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Oracle Enterprise Asset Managementユーザーズ・ガイド
リリース12.1
B66926-01
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故障分析

この章のトピックは、次のとおりです。

故障分析の概要

故障分析を使用すると、レポートされた資産の故障を解決するまでトレースできます。収集した故障データの統計によって、イベントが発生した理由および資産の故障の原因に関する情報が提供されます。このイベントを排除するために必要な手順を実行できます。また、故障統計を使用すると、特に信頼性中心保全(RCM)プログラムを計画する際に役立ちます。複数レベルの故障レポートをサポートする故障階層では、実際の根本原因および信頼性分析が提示されます。特定の資産グループまたは再作成可能品目の場合、各故障(問題)には根本原因の定義番号があり、各根本原因には解決(改善)の定義番号があります。

故障がレポートされるとき、各作業指示は、作業指示で指定された資産に対する1つの故障の発生(イベント)を表します。故障した資産を正常な稼働状態に修理するための原価は、故障に関連付けられた作業指示に累積される経費とみなされます。発注で修理を外部パーティに委託したり、購買依頼する場合は、作業指示を作成して、故障分析の修理原価を収集して取り出す必要があります。

故障分析のトピックは、次のとおりです。

  1. 故障コードおよび故障セットの定義

  2. 故障情報の収集

  3. 故障情報の分析

故障コードおよび故障セットの定義

作業指示は、作業指示で指定された資産に対する1つの故障の発生(イベント)を表します。 主要な3つの故障コード・タイプには、故障コード、原因コードおよび解決コードがあります。 作業指示の作成時には、これらの故障コード(コンプレッサ・シャフト破損(故障)、振動(原因)、交換と再調整(解決)など)が作業指示にそれぞれ指定されます。

注意: これらのコードの内容は必要に応じて更新できます。 「故障コード・タイプ」を参照してください。

ユーザー定義の故障コード、原因コードおよび解決コードは、故障コード・セットと呼ばれる複数のツリー構造に編成されて、資産グループに割り当てられます。 各セットは、資産グループの考えられる故障、各故障の考えられる原因、および各原因に対する考えられる解決策について、資産グループ固有の情報を提供します。資産グループ内の資産は、割り当てられた故障コード・セットを継承します。作業指示レベルで故障トレース・コードを入力して、故障、その原因および解決をレポートします。 割り当てられたセットによって、資産に関する故障データを収集するための規則性のある方法が提供されます。 故障データの照会は、日付範囲、資産グループ、または資産、部門、エリアなど、ユーザーが入力した基準に基づいて実行されます。 各照会で平均故障間隔(MTBF)および平均修理時間(MTTR)が計算されます。

故障コードを定義する手順は、次のとおりです。

  1. 「故障セット」ページ(「保守スーパーユーザー」の「故障分析」タブ>「故障トレース設定」サブタブ)にナビゲートします。

    the picture is described in the document text

  2. 「故障コードの定義」を選択します。

  3. 故障コードなど、適切なコード・タイプを選択します(「故障コード・タイプ」を参照)。

  4. コードを入力します(例: 機械)。

  5. コードの摘要を入力します(例: 機械部品障害)。

  6. (オプション)現在のコードに有効期限を適用するには、終了日を入力します。

    the picture is described in the document text

  7. (オプション)コードを作成し、現在のページを表示したままにするには、「保存」を選択します。

  8. コードを作成し、前のページに戻るには、「適用」を選択します。

故障セットを定義する手順は、次のとおりです。

  1. 「故障セット」ページにナビゲートします。

  2. 「故障セットの作成」を選択します。

    the picture is described in the document text

  3. 故障セットの名称を入力します。

  4. (オプション)故障セットの摘要を入力します。

  5. (オプション)現在の故障セットに有効期限を適用するには、終了日を入力します。

  6. (オプション)「故障セットからコピー」値リストから既存の故障セットを選択します。 作成中の故障セットが既存の故障セットに類似している場合は、既存の故障セットから故障コードをコピーして、複数の故障セットを容易に入力できます。 別の故障セットから故障階層をコピーするには、「故障セットからコピー」フィールドを使用できます。 値リストには、有効な故障セットが表示されます。 「進む」をクリックし、選択した故障セットの故障の組合せを表示します。 不要な組合せは削除できます。

  7. 故障コードを選択します。 コードの摘要はデフォルト設定されます。 「故障コードおよび故障セットの定義」を参照してください。

  8. 原因コードを選択します。 コードの摘要はデフォルト設定されます。 「故障コードおよび故障セットの定義」を参照してください。

  9. 解決コードを選択します。 コードの摘要はデフォルト設定されます。 「故障コードおよび故障セットの定義」を参照してください。

  10. (オプション)現在のコードのグループに有効期限を適用するには、終了日を入力します。

  11. 現在の故障セットを資産グループまたは再作成可能品目に割り当てます。 資産グループまたは再作成可能品目内の資産番号または再作成可能シリアル番号はそれぞれ、割り当てられた故障コード・セットを継承します。

    1. 値リストから資産グループを選択します。 資産グループの摘要はその定義からデフォルト設定されます。

    2. 現在の資産グループ内の資産用に作成された作業指示に対して、故障コードの入力が必須かどうかを選択します。 たとえば、現在の資産グループ内の資産に対する作業指示の作成時に故障コードが確実に入力されるようにするには、「故障コード必須」値リストから「Yes」を選択します。 「故障コード必須」の値は作業指示にデフォルト設定されますが、必要に応じて変更できます。

  12. (オプション)故障セットを作成し、現在のページを表示したままにするには、「保存」を選択します。

  13. 故障セットを作成し、前のページに戻るには、「適用」を選択します。

故障情報の収集

資産に対する故障レポートは、故障作業指示の作成時または完了時に、故障トレース・コードを入力することによって実行されます。 資産故障履歴は、作業指示の完了後に使用可能になります。 この情報によって保守管理の決定が容易になり、信頼性分析に対するデータが提供されます。

関連項目

作業指示の作成

作業指示の完了

故障情報の分析

「故障履歴」および「故障分析」ページで、資産に対してレポートされた故障を分析できます。 「故障履歴」ページには、作業指示レベルでレポートされた詳細な故障データが表示されます。 「故障分析」ページでは、ユーザーが選択した表示別と、表示されている尺度(平均故障間隔(MTBF)、平均修理時間(MTTR)など)に基づいて、故障データが集計されます。

資産の保守性および信頼性に対する主要な3つの測定は、次のとおりです。

  1. 平均故障間隔(MTBF): 故障間の平均経過時間。 MTBFは、資産の2つの故障日間の日数による期間であり、資産の故障頻度を示す信頼性メトリックです。

  2. 平均修理時間(MTTR): 資産が故障したとき(レポートされた故障日)からその正常な稼働状態に修理されたとき(実際の作業指示完了日)までの平均時間。 MTTRは保守性メトリックであり、故障がレポートされてから修理が完了するまでの速さを示します。

  3. 平均修理間隔(MTBR): 資産が許容可能な機能状態である平均期間。 計算は次のとおりです。

    MTBR = MTBF – MTTR

注意: 故障履歴および故障分析に含まれるのは、完了した作業指示のみです。

故障履歴情報を分析する手順は、次のとおりです。

  1. 「故障履歴」ページ(「故障分析」タブ>「故障履歴」サブタブ)にナビゲートします。

    the picture is described in the document text

  2. 資産番号(または再作成可能シリアル番号)を入力します。

  3. (オプション)故障レポート日の範囲を入力します。

  4. 資産に対して指定されている主故障メーターがある場合は、そのリーディングが検索結果表に自動的に表示されます。 ただし、資産に関連付けられた必須メーターを「メーター・リーディングの表示」値リストから選択すると、選択したメーターのリーディングを「故障履歴」に表示できます。 このフィールドは、資産番号が指定された単純検索でのみ使用可能です。

  5. 「進む」を選択します。

    注意: 平均修理原価の計算時に、作業指示の原価が同じ通貨の場合は、故障結果に関連付けられたすべての作業指示が含まれます。 資産は、作業指示で複数通貨が使用されている場合は組織間で移動できます。 現在の保守組織の主要通貨以外の通貨で表された作業指示原価は、すべて除外されます。 警告アイコンが表示され、現在の保守組織の通貨ではないために含まれない修理原価があることが通知されます。

故障情報を分析する手順は、次のとおりです。

作業指示故障データは、検索基準に基づいて分析用にフィルタ処理されます。 表示別の選択によって、MTBF、MTTRおよび平均修理原価の計算用に集計される故障データが決まります。 主故障メーターがある場合、または必須メーターが選択されている場合は、平均故障間リーディングも計算されます。 MTBF、頻度およびMTTRの計算を資産番号、資産グループ、資産カテゴリまたは故障別に比較できます。

  1. 「故障分析」ページ(「保守スーパーユーザー」の「故障分析」タブ>「故障分析」サブタブ)にナビゲートします。

    the picture is described in the document text

  2. (オプション)資産番号(または再作成可能シリアル番号)を入力します。

  3. (オプション)資産グループ(または再作成可能品目)を入力します。

  4. (オプション)現在の組織に割り当てられている、選択した資産グループ/再作成可能品目の資産カテゴリを選択します。

  5. 「子を含む」オプションは、子資産が検索基準に一致しない場合でも、照会結果内に子資産も含めるかどうかを示します。

  6. (オプション)「表示別」の値を入力します。 故障情報を資産番号、資産グループ、資産カテゴリまたは故障コード別に表示できます。

    注意: エリアなどの他の基準で検索する場合は、拡張検索を使用します。 他の表示別の値は追加できません。

  7. (オプション)非主メーターのメーター・リーディングを表示するには、「メーター・リーディングの表示」の値を選択します。 選択した資産に関連付けられていて、「必須」チェック・ボックスが選択され、非主メーターとして識別されているメーターを選択できます。 デフォルトでは、主メーターのリーディング(存在する場合)が表示されます。 このフィールドは、資産番号が指定された単純検索で、資産番号別に表示する場合のみ使用可能です。

  8. (オプション)故障結果をコードでさらに絞り込むには、故障コードを選択します。

  9. (オプション)故障レポート日の範囲を入力します。

  10. 「進む」を選択します。 故障の発生回数が表示されます。 故障数の値のハイパーリンクを使用すると、故障履歴情報にドリルダウンできます。