Oracle iProcurementインプリメンテーションおよび管理ガイド リリース12 E05614-01 | ![]() 目次 | ![]() 前へ | ![]() 次へ |
Oracle iProcurementを使用して、企業内の依頼者はローカル(内部)カタログまたはリモート(外部)カタログから自分で品目を発注できます。
Oracle iProcurementはOracle Applicationsの一部で、ビジネスからE-Businessへの変貌を目的として設計されたE-Businessソリューションの統合パッケージです。 iProcurementおよび他のOracle E-Businessパッケージの使用により、企業はビジネス全体の自動化と調達プロセスの合理化がサポートされます。 発注プロセスの最初の段階では、わかりやすいWebショッピング・インタフェースにより、強力なセルフサービス購買依頼機能が提供されます。 Oracle iProcurementは次のことを、効率的かつ自動化された方法でサポートします。
調達-支払ビジネス・フローの主要コンポーネントを構成しています。
企業の購買依頼の処理と管理をサポートします。
要求した商品またはサービスの受入の処理と管理について、企業をサポートします。
調達-支払フロー
Oracle iProcurementの主要機能は次のとおりです。これらの機能により、依頼者は調達プロセスを合理化された効率的なプロセスに変換できます。
カタログ機能の詳細は、「Procurementカタログについて」を参照してください。
Oracle iProcurementは、カタログおよびコンテンツの管理に対して柔軟な解決策を提供します。ユーザーは自身のビジネス・モデルに基づいて、複数のアプローチから選択できます。
カタログ・バルク・ローダーを使用して、Oracle iProcurementカタログにカタログを直接読み込みます。カタログ・バルク・ローダーでは、XML形式、標準テキスト形式、カタログ交換形式(CIF)およびcXML形式のカタログがサポートされます。カタログ・バルク・ローダーを使用すると、新規カタログの読込み、既存のカタログの更新およびカタログ・コンテンツの削除ができます。Oracle iProcurementでは、複数の言語および通貨で作成されたカタログがサポートされます。これにより、依頼者はそれぞれの言語や通貨を使用して操作できます。
exchange.oracle.comなどのOracle Exchange marketplace、または仕入先のWebストアーへのパンチアウトを実行して、それぞれのカタログにアクセスします。このパンチアウトは、ストアーへの直接的なリンクでもかまいません。その場合、依頼者は品目を検索して購入し、Oracle iProcurementに戻します。また、仕入先とともに、バックグラウンドで機能する透過パンチアウトを設定することもできます。その場合、一致する品目は外部サイトから依頼者の検索結果に直接戻されます。
自社で他の品目やサービスを発注するための指示またはリンクを含んだ情報カタログを使用します。情報カタログを使用すると、Oracle iProcurementを自社の全発注用のポータルとして使用できます。
前述したアプローチのいずれかまたはすべてを使用してカタログ・コンテンツを作成できます。
ストアーは、依頼者が多様なカタログ・タイプおよびソースから選択して購入できるようにする手段です。ストアーは、カタログ構成のオプション部分です。「ショッピング」を参照してください。
Oracle iProcurementカタログには、カテゴリと記述子を作成するためのアップロード機能とオンライン機能があります。
コンテンツ・セキュリティを使用して、依頼者がアクセス可能なカタログ・コンテンツを制御できます。特定の営業単位の依頼者にのみ表示されるように、ストアーを構成することもできます。
Oracle iProcurementには、品目のイメージ表示用に複数のオプションが用意されています。 たとえば、イメージをアップロードまたは参照できます。 また、検索結果で品目の横に表示されるサムネイル・イメージを提供することもできます。(小型に書式設定された個別イメージを使用するか、プロファイル・オプションを使用して大きい品目イメージから自動的にサイズ設定できます。)
Oracle iProcurementは、トップ・コンシューマWebサイトが使用している、Webショッピングで広く利用されているモデルを利用しています。 この実証済のアプローチにより、初めての慣れないユーザーでも希望の品目およびサービスを検索(ショッピング)し、購買依頼を作成(精算)できます。また、購買経験のある依頼者に対しては、購買依頼の作成時の管理および柔軟性が改善されました。
次のイメージは「ショップ」ホーム・ページを示しています。依頼者は、このページに検索条件を入力して特定のストアーにあるカタログをすべて検索し、最新の購買依頼と通知を表示できます。 詳細は、Oracle iProcurementヘルプを参照してください。
Oracle iProcurementは、ストアーの概念を使用しています。ストアーを使用すると、組織はコンテンツ領域のわかりやすいコレクションを定義できます。 ストアーは、ローカル・カタログ、パンチアウト・カタログ、情報カタログおよび透過パンチアウト・カタログの任意の組合せを含むように構成できます。
ほとんどの組織では、コンテンツへのアクセスをロール別に制限することがきわめて重要です。 管理者はコンテンツ・セキュリティを使用して、様々なグループの依頼者が使用可能なカタログとストアーを制御できます。
Oracle iProcurementの検索機能により、様々な品目をブラウズするカジュアルな依頼者から、特定の製品を検索する目的あるユーザーまで、あらゆるレベルの依頼者がサポートされます。 Oracle iProcurementの依頼者は、自身の言語で摘要をテキスト入力してカタログを検索し、希望の品目やサービスを見つけます。 依頼者が分類フォーマットやカタログ階層の詳細を知る必要はなく、かわりに品目摘要の一部や部品番号から、仕入先名または色やサイズといった特定の製品属性などの検索基準を入力します。 検索にはOracle interMediaのテクノロジが使用され、一致した品目のリストが戻されます。 比較、ソート、フィルタおよび拡張検索などの付加的検索機能を使用することで、依頼者は検索対象を限定できます。
検索を実行するかわりに、カタログ内のカテゴリ階層をブラウズして品目およびサービスを見つける方法もあります。この方法は、依頼者が品目の分類に慣れている場合には特に有効です。
検索の詳細は、「付録: 検索エンジンの論理」を参照してください。
標準検索では、すべての検索可能記述子で、入力したすべての検索キーワードと一致するレコードが検索されます。
標準検索を実行しても一致が見つからない場合、依頼者は拡張(expanded)検索を使用してより適切な一致を検索できます。
拡張検索では、依頼者は品目摘要、仕入先、製造業者または価格など、特定の品目記述子で検索できます。 依頼者は、「少なくとも1つの語が一致」または「フレーズの完全一致」などの拡張検索演算子を使用して、特定の摘要、製造業者および価格またはその他の組合せと一致する品目を検索できます。
依頼者は、ショッピング・リストを使用して頻繁にオーダーする品目にアクセスできます。
依頼者は、最もオーダー頻度の高い品目について個人用の「お気に入り」リストを作成できます。
Oracle Purchasingを使用する専任の購買担当は、購買依頼テンプレートを使用して、複数の依頼者がアクセスできる公開リストを作成できます。
依頼者は進行中のショッピング・カートを数の制限なく保存できます。これにより選択済の品目を保存し、後に返品したり、さらに品目を追加したうえで精算できます。
カタログまたはショッピング・リストで検索できない品目およびサービスについては、依頼者がカタログ外依頼を作成することにより依頼できます。カタログ管理を使用すると、カタログ外依頼テンプレート(スマート・フォーム)を作成できます。 この種のテンプレートを使用すると、依頼者が入力するカタログ外依頼フィールドを依頼者のストアーまたは営業単位に応じて制御できます。詳細は、「スマート・フォーム」を参照してください。
Oracle Services Procurementを実装している場合、依頼者はカタログ外依頼を使用して固定価格のサービス購買依頼を作成できます。 詳細は、「Oracle Services Procurement」を参照してください。
Oracle iProcurementでは、自動文書作成プロセスを使用できるように、仕入先レベルで複数の異なる文書タイプがサポートされます。 仕入先購買契約および見積により、標準発注を生成できます。 仕入先包括購買契約により、リリースを作成できます。 すべての文書タイプで、購買担当の介入を必要としない購買文書作成がサポートされます。
Oracle iProcurementでは、グローバル契約およびグローバル包括購買契約に対する購買依頼がサポートされます。 自社の中央調達センターでこれらを作成し、他の組織で使用できます。たとえば、ドイツ営業単位でグローバル包括購買契約が有効になっていれば、ドイツ営業単位にいる依頼者はアイルランドのグローバル包括購買契約に記載された品目を依頼できます。 Oracle Purchasingでグローバル包括購買契約に対する標準発注が生成され、依頼者は品目を受け入れます。
購買担当組織では、商品は外部仕入先または社内の在庫および倉庫保管場所から調達されます。
Oracle iProcurementでは、次のようになります。
外部ソース品目は、購買依頼を使用して要求します。 社内ソース品目は、社内購買依頼を使用して要求します。
社内購買依頼が発注や包括購買リリースなどの購買文書に変換されることはありません。 社内購買依頼は社内受注に変換されます。 社内受注は処理されます。 要求品目の受入がOracle iProcurementで行われます。
精算は、次の基本要素で構成されます。
搬送
請求
連絡事項および添付
承認者
各購買依頼には、希望入手日時、依頼者および事業所が含まれます。 これらの情報は、購買依頼全体について1回入力するか、明細ごとに変更できます。 ほとんどの情報は自動的にデフォルト設定でき、依頼者はこれらの搬送デフォルトをOracle iProcurementの「作業環境」で、または購買依頼時に変更できます。
Oracle iProcurementを使用すると、工場の保管庫へのストックなど、依頼者からの在庫補充要求に対する購買依頼を作成できます。 また、要求品目を費用の宛先に搬送するように指定することもできます。
依頼者が、品目の搬送先として、自宅住所など、データベースに保存されている事務所部門または他の事業所以外の場所を使用するとします。 これは一時所在地であり、依頼者は購買依頼作成処理中に搬送先事業所として指定できます。
Oracle Enterprise Asset Management(EAM)では、組織全体で資産に関連するすべての作業アクティビティとコストを識別、スケジュールおよび追跡します。Oracle iProcurementでの購買依頼によりEAMの作業指示が更新されます。
購買依頼明細の費用勘定は、勘定科目ジェネレータ・ワークフロー・ルールを使用して生成されます。 要求品目の費用を複数の会計コードに分割できるため、単一の購買依頼明細による品目のコストを複数の部門または勘定科目に振り分けることができます。そのため、複数の部門が同じ品目を要求する場合でも、複数の購買依頼明細を作成する必要はありません。
Oracle iProcurementでは、ショッピング・カート明細に調達カード(Pカード)を示すフラグが自動的に設定され、依頼者と仕入先のプロファイルに応じてデフォルトの調達カード番号が設定されます。 次のタイプの調達カードがサポートされます。
従業員調達カード: 会社は、社内の各依頼者が購買に使用する従業員調達カードを個別に保守できます。
仕入先調達カード: 会社は、システム内の仕入先または仕入先サイトごとに1つの仕入先調達カードを保守して、その仕入先または仕入先サイトからの購買すべてを連結できます。
購買依頼が作成されて承認された後、調達カード番号を含む発注が作成され、仕入先に情報が送信されます。調達カード消込プロセスには、調達カードの取引明細書と購買担当のOracle Purchasingアプリケーション内で対応する発注を電子的に消し込む機能が用意されています。
Oracle ProjectsおよびOracle Project Manufacturingとの統合によって、依頼者はオプションで、ショッピング・カート・オーダー明細のプロジェクトおよびタスク情報を参照できます。
Oracle Grantsとの統合によって、依頼者はオプションでショッピング・カート・オーダー明細のプロジェクト、タスクおよび取得情報を参照できます。
予算管理を使用している顧客は、Oracle iProcurementで購買依頼の発行前に予算引当をオンラインで表示できます。要求の費用が予算制限を超える場合は、依頼者が通知を受け取って適切な処理を実行できます。予算は、購買依頼発行プロセス中に自動的に引き当てられます。
該当する場合は、Oracle iProcurementを使用して、課税ステータスや税金コードなどの税金情報を指定できます。この税金情報は、購買文書に記載されます。
精算中に、依頼者は購買担当と承認者への連絡事項を挿入できます。 宛先となった受信者は、後から調達プロセスでこれらの連絡事項を参照できます。
テキスト、URLおよびその他のファイル・タイプを購買依頼に添付することで、追加情報を承認者、購買担当、仕入先および受入担当者に提供できます。 これらの添付は、システムを介して発注、包括購買リリースおよび受入に転送できます。
Oracle iProcurementでは、精算中に購買依頼に添付を追加できます。 添付タイプの例を次に示します。
社内調達: 添付は購買依頼からのみ表示できます。
購買担当へ: 添付情報は、購買依頼から作成された発注に添付されます。
承認者へ: 適切な承認者が添付情報を表示できます。
受入担当へ: 受入者が依頼者ではない場合、受入者は添付情報を参照できます。
仕入先へ: 購買依頼から自動作成された発注を送信するときに、テキストと、イメージ以外のファイルの添付をEDIまたはXMLで仕入先に送信できます。
その他
Oracle Purchasingで設定される承認とワークフローにより、各購買依頼の承認者リストが決定されます。精算時に、依頼者は必要な機能へのアクセスが(機能セキュリティを使用して)許可されているかどうかに応じて、承認者を追加したり承認者リスト内の第1承認者を変更できます。ビジネス・ニーズにあわせてワークフローをカスタマイズすることも可能です。
また、Oracle Approvals Managementを使用して承認者リストを決定することもできます。 Oracle Approvals Managementには、単一のApprovals Management Engine(AME)が用意されており、Oracle iProcurementを含めて複数のOracle Applicationsで使用できます。
購買契約に関連付けられている全品目で、算式ベースの価格設定、値引および追加料金など、Oracle Advanced Pricingの複合価格設定ルールを参照できます。 品目が購買契約に関連付けられていて、拡張価格設定を設定している場合は、精算時の品目価格で価格設定ルールが考慮されます。
依頼者は、購買依頼を作成して発行した後に、Oracle iProcurementを使用して購買依頼のその後の処理を追跡できます。
依頼者は次のことを実行できます。
「購買依頼」タブですべての購買依頼のステータスを表示できます。
購買依頼の詳細検索を実行できます。 依頼者は、購買依頼の作成日、依頼者および発注(または受注)番号など、多数の基準を指定して検索できます。
また、リアルタイムで通知を受け取り、購買依頼に対して実行された処理に関する最新情報を入手できます。 依頼者は、Oracle iProcurementの「通知」ページまたはEメールで通知を表示できます。
依頼者は、次のようにすべての購買依頼管理業務を「購買依頼」タブで実行します。
完了: 保存済カートは「購買依頼」タブで「未完了」購買依頼になります。依頼者は、購買依頼を選択して「完了」をクリックし、精算を完了できます。
変更: 依頼者は、購買依頼を選択して「変更」をクリックできます。まだ購買依頼が発注に入れられていない場合は、承認プロセスから取り下げられます。依頼者は必要な変更を行って精算プロセスを開始します。購買依頼がすでに発注に入っている場合、依頼者による変更内容は変更オーダー要求となり、購買担当が最初に承認する必要があります。
取消: 依頼者は、購買依頼を選択して「取消」をクリックし、購買依頼全体または個別の明細を取り消すことができます。まだ購買依頼が発注に入っていなければ、取消は即時に発生します。すでに購買依頼が発注に入っている場合、取消は購買担当が最初に承認する必要のある要求となります。
再発行: 購買依頼が「否認済」または「差戻」ステータスの場合、依頼者は「変更」をクリックし、必要な変更を行って精算プロセスを開始することで再発行できます。
依頼者は、購買依頼の調達-支払ライフサイクル全体を追跡できます。 「購買依頼」タブで購買依頼を選択し、「詳細」アイコンをクリックして購買依頼明細を表示します。 各明細には、発注、納入、受入、請求および支払など、要求品目の調達-支払ライフサイクル全体が表示されます。
Oracle iProcurementでは、承認プロセスを柔軟に簡素化できます。
休暇のスケジューリング。 承認者は不在予定の日付を示して、代理の承認者を指定できるため、承認プロセスにおけるボトルネックの発生を避けることができます。
承認マネージャは、承認プロセス中に詳細情報を再割当て、転送または要求できます。
承認者による精算。承認者は、検討時に購買依頼を変更してから承認することもできます。
Oracle iProcurementでは、依頼者は品目の受入、返品、以前に受け入れた品目の訂正および受入取引履歴の参照ができます。
依頼者は、デスクトップから社内ソース品目、外部ソース品目または購買依頼全体を受け入れることができます。 依頼者は簡易受入機能を使用して、1つの品目の受入を取得できます。 必要な場合には、通常受入を使用して、梱包伝票番号、運送状番号および注釈などの追加情報を入力できます。Oracle iProcurementでは、受入時刻が自動的に記録されます。(依頼者が受入日時を手動で入力または変更することもできます。)
Oracle Purchasingで設定されている場合、Oracle iProcurementではブラインド受入がサポートされます。ブラインド受入を使用すると、受入担当には発注数量、受入済数量または設定されていた受入許容範囲は表示されません。
Oracle iProcurementでは、社内出荷のみでなく仕入先の事前出荷通知(ASN)を表示できます。出荷情報は、品目の受入中に受入にデフォルト設定されます。 詳細は、「未達出荷に対する受入」を参照してください。
Oracle iProcurementでは、受入担当が仕入先に品目を返品できます。 設定されている場合は、返品処理中にデビット・メモも生成されます。(「返品取引のデビット・メモ」を参照。)
Oracle iProcurementでは、受入担当が処理済の受入の受入数量を訂正できます。
また、Oracle iProcurementにはワークフロー形式の受入確認メカニズムが用意されており、期日に受入を確認できるように依頼者に対して事前に通知が送信されます。
Oracle iProcurementは、Oracle Services Procurementによるサービスおよび一時労働の購買依頼に使用できます。 Oracle Services Procurementのライセンスを取得して実装している場合は、サービスおよび一時労働を購買依頼するためにOracle iProcurementで追加設定を実行します。 詳細は、「Oracle Services Procurement」を参照してください。