Oracle® Fusion Middleware Oracle Business Process Management Business Process Composerユーザーズ・ガイド 11g リリース1(11.1.1.7) B61410-07 |
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この章では、Oracle Business Process Composerを利用してBPMプロジェクトを作成および使用する方法について説明します。
この章の内容は次のとおりです。
BPMプロジェクトは、Oracle BPMアプリケーションの中核的な要素です。BPMプロジェクトには、ビジネス・アプリケーションの作成とサポートに使用されるリソースが含まれます。これらのリソースには、ビジネス・プロセスと、データ・オブジェクト、サービス、ビジネス・ルール、ヒューマン・タスク、ロールなどのビジネス・カタログのコンポーネントが含まれます。
Business Process Composerで新規プロジェクトを直接作成するか、Oracle BPM Studioを使用して作成したプロジェクト・テンプレートに基づいてプロジェクトを作成および編集できます。
BPMプロジェクトは、プロセス・アナリストとプロセス開発者間のコラボレーションを推進します。Business Process ComposerとOracle BPM Studioでは、BPMリポジトリを使用してプロジェクトを共有することができます。詳細は、4.1.2項「Oracle BPMリポジトリの概要」を参照してください。
Oracle Business Process Composerを使用して、BPMプロジェクトを検証し、ランタイムにデプロイすることができます。詳細は、第15章「BPMプロジェクトのデプロイ」を参照してください。
各プロジェクトには1つ以上のビジネス・プロセスが含まれています。ビジネス・プロセスやアプリケーションで使用される他のリソースが含まれることもあります。アプリケーションが他のアプリケーションおよびシステムに接続したり、アプリケーションのユーザー・インタフェースを定義することを可能にする再利用可能なリソースも含まれます。
Business Process Composerでは、完全に機能するBPMアプリケーションを作成、テストおよびデプロイできます。ただし、Oracle BPM Studioを使用しないと実行できない高度な機能もあります。これらの機能には、次のものがあります。
プロジェクト・テンプレートの作成
詳細なヒューマン・タスク・パラメータの構成
ADFフォームの作成と表示
外部参照の作成
例外の作成
Business Process Composerを使用して、次のプロジェクト・リソースを作成および編集できます。
プロセス
ビジネス・プロセスは、ビジネス・アプリケーションの中核的な要素です。プロセスは、関連したタスクまたはアクティビティの集まりとして定義されます。Oracle BPMアプリケーションには1つ以上のプロセスを含めることができます。Business Process Composerを使用すると、BPMNプロセスを作成および編集できます。
BPMプロジェクト・ナビゲータから、新しいプロセスを作成したり、既存のプロセスを編集できます。プロセスの作成および使用については、第5章「プロセスおよびプロセス・エディタの使用」を参照してください。
ヒューマン・タスク
Oracle Business Process Composerでは、ヒューマン・タスクを作成および編集できます。ヒューマン・タスクを使用して、ユーザーとプロセスベースのアプリケーションがどのように相互作用するかを定義します。
BPMプロジェクト・ナビゲータからは、新規ヒューマン・タスクを作成したり、既存のヒューマン・タスクを編集することができます。詳細は、第11章「ヒューマン・タスクの使用」を参照してください。ヒューマン・タスクを作成すると、そのヒューマン・タスクはビジネス・カタログ内でアクセス可能になります。
アクティビティ・ガイド
アクティビティ・ガイドはガイド付きビジネス・プロセスの一部です。ガイド付きビジネス・プロセスを使用すると、プロジェクトのマイルストンを定義できます。各プロジェクトには、複数のプロジェクト・マイルストンを定義できる1つのアクティビティ・ガイドが含まれています。Business Process Composerから、マイルストンを作成および構成できます。
プロジェクト・マイルストンの作成および使用については、4.5項「ガイド付きビジネス・プロセスを使用したプロジェクトのマイルストンの作成」を参照してください。
Oracle Business Rules
Oracle Business Rulesは、ビジネス・ポリシーを表す文または重要なビジネスの意思決定を表す文です。Business Process Composerを使用して、ビジネス・ルールを作成および編集できます。ビジネス・ルールはプロジェクトの編集可能なコンポーネントですが、ビジネス・カタログの一部としても表示されます。
詳細は、第13章「Oracle Business Rulesの使用」を参照してください。
Webフォーム
Webフォームは、プロセス・ワークスペースでアプリケーション・ユーザーに対して表示されるインタフェースを定義します。Business Process Composerでは、このインタフェースを一から作成することも、ヒューマン・タスクの既存のデータ構造に基づいてWebフォームを作成することもできます。
詳細は、第9章「Webフォームの使用」を参照してください。
注意: WebフォームはBPMプロジェクトのリソースですが、その作成と編集はBusiness Process Composerからしかできません。Oracle BPM Studioでは表示することも編集することもできません。 |
シミュレーション定義とモデル
シミュレーションを使用して、ビジネス・プロセスのパフォーマンスをテストします。シミュレーション定義とモデルは、シミュレーションで使用され、BPMプロジェクトの一部として格納されるパラメータを定義します。
詳細は、第6章「プロセス動作のシミュレート」を参照してください。
Business Process Composerを使用して、ビジネス・カタログ・コンポーネントを作成および編集できます。ビジネス・カタログは、BPMプロジェクト内のすべてのプロセスが共有し再利用することのできる、実装アセットのコンテナです。
これらの要素を作成した後、特定のBPMNアーティファクトに割り当てることができます。
ビジネス・カタログ・コンポーネントにはコンポーネント・パレットからアクセスできます。ビジネス・カタログで再利用可能なリソースは、次のとおりです。
ヒューマン・タスク
ヒューマン・タスクでは、エンド・ユーザーとBPMNプロセスとの相互作用の方法を定義します。ヒューマン・タスクは、ユーザー・タスクを使用してビジネス・プロセスに追加できます。また、ビジネス・カタログのヒューマン・タスクを、ビジネス・プロセス内の各ユーザー・タスクに割り当てることができます。BPMNプロセス内でのヒューマン・タスクの使用については、A.3項「プロセスへのユーザー相互作用の追加」を参照してください。
Oracle Business Rules
Oracle Business Rulesは、ビジネス・ポリシーを表す文または重要なビジネスの意思決定を表す文です。ビジネス・ルールは、ビジネス・ルール・タスクを使用してプロセスに統合されます。
Business Process ComposerによるOracle Business Rulesの使用方法の詳細は、第13章「Oracle Business Rulesの使用」を参照してください。BPMNプロセス内のビジネス・ルール・タスクの使用の詳細は、A.5.2項「ビジネス・ルール・タスクの概要」を参照してください。
ビジネス・オブジェクト
ビジネス・オブジェクトでは、アプリケーション内で使用されるデータ構造を定義します。Business Process Composerを使用すると、単純なデータ・オブジェクトを使用して複雑なデータ・オブジェクトを定義できます。詳細は、12.4項「ビジネス・オブジェクトの概要」を参照してください。
サービス
サービスでは、BPMNプロセスが他のプロセス、システムおよびサービス(BPELプロセスやデータベースを含む)にどのように接続するかを定義します。
Business Process Composerを使用すると、Webサービスに基づく新規サービスを作成できます。詳細は、14.3項「サービスの使用」を参照してください。また、プロジェクト・テンプレートの一部として作成されたサービスも使用できます。
サービスは、サービス・タスクに割り当てることによって、BPMNプロセス内に実装されます。詳細は、A.4.1項「サービス・タスクの概要」を参照してください。
外部参照
参照では、BPMNプロセスのインタフェースを定義します。参照では、メッセージ・イベント、送信タスクおよび受信タスクを実装します。詳細は、A.4項「他のプロセスおよびサービスとの通信」を参照してください。
表4-1に、ビジネス・カタログのコンポーネントをリストし、Oracle Business Process Composerを使用して作成または編集できるコンポーネントを示します。
Oracle BPMリポジトリは、Oracle Metadata Service(MDS)に基づきます。Oracle MDSは、デプロイされたアプリケーションに関する情報を格納するOracle Fusion Middlewareのコンポーネントです。Oracle BPMは、Oracle BPMランタイムにアプリケーションをデプロイするとき、このリポジトリを使用します。
さらに、Oracle BPMはOracle MDSリポジトリのパーティションを使用して、Oracle BPM StudioとOracle Business Process Composerの間でプロジェクトおよびプロジェクト・テンプレートを共有します。Oracle BPMリポジトリ内には、Business Process Composerユーザーに対してフォルダとして表示される2つのパーティションがあります。これらのフォルダには、プロジェクトとプロジェクト・テンプレートが格納されます。フォルダは次のとおりです。
パブリック: Oracle BPMプロジェクトを格納します。
テンプレート: Oracle BPMプロジェクト・テンプレートが含まれます。
システム管理者は、Business Process ComposerをインストールするときにOracle BPMリポジトリをインストールして構成します。
Oracle BPM StudioとBusiness Process Composer間でのプロジェクトとプロジェクト・テンプレートの共有の詳細は、2.2項「Business Process Composerユース・ケースの概要」を参照してください。
Oracle BPMリポジトリのプロジェクトを開く方法の詳細は、4.4項「プロジェクトの作成および使用」を参照してください。プロジェクト・テンプレートに基づくプロジェクトの作成と使用については、8.2項「BPMプロジェクト・テンプレートの概要」を参照してください。
プロジェクトのようこそページからは、BPMプロジェクトに関する情報、およびプロジェクトに関連する共通機能にアクセスできます。図4-1は、営業見積サンプル・プロジェクトのようこそページを示しています。
「プロジェクト情報」パネルには、プロジェクトに関する一般的な情報が表示されます。図4-2は、営業見積デモ・プロジェクトの「プロジェクト情報」ペインの例を示しています。
このペインには次の情報が表示されます:
タイトル: タイトル、作成日、プロジェクトを作成したユーザーの名前が表示されます。
説明: プロジェクトの説明(オプション)が表示されます。
承認ワークフロー: プロジェクトに承認ワークフローが定義されているかどうかを指定します。
イベントの生成: このプロジェクトにイベントを生成する方法を定義します。
編集モード: プロジェクトが編集中かどうかを指定します。
プロジェクト言語: プロジェクトの現在の言語を指定します。
「最近のアクティビティ」ブラウザには、現在のBPMプロジェクトに対する主要な変更履歴が表示されます。図4-3は、最近のアクティビティのブラウザの例を示しています。
最近のプロジェクト・アクティビティを表示する方法については、4.4.11項「プロジェクトに対する変更履歴を表示する方法」を参照してください。
プロジェクト・コンポーネント・ペインを使用して、次のプロジェクト・コンポーネントを表示および作成します。
プロセス
ルール
ヒューマン・タスク
Webフォーム
ビジネス・オブジェクト
図4-4は、プロジェクト・コンポーネント・ペインがプロジェクトに表示される方法を示しています。
「クイックスタート」を使用すると、Business Process Composer内の次の共通機能に簡単にアクセスできます。
スナップショット: スナップショット・エディタが開きます。開発ライフサイクル内でプロジェクトに加えた変更の記録が提供されます。詳細は、8.4項「プロジェクト・スナップショットの使用」を参照してください。
組織: プロジェクトに対して定義されているロールを作成および参照できる組織エディタが開きます。詳細は、4.6項「プロジェクトで使用されるロールの定義」を参照してください。
ギャラリ: プロセスやヒューマン・タスクを作成および参照できるギャラリ・ビューが開きます。ビジネス・ルールも参照できます。
アクティビティ・ガイド: プロジェクト内のマイルストンを定義できるアクティビティ・ガイド・エディタが起動します。
ビジネス・オブジェクト・エディタ: ビジネス・オブジェクト・エディタが起動します。詳細は、12.4項「ビジネス・オブジェクトの概要」を参照してください。
承認ワークフロー・ブラウザ: BPMプロジェクトのデプロイメントを管理できます。
ビジネス・インジケータ: ビジネス・インジケータ・エディタが起動します。
プロセス・プレーヤ: プロセス・プレーヤが起動します。このオプションは、プロセス・プレーヤが有効な場合のみ表示されます。詳細は、7.1.2項「Business Process Composerのプロセス・プレーヤの有効化」を参照してください。
エディタを使用すると、プロセスおよびビジネス・カタログのコンポーネントなど、Oracle BPMプロジェクトの様々な要素を使用できます。エディタは、Business Process Composerアプリケーションの中央に表示されます。
各エディタはBusiness Process Composerアプリケーションのタブ・ペインとして表示されるため、複数のリソースを同時に開くことができます。
次の各項では、Business Process Composerで使用できる様々なタイプのエディタについて説明します。
「プロセス」エディタを使用して、ビジネス・プロセスを表示および編集できます。「プロセス」エディタには、プロジェクト・ナビゲータからプロセスを開くとアクセスできます。
エディタ・ウィンドウには、コンポーネント・パレットも含まれます。実際に使用可能なコンポーネントは、次のようにプロジェクトによって異なります。
プロジェクト・テンプレートに基づくプロジェクトでは、コンポーネント・パレットには、ビジネス・カタログからの要素およびBPMNフロー・オブジェクトが含まれます。これにはプロジェクト・テンプレートで定義したOracle Business Rules、サービス、ヒューマン・タスクが含まれます。
Business Process Composerで作成された新規プロジェクトのコンポーネント・パレットには、BPMNフロー・オブジェクトと作成したビジネス・カタログのコンポーネントが表示されます。サービスおよびヒューマン・タスクはBusiness Process Composerで直接作成できます。
詳細は、第5章「プロセスおよびプロセス・エディタの使用」を参照してください。
「アクティビティ・ガイド」エディタを使用して、アクティビティ・ガイドのマイルストンを表示、作成および編集します。「アクティビティ・ガイド」エディタにアクセスするには、「クイックスタート」メニューの「アクティビティ・ガイド」リンクをクリックします。4.5項「ガイド付きビジネス・プロセスを使用したプロジェクトのマイルストンの作成」を参照してください。
「ヒューマン・タスク」エディタを使用して、ビジネス・カタログの一部として含まれるヒューマン・タスクを編集します。詳細は、第11章「ヒューマン・タスクの使用」を参照してください。
「ビジネス・ルール」エディタを使用して、Oracle Business Rulesを作成、表示および編集します。「ビジネス・ルール」エディタにアクセスするには、プロジェクト・ナビゲータからビジネス・ルールを開きます。詳細は、13項「Oracle Business Rulesの使用」を参照してください。
「データ・アソシエーション」エディタを使用して、実装を含むフロー・オブジェクトの入力および出力を定義します。「データ・アソシエーション」エディタにアクセスするには、ビジネス・プロセス内のフロー・オブジェクトを右クリックし、「データ・アソシエーション」を選択します。
データ・アソシエーションの使用については、12.3項「データ・オブジェクトの使用」を参照してください。
式エディタを使用すると、データ・アソシエーションと条件シーケンス・フローで使用する式を定義できます。式の使用と式エディタへのアクセスの詳細は、12.7項「式の概要」を参照してください。
Business Process Composerには、その他のプロジェクト・コンポーネントを表示および編集できる追加のエディタが用意されています。これらのエディタは、アプリケーション・ウィンドウの下部に表示されます。
注意: これらのエディタはデフォルトでは表示されません。各ウィンドウに関連するアクションが実行された後に表示されます。手動で表示するには、Business Process Composerアプリケーションの右下隅にあるペインのリストア・アイコンをクリックします。 |
プロジェクトおよびプロセスのブラウザには、個別のプロセスまたはプロジェクト全体の検証エラーが表示されます。プロジェクトの検証の詳細は、4.4.9項「プロジェクトを検証する方法」を参照してください。
承認ワークフロー・ブラウザには、承認ワークフロー内のプロジェクトのステータスが表示されます。承認者として定義されているすべてのユーザーが応答を返すと、適切な権限を持つユーザーがOracle BPMランタイムにデプロイできるようになります。詳細は、第15章「BPMプロジェクトのデプロイ」を参照してください。
Oracle BPMでは、Business Process Composerユーザー間でBPMプロジェクトを共有する機能が提供されます。BPMプロジェクトはすべてBPMリポジトリに格納されます。どのユーザーがプロジェクトを表示または編集できるのか制御できます。
BPMプロジェクトは、プライベートまたはパブリックとして定義されます。プロジェクト所有者のみ、プライベート・プロジェクトを表示または編集することができます。プロジェクト所有者および適切な権限を持つ他のユーザーは、パブリック・プロジェクトを編集および表示できます。
プロジェクトの共有方法については、4.5.5項「他のユーザーとプロジェクトを共有する方法」を参照してください。
共有プロジェクトの編集モードによって、プロジェクトを変更できるかどうかが決定します。編集モードの値は次のとおりです:
読取り専用: プロジェクトは読取り専用で開きます。このモードでは、一部のプロジェクト機能が使用できません。
編集: プロジェクトは編集用に開きます。編集モードでは、プロジェクトを変更できます。プロジェクトが編集モードの場合は、プロジェクトを編集しているユーザーのみが変更を行うことができます。適切な権限がある他のユーザーは、プロジェクトを表示できますが、変更することはできません。
編集モードの設定方法については、4.4.6項「共有プロジェクトを編集する方法」を参照してください。
プロジェクトの現在の編集モードは、図4-2に示すように、「プロジェクト情報」ペインで確認できます。
プロジェクト・ロールを使用して、どのユーザーにプロジェクトを表示および変更するためのアクセス権があるかを定義します。次の3タイプのプロジェクト・ロールが定義されています:
所有者: ユーザーがプロジェクトを作成すると、そのユーザーがプロジェクトの所有者として定義されます。また、別のユーザーをプロジェクトの所有者として定義することもできます。プロジェクトの所有者は、次の操作を実行できます:
プロジェクトのデプロイ
プロジェクト・スナップショットの作成
他のユーザーとのプロジェクトの共有
プロジェクトの削除
エディタ: エディタはプロジェクトを変更できます。エディタ・ロールを持つユーザーがプロジェクトを開くと、デフォルトではプロジェクトは読取りモードになります。他にプロジェクト編集中のユーザーがいなければ、プロジェクトを編集できる状態になります。詳細は、4.4.6項「共有プロジェクトを編集する方法」を参照してください。
表示者: 表示者はプロジェクトを表示できますが、変更することはできません。
次の各項では、Oracle BPMプロジェクトの作成方法と使用方法について説明します。
アプリケーションのようこそページからプロジェクトを開くと、プロジェクトのようこそページがデフォルトで表示されます。プロジェクト内のコンポーネントを編集しているときは、図4-5のように「プロジェクト・ホーム」タブをクリックしてプロジェクトのようこそページに戻ることができます。
アプリケーションのようこそページから、新しいOracle BPMプロジェクトを作成できます。新規プロジェクトを作成するには、その前に、既存のプロジェクト・テンプレートに基づいてプロジェクトを作成するか、新規にプロジェクトを作成するかを決定する必要があります。
新規プロジェクトはプロジェクト・テンプレートに基づいていません。これらのプロジェクトには、プロセス・アナリストが作成した基本的なビジネス・プロセスのみが含まれます。
プロジェクト・ナビゲータを使用して新規プロジェクトを作成するには:
プロジェクト・ナビゲータを使用すると、新規プロジェクトを簡単に作成できます。プロジェクトを作成した後は、追加のプロジェクト・プロパティを編集できます。
Oracle Business Process Composerを起動します。
図4-6で示されているように、プロジェクト・ナビゲータから「新規プロジェクト」をクリックします。
「次へ」をクリックします。
プロジェクトの名前を入力し、「プロジェクトの作成」をクリックします。
メイン・メニューを使用して新規プロジェクトを作成するには:
メイン・メニューからプロジェクトを作成する場合は、プロジェクト・プロパティを構成し、プロジェクト・テンプレートを選択することができます。
Oracle Business Process Composerを起動します。
メイン・メニューから、「新規」を選択し、次に「プロジェクト」を選択します。
プロジェクトの名前を入力します。
次のオプション情報を入力します:
説明: プロジェクトの説明を入力します。
フォルダ: プロジェクトを格納するBPMリポジトリ内のフォルダを指定します。
テンプレートの使用: プロジェクト・テンプレートに基づいて新規プロジェクトを作成します。「選択」をクリックして、プロジェクト・テンプレートを選択します。
ドロップダウン・リストからオプションのデプロイメント・オプションを選択します。
「終了」をクリックすると新規プロジェクトが作成されます。
新規プロジェクトをテンプレートに基づいて作成した場合、プロジェクトには必要なプロセスおよびビジネス・カタログ要素が含まれます。テンプレートを使用しないで新規プロジェクトを作成した場合、必要なプロセスを手動で追加する必要があります。
プロセスの作成および編集の詳細は、第5章「プロセスおよびプロセス・エディタの使用」を参照してください。
プロジェクトをアプリケーションのようこそページから直接開くには、プロジェクトの名前をクリックします。
メイン・メニューを使用してプロジェクトを開く場合は、あるプロジェクトから別のプロジェクトに直接移動することができます(たとえば、アプリケーションのようこそページに戻る必要はありません)。
プロジェクトを開くには:
メイン・メニューから「開く」を選択し、次に「プロジェクトを開く」を選択します。
開くプロジェクトを選択し、「OK」をクリックします。
BPMリポジトリを使用して、プロジェクトを他のBusiness Process Composerユーザーと共有できます。
プロジェクトをすべてのユーザーとパブリックに共有するには:
共有するプロジェクトを開きます。
「プロジェクト」メニューから「共有」ボタンを選択します。
ドロップダウン・リストから共有の表示方法を選択します。
プライベート
チーム・メンバーのみ
パブリック
「共有」をクリックします。
「OK」をクリックします。
特定のユーザーまたはグループとプロジェクトを共有するには:
共有するプロジェクトを開きます。
メイン・メニューから「共有」を選択します。
プロジェクトを共有するグループのユーザーを指定します。
「選択」をクリックします。
ドロップダウン・リストからスコープを選択します:
すべて:
ユーザー:
グループ:
「検索」をクリックします。
「使用可能」列からアイテムを選択し、「移動」をクリックします。
「OK」をクリックします。
ドロップダウン・リストからロールを選択します。
所有者
エディタ
表示者
「共有」をクリックします。
「閉じる」をクリックします。
デフォルトでは、共有プロジェクトは表示モードで開かれます。プロジェクトを編集する権限があり、そのプロジェクトが別のユーザーによってロックされていない場合は、プロジェクトを編集できます。
プロジェクトの編集を開始するには:
編集を開始するには、プロジェクトのようこそページの上部にある「編集」をクリックします。
プロジェクトを編集モードにすると、プロジェクトの変更を開始できます。詳細は、第5章「プロセスおよびプロセス・エディタの使用」を参照してください。
プロセスおよび他のプロジェクトのコンポーネントを編集するときは、プロジェクトへの変更を保存できます。変更内容はBPMリポジトリに直接保存され、プロジェクトのようこそページの「最近のアクティビティ」ペインに登録されます。詳細は、4.4.11項「プロジェクトに対する変更履歴を表示する方法」を参照してください。
プライベート・プロジェクトへの変更を保存するには:
プライベート・プロジェクトに変更を保存するには、プロジェクト・ツールバーの「保存」ボタンをクリックします。プロジェクトはBPMリポジトリに保存されます。必要に応じて、引き続きプロジェクトを変更できます。
共有プロジェクトに変更を保存するには:
変更を保存して、プロジェクトの編集を続行する場合は、プロセス・エディタ・ツールバーで「保存」をクリックします。
各プロジェクト・コンポーネントの未保存の変更がすべて保存されます。プロジェクトは引き続きロックされており、編集を続行できます。
プロジェクトのロックを解放するには、プロセス・エディタ・ツールバーの「保存して解放」をクリックします。
各プロジェクト・コンポーネントの未保存の変更がすべて保存されます。プロジェクトの共有が有効な場合、権限がある他のBusiness Process ComposerユーザーおよびOracle BPM Studioユーザーはプロジェクトの編集を開始できます。変更を行うには、編集モードに切り替える必要があります。
プロジェクト要素の編集中に、変更を元に戻し、プロジェクトの最新の公開済バージョンに戻すことができます。
現在のプロジェクトに対して行った変更を破棄するには:
メイン・メニューから「取消」を選択します。
「OK」をクリックして、現在のプロジェクトに対する変更の破棄を確認します。
注意: 破棄した変更は復元できません。 |
プロジェクトを検証すると、プロジェクトとプロセスのエラーを確認できます。Business Process Composerでは、エラー・ブラウザにエラーが表示されます。Business Process Composerには、プロジェクト用のエラー・ブラウザがプロセスごとに1つあります。
図4-7は、プロジェクトのエラー・ブラウザに表示されるエラーのタイプの例を示しています。
プロジェクトを検証するには:
プロジェクトを開きます。
プロジェクトの編集中であることを確認します。
メイン・メニューから「プロジェクトの検証」を選択します。
プロジェクトを検証した後は、検出されたエラーがプロジェクト用またはプロセス用のエラー・ブラウザに表示されます。
注意: エラーがあるプロジェクトはデプロイできません。 |
プロジェクトに対する主要な変更履歴を表示するには、「最近のアクティビティ」ブラウザを使用します。このブラウザには、次の内容を含む、これらの変更が表示されます。
プロジェクトの作成
リソースの変更
プロセスまたはヒューマン・タスクの作成
プロジェクトの履歴を表示するには:
プロジェクトのようこそページに移動します。
プロジェクトの変更が「最近のアクティビティ」ペインに表示されます。
特定の変更の詳細を表示するには、隣にある展開アイコンをクリックします。
プロジェクト・プロパティを表示および編集するには、プロジェクトのようこそページの「プロジェクト情報」ペインを使用します。「プロジェクト情報」ペインは、図4-2に示されています。
このペインからは、プロジェクトの次のプロパティを編集できます:
説明: プロジェクトの説明(オプション)を追加します。これは、他のユーザーとプロジェクトを共有する場合に役立ちます。
承認ワークフロー: プロジェクトの承認ワークフローを定義します。詳細は、15.1項「プロジェクトの承認ワークフローの構成」を参照してください。
イベントの生成: プロジェクト全体に対してサンプリング・ポイントを生成する方法を構成します。サンプリング・ポイントを使用すると、実行中のプロセス内のフロー・オブジェクトのパフォーマンスに関する情報を生成できます。この構成に基づいて生成されたデータは、プロセス分析データベースに格納されます。
個々のフロー・オブジェクトのサンプリング・ポイント生成の設定については、付録B「共有プロパティ」を参照してください。サンプリング・ポイントについては、Oracle Fusion Middleware Business Process Managementのユーザーズ・ガイドを参照してください。
「プロジェクト情報」ペインからは、次のプロジェクト・プロパティを表示できます:
編集モード: プロジェクトの編集モードが表示されます。プロジェクトの編集モードの変更方法については、4.4.6項「共有プロジェクトを編集する方法」を参照してください。
共有: プロジェクトの共有構成が表示されます。
プロジェクト言語: プロジェクト言語が表示されます。
重要なプロジェクトや頻繁に使用するプロジェクトは、お気に入りとしてマークすることができます。プロジェクト・ブラウザに、お気に入りとフラグが付いたプロジェクトのみを表示することもできます。
プロジェクトをお気に入りとしてマークするには、右上隅にある「プロジェクトをお気に入りとしてマーク」ボタンをクリックします。
次の各項では、ガイド付きビジネス・プロセスおよびプロジェクトのマイルストンの使用方法について説明します。
ガイド付きビジネス・プロセスは、プロセス・フローのガイド付き視覚表現を提供します。プロセス参加者にビジネス・プロセスのカプセル化された階層ビューを提供することによって、ユーザーの操作性を向上します。
プロセス設計者は、ガイド付きビジネス・プロセスを使用して、プロセス参加者がプロセスに関連付けられた一連のガイド付き手順に従ってビジネス・プロセスを完了できるように設定できます。ガイド付きビジネス・プロセスには手順の概要が示されます。この手順に従うことによって、プロセス参加者はより少ないトレーニングでビジネス・プロセスを完了できるようになり、プロセスの結果もより予測可能になります。
ガイド付きビジネス・プロセスは、ビジネス・プロセスに基づいたアクティビティ・ガイドとしてモデリングされます。アクティビティ・ガイドには、一連のマイルストンが含まれています。マイルストンには、プロセス参加者が完了する必要がある一連のタスクが含まれています。マイルストンに含まれている一連のタスクをユーザーが正常に実行すると、マイルストンが完了します。
各マイルストンは、ヒューマン・ワークフロー・タスクの特定のセットです。各ヒューマン・ワークフロー・タスクは、それ自体が、様々なロールの複数の参加者のコラボレーションを必要とするタスク・フローである場合があります。タスク・フローの内容によっては、参加者は未完了のタスク・フローをいったん保存して、後でそのタスク・フローに戻ることもできます。
Business Process Composerを使用して、ガイド付きビジネス・プロセスを構成し、それらにマイルストンを追加します。
プロジェクトのアクティビティ・ガイドを構成するには:
プロジェクトを開きます。
「クイックスタート」メニューから「アクティビティ・ガイド」を選択します。
「アクティビティ・ガイド」エディタが表示されます。
アクティビティ・ガイドのタイトルを入力します。
次のオプションのプロパティを構成します。
表示モード: ガイド付きビジネス・プロセス内のマイルストンおよびタスクにおけるリンクの表示方法を指定します。マイルストンおよびタスクで他の構成が使用される場合は、ガイド付きビジネス・プロセスの構成は無視されます。
可能な値は次のとおりです。
常時: このガイド付きビジネス・プロセスのすべてのマイルストンで、マイルストンおよびタスクのリンクを常に表示します。
インスタンス化時: ガイド付きビジネス・プロセスのすべてのマイルストンで、マイルストンの1つ以上のユーザー・タスクがインスタンス化されているときにのみ、マイルストンおよびタスクのリンクを表示します。
タスク・アクセス: タスクが完了した後、ガイド付きビジネス・プロセスではこの構成を使用してリンクが表示されます。タスク・モードが「アクティブのみ」の場合は、タスクのリンクがグレー表示されます。タスク・モードが「任意の状態」の場合は、タスクのリンクは有効なままになり、タスクを実行するときにメッセージが表示されます。
可能な値は次のとおりです。
アクティブのみ: タスクへのリンクは、タスクがアクティブであり、ユーザーが更新可能なときにのみ有効になります。タスクを完了すると、タスクへのリンクはグレー表示されます。
任意の状態: タスクをインスタンス化すると、そのタスクへのリンクは常に有効になります(タスクを完了した後も有効です)。
ルート・プロセス: このアクティビティ・ガイドに使用されるプロセスを指定します。BPMプロジェクトごとに、1つのガイド付きビジネス・プロセスのみを定義できます。このプロセスが、ルート・プロセスです。
説明: アクティビティ・ガイドのオプションの説明を指定します。
プロジェクト・ツールバーで「保存」をクリックします。
新しいマイルストンを作成する手順は、次のとおりです。
「新規マイルストン」をクリックします。
リストから、今作成したマイルストンを選択します。
必要に応じて、マイルストンを構成します。
プロジェクト・ツールバーで「保存」をクリックします。
マイルストンにユーザー・タスクを追加するには:
マイルストンを追加するプロセスを開きます。
マイルストンに追加するユーザー・タスクを右クリックします。
リストからマイルストンを選択して、「OK」をクリックします。
この項では、プロジェクト・ロールの作成方法を説明します。
プロジェクト・ロールを使用して、ビジネス・プロセスが表す作業を実行するユーザーまたはグループをモデリングします。ロールでは、組織内の職務や責任に対応する機能上のカテゴリを定義します。Business Process Composerを使用して、プロセス内で必要なロールを作成および編集し、それらをスイムレーンに割り当てます。
Business Process Composerを使用して、BPMプロジェクトで使用されるロールを定義します。ロールへのユーザーの割当てを含む、プロジェクト・ロールのより高度なマッピングと構成を実行するには、BPM StudioまたはOracle Business Process Management Workspaceを使用します。プロジェクトをランタイムにデプロイすると、プロジェクト・ロールを実際の組織のユーザーやグループにマップできます。
プロジェクト・ロールはプロジェクト全体に対して定義されます。それらは、プロジェクト内のすべてのプロセスで共有できます。プロセス内では、ロールは水平スイムレーンに割り当てられます。