表示されます。

包括受注基本契約には、次の機能が含まれます。

プロファイル

OM: デフォルト包括受注基本契約タイプ

このプロファイルにより、システムでは複数の包括受注基本契約に共通(デフォルト)の取引タイプを使用して、一意の包括受注番号を生成できます。このプロファイル・オプションのデフォルト値はありません。このプロファイルはシード済であり、職責レベルとサイト・レベルで設定できます。ほとんどのビジネス・プロセスでは、このプロファイル・オプションを変更できるのはシステム管理者のみです。ユーザーは、このプロファイルを参照可能ですが更新はできません。

OM: デフォルト包括受注取引フェーズ

このプロファイルにより、システムでは複数の包括受注基本契約に共通の取引フェーズを使用できます。

設定

Order Managementシステムを設定して包括受注基本契約を入力する手順は、次のとおりです。

  1. Order Managementをインストールします。

  2. 包括受注番号の割当に使用する包括受注タイプを定義します。「受注採番用文書連番の定義」および「Order Management取引タイプの定義」を参照してください。

  3. 包括受注番号を生成するカテゴリをデフォルト設定するために、プロファイル・オプション「OM: デフォルト包括受注基本契約タイプ」を設定します。

  4. オプションで、取引フェーズを「交渉」または「履行」にデフォルト設定するために、プロファイル・オプション「OM: デフォルト包括受注取引フェーズ」を設定します。

  5. 「受注」または「クイック受注」および「見積」または「クイック受注」フォームに、BSA関連フィールドを表示するためのフォルダを作成します。ヘッダー・レベルのフィールドは「包括受注番号」と「包括受注基本契約名」、明細レベルのフィールドは「包括受注番号」と「包括受注明細番号」です。

包括受注基本契約に使用する取引タイプの定義

「取引タイプ」ウィンドウにナビゲートして取引タイプを設定します。詳細は、「Order Management取引タイプの定義」を参照してください。

包括受注基本契約用に、次の3つのシード済ワークフローが用意されています。

包括受注基本契約用の取引タイプを設定する際には、次のことに注意してください。

取引タイプでは、ビジネス・プロセスに応じて同じテンプレートまたは異なるテンプレートを指すことができます。

取引タイプから承認リストの設定に直接アクセスできます。また、メニューからアクセスすることもできます。承認の設定の詳細は、「承認の定義」を参照してください。

交渉フローには、包括受注基本契約取引が「有効」に移行する前に、「内部承認」および「顧客受入」が用意されています。「有効」に移行すると、包括受注基本契約に対してリリースできるようになります。

注意: ワークフロー通知に自動添付を作成するか(承認者による文書の参照を容易にするため)、Oracle Sales Contractsが使用可能な場合に契約文書での参照として取引自体に自動添付を作成するか、FND添付用の自動添付を作成する場合は、ワークフローを拡張して「草案の発行」と「内部承認」の間に「包括受注基本契約/受注生成」プロセスを追加し、XML Publisherをインストールする必要があります。

包括受注基本契約に使用する処理制約の定義

Order Managementの処理制約フレームワークにより、ユーザーとシステムはエンティティを更新できる条件とステータスを一意に定義できます。たとえば、包括受注基本契約は、社内承認保留中ステータスの間は更新できません。これは、データの破損を防ぐためにシステム制約としてシードされています。同様に、ビジネス慣行にあわせた制約を定義して変更を防止できます。この種の制約は、エンティティ・レベルで属性ごとに定義できます。

包括受注基本契約では、見積や受注と同じ制約フレームワークを使用します。このフレームワークは、変更により包括受注基本契約の自動バージョン作成がトリガーされる時期と変更内容の設定にも使用できます。そのためには、「処理制約」ウィンドウにナビゲートします。処理制約の定義の詳細は、「処理制約の定義」を参照してください。

包括受注基本契約の処理制約を定義する際には、次のことに注意してください。

包括受注基本契約用のシード済制約については、付録Eを参照してください。

包括受注ヘッダー・エンティティの「新規価格表」または「新規モディファイア・リスト」設定属性に対する更新操作に「不許可」制約が適用される場合、「価格表の設定」および「価格モディファイア設定」ウィンドウは問合せ専用モードで開きます。

Oracle Sales Contractsが使用可能で、更新操作に「不許可」制約を適用可能な場合、「契約条件」ウィンドウでは属性「契約条件」が問合せ専用モードで開きます。

リリースに対する制約の定義

リリースの包括受注基本契約参照の変更を禁止する時期を指定します。たとえば、「出荷済明細での包括受注基本契約参照は変更禁止」を指定する場合は、受注ヘッダーに包括受注番号の制約を設定するか、受注明細に包括受注番号または包括受注明細番号の制約を設定します。

リリースのデフォルト・ルール

リリースにデフォルト設定する包括受注基本契約の条件を指定します。ソース・タイプ「関連レコード」を使用し、ソース・オブジェクトに「包括受注ヘッダー」または「包括受注明細」を使用して、受注ヘッダーまたは受注明細のデフォルト・ルールを定義します。

この方法は、ビジネス・プロセスで条件の強制も必要な場合に使用することをお薦めします。たとえば、「包括受注明細」の「価格表の強制」が選択されている場合は、包括受注明細の価格表を受注明細にデフォルト設定するためのルールを定義します。このように定義しないと、リリース明細の処理中に検証エラーが発生することがあり、価格表の手動更新が必要になります。「デフォルト・ルール」を参照してください。

メニュー項目

「包括受注基本契約」ウィンドウへのアクセスを提供または制限するために、適切なフォーム機能を追加する必要があります。

問合せ専用モード

「包括受注基本契約」が問合せ専用モードの場合は、次の処理を使用できます。

累積値引範囲

Advanced Pricingでは、ユーザーは特定の包括受注基本契約に対するリリース間で累積値引範囲を作成できます。値引範囲を作成するには、「包括受注基本契約」で処理「価格モディファイア設定」を使用します。

包括受注基本契約には次の3つの累積属性があります。

参照

処理制約の定義

検証テンプレートの定義

営業文書のプレビューと印刷

『Oracle Order Managementユーザーズ・ガイド』

『Oracle Advanced Pricing User's Guide and Implementation Manual』

『Oracle Advanced Pricingインプリメンテーション・マニュアル』

営業文書のプレビューと印刷

概要

「プレビューおよび印刷」を使用すると、ビジネスのレイアウト要件を満たすことのできる印刷可能なAdobe Portable Document Format(PDF)を生成できます。「プレビューおよび印刷」は、各営業文書(受注、リリース受注、見積または包括受注基本契約など)で使用可能な処理であり、表示および印刷するPDF文書が表示されます。

機能は次のとおりです。

プロファイル

OM: 印刷文書拡張区分名

このプロファイルでは、指定したカスタムJavaコードのCLASSPATHをコールするフックを提供して、プレビューおよび印刷機能の標準機能を拡張します。印刷処理APIは、このプロファイルのCLASSPATHを読み取ってJavaファンクションを実行します。

設定

必要に応じてレイアウト・テンプレートを作成または変更します。レイアウト・テンプレートの作成にはXML Publisherを使用します。複数のレイアウト・テンプレートが事前にシードされており、そのまま使用するか、コピーして新規のレイアウト・テンプレートを作成できます。すべてのレイアウト・テンプレートは、使用前に登録しておく必要があります。OM取引タイプの設定時に、レイアウト・テンプレートを「プレビューおよび印刷」処理のデフォルト書式として関連付けることができます。

Oracle Sales Contractsを使用するにはOracle XML Publisherが必要なため、Oracle Sales Contractsが使用可能な場合は、「プレビューおよび印刷」を使用できます。ただし、Oracle Sales Contractsが使用可能でない場合、営業文書のプレビューを生成するにはXML Publisherをインストールする必要があります。「プレビューおよび印刷」機能を使用するには、すべてのユーザーがAdobe Acrobatをインストールしておく必要があります。

「プレビューおよび印刷」を設定する手順は、次のとおりです。

  1. 職責を「XML Publisher管理者」に設定して「レイアウト・テンプレート」を選択します。

  2. アプリケーションを指定して既存のレイアウト・テンプレートを検索し、表示するテンプレートを選択します。職責を「XML Publisher管理者」に設定して「レイアウト・テンプレート」を選択し、アプリケーションを指定して既存のレイアウト・テンプレートを検索するか、新規のテンプレートを作成します。

  3. 「レイアウト・テンプレート」の値リストから、この取引タイプに連結するスタイルシートを選択します。次のテンプレートがシードされています。

  4. 「N:」→「設定」→「取引タイプ」→「定義」の順にナビゲートします。「Order Management取引タイプの定義」を参照してください。

  5. 適切な取引タイプにレイアウト・テンプレートを割り当てます。OM取引タイプの設定時に、レイアウト・テンプレートを「プレビューおよび印刷」処理のデフォルト書式として関連付けることができます。

  6. 変更内容を保存します。選択したスタイルシートにより、この取引タイプの営業文書に使用される書式が決まります。

    注意: オープン取引がある場合、取引タイプに関連付けられたレイアウト・テンプレートについては終了日を指定しないことをお薦めします。

独自のレイアウト・テンプレートを作成する手順は、次のとおりです。

独自のスタイルシートを作成してアプリケーションに登録することもできます。

  1. 職責を「XML Publisher管理者」に設定して「レイアウト・テンプレート」を選択します。

  2. アプリケーションを指定して既存のレイアウト・テンプレートを検索し、表示するテンプレートを選択します。職責を「XML Publisher管理者」に設定して「レイアウト・テンプレート」を選択し、新規のテンプレートを作成します。

「包括受注基本契約/受注生成」ワークフロー・サブプロセス

「OM承認」ワークフロー内で営業文書を通知の添付として表示しようとする顧客は、ワークフロー・サブプロセス「包括受注基本契約/受注生成」を使用できます。このワークフロー・プロセスでは、取引用PDFを生成して添付として保存するためのコンカレント要求が発行されます。

このサブプロセスは「OM交渉ヘッダー」ワークフローの一部として組み込まれていますが、フローではシードされません。添付を生成し、これらの添付をワークフロー承認通知から表示するには、このサブプロセスを交渉 - 承認のある一般フローの「承認」プロセスの前に挿入します。

参照

RTFテンプレートの作成の概要は、『XML Publisher RTF Template Designer's Guide』を参照してください。

シード・データに関するガイドラインの詳細は、『XML Publisher Template Seeding Guide』を参照してください。

社内受注

概要

「社内購買依頼/社内受注」プロセスは、ある在庫または費用事業所から別の場所に資材を要求して転送するために使用されます。「社内購買依頼」はOracle Purchasingで開始されます。ソース・タイプが在庫または外部仕入先のどちらになるかは、ソース・ルールによって自動的に決定されます。Order Managementは、Purchasing Applicationから情報を受け取り、社内受注を作成します。受注が出荷(組織内または組織間の商品の移動を示す)されると、購買依頼を受け入れ、商品の受入を記録できます。

購買依頼明細のソース・タイプ属性によって、明細を社内で履行するか、仕入先から購入するかが制御されます。ソース・タイプ「在庫」は社内受注を示します。Order Managementには、社内購買依頼から作成された明細を識別するために、受注ソース「社内」がシードされています。社内購買依頼IDは、社内受注の受注ヘッダーにある「初期システム設定参照」列に格納されます。Order Managementのユーザー・インタフェースを使用して、社内受注を手動で入力することはできません。これらの受注は「受注インポート」を使用して処理する必要があります。

リリース11iのOrder Managementでは、社内受注は外部の顧客に出荷される受注とほとんど同様に処理されます。Order ManagementとPurchasing間の調整は自動化されており、将来のリリースでは、さらにち密な調整が計画されています。

設定

社内受注を処理するには、次の設定ステップを実行する必要があります。

顧客

出荷営業単位内で、受入営業単位を表す顧客および所在地を設定します。また、受入営業単位内で、出荷営業単位を表す仕入先およびサイトを設定します。

社内受注は「受注」ウィンドウで処理されるため、社内受注を使用して製品を受け入れる企業事業所は、顧客として設定する必要があります。社内事業所に対応する顧客レコードを作成し、顧客請求先サイトと事業所の関連付けを使用して、社内事業所と顧客レコードをリンクします。

品目

「社内発注可能」フラグと「社内発注品目」フラグの両方をオンにして、社内受注で許可する品目を設定します。ソース組織と搬送先組織の両方で品目を使用可能にします。

受注取引タイプ/明細取引タイプ

社内受注用の特別な受注取引タイプまたは明細取引タイプを設定する必要はありません。ただし、Purchasingの設定では、社内受注に使用する受注取引タイプを指定する必要があります。すべての一般的な受注取引タイプを社内受注に使用できます。

出荷ネットワーク

ソース(出荷元)組織と宛先(出荷先)組織との関連と会計情報を設定する必要があります。「社内発注要」を「Yes」に設定してください。

注意: 「移動中」移動タイプを使用する場合は、「受入の入力」画面を使用して明示的に受け入れる必要があります。これは標準受入です。「直接」移動タイプを使用する場合、商品は在庫に直接出荷されます。これは直接搬送です。受入経路には「標準」または「直接」を使用できます。

デフォルト・ルール

自社のビジネス・プロセスを分析し、社内受注のデフォルトに関するデフォルト・ルールを定義します。

処理制約

Order Managementでは、シードされている処理制約によって、社内明細の顧客、出荷先、請求先、倉庫、要求日、ソース・タイプおよび受注数量の変更が防止されています。社内受注に関して変更できる項目をさらに制限する場合は、社内受注検証テンプレートを使用して他の属性を制限できます。

受注ソース

(受注インポート用の)受注ソース「社内」がシードされています。これを、Purchasingのオプション設定で受注ソースに対して選択する必要があります。

価格表

価格表は受注処理中にデフォルト設定される必要がありますが、社内受注処理中には検証されません。この価格表は、顧客所在地設定に関連付けておく必要があります。品目はソース組織で定義されている原価で移動されます。これは、社内購買依頼に単価として表示される値です。社内受注の場合は、ソース組織で定義されている原価に振替価格を加算した値が表示されます。

注意: GL配分は、ソース組織で定義されている原価に基づいて生成されます。

処理ステップ

  1. Oracle Purchasingで購買依頼を入力します。ソース・ルールによって、ソース・タイプの属性が「在庫」に設定されます。または手動で「在庫」ソース・タイプを選択します。

  2. 社内購買依頼を承認します。

  3. Purchasingで「社内受注の作成」コンカレント・プログラムを実行して、受注インポート表をロードします。これは、設定の一部として、ビジネス・ニーズにあわせて定期的に実行されるようにスケジュールすることもできます。

  4. OMで受注ソースに「社内」を指定して受注インポートを実行し、社内受注を作成します。社内受注を作成する必要がある営業単位に対応する職責を使用して、受注インポートを確実に実行してください。社内受注は、社内購買依頼とは異なる営業単位で作成できます。これは、設定の一部として、ビジネス・ニーズにあわせて定期的に実行されるようにスケジュールすることもできます。

  5. 受注インポートが正常に終了した後、社内受注を記帳、ピックおよび出荷します。

  6. 社内購買依頼に対する受入を行います。

ワークフロー

社内受注の処理でOracle Workflowに関連する特別な作業はなく、標準のフローを使用できます。ワークフローに請求インタフェースに関するステップが含まれている場合でも、社内受注明細は請求されません。

注意: 社内受注の場合、RMA機能はサポートされません。

参照

Oracle Purchasingの設定と処理については、『Oracle Purchasingユーザーズ・ガイド』を参照してください。

社内受注用の拡張会社間請求

設定

「移動中」移動タイプの社内受注について会社間請求書を生成できます。この機能を使用するための要件は、次のとおりです。

Advanced Pricingをインストール済の場合は、品目の会社間請求価格を導出できます。

Advanced Pricingと会社間請求の統合

ケース1

会社間請求では、外部API(顧客またはユーザーがプログラム可能なフック)が検査され、社内受注に含まれている品目の価格が戻されます。APIから値が戻されなければ、価格設定論理は価格表から価格を取得します。価格表の1つに品目の価格が見つかると、その値が会社間請求で使用されます。その品目の正しい価格が見つからなければ、会社間請求処理ではエラー・メッセージが記録されます。

ケース2

価格設定論理は、顧客設定でその顧客(社内)に指定された固定の移動価格表から品目の価格を取得します。価格が定義されていない場合は、エラー・メッセージが記録されます。

Advanced Pricing設定では、品目の請求書価格の取得に使用する価格表に基づいて異なるルールを定義できます。新規の要求タイプ、グローバル構造、コンテキスト、クオリファイアと価格設定属性の新規セットがシードされています。

実装時の考慮事項

会社間請求にAdvanced Pricing機能を使用する場合は、ユーザー・レベルでプロファイル「QP: 価格設定取引エンティティ」の値を「会社間取引」に設定し、プロファイル「QP: ソース・システム・コード」の値をOracle Inventoryに設定する必要があります。これにより、オーダー管理コンテキストのみでなく会社間コンテキストを表示および使用して、属性マッピング・ルールを定義できます。

要求タイプとソース・システム・コードの間に、2つの新規マッピング/関連がシードされています。一方は要求タイプICとソース・システムINVの間、他方は要求タイプICとソース・システムQPの間です。要求タイプICとソース・システムINVは、新規のシード・データ・セットです。この2つのマッピングを使用すると、会社間請求と受注請求に共通の価格表を使用できます。取引受注の場合、価格表はソース・システム・コードQPを使用して作成され、OM(Oracle Order Managementシステム)とQP(Advanced Pricing)とのマッピングを使用して、取引受注請求書用の価格表が選択されます。同様に、会社間ユーザーは、ソース・システム・コードINVを持つ会社間請求用に個別の価格表を作成するように決定することもできます。そのためには、プロファイル「QP: ソース・システム・コード」をINVに設定します。

これらの価格表を会社間請求にのみ使用するには、ICとQPの間のマッピングを無効化する必要があります。無効化しなければ、価格設定エンジンはQPに定義されている価格表よりも適切な価格表を見つけると、その価格表を使用します。

価格表のクオリファイア属性と価格設定属性に関するマッピング・ルールの定義に使用できるように、新規のグローバル構造が定義されています。このグローバル構造は、受注または社内受注レコードで取得されて使用可能な全情報に基づきます。シード済のデフォルト・ルールは、すべてこのグローバル構造を使用して定義されています。ユーザーはこのグローバル構造のデータを使用して、さらにマッピング・ルールを定義できます。

参照

『Oracle Advanced Pricing Implementation Guide』

『Oracle Advanced Pricing Users Guide』

『Setting up Intercompany Invoicing』

『Oracle Inventory Implementation Guide』

会社間請求

処理ステップ

会社間請求の受入原価

社内受注に会社間請求を使用する場合は、宛先組織の受入原価の基礎として、ソース組織からの品目原価ではなく振替価格のみを使用できます。この機能を使用するには、次の設定が必要です。

在庫の売上原価勘定科目とプロファイル「OM : 売上原価勘定の生成」の両方について、ワークフロー・プロセスを定義する必要があります。

処理ステップ

「会社間請求」で説明した「処理ステップ」に従います。また、要求(受入)営業単位で受入取引を実行した後、「コスト・マネージャ」の起動による取引の原価計算が必要になる場合があります。

参照

『Oracle Costing Implementation Guide』

返品とクレジット

概要

Oracle Order Managementでは、「受注」ウィンドウに返品承認(RMA)機能が用意されており、同じ受注に標準受注明細と返品受注明細の両方を入力できます。通常、RMAは返品またはクレジット受注および返品資材と同じ意味で使用されます。受注には、受注タイプの定義での制限に従って、アウトバウンド(標準)明細とインバウンド(返品)明細を混在させることができます。クレジット受注タイプには、「返品」受注タイプ・カテゴリを使用できます。「混合」受注タイプ・カテゴリの受注には、標準明細と返品明細の両方を含めることができます。各受注タイプおよび各明細タイプは、それぞれ1つのワークフロー・プロセスに関連付けられています。返品明細は、「返品」明細タイプ・カテゴリで示され、マイナスの品目数量および明細合計価格がハイライトされます。返品明細タイプには、「承認のある返品」やクレジットのみ返品などのフローを含めることができます。

Order Management内でRMAを作成する方法は3通りあります。1つ目は、返品する受注を識別して受注明細を問い合せる方法です。受注または受注明細を選択した後、「処理」リストの「コピー」機能を使用してRMA明細タイプを指定することで、返品受注または返品明細を生成します。2つ目は、「受注」ウィンドウの「明細品目」タブ内の「返品参照」フィールドで、品目の受注、請求、発注番号またはシリアル番号を直接参照する方法です。3つ目は、元の受注明細がない返品の場合で、「受注」ウィンドウに返品明細情報を手動で入力し、適切な返品明細タイプを選択する方法です。

設定

プロファイル・オプション

OM: 返品品目不一致処理

このプロファイルでは、RMA明細の品目と参照明細の品目間での値の不一致が許容されます。たとえば、品目を誤って出荷したため、正しい品目をRMA明細に入力する場合は、不一致を許容する必要があります。シードされている値は「許可」で、プロファイル・オプションの入力がない場合は「許可」として処理されます。

OM: 返品未履行参照明細処理

このプロファイルでは、未履行の明細を参照明細として使用することを許容します。シードされている値は「許可」で、プロファイル・オプションの入力がない場合は「許可」として処理されます。

OM: 超過出荷請求書ベース

このプロファイルでは、超過出荷が発生したときに、請求モジュールで受注数量と出荷数量のどちらで請求するかを決定します。たとえば、受入ドックで受け入れた資材の数量をRMAと比較し、許容範囲未満、許容範囲内、許容範囲超過のいずれであるかを判定します。受入数量が許容範囲を超えている場合、Purchasingでは返品明細の数量の受入と、残りの数量の未受注受入が作成されます。超過返品に関して顧客からOrder Managementに通知されたときは、別の返品明細が作成されるため、Purchasingではその返品明細を未受注受入と照合できます。

OM: クレジット・メモ取引タイプ

クレジット・メモ取引タイプに値が定義されていない場合は、このプロファイル・オプションの値がReceivablesに転送されます。デフォルト値は、取引タイプ名です。

OM: 超過返品の許容範囲

返品明細で超過受入できるパーセンテージを示します。有効値は0(ゼロ)以上の値です。このプロファイル・オプションはサイト・レベルで設定します。デフォルト値は0(ゼロ)です。

OM: 返品不足の許容範囲

履行済と見なされる返品明細に対する不足受入可能な返品明細のパーセンテージを示します。有効値は0(ゼロ)以上100以下の値です。このプロファイル・オプションは、サイト・レベルで設定します。デフォルト値は0(ゼロ)です。

ワークフロー

Order Managementには、シード済のOracle Workflowプロセスが用意されています。シード済のフロー、アクティビティおよび通知を検討し、そのデータによって自社のビジネス・ニーズを満たすことができるかどうかを判断してください。OMでRMAを正常に入力するには、一般 - 受注フロー承認のある返品および「明細フロー - クレジットのみ返品」を使用できます。既存のシード済ワークフローを変更するか、新規ワークフローを新たに作成して、検査または請求アクティビティ(あるいはその両方)を組み込むか、除外することもできます。たとえば、受入アクティビティの後に請求アクティビティを設定したり、Receivablesにデータをインタフェースせずに単に明細をクローズすることもできます。検査については、資材の受入後すぐに請求を処理するか、請求の起動前に検査が完了するまで待機するようにワークフローを設定できます。シードされているワークフローでは、検査(搬送)アクティビティが完了した後でのみ請求が処理されます。また、返品明細に、出荷不可または取引不可のフラグが付けられている場合、受入ワークフロー・アクティビティは「不適格」の結果で完了します。ただし、ATO/PTO明細をクレジット処理する前にはATO/PTO品目を履行する必要があります。これを行うには、ATO/PTO明細を履行セットに挿入します。この結果、ATO/PTO明細は、すべての子が受け入れられ、履行に到達するまで履行で待機します。ATOモデル明細ワークフローは、構成済明細が出荷されるまで待ってから、PTOおよびATOであるかやATOまたはPTOのみであるかに関係なく、さらに進行します。サービスの場合、Order Managementでは、製品品目の返品時にサービス品目を返品するために、シード済のクレジットのみ返品ワークフローのみが使用されます。このリリースのOrder Managementでは、製品の返品時にRMA明細を使用して顧客への全額クレジットまたは一部クレジットが制御されます。Install Baseでは、クレジットを与えるかどうかがRMA製品明細からの情報を使用して決定されます。

取引タイプ

RMAを処理するには、受注と明細の両方の取引タイプを設定する必要があります。受注タイプを設定するときは、受注ヘッダーと明細ワークフローを受注タイプに割り当ててください。各明細は独自のフロー・プロセスに進むことができるため、各明細に独自のワークフロー・プロセスが割り当てられるようにワークフロー割当を設定する必要があります。クレジット受注タイプの中には、「返品」のカテゴリに属する受注タイプがあります。「混合」受注タイプ・カテゴリの受注には、通常明細と返品明細の両方を含めることができます。明細レベルのワークフロー・プロセスは、受注タイプ、明細タイプおよび品目タイプの組合せを基に割り当てられます。標準受注タイプまたは混合受注タイプを設定するときは、デフォルトの返品明細タイプを設定することもできます。この設定を行うと、別の明細タイプを選択する場合以外、明細タイプを手動で選択する必要はありません。取引タイプの設定方法の詳細は、このマニュアルの最後に記述されているトピック別説明「Oracle Order Managementの取引タイプの使用方法」を参照してください。

マスター品目

返品明細を作成できるのは、品目が返品可能な場合のみです。したがって、標準の完成品目は、属性を適切に設定してOracle Inventoryで定義する必要があります。品目を作成する最適な方法は、シードされている完成品テンプレートから品目をコピーして、「マスター品目」ウィンドウで必要に応じて他の属性を設定することです。返品可能品目の処理を制御する主な属性は、次のとおりです。

ロット管理品目またはシリアル管理品目(あるいはその両方)の場合、Oracle Order Managementでは、1つのRMA明細に関連付けられた1つ以上のロット番号およびシリアル番号を格納できます。Oracle Order Managementでは、これらのシリアル番号をシステム内のInventoryのシリアル番号または参照受注に関連付けられたシリアル番号と照合して検証することはしません。Receivingでは、品目のシリアル番号を搬送時に取得します。「クレジット受注差異レポート」では、実際に搬送されたロット/シリアル番号とRMA上の番号の間の差異を確認できます。「受注」ウィンドウでは、RMA明細に対して顧客が提示したロット番号とシリアル番号を取得できます。

ATO/PTO構成の場合は、「返品可能」構成明細のみが「受注」ウィンドウに表示されます。ATO/PTOの子品目に対して品目属性が正しく設定されていることを確認する必要があります。

価格表設定

「受注」ウィンドウでの受注品目入力時に、新規品目の価格を設定するには、その新規品目を価格表に追加します。品目を価格表に追加するには、「価格表の設定」ウィンドウを使用します。「価格設定」→「リスト」→「価格表の設定」の順に選択します。既存の価格表を問い合せるか、価格表を新たに作成します。新規明細を追加し、品目名、単位および価格を入力して保存します。価格と単位は、受注明細に品目を入力するときにデフォルト設定されます。RMA明細の作成時に元の取引がわかっている場合は、元の受注明細から価格設定情報が挿入されます。ユーザーは必要に応じて価格設定を変更できます。価格表の値リストには、価格設定日における有効な価格表がすべて示されます。受入およびクレジットの対象となるATO構成品目およびPTO展開品目も価格表に含める必要があります。

処理制約

Order Managementには、データ整合性に関する問題を防止するための制約がシードされています。たとえば、次の明細の変更を防止できます。

クローズ済

取消済

受注レベルで取消済

出荷済

請求済

返品明細は、Receivablesにインタフェースされた後および受け入れられた後は取り消すことができません。受注処理時に厳密なルールが必要な場合は、受注処理フローの変更または操作を制御するルールを設定できます。処理制約の設定方法の詳細は、「処理制約」を参照してください。

返品事由コード

「売掛/未収金クイックコード」ウィンドウで独自の返品事由コードを設定できます。「受注管理」職責にナビゲートしてメニューから「設定」→「クイックコード」→「売掛金」を選択します。Oracle Receivablesの「参照」ウィンドウが表示されます。問合せマネージャ(点滅アイコン)からCREDIT_MEMO_REASONコードを問い合せます。既存のコードを表示するか、新規コードを追加できます。これらのコードは、返品入力時に「返品事由」の値リストに表示されます。

レポート

事由別返品レポートを使用すると、システム内の返品事由設定をすべて参照できます。レポートは、返品事由、クレジット受注日、クレジット受注タイプまたは明細タイプ、品目番号別、およびこれらのタイプと品目番号の組合せ別に実行できます。

返品の運送費および特別手数料

運送費または特別手数料の設定時に、費用が返金可能であるかどうか(手数料が払戻可能かどうか)を指定できます。元の受注明細から返品明細を作成するとき、払戻可能な請求済手数料をコピーしてください。また、保管料、返品処理費、破損費など、返品に特別に適用される特別手数料を設定することもできます。この特別手数料の設定には、価格設定モディファイア設定内の「払戻可」フラグ(「返品時に含む」フィールド)という属性を使用できます。詳細は、「運送費と特別手数料」を参照してください。

処理フロー

この項では、「受入のあるクレジットの返品」に関する入力からクレジット・メモの生成までの基本的なフローを説明します。次のステップがあります。

  1. 「受注」ウィンドウでRMAを入力します。「受注」ウィンドウでの返品の入力方法は、受注の入力と同じですが、明細レベルでは明細タイプとして「返品」を指定し、マイナスの明細数量を指定します。したがって、「受注」ウィンドウの「受注情報」タブでは、標準受注と同じ情報(顧客名や受注タイプなど)を入力します。標準受注タイプは、受注または返品いずれかの入力が許可される一般受注および明細ワークフローに割り当てられます。返品に関する一般受注および明細ワークフローの詳細は、「ワークフロー」を参照してください。次の図は、RMAのヘッダー情報を入力しているときの「受注」ウィンドウです。

    返品の「受注」(ヘッダー)ウィンドウ

    図の説明は本文中にあります。

  2. 受注ヘッダー情報の入力後は、次のように、「明細品目」画面に明細情報を入力します。

    「明細品目」ウィンドウ

    図の説明は本文中にあります。

  3. 「メイン」タブで、返品する受注品目と数量を入力します。正または負の数字を入力できます。また、マイナスの数量は別の色で強調表示されます。次に、「返品」タブで、返品としての明細タイプ(「商品の受入を伴うクレジットのための返品」など)を入力し、返品事由を入力する必要があります。返品事由(製品販売中止など)の入力は必須です。この例では受注を参照していないため、元の取引が不明な単一の明細RMAを入力しています。

  4. RMAを記帳します。受注または返品を記帳するには、「受注情報」タブまたは「明細品目」タブの「受注の記帳」ボタンを使用します。

  5. Oracle Purchasingの「受入」ウィンドウを使用してRMAを受け入れます。職責を「購買」に変更し、「受入」→「受入」ウィンドウにナビゲートします。ログイン後初めて「購買」→「受入」ウィンドウにナビゲートした場合は、「受入予定の検索」ウィンドウに「組織」ウィンドウが表示されます。組織には、RMAが作成されたときと同じ倉庫を選択する必要があります。「受入ヘッダー」ウィンドウで、「顧客」タブを選択してRMA番号を検索します。「受入ヘッダー」ウィンドウから「受入明細」ウィンドウに移動します。「受入明細」ウィンドウに移動すると、RMA番号と数量がウィンドウに移入されます。受け入れる明細の横のボックスを選択し、搬送先タイプとして「在庫」を選択し、保管場所を入力します。この取引を保存し、「受入ヘッダー」ウィンドウに受入番号を記録します。この例では、搬送先タイプとして「在庫」を選択すると、Purchasingの在庫取引への転送を作成している状態になります。これらの品目は、この時点で供給とみなされます。Purchasingは、RMAを更新するために、Order Managementに受入数量を通知します。

    「受入ヘッダー」ウィンドウ

    図の説明は本文中にあります。

    「受入」(明細)ウィンドウ

    図の説明は本文中にあります。

  6. Inventoryで品目の手持数量をチェックし、適正な数量が受け入れられたことを検証します。職責を「在庫」に変更し、「取引」→「資材取引」ウィンドウにナビゲートします。ログイン後初めて「在庫」→「資材取引」ウィンドウにナビゲートした場合、「資材取引」ウィンドウには「組織」ウィンドウが表示されます。組織には、RMAが作成されたときと同じ倉庫を選択する必要があります。返品される品目を検索し、「取引タイプ」タブにナビゲートします。ソース・タイプがRMAであることおよびソースが返品数量に対応するRMA番号であることを検証します。このウィンドウには、「受入」ウィンドウから戻される品目番号、選択した保管場所および指定した数量が表示されます。

    「資材取引」ウィンドウ

    図の説明は本文中にあります。

  7. RMA明細を履行します。履行アクティビティは、履行セットにある受注の全明細に対する同期化ポイントとして機能します。履行セットの明細は、セット内の明細がすべて履行アクティビティに到達するまで、そのアクティビティで待機します。履行セットにない明細は、単にアクティビティを自動的に通過します。ユーザーは、このステップでは何も実行する必要はありません。適格な明細は、履行セットに自動的に設定されます。

  8. 返品に対するクレジット・メモを生成します。履行アクティビティが完了すると、返品明細のワークフロー・プロセスは、請求インタフェース・アクティビティに移ります。請求インタフェース・アクティビティは、返品明細の情報を売掛管理インタフェース表に格納します。この表に情報が書き込まれると、請求インタフェース・アクティビティは完了し、明細は、「明細のクローズ」アクティビティに進みます。ただし、Receivablesで「自動インボイス」プログラムが実行されるまで、クレジット・メモは実際には生成されません。クレジット・メモが生成されると、「受注」ウィンドウで参照できます。「自動インボイス」プログラムを実行するには、職責をReceivablesに変更し、「インタフェース」ウィンドウにナビゲートする必要があります。「自動インボイス・マスター・プログラム」を選択し、RMA番号に対してプログラムを実行し、請求ソースをRMA明細の明細タイプに関連付けられているソースとして指定します。「自動インボイス・マスター・プログラム」によって、クレジット・メモを生成する「自動インボイス・インポート・プログラム」が生成されます。これらのプログラムは、バックグラウンドで自動的に実行するように設定できます。単にプログラムを「遅延」として設定します。

  9. Order Managementでクレジット・メモを表示します。Order Managementでクレジット・メモを表示するには、職責を「受注管理」に変更し、「受注、返品」→「受注オーガナイザ」ウィンドウにナビゲートします。「受注オーガナイザ」でRMA番号を問い合せます。RMAの問合せ後、RMA受注を開き、「処理」をクリックして「追加受注情報」を選択します。「追加受注情報」ウィンドウが表示された後、「売掛金」タブをクリックしてクレジット・メモを表示します。このウィンドウには、クレジット・メモの番号と金額が表示されます。

  10. RMA明細で出荷済および履行済数量をチェックします。前述のステップから、「受注」ウィンドウでRMAの「明細品目」タブにナビゲートします。スクロールして「出荷数量」フィールドを表示します。「履行済数量」フィールドにアクセスするには、フォルダ技術を使用して「受注」ウィンドウにフィールドを追加する必要があります。フィールドを追加するには、「明細品目」ウィンドウの「出荷」タブにある「倉庫」フィールドをクリックします。次に、ウィンドウ上部の「フォルダ」メニューを選択して「フィールドの表示」をクリックし、リストから「履行済数量」フィールドを選択します。フィールドがウィンドウに移入されます。出荷数量とは返品明細の受入数量のことで、履行済数量とは返品明細の搬送済数量のことです。

ワークフロー

Oracle Order Managementでは、受注タイプおよび明細タイプを指定することによって、様々なタイプのクレジット受注を設定できます。各受注タイプおよび各明細タイプは、それぞれ1つのOracle Workflowプロセスに関連付けられています。受注タイプおよびRMA明細タイプは、ビジネス・ニーズにあわせてカスタマイズできます。たとえば、承認した数より多いまたは少ない数が顧客から返品されたときの例外を管理するために、返品に「承認」および「保留」を使用できます。

クレジット受注タイプの中には、「返品」のカテゴリに属する受注タイプがあります。「混合」受注タイプ・カテゴリの受注には、標準明細と返品明細の両方を含めることができます。ただし、返品明細は、「通常」受注タイプ・カテゴリに属する受注に入力することはできません。

次の図は、シードされている受注返品フロー・プロセス(入力->記帳->承認通知->クローズ)の例です。

受注フロー - 承認のある返品

図の説明は本文中にあります。

次の図は、シードされている受注返品明細フロー・プロセス(入力->返品->請求->クローズ)の例です。

明細フロー - 受入のあるクレジット返品

図の説明は本文中にあります。

次の図は、返品明細フローに対してOrder Managementに用意されている他のワークフロー・プロセスです。

明細フロー - クレジットのみ返品

図の説明は本文中にあります。

明細フロー - 承認のあるクレジットのみ返品

図の説明は本文中にあります。

Oracle Order Managementには、受注明細と返品明細の両方をサポートするフロー(インバウンド取引とアウトバウンド取引)もありますが、これらのフローについてシード済のワークフローはありません。受注明細と返品明細の両方をサポートするフローを作成できます。次に示すフローは正しく動作しません。これは、明細の記帳後、最初に移行して処理する内容がワークフローによってランダムに選択されるためです。その後、ワークフローは、最後まで移行先の処理を進めます。このため、このフローを使用するアウトバウンド明細では、分岐先の「返品受入 - 明細」が最初に処理された場合、「不適格」とマークされ、「履行 - 遅延」アクティビティに達したところで停止します。次に、WFエンジンは他の分岐の実行を開始します。明細の予定が作成され、「出荷 - 明細, 手動」サブプロセスに達し、そこで停止してピックおよび出荷を待ちます。一方、バックグラウンド・エンジンでは、遅延スレッドを選択して、履行アクティビティを実行している可能性があります。このアクティビティは、受注明細の出荷確認に対するイベントの履行が未完了のため、エラーになります。

不適切な明細フロー - インバウンド出荷とアウトバウンド出荷のサポート

図の説明は本文中にあります。

このフローを適正に動作させるには、必ず1方向への移行(受注または返品)のみが実行されるようにします。次のようにフローを定義する必要があります。

適切な明細フロー - インバウンド出荷とアウトバウンド出荷のサポート

図の説明は本文中にあります。

明細フローは、実行時に分岐のうち1つのみ(受注または返品)が実行されるように、記帳後に明細カテゴリに基づいて分岐します。アクティビティ「明細カテゴリを取得するユーティリティ」は、シード済のOM: 受注明細作業項目です。

品目検査に関しては、Order Managementシステムでは検査結果を処理せず、搬送取引のみ処理します。ユーザーのビジネス・ルールに基づいて、品目が不合格となった場合は、在庫(廃棄保管場所)に搬送するかまたは顧客に返送できます。在庫への搬送の場合、クレジット対象は顧客です。顧客への返送の場合は、出荷数量が減算され、受入品のみがクレジット対象となります。したがって、受入取引によって、返品のフローが起動され、クレジットの対象が指定されます。