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Oracle Projectsインプリメンテーション・ガイド
リリース12
E05610-01
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自動会計、勘定科目ジェネレータおよびSubledger Accounting

この付録では、自動会計、勘定科目ジェネレータおよびOracle Subledger Accountingを使用して、Oracle Projectsで会計処理を決定する方法について説明します。

この付録の項目は、次のとおりです。

Oracle Projectsの自動会計

Oracle Projectsでは、ビジネス・サイクルを通じて多数の異なる会計取引が作成されます。自動会計を使用すると、各取引に使用する正しい勘定の決定方法を指定できます。

自動会計を使用して実装できる会計実務の例を次に示します。

Oracle Projectsでは会計イベントが生成され、Oracle Subledger Accountingで会計イベント用の会計が作成されます。Oracle ProjectsによりOracle Subledger Accountingに設定が事前定義されているため、会計の作成プロセスでは、自動会計からのデフォルト勘定科目が変更なしにそのまま受け入れられます。Oracle Subledger Accountingで独自の詳細会計基準を定義すると、Oracle Projectsで自動会計を使用して導出されるデフォルト勘定科目または個別勘定科目セグメントは、Oracle Subledger Accountingにより上書きされます。

自動会計で請求用に作成される会計は、Oracle Projectsにより関連顧客請求書とともにOracle Receivablesにインタフェースされます。Oracle Receivablesでは、Oracle Subledger Accountingに請求書の会計が作成されます。

関連項目

自動会計と補助元帳会計

自動会計の概要

自動会計の実装時に、Oracle ProjectsでどのGL勘定科目をどの状況で使用するかを管理するルールを定義します。定義したルールは、Oracle Projectsにより会計取引の実行時に使用されます。

自動会計の機能

会計取引ごとに、賦課先の適切な勘定を決定するためのルールを定義します。各会計取引は、自動会計機能により識別されます。自動会計機能は、会計仕訳を生成するために発行するプログラムのコンポーネントです。

収益および請求用の自動会計機能

次の表に、収益および請求用の各自動会計機能とそれに関連するビジネス・アクティビティを示します。

自動会計機能 ビジネス・アクティビティ
間接費収益勘定 間接費の収益勘定を決定します
イベント収益勘定 収益イベントの収益勘定を決定します
経費精算書収益勘定 経費精算書項目の収益勘定を決定します
会社間収益勘定 会社間請求処理を必要とする相互賦課取引の収益勘定を決定します
労務収益勘定 労務項目の収益勘定を決定します
その他取引収益勘定科目 その他取引の収益勘定を決定します
収益および請求書勘定 収益および売掛金を追跡するための勘定を決定します
仕入先請求書収益勘定 仕入先原価項目の収益勘定を決定します
使用収益勘定 使用項目の収益勘定を決定します

原価計算用の自動会計機能

次の表に、原価計算用の各自動会計機能とそれに関連するビジネス・アクティビティを示します。

自動会計機能 ビジネス・アクティビティ
借入および貸出貸方勘定 借入および貸出取引の貸方側となる借入勘定を決定します
間接費勘定 間接費の原価勘定を決定します
間接費精算勘定 間接費の精算勘定を決定します
経費精算書原価勘定 経費精算書項目の原価勘定を決定します
会社間請求書勘定 会社間請求処理を必要とする相互賦課取引の売掛金勘定と端数処理勘定を決定します
労務費勘定 正規時間および超過勤務を含む、全労務項目の原価勘定を決定します
労務費精算勘定 労務費の精算勘定を決定します
借入および貸出借方勘定 借入および貸出取引の借方側となる貸出勘定を決定します
その他取引精算勘定 その他取引の精算勘定を決定します
その他取引原価勘定科目 その他取引の原価勘定を決定します
送り側原価組替貸方勘定 送り側営業単位により組み替えられた相互賦課原価の貸方金額を決定します
送り側原価組替借方勘定 送り側営業単位により組み替えられた相互賦課原価の借方金額を決定します
仕入先請求書原価勘定科目 修正後仕入先原価項目の原価勘定を決定します
合計総原価貸方 間接費計算済プロジェクトでの全項目の合計総原価の貸方勘定を決定します
合計総原価借方 間接費計算済プロジェクトでの全項目の合計総原価の借方勘定を決定します
使用費勘定科目 使用項目の原価勘定を決定します
使用費精算勘定 使用費の精算勘定を決定します

自動会計の実装

自動会計を実装するには、勘定科目組合せを生成するための自動会計ルールを定義して、自社に使用する各自動会計取引にルール・セットを割り当てます。各プロジェクトまたは契約用の自動会計ルールは定義しません。

Oracle Projectsシステムとともに自動会計計画を実装する際には注意してください。自動会計では、Oracle Projectsの全会計取引のプロジェクト情報に基づいて勘定科目組合せの値が導出されます。そのため、勘定体系の編成方法が実装データに影響します。Oracle Projectsに対して定義した実装データのほとんどは、定義する自動会計ルールへの入力として使用できます。

自動会計を実装する手順は、次のとおりです。

  1. 実装データに基づいて自動会計の設定を設計します。

  2. 参照セットを定義します。「参照セットの定義」を参照してください。

  3. ルールを定義します。「ルールの定義」を参照してください。

  4. 各機能にルールを割り当てます。「ルールの割当て」を参照してください。

関連項目

自動会計の実装例: Fremont Corporation

自動会計ルールの定義

定義する自動会計ルールにより、それぞれ一度に1つの会計フレックスフィールド・セグメント値が提供されます。したがって、使用する自動会計取引ごとに、会計フレックスフィールドの各セグメントに自動会計ルールを1つ指定する必要があります。

定義する自動会計ルールには、一定の会社コードや勘定科目を常に提供するなど、きわめて単純なものもあれば、特定の転記に使用する収益カテゴリや特定の資産を所有する組織など、コンテキスト情報(パラメータ)を引き出すものもあります。複数のパラメータを使用してセグメント値を1つ提供することも可能です。

同じ自動会計ルールを多数の異なる機能やその取引に再利用できます。

ルールは、入力するプロジェクト情報に基づいて定義します。これらの自動会計パラメータをルールへの入力値として使用できます。

注意: 自動会計では、有効な勘定科目組合せの決定時にフレックスフィールド・セキュリティ・ルールが使用されません。自動会計ルールは、自社に必要なルールに基づいて適切な勘定科目を決定するように定義する必要があります。

自動会計のパラメータ

自動会計では、自動会計パラメータを自動会計ルールの入力として使用できます。次の表に、これらのパラメータを示します。

注意: 次の表には、一部の機能に使用できないパラメータも含まれています。「顧客ID」および「顧客名」パラメータは、相互賦課機能専用です。各機能に使用可能な全パラメータのリストを確認するには、「自動会計機能リスト」を発行します。

自動会計のパラメータ 内容
区分コード プロジェクトの自動会計区分コード
注意: 多数のプロジェクト分類カテゴリを定義できるため、「区分コード」パラメータは常に自動会計分類カテゴリとして指定した1つの分類カテゴリに対応します。
労務費計算ルール 支出を発生させる従業員の労務費計算ルール
顧客ID 受け側営業単位に対して定義する内部顧客の内部ID
顧客名 受け側営業単位に対して定義する内部顧客
従業員番号 支出を発生させる従業員の従業員番号
イベント番号 イベントのイベント番号
イベント組織 イベントの組織
イベント組織ID イベントの組織の内部識別子
イベント・タイプ イベントの分類
支出カテゴリ 支出項目の支出カテゴリ
支出項目ID 各支出項目を識別する内部識別子
支出営業単位 支出を発生させる営業単位
支出営業単位ID 支出を発生させる営業単位の内部識別子
支出組織 支出を発生させる組織
支出組織ID 支出を発生させる組織の内部識別子
支出タイプ 支出項目の支出タイプ
労務費乗数 賦課されるタスクの労務費乗数
非労務資源 支出で使用中の非労務資源
非労務資源組織 非労務資源の所有組織
非労務資源組織ID 非労務資源の所有組織の内部識別子
個人ID 支出を発生させる個人の内部識別子
個人タイプ 個人が従業員であるか派遣就業者であるかを識別するタイプ

注意: 取引に「個人タイプ」パラメータがない場合は、SQL文を使用して自動会計ルールを導出します。

プロジェクトID 賦課するプロジェクトの内部識別子
プロジェクト番号 賦課するプロジェクトの番号
プロジェクト営業単位 プロジェクトを管理する営業単位
プロジェクト営業単位ID プロジェクトを管理する営業単位の内部識別子
プロジェクト組織 プロジェクト管理組織
プロジェクト組織ID プロジェクト管理組織の内部識別子
プロジェクト・タイプ 賦課するプロジェクトのプロジェクト・タイプ
送り側組織 相互賦課取引を発生させる組織
送り側組織ID 相互賦課取引を発生させる組織の内部識別子
受け側組織 プロジェクトで相互賦課取引を受け取る組織
受け側組織ID プロジェクトで相互賦課取引を受け取る組織の内部識別子
収益カテゴリ 支出項目の収益カテゴリ
タスクID 賦課するタスクの内部識別子
タスク番号 賦課するタスクのタスク番号
タスク組織 タスク管理組織
タスク組織ID タスク管理組織の内部識別子
タスク・サービス・タイプ 賦課するタスクのサービス・タイプ
最上位タスクID 賦課するタスクの最上位レベルの親タスクの内部識別子
最上位タスク番号 賦課するタスクの最上位レベルの親タスクのタスク番号
仕入先タイプ 請求書に記載される仕入先の仕入先タイプ

中間値ソースの選択

自動会計ルールを定義するには、最初に中間値(ルールの入力)を指定します。中間値は、次の3つの中間値ソースから引き出すことができます。

変数 摘要
定数 常に特定の中間値(通常は会計フレックスフィールド・セグメント・コード)を提供します。
パラメータ 事前定義済パラメータを中間値として使用します。1つの値に基づくコンテキスト依存ルールになります。
SQL SELECT文 SQL SELECT文を実行して中間値を取得します。複数の値または条件文(あるいはその両方)に依存するルールになります。
次のダイアグラムに、自動会計ルール・マッピング・プロセスを示します。自動会計ルールを定義するには、最初に中間値(ルールの入力)を指定します。中間値は「定数」、「パラメータ」および「SQL SELECT文」という3つのソースのいずれかから選択します。
中間値を指定した後、その中間値がすでに有効なセグメント値であるのか、または自動会計で参照セットを使用してセグメント値に変換する必要があるのかを指定します。これにより、自動会計では、前述のように決定されたセグメント値を使用して勘定体系から勘定科目コードが導出されます。

自動会計ルール・マッピング

本文の説明内容に関するイメージ

事前定義済パラメータの使用

たとえば、プロジェクト管理組織に基づいてリージョン・コードを提供する自動会計ルールを定義するとします。プロジェクト管理組織は事前定義済パラメータであるため、中間値ソースとして「パラメータ」を指定し、パラメータ名として「プロジェクト組織」を指定します。

新規パラメータを導出するSQL文

SQL文を使用する自動会計ルールは、複数のパラメータに依存するルールの処理を意図しています。アプリケーション表にアクセスするSQLを使用してパラメータを追加導出するためのものではありません。

このタイプの使用は処理のパフォーマンスに影響する可能性があり、自動会計機能に基づいてサポートされない場合があります。アプリケーション表を参照して自動会計パラメータで提供されない値を追加導出するルールが必要であると判断した場合は、作業を進める前にOracleテクニカル・サポート担当に問い合せてください。

自動会計ルールでのSQL SELECT文の使用

SQL SELECT文を使用して、任意の値を読み取るルールを定義できます。SQL文の使用がパフォーマンスに影響する可能性があることを考慮する必要があります。多くの会社では自動会計SQL文ルールを本番環境で実装していますが、実装する前にSQL文をチューニングし、自動会計設定を大量のデータに対してテストし、パフォーマンス品質をチェックする必要があります。

注意: 251文字以上のSQL文は、一般に容認されているSQL書式を使用しないと切り捨てられます。

SQL文ルールの表記法

「SQL文」ではパラメータを:1のようにコロンに続く番号で参照します。次に、ルールの「ルール・パラメータ」で、SQL文のパラメータ番号を適切なパラメータ番号およびパラメータにマップします。この例では、:1は「ルール・パラメータ」にパラメータ1として表示される「プロジェクト・タイプ」パラメータにマップされます。

SQL文ルールを使用してルール・パラメータを定義する必要があります。SQL文で同じパラメータを数回使用する場合にも、ルール内では各パラメータを異なる番号で参照します。ルールごとに最大19のルール・パラメータを使用できます。ルール・パラメータの連番は番号順に参照します。たとえば、:2の前に:3を参照しないでください。

SQL文の末尾にセミコロンを追加しないでください。

セグメント値ソースの選択

中間値を指定した後、次のいずれかのセグメント値ソースを指定して、中間値がすでに有効なセグメント値であるのか、または自動会計で参照セットを使用してセグメント値に変換する必要があるのかを指定します。

変数 摘要
中間値 中間値をセグメント値として入力します。参照セットは使用しません。
セグメント値参照セット 参照セット内の中間値を参照します。中間値を対応するセグメント値に変換します。

自動会計ルールを記述する際に常に参照セットを使用する必要はありません。単純な定数ルールを定義する場合、通常は有効なセグメント値を定数として入力するため、参照セットを使用してセグメント値を入力する必要はありません。

たとえば、勘定科目番号4100のような定数の中間値を使用する場合、中間値はすでにセグメント値であるため、変換は不要です。また、パラメータの値がすでに適切なセグメント値である場合(勘定体系の一部としてプロジェクト番号を使用する場合など)、参照セットを使用してセグメント値に変換する必要はありません。

ただし、組織名のようにパラメータに基づく中間値を使用する場合は、組織名を対応するセグメント値にマップする参照セットの名称を指定する必要があります。

参照セットは、ルールに使用する前に定義する必要があります。ただし、参照セットを完成する前にルールを定義する場合は、各参照セットの名称と摘要を定義した後に中間値とセグメント値を定義できます。

「自動会計ルール」ウィンドウ・リファレンス

このウィンドウを自動会計ルールの定義と保守に使用します。勘定科目組合せを生成するための自動会計ルールを定義します。ルールを定義した後、「ルールの割当」ウィンドウで、使用する各自動会計取引に一連のルールを割り当てます。

ルール名: この自動会計ルールを表す一意のわかりやすい名称を入力します。

「中間値」リージョン

このリージョンを使用して自動会計ルールとその属性(定数値、事前定義済パラメータまたはSQL SELECT文のいずれに基づくかなど)を定義します。ルールの中間値ソースに応じて、このリージョンを定数値、パラメータまたはSQL SELECT文の入力にも使用します。

ソース: ルールの中間値の決定元となるソースを入力します。Oracle Projectsには、次の中間値ソースが用意されています。

: このルールの中間値ソースとして「定数」を指定した場合は、Oracle Projectsで中間値として提供する値を入力します。

このルールの中間値ソースとして「パラメータ」を指定した場合は、Oracle Projectsで中間値として提供するパラメータを入力します。

「SQL SELECT文」を指定した場合は、このフィールドに移動すると「SQLエディタ」が表示されます。Oracle Projectsで中間値の取得に使用する文を入力します。

「セグメント値」リージョン

ソース: Oracle Projectsで中間値から会計フレックスフィールド・セグメント値を導出するために使用するセグメント値ソースを選択します。Oracle Projectsには、次のセグメント値ソースが用意されています。

参照セット: Oracle Projectsで会計フレックスフィールド・セグメント値の導出に使用する参照セットを選択します。このルールのセグメント値ソースとして「中間値」を指定した場合、このフィールドはスキップされます。

「参照セット」ボタン: このボタンを選択すると、「自動会計参照セット」ウィンドウにナビゲートできます。

「ルール・パラメータ」リージョン

このルールの中間値ソースとして「SQL SELECT文」を指定した場合は、このゾーンを使用して、この自動会計ルールで使用するSQL SELECT文に追加する各パラメータを定義します。

このルールの中間値ソースとして「定数」または「パラメータ」を指定した場合、このリージョンはスキップされます。

連番: この自動会計ルールで使用するSQL SELECT文のパラメータに対応する数値を入力します。

パラメータ名: 「連番」フィールドに入力した連番に対応するパラメータを選択します。任意の自動会計パラメータを選択できます。

参照セットの定義

参照セットを定義するには、値のペアを指定します。中間値ごとに、対応する勘定科目セグメント値を指定します。中間値とセグメント値を関連付けた1つ以上のペアが、1つの参照セットとなります。

たとえば、「国際本部」という句が会社セグメント値01に対応する場合は、中間値として「国際本部」、セグメント値として01を使用します。

または、会社が5つの主要リージョン(北東部、南部、中部各州、南西部および西部)を設けており、会計フレックスフィールドに「リージョン」セグメントがあるとします。通常は、次のようにリージョン名を対応するリージョン・コードにマップする参照セットの作成が必要になります。

セグメント値参照

参照セットには、次の表に示すセグメント値参照が含まれます。

中間値 セグメント値
北東部 01
南部 02
中部各州 03
南西部 04
西部 05

組織をコスト・センターに、支出タイプを勘定科目コードに、イベント・タイプを勘定科目コードにそれぞれマップしたり、セグメント値が特定の事前定義済パラメータに依存する他の場合に対処するために、複数の参照セットが必要になる場合があります。

1つの参照セットを複数回使用でき、複数の自動会計ルールで同じ参照セットを使用できます。

参照セットの定義と変更には、「自動会計参照セット」ウィンドウを使用します。

「自動会計参照セット」ウィンドウ・リファレンス

このフォームを自動会計参照セットの定義、表示および保守に使用します。

名称: この参照セットを表す一意のわかりやすい名称を入力します。

「セグメント値参照」リージョン

このゾーンを使用して中間値を指定し、その中間値を会計フレックスフィールドの特定のセグメント値にマップします。

自動会計では、自動会計ルールから導出された中間値が参照セット内の中間値と照合され、勘定体系から勘定科目コードを導出するために指定した対応するセグメント値が判別されます。

中間値: 会計フレックスフィールド・セグメント値にマップする中間値を入力します。

有効な中間値を入力したことを確認します。有効な中間値とは、自動会計ルールから導出できる中間値と一致する値です。この値を基準言語で指定し、大/小文字区別とスペルが正確に一致していることを確認します(基準言語の詳細は、『Oracle Projects Fundamentals』のOracle Projectsの複数言語サポートに関する項を参照してください)。たとえば、組織の中間値をコスト・センター・セグメント値にマップする場合、「Risk Analysis」という名称の組織についてRISK ANALYSISと入力することはできません。

自動会計では、一致する中間値が参照セット内で見つからなければ、会計フレックスフィールド組合せを作成できなかったことを示すエラー・メッセージ(「不完全な自動会計ルール」)が表示されます。自動会計設定を訂正し、自動会計エラーをトリガーしたプロセスを再発行する必要があります。

セグメント値: この中間値のマップ先となる会計フレックスフィールド・セグメント値を入力します。

有効なセグメント値を入力したことを確認します。有効なセグメント値とは、会計フレックスフィールド・セグメントに対して定義されているセグメント値です。値の数字が正確に一致する必要があります。

自動会計では、一致するセグメント値が参照セット内で見つからなければ、有効な会計フレックスフィールド組合せを作成できなかったことを示すエラー・メッセージ(「無効な会計フレックスフィールド」)が表示されます。自動会計設定を訂正し、自動会計エラーをトリガーしたプロセスを再発行する必要があります。

取引へのルールの割当

自動会計機能にルールを割り当てる際に、様々な条件に異なるルールを割り当てることができます。たとえば、あるルール・セットを間接プロジェクトの会計処理に使用し、別の2つのルール・セットを契約プロジェクトの請求可能項目と請求不可項目の会計処理に使用できます。

この割当てが容易になるように、Oracle Projectsには各機能に機能取引が用意されており、様々なルールの割当てに共通して使用する条件が識別されています。

次の表に、「労務費勘定」機能の機能取引の例を示します。

機能取引 内容
間接、民間労務 間接、民間プロジェクトの全項目
間接、公共労務 間接、公共プロジェクトの全項目
間接、全て 間接プロジェクトの全労務項目
資産、民間、資産計上可能 資産、民間プロジェクトの資産計上可能労務項目
資産、民間、資産計上不可。 資産、民間プロジェクトの資産計上不可労務項目
資産、全て 資産プロジェクトの全労務項目
契約、全て 契約プロジェクトの全労務項目

ルールを各自動会計機能の機能取引に割り当てることができます。

次のステップに従って、自動会計ルールを自動会計機能および取引に割り当てます。

自動会計取引の有効化

取引にルールを割り当てて、どの自動会計ルールをどの状況で使用するかをOracle Projectsに対して指示します。自動会計機能が複数の個別取引で構成されている場合は、使用する各取引にルールを割り当てます。このルール割当てにより、その取引を処理するために自動会計で使用されるGL勘定科目が決まります。Oracle Projectsでは最も適切な取引の使用が試行され、その取引を有効化していなければ、代替取引の使用が試行されます。

たとえば、Oracle Projectsで労務収益を収益勘定に貸方計上するために使用する「労務収益勘定」機能は、次の3つの取引で構成されています。

Oracle Projectsでは、公共プロジェクトで実行された労務を収益勘定に貸方計上する必要がある場合、最初に「公共労務収益」取引が有効化されているかどうかがチェックされます。取引が有効化されている場合は、取引に割り当てた自動会計ルールを使用して貸方計上先の勘定が決定されます。

「公共労務収益」取引を有効化していなければ、代替取引である「全労務収益」がチェックされます。

ヒント: 会計慣行でコンテキストを区別していない場合は、取引を有効化しないことで自動会計の実装を簡素化できます。その場合は、かわりに「全て」取引のみを実装します。

取引を有効化するには、「自動会計ルールの割当」ウィンドウを使用します。

セグメント・ルール・ペアの定義

取引を有効化した後、会計フレックスフィールドの各セグメントを適切な自動会計ルールと一致させます。たとえば、会社セグメントと勘定科目セグメントを含む2セグメントの会計フレックスフィールドがある場合は、ルールを会社セグメントと勘定科目セグメントに1つずつ割り当てます。

「自動会計ルールの割当」ウィンドウを使用して自動会計取引を有効化し、その取引にルールを割り当てます。

「自動会計ルールの割当」ウィンドウ・リファレンス

このウィンドウを使用して、使用する自動会計取引用の会計フレックスフィールドの各セグメントに自動会計ルールを割り当てます。

名称: 1つ以上の取引を有効化してルールを割り当てる自動会計機能の名称を選択します。検索対象を特定の機能に限定しない場合は、このフィールドを空白のままにしておきます。

営業単位: 自動会計機能が属する営業単位を選択します。

Oracle Projectsでは自動会計機能が事前定義されています。事前定義済の自動会計機能を変更したり取引を追加定義することはできません。

「機能取引」リージョン

このリージョンを使用して、選択した自動会計機能に関連付けられている自動会計取引を表示し、使用する各取引を有効化します。

Oracle Projectsでは自動会計取引が事前定義されています。事前定義済の自動会計取引を変更したり取引を追加定義することはできません。

名称: この自動会計機能に使用可能な各自動会計取引が表示されます。

使用可: この自動会計取引を有効化する場合は、このオプションを選択します。この自動会計取引を有効化しない場合は、このオプションを選択しないでください。

このオプションを選択したかどうかに関係なく、この取引の会計フレックスフィールド・セグメントに自動会計ルールを割り当てることができます。ただし、このオプションを選択しなければ、自動会計では関連するルール割当てが認識されません。

ヒント: ビジネスで各種の取引を区別していない場合は、「全て」取引を有効化します。

どの取引も有効化しなければ、Oracle Projectsでは自動的に「全て」取引が使用されます。

「セグメント・ルール・ペア」リージョン

このリージョンを使用して、使用する各取引用の会計フレックスフィールドの各セグメントに自動会計ルールを割り当てます。

番号: この取引用の自動会計ルールを割り当てる会計フレックスフィールド・セグメントに対応する番号を入力します。会計フレックスフィールド・セグメントを識別するには、番号またはセグメント名を入力する必要があります。

注意: 採番順序は番号0(ゼロ)から始める必要があります。

セグメント名: この取引用の自動会計ルールを割り当てるセグメントの名称を選択します。すでに番号を選択している場合は、対応するセグメント名が自動的に表示されます。

ルール名: この取引用にこの会計フレックスフィールド・セグメントを割り当てる自動会計ルールを入力します。

「ルール」ボタン: このボタンを選択すると、「ルールの定義」ウィンドウにナビゲートできます。

自動会計機能

この項では、次の各領域の会計取引を処理するために実装する必要のある自動会計機能について説明します。

注意: 自動会計ルールは、勘定体系ごとに一度設定します。ただし、会計ルールの割当ては営業単位固有です。複数組織環境では、複数組織の複製シード・データ・プロセスを使用して、設定する各営業単位内でシステム定義の機能取引を複製できます。営業単位ごとに、原価機能取引または収益および請求機能取引を有効化し、Oracle Projectsで会計仕訳の自動生成時に使用する正しい会計ルールを割り当てる必要があります。

自動会計の実装例: Fremont Corporation

次の自動会計の実装例の表に、Fremont Corporationによる自動会計の実装を示します。自動会計機能に割り当てられている各ルールは、該当する「自動会計フレックスフィールド・セグメント」列の下に示されています。

自動会計機能 自動会計ルール: 会社セグメント 自動会計ルール: コスト・センター・セグメント 自動会計ルール: 勘定科目セグメント
経費精算書原価勘定 - プロジェクト会社 - プロジェクト・コスト・センター - 経費精算書原価
仕入先請求書原価勘定科目 - プロジェクト会社 - プロジェクト・コスト・センター - 仕入先請求書原価
労務費勘定 - 従業員会社
- プロジェクト会社
- 従業員コスト・センター
- プロジェクト・コスト・センター
- 政府マーケティング労務
- 間接、民間労務
- 民間、請求可能労務
- 民間、請求不可労務
- 公共、請求可能労務
- 公共、請求不可労務
- 在庫
- 在庫への送出
使用費勘定科目 - 資源会社 - 資源コスト・センター - 使用費
イベント収益勘定 - プロジェクト会社 - プロジェクト・コスト・センター - 貸倒償却
- ボーナス
経費精算書収益勘定 - プロジェクト会社 - プロジェクト・コスト・センター - 経費精算書収益
仕入先請求書収益勘定 - プロジェクト会社 - プロジェクト・コスト・センター - 下請負契約者収益
労務収益勘定 - 従業員会社 - 従業員コスト・センター - 民間料金収益
- 公共料金収益
使用収益勘定 - 資源会社 - 資源コスト・センター - 使用収益
合計総原価借方 - 従業員会社 - 従業員コスト・センター - 在庫
合計総原価貸方 - 従業員会社 - 従業員コスト・センター - 在庫への送出
労務費精算勘定 - 従業員会社 - 部署コスト・センター - 給与決済
収益および請求書勘定 - プロジェクト会社 - プロジェクト・コスト・センター - 貸倒償却
- 売掛金
- 未請求売掛金
- 前受収益
使用費精算勘定 - 資源会社 - 資源コスト・センター - 使用費精算

Fremont Corporation: SQL SELECT文を使用する自動会計ルール

次の例は、Fremont Corporationが自動会計ルールにSQL SELECT文をどのように使用しているかを示しています。それぞれの例でSQL文を使用する2つの自動会計ルールを示します。

例1: 間接コスト・センター

この自動会計ルールを管理するビジネス・ルールは、次のロジックに変換されます。

If Project Type is 'Overhead'
then use Expenditure Organization
else use Project Organization

次の表に「間接コスト・センター」自動会計ルールの詳細を示します。

自動会計ルールのフィールド名
名称 間接コスト・センター
摘要 間接プロジェクトには支出組織、他のすべての間接プロジェクトにはプロジェクト組織を使用して、間接費のコスト・センターを決定
中間値ソース SQL文
SQL SELECT文 select decode(:1, 'Overhead', :2, :3) from sys.dual
セグメント値ソース セグメント値参照セット
参照セット 組織からコスト・センター

次の表に、この自動会計ルールのルール・パラメータを示します。

連番 パラメータ名
1 プロジェクト・タイプ
2 支出組織
3 プロジェクト組織

例2: 付加フレックスフィールド・セグメント

この例では、勘定科目セグメント値は支出項目の最初の付加フレックスフィールド・セグメント(PA_EXPENDITURE_ITEMS_ALL.ATTRIBUTE1)に基づいています。

次の表に、この自動会計ルールの詳細を示します。

自動会計ルールのフィールド名
名称 付加フレックスフィールド・セグメント
摘要 自動会計の勘定科目セグメント値に支出項目の最初の付加フレックスフィールド・セグメント値を移入
中間値ソース SQL文
SQL SELECT文 SELECT attribute1
FROM PA_EXPENDITURE_ITEMS_ALL
WHERE EXPENDITURE_ITEM_ID = :1

次の表に、この自動会計ルールのルール・パラメータを示します。

連番 パラメータ名
1 支出項目ID

例1のSQL文では、IF/THENロジックを提供するSQL関数decodeを使用しています。このSQL文では、式の値が比較されて結果値が決定されます。

decode文では、レコードを常に1つのみ含むsys.dual表が参照されます。

decode関数の詳細は、『SQL Language Reference Manual』を参照してください。dual表の詳細は、『Oracle RDBMS Database Administrator's Guide』を参照してください。

自動会計と勘定科目ジェネレータ

勘定科目ジェネレータでは、Oracle Workflowを使用してデフォルト勘定科目コード組合せが導出されます。Oracle PayablesとOracle Purchasingでは、勘定科目ジェネレータを使用し、入力したプロジェクト情報に基づいて、購買依頼、発注、仕入先請求書および経費精算書用のデフォルト勘定科目コード組合せが決定されます。

会計フレックスフィールド組合せを導出するための機能とプロセスを定義します。定義済の各元帳セットにあわせて勘定科目ジェネレータをカスタマイズすることもできます。

プロジェクト関連の仕入先原価および経費精算書の会計処理の実装

自動会計、勘定科目ジェネレータおよびOracle Subledger Accountingには、それぞれプロジェクト関連の仕入先原価および経費精算書の会計を作成する機能が用意されています。Oracle PurchasingおよびOracle PayablesとOracle Projectsとの統合を実装する場合は、各事業所で勘定科目導出ロジックをどのように設定するかを慎重に検討する必要があります。

次の表に、Oracle ProjectsをOracle PurchasingおよびOracle Payablesと統合するための会計設定を示します。この表の第1列は、プロジェクト関連の仕入先原価文書および経費精算書の会計設定を示しています。第2列は設定が必須であるかオプションであるかを示し、第3列は設定の使用方法の概要を示しています。

会計設定 必須またはオプション 摘要
Oracle Purchasing勘定科目ジェネレータ 必須 Oracle Purchasingでは、勘定科目ジェネレータを使用してプロジェクト関連の購買文書のデフォルト借方勘定が導出されます。
プロジェクト仕入先請求書勘定科目ジェネレータ 必須 Oracle Payablesでは、勘定科目ジェネレータを使用して、発注と未照合のプロジェクト関連仕入先請求書の借方勘定が導出されます。

注意: Oracle Payablesでは、プロジェクト関連請求書に常に勘定科目ジェネレータが使用されます。Oracle Payablesで「PA: AP/POでのPA配分の上書きの許可」プロファイル・オプションが「Yes」に設定されている場合も、デフォルト勘定科目を生成するように勘定科目ジェネレータを設定する必要があります。


また、Oracle Projectsでは、勘定科目ジェネレータを使用して、Oracle Projectsで実行する仕入先原価および経費精算書修正用のデフォルト借方勘定が導出されます。Oracle Payablesで「自動相殺による資金会計」を有効化している場合、Oracle Projectsではこの情報を使用して、修正が許可されているかどうかが判別されます。また、Oracle Projectsでは、修正が税金控除可能性に影響する可能性があるかどうかの判別にも、この情報が使用されます。
プロジェクト経費精算書勘定科目ジェネレータ 必須 Oracle Internet ExpensesとOracle Payables(「請求書」ウィンドウ)では、勘定科目ジェネレータを使用してプロジェクト関連の経費精算書のデフォルト借方勘定が導出されます。勘定科目ジェネレータの設定は、Oracle Payablesの実装時に行います。
「仕入先請求書原価勘定科目」自動会計機能 必須 Oracle Projectsでは、この自動会計機能を使用して、Oracle Projectsで実行する仕入先原価修正のデフォルト借方勘定が導出されます。
「経費精算書原価」自動会計機能 必須 Oracle Projectsでは、この自動会計機能を使用して、Oracle Projectsで実行する経費精算書修正のデフォルト借方勘定が導出されます。
「デフォルト仕入先原価貸方勘定」Oracle Projects実装オプション オプション 「PRC: 原価会計イベントの生成」プロセスでは、指定した勘定が、Oracle Projectsで実行する仕入先原価および経費精算書修正のデフォルト貸方勘定として使用されます。
仕入先原価修正に関するOracle Subledger Accountingでのユーザー定義設定 オプション Oracle ProjectsによりOracle Subledger Accountingに設定が事前定義されているため、会計の作成プロセスでは、Oracle Projectsからの仕入先原価および経費精算書修正の会計が変更なしにそのまま受け入れられます。Oracle Subledger Accountingで独自の詳細会計基準を定義することもできます。

注意: Oracle Projectsで仕入先原価の修正を許可し、Oracle Projects実装オプションでデフォルトの仕入先原価貸方勘定を定義しない場合は、仕入先原価修正の貸方勘定を導出するようにOracle Subledger Accountingを設定する必要があります。

会計設定の詳細は、次の項を参照してください。

Oracle Projectsでの勘定科目ジェネレータの使用

Oracle PurchasingとOracle Payablesでプロジェクト情報を入力すると、勘定科目ジェネレータ・プロセスにより購買依頼、発注および買掛管理仕入先請求書に使用する勘定科目コード組合せが作成されます。この項では、次の項目について説明します。

この章と並行して、『Oracle Applicationsフレックスフィールド・ガイド』と『Oracle Workflowユーザーズ・ガイド』も参照する必要があります。

Oracle Purchasingに対する勘定科目の生成

Oracle Purchasingでは、すべての購買依頼と発注の勘定科目番号は、プロジェクト関連かどうかに関係なく項目タイプを使用して生成されます。Oracle Purchasingには、作成する必要のある勘定科目用に一連のデフォルト勘定科目ジェネレータ・プロセスが用意されています。Oracle Purchasingに対する勘定科目を生成するためにOracle Projectsでなんらかの処理を実行する必要はありません。

Oracle Purchasingの勘定科目ジェネレータ・ワークフローにより、次の勘定科目が生成されます。

Oracle Purchasingには、これらの勘定のためのデフォルト勘定科目ジェネレータ・プロセスが用意されています。プロジェクト情報に基づいて勘定科目を導出する場合は、プロジェクト情報を使用するようにデフォルト・プロセスを変更する必要があります。詳細は、『Oracle Purchasingユーザーズ・ガイド』の勘定科目ジェネレータの使用に関する項を参照してください。

Oracle Purchasingルールに対する参照セットの使用

Oracle Purchasingルールに参照セットを使用する場合は、Oracle PayablesからOracle Purchasingの「勘定科目ジェネレータ」項目タイプに「参照」アクティビティをドラッグ・アンド・ドロップする必要があります。

Oracle Payablesに対する勘定科目の生成

請求書および経費精算書の借方勘定の導出方法は、次の表に示すように、プロジェクトおよびタスク情報が含まれている請求書と経費精算書のどちらを入力するかに応じて異なります。

アプリケーションと項目 借方勘定の導出方法
Oracle Payablesの請求書 Oracle Payables(「請求書」ウィンドウ)により、「プロジェクト仕入先請求書勘定科目生成」ワークフローがコールされます。
Oracle Internet ExpensesとOracle Payablesの経費精算書 Oracle Internet ExpensesまたはOracle Payables(請求書」ウィンドウ)により、「プロジェクト経費精算書勘定科目ジェネレータ」ワークフローがコールされます。

これ以降の各項では、勘定科目生成ワークフローを使用して勘定科目コード組合せを作成する方法について説明します。前提条件は、次のとおりです。

各勘定科目ジェネレータは、Oracle Workflowの項目タイプです。Oracle Projectsには、次の表に示す項目タイプ(ワークフロー)とプロセスが用意されています。

項目タイプ(ワークフロー) プロセス
プロジェクト仕入先請求書勘定科目生成 デフォルト勘定科目を生成
フレックスビルダー・ルールを使って勘定科目を生成
勘定科目生成のサンプル・プロセス
プロジェクト経費精算書勘定科目ジェネレータ 経費精算書用のデフォルト勘定科目ジェネレータ
経費精算書用のサンプル勘定科目ジェネレータ

「プロジェクト仕入先請求書勘定科目生成」ワークフローでは、仕入先請求書用の勘定科目が生成されます。

「プロジェクト経費精算書勘定科目ジェネレータ」では、Oracle Internet ExpensesまたはOracle Payablesの「請求書」ウィンドウに入力された経費精算書用の勘定科目が生成されます。

サンプル・プロセスは、項目タイプを使用して勘定科目コード組合せを生成する方法を示しています。「プロセス: 勘定科目生成のサンプル・プロセス」および「プロセス: 経費精算書用のサンプル勘定科目ジェネレータ」を参照してください。

前提条件

Oracle Projectsで本番データベースに対して勘定科目ジェネレータ・プロセスを使用する前に、次の手順を実行する必要があります。

  1. 各元帳に対して会計フレックスフィールド体系を定義します。『Oracle Applicationsフレックスフィールド・ガイド』を参照してください。

  2. フレックスフィールド・セグメント値と検証ルールを定義します。『Oracle Applicationsフレックスフィールド・ガイド』を参照してください。

  3. ワークフロー作業を開始する前に、ワークフローをローカル・ハード・ディスクまたはネットワーク・サーバーにコピーしてワークフローのバックアップを作成します。ワークフロー名は変更できないため、オリジナル・プロセスの変更計画を作成します。

    注意: バックアップ・ワークフローはデータベースに保存しないでください。ワークフローをデータベースに保存すると、データベース内で同じ名称のワークフローが上書きされます。

  4. 元帳ごとにデフォルト・プロセスをカスタマイズします。

    サンプル・カスタマイズを参照するには、「プロセス: 勘定科目生成のサンプル・プロセス」、「プロセス: 経費精算書用のサンプル勘定科目ジェネレータ」および『Oracle Workflowユーザーズ・ガイド』を参照してください。

    機能アクティビティによりコールされるPL/SQLプロシージャを除き、ワークフローの全コンポーネントはOracle Workflow Builderで作成できます。「勘定科目ジェネレータ・プロセスと自動会計の使用」を参照してください。

  5. カスタマイズをテストします。「カスタマイズ済プロセスのテスト」を参照してください。

  6. 必要な場合は、フレックスフィールド体系用のプロセスを選択します。「フレックスフィールド体系へのプロセスの割当」を参照してください。

  7. 「勘定科目ジェネレータ: ランタイム・データのパージ」プロファイル・オプションを設定します。「プロファイル・オプションの設定」を参照してください。

  8. プロセスをOracle Projectsデータベースに保存します。

勘定科目ジェネレータ・プロセスの設定

この項では、Oracle Projectsに用意されているワークフローのプロセスと属性について説明します。また、ワークフローを実装してテストする方法についても説明します。

この項で説明するワークフローとプロセスでは、いずれもOracle Payablesで使用する勘定科目番号が生成されます。

ワークフロー: プロジェクト仕入先請求書勘定科目生成

「プロジェクト仕入先請求書勘定科目生成」ワークフロー(項目タイプ)には、次のプロセスが含まれています。

プロセス: フレックスビルダー・ルールを使って勘定科目を生成

目的: このプロセスでは、買掛/未払金請求書の勘定科目を生成します。

ワークフロー: プロジェクト仕入先請求書勘定科目生成

以前のリリースでフレックスビルダーを使用して勘定科目組合せを生成した場合は、このプロセスによりフレックスビルダーの設定が複製されます。事前定義済のフレックスビルダー・ルールの変更やプロセスのカスタマイズは不要です。

リリース10.7からアップグレードする場合は、『Oracle Applicationsのアップグレード』に記載されているOracle FlexBuilderおよび勘定科目ジェネレータのガイドラインとタスクに従ってください。

アップグレード後にフレックスビルダー・ルールを変更するには、デフォルト勘定科目を生成プロセスから始めてルールを定義する必要があります。

プロセス: デフォルト勘定科目を生成

目的: このプロセスでは、買掛/未払金請求書の勘定科目を生成します。

ワークフロー: プロジェクト仕入先請求書勘定科目生成

注意: ワークフロー作業を開始する前に、ワークフローをローカル・ハード・ディスクまたはネットワーク・サーバーにコピーしてワークフローのバックアップを作成します。ワークフロー名は変更できないため、オリジナル・プロセスの変更計画を作成します。バックアップ・ワークフローはデータベースに保存しないでください。ワークフローをデータベースに保存すると、データベース内で同じ名称のワークフローが上書きされます。

Oracle Payablesの請求書入力ウィンドウでは、請求書借方勘定に対するデフォルト勘定科目を生成プロセスがコールされます。このプロセスをカスタマイズするか、Oracle Workflow Builderを使用して新規プロセスを作成する必要があります。それ以外の場合、このプロセスではエラー・メッセージが戻されます。

プロセスをカスタマイズするには、ダミー・アクティビティ(図「デフォルト勘定科目を生成プロセス」のノード3および5を参照)を勘定科目生成用にカスタマイズしたプロシージャで置き換えます。ノードを削除したりノードの順序を変更しないでください。

新規プロセスを作成する場合は、既存のデフォルト・プロセスをコピーし、その内部名と表示名を変更します。これにより、オリジナルのデフォルト・プロセスを変更して会計フレックスフィールド体系に割り当てることができます。「フレックスフィールド体系へのプロセスの割当」を参照してください。

プロセス属性について: プロジェクト仕入先請求書勘定科目生成ワークフロー(項目タイプ)のワークフロー属性では、プロセスによる借方勘定科目番号の生成対象となる仕入先請求書を識別します。「プロセス属性」を参照してください。

アクティビティ・ノードについて: デフォルト勘定科目を生成プロセスは9個のアクティビティ・ノードで構成されています。図「デフォルト勘定科目を生成プロセス」はノードを示しています。番号付きの円はプロセスの一部ではありません。各ノードについては図の後の本文を参照してください。

デフォルト勘定科目を生成プロセス

本文の説明内容に関するイメージ

この項では、「デフォルト勘定科目を生成」プロセスの各アクティビティを機能名で示して説明します。

コード組合せ生成を開始(ノード1): この標準アクティビティ・ノードでプロセスが開始されます。

数値の比較(ノード2): このノードでは、ユーザーがコード組合せを入力したかどうかがチェックされます。

ダミー・デフォルト勘定科目生成(ノード3): オリジナル(出荷時)構成では、このノードでエラー・メッセージが戻されます。この機能は、ユーザーがコード組合せを入力していなかった場合にあわせてカスタマイズしたプロシージャで置き換える必要があります。

コード組合せから値をコピー(ノード4): このノードでは、ユーザーが入力したコード組合せ識別子がコピーされます。

ダミー・デフォルト勘定科目生成(ノード5): オリジナル(出荷時)構成では、このノードでエラー・メッセージが戻されます。この機能は、ユーザーがコード組合せを入力していた場合にあわせてカスタマイズしたプロシージャで置き換える必要があります。

コード組合せの検証(ノード6): このノードには、コード組合せを検証するための標準フレックスフィールド機能が含まれています。この機能を動作させるには、属性値「新しいコード組合せ」を「TRUE」に設定する必要があります。

コード組合せの生成を終了(成功)(ノード7): この標準アクティビティ・ノードでプロセスが終了します。

コード組合せの生成を中止(失敗)(ノード8および9): このアクティビティでコード組合せプロセスが終了します。

プロセス: 勘定科目生成のサンプル・プロセス

目的: このサンプル・プロセスはあくまでも一例です。買掛/未払金請求書用の勘定科目生成方法を示します。

ワークフロー: プロジェクト仕入先請求書勘定科目生成

注意: このサンプル・プロセスを変更しても、データベースでは使用できません。デフォルト・プロセスを変更する必要があります。

このサンプル・プロセスは、ワークフロー機能および属性を使用して勘定科目コード組合せを導出する方法と、勘定科目セグメントの生成に使用できる複数の標準機能を示しています。

また、このサンプルは仕入先請求書勘定科目の生成に使用するSQLプロシージャ、自動会計参照セット、ワークフロー属性および定数の使用方法も示しています。

プロセス属性について: プロジェクト仕入先請求書勘定科目生成ワークフロー(項目タイプ)のワークフロー属性では、プロセスによる借方勘定科目番号の生成対象となる仕入先請求書を識別します。詳細は、「プロセス属性」を参照してください。

アクティビティ・ノードについて: 勘定科目生成のサンプル・プロセスは19個のアクティビティ・ノードで構成されています。図「勘定科目生成のサンプル・プロセス」はノードを示しています。番号付きの円はプロセスの一部ではありません。各ノードについては図の後の本文を参照してください。

勘定科目生成のサンプル・プロセス

本文の説明内容に関するイメージ

注意: このサンプル・プロセス、リスト、ノード3、6、7、9、11、12および14では、標準フレックスフィールド・ワークフローに用意されている「セグメントに値を割当てる」機能を使用しています。この機能の詳細は、『Oracle Applicationsフレックスフィールド・ガイド』を参照してください。

この項では、勘定科目生成のサンプル・プロセスの各アクティビティを機能名で示して説明します。

コード組合せ生成を開始(ノード1): この標準アクティビティ・ノードでプロセスが開始されます。

数値の比較(ノード2): このノードでは、ユーザーがコード組合せを入力したかどうかがチェックされます。

セグメントに値を割当てる(ノード3): このノードでは、会社セグメントに定数値01が割り当てられます。

テキストの比較(ノード4): このノードでは、プロジェクト・タイプが「間接」かどうかがテストされます。テスト値が項目属性「プロジェクト・タイプ」に設定されます。参照値は定数「間接」です。

セグメント参照セット値(ノード5): このノードでは、コスト・センター・セグメントが参照されます。参照では、自動会計の参照セットと中間値(支出組織)が使用されます。

このノードでは、自動会計の参照セットから中間値を取得する関数pa_acc_gen_wf_pkg.pa_seg_lookup_set_valueが使用されます。「セグメント参照セット値関数の使用」を参照してください。

セグメントに値を割当てる(ノード6): このノードでは、ノード5で検出された値がコスト・センター・セグメントに割り当てられてから、ノード8に分岐します。

セグメントに値を割当てる(ノード7): プロジェクト・タイプが「間接」の場合は、このノードで「請求書付加フレックスフィールド属性 4」からコスト・センター・セグメントに有効な値が割り当てられます。

サンプルSQL関数(ノード8): このノードでは、SQLプロシージャを使用して勘定科目セグメントの値が導出されます。プロセスのいずれかのステップでエラーが発生すると、関数はノード18に分岐します。

SQLパッケージとプロシージャのサンプルは、PAXTMPFB.plsファイル($PA_TOP/admin/sqlディレクトリ)にあります。SQLプロシージャ名はpa_wf_fb_sample_pkg.pa_wf_sample_sql_fnです。このプロシージャには、詳細文書が含まれています。

サンプル関数によりセグメント値が導出され、「参照セット値」属性に設定されます。独自の関数を記述する場合は、独自の属性を作成して設定する必要があります。

注意: SQL関数を定義する際に、その属性を定義できます。プロシージャでは、項目属性の現行値が読み取られ、その属性を使用してセグメントが導出されます。ただし、サンプル・プロセス内の関数は属性を必要としません。

セグメントに値を割当てる(ノード9): このノードでは、ノード8で導出されたセグメント値が勘定科目セグメントに割り当てられます。

コード組合せから値をコピー(ノード10): ユーザーがコード組合せを入力していた場合、このノードではそのコード組合せがコピーされます。

セグメントに値を割当てる(ノード11): このノードでは、会社セグメントに定数値01が割り当てられます。

注意: このノードの「既存の値を置換」属性は「TRUE」に、「値」は01に設定されます。したがって、このノードではユーザーが入力した値が01で置換されます。

セグメントに値を割当てる(ノード12): プロジェクト・タイプが「間接」の場合は、このノードで「請求書付加フレックスフィールド属性 4」からコスト・センター・セグメントに有効な値が割り当てられます。

注意: このノードの「既存の値を置換」属性は「FALSE」に設定されます。したがって、このノードではユーザー入力値が保持されます。

サンプルSQL関数(ノード13): このノードでは、SQLプロシージャを使用して勘定科目セグメントの値が導出されます。プロセスのいずれかのステップでエラーが発生すると、関数はノード19に分岐します。

SQLパッケージとプロシージャのサンプルは、PAXTMPFB.plsファイル($PA_TOP/admin/sqlディレクトリ)にあります。SQLプロシージャ名はpa_wf_fb_sample_pkg.pa_wf_sample_sql_fnです。このプロシージャには、詳細文書が含まれています。

サンプル関数によりセグメント値が導出され、「参照セット値」属性に設定されます。独自の関数を記述する場合は、独自の属性を作成して設定する必要があります。

注意: SQL関数を定義する際に、その属性を定義できます。プロシージャでは、項目属性の現行値が読み取られ、その属性を使用してセグメントが導出されます。ただし、サンプル・プロセス内の関数は属性を必要としません。

セグメントに値を割当てる(ノード14): このノードでは、ノード13で導出されたセグメント値が勘定科目セグメントに割り当てられます。

注意: このノードの「既存の値を置換」属性は「FALSE」に設定されます。したがって、このノードではユーザー入力値が保持されます。

コード組合せの検証(ノード15): このノードには、コード組合せを検証するための標準フレックスフィールド機能が含まれています。この機能を正常に動作させるには、属性値「新しいコード組合せ」を「TRUE」に設定する必要があります。

コード組合せの生成を終了(成功)(ノード16): この標準アクティビティ・ノードでプロセスが終了します。

コード組合せの生成を中止(ノード17、18および19): この標準フレックスフィールド機能でプロセスが終了します。

ワークフロー: プロジェクト経費精算書勘定科目ジェネレータ

このワークフローには、次の2つのプロセスが含まれています。

プロセス: 経費精算書用のデフォルト勘定科目ジェネレータ

目的: このプロセスでは、Oracle Internet ExpensesとOracle Payablesの「請求書」ウィンドウで作成された経費精算書の勘定科目番号を生成します。

ワークフロー: プロジェクト経費精算書勘定科目ジェネレータ

ユーザーがOracle Internet Expensesで経費精算書にプロジェクトとタスクを入力すると、Oracle Internet Expensesにより「経費精算書用のデフォルト勘定科目ジェネレータ」がコールされます。このプロセスでは、HRで従業員に対して定義されたデフォルトCCID(コード組合せ識別子)が戻されます。従業員にデフォルトCCIDがなければ、エラーが戻されます。他の基準に基づいて勘定科目を導出する場合は、デフォルト・プロセスを変更してください。

注意: ワークフロー作業を開始する前に、ワークフローをローカル・ハード・ディスクまたはネットワーク・サーバーにコピーしてワークフローのバックアップを作成します。ワークフロー名は変更できないため、オリジナル・プロセスの変更計画を作成します。バックアップ・ワークフローはデータベースに保存しないでください。ワークフローをデータベースに保存すると、データベース内で同じ名称のワークフローが上書きされます。

プロセスをカスタマイズするには、「コード組合せから値をコピー」ノード(図「経費精算書用のデフォルト勘定科目ジェネレータ」のノード3および4を参照)を、勘定科目生成用にカスタマイズしたプロシージャで置き換えます。ノードを削除したりノードの順序を変更しないでください。また、Oracle Internet Expensesの経費精算書から受け取る情報にあわせて参照セットを更新してください。

新規プロセスを作成する場合は、既存のデフォルト・プロセスをコピーし、その内部名と表示名を変更します。これにより、オリジナルのデフォルト・プロセスを変更して会計フレックスフィールド体系に割り当てることができます。「フレックスフィールド体系へのプロセスの割当」を参照してください。

プロセス属性について: このワークフロー(項目タイプ)のワークフロー属性では、プロセスによる借方勘定科目番号の生成対象となる経費精算書を識別します。「プロセス属性」を参照してください。

アクティビティ・ノードについて: このプロセスは6個のアクティビティ・ノードで構成されています。図「経費精算書用のデフォルト勘定科目ジェネレータ」はノードを示しています。番号付きの円はプロセスの一部ではありません。各ノードについては図の後の本文を参照してください。

経費精算書用のデフォルト勘定科目ジェネレータ

本文の説明内容に関するイメージ

この項では、「経費精算書用のデフォルト勘定科目ジェネレータ」プロセスの各アクティビティを機能名で示して説明します。

コード組合せ生成を開始(ノード1): この標準アクティビティ・ノードでプロセスが開始されます。

数値の比較(ノード2): このノードでは、ユーザーがコード組合せを入力したかどうかがチェックされます。

コード組合せから値をコピー(ノード3): このノードはカスタマイズする必要があります。従業員コード組合せ識別子から従業員勘定科目情報が生成されます。

コード組合せから値をコピー(ノード4): このノードでは、ユーザーが入力したコード組合せ識別子がコピーされます。このノードはカスタマイズできます。

コード組合せの検証(ノード5): このノードには、コード組合せを検証するための標準フレックスフィールド機能が含まれています。この機能を動作させるには、属性値「新しいコード組合せ」を「TRUE」に設定する必要があります。

コード組合せの生成を終了(成功)(ノード6): この標準アクティビティでプロセスが終了します。

プロセス: 経費精算書用のサンプル勘定科目ジェネレータ

目的: このサンプル・プロセスはあくまでも一例です。Oracle Internet ExpensesまたはOracle Payablesの「請求書」ウィンドウで作成された経費精算書用の勘定科目の生成方法を示しています。

ワークフロー: プロジェクト経費精算書勘定科目ジェネレータ

注意: このサンプル・プロセスを変更しても、データベースでは使用できません。デフォルト・プロセスを変更する必要があります。

Oracle Internet ExpensesまたはOracle Payablesの「請求書」ウィンドウで作成された経費精算書には、Oracle Projects用に収集するプロジェクトまたはタスク番号が含まれている場合があります。このサンプル勘定科目ジェネレータ・ルーチンでは、これらの経費精算書内のプロジェクトおよびタスクに使用する勘定科目番号が生成されます。

プロセスの一部(「セグメント参照セット値」ノード)では、自動会計のなんらかの設定が必要です。

プロセス属性について: プロジェクト経費精算書勘定科目ジェネレータ・ワークフロー(項目タイプ)のワークフロー属性では、プロセスによる借方勘定科目番号の生成対象となる経費精算書を識別します。詳細は、「プロセス属性」を参照してください。

アクティビティ・ノードについて: このプロセスは19個のアクティビティ・ノードで構成されています。図「経費精算書用のサンプル勘定科目ジェネレータ」はノードを示しています。番号付きの円はプロセスの一部ではありません。各ノードについては図の後の本文を参照してください。

経費精算書用のサンプル勘定科目ジェネレータ

本文の説明内容に関するイメージ

注意: このサンプル・プロセス、リスト、ノード3、6、7、9、11、12および14では、標準フレックスフィールド・ワークフローに用意されている「セグメントに値を割当てる」機能を使用しています。この機能の詳細は、『Oracle Applicationsフレックスフィールド・ガイド』を参照してください。

この項では、「経費精算書用のサンプル勘定科目ジェネレータ」プロセスの各アクティビティを機能名で示して説明します。

コード組合せ生成を開始(ノード1): この標準アクティビティ・ノードでプロセスが開始されます。

数値の比較(ノード2): このノードでは、ユーザーがコード組合せを入力したかどうかがチェックされます。

セグメントに値を割当てる(ノード3): このノードでは、会社セグメントに定数値01が割り当てられます。

テキストの比較(ノード4): このノードでは、プロジェクト・タイプが「間接」かどうかがテストされます。テスト値が項目属性「プロジェクト・タイプ」に設定されます。参照値は定数「間接」です。

セグメント参照セット値(ノード5): このノードでは、コスト・センター・セグメントが参照されます。参照では、自動会計の参照セットと中間値(支出組織)が使用されます。

このノードでは、自動会計の参照セットから中間値を取得する関数pa_acc_gen_wf_pkg.pa_seg_lookup_set_valueが使用されます。「セグメント参照セット値関数の使用」を参照してください。

セグメントに値を割当てる(ノード6): このノードでは、ノード5で検出された値がコスト・センター・セグメントに割り当てられてから、ノード8に分岐します。

セグメントに値を割当てる(ノード7): プロジェクト・タイプが「間接」の場合は、このノードで「請求書付加フレックスフィールド属性 4」からコスト・センター・セグメントに有効な値が割り当てられます。

サンプルSQL関数(ノード8): このノードでは、SQLプロシージャを使用して勘定科目セグメントの値が導出されます。プロセスのいずれかのステップでエラーが発生すると、関数はノード18に分岐します。

SQLパッケージとプロシージャのサンプルは、PAXTMPFB.plsファイル($PA_TOP/admin/sqlディレクトリ)にあります。SQLプロシージャ名はpa_wf_fb_sample_pkg.pa_wf_sample_sql_fnです。このプロシージャには、詳細文書が含まれています。

サンプル関数によりセグメント値が導出され、「参照セット値」属性に設定されます。独自の関数を記述する場合は、独自の属性を作成して設定する必要があります。

注意: SQL関数を定義する際に、その属性を定義できます。プロシージャでは、項目属性の現行値が読み取られ、その属性を使用してセグメントが導出されます。ただし、サンプル・プロセス内の関数は属性を必要としません。

セグメントに値を割当てる(ノード9): このノードでは、ノード8で導出されたセグメント値が勘定科目セグメントに割り当てられます。

コード組合せから値をコピー(ノード10): ユーザーがコード組合せを入力していた場合、このノードではそのコード組合せがコピーされます。

セグメントに値を割当てる(ノード11): このノードでは、会社セグメントに定数値01が割り当てられます。

注意: このノードの「既存の値を置換」属性は「TRUE」に、「値」は01に設定されます。したがって、このノードではユーザーが入力した値が01で置換されます。

セグメントに値を割当てる(ノード12): プロジェクト・タイプが「間接」の場合は、このノードで「請求書付加フレックスフィールド属性 4」からコスト・センター・セグメントに有効な値が割り当てられます。

注意: このノードの「既存の値を置換」属性は「FALSE」に設定されます。したがって、このノードではユーザー入力値が保持されます。

サンプルSQL関数(ノード13): このノードでは、SQLプロシージャを使用して勘定科目セグメントの値が導出されます。プロセスのいずれかのステップでエラーが発生すると、関数はノード19に分岐します。

SQLパッケージとプロシージャのサンプルは、PAXTMPFB.plsファイル($PA_TOP/admin/sqlディレクトリ)にあります。SQLプロシージャ名はpa_wf_fb_sample_pkg.pa_wf_sample_sql_fnです。このプロシージャには、詳細文書が含まれています。

サンプル関数によりセグメント値が導出され、「参照セット値」属性に設定されます。独自の関数を記述する場合は、独自の属性を作成して設定する必要があります。

注意: SQL関数を定義する際に、その属性を定義できます。プロシージャでは、項目属性の現行値が読み取られ、その属性を使用してセグメントが導出されます。ただし、サンプル・プロセス内の関数は属性を必要としません。

セグメントに値を割当てる(ノード14): このノードでは、ノード13で導出されたセグメント値が勘定科目セグメントに割り当てられます。

注意: このノードの「既存の値を置換」属性は「FALSE」に設定されます。したがって、このノードではユーザー入力値が保持されます。

コード組合せの検証(ノード15): このノードには、コード組合せを検証するための標準フレックスフィールド機能が含まれています。この機能を正常に動作させるには、属性値「新しいコード組合せ」を「TRUE」に設定する必要があります。

コード組合せの生成を終了(成功)(ノード16): この標準アクティビティ・ノードでプロセスが終了します。

コード組合せの生成を中止(ノード17、18および19): この標準フレックスフィールド機能でプロセスが終了します。

プロセス属性

属性では、プロセスによる勘定科目番号の生成対象となる仕入先請求書または経費精算書が完全に識別されます。

各属性の特性を表示したり新規属性を追加することはできますが、既存の属性は変更できません。

属性とその特性は、グラフィック形式(Oracle Workflow Builderを使用)またはテキスト・ファイル(ワープロを使用)で表示できます。

属性の特性をOracle Workflow Builderで表示する手順は、次のとおりです。

  1. Oracle Workflow Builderを使用して、属性を表示するワークフロー(項目タイプ)をオープンします。

  2. 「ナビゲータ」ウィンドウで、ワークフローのディレクトリ・ツリーを拡張します。

  3. ワークフローの「属性」ディレクトリを拡張します。

  4. 特性を表示する属性のアイコンをダブルクリックします。

  5. 「プロパティ」ウィンドウで、「属性」または「アクセス」タブを選択して属性の様々な側面を表示します。

属性の特性をテキスト・ファイルで表示する手順は、次のとおりです。

  1. ワープロ・アプリケーションを使用して該当するOracle Workflowファイルをオープンします。

  2. PAAPINVW.wftをオープンし、プロジェクト仕入先請求書勘定科目生成ワークフローを表示します。

  3. PAAPWEBX.wftをオープンし、プロジェクト経費精算書勘定科目ジェネレータ・ワークフローを表示します。

  4. ワープロの検索コマンドを使用してPROJECT_ID(最初の属性の内部名)を検索します。

    PROJECT_IDのテキストが表示されます。「プロジェクトID」属性と以降の属性が表示されます。

次の表に、この章で説明した2つのワークフローの属性を示します。

注意: 「仕入先請求書」列は、各属性がプロジェクト仕入先請求書勘定科目生成ワークフローに含まれているかどうかを示します。「経費精算書」列は、属性がプロジェクト経費精算書勘定科目ジェネレータ・ワークフローに含まれているかどうかを示します。

仕入先請求書 経費精算書 表示名と内部名 長さ
yes yes プロジェクトID
PROJECT_ID
数値  
yes yes タスクID
TASK_ID
数値  
yes yes 支出タイプ
EXPENDITURE_TYPE
テキスト 30
yes yes 仕入先ID
VENDOR_ID
数値  
yes yes 請求可能フラグ
BILLIABLE_ID
テキスト 1
yes yes プロジェクト区分コード
CLASS_CODE
テキスト 30
yes yes 支出カテゴリ
EXPENDITURE_CATEGORY
テキスト 30
yes yes 直送フラグ
DIRECT_FLAG
テキスト 1
yes yes 支出項目日
EXPENDITURE_ITEM_DATE
日付  
yes yes 支出組織ID
EXPENDITURE_ORGANIZATION_ID
数値  
yes yes 支出組織名
EXPENDITURE_ORG_NAME
テキスト 60
yes yes プロジェクト番号
PROJECT_NUMBER
テキスト 25
yes yes プロジェクト組織名
PROJECT_ORGANIZATION_NAME
テキスト 60
yes yes プロジェクト組織ID
PROJECT_ORGANIZATION_ID
数値  
yes yes プロジェクト・タイプ
PROJECT_TYPE
テキスト 20
yes yes 公共部門フラグ
PUBLIC_SECTOR_FLAG
テキスト 1
yes yes 収益カテゴリ
REVENUE_CATEGORY
テキスト 30
yes yes タスク番号
TASK_NUMBER
テキスト 25
yes yes タスク組織名
NAME
テキスト 60
yes yes タスク組織ID
TASK_ORGANIZATION_ID
数値  
yes yes タスク・サービス・タイプ
TASK_SERVICE_TYPE
テキスト 30
yes yes 最上位タスクID
TOP_TASK_ID
数値  
yes yes 最上位タスク番号
TOP_TASK_NUMBER
テキスト 25
yes   仕入先従業員番号
VENDOR_EMPLOYEE_NUMBER
テキスト 30
yes   仕入先個人ID
VENDOR_EMPLOYEE_ID
数値  
  yes 従業員番号
EMPLOYEE_NUMBER
テキスト  
  yes 従業員ID
EMPLOYEE_ID
テキスト  
yes yes 仕入先タイプ
VENDOR_TYPE
テキスト 25
yes yes 勘定体系ID
CHART_OF_ACCOUNTS_ID
この属性は、すべての勘定科目ジェネレータ項目タイプに存在します。
数値(デフォルトは101)  
yes yes 仕入先請求書勘定科目コードID
DIST_CODE_COMBINATION_ID
数値  
  yes 従業員勘定ID
EMPLOYEE_CCID
数値  
  yes 費用タイプ
EXPENSE_TYPE
数値  
  yes 経費精算書コスト・センター
EXPENSE_CC
テキスト 240
  yes 呼出し元モジュール
CALLING_MODULE
テキスト 25
yes yes 参照セット値
LOOKUP_SET_VALUE
参照の結果が格納されます。「セグメント参照セット値関数の使用」を参照してください。
テキスト 25
  yes 機能取引コード
TRANSACTION_CODE
テキスト 30
yes yes エラー・メッセージ
ERROR_MESSAGE
テキスト 2000
yes   属性カテゴリおよび属性1〜15(請求書付加フレックスフィールド)
ATTRIBUTE_CATEGORY
ATTRIBUTE1-15
これらは、Oracle Payablesの請求書ヘッダーに入力される付加フレックスフィールド値です。
テキスト 150
yes   配分属性カテゴリおよび配分属性1〜15(請求書配分付加フレックスフィールド)
ATTRIBUTE_CATEGORY
ATTRIBUTE1-15
これらは、Oracle Payables請求書配分ごとに入力される付加フレックスフィールド値です。
テキスト 150
  yes 属性カテゴリおよび属性1〜15(経費精算書付加フレックスフィールド)
ATTRIBUTE_CATEGORY
ATTRIBUTE1-15
テキスト 150
  yes 経費明細属性カテゴリおよび経費明細属性1〜15((経費明細付加フレックスフィールド)
ATTRIBUTE_CATEGORY
ATTRIBUTE1-15
テキスト 150
yes   会計日
ACCOUNTING_DATE
日付  

セグメント参照セット値関数の使用

「セグメント参照セット値」関数により、自動会計の参照セットから中間値が取得されます。参照セットはOracle Projectsの「自動会計」ウィンドウで定義します。

この関数では、2つの属性「参照セット名」および「中間値」を使用します。「参照セット」および「中間値」の組合せ結果となるセグメント値は、「自動会計参照セット」ウィンドウを使用して定義します。この関数によりセグメント値が導出され、「参照セット値」属性に割り当てられます。「セグメントに値を割当てる」機能を使用して、この値をセグメントに割り当てることができます。

勘定科目生成のサンプル・プロセスでは、この関数がノード5(「セグメント参照セット値」)で使用されます。「参照セット名」属性はSAMPLE_LOOKUP_SETに設定されます。「中間値」は、「支出組織名」項目属性です。この関数により「参照セット値」属性が設定され、ノード6でコスト・センター・セグメントに割り当てられます。

カスタマイズ済プロセスのテスト

すべてのプロセスは、本番データベースで使用する前にテストする必要があります。プロセスをテストするには、PL/SQLブロック内で該当する関数をコールします。次の2つのテスト・プロセスがあります。

この関数のテスト方法を示す例は、$PA_TOP/admin/sqlディレクトリにあるPAXTMPFB.plsファイル内のプロシージャpa_wf_fb_sample_pkg.test_ap_inv_accountを参照してください。

戻り値はBOOLEANです。関数により値FALSEが戻される場合は、勘定科目生成中にエラーが発生しています。X_ERROR_MESSAGE内の値を使用してエラー・メッセージを判別してください。

X_RETURN_CCIDの値が-1の場合、作成されたコード組合せに使用されるルールが存在しません。

次の表に、関数のパラメータを示します。

パラメータ名 モード
P_PROJECT_ID NUMBER(15) IN
P_TASK_ID NUMBER(15) IN
P_EXPENDITURE_TYPE VARCHAR2(30) IN
P_VENDOR_ID NUMBER IN
P_EXPENDITURE_ORGANIZATION_ID NUMBER(15) IN
P_EXPENDITURE_ITEM_DATE DATE IN
P_BILLABLE_FLAG VARCHAR2(1) IN
P_CHART_OF_ACCOUNTS_ID NUMBER IN
P_ATTRIBUTE_CATEGORY
(注意: 各Oracle Payables請求書ヘッダーからの付加フレックスフィールド値)
VARCHAR2(150) IN
P_ATTRIBUTE1〜P_ATTRIBUTE15
(注意: 各Oracle Payables請求書ヘッダーからの付加フレックスフィールド値)
VARCHAR2(150) IN
P_DIST_ATTRIBUTE_CATEGORY
(注意: 各Oracle Payables請求書配分からの付加フレックスフィールド値)
VARCHAR2(150) IN
P_DIST_ATTRIBUTE1〜P_DIST_ATTRIBUTE15
(注意: 各Oracle Payables請求書配分からの付加フレックスフィールド値)
VARCHAR2(150) IN
X_RETURN_CCID NUMBER(15) OUT
X_CONCAT_SEGS VARCHAR2 OUT
X_CONCAT_IDS VARCHAR2 OUT
X_CONCAT_DESCRS VARCHAR2 OUT
X_ERROR_MESSAGE VARCHAR2 OUT

フレックスフィールド体系へのプロセスの割当

デフォルトまたはサンプルの勘定科目ジェネレータ・プロセスの名称を変更した場合は、「勘定科目生成プロセス」ウィンドウ(Flexfieldsアプリケーション内)を使用して、新しい名称を該当するフレックスフィールド体系およびワークフロー(項目タイプ)に関連付けます。

名称を変更していない場合、このステップを実行する必要はありません。

プロファイル・オプションの設定

「勘定科目ジェネレータ: ランタイム・データのパージ」プロファイル・オプションでは、勘定科目組合せの構築に使用されたデータを勘定科目ジェネレータの完了直後にパージするかどうかを指定します。

最高のパフォーマンスを得るには、このプロファイル・オプションを「No」に設定し、別の操作でランタイム・データをパージします。このプロファイル・オプションを「No」に設定すると、勘定科目ジェネレータでコード組合せの生成に使用されたデータは(Oracle Workflow表に)残ります。このデータをパージするには、勘定科目ジェネレータ・プロセスが正常に実行された後で、「廃止ワークフロー・ランタイム・データのパージ」プログラムを実行します。システム管理者は、このプログラムを要求セキュリティ・グループに追加できます。

このプロファイル・オプションを「Yes」に設定すると、Oracle Workflowデータは勘定科目ジェネレータの完了直後にパージされますが、勘定科目ジェネレータのパフォーマンスが低下する可能性があります。

ユーザーは、このプロファイル・オプションを表示して更新できます。

このプロファイル・オプションは、すべてのレベルで参照可能かつ更新可能です。

勘定科目ジェネレータ・プロセスと自動会計の使用

この項では、勘定科目ジェネレータ・プロセスで自動会計を使用する方法と、次の手順について説明します。

自動会計と勘定科目ジェネレータ」も参照してください。

セグメントへの値の割当

勘定科目ジェネレータを使用して、セグメントに定数または参照セット値を割り当てることができます。

セグメントに参照セット値を割り当てると、参照セットにパラメータを渡す自動会計ルールが使用されます。

セグメントに定数値を割り当てる手順は、次のとおりです。

  1. 標準フレックスフィールド・ワークフローで「セグメントに値を割当てる」機能を選択し、勘定科目生成プロセスにドラッグします。

  2. この機能を前後のステップに接続します。

  3. 「セグメントに値を割当てる」機能が選択された状態で、「編集」メニューから「プロパティ」を選択します。

  4. 「注釈」フィールドに、実行する処理の摘要を入力します(オプション)。

  5. 「属性値」タブを選択し、各属性の値を入力します。

  6. 「値」属性の値タイプとして「定数」を選択します。「値」の下に定数を入力します。

セグメントに参照セット値を割り当てる手順は、次のとおりです。

  1. ワークフロー(項目タイプ)をオープンし、プロセスをオープンします。

  2. 「ナビゲータ」で、ワークフローの「関数」をオープンします。「セグメント参照セット値」関数を選択し、勘定科目生成プロセスにドラッグします。

  3. 関数を前後のステップに接続します。

  4. 「セグメント参照セット値」関数が選択された状態で、「編集」メニューから「プロパティ」を選択します。

  5. 「属性値」タブを選択し、「参照セット名」を選択します。

  6. 「値」フィールドに、使用する参照セットの名称を入力します。

  7. 「中間値」を選択します。「値」フィールドの左にあるポップアップ・リスト内で、値リストから「項目属性」を選択します。

  8. 「値」値リストから項目を選択します。

  9. 値をセグメントに割り当てます。詳細は、「セグメントへの属性パラメータの割当」を参照してください。

参照セット値の割当ての詳細は、『Oracle Applicationsフレックスフィールド・ガイド』の勘定科目ジェネレータに関する項を参照してください。

セグメントへの属性パラメータの割当

この項では、勘定科目ジェネレータを使用してセグメントに属性パラメータを割り当てる方法について説明します。

セグメントに属性を割り当てる手順は、次のとおりです。

  1. 標準フレックスフィールド・ワークフローで「セグメントに値を割当てる」機能を選択し、勘定科目生成プロセスにドラッグします。

  2. この機能を前後のステップに接続します。

  3. 「セグメントに値を割当てる」機能が選択された状態で、「編集」メニューから「プロパティ」を選択します。

  4. 「注釈」フィールドに、実行する処理の摘要を入力します(オプション)。

  5. 「属性値」タブを選択します。

  6. 「値」属性の値タイプとして「項目属性」を選択します。次に、値をセグメントに割り当てる属性を選択します。

この機能の詳細は、『Oracle Applicationsフレックスフィールド・ガイド』の勘定科目ジェネレータに関する項を参照してください。

セグメント値の導出

SQL文では、IF/THENロジックを使用してセグメント値が導出されます。

詳細は、「SQL関数」を参照してください。

SQL関数

SQL関数は、プロジェクト仕入先請求書勘定科目ワークフローのサンプル・プロセスのノード8およびノード13に示されています。「勘定科目生成のサンプル・プロセス」を参照してください。

自動会計と勘定科目ジェネレータ

Oracle Workflowの勘定科目生成プロセスとOracle Projectsの自動会計では、どちらもOracle Projectsでの取引に基づいて勘定科目番号が動的に作成できます。この項では、勘定科目ジェネレータを自動会計と比較し、次の手順について説明します。

次の表に、2つの方法の違いを示します。

勘定科目ジェネレータの用語または機能 対応する自動会計の用語または機能
ワークフローまたは項目タイプ 機能
プロセス ルールの定義とセグメントへの割当て
属性 パラメータ
セグメントへの定数の割当て セグメントへの定数自動会計ルールの割当て
セグメントへの属性パラメータの割当て セグメント値となるパラメータを使用する自動会計ルールの割当て(参照セットは使用されません)
セグメントへの参照セット値の割当て パラメータを参照セットに渡してセグメント値を決定する自動会計ルールの割当て
SQL文またはIF条件を使用したセグメント値の導出 SQL文を介して中間値またはセグメント値を導出する自動会計ルールの使用

セグメントへの値の割当

この項では、勘定科目ジェネレータを使用してセグメントに定数または参照セット値を割り当てる方法について説明します。

セグメントに定数値を割り当てる手順は、次のとおりです。

  1. 標準フレックスフィールド・ワークフローで「セグメントに値を割当てる」機能を選択し、勘定科目生成プロセスにドラッグします。

  2. この機能を前後のステップに接続します。

  3. 「セグメントに値を割当てる」機能が選択された状態で、「編集」メニューから「プロパティ」を選択します。

  4. 「注釈」フィールドに、実行する処理の摘要を入力します(オプション)。

  5. 「属性値」タブを選択し、各属性の値を入力します。

  6. 「値」属性の値タイプとして「定数」を選択します。「値」の下に定数を入力します。

セグメントに参照セット値を割り当てる手順は、次のとおりです。

パラメータを参照セットに渡す自動会計ルールを割り当てます。

この機能の詳細は、『Oracle Applicationsフレックスフィールド・ガイド』の勘定科目ジェネレータに関する項を参照してください。

セグメントへの属性パラメータの割当

この項では、勘定科目ジェネレータを使用してセグメントに属性パラメータを割り当てる方法について説明します。

セグメントに属性を割り当てる手順は、次のとおりです。

  1. 標準フレックスフィールド・ワークフローで「セグメントに値を割当てる」機能を選択し、勘定科目生成プロセスにドラッグします。

  2. この機能を前後のステップに接続します。

  3. 「セグメントに値を割当てる」機能が選択された状態で、「編集」メニューから「プロパティ」を選択します。

  4. 「注釈」フィールドに、実行する処理の摘要を入力します(オプション)。

  5. 「属性値」タブを選択します。

  6. 「値」属性の値タイプとして「項目属性」を選択します。次に、値をセグメントに割り当てる属性を選択します。

セグメント値の導出

SQL文では、IF/THENロジックを使用してセグメント値が導出されます。この操作は、勘定科目ジェネレータ・プロセスで条件ノードまたはSQL関数を使用して実行できます。

SQL関数

勘定科目コードを生成するSQLプロシージャを記述する際には、ワークフロー標準に従う必要があります。プロシージャ・コード内で、標準ワークフロー関数へのコールを使用して必須属性を取得します。プロシージャにより決定された最終値は、属性のいずれかにコピーされます。この値をセグメントに割り当てることができます。

関連項目

自動会計の概要

勘定科目ジェネレータ: ランタイム・データのパージ

『Oracle Applicationsフレックスフィールド・ガイド』

自動会計と補助元帳会計

Oracle Projectsでは、自動会計を使用してOracle Subledger Accountingに送信するプロジェクト取引のデフォルト勘定科目を作成します。Oracle ProjectsによりOracle Subledger Accountingに設定が事前定義されているため、会計の作成プロセスでは、Oracle Projectsからのデフォルト勘定科目が変更なしにそのまま受け入れられます。Oracle Subledger Accountingで独自の詳細会計基準を定義することもできます。その場合、Oracle Projectsで自動会計を使用して導出されるデフォルト勘定科目または個別勘定科目セグメントは、Oracle Subledger Accountingにより上書きされます。

注意: Oracle Subledger Accountingでは、会社内貸借一致ルールを使用して、貸借一致セグメント値間の仕訳に貸借一致明細が作成されます。この機能は、Oracle General Ledgerの「会計設定マネージャ」で設定します。詳細は、「相互エンティティ貸借一致ルール」を参照してください。

Oracle Subledger Accountingで独自の詳細会計基準を定義した場合も、自動会計で基礎的ルールを設定する必要があります。Oracle Projectsの原価配分、収益生成および会計イベント生成プロセスでは、処理中に自動会計でデフォルト勘定科目を作成する必要があります。

Oracle Projectsでは、請求用の自動会計を使用して、顧客請求書とともにOracle Receivablesにインタフェースする勘定科目が作成されます。これにより、Oracle ReceivablesではOracle Subledger Accountingに請求書用の会計が作成されます。Oracle Subledger Accountingにより、最終会計がOracle General Ledgerに転送されます。

関連項目

『Oracle Projects Fundamentals』のOracle Subledger Accountingとの統合に関する項

『Oracle Receivablesインプリメンテーション・ガイド』のReceivablesの補助元帳会計に関する項

補助元帳会計の概要

Oracle Subledger Accountingは、Oracle Projects、Oracle Payables、Oracle Purchasing、Oracle ReceivablesおよびOracle General Ledgerなど、各補助元帳アプリケーション間の中間ステップです。Oracle Subledger Accountingにより補助元帳仕訳の最終会計が作成され、Oracle General Ledgerに転送されます。Oracle Subledger Accountingでは、会計処理を必要とするビジネス・イベントごとに、完全な貸借一致済の補助元帳仕訳が共通データ・モデルに格納されます。また、Oracle Subledger Accountingでは、取引ごとに複数の会計表現を作成できます。

Oracle Subledger Accountingには、レポートおよび照会用の会計情報が用意されています。たとえば、Oracle General Ledgerからドリルダウンして補助元帳仕訳または明細を表示できます。これにより、補助元帳仕訳明細からドリルダウンして、補助元帳アプリケーション内の基礎となる取引を表示できます。

関連項目

原価の補助元帳会計

収益および請求の補助元帳会計

『Oracle Projects Fundamentals』のOracle Subledger Accountingとの統合に関する項

『Oracle Projects Fundamentals』のOracle Subledger Accountingの事前定義済設定に関する項

『Oracle Subledger Accountingインプリメンテーション・ガイド』

自動会計とOracle Subledger Accountingの比較

Oracle Projectsの自動会計とOracle Subledger Accountingでは、どちらもOracle Projectsでの取引に基づいて会計情報が作成されます。Oracle Projectsの自動会計により作成される勘定科目は、デフォルト値です。Oracle Subledger Accountingで独自の詳細会計基準を定義すると、Oracle Projectsで自動会計を使用して導出されるデフォルト勘定科目または個別勘定科目セグメントが、Oracle Subledger Accountingにより上書きされます。

次の表に、Oracle Projectsの自動会計機能と、Oracle Subledger Accountingでの同等の機能を示します。

Oracle Projectsの自動会計機能 Oracle Subledger Accountingでの同等の機能
参照セット マッピング・セット
中間値 入力値
自動会計ルール 勘定科目導出ルール
パラメータ ソース
自動会計機能取引 勘定科目導出ルールの条件
自動会計機能 仕訳明細タイプ
自動会計ルールの割当て 仕訳明細定義: 仕訳明細タイプへの勘定科目導出ルールの割当て

以降の各項では、自動会計とOracle Subledger Accountingを比較しながら説明します。

勘定科目セグメント値への中間値の変換

自動会計では、参照セットを使用して中間値が勘定科目セグメント値に変換されます。たとえば、ビジネスで5つの主要リージョンを支出組織として定義しており、リージョンが会計フレックスフィールドのセグメントであれば、各支出組織をリージョン・セグメント値にマップする参照セットを作成できます。

注意: Oracle Projectsでは、参照セットを定義する際に値リストが表示されません。したがって、参照セットを定義する場合は、中間値とセグメント値を手動で入力する必要があります。

Oracle Subledger Accountingでは、マッピング・セットを使用して、入力値と呼ばれる中間値が勘定科目セグメント値に変換されます。マッピング・セットの入力値を入力する際に、既存の参照セットまたは値セットに基づく値リストから入力値を選択できます。また、会計フレックスフィールド・セグメントを指定して、値リストからセグメント値を選択することもできます。

Oracle Projectsには事前定義済の参照タイプも用意されており、マッピング・セットの入力値を選択する際に使用できます。たとえば、「相互賦課配分明細タイプ」、「プロジェクト・タイプ区分」および「イベント・タイプ分類」などの事前定義済の参照タイプがあります。必要な場合は、参照を追加定義できます。

特定のフィールドについてデータベースに格納されている値に基づく値リストも使用できます。Oracle Projectsには事前定義済の値セットも用意されており、マッピング・セットを定義する際に入力値の選択に使用できます。たとえば、「基本契約タイプ」、「支出カテゴリ」および「支出分類コード」などの事前定義済の値セットがあります。

勘定科目生成ルールの定義

自動会計では、自動会計ルールを定義して、Oracle Projectsによる取引の勘定科目の生成方法を指定します。定数値、パラメータまたはSQL SELECT文を使用するルールを定義できます。定義した各ルールにより、1つの会計フレックスフィールド・セグメントの値が生成されます。ルールを自動会計の機能取引に割り当てるときに、会計フレックスフィールドのセグメントごとにルールを1つ指定する必要があります。

Oracle Subledger Accountingでは、勘定科目導出ルールを定義して、会計の作成プロセスによる取引の会計の生成方法を決定します。Oracle Subledger Accountingを使用すると、勘定科目値導出方法として定数値、マッピング・セット、ソースまたは他の勘定科目導出ルールを使用するルールを定義できます。

Oracle Subledger Accountingでは、単一の会計フレックスフィールド・セグメントまたは完全な会計フレックスフィールド勘定科目コード組合せの値を生成する勘定科目導出ルールを定義できます。会計フレックスフィールド別に勘定科目導出ルールを定義すると、そのルールでは会計フレックスフィールド組合せ全体が決定されます。セグメント別の勘定科目導出ルールを定義すると、そのルールでは単一の会計フレックスフィールド・セグメントの値が決定されます。セグメント・ベースとフレックスフィールド・ベースの両方のルールを使用して、単一の勘定科目を導出できます。単一の仕訳明細定義に両方のタイプの勘定科目導出ルールを割り当てると、Oracle Subledger Accountingでは最初にセグメント固有のルールが使用されてから、残りの値がフレックスフィールド・ベースのルールから取得されます。この方法とは異なり、自動会計では各ルールにより単一の会計フレックスフィールド・セグメントの値のみが生成されます。

Oracle Subledger Accountingでは、SQL SELECT文に基づく勘定科目導出ルールの定義はサポートされていません。ただし、カスタム・ソースを作成して複雑なルールを定義することはできます。カスタム・ソースを作成するには、既存のソースをパラメータとして使用するPL/SQL関数を記述します。Oracle Projectsなど、特定のアプリケーションに使用するカスタム・ソースを作成できます。

勘定科目導出ルールのルール詳細を定義するときに、条件を指定します。Oracle Subledger Accountingでは、条件を使用し、選択した取引属性に基づいて様々な値が戻されます。アプリケーションに使用可能なソースおよびカスタム・ソースをすべて使用して条件を作成できます。たとえば、2つのルール明細を含む勘定科目導出ルールを作成できます。第1明細に対する条件では資産プロジェクトの取引に適用するように記述し、第2明細は他のすべての取引に適用できます。その結果、会計の作成プロセスでこのルールを使用すると、資産プロジェクトの取引用には他のすべての取引用に作成されるのとは異なる会計を作成できます。この機能により、自動会計の機能取引に類似するロールが実行されます。

注意: 勘定科目導出ルールの条件を定義する際には、可能なシナリオがすべて条件に含まれていることを確認する必要があります。含まれていないシナリオがあると、会計の作成プロセスでエラーが生成されます。たとえば、勘定科目導出ルールに対して2つの条件を定義し、一方は資産プロジェクトに適用し、他方は契約プロジェクトに適用する場合、会計の作成プロセスで勘定科目導出ルールを使用して間接プロジェクトに賦課される取引の会計を作成しようとすると、エラーが生成されます。

ルールの割当て

自動会計では、「労務費勘定」、「労務費精算勘定」および「使用収益勘定」など、事前定義済の自動会計機能にルールを割り当てます。各機能内で機能取引を有効化し、勘定科目セグメント値を導出するためのルールを割り当てることができます。たとえば、「労務費勘定」機能の場合、「資産、全て」機能取引には、「全労務」機能取引に割り当てるのとは異なるルールを割り当てることができます。その結果、自動会計では、資産プロジェクトの取引について他の全取引の場合とは異なる会計を作成できます。自動会計の機能取引により、Oracle Subledger Accountingの条件に類似するロールが実行されます。「勘定科目生成ルールの定義」を参照してください。

Oracle Subledger Accountingでは、仕訳明細定義を定義する際に勘定科目導出ルールを割り当てます。仕訳明細定義をイベント区分ごとに定義し、各仕訳明細タイプに勘定科目導出ルールを割り当てます。仕訳明細タイプにより、明細が借方か貸方かなど、補助元帳仕訳明細に関する基礎情報が決定されます。Oracle Projectsにより、Oracle Subledger Accountingに事前定義済の仕訳明細タイプが提供されます。

仕訳明細定義により、イベント区分またはイベント・タイプに割り当てる仕訳明細、明細摘要および勘定科目導出ルールが決定されます。たとえば、「労務費」イベント区分の仕訳明細定義を定義する場合は、「直接費」と「直接費精算」の両方の仕訳明細タイプに勘定科目導出ルールを割り当てます。勘定科目導出の条件は、各勘定科目導出ルールの定義の一部です。

Oracle Subledger Accountingは、自動会計よりも大きな柔軟性を備えています。自動会計では、各自動会計機能にルールを割り当てますが、Oracle Projectsに用意されている自動会計機能および機能取引に限定されます。Oracle Subledger Accountingでは、プロジェクト・タイプ区分(間接、契約および資本)、請求可能および資産計上可能などの属性をソースとして使用できます。これらのソースを使用して勘定科目導出ルールの条件を定義し、それを仕訳明細定義の一部として仕訳明細タイプに割り当てます。たとえば、請求可能労務費と請求不可労務費に対して個別の勘定科目を定義する場合は、勘定科目導出ルールに対して2つの条件を定義し、このルールを仕訳明細定義で「労務直接費」仕訳明細タイプに割り当てます。Oracle Projectsにより、Oracle Subledger Accountingで使用できるように300以上のソースが事前定義されており、独自のカスタム・ソースを定義することもできます。この方法を使用すると、様々な条件にあわせて個別の勘定科目を定義できます。さらに、仕訳明細定義を定義して、同じ取引用に複数の借方および貸方会計明細を作成することも可能です。

関連項目

カスタム・ソース

勘定科目導出ルール

取引へのルールの割当

自動会計ルールの定義

参照セットの定義

仕訳明細定義

仕訳明細タイプ

マッピング・セット

『Oracle Projects Fundamentals』のOracle Projects用の補助元帳会計の設定の理解に関する項