Oracle Paymentsインプリメンテーション・ガイド リリース12 E06000-01 | ![]() 目次 | ![]() 前へ | ![]() 次へ |
注意: Oracle Paymentsを実装する前に、この項の質問に回答し、実装がビジネス・ニーズを満たしていることを確認することをお薦めします。
この項では、資金取得と資金支出の両方の機能に共通している実装の質問を示しているため、共有計画に関連します。
システム・セキュリティ機能は、資金取得と資金支出の両方に共通です。Oracle Paymentsの実装時に、次の機能について適切なセキュリティ・オプションを指定する必要があります。
支払手段に関する機密情報の暗号化
支払手段および外部銀行口座のマスキング
所在地検証システムを使用したクレジット・カードの検証
実装前に処理するセキュリティの問題は、次のとおりです。
内部のセキュリティ要件(データ格納)
外部のセキュリティ要件(伝送)
不正からの保護
Oracle Paymentsの実装前に、支払システムの伝送セキュリティ要件について十分に理解し、ネットワークでこれらの要件がサポートされていることを確認してください。
注意: Oracle Paymentsでは、SSL、Secure FTPおよびAS2がサポートされていますが、このサポートから包括的な伝送セキュリティ・ソリューションを作成する必要があります。
セキュリティ・オプションの設定方法の詳細は、「ステップ2. システム・セキュリティ・オプションの設定」を参照してください。
第三者の支払システムでクレジット・カード所有者を検証できるようにする方法は、「クレジット・カード所有者の検証」を参照してください。
受取人から製品またはサービスの購入を希望している顧客のリスクを評価するリスク算式の作成方法の詳細は、「リスク算式の作成」を参照してください。
資金取得機能は、第一者受取人に負債がある第三者支払人からの支払の自動取得に関係します。取得には、銀行口座の口座引落し、クレジット・カードおよび受取手形の送金などの電子支払方法が使用されます。
資金支出機能は、第三者受取人への支払の実施に関係します。支払には、EFTまたは銀行振込などの電子形式、あるいは小切手などの印刷形式を使用できます。
ビジネス・ニーズに応じて、いずれか一方の機能を使用することも、両方の機能を使用することもできます。
関連項目
資金取得機能の詳細は、「資金取得について」を参照してください。
資金支出機能の詳細は、「資金支出について」を参照してください。
電子支払処理の場合、使用する支払システムを決定する必要があります。Oracle Paymentsでは、電子資金取得および資金支出の取引を処理するために、第三者支払システムとのパートナ活動が必要です。
次の表に、資金取得機能についてOracle Paymentsと統合され、同梱されている支払システムと、各支払システムでサポートされている支払方法を示します。
支払システム | クレジット・カード | 購買カード | 暗証番号不要のデビット・カード | 銀行口座振替 | 電子送金オンライン検証 |
---|---|---|---|---|---|
Paymentech | 可 | 可 | 可 | 可 | 可 |
First Data(North) | 可 | 可 | 不可 | 不可 | 不可 |
Concord EFS | 可 | 可 | 可 | 可 | 不可 |
** U.S. ACHのみ
注意: 前述の表にリストしたサポートされている操作は、変更される可能性があります。最新の情報は、使用中の支払システムにお問い合せください。
独自のOracle Payments統合をサポートする他の支払システムがあります。次の表に、Oracle Paymentsとの独自統合を提供する支払システムと、この支払システムでサポートされている支払方法を示します。
支払システム | クレジット・カード | 購買カード | 暗証番号不要のデビット・カード | 銀行口座振替 | 電子送金 |
---|---|---|---|---|---|
VeriSign | 可 | 不可 | 不可 | 可 | 不可 |
関連項目
支払システムの設定方法の詳細は、「ステップ8: 支払システムの設定」を参照してください。
Oracle Paymentsと併用できるソース製品は、次のとおりです。
事前統合済Oracleアプリケーション
Oracle以外のアプリケーション
iStore、Order Capture、Telesales、Order Management、Oracle Receivables、Oracle PayablesおよびCollectionsなどの多くのOracleアプリケーションは、最初からOracle Paymentsと事前統合されています。
注意: 事前統合済Oracleアプリケーションが正しく設定されていることを確認するには、各事前統合済Oracleアプリケーションの設定マニュアルを参照してください。
Oracle以外のアプリケーションについては、適切なAPIを実装する必要があります。
関連項目
Oracle以外のアプリケーションで実装するAPIの詳細は、http://irep.oracle.com/のOracle Integration Repositoryを参照してください。
支払フォーマット要件は通常、支払システムまたは中央銀行によって作成されます。フォーマットは、資金取得取引および資金支出の支払指図をフォーマットするために、採用企業によって作成されます。Oracle Paymentsでは、Oracle XML Publisherのフォーマット・テンプレートを使用して、特定の金融機関のフォーマット要件に従って、電子取引および支払指図がフォーマットされます。また、サポートされている支払フォーマットに適用できるシード済支払検証が用意されています。
関連項目
支払フォーマットを作成し、Oracle Paymentsで作成されたXMLデータ・ファイルに適用する方法の詳細は、「ステップ3. Oracle XML Publisherテンプレートの設定」を参照してください。
各国の政府または中央銀行によって提供される、国固有の支払の処理方法に関連する国固有のコードおよび識別子の設定方法の詳細は、「ステップ14. 銀行指図コードの設定」を参照してください。
各国の政府または中央銀行によって提供される、国固有の支払の受取人への送信方法に関連する国固有のコードおよび識別子の設定方法の詳細は、「ステップ 15. 決済チャネル・コードの設定」を参照してください。
各国の政府または中央銀行によって提供される、支払事由に関連する国固有のコードおよび識別子の設定方法の詳細は、「ステップ 16. 支払事由コードの設定」を参照してください。
Oracle Paymentsを実装する前に、アプリケーションで異なる言語で情報を表示する必要があるかどうかを決定する必要があります。
次のいずれかに該当する場合は、アプリケーションでNLSを使用する必要がある場合があります。
ソース製品と支払システムで異なる言語またはキャラクタ・セットを使用する場合。たとえば、ソース製品で日本語EUCキャラクタ・セットを使用し、支払システムでは日本語Shift-JISキャラクタ・セットを使用する場合があります。
ソース製品のクライアントで異なる言語を使用する場合。たとえば、世界中から顧客がアクセスすると予想されるWebサイトでは、そのソース製品を様々な顧客に対して別々の言語で表示する場合があります。
これらのすべての環境でキャラクタ変換を可能にするには、ソース製品と支払システムが、言語とキャラクタ・セットの情報をOracle Paymentsに伝達する必要があります。
言語およびキャラクタ・セットに関する情報をOracle Paymentsに伝達するために、ソース製品と支払システムのサーブレットは、特別なパラメータ(NlsLang)を渡す必要があります。このパラメータは、この実装ガイドで説明されている各APIの一部です。
NlsLangはオプションのパラメータです。ソース製品で非Latin1キャラクタ・セットのパラメータを処理する必要がなく、クライアントまたは支払システムに異なる言語で通信する必要がない場合、このパラメータを使用する必要はありません。
ソース製品がNlsLangパラメータを渡さない場合、Oracle Paymentsは、キャラクタ・セットの変換を実行せずに、情報をソース製品から支払サービスのサーブレットに渡します。
ソース製品がNlsLangの値をOracle Paymentsに渡した場合、Oracle Paymentsは、パラメータを支払システムのサーブレットに送信する前に、NlsLangの値に基づいてこれらのパラメータを変換しようとします。
そのために、Oracle Paymentsは最初にデータベースをチェックして、その支払システムに対する優先言語とオプション言語のリストを確認します。データベース内の情報には、Oracle Paymentsの管理者がOracle Payments管理ユーザー・インタフェースを使用して入力した内容が反映されています。
次に、Oracle Paymentsは、データベースで検出した内容に応じて、次のいずれかの処理を実行します。
データベースにNlsLangの値と一致する言語がリストされている場合、Oracle Paymentsは、NlsLangの値を保持し、それを支払システムのサーブレットに渡します。
データベースにNlsLangの値と一致する言語がリストされていない場合、Oracle Paymentsは、その支払システムに対して優先言語として指定されている言語を使用するため、支払システムのサーブレットに送信する前にNlsLangの値を変更します。
最後に、Oracle Paymentsは、他のパラメータの値を、NlsLangで指定されている言語で支払システムのサーブレットに送信されるように変換します。
この変換プロセスは、ソース製品から支払システムのサーブレットへの1方向でのみ機能します。支払システムが、データを戻すときにNlsLangを設定した場合、Oracle Paymentsは、その情報を使用してOapfVendErrmsgの値をそのデータベースに格納します。支払システムのサーブレットからソース製品に戻されたデータは変換しません。
このパラメータの値は、Oracle ServerのNLS_LANG環境変数と同じフォーマットに従います。
language_territory.charset
たとえば、JAPANESE_JAPAN.JA16EUCはNlsLangに有効な値です。
Oracle Paymentsは、支払システムのサーブレットから受信した応答本文内の応答を変換しません。データをバイナリとして処理し、ソース製品に直接送信します。
ただし、Walletデータなどのバイナリ情報が送信された場合、Oracle Paymentsは、バイナリ・データのキャラクタ・セットをNlsLangの値で指定されたキャラクタ・セットに変換します。
この項では、資金取得に関連する計画の質問を示します。
資金取得機能の場合、精算を精算バッチにグループ化する単位を決定する必要があります。グループ化に関するパラメータは、資金取得プロセス・プロファイルで指定できます。資金取得プロセス・プロファイルの詳細は、「ステップ21. 資金取得プロセス・プロファイルの設定」を参照してください。
資金取得機能の場合、支払に対して会社で受け入れるクレジット・カード・ブランド、およびそれに関連する承認有効期間(日数)を決定する必要があります。
関連項目
クレジット・カード・ブランドの設定方法の詳細は、「ステップ23. クレジット・カード・ブランドの設定」を参照してください。
Oracle Paymentsには、次のAPIが用意されています。
支払手段登録API。クレジット・カード、銀行口座、暗証番号不要のデビット・カードおよび購買カードなどの支払手段の格納に使用します。
支払処理API。承認、取得、銀行口座振替の操作など、クレジット・カード、暗証番号不要のデビット・カードおよび購買カードに関する操作の実行に使用します。
リスク管理API。リスク分析の実行に使用します。
資金取得機能の場合、要件に基づいて、ソース製品に必要な機能を決定し、使用するAPIを判別する必要があります。
注意: 事前統合済の各Oracleアプリケーションでは、その操作に関連するOracle Payments APIがすでに実装されています。事前統合済Oracleアプリケーションを使用する場合は、これ以上の統合作業は必要ありません。
支払手段の登録は必須です。Oracle以外の製品は、支払手段登録APIと、Oracle Paymentsで支払要求を使用して生成される手段識別子を使用して、支払手段の登録を実装できます。
次のことを実行するかどうかを決定する必要があります。
支払処理のオンラインまたはオフライン(あるいはその両方)による実装
クレジット・カード、暗証番号不要のデビット・カード支払、購買カードまたは銀行口座振替、あるいはいくつかの組合せの受入
不正取引を検出するリスク機能の実装
実装する機能を決定した後は、http://irep.oracle.com/のOracle Integration Repositoryで、対応するAPIを検討できます。
Oracle Paymentsでは、承認フェーズ時に、クレジット・カード・リスク管理を実行できます。リスク評価を独立して実行する場合は、ソース製品から別のリスク管理APIをコールできます。
関連項目
前述のAPIの詳細は、http://irep.oracle.com/のOracle Integration Repositoryを参照してください。
Oracle Paymentsでは、銀行口座振替が精算としてサポートされています。また、銀行口座振替に対するEFTオンライン検証もサポートされています。EFT検証は、支払人の銀行口座が有効であることの検証に役立ちますが、資金の引当はせず、支払システムや国によっては提供されていない場合もあります。検証は、クレジット・カード承認と同様にオンラインでリアルタイムに実行されますが、実際の資金振替は、精算としてオフラインで実行されます。資金振替は、これらの取引の完了に1営業日から2営業日が必要であるため、オンラインでは実行されません。
関連項目
銀行口座振替の実装方法の詳細は、http://irep.oracle.com/のOracle Integration Repositoryを参照してください。
Oracle Paymentsには、E-Businessアプリケーションのクレジット・カードおよび購買カード取引に対するリスク管理機能が用意されています。多数のシード済リスク要因があり、各承認に対してリスク評価機能を実行するかどうかのオプションが受取人(仕入先)に提供されます。
リスク要因には、受取人から商品またはサービスの購入を希望している顧客のリスクを評価するために、受取人が使用する情報が含まれています。リスク要因の例には、所在地検証、購入時刻および支払金額などがあります。これらのリスク要因を各受取人に対して構成できます。
リスク管理機能を使用すると、受取人は、取引のオンライン処理に伴うリスクを管理できます。また、業務によって、任意の数の事前定義リスク要因を指定して、顧客の識別情報を検証し、保護環境で顧客の信用評価とリスク評価を査定できます。
関連項目
この項では、資金支出に関連する計画の質問を示します。
資金支出は、第一者支払人(採用企業)から第三者受取人(仕入先)への支払の実施に関係します。支払には、EFTや銀行振込などの電子形式、あるいは小切手などの印刷形式を使用できます。
資金支出機能の場合、支出支払方法をどの程度詳細に設定するかを決定する必要があります。最も細分性の低い支払方法は、小切手または電子送金など、Oracle Paymentsにシードされている方法です。これらは、支払の実施方法を最も高いレベルで記述します。この種の設定では、多数の支払プロセス・プロファイルと支払フォーマットを各方法に関連付けることができます。この方法では、請求書入力担当者など、ソース製品ユーザーから必要な情報は少なくて済みますが、支払プロセスの後半の作業量が多くなる場合があります。
または、より細かいレベルの支払方法を定義し、それぞれを単一の支払フォーマットおよび支払プロセス・プロファイルに関連付けることができます。さらに、特定の検証を各支払方法に関連付けることもできます。非常に細分性の高い支払方法の例に、イタリアの電子送金があります。この種の設定では、ソース製品のユーザーに多くの情報が必要です。しかし、この方法には利点があります。たとえば、支払方法の検証が請求書入力時の早い段階で実行されるため、エラーをより迅速に修正できます。
資金支出支払方法の作成には、使用ルールの作成および検証の設定が含まれます。使用ルールでは、買掛/未払金文書に対してソース製品が支出支払方法を使用できる場合が指定されます。使用ルールの作成によって、Oracle Paymentsと統合されている各ソース製品に対して支払方法を使用可能または使用不可にします。異なるソース製品に対して別々の使用ルールを提供でき、支払方法が使用可能かどうか、および使用可能な時期を変更できます。さらに、検証が支払プロセスの早い段階で実行されるように設定できます。
関連項目
資金支出支払方法の詳細は、「ステップ12. 資金支出支払方法の設定」を参照してください。