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Oracle Solaris Studio 12.3: dbx コマンドによるデバッグ     Oracle Solaris Studio 12.3 Information Library (日本語)
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ドキュメントの情報

はじめに

1.  dbx の概要

2.  dbx の起動

3.  dbx のカスタマイズ

4.  コードの表示とコードへの移動

5.  プログラムの実行制御

6.  ブレークポイントとトレースの設定

7.  呼び出しスタックの使用

8.  データの評価と表示

9.  実行時検査

10.  修正継続機能 (fix と cont)

11.  マルチスレッドアプリケーションのデバッグ

12.  子プロセスのデバッグ

13.  OpenMP プログラムのデバッグ

14.  シグナルの処理

15.  dbx を使用してプログラムをデバッグする

16.  dbx を使用した Fortran のデバッグ

Fortran のデバッグ

カレントプロシージャとカレントファイル

大文字

dbx のサンプルセッション

dbx のサンプルセッションの実行

セグメント不正のデバッグ

dbx により問題を見つける方法

例外の検出

呼び出しのトレース

配列の操作

Fortran 95 割り当て可能配列

組み込み関数

複合式

間隔式の表示

論理演算子の表示

Fortran 95 構造型の表示

Fortran 95 構造型へのポインタ

オブジェクト指向 Fortran

割り当て可能スカラー型

17.  dbx による Java アプリケーションのデバッグ

18.  機械命令レベルでのデバッグ

19.  dbx の Korn シェル機能

20.  共有ライブラリのデバッグ

A.  プログラム状態の変更

B.  イベント管理

C.  マクロ

D.  コマンドリファレンス

索引

Fortran のデバッグ

次のアドバイスと概要は、Fortran プログラムをデバッグするときに役立ちます。dbx を使用した Fortran OpenMP コードのデバッグについては、「イベントとの対話」を参照してください。

カレントプロシージャとカレントファイル

デバッグセッション中、dbx は、1 つのプロシージャと 1 つのソースファイルをカレントとして定義します。ブレークポイントの設定要求と変数の出力または設定要求は、カレントの関数とファイルに関連付けて解釈されます。したがって、stop at 5 は、カレントファイルがどれであるかによって、3 つの異なるブレークポイントのうち 1 つを設定します。

大文字

プログラムのいずれかの識別子に大文字が含まれる場合、dbx はそれらを認識します。いくつかの旧バージョンの場合のように、大文字/小文字を区別するコマンド、または区別しないコマンドを指定する必要はありません。

Fortran 95 と dbx は、大文字/小文字を区別するモードまたは区別しないモードのいずれかに統一する必要があります。

dbx のサンプルセッション

次の例では、サンプルプログラム my_program を使用します。

デバッグのための主プログラム a1.f:

    PARAMETER ( n=2 )
    REAL twobytwo(2,2) / 4 *-1 /
    CALL mkidentity( twobytwo, n )
    PRINT *, determinant( twobytwo )
    END

デバッグのためのサブルーチン a2.f:

    SUBROUTINE mkidentity ( array, m )
    REAL array(m,m)
    DO 90 i = 1, m
        DO 20 j = 1, m
            IF ( i .EQ. j ) THEN
            array(i,j) = 1.
            ELSE
            array(i,j) = 0.
            END IF
20        CONTINUE
90    CONTINUE
    RETURN
    END

デバッグのための関数 a3.f

    REAL FUNCTION determinant ( a )
    REAL a(2,2)
    determinant = a(1,1) * a(2,2) - a(1,2) / a(2,1)
    RETURN
    END

dbx のサンプルセッションの実行

  1. -g オプションでコンパイルとリンクをします。

    この処理は、まとめて 1 回または 2 回に分けて実行することができます。

    -g フラグ付きコンパイルとリンクを 1 度にまとめて行います。

     demo% f95 -o my_program -g a1.f a2.f a3.f

    コンパイルとリンクを分けて行います。

     demo% f95 -c -g a1.f a2.f a3.f
     demo% f95 -o my_program a1.o a2.o a3.o
  2. 実行可能ファイル my_program について dbx を起動します。
     demo% dbx my_program
     Reading symbolic information…
  3. stop in subnam と入力して、簡単なブレークポイントを設定します。subnam は、サブルーチン、関数、ブロックデータサブプログラムを示します。

    main プログラム中の最初の実行可能文で停止します。

     (dbx) stop in MAIN
     (2) stop in MAIN

    通常 MAIN は大文字ですが、subnam は大文字でも小文字でもかまいません。

  4. run コマンドを入力して、dbx からプログラムを実行します。dbx の起動時に指定された実行可能ファイルの中で、プログラムが実行されます。
     (dbx) run
     Running: my_program
     stopped in MAIN at line 3 in file "a1.f"
         3         call mkidentity( twobytwo, n )

    ブレークポイントに到達すると、dbx はどこで停止したかを示すメッセージを表示します。前述の例では、a1.f ファイルの行番号 3 で停止しています。

  5. print コマンドを使用して、値を出力します。

    n の値を出力します。

     (dbx) print n
     n = 2

    マトリックス twobytwo を出力します。

     (dbx) print twobytwo
     twobytwo =
        (1,1)       -1.0
        (2,1)       -1.0
        (1,2)       -1.0
        (2,2)       -1.0

    マトリックス array を出力します。

    (dbx) print array
    dbx: "array" is not defined in the current scope
    (dbx)

    ここで array は定義されていないため、出力は失敗します (mkidentity 内でのみ有効)。

  6. next コマンドを使用して、次の行に実行を進めます。

    次の行に実行を進めます。

    (dbx) next
    stopped in MAIN at line 4 in file "a1.f"
        4             print *, determinant( twobytwo )
    (dbx) print twobytwo
    twobytwo =
        (1,1)       1.0
        (2,1)       0.0
        (1,2)       0.0
        (2,2)       1.0
    (dbx) quit
    demo%

    next コマンドは現在のソース行を実行し、次のソース行で停止します。これは副プログラムの呼び出しを 1 つの文として数えます。

    next コマンドと step コマンドを比較します。step コマンドは、ソースの次の行または副プログラムの次のステップを実行します。通常、次の実行可能ソース文がサブルーチンまたは関数呼び出しの場合、各コマンドは次の処理を行います。

    • step コマンドは、副プログラムのソースの最初の文にブレークポイントを設定します。

    • next コマンドは、呼び出し元のプログラム中で、呼び出しのあとの最初の文にブレークポイントを設定します。

  7. quit コマンドを入力して、dbx を終了します。
    (dbx)quit        
    demo%