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Sun QFS File System 5.3 構成および管理ガイド Sun QFS and Sun Storage Archive Manager 5.3 Information Library (日本語) |
システムのデーモンやプロセスについて理解していると、デバッグを行うときに役立ちます。このセクションでは、Sun SAM と Sun QFS のデーモンとプロセスについて説明します。また、デーモンのトレースについても説明します。
すべてのデーモンには、sam-daemon_named という形式で名前が付けられています。プロセスも同様の名前が付けられていますが、最後が小文字の d でないことだけが異なります。
次の表は、システムで実行可能なデーモンおよびプロセスの一部を示しています。そのほか、システムのアクティビティーによっては sam-genericd や sam-catserverd などが実行されている場合もあります。
表 7-1 デーモンとプロセス
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ソフトウェアを実行すると、SMF が sam-fsd デーモンを起動します。これは障害発生時に自動的に再起動します。
共有ファイルシステムでは、sam-fsd デーモンが常にアクティブになっています。また、それぞれのマウントされた共有ファイルシステムでは、1 つの sam-sharefsd デーモンがアクティブになっています。
共有ファイルシステムがマウントされると、ソフトウェアは共有ファイルシステムデーモン (sam-sharefsd) を起動します。サーバーホストとクライアントホストの通信には TCP ソケットが使用されます。メタデータサーバーに接続するすべてのクライアントは、ホストファイルに対して妥当性検査が行われています。ホストファイルの詳細については、hosts.fs(4) のマニュアルページを参照してください。
メタデータサーバーの sam-sharedfsd デーモンは、sam-qfs という名前の監視ソケットを開きます。Sun QFS のインストールプロセス時、/etc/services ファイルに sam-qfs エントリが自動的に追加されます。このエントリは削除しないでください。また、共有ファイルシステムのポートは、/etc/inet/services ファイルにポート番号 7105 として定義されます。このポートが別のサービスと競合しないことを確認してください。
メタデータ操作、ブロック割り当ておよび割り当て解除、およびレコードロックは、すべてメタデータサーバーファイルシステムで実行されます。sam-sharefsd デーモンには情報が保持されません。このため、このデーモンの停止や再起動によって、ファイルシステムの整合性の問題が発生することはありません。
いくつかのプロセスは、トレースファイルにメッセージを書き出すことができます。メッセージには、これらのデーモンが実行する処理の状態と進捗に関する情報が含まれています。メッセージは、主に Oracle サポートスタッフがパフォーマンスの改善や問題の診断のために使用します。メッセージの内容と書式は、リリースによって変更する可能性があります。
トレースファイルはデバッグ時に使用できます。デフォルトでは、トレースファイルが有効になりません。defaults.conf ファイルを編集することで、トレースファイルを有効にすることができます。すべてのプロセスのトレースを有効にするか、個々のプロセスのトレースを有効にすることができます。トレースできるプロセスの詳細については、『Sun QFS and Sun Storage Archive Manager 5.3 Reference Manual』の「defaults.conf(4)」を参照してください。
デフォルトでは、トレースファイルは /var/opt/SUNWsamfs/trace ディレクトリに書き込まれます。そのディレクトリ内のトレースファイルには、プロセスの名前が付けられます (archiver、catserver、fsd、ftpd、recycler、sharefsd、および stager)。トレースファイルの名前は、defaults.conf 構成ファイルに指示を指定することで変更できます。また、トレースファイルのサイズに制限を設けたり、トレースログを切り替えたりすることもできます。トレースの制御の詳細については、『Sun QFS and Sun Storage Archive Manager 5.3 Reference Manual』の「defaults.conf(4)」を参照してください。
トレースファイルメッセージには、メッセージの時刻と発信元が含まれます。メッセージは、プロセスのイベントによって生成されます。イベントは、defaults.conf ファイルで指示を使用して選択します。
デフォルトのイベントは次のとおりです。
カスタマー通知 syslog または notify ファイルメッセージ
致命的でないプログラムエラー
致命的な syslog メッセージ
プロセスの開始と終了
そのほかのイベント
また、次のイベントもトレースできます。
メモリー割り当て
プロセス間通信
ファイルの処理
オペレータメッセージ
キューの内容の変更
そのほかのイベント
デフォルトのメッセージの要素 (プログラム名、プロセス ID (PID)、および時刻) は、必ず含まれます。 除外することはできません。オプションとして、次の要素をメッセージに含めることができます。
日付。(時間は常に含まれます。)
ソースファイルの名前と行番号。
イベントの種類。
トレースファイルが無制限に大きくならないように、sam-fsd デーモンはトレースファイルのサイズを監視し、定期的に次のコマンドを実行します。
/opt/SUNWsamfs/sbin/trace_rotate
このスクリプトによって、トレースファイルは、順次番号の付いたコピーファイルに移動されます。スクリプトは、システムでの操作に合わせて変更できます。また、この機能は、cron やそのほかの機能を使用して提供することもできます。
現在トレースされているプロセスを判別するには、コマンド行に sam-fsd コマンドを入力します。次の例は、このコマンドからの出力を示しています。
例 7-1 sam-fsd コマンド出力
# sam-fsd Trace file controls: sam-amld /var/opt/SUNWsamfs/trace/sam-amld cust err fatal misc proc date size 10M age 0 sam-archiverd /var/opt/SUNWsamfs/trace/sam-archiverd cust err fatal ipc misc proc queue date module size 10M age 0 sam-catserverd /var/opt/SUNWsamfs/trace/sam-catserverd cust err fatal misc proc date size 10M age 0 sam-dbupd /var/opt/SUNWsamfs/trace/sam-dbupd cust err fatal misc proc date size 10M age 0 sam-fsalogd /var/opt/SUNWsamfs/trace/sam-fsalogd cust err fatal misc proc date size 10M age 0 sam-fsd /var/opt/SUNWsamfs/trace/sam-fsd cust err fatal misc proc date size 10M age 0 sam-rftd /var/opt/SUNWsamfs/trace/sam-rftd cust err fatal misc proc date size 10M age 0 sam-recycler /var/opt/SUNWsamfs/trace/sam-recycler cust err fatal ipc misc proc date module type size 10M age 0 sam-nrecycler /var/opt/SUNWsamfs/trace/sam-nrecycler cust err fatal misc proc date size 10M age 0 sam-sharefsd /var/opt/SUNWsamfs/trace/sam-sharefsd cust err fatal misc proc date size 10M age 0 sam-stagerd /var/opt/SUNWsamfs/trace/sam-stagerd cust err fatal ipc misc proc date module size 10M age 0 sam-serverd /var/opt/SUNWsamfs/trace/sam-serverd cust err fatal misc proc date size 10M age 0 sam-clientd /var/opt/SUNWsamfs/trace/sam-clientd cust err fatal misc proc date size 10M age 0 fsmgmt /var/opt/SUNWsamfs/trace/fsmgmt cust err fatal misc proc date size 10M age 0 sam-shrink /var/opt/SUNWsamfs/trace/sam-shrink cust err fatal misc proc date size 10M age 0 Would start sam-archiverd() Would start sam-stagealld() Would start sam-stagerd() Would start sam-amld() #
トレースファイルの有効化の詳細については、『Sun QFS and Sun Storage Archive Manager 5.3 Reference Manual』の「defaults.conf(4)」および『Sun QFS and Sun Storage Archive Manager 5.3 Reference Manual』の「sam-fsd(1M)」を参照してください。