Oracle Receivablesユーザー・ガイド リリース12 E06003-01 | ![]() 目次 | ![]() 前へ | ![]() 次へ |
この章のトピックは、次のとおりです。
「収益認識」プログラムを実行して、請求ルールおよび会計基準を使用する請求書およびクレジット・メモに対して収益配分レコードを生成します。会計基準では、期間数と、収益合計の何パーセントを各会計期間のレコードに配分するかを決定します。請求ルールでは、複数の会計期間にまたがる請求書について、売掛/未収金を認識する時期を決定します。関連項目: 基準付き請求書
プログラムを発行すると、「収益認識」は、請求ルールと会計基準を含む取引で、前回このプログラムを発行して以来まだ処理されていないすべての取引を選択します。このプログラムは、各取引明細に対する会計基準によって指定されたすべての会計期間について収益配分レコードを作成します。
「収益認識」プログラムは、Oracle Receivablesで作成し自動インボイスを使用してインポートする請求書およびクレジット・メモに対して、配分レコードを作成します。「収益認識」プログラムは、「取引」ウィンドウで指定する、または自動インボイスを使用してOracle Receivablesにインポートする会計配分セットを使用して、新しく作成した収益配分レコードの勘定科目を決定します。
Oracle Receivablesでは、この収益は予定収益とみなされます。
遅延会計基準が存在する場合、「収益認識」では前受収益勘定の配分レコードを作成します。Oracle Receivablesでは、この収益は予定解除収益とみなされます。
関連項目: 『Oracle Receivablesインプリメンテーション・ガイド』の遅延会計基準に関する項
「収益認識」によって、発行に含まれる各請求書のGL記帳日に対応する売掛/未収金、税金、運送費そして「自動インボイス」未決算勘定割当も作成されます。
注意: 「収益認識」では、ステータスが「オープン」、「先日付」または「未オープン」の全期間に対して会計配分を作成します。期間のステータスが「クローズ」または「クローズ保留」の場合、「収益認識」プログラムでは、次の「オープン」、「先日付」または「未オープン」期間に配分を作成します。
GL配分を後で再分類する必要がある場合は、取引での個々の配分を変更する必要があります。Oracle Receivablesでは、戻し処理会計仕訳が自動的に作成されます。
「収益認識」プログラムで、ある取引の会計配分を作成できない場合、発行内の他のすべての取引には会計が生成されますが、「警告」ステータスが表示されます。Oracle Receivablesでは、収益認識実行レポートの末尾にその取引が含められ、修正対象の取引、不完全な取引または削除対象の取引がわかるようになっています。関連項目: 収益認識プログラム実行レポート
注意: Oracle Receivablesでは、「会計の発行」プログラムを実行するたびに、まず標準の「収益認識」プログラムが実行されます。関連項目: Oracle Receivablesでの会計の作成
COGSと収益の照合
Oracle CostingはOracle Receivablesと統合し、Oracle Receivablesでの収益認識および繰延活動の間、COGS(売却品原価)が収益と同じ比率で認識または延期されることを保証します。COGSとは、商品の販売と関連付けられる製造費用のことです。関連項目: 『Oracle Cost Managementユーザーズ・ガイド』の収益とCOGSの照合の概要に関する項
前提条件
『Oracle General Ledgerインプリメンテーション・ガイド』の会計カレンダと会計期間の定義に関する項
注意: 会計カレンダは、少なくとも収益認識を計画するのと同じ数の期間に対して定義する必要があります。
収益認識プログラムには、収益認識と収益認識マスターという2つのプログラムがあります。収益認識マスター・プログラムは、パラレル処理用のみで、複数の処理(ワーク)を実行することによって処理時間を削減するために、Oracleのスケーラビリティ機能を活用します。収益認識マスター・プログラムは、取引ボリュームに必要なパラレル処理の最大数を決定し、これらのワークに均一に処理を配分します。収益認識マスター・プログラムがランタイムに使用するプロセッサの最大数を設定しておくことができます。このスケジューリング機能を使用すると、オフピーク処理時間を利用することもできます。ランタイムで使用する収益認識プログラムを選択します。
重要: 収益認識マスター・プログラムは、プロセッサが1台のみのシステムでは使用できません。
ヒント: 取引ボリュームが大量である場合は、「収益認識」を定期的に実行することをお薦めします。これにより、処理する取引の数が最小限に抑えられて、パフォーマンスが向上します。
「収益認識処理の実行」または「要求」ウィンドウにナビゲートします。
実行する「収益認識」プログラムを選択します。
シングル・プロセッサ・プログラムの「名前」フィールドに「収益認識」と入力します。
パラレル・プロセッサ・プログラムの「名前」フィールドに「収益認識マスター・プログラム」と入力します。
「要約」または「詳細」の印刷書式を選択します。
選択したプログラムに対するパラメータを選択します。
「収益認識」プログラムでは、作業をコミットするかどうかを指定します。この発行によって生成される配分レコードを作成する場合は「Yes」を入力します。実際に配分レコードを作成しないで、まず配分を「収益認識実行レポート」で確認する場合は、「No」を入力します。
収益認識マスター・プログラムでは、この実行で利用する最大ワーカー(パラレル・プロセッサ)数を入力します。デフォルトは4です。
「OK」を選択します。
「言語」ボタンを選択して、必要に応じて言語を変更します。
必要に応じて実行のスケジュールを計画します。デフォルトは「可能な限り早く」です。収益認識は、「定期的に」または「特定日に」、あるいはその両方で複数回実行することもできます。
「全ての出力ファイルの保存」ボックスをチェックして、「収益認識」プログラムの出力をファイルに保存します。
「印刷オプション」を選択して、印刷するコピーの数、スタイルおよび使用プリンタなどの印刷オプションを選択します。
「要求の発行」を選択します。Oracle Receivablesではコンカレント要求の「要求ID」が表示され、「収益認識プログラム実行レポート」が作成されます。
「要求ID」を使用して、「コンカレント要求要約」ウィンドウの発行を閲覧できます。プログラムによってこの発行のために作成された、すべての収益配分明細を閲覧するには、「収益認識プログラム実行レポート」を使用してください。
関連項目
「収益認識実行レポート」で、請求と会計基準を使用する請求書に指定されたすべての収益配分を検討できます。このレポートには、「収益認識」によって各取引のために作られた収益配分用の勘定科目区分、GL記帳日、会計フレックスフィールド、通貨、金額および計上金額が表示されます。
「収益認識」プログラム、「収益認識マスター・プログラム」または「会計の発行」プログラムを実行するたびに、Oracle Receivablesによって自動的に「収益認識実行レポート」が作成されます。
「収益認識」プログラムが配分の作成を妨げている取引を検出すると、プログラムは「警告」ステータスで終了し、Oracle Receivablesによってこのレポートの最下部に取引が含められます。
ヒント: 「収益認識」プログラムの終了後、常に実行レポートを確認してください。プログラムが警告なしで完了した場合でも、このレポートの下部に取引が表示されることがあるからです。
関連項目
「収益会計」機能を使用すると、取引または明細レベルで、収益および販売実績を迅速、かつ簡単に修正できます。「収益会計および販売実績」ウィンドウを使用すると、手動修正を行うことができます。また、収益修正APIを使用して、これらの修正を自動的に実行することもできます。関連項目: 『Oracle Receivables Reference Guide』の「Revenue Adjustment API User Notes」
「収益会計」では、収益修正を実行および変更する一連の処理を、「収益会計管理(RAM)」ウィザードの指示に従って進めます。このウィザードを使用して、既存の偶発収益の失効日を更新することもできます。たとえば、引受条項を提案する契約に請求書明細が関連付けられている場合、その明細に対して早期引受を記録できます。
「RAM」ウィザードは、次の目的で使用します。
収益実現
収益未実現
過去の収益修正の検討
早期引受の記録
偶発収益の管理
収益および非収益販売実績の振替
非収益販売実績の追加
注意: 収益および販売実績修正は、完了した請求書およびクレジット・メモに対してのみ行うことができます。ルールを使用する取引に修正を行う場合、請求ルールは「前受」である必要があります。
「RAM」ウィザードに入力するには、「収益会計および販売実績」ウィンドウで取引を問い合せて、「収益の管理」または「販売実績の管理」を選択します。
ヒント: これらのボタンは機能セキュリティによって制御されます。関連項目: 『Oracle Receivablesインプリメンテーション・ガイド』のOracle Receivablesの機能セキュリティに関する項
次に示す選択基準を使用すると、オプションで、修正または早期引受によって影響を受ける明細を制限できます。
在庫品目
在庫カテゴリ
明細番号
営業担当(修正によって影響を受ける明細を制限する場合のみ)
関連項目: 「収益会計管理(RAM)」ウィザードの使用方法
「収益会計」機能を使用して修正を作成する場合、Oracle Receivablesでは、自動会計を使用して、自動的にすべての必要な会計配分を生成します。Oracle Receivablesでは、修正が保存される前に、修正の結果である配分または販売実績、もしくはその両方が検討のために表示されます。この時点で、修正を承認するか取り消すかを最終的に決定します。収益を修正する場合は、保存の前に会計配分を変更することもできます。
保存前に早期引受およびその他の偶発収益処理を検討できます。場合によっては、早期引受の記録または偶発の失効を行うと、その請求書明細に対する自動収益認識がトリガーされます。関連項目: イベント基準の収益管理のための請求書評価
注意: 請求書を作成またはインポートする場合は、その請求書に対して遅延会計基準を割り当てることによって、前受収益勘定にすべての収益を繰り延べることができます。適切な時点で、「収益会計および販売実績」ウィンドウを使用して手動で、または収益修正APIを使用して自動的に収益を認識できます。関連項目: 『Oracle Receivablesインプリメンテーション・ガイド』の遅延会計基準に関する項
取引を問い合せると、「収益会計および販売実績」ウィンドウには、次の情報が表示されます。
「取引」タブには、取引に対する予定収益および予定解除収益の要約を含む取引詳細が表示されます。
収益の予定は、Oracle Receivablesが、明細の割当済会計基準で指定されたとおりに全会計期間の収益配分レコードを作成したときに、取引明細に対して作成されます。予定収益とは、収益額がすでに実現されているということを意味するものではなく、単にOracle Receivablesでその金額に対する配分レコードが作成されたということです。
「履歴」タブには、この取引に対してすでに記録済の処理に関する詳細が表示されます。これはフォルダ・リージョンであるため、ユーザーは優先順位に従って列を選択し、ソートできます。
取引明細の詳細は、ウィンドウの中央に表示されます。各取引明細に関して、メニューから「明細配分」、「販売実績の明細」または「偶発明細収益」を選択すると、さらに詳細を表示できます。
営業担当パラメータ「すべて」と修正可能収益パラメータ「全修正可能収益」を使用して販売実績を振り替える場合、Oracle Receivablesでは、指定明細のすべての営業担当から新規営業担当に対して100%の販売実績が振り替えられます。
営業担当パラメータ「すべて」とパラメータ「選択した明細の合計値のパーセント」を選択すると、Oracle Receivablesでは指定されたパーセントのみが振り替えられ、「自」営業担当の現在の販売実績に基づいて「自」営業担当間に按分されます。
例:
3人の営業担当が、収益分割20:30:50で1つの取引明細に割り当てられています。修正可能収益すべてを1人の新規営業担当に振り替える場合、この新規営業担当は100%(20+30+50)を受け取ります。しかし、5%を振り替える場合、新規営業担当は明細合計の5%を受け取り、振り替えられる金額は3人の営業担当間で按分されます。次の表は、この例における販売実績の振替を示しています。
営業担当 | 収益分割 | 転送パーセンテージ | 按分済転送パーセンテージ |
---|---|---|---|
営業担当1 | 20 | 5% | .05 * 20 = 1 |
営業担当2 | 30 | 5% | .05 * 30 = 1.5 |
営業担当3 | 50 | 5% | .05 * 50 = 2.5 |
新規営業担当を指定すると、Oracle Receivablesでは、割り当てられる販売グループをデフォルト設定します(グループがある場合)。このデフォルトは変更できます。
警告: 以前に「収益会計管理(RAM)」ウィザードを使用して取引の収益を修正している場合、取引の販売実績は、「取引」ワークベンチではなく、常に「RAM」ウィザードを使用して修正してください。関連項目: 収益実績の入力
「収益会計管理(RAM)」ウィザードは次の目的で使用します。
前提条件
システム・オプションの設定。 収益または販売実績のどちらかで修正されるすべての請求書に対して販売実績を割り当てる必要があるため、「営業担当必須」システム・オプションを使用可能にします。「収益会計」機能を収益修正にのみ使用し、販売実績を追跡しない場合は、「販売実績なし」というシード済営業担当値を使用できます。
注意: すべての取引に対して販売実績を割り当てる必要がありますが、自動会計を設定して、営業担当表から会計フレックスフィールド・セグメントを導出する必要はありません。関連項目: 自動会計の使用方法
オプションで、「その他」タブ・リージョンで「販売実績率限度」システム・オプションを設定できます。「販売実績率限度」を設定すると、営業担当が取引明細に持つことが可能な収益と、非収益販売実績のパーセントが制限されます。「販売実績率限度」システム・オプションに定義された値はいつでも変更できます。このシステム・オプションの値を定義しないと、収益会計を使用するときに販売実績限度検証は実行されません。関連項目: 『Oracle Receivablesインプリメンテーション・ガイド』のOracle Receivablesシステム・オプションの定義に関する項
収益修正事由参照コードの作成。Oracle Receivablesには、3つの収益修正事由コードがありますが、各会社には独自の収益修正事由があります。REV_ADJ_REASON参照タイプを使用すると、収益修正を行う前に、会社特定の事由コード参照を作成することができます。
収益の認識。ルールを使用する取引を修正する前に、「収益の認識」プログラムを実行する必要があります。
「収益会計および販売実績」ウィンドウにナビゲートすると、「収益会計の取引の検索」ウィンドウがオープンします。このウィンドウで、修正対象の取引の問合せ基準を入力し、「検索」をクリックします。
選択した取引が「収益会計および販売実績」ウィンドウに表示されます。問合せに対して複数の取引が戻された場合は、表示対象のレコードが見つかるまでページを下に送ります。
「収益の管理」ボタンを選択します。
行う修正のタイプを選択して「次」をクリックします。
収益の予定解除
収益の予定
引受を記録する場合は、「早期引受の記録」を参照してください。
オプションで営業担当を選択し、その特定の営業担当の実績である収益の一部に収益修正を制限します。
特定の品目、品目カテゴリまたは明細番号を選択して、修正する明細を絞り込みます。
警告: 自動会計で標準明細から会計セグメントを導出するように設定する場合、取引明細は在庫品目または標準メモ明細のどちらかである必要があります。そうしないと、自動会計では有効なGL勘定科目コードの組合せを作成できません。
部分修正の場合は、金額またはパーセントのどちらかを選択します。全額を修正する場合は、「全修正可能収益」を選択します。
「事由」フィールドで、値リストからこの修正の事由コードを選択します。
オプションで「GL記帳日」を変更して、この修正へのコメントを追加します。
「GL記帳日」を更新すると、次の場合に、「取引」ワークベンチで入力した当初基準開始日が無視され、収益認識の開始日として入力したGL記帳日が使用されます。
取引明細に会計基準が存在しない
会計基準が単一期間に対するものである
取引明細に遅延会計基準が存在する
複数期間の会計基準が存在して遅延されない場合、「GL記帳日」は無視され、「取引」ワークベンチで入力した基準開始日に基づいて取引の当初の収益認識予定が使用されます。
関連項目: 『Oracle Receivablesインプリメンテーション・ガイド』の遅延会計基準に関する項
修正の実行後、処理結果ウィンドウで修正内容を確認します。修正したGL配分を変更してから、その結果を保存することもできます。
注意: 勘定調整を確実に行うには、請求書に対する収益修正すべてを、その請求書の関連クレジット・メモに対しても行う必要があります。
「収益会計および販売実績」ウィンドウにナビゲートし、問合せ基準を入力します。
「販売実績の管理」ボタンを選択します。
行う修正のタイプを選択して「次」をクリックします。
販売実績の振替
非収益販売実績の追加
この処理に対して「営業担当:自」および「営業担当:至」を指定します。
修正する営業担当および販売実績タイプを選択します。
Oracle Receivablesでは、指定する営業担当者ごとに営業グループをデフォルト設定します(グループがある場合)。このデフォルトは変更できます。
特定の品目、品目カテゴリまたは明細番号を選択して、修正する明細を絞り込みます。
警告: 自動会計で標準明細から会計セグメントを導出するように設定する場合、取引明細は在庫品目または標準メモ明細のどちらかである必要があります。そうしないと、自動会計では有効なGL勘定科目コードの組合せを作成できません。
部分修正の場合は、金額またはパーセントのどちらかを選択します。関連項目: 販売実績の修正
「事由」フィールドで、値リストからこの修正の事由コードを選択します。
オプションで「GL記帳日」を変更して、この修正へのコメントを追加します。
「GL記帳日」を更新すると、次の場合に、「取引」ワークベンチで入力した当初基準開始日が無視され、収益認識の開始日として入力したGL記帳日が使用されます。
取引明細に会計基準が存在しない
会計基準が単一期間に対するものである
取引明細に遅延会計基準が存在する
複数期間の会計基準が存在して遅延されない場合、「GL記帳日」は無視され、「取引」ワークベンチで入力した基準開始日に基づいて取引の当初の収益認識予定が使用されます。
関連項目: 『Oracle Receivablesインプリメンテーション・ガイド』の遅延会計基準に関する項
修正の実行後、処理結果ウィンドウで修正内容を確認します。修正したGL配分を変更してから、その結果を保存することもできます。
「収益会計および販売実績」ウィンドウにナビゲートし、問合せ基準を入力します。
「収益の管理」ボタンを選択します。
「偶発収益の変更」を選択します。
オプションで営業担当を選択し、その特定の営業担当の実績である収益の一部に収益修正を制限します。
特定の品目、品目カテゴリまたは明細番号を選択して、修正する明細を絞り込みます。
警告: 自動会計で標準明細から会計セグメントを導出するように設定する場合、取引明細は在庫品目または標準メモ明細のどちらかである必要があります。そうしないと、自動会計では有効なGL勘定科目コードの組合せを作成できません。
偶発を修正する取引明細を選択します。次に、「偶発明細収益」リージョンで、次に示す偶発の失効日属性を修正します。
日数(イベント属性に追加される日数)
予定失効日
ヒント: 偶発を失効させるには、失効日を今日の日付に設定します。
注意: Oracle Order Managementからの親子関係が存在する場合は、親明細の偶発のみを管理できます。子明細は親明細から偶発を継承します。
「収益会計および販売実績」ウィンドウにナビゲートし、問合せ基準を入力します。
「収益の管理」ボタンを選択します。
「引受の記録」オプションを選択して「次」をクリックします。
特定の品目、品目カテゴリまたは明細番号を選択して、引受対象の明細(複数可)を指定します。
早期引受が記録される明細が次のウィンドウに表示されます。
「次」をクリックして、選択した明細を引き受けます。
「結果」ウィンドウで結果を検討します。
関連項目
収益管理エンジンは、手動入力された、または自動インボイスを経由してインポートされた請求書の収益認識のタイミングを自動化します。イベント基準の収益管理を使用する場合、Oracle Receivablesではこれらの請求書を評価し、即時に収益を認識するか、一時的に収益を前受収益勘定に繰り延べるかを決定します。
収益はその後、顧客受入や支払の入金などの特定のイベントに応じて認識されます。
自動化された処理は次のように実行されます。
Oracle Receivablesが、手動での入力またはインポート時に請求書を評価します。
収益の認識または繰延のために請求書を最初に評価するとき、Oracle Receivablesは取引明細を確認し、偶発収益が存在するかどうかを調べます。
フィーダ・システムからインポートされた時点、または「取引」ワークベンチで手動入力された時点で、デフォルトの偶発が請求書に割り当てられます。企業の収益ポリシーに対する違反があった場合や、関連する受注または契約に特定の条件が存在する場合、Oracle Receivablesはデフォルトの偶発を割り当てます。
収益を繰り延べる必要がある場合、収益管理エンジンは繰延を行い、繰延の理由を記録します。
Oracle Receivablesはその後、偶発を削除して収益認識をトリガーできるイベントを待機します。偶発収益アナライザは、偶発が失効するか削除されるまで偶発を監視します。そのようなイベントが発生すると、偶発収益アナライザは請求書に対して、前受収益の適切な金額を自動的に認識できます。
特に、収益は最初に割り当てられた会計基準および基準開始日に従って予定されます。会計基準のない請求書明細については、収益日付は最新の偶発削除日付に設定されます。
関連項目: イベント基準の収益管理のための請求書評価
この自動化された収益管理処理を使用することによって、US GAAPおよび国際会計基準で義務づけられた厳密な収益認識要件に準拠できます。
注意: この自動収益認識処理が使用可能な場合でも、「収益会計管理(RAM)」ウィザードを使用して、いつでも手動で収益を修正できます。関連項目: 収益会計および回収可能性分析対象の請求書の変更
ただし、収益を手動で修正した時点で、偶発の自動監視は中止されます。
前提条件
「システム・オプション」ウィンドウの「その他」タブ・リージョンにある「営業担当必須」システム・オプションを選択します。関連項目: 『Oracle Receivablesインプリメンテーション・ガイド』のその他のシステム・オプションに関する項
(オプション)「収益ポリシー」ページで、次のいずれかのフィールドに入力します。
支払条件しきい値
標準払戻ポリシー
「与信分類」リージョン
関連項目: 『Oracle Receivablesインプリメンテーション・ガイド』の収益ポリシーの定義に関する項
(オプション)自動インボイスによる請求書インポートまたはInvoice APIによる請求書作成の前に、偶発収益IDを請求明細に割り当てることによって、偶発情報をOracle Receivablesに転送します。
関連項目: 『Oracle Receivables Reference Guide』の自動インボイス表と列の摘要に関する項
注意: 親と子の請求書明細をOracle Order Managementからインポートするとき、自動インボイスによって自動的に、すべての偶発が親明細から子明細にコピーされます。親と子の例には、購入済品目とその関連サービス(延長保証など)があります。
(オプション)独自の偶発収益と、対応する偶発削除イベントを定義します。
関連項目: 『Oracle Receivablesインプリメンテーション・ガイド』の偶発収益の定義に関する項
(オプション)偶発を請求書に自動的に割り当てるための偶発デフォルト基準を定義します。
関連項目: 『Oracle Receivablesインプリメンテーション・ガイド』の偶発の割当に関する項
注意: この機能はOracle Projectsの請求書には使用できません。これは、Oracle Projectsの収益が、Oracle Receivablesではなく一般会計に直接記録されるためです。
関連項目
収益管理エンジンは、手動で入力およびインポートした請求書について、回収可能性を自動的に分析してから収益認識の決定を下す処理を制御します。
この処理は、次の場合に自動的に有効化されます。
収益ポリシーが定義されている、または
請求書明細が偶発と関連付けられている
収益管理エンジンは、実現収益勘定または前受収益勘定に収益を最初に配分するかどうかを決定します。
この決定の後、自動会計では、自動インボイス(基準のない請求書の場合)または収益認識プログラム(基準付き請求書の場合)を使用して実際の会計配分が作成されます。
注意: または、自動インボイスのインタフェース表を経由してOracle Receivablesに会計配分を渡すには、「自動会計の上書」フラグを設定し、「即時」会計基準を各請求明細に割り当てます。関連項目: 『Oracle Receivables Reference Guide』の自動インボイス表と列の摘要に関する項
収益管理エンジンは、遅延会計基準が割り当てられた請求書の回収可能性を分析しません。遅延会計基準が割り当てられた請求書の収益を認識するには、「収益会計管理(RAM)」ウィザードを使用してください。関連項目: 収益会計
注意: 収益認識のタイミングは、税金、運送費および延滞手数料の認識のタイミングには影響を与えません。税金、運送費および延滞手数料の認識は、売掛/未収金が作成されると実行されます。
ヒント: 「取引」ワークベンチで請求書を問い合せると、請求書の会計配分をいつでも検討できます。
関連項目: 会計情報の検討
収益管理エンジンは、収益認識のために請求書を評価するとき、既存の収益偶発をすべて考慮します。
請求書にそのような偶発がない場合、収益管理エンジンは、即時に収益を認識(基準のない請求書の場合)するか、または当初割り当てられた会計基準に従って収益を認識(基準付き請求書の場合)します。
請求書に1つ以上の偶発がある場合、収益管理エンジンはただちに収益を繰り延べます。
収益繰延の程度と後続の収益認識のタイミングは、偶発の種類によって異なります。
時間基準の偶発については、偶発が失効してからでないと偶発の削除および収益認識ができません。
関連項目: 偶発収益アナライザによる偶発の監視
一部の偶発については、偶発の削除および収益の認識が可能になる前に支払が必要です。
関連項目: 支払基準の収益管理
偶発の削除および収益の認識が可能になる前に、請求後顧客受入条項が失効する(暗黙的受入)か、「RAM」ウィザード(明示的受入)またはOracle Order Managementで手動で受入を行う必要があります。
関連項目: 「収益会計管理(RAM)」ウィザードの使用方法
請求前顧客受入条項については、請求のためにOracle Receivablesにインポートする前に、フィーダ・システムに顧客受入を記録するか、またはその条項が失効する必要があります。偶発を削除できる、また請求のために受注をOracle Receivablesにインポートできるようになる前に、顧客受入またはその失効が発生する必要があります。
関連項目: 『Oracle Order Managementユーザーズ・ガイド』の顧客受入に関する項
配送偶発については、偶発の削除および収益の認識が可能になる前に、配送証明が必要です。
次の表は、Oracle Receivablesが提供する各偶発と、それぞれに対応する削除イベントを示しています。
偶発名 | 偶発削除イベント |
---|---|
取消 | 偶発の失効日または失効期間 |
顧客信用価値 | 入金消込 |
搬送 | 配送証明 |
不良回収の可能性 次のような条件により発生
| 入金消込 |
明示的受入 | 顧客受入 |
拡張支払条件 | 入金消込 |
財務資金調達条項 | 偶発の失効日または失効期間 |
喪失 | 偶発の失効日または失効期間 |
不良債権 | 入金消込 |
導入 | 顧客受入 |
リース不良回収の可能性 次のような条件により発生
| 入金消込 |
請求前受入 | 請求 |
払戻 | 偶発の失効日または失効期間 |
注意: 独自の偶発や、偶発割当のデフォルト設定基準を定義できます。関連項目: 『Oracle Receivablesインプリメンテーション・ガイド』の偶発収益の定義に関する項
関連項目
偶発収益の中には、回収可能性を不確定にするものがあります。そのような取引に関しては、支払を受け入れるまでは収益を認識すべきではありません。Oracle Receivablesは、支払基準の収益管理によってこの処理を自動化します。
関連項目: 支払基準の収益管理での偶発の扱い
特定の偶発収益が請求書に見つかった場合、次の処理が行われます。
収益管理エンジンはまず、税金、運送費および延滞手数料を除くすべての残高明細の合計に関して収益を繰り延べます。
注意: 特定の請求書明細の回収可能性が不確定な場合、Oracle Receivablesは請求書全体ではなくその明細のみに関して収益を繰り延べます。関連項目: 不良回収の可能性
現金入金を回収可能性分析対象の請求書に消し込む場合、Oracle Receivablesでは、請求書を分析して、繰延収益が存在するかどうかを判断します。
特定の状況では、インポートされた請求書に対する入金の完全または一部消込によって、以前の繰延収益が自動的に認識されます。このような場合、Oracle Receivablesでは、消し込まれた入金の金額で、前受収益勘定から該当する実現収益勘定への収益配分が開始されます。
Oracle Receivablesでは、入金消込に基づいて収益認識を行います。したがって、認識される収益合計金額は、請求書明細上の当初未払金額または消込可能なクレジット・メモを超えることはできません。
消込後に入金の戻し処理が必要になった場合、Oracle Receivablesでは、戻し処理済入金の金額が前受収益勘定に自動的に戻されます。関連項目: 回収可能性分析対象の請求書の変更
注意: 入金を基準付き請求書に消し込むときに収益認識を実行していない場合は、その請求書に対してのみ収益認識が自動的に実行されます。
関連項目: イベント基準の収益管理のための請求書評価
支払基準の収益管理は、次のような偶発収益が理由で、請求書に繰延収益が存在するときに発生します。
信用価値
「収益ポリシー」ページで、信用価値がないことを示す与信分類を3つまで選択できます。関連項目: 『Oracle Receivablesインプリメンテーション・ガイド』の収益ポリシーの定義に関する項
Oracle Receivablesでは、「与信管理」からの情報を使用して顧客の信用価値を決定します。
収益管理エンジンで請求書の顧客をこの3つの与信分類のいずれかにも関連付けることができない場合、その顧客は与信可能であるとみなされます。
ただし、次の3つの与信分類のどれかに顧客を関連付けることができる場合、Oracle Receivablesは信用価値の偶発をすべての請求書明細に割り当て、収益管理エンジンは請求書金額全体を繰り延べます。
拡張支払条件
「収益ポリシー」ページで、支払条件しきい値を定義できます。関連項目: 『Oracle Receivablesインプリメンテーション・ガイド』の収益ポリシーの定義に関する項
請求書の支払条件が定義されたしきい値を超える場合、Oracle Receivablesは「拡張支払条件」の偶発をすべての請求書明細に割り当て、収益管理エンジンは請求書金額全体を繰り延べます。
次の明細品目の回収可能性は一般に不確定であり、支払を受け入れるまでは実現収益とみなすべきではありません。
延滞手数料
不良債権
エバーグリーン・リース基本契約のリース支払
その他のリース料金
その他の料金
不良回収の可能性についての決定は一般に、自動インボイスによるインポートが発生する前に、フィーダ・システムで行われます。
重要: この偶発を伴う請求書明細が入力またはインポートされる場合、収益管理エンジンは、請求書金額全体ではなくインポートされる明細のみに関して収益を繰り延べます。
これまでに示した偶発と、時間基準の偶発の組合せが原因で、繰延収益が請求書に存在する可能性があります。そのような場合、時間基準の偶発が失効した場合にのみ、消込支払が収益認識を開始します。
関連項目: 複数の偶発が存在する場合のイベント基準の収益管理
次の場合、入金消込は収益認識に影響を与えません。
入金がその他入金である場合。収益認識の対象となるのは標準(現金)入金のみです。
「収益会計」機能によって、「RAM」ウィザードを使用して手動繰延された収益がある請求書に対して入金消込を行う場合。
時間基準の偶発が失効していないために、収益管理エンジンによって繰り延べられた収益がある請求書に対して入金消込を行う場合。
この場合、該当する請求書明細の収益金額は前受収益勘定で保守されます。ただし、その偶発が失効するまで、収益認識保留中のフラグが立てられます。
関連項目
一部入金を消し込むと、Oracle Receivablesでは、加重平均算式を使用して、明細ごとに認識する収益金額が計算されます。
たとえば、明細が3つある$350の請求書をインポートするとします。
この請求書をインポートすると、収益管理エンジンでは、この請求書上の全収益を繰り延べます。これは、顧客が与信可能でないためです。
その後、この請求書に対して$100の入金を消し込むとします。顧客が与信可能でないため、Oracle Receivablesが収益を認識できるのは、消込済入金についてのみです。また、これは一部入金であるため、各請求書明細に属する収益額を計算する必要があります。
Oracle Receivablesでは、各明細の収益が次のように計算されます。
明細1 = $50
($50/$350) * $100 = $14.28571
この金額は$14.28に端数処理されます。
明細2 = $100
((($100+$50)/$350) * $100) - $14.28 = $28.5771
この金額は$28.57に端数処理されます。
明細3 = $200
((($200+$100+$50)/$350) * $100) - ($14.28 + $28.57) = $57.15
最後の金額は、前の2つの明細の端数処理結果を計算に入れて端数処理されます。
この請求書に対して追加の入金があった場合は、これと同じ方法で各明細の収益が計算されます。
ヒント: 入金の消込は明細レベルでも行うことができます。関連項目: 入金消込の詳細
入金消込に基づいて認識される収益は、請求書明細上の当初未払金額または消込可能なクレジット・メモを超えることはできません。したがって、請求書の取引タイプに対して「超過消込の許可」チェック・ボックスを選択している場合でも、超過支払は収益として認識されません。
次の例は、イベント基準の収益管理プロセスでの入金消込の影響を示します。
$200の支払を請求書1001に対して消し込みます。
Oracle Receivablesでは、当初請求書1001を検討した後、この取引は自動収益認識に適格な取引でないと判断します。これは、次の理由に基づきます。
請求書は自動インボイス経由でインポートされたものでも、Invoice APIによって作成されたものでもない
遅延会計基準が請求書に割り当てられている
イベント基準の収益管理が請求書に対して有効化されなかった
「システム・オプション」ウィンドウで入金ポリシーが入力されなかったか、インポート中に偶発が請求書に存在しなかった
この場合、この入金の分析は続行されません。支払が請求書1001に消し込まれても、収益認識はトリガーされません。
$600の支払を請求書2002に対して消し込みます。この請求書の未払金額は$600です。
Oracle Receivablesでは、当初請求書2002を検討し、顧客が与信可能でないため、収益管理エンジンによってこの請求書の収益が繰り延べられたことを判断します。
支払が入金され、請求書に対して消し込まれているため、Oracle Receivablesでは、当初割り当てられた会計基準に従って、前受収益勘定の$600を貸方記入し、$600を実現収益勘定に借方記入します。
$400の支払を請求書3003に対して消し込みます。この請求書には明細が5つあります。明細1は$200、明細2は$450、明細3は$100、明細4は$700、明細5は$550です。
Oracle Receivablesでは、当初請求書3003を検討し、この請求書には拡張支払条件が割り当てられていて、明細3が非標準払戻ポリシーに、明細5が取消規定に関連付けられているため、収益管理エンジンによってこの請求書の収益が繰り延べられたことを判断します。
$400の入金は一部支払です。Oracle Receivablesでは、加重平均算式に基づいて、この支払を請求書明細全体に按分します。ただし、説明を簡略化するために、各請求書明細に対して$80ずつ消し込まれたとします。
明細1、2および4の収益金額はそれぞれ$80と認識されます。
明細3と5の収益は、時間基準偶発が失効していないため認識できません。ただし、明細3と明細5の$80の支払には、後日まで収益認識を保留する金額としてフラグが立てられます。
後で偶発が失効した時点で、明細3と5の収益はそれぞれ$80の金額で認識されます。関連項目: 偶発収益アナライザによる偶発の監視
この請求書に対して追加の入金を消し込んだ場合は、これと同じ方法で分析されます。
収益管理エンジンは、時間基準の偶発と関連付けられた任意の請求書明細については、ただちに収益を繰り延べます。Oracle Receivablesは偶発収益アナライザを使用して、偶発が失効するまで監視します。
偶発が失効すると、偶発収益アナライザは、関連する請求書明細について自動的に収益認識を開始します。
注意: 偶発期間の失効後、請求書全体の回収可能性を不確定にする他の偶発がまだ存在する場合、偶発収益アナライザは収益認識を開始しません。この場合、Oracle Receivablesは消込済入金の金額でのみ収益を認識できます。関連項目: 支払基準の収益管理
偶発収益アナライザはコンカレント・プログラムです。したがって、プログラムの実行頻度を制御する発行計画を定義できます。たとえば、プログラムを特定の間隔で繰返し実行したり、週または月の特定の日に実行するように計画を定義できます。
注意: 「会計の作成」プログラムを実行するたびに、Oracle Receivablesでは、まず偶発収益アナライザが実行されます。
時間基準の偶発には、次のものが含まれます。
非標準払戻ポリシー
標準払戻期間は「収益ポリシー」ページで定義します。関連項目: 『Oracle Receivablesインプリメンテーション・ガイド』の収益ポリシーの定義に関する項
請求書明細に偶発払戻が見つかった場合、請求書明細の金額は繰り延べられます。
財務資金調達条項
請求書明細に偶発財務資金調達条項が見つかった場合、請求書明細の金額は繰り延べられます。
取消規定
請求書明細に偶発取消が見つかった場合、請求書明細の金額は繰り延べられます。
喪失引当金
請求書明細に偶発喪失が見つかった場合、請求書明細の金額は繰り延べられます。
引受条項
請求書明細に偶発引受が見つかった場合、請求書明細の金額は繰り延べられます。
引受条項は例外となる場合があります。たとえば、引受期間が失効する前に、顧客が書面による引受を送付する場合があります。このような場合は、「収益会計管理(RAM)」ウィザードを使用してこの早期引受を記録します。記録後、Oracle Receivablesでは、請求書明細に対して収益認識を開始できるかどうかを次のように判断します。
複数の請求書明細に複数の偶発が存在する場合、請求書の異なる明細に対して収益認識が複数回発生する可能性があります。1つの請求書明細に複数の偶発が存在する場合、その明細の収益認識は、最も新しい偶発が失効した後で初めて発生します。
請求書明細に未失効の偶発が残っていない場合、Oracle Receivablesでは当初割り当てられた会計基準に従って、収益認識を開始します。
請求書明細に他の未失効の偶発が残っている場合、Oracle Receivablesではその請求書明細に対して収益認識を開始しません。
たとえば、与信可能な顧客の請求書を入力またはインポートし、請求書明細の1つを非標準払戻ポリシー(50日)と引受条項(120日)の両方に関連付けるとします。Oracle Receivablesでは、120日後に引受条項が失効するまで、この請求書明細の収益を認識しません。
80日経過した後に顧客から書面による引受を受領した場合は、「収益会計管理(RAM)」ウィザードを使用して早期引受を記録します。他の偶発が存在しないため、この早期引受によって収益認識をトリガーします。この早期引受を入力したGL記帳日が、この請求書明細の収益認識日になることに注意してください。
時間基準の偶発と、収益認識が可能になる前に支払が必要な偶発の両方が、1つの請求書に含まれる場合があります。この場合、請求書の異なる明細に対して異なる時点で収益認識が発生します。
入金消込時に、次の処理が発生します。
Oracle Receivablesは、収益認識を開始するために支払のみが必要な明細について収益を認識します。
1つ以上の未失効偶発に関連付けられている明細の場合、該当する請求書明細の収益金額は前受収益勘定で保守されます。ただし、その偶発が失効するまで、収益認識保留中のフラグが立てられます。
たとえば、与信可能でない顧客の請求書を入力またはインポートするとします。また、請求書の明細2は、非標準払戻ポリシー(80日)に関連付けられています。
収益管理エンジンは最初に請求金額を全額、前受収益勘定に繰り延べます。
明細2を除く全明細に対して、収益管理エンジンは、当初割り当てられた会計基準に従って、消込済入金の金額でのみ収益を認識します。
明細2に対して、収益管理エンジンは消込済入金額に収益認識保留としてフラグを立てます。偶発の失効後、すでに明細2に消し込まれた入金の全額が実現収益として認識されます。
81日目から、明細2に対して消し込まれた追加入金の全額は、即時に収益として認識されます。
次の例では、偶発収益アナライザを30日ごとに実行します。
6つの明細がある顧客請求書を入力します。明細2と3は財務資金調達条項(60日)に関連付けられ、明細5は取消規定(90日)に関連付けられています。
明細1、4および6は、即時にまたは請求書に当初割り当てられた会計基準に従って、収益を完全に認識できます。
60日後、偶発収益アナライザが実行され、明細2と3の会計支出条項が失効したことが確認されます。偶発収益アナライザは、明細2と3の全額に対して収益認識を開始します。
さらに30日後、偶発収益アナライザが実行され、明細5の取消規定が失効したことが確認されます。偶発収益アナライザは、明細5の全額に対して収益認識を開始します。
2つの明細がある顧客請求書をインポートします。明細1は$150で、明細2は$1,000です。明細2は引受条項(60日)と取消規定(150日)に関連付けられています。さらに、顧客には、この請求書に対する拡張支払条件が付与されています。
偶発が存在するため、収益管理エンジンはこの請求書のどの明細についても収益を認識できません。
30日後、偶発収益アナライザが実行されますが、この請求書のどの明細についても収益認識を開始しません。
さらに15日経過後、この請求書に対して$500の入金を消し込みます。
$500の入金は一部支払です。Oracle Receivablesは、加重平均算式に基づいて、この支払を請求書明細全体に按分します。
明細1の収益金額は$65.21と認識されます。
明細2の収益は、引受条項と取消規定があるため認識できません。したがって、明細2の$434.79には、収益認識を保留する金額としてフラグが立てられます。
さらに15日が経過すると、取引日から60日が経過したことになります。偶発収益アナライザは61日目に実行され、明細2の60日間の引受条項が失効したことを確認します。ただし、取消規定があるため、保留中の$434.79は認識できません。
取引日から75日後、この請求書に対して$650の入金を消し込みます。
明細1の残りの収益$84.79が認識され、明細2の$565.21には、収益認識を保留する金額としてフラグが立てられます。これで、明細2に対する収益認識保留中の合計金額は$1,000になります。
151日目に偶発収益アナライザが再度実行され、明細2の収益$1,000がすべて認識されます。
関連項目
『Oracle Applicationsユーザーズ・ガイド』の「要求の発行」
回収可能性分析対象の請求書または請求書明細を変更できます。請求書に対して次の変更を行うことができます。
「収益会計管理(RAM)」ウィザードを使用した収益の手動修正
請求書の修正
「取引」ワークベンチでの配分または販売実績の変更
請求書のクレジット
請求書を未完了に変更
入金の戻し処理
ただし、回収可能性分析の下で請求書を変更するときは、次のことに注意する必要があります。
「RAM」ウィザードを使用すると、回収可能性分析対象の請求書または請求書明細の収益を手動で修正できます。
請求書または請求書明細の収益を前受収益勘定から実現収益勘定(またはその逆)に移動すると、その請求書または請求書明細は回収可能性分析から削除されます。これによって、その請求書は自動収益認識の対象外になります。
注意: 「RAM」ウィザードで実行した販売実績の修正は、回収可能性分析には影響しません。これは、「RAM」ウィザードを使用して修正できるのは、すでに計画済の収益に対する販売実績のみであるためです。
回収可能性分析対象の請求書を手動で修正できます。ただし、指定した修正活動のGL勘定科目のソースが「請求書の収益」の場合、その請求書は修正後に回収可能性分析から削除されます。
これは、指定の請求書の収益が前受収益の場合、Oracle Receivablesで収益修正APIが呼び出されるためです。収益修正APIでは自動会計を使用して予期される収益会計配分勘定科目と金額を導出するため、イベント基準の収益管理処理は上書きされます。
Oracle Receivablesで自動収益認識のために請求書を監視し続ける場合は、常にクレジット・メモを使用して回収可能性分析対象の請求書を修正してください。
回収可能性分析対象の請求書の会計配分および販売実績を手動で変更できます。「配分」ウィンドウまたは「販売実績」ウィンドウのいずれかで変更を行うと、次の場合に、その請求書は回収可能性分析から削除されます。
「配分」ウィンドウで、収益勘定または不明な勘定への既存の会計配分を変更した場合
「販売実績」ウィンドウで販売実績を変更し、自動会計を再実行した場合
警告: 以前に「RAM」ウィザードを使用して取引の収益を修正している場合、取引の販売実績は、「取引」ワークベンチではなく、常に「RAM」ウィザードを使用して修正する必要があります。関連項目: 収益実績の入力
インポート時に収益が自動的に繰り延べられた請求書に対してクレジット・メモを発行する場合、収益繰延の当初の事由に応じてクレジット・メモの影響は異なります。これは、「AR: クレジット・メモ用に請求書会計を使用」プロファイル・オプションを「Yes」に設定している場合のみ該当します。
たとえば、1つ以上の偶発が存在するために当初は収益が繰り延べられ、その後収益の一部が認識された請求書に対して、クレジット・メモを消し込むとします。この場合、この請求書の収益の一部は前受収益勘定のままです。
支払基準の偶発が満たされていないためにこの請求書の収益が繰り延べられている場合は、当初割り当てられた会計基準に従って、常にクレジット・メモの全額について前受収益勘定が借方記入されます。
注意: これは、標準の機能とは異なります。イベント基準の収益管理の評価対象でない通常の請求書をクレジットすると、請求書の実現収益金額と前受収益金額の間でクレジット・メモの金額が按分されます。
クレジット・メモの金額が請求書の前受収益の金額を超え、クレジット・メモの取引タイプに対して「超過消込の許可」チェック・ボックスを選択している場合は、超過金額が前受収益勘定への借方として記録されます。必要に応じて、「RAM」ウィザードを使用して請求書のマイナスの前受収益を決済できます。
時間基準の偶発が失効していないためにこの請求書の収益が繰り延べられている場合は、常に請求書の実現収益と前受収益金額の間でクレジット・メモの金額が按分されます。明細に複数期間の会計基準が存在する場合は、先日付期間にもクレジット・メモの金額が按分されます。
関連項目: 回収可能性分析対象の請求書に対するクレジット・メモ
「RAM」ウィザードを使用して収益がすでに手動で修正されている請求書に対してクレジット・メモを消し込む場合は、標準的なクレジット・メモ機能が実行されます。当初は回収可能性および引受について分析された請求書の場合でも、請求書の実現収益金額と前受収益金額の間でクレジット・メモの金額が按分されます。
その場合、請求書の実現収益と前受収益が期間ごとに適切に指定されていることを確認する必要があります。必要に応じて、「RAM」ウィザードを使用して修正を加えてください。
「取引」ワークベンチでは、当初に回収可能性および引受分析が失敗した請求書は未完了に変更できず、その請求書は引き続きイベント基準の収益管理の分析対象になります。
インポート時に収益が自動的に繰り延べられ、その後入金の戻し処理を行った請求書に対して入金を消し込む場合、入金戻し処理による影響は収益繰延の当初の事由に応じて異なります。
支払基準の偶発が満たされていないために請求書の収益が繰り延べられている場合、Oracle Receivablesでは、請求書に対して入金を消し込むたびに収益認識を開始します。以前に消し込まれた入金を戻すと、以前の実現収益が自動的に前受収益に変更されます。
請求書明細に対して入金を消し込むとき、時間基準の偶発が失効していないためにOracle Receivablesでその明細の収益を認識できない場合があります。この場合、入金金額は前受収益として残されますが、後日まで収益認識を保留する金額としてフラグが立てられます。
後で入金の戻し処理を行う場合、Oracle Receivablesでは、入金金額からその保留フラグが削除されることで入金戻し処理が反映されます。
時間基準の偶発が失効していないという理由のみで請求書の収益が繰り延べられている場合、入金戻し処理による収益認識の金額やタイミングへの影響はありません。
3つの明細がある顧客請求書をインポートします。全明細が非標準払戻ポリシー(90日)に関連付けられています。この場合は、90日の払戻ポリシーが失効した時点で収益が認識されます。この請求書に対して入金を消し込み、後で入金の戻し処理を行っても、収益認識のタイミングや金額には影響しません。
2つの明細がある顧客請求書をインポートします。明細1は$226で、明細2は$350です。明細2は取消規定(120日)に関連付けられています。さらに、収益管理エンジンにより、顧客が与信可能でないことが判明しています。
この請求書に対して$126の入金を消し込みます。説明を簡略化するため、各明細に対して$63ずつ消し込まれたとします。
明細1の収益金額は$63と認識されます。
明細2の収益は、取消規定があるため認識できません。したがって、明細2の$63には、収益認識を保留する金額としてフラグが立てられます。
数日後、この入金の戻し処理を行います。
以前に実現収益に変更された明細1の収益$63は自動的に前受収益に戻されます。
明細2の$63に割り当てられた保留フラグが削除されます。
この入金戻し処理の後、請求書の全額が前受収益勘定になります。
関連項目