Oracle® Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal: Spacesユーザーズ・ガイド 11g リリース1(11.1.1.7.0) B72923-01 |
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この章では、WebCenter Portal: Spacesの親スペースとそのサブスペースで構成されるスペース階層の使用について説明します。内容は次のとおりです。
対象読者
この章は、スペース階層でサブスペースの作成および管理を行うユーザーを対象としています。
この章で説明しているタスクを実行するユーザーには、Manage Configuration
権限を含むロールが割り当てられている必要があります。ロールと権限の詳細は、第54.2.1.2項「スペース内の権限と権限モデルの理解」を参照してください。
Spaces管理者には、すべてのスペースの機能とサービスを表示または非表示にする権限があります。この章で説明する一部のタスクが使用できない場合は、管理者に連絡してください。
スペース階層は1つの親スペースと1つ以上のサブスペースで構成されます。サブスペースは既存のスペースに作成される単なる子スペースです。スペース階層には、次のような様々な利点があります。
組織: 関連コンテンツを持つスペースは、親スペースの下に集めてグループ化できます。たとえば、ソフトウェア開発環境では、親製品スペースの下に主な機能の専用サブスペースを配置できます。あるいは、企業の親スペースの下に部門ごとのサブスペースを配置できます。他にも、顧客に提供するSpacesアプリケーションの固有の要件など、会社に固有の階層構造が可能です。
ナビゲーション: 階層型組織により論理ナビゲーションが実現され、必要な領域ではドリルダウンして詳細情報を参照できます。たとえば、製品階層で製品ファミリから製品、さらにデモへと移動したり、会社の別の部門や職務に移動したりできます。
委任管理: サブスペースを管理できるユーザーには、必ずしもその親スペースへのアクセス権は必要ありません。したがって、管理者は親スペースを制御する一方で、任意の数のサブスペースに個別の所有者を割り当てることができます。それらの所有者は、さらにその管理を他のユーザーに委任できます。
メンバーシップの継承: サブスペースは、オプションで、親スペースに定義されているメンバーシップを土台として継承できます。その後で、サブスペースの目的に合わせてメンバーシップを変更できます。
セキュリティ: コンテンツに広くアクセスできるようにして、限られた数のユーザーに管理権限を持たせたることができます。あるいは、親スペースと同じセキュリティを使用したり、サブスペースの管理者が完全に独自のセキュリティに書き換えたりできます。
サブスペースの作成の詳細は、第56.3項「サブスペースの作成」を参照してください。
新しく作成したサブスペースは、親スペースで有効なすべてのサービスを、親スペースに定義されているセキュリティ(メンバー、ロールおよび権限)とともに、継承します。
注意: 親スペース内のフォルダとファイルは、自動的にサブスペースから使用できるようにはなりません。 |
サブスペースを作成した場合、親スペースから初期セキュリティ(メンバー、ロールおよび権限)を継承します。
サブスペースのメンバー、ロールおよび権限のセキュリティ設定を変更するには、第56.7.1項「サブスペースの継承セキュリティ設定の変更」を参照してください。
サブスペースを作成する際に使用したテンプレートで定義されているロールは無視されます。
セキュリティ継承が有効な場合(第56.7.1項「サブスペースの継承セキュリティ設定の変更」を参照)、サブスペースはまず、使用するスペース・テンプレートで有効なすべてのサービスを継承します。サブスペースで使用可能なサービスをさらに制限することは可能ですが、親スペースで有効ではない新しいサービスをプロビジョニングすることはできません。親スペースで有効ではないサービスが、サブスペースを作成する際に使用したスペース・テンプレートで有効な場合、そのようなサービスはサブスペースでは使用できません。反対に、テンプレートで有効なサービスが親スペースで有効なサービスの一部である場合、サブスペースはテンプレートで有効な一連のサービスのみを継承します。
例:
サブスペースの作成に使用したテンプレートでディスカッション、リストおよびドキュメントの各サービスが有効であり、親スペースでディスカッションおよびリストのみ有効な場合、サブスペースではディスカッションおよびリストのみが有効であり、ドキュメントは有効ではありません。
サブスペースの作成に使用したテンプレートでディスカッションおよびリストの各サービスが有効であり、親スペースでディスカッション、リストおよびドキュメントが有効な場合、サブスペースではディスカッションおよびリストのみが有効であり、ドキュメントは有効ではありません。
セキュリティ継承が有効ではない場合、サブスペースはスペース・テンプレートで有効なすべてのサービスを継承します。
サブスペース(子スペース)は、任意のスペースに1つ以上作成できます。サブスペースには、その親スペースから移動できます。
注意: スペースで新しいリソース(ページ・テンプレート、スキン、リソース・カタログまたはナビゲーション)を作成した場合、新しいカスタム・リソースは、管理設定でそのスペースのサブスペース用の選択肢として表示されません。親スペースで使用しているカスタム・リソースと同じリソースをサブスペース用に設定するには、EL式を使用する必要があります(第53.4.9項「スペース用のページ・テンプレートの変更」、第53.4.10項「スペースのスキンの変更」、第53.4.11項「スペースのページおよびページ・テンプレートのリソース・カタログの変更」および第53.4.12項「スペースのナビゲーションの変更」を参照)。カスタム・リソースをすべてのスペースおよびサブスペースで選択できるようにするには、アプリケーション・レベルでカスタム・リソースを作成する必要があります(第11.2項「リソースの作成」を参照)。 |
現在のスペースのサブスペースを作成するには:
付与されている権限に応じて、次のどちらかを実行します。
スペースの「ホーム」ページで、サブスペースを作成するリンクをクリックします。
ヒント: 「サブスペースの作成」リンクの場所は、スペースで使用するページ・テンプレートによって異なります。たとえば、サイド・ナビゲーション・テンプレートでは、「サブスペース」メニューまたは「アクション」メニューからアクセスできます。 |
スペース管理設定で、「サブスペース」ページを表示し、「作成」アイコンをクリックします。
ヒント: このページへのアクセス方法は、使用するページ・テンプレートによって異なります。たとえば、サイド・ナビゲーション・テンプレートには、「管理」メニューを使用してアクセスする場合があります。 このページへのナビゲートは、第A.5項「スペース・ページのユーザー・インタフェースURL」に記載されているダイレクトURLを使用することも可能です。 |
これらのオプションが表示されていない場合、スペース管理者に問い合せ、Create Spaces
権限を付与してもらいます。
「サブスペースの作成」ダイアログが開きます。
「設定」ステップ(図56-1)で、サブスペース名を指定し、オプションでサブスペースの説明とキーワードを指定します。検索結果で発見しやすくするために、サブスペースのコンテンツに関連するキーワードを入力します。キーワードはスペースカンマで区切ります。
ここで入力した名前は、サブスペースの上部や、スペースを選択できるその他の場所(「スペース・スイッチャ」メニューや「スペース」ページなど)に表示されます。サブスペース名には、英数字、アンダースコア、空白、マルチバイト文字、特殊文字(&
や#
など)を使用できます。使用できる最大の長さは200文字です。予約済キーワード(webcenter
、pages
、page
、spaces
、space
、group
、groups
、space
、spaces
、webcenter space
、webcenter spaces
、webcenter administration
、my spaces
、admin
、last
)は、大文字のみの場合も小文字のみの場合も、大文字と小文字の組合せの場合も、完全なサブスペース名としては使用できません。これらの予約語は長い名前の一部として使用できます(Sales Group
など)。
「次」をクリックします。
「アクセス」ステップ(図56-2)で、必要に応じて、サブスペースのURLの最後の値を変更します。スペース名と同じ値も指定できます。サブスペース名と同じ値も指定できます。
注意: 初期セキュリティ(メンバー、ロールおよび権限)は、親スペースから継承します。サブスペースのメンバー、ロールおよび権限のセキュリティ設定を変更するには、第56.7.1項「サブスペースの継承セキュリティ設定の変更」を参照してください。 |
「次」をクリックします。
「コンテンツ」ステップで、新しいサブスペースのベースとして使用するテンプレートを選択します。「フィルタ」フィールドを使用して、テンプレートを名前で検索します。
注意: カスタム・スペース・テンプレートでは、フォルダとファイル、ディスカッション・フォーラム、Wiki、リスト、お知らせまたはリンクなどのシード・データを使用できます。このようなテンプレートを選択した場合、新しいサブスペースにはすべてのシード・データが含まれます。 サブスペースを作成する際に使用したテンプレートで定義されているロールは無視されます。 |
「作成」をクリックします。
新しいサブスペースが開き、「ホーム」ページが表示されます。サブスペースの作成者としてこのサブスペースのModerator
ロールが自動的に付与され、必要に応じてサブスペースを移入、カスタマイズおよび管理できます。
注意: 親スペース内のフォルダとファイルは、自動的にサブスペースから使用できるようにはなりません。 |
次の各項で説明するとおり、サブスペースと親スペースを参照できる範囲は、ロールと権限によって決まります。
付与されている権限に応じて、次のいずれかの方法でスペースのサブスペースを表示できます。
親スペースの「ホーム」ページで、「サブスペース」をクリックし、スペースのサブスペースのリストを表示します。
ヒント: 「サブスペース」リンクの場所は、スペースで使用するページ・テンプレートによって異なります。たとえば、サイド・ナビゲーションでは「サブスペース」メニューからアクセスできます。トップ・タブ・ナビゲーションではアプリケーションの上部の「サブスペース」リンクからアクセスできます。 |
スペース管理設定で、「サブスペース」ページを表示します。
ヒント: このページへのアクセス方法は、使用するページ・テンプレートによって異なります。たとえば、サイド・ナビゲーション・テンプレートには、「管理」メニューを使用してアクセスする場合があります。 このページへのナビゲートは、第A.5項「スペース・ページのユーザー・インタフェースURL」に記載されているダイレクトURLを使用することも可能です。 |
(スペース管理者のみ)「スペース管理」を開き(第4章「「スペース管理」ページへのアクセス」を参照)、「スペース」ページで、親スペース直属のサブスペースの数が表示されている「サブスペース」列の下のリンクをクリックします。「スペース」ページに親スペースのサブスペースのリストが表示されます。このリストから別のレベルのサブスペースを表示できます。
詳細は、第55章「スペースおよびテンプレートの管理」を参照してください。
サブスペースから親スペースに移動できるようにするには、サブスペースのページ・テンプレートにリンクを追加します。これはページ・テンプレート開発者の設計上の決定であり、親スペースのセキュリティでサブスペースからの直接アクセスが許可されているかどうかに応じて表示できます。
Spacesアプリケーション設計者は、カスタム・ナビゲーション・モデルを構築できます。このモデルをスペースのページに追加して、エンド・ユーザーがスペース階層を簡単に移動できるようにできます。詳細は、第12.2.2.1.5項「ナビゲーション・モデルへのサブスペース・リストの追加」を参照してください。
Spaces-Manage All
権限を持つスペース管理者は、現在の親スペースからサブスペースを移動できます。サブスペースを移動する際、メタデータ(ページ、ナビゲーション、セキュリティなど)とデータはすべて維持されます。
現在の親スペースから1つ以上のサブスペースを移動するには:
スペース管理設定で、「サブスペース」ページを表示します。
ヒント: このページへのアクセス方法は、使用するページ・テンプレートによって異なります。たとえば、サイド・ナビゲーション・テンプレートには、「管理」メニューを使用してアクセスする場合があります。 このページへのナビゲートは、第A.5項「スペース・ページのユーザー・インタフェースURL」に記載されているダイレクトURLを使用することも可能です。 |
「サブスペース」ページで、移動するサブスペースの行をクリックします。複数のサブスペースを選択するには、[Ctrl]キーを押しながらクリックします。
「編集」メニューから「スペースの親の変更」を選択します。
「新規の親の選択」ダイアログで、新しい親スペースを選択します。スペース階層のルート・スペースにサブスペースを移動する場合は「親スペースなし」チェック・ボックスを選択します。
注意: Spacesアプリケーションのすべてのスペースとサブスペースがリストされます。これは、スペース階層の下位で選択したサブスペースを、別のサブスペースの下に移動できることを意味します。 |
「OK」をクリックします。
確認プロンプトで、「OK」をクリックします。
サブスペースでの管理タスクは、次の章で説明するとおり、任意のトップ・レベル・スペースでの管理タスクと同じです。
また、サブスペースには、親スペースには適用されない次の管理タスクがあります。
サブスペースを作成した場合、親スペースから初期セキュリティ(メンバー、ロールおよび権限)を継承します。サブスペースにカスタム・セキュリティを設定した場合、親スペースからセキュリティを継承する動作に戻すことはできません。
サブスペースのメンバー、ロールおよび権限を変更するには:
サブスペースの管理設定で、「一般」ページを表示します。
ヒント: このページへのアクセス方法は、使用するページ・テンプレートによって異なります。たとえば、サイド・ナビゲーション・テンプレートには、「管理」メニューを使用してアクセスする場合があります。 このページへのナビゲートは、第A.5項「スペース・ページのユーザー・インタフェースURL」に記載されているダイレクトURLを使用することも可能です。 |
「一般」ページの「スペース・オプション」で、「セキュリティ設定」チェック・ボックスの選択を解除し、サブスペースは親スペースのセキュリティ設定を継承しないことを指定します(図56-3)。
このチェック・ボックスは、選択を解除した後は非アクティブになり、親スペースからセキュリティを継承する動作に戻すことはできません。
「適用」をクリックし、設定を保存します。
これで、管理設定には「ロール」ページと「メンバー」ページが表示され、「アクセス」セクションは「一般」ページに表示されることに注意してください。