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Oracle Warehouse Managementユーザー・ガイド
リリース12.1
B70970-01
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Oracle Warehouse Managementの概要

この章の内容は次のとおりです。

Oracle Warehouse Managementシステムの概要

Oracle Warehouse Managementシステムは、Oracleのサプライ・チェーン管理および製造ソリューションの1コンポーネントです。倉庫の生産資源管理、倉庫の構成、タスクの管理、高度なピック方法および付加価値サービスの領域にわたります。

Oracle Warehouse Managementは、倉庫、製造施設および物流センターのマテハン業務のプロセスを最適化します。Oracle Warehouse Managementでは、書類ベースの環境と、マテハン・システムおよび無線周波数(RF)ハンドヘルド・コンピュータにより自動化された環境の両方がサポートされています。受注履行プロセスを最適化するために、Oracle Warehouse Managementでは、付加価値サービス、クロスドック、受注組立延期、生産資源やタスクの管理などの高度な物流管理プロセスを提供します。

また、Oracle Warehouse Managementには、モバイル、ワイヤレス・ハンドヘルド・コンピュータ用の簡単に使用できるインタフェースも用意されています。移動性、処理の自動化およびバー・コード・スキャンにより、サプライ・チェーン・ロジスティクス業務の処理効率が大幅に向上します。

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Oracle Warehouse Managementの機能は、サプライ・チェーン在庫管理の領域も対象としています。具体的には、次のサプライ・チェーン在庫管理コンポーネントが対象になります。

モバイル・ユーザー・インタフェース

すべてのモバイル・ウィンドウをグラフィカル・ユーザー・インタフェースまたはキャラクタモード・インタフェースのいずれかで表示できます。インタフェースには同じ情報が表示され、グラフィカル・ユーザー・インタフェースにはデスクトップ・アプリケーションと同じ情報が表示されます。次の図に、モバイル・ユーザー・インタフェースを示します。

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関連項目

インバウンド・ロジスティクス

アウトバウンド・ロジスティクスの概要

Oracle Quality User's GuideのOracle Qualityの概要に関する項

Oracle Project Manufacturing User's Guideのプロジェクト製造の概要に関する項

インバウンド・ロジスティクス

Oracle Warehouse Managementは、次の3種類の受入経路指定方法で、発注や社内購買依頼の受入、返品資材承認(RMA)および組織間出荷をサポートします。

事前出荷通知(ASN)は、受入担当が個々の明細情報を入力しなくても貨物全体をチェックイン可能にすることで、受入プロセスを迅速化する一種のコラボレーションを提供します。ASNには、発注番号、品目番号、品目のシリアル番号、品目のロット番号などの情報を含めることができます。

製品を受け入れた後、Oracle Warehouse Managementは、事前定義のビジネス・ルールおよびストラテジに基づいて、動的に判断された一時保管場所をユーザーに指示できます。たとえば、保管に必要な温度、危険を伴う保管の要件または製品の回転に基づいて品目を棚入するようにルールで指定できます。

不足が発生する場合は、通常の保管場所への棚入とは対照的に、ユーザーは品目を即時にクロスドックするように指示される可能性があります。

次の表に、Oracle Warehouse Managementでサポートされるインバウンド・ロジスティクスのタスクについて要約を示します。

インバウンド・ロジスティクスのタスク
受入(ASNがある場合とない場合)
受入チェックイン
品質管理検査
バー・コード印刷
指示付き棚入と保管の最適化
適時クロスドック

在庫、保管および施設管理

Oracle Warehouse Managementは、在庫管理のための詳細な資材表示と迅速な資材移動を提供します。倉庫全体にわたるライセンス・プレート追跡も用意されています。さらに、Oracle Inventory、Oracle Receiving、Oracle ShippingおよびOracle Work in Processの各アプリケーションが在庫追跡機能を提供し、Oracle Warehouse Managementは、ロットおよびシリアル属性の詳細な追跡と表示、資材ステータス管理および高度なスペース利用機能を提供します。

次の表に、Oracle Warehouse Managementでサポートされる在庫、保管および施設の管理タスクについて要約を示します。

在庫、保管および施設の管理タスク
コンテナおよびライセンス・プレート管理
保管場所の構成
詳細な保管棚定義
カンバン補充管理
移動オーダー(組織内移動および出庫)
LPNに基づいたWIPの完了
タスク作業手配
資材ステータス管理
ロットおよびシリアル系統および追跡
在庫所有権の表示
循環棚卸および実地棚卸
日付コードおよび保管期限のモニター
ABC分類および分析

関連項目

ライセンス・プレート管理の説明

Oracle Warehouse Management Implementation Guideの資材設定に関する項

Warehouse Management Implementation Guideの倉庫設定に関する項

Oracle Warehouse Management付加価値サービス

Oracle Warehouse Managementでは、Oracle Agile Manufacturingの一連の製品でサポートされるすべての製造モードがサポートされています。これは、Oracle Warehouse Managementを使用して、プロジェクト製造からキッティングおよびキッティング解除までの組立でミックス・モード製造を活用できることを意味します。

次の表に、システムでサポートされる付加価値サービスについて要約を示します。

付加価値サービス
キッティングおよびキッティング解除
顧客準拠ラベルの作成
ミックス・モード製造

関連項目

準拠ラベル設定

アウトバウンド・ロジスティクス

Oracle Warehouse Managementは、倉庫ピッキング・タスクの管理を自動化および支援します。これらのタスクには、次のものが含まれます。

次の表に、Oracle Warehouse Managementでサポートされるアウトバウンド・ロジスティクスのタスクについて要約を示します。

アウトバウンド・ロジスティクスのタスク
ウェーブ・ピッキング
ピック方法
ドック割当
指示付きピッキング・ルール
タスクの作業手配およびインターリーブ
倉庫管理ボードを介したタスクのモニター
箱詰および梱包
準拠ラベル作成システムとのインタフェース
出荷の一時保管、混載およびロード
出荷の検証およびクローズ

関連項目

ピック方法の説明

混載の説明

リバース・ロジスティクス

Oracle Warehouse Managementでは、次のリバース・ロジスティクス・タスクを実行できます。

Oracle Warehouse Managementでは、仕入先への返品機能を使用して、ライセンス・プレート番号(LPN)に梱包された資材の返品を記録および処理できます。LPNに基づく受入訂正も提供します。LPNに基づく返品は、デスクトップのフォームから開始したり、返品するLPNをスキャンしてモバイル・デバイスのインタフェース経由で処理できます。デスクトップのフォームで訂正を直接実行し、情報を即時に更新できます。

Oracle Warehouse Managementでは、1ステップまたは2ステップの返品プロセスを実行できます。このオプションは、「WMS: 簡易返品」プロファイル・オプションで決まります。このオプションを有効にすると、2ステップの返品プロセスを実行できます。たとえば、マネージャが返品を開始し(ステップ1)、ピック担当が資材を取得して出荷に搬送します(ステップ2)。それ以外の場合、返品取引は1ステップで開始して完了します。

詳細は、『Oracle Purchasingユーザーズ・ガイド』を参照してください。

関連項目

LPN基準返品の説明

『Oracle Purchasingユーザーズ・ガイド』の返品に関する項

『Oracle Purchasingユーザーズ・ガイド』の訂正に関する項

倉庫の構成

Oracle Warehouse Managementは、他のOracle eBusiness Suiteで使用される同じ倉庫、生産資源、取引先および資材の構成を使用します。ユーザーは、これらのエンティティを使用して、在庫組織、施設内の物理的なエリア、在庫保管棚に加え、在庫原価の追跡に使用する資材評価原価グループ、施設内の部門、倉庫タスク(資材移動や付加価値サービス)を実行する生産資源(人とマシンの両方)を定義できます。Oracle Warehouse Managementは、次の機能を使用して倉庫管理を支援します。

コンテナ管理では、受入、在庫、出荷および移動中在庫にあるコンテナの内容を追跡できます。ルール・エンジンを使用して、倉庫の実行および管理を最適化するタスク・ストラテジを設定できます。

関連項目

Oracle Warehouse Management Implementation Guideの倉庫設定に関する項

コンテナおよびライセンス・プレート管理

Oracle Warehouse Managementでは、ライセンス・プレート番号(LPN)に格納された在庫品目を完全に可視化できます。Oracle Warehouse ManagementのLPNは、ある場所で品目を保持するオブジェクトです。LPNはコンテナになりますが、物理的なエンティティを表す必要はありません。品目の集合に対するラベルのような簡単なものです。ユーザーは、Oracle Warehouse Managementを使用してLPNとその内容を追跡、取引およびネストできます。

ライセンス・プレート番号の使用

LPNを使用して、次のことができます。

コンテナ管理機能の要約

Oracle Warehouse Managementのコンテナ管理では、次のことができます。

関連項目

ライセンス・プレート管理の説明

Oracle Warehouse Managementルール・エンジン

Oracle Warehouse Managementのルール・エンジンは、ビジネス慣行や制限に関するリポジトリを使用して、特定の倉庫機能について最善の処理を提案するモデリング・ツールです。ルールおよびストラテジを設定して、次のことができます。

これらのすべての機能により、さらに効率的に倉庫を管理できるようになります。

指示付きピッキングおよび棚入

Oracle Warehouse Managementの指示付きピッキングおよび指示付き棚入を使用して、倉庫に受け入れた資材やWIPから完了した資材の保管場所を動的に選択したり、ユーザー定義の資材選択基準に基づいて受注に対して資材を割り当てることができます。

原価グループ割当

在庫を会社敷地内に保管する場合は、原価グループ割当機能を使用して、在庫に関連付けられた所有権を表示できます。品目に異なる勘定科目コードが設定されている場合は、個別の原価グループが保証されます。したがって、仕入先の倉庫在庫と会社の在庫が混在している場合も、仕入先の倉庫在庫を識別して追跡し、適切に原価計算できます。原価グループ割当機能は、実際の在庫レベルを低減して高い在庫回転率を促進するのに役立ちます。

準拠ラベル設定

Oracle Warehouse Managementでは、顧客、品目、受注タイプ、運送業者、または資材に関連するその他のエンティティに基づいて、ラベル書式を提案できます。

ラベルの実際の印刷は、サード・パーティ製ラベル印刷システムで実行されます。ラベルの生成および書式の選択は、事前に決定されているビジネス・プロセス内の特定の時点で、またはユーザーの要求に応じてOracle Warehouse Management内で実施されます。

タスク作業手配

ルール・エンジンは、タスクを適切な機材が確保された適格なユーザーに割り当てることができるように、システム生成のタスクの適切なタスク・タイプを識別します。

工程計画の選択

ルール・エンジンは、混載に使用する適切な工程計画を識別します。工程計画選択ルールは、LPN、保管棚、LPNと保管棚の3つの混載モードに対応します。

LPNに基づく混載が選択された場合は、一緒に混載する必要があるピックした資材すべてを同じライセンス・プレート番号にドロップする指示が発行されます。保管棚に基づく混載が選択された場合は、ピックした資材が保管棚に混載されます。保管棚とLPNに基づく混載が選択された場合は、ピックした資材が保管棚に混載されます。さらに、混載保管棚内での混載LPNの提案も提供されます。

関連項目

Oracle Warehouse Managementルール・エンジンの概要

ルール設定の概要

『Oracle Purchasingユーザーズ・ガイド』の訂正に関する項

『Oracle Purchasingユーザーズ・ガイド』の返品に関する項