NWAM グラフィカルユーザーインタフェースの紹介

NWAM グラフィカルユーザーインタフェース (GUI) は、NWAM コマンド行ユーザーインタフェースのグラフィカル版です。NWAM GUI を使用すると、デスクトップでネットワークのステータスを表示して監視したり、NWAM と対話して Ethernet および無線の構成を管理したりできます。さらに、起動時の有線または無線ネットワークへの接続や、新しい有線または無線ネットワークの構成などの、さまざまなネットワークタスクをデスクトップから実行できます。NWAM GUI を使用すると、場所 (つまり、システム全体にわたるネットワーク構成の複雑なタスクを単純化するプロファイル) を作成および管理することもできます。GUI コンポーネントには、現在のネットワーク接続のステータスに関する情報、およびネットワーク環境全体の状況に関する情報を表示する機能があります。

NWAM GUI の基本的な機能は次のとおりです。

• ネットワークステータスの通知

• ホットプラグイベントの検出

• ネットワークプロファイルの作成と管理

• 無線ネットワークの管理

NWAM GUI は、目的のプロパティー値をプロファイルの形式でシステム上に格納することによって、ネットワーク構成を NWAM CLI と同じ方法で管理します。NWAM サービスは、現在のネットワーク状況に基づいて、特定の時間にアクティブにするプロファイルを決定し、最適なプロファイルをアクティブにします。

デスクトップから NWAM GUI にアクセスする

NWAM GUI は、デスクトップパネルに継続的に表示される「ネットワークステータス」通知アイコン、および「システム」->「管理」メニューと通知アイコンの右クリックのどちらからでもアクセス可能なネットワークの構成ダイアログの 2 つのコンポーネントで構成されています。NWAM GUI は、電源管理アイコンやプリンタアイコンなどの継続的なステータス通知アイコンが付いたその他のアプリケーションと同様に動作します。これらのアプリケーションでは、右クリック (コンテキスト) メニューにアクセスするか、アイコンまたは各種設定メニューからアクセス可能な構成ダイアログを使用することによって、特定のタスクを実行できます。

パネルアイコンは、もっとも頻繁に NWAM と接続するポイントです。アイコンには、有線と無線のどちらのネットワークに現在接続しているのかが表示されます。アイコンの上にマウスポインタを重ねると、現在アクティブな NCP や場所プロファイルなどの追加情報がツールチップに表示されます。アイコンを右クリックすると、別の無線ネットワークに接続するなどの、システムの基本的なネットワーク構成を変更できます。

パネルアイコンをクリック (左クリック) すると、「ネットワーク設定」ダイアログが開きます。このダイアログは、「システム」->「管理」メニューからでも開くことができます。ここでは、静的 IPv4 および IPv6 アドレスの定義、接続優先度の設定、外部ネットワーク修飾子 (ENM) の管理、さまざまな場所で使用するためのネットワーク設定グループの作成などの、より詳細なネットワーク構成を実行できます。

NWAM CLI と NWAM GUI の相違点

NWAM を使用したネットワーク構成は、CLI と GUI のどちらかを使用して管理できます。どちらのユーザーインタフェースを使用しても、ネットワーク構成の管理、および NWAM 構成との対話が可能です。特定のタスクを実行する際に、CLI と GUI の使用のどちらを選択するのかは、そのタスクや特定の状況によって異なります。タスクによっては、NWAM GUI を使用することが、もっとも論理的な選択であることもあります。例として、現在アクティブなネットワーク接続のステータスのチェックや、起動時に接続する無線ネットワークの選択が挙げられます。これらのタスクは、デスクトップから GUI 経由で NWAM と直接対話するほうが、より簡単かつ迅速に実行できます。新規 ENM の起動および停止方法としてスクリプトを指定するなどの、より複雑なタスクでは、コマンド行モードでの作業を選択できます。

CLI と GUI は基本的には同じですが、次の相違点があることに注意してください。

• 機能の相違点

  GUI には、デスクトップから NWAM と対話して、ネットワーク接続をチェックできる機能が備わっています。ネットワークのステータスに関する情報を取得する方法は、GUI と CLI ユーティリティー間で若干異なります。GUI コンポーネントを使用する場合は、通知が発生するとデスクトップに表示されます。コマンド行ユーティリティーを使用する場合は、NWAM イベントが発生したときには netadm show-events コマンドを使用して監視を行うことができます。詳細は、「すべてのネットワーク接続の現在の状態を監視する」を参照してください。

  また、GUI を使用してネットワークのステータスに関する情報を取得するには、デスクトップに表示される「ネットワークステータス」通知アイコンを視覚的にチェックしたり、マウスポインタを重ねたり、クリックしたりします。コマンド行からネットワークのステータスに関する情報を取得するには、list サブコマンドとともに netadm コマンドを使用します。このコマンドの出力には、システムで構成されている各ネットワークオブジェクトの基本的な状態に関する情報が含まれます。ただし、GUI では、接続されている無線ネットワークの種類やネットワーク接続の IP アドレスなどの、ネットワークステータスに関するより完全な情報や詳細が提供されます。

  CLI を使用して実行できるコマンドの一部は、GUI を使用しては実行できません。たとえば、GUI コンポーネントを使用してプロファイル構成をエクスポートすることはできません。プロファイル構成をエクスポートするには、netcfg export コマンドを使用します。詳細は、「プロファイル構成をエクスポートおよび復元する」を参照してください。

• コンポーネント名と用語の使用上の相違点

  GUI では、ネットワーク構成プロファイル (NCP) はネットワークプロファイルと同じです。CLI でネットワーク構成ユニット (NCU) と呼ばれているものは、GUI ではネットワーク接続と呼ばれます。

  コマンド行インタフェースを使用して NCP を有効または無効にすることは、GUI を使用する場合のネットワークプロファイルまたは接続を切り替えるタスクと同じです。