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Oracle Solaris 管理: ネットワークインタフェースとネットワーク仮想化 Oracle Solaris 11 Information Library (日本語) |
この Oracle Solaris リリースでのネットワーク構成
7. プロファイルでのデータリンクおよびインタフェース構成コマンドの使用
10. Oracle Solaris 上での無線インタフェース通信の構成
dlstat コマンドと flowstat コマンドはそれぞれ、データリンクとフロー上のネットワークトラフィックに関する統計情報を監視および取得するためのツールです。これらのコマンドは、dladm コマンドと flowadm コマンドに対応しています。次の表は、*adm コマンドのペアと *stat コマンドのペアの間の対応、およびそれぞれの機能を示しています。
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dlstat コマンドの次のバリアントを使用すると、ネットワークトラフィック情報を収集できます。
dlstat - システムによって送受信されているパケットに関する一般情報を表示します。
dlstat show-phys - 受信および送信リングの使用に関する情報を表示します。このコマンドは、ネットワーク物理デバイスに関するトラフィック以外の情報を表示する dladm show-phys コマンドに対応しています。このコマンドが適用されるネットワークレーンのレベルの図については、図 22-1 を参照してください。
dlstat show-link - 指定されたレーン上のトラフィックフローに関する詳細情報を表示します。このレーンは、そのデータリンクで識別されます。このコマンドは、データリンクに関するトラフィック以外の情報を表示する dladm show-link および dladm show-vnic コマンドに対応しています。dlstat show-link コマンドが適用されるネットワークレーンのレベルの図については、図 22-1 を参照してください。
dlstat show-aggr - リンク集約でのポートの使用に関する情報を表示します。このコマンドは、リンク集約に関するトラフィック以外の情報を表示する dladm show-aggr コマンドに対応しています。
詳細は、『Oracle Solaris の管理: セキュリティーサービス』の「管理権限を取得する方法」を参照してください。
# dlstat [-r|-t] [-i interval] [link]
受信側の統計情報のみ (-rオプション) または送信側の統計情報のみ (-tオプション) のどちらかを表示します。これらのオプションを使用しない場合は、受信側と送信側の両方の統計情報が表示されます。
表示されている統計情報が更新される間隔 (秒単位) を指定します。このオプションを使用しない場合は、静的な出力が表示されます。
指定されたデータリンクのみの統計情報を監視することを示します。このオプションを使用しない場合は、すべてのデータリンクに関する情報が表示されます。
単独で使用されると、dlstat コマンドは、構成されているすべてのデータリンク上の受信および送信パケットに関する情報を表示します。
次の情報は、dlstat コマンドで使用するほとんどのオプションで表示されます。
IP インタフェースが構成されていて、トラフィックを送受信できるシステム内のリンク
パケットとバイトサイズ
割り込みと MAC ポーリングの統計情報
パケットチェーンの長さ
例 22-1 受信側と送信側の基本的な統計情報の表示
この例では、システム上の構成されているすべてのデータリンク上で送受信されているネットワークトラフィックに関する情報を表示します。
# dlstat LINK IPKTS RBYTES OPKTS OBYTES e1000g0 101.88K 32.86M 40.16K 4.37M nxge1 4.50M 6.78G 1.38M 90.90M vnic1 8 336 0 0
例 22-2 受信側の統計情報の 1 秒間隔での表示
この例では、すべてのデータリンク上で受信されているトラフィックに関する情報を表示します。これらの情報は 1 秒ごとに更新されます。表示の更新を停止するには、Ctrl-C を押します。
# dlstat -r -i 1 LINK IPKTS RBYTES INTRS POLLS CH<10 CH10-50 CH>50 e1000g0 101.91K 32.86M 87.56K 14.35K 3.70K 205 5 nxge1 9.61M 14.47G 5.79M 3.82M 379.98K 85.66K 1.64K vnic1 8 336 0 0 0 0 0 e1000g0 0 0 0 0 0 0 0 nxge1 82.13K 123.69M 50.00K 32.13K 3.17K 724 24 vnic1 0 0 0 0 0 0 0 ... ^C
この出力では、割り込みの統計情報 (INTRS) が重要です。割り込みの数が少ない場合は、パフォーマンスの効率が高いことを示します。割り込みの数が多い場合は、特定のリンクにさらに多くのリソースを追加することが必要になる場合があります。
例 22-3 送信側の統計情報の 5 秒間隔での表示
この例では、すべてのデータリンク上で送信されているトラフィックに関する情報を表示します。これらの情報は 5 秒ごとに更新されます。
# dlstat -t -i 5 LINK OPKTS OBYTES BLKCNT UBLKCNT e1000g0 40.24K 4.37M 0 0 nxge1 9.76M 644.14M 0 0 vnic1 0 0 0 0 e1000g0 0 0 0 0 nxge1 26.82K 1.77M 0 0 vnic1 0 0 0 0 ... ^C
詳細は、『Oracle Solaris の管理: セキュリティーサービス』の「管理権限を取得する方法」を参照してください。
# dlstat show-phys [-r|-t] [-i interval] [link]
受信側の統計情報のみ (-rオプション) または送信側の統計情報のみ (-tオプション) のどちらかを表示します。これらのオプションを使用しない場合は、受信側と送信側の両方の統計情報が表示されます。
表示されている統計情報が更新される間隔 (秒単位) を指定します。このオプションを使用しない場合は、静的な出力が表示されます。
指定されたデータリンクのみの統計情報を監視することを示します。このオプションを使用しない場合は、すべてのデータリンクに関する情報が表示されます。
単独で使用されると、dlstat show-phys コマンドは、構成されているすべてのデータリンク上の受信および送信パケットに関する情報を表示します。
例 22-4 データリンクの受信リングの統計情報の表示
この例では、データリンクの受信リングの使用状況を表示します。
# dlstat show-phys -r nxge1 LINK TYPE INDEX IPKTS RBYTES nxge1 rx 0 21 1.79K nxge1 rx 1 0 0 nxge1 rx 2 1.39M 2.10G nxge1 rx 3 0 0 nxge1 rx 4 6.81M 10.26G nxge1 rx 5 4.63M 6.97G nxge1 rx 6 3.97M 5.98G nxge1 rx 7 0 0
nxge デバイスには、INDEX フィールドで識別される 8 つの受信リングがあります。リングごとのパケットの均一な分布は、それらのリングが、各リンクの負荷に応じてリンクに正しく割り当てられていることを示す理想的な構成です。不均一な分布は、リンクごとのリングの不均衡な分布を示していることがあります。この解決は、NIC によって、ユーザーがリンクごとにリングを再分散できる動的なリング割り当てがサポートされているかどうかによって異なります。動的なリング割り当てについての詳細は、「送信リングと受信リング」を参照してください。
例 22-5 データリンクの送信リングの統計情報の表示
この例では、データリンクの送信リングの使用状況を表示します。
# dlstat show-phys -t nxge1 LINK TYPE INDEX OPKTS OBYTES nxge1 tx 0 44 3.96K nxge1 tx 1 0 0 nxge1 tx 2 1.48M 121.68M nxge1 tx 3 2.45M 201.11M nxge1 tx 4 1.47M 120.82M nxge1 tx 5 0 0 nxge1 tx 6 1.97M 161.57M nxge1 tx 7 4.59M 376.21M nxge1 tx 8 2.43M 199.24M nxge1 tx 9 0 0 nxge1 tx 10 3.23M 264.69M nxge1 tx 11 1.88M 153.96M
詳細は、『Oracle Solaris の管理: セキュリティーサービス』の「管理権限を取得する方法」を参照してください。
# dlstat show-link [-r [F]|-t] [-i interval] [link]
受信側の統計情報のみ (-rオプション) または送信側の統計情報のみ (-tオプション) のどちらかを表示します。これらのオプションを使用しない場合は、受信側と送信側の両方の統計情報が表示されます。
表示されている統計情報が更新される間隔 (秒単位) を指定します。このオプションを使用しない場合は、静的な出力が表示されます。
指定されたデータリンクのみの統計情報を監視することを示します。このオプションを使用しない場合は、すべてのデータリンクに関する情報が表示されます。
リングのグループ化がサポートされており、専用リングが構成されている場合は、ハードウェアレーンの統計情報が表示されます。専用リングが構成されていない場合は、ソフトウェアレーンの統計情報が表示されます。
例 22-6 レーンの受信側の統計情報の表示
この例では、次の情報を表示します。
パケットがハードウェアレーン上で受信されている状況
パケットがソフトウェアレーン上で受信されている状況
パケットがソフトウェアレーン上で受信されたあと、割り当てられた CPU にファンアウトされている状況
次のコマンドでは、特定のリンクの受信側の統計情報を表示します。これらの情報は、リング使用状況を示します。ただし、これらのデータには、帯域幅制限や優先処理などのほかのリソース割り当ての実装も反映されている可能性があります。
# dlstat show-link -r nxge1 LINK TYPE ID INDEX IPKTS RBYTES INTRS POLLS CH<10 CH10-50 CH>50 nxge1 rx local -- 0 0 0 0 0 0 0 nxge1 rx hw 1 0 0 0 0 0 0 0 nxge1 rx hw 2 1.73M 2.61G 1.33M 400.22K 67.03K 7.49K 38 nxge1 rx hw 3 0 0 0 0 0 0 0 nxge1 rx hw 4 8.44M 12.71G 4.35M 4.09M 383.28K 91.24K 2.09K nxge1 rx hw 5 5.68M 8.56G 3.72M 1.97M 203.68K 43.94K 854 nxge1 rx hw 6 4.90M 7.38G 3.11M 1.80M 168.59K 42.34K 620 nxge1 rx hw 7 0 0 0 0 0 0 0
次のコマンドでは、特定のリンクの受信側の統計情報を表示します。この出力で、ID フィールドは、ハードウェアリングが排他的に割り当てられているのか、またはクライアントの間で共有されているのかを示します。ixgbe カードでは、リンク上に VNIC などのほかのクライアントも構成されている場合は Rx リングが共有されます。そのため、この特定の例では、ID フィールドの sw の値で示されるように Rx リングは共有されています。
# dlstat show-link -r ixgbe0 LINK TYPE ID INDEX IPKTS RBYTES INTRS POLLS CH<10 CH10-50 CH>50 ixgbe0 rx local -- 0 0 0 0 0 0 0 ixgbe0 rx sw -- 794.28K 1.19G 794.28K 0 0 0 0
次のコマンドは、特定のリンクの受信側の統計情報の使用法を示しています。さらに、このコマンドでは -F オプションが使用されているため、出力にはファンアウト情報も表示されます。具体的には、ファンアウト数は 2 つ (0 と 1) です。リング 0 を使用するハードウェアレーン上で受信されたネットワークトラフィックは分割され、2 つのファンアウトにわたって渡されます。同様に、リング 1 を使用するハードウェアレーン上で受信されたネットワークトラフィックも分割され、2 つのファンアウトにわたって分配されます。
# dlstat show-link -r -F nxge1 LINK ID INDEX FOUT IPKTS nxge1 local -- 0 0 nxge1 hw 0 0 382.47K nxge1 hw 0 1 0 nxge1 hw 1 0 367.50K nxge1 hw 1 1 433.24K
例 22-7 レーンの送信側の統計情報の表示
次の例では、特定のレーン上の送信パケットに関する統計情報を表示します。
# dlstat show-link -t nxge1 LINK TYPE ID INDEX OPKTS OBYTES BLKCNT UBLKCNT nxge1 tx hw 0 32 1.44K 0 0 nxge1 tx hw 1 0 0 0 0 nxge1 tx hw 2 1.48M 97.95M 0 0 nxge1 tx hw 3 2.45M 161.87M 0 0 nxge1 tx hw 4 1.47M 97.25M 0 0 nxge1 tx hw 5 0 276 0 0 nxge1 tx hw 6 1.97M 130.25M 0 0 nxge1 tx hw 7 4.59M 302.80M 0 0 nxge1 tx hw 8 2.43M 302.80M 0 0 nxge1 tx hw 9 0 0 0 0 nxge1 tx hw 10 3.23M 213.05M 0 0 nxge1 tx hw 11 1.88M 123.93M 0 0