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Sun QFS File System 5.3 構成および管理ガイド Sun QFS and Sun Storage Archive Manager 5.3 Information Library (日本語) |
複数読み取りファイルシステムは、単一の書き込みホストと複数の読み取りホストから構成されます。複数読み取りファイルシステムを有効にする writer および reader マウントオプションは、Sun QFS ファイルシステムとのみ互換性があります。これらのマウントオプションについては、このセクションおよび mount_samfs(1M) のマニュアルページで説明しています。
複数読み取りファイルシステムは、mount コマンドで -o writer オプションを指定することにより単一の書き込みホストにマウントできます。writer マウントオプションを指定されたホストシステムだけが、そのファイルシステムに書き込みを許可されるホストです。writer ホストシステムによって、ファイルシステムが更新されます。複数読み取りファイルシステム内の 1 つのホストだけが、writer マウントオプションを有効にしてファイルシステムをマウントします。-o writer を指定すると、ディレクトリは変更されるたびにディスクに書き込まれ、ファイルは閉じられたときにディスクに書き込まれます。
注意 - 複数の書き込みホストに複数読み取りファイルシステムを同時にマウントすると、ファイルシステムが破壊されることがあります。サイト管理者の責任で、このような状況が発生しないようにしてください。 |
複数読み取りファイルシステムは、mount コマンドで -o reader オプションを指定することにより 1 つまたは複数の読み取りホストにマウントできます。複数読み取りファイルシステムを読み取り側としてマウントできるホストシステムの数に制限はありません。
複数読み取りファイルシステムと Sun QFS 共有ファイルシステムの主な相違点は、複数読み取りホストはディスクからメタデータを読み取り、Sun QFS 共有ファイルシステムのクライアントホストはネットワークを介してメタデータを読み取ることです。Sun QFS 共有ファイルシステムは、複数読み取りホストをサポートしています。この構成では、複数の共有ホストがデータを追加する一方で、複数の読み取りホストがデータを配布することができます。
注 - ファイルシステムを Sun QFS 共有ファイルシステムとしてマウントする場合は、どのホストに対しても writer オプションを指定することはできません。ただし、reader オプションを指定できます。Sun QFS 共有ファイルシステムを読み取り専用のホストにする場合は、reader マウントオプションを指定してそのホストに Sun QFS 共有ファイルシステムをマウントします。さらに、Sun QFS 共有ファイルシステムで reader オプションを使用する場合は、sync_meta マウントオプションを 1 に設定します。Sun QFS 共有ファイルシステムの詳細については、第 5 章共有ファイルシステムの構成を参照してください。マウントオプションの詳細については、『Sun QFS and Sun Storage Archive Manager 5.3 Reference Manual』の「mount_samfs(1M)」を参照してください。
複数読み取りファイルシステムのすべての読み取り側が、ma 装置を記述するデバイス定義にアクセスできることを確認してください。主メタデータサーバーのホストに常駐する mcf ファイルの行を、代替メタデータサーバーの mcf ファイルにコピーします。構成によっては、ディスクパーティションがすべてのホストで共通の現れ方をするとは限らないため、行をコピーしたあとにディスクコントローラの情報を更新する必要が生じる場合があります。
複数読み取りファイルシステム環境では、Sun QFS ソフトウェアが、同一ファイルシステムにアクセスするすべてのサーバーは常に現在の環境にアクセスできることを保証します。書き込み側がファイルを閉じると、Sun QFS ファイルシステムはそのファイルのすべての情報をディスクにすぐに書き込みます。ファイルが書き込み側によって閉じられると、reader ホストがファイルにアクセスできます。refresh_at_eof マウントオプションを指定すると、複数読み取りファイルシステムのすべてのホストシステムがファイルシステムと同期されるようになります。
デフォルトでは、reader ホスト上のファイルのメタデータ情報はファイルがアクセスされるたびに無効になり、更新されます。変更されたデータは無効になります。このポリシーには、cat、ls、touch、open、またはそのほかの方法による、すべてのタイプのアクセスが含まれます。このように即時に更新が行われると、更新時のデータの正確さは保証されますが、パフォーマンスに影響してしまう可能性があります。サイトの必要に応じて、mount コマンドの -o invalid= n オプションを使って 0 秒から 60 秒までの更新間隔を設定できます。更新間隔に小さな値を設定すると、Sun QFS ファイルシステムは、最後の更新から n 秒後にディレクトリやほかのメタデータ情報を読み取ります。更新の数が多いとシステムのオーバーヘッドは増加しますが、n が 0 以外の数値であると無効な情報が存在する可能性が出てきます。
注意 - reader ホストで読み取りのためにファイルを開いているとき、そのファイルを書き込み側によって削除したり切り捨てたりすることはできません。読み取り側が誤って書き込み操作を行うことを防ぐには、アプリケーションロックなどの別のメカニズムを使用します。 |