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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal: Spacesユーザーズ・ガイド
11g リリース1(11.1.1.7.0)
B72923-01
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11 ポータルまたはコミュニティを作成するリソースの使用

Spacesには、デフォルトでアプリケーションおよびスペースを定義して強化できる一連の組込みリソースが用意されています。これらのリソースが特定の要件に適合しない場合には、独自のカスタム・リソースを作成できます。

この章では、Spacesリソースの概要を述べ、リソースの作成および管理の方法を説明します。内容は次のとおりです。


注意:

特定のリソースの詳細は、表11-1に示したリソース固有の章を参照してください。


11.1 リソースの基本

Spacesにデフォルトで備わっているアプリケーション・フレームワークは、常に進化しているアプリケーションです。適切な権限を持つユーザーがこのアプリケーションをさらにカスタマイズするには、構造、ルック・アンド・フィール、Spacesアプリケーション全体のコンテンツまたは特定のスペースを定義する様々なタイプのリソースを作成して適用します。ユーザーは、リソースを再デプロイしたりアプリケーションを再起動しなくてもSpacesをカスタマイズできます。

この項では、様々なリソースとそれを使用するために必要な権限の概要を述べ、リソースにアクセスする方法について説明します。この項の内容は次のとおりです。

11.1.1 リソースの概要

Spacesでは、リソースが構造、ルック・アンド・フィール、およびマッシュアップというカテゴリに分類されています。図11-4は、これらの各カテゴリで使用できるリソースの様々なタイプを示しています。

図11-1 Spacesで使用できるリソース

WebCenter Spacesで使用できるリソース
「図11-1 Spacesで使用できるリソース」の説明

表11-1では、リソースの様々なタイプについて説明し、各リソースについて詳細を確認できる章へのリンクを示します。

表11-1 Spacesで使用できるリソース

リソース 説明 ドキュメント

構造

このカテゴリに属するリソースにより、テンプレート、ナビゲーションおよびカタログを定義できます。


ページ・テンプレート

ユーザーの画面における個々のページやページ・グループの表示方法が定義されます。

第13章「ページ・テンプレートの使用」

ナビゲーション

スペース、ページ、コンテンツ・リポジトリ、場合によっては外部Webページなど、複数のソースからの情報にリンクする方法を定義します。

第12章「ナビゲーションの使用」

リソース・カタログ

ユーザーがページ、ページ・テンプレートおよびタスク・フローに追加できるコンポーネントとコネクションを定義します。

第16章「リソース・カタログの使用」

外観とレイアウト

このカテゴリに属するリソースにより、外観とレイアウトを定義できます。


スキン

特定のスペースやアプリケーション全体の外観とルック・アンド・フィールの色やフォントなどを定義します。

第14章「スキンの使用」

ページ・スタイル

新しく作成されるページのレイアウトを定義し、ページがサポートするコンテンツのタイプを指示する場合もあります。

第15章「ページ・スタイルの使用」

コンテンツ・プレゼンタ

コンテンツを表示する「コンテンツ・プレゼンタ」テンプレートを管理します。

第42章「コンテンツ・プレゼンタを使用したコンテンツの公開」

マッシュアップ・スタイル

タスク・フローに使用できるテンプレートを管理します。

第29.3.4項「マッシュアップ・スタイルの管理」

マッシュアップ

このカテゴリに属するリソースにより、タスク・フローとデータ・コントロールを定義できます。


データ・コントロール

データ・コントロールを作成して管理し、特にビジネス・マッシュアップでの使用では、外部リポジトリに接続してデータを読み取ります。Spacesでは組込みデータ・コントロールが提供されません。

第29.2項「データ・コントロールの作成および管理」

タスク・フロー

選択したマッシュアップ・スタイルに基づいてタスク・フローを作成して管理します。Spacesでは組込みタスク・フローが提供されません。

第29.3項「タスク・フローの作成および管理」


11.1.2 アプリケーションレベルのリソースおよびスペースレベルのリソースの理解

Spacesには、デフォルトで様々な組込みリソースがアプリケーション・レベルとスペース・レベル(ホーム・スペースやその他のスペース)で用意されています。組込みリソースを変更またはダウンロードできません。

ビジネス要件を満たすには、アプリケーション・レベルまたはスペース・レベルでカスタム・リソースを作成します。これらの両方のレベルでは、使用できるリソースとその機能は同じです。アプリケーションレベルおよびスペースレベルの違いは、次のような有効範囲の違いです。

  • アプリケーションレベルのリソースは、スペースが特に除外されていなければ、すべてのスペースで使用できます。

  • スペースレベルのリソースは、作成元のスペースでのみ使用できます。

デフォルトでは、ページ・テンプレート、スキン、リソース・カタログ、ナビゲーション・モデルなどのアプリケーションレベルのリソースの設定は、すべてのスペースに適用されます。ただし、スペースでは、デフォルトのアプリケーションレベルのリソース設定を使用するか、独自のリソース設定を指定するかを選択できます。スペースでアプリケーションレベルの設定が使用されている場合、アプリケーションレベルの設定に対する変更はスペースにも反映されます。たとえば、アプリケーションでFusion FXスキンが使用されていて、アプリケーションにはSpaceASpaceBの2つのスペースがあるとします。デフォルトでは、両方のスペースでFusion FXスキンが使用されます。アプリケーションがDewという名前のスキンを使用し、SpaceBMistスキンを使用するように構成されているとします。現在、スキンにアプリケーションレベルの設定を使用しているSpaceADewスキンを使用するように自動的に更新されますが、SpaceBMistを引き続き使用します。

カスタムのアプリケーションレベルのリソースを作成して発行すると、それは自動的にすべてのスペースに使用可能になります。ただし、アプリケーションレベルのリソースはアプリケーション・レベルでのみ編集可能です。

11.1.3 リソースを使用するために必要な権限

リソースを作成して管理するには、アプリケーションレベルおよびスペースレベルの適切な権限が必要です。

アプリケーションレベルのリソースを作成して管理するには、Spaces管理者である必要があります。または、次の権限のいずれかを持っている必要があります。

  • Application-Manage All (図11-2)

  • Application-Manage Configurationおよび必要なリソースの作成、編集および削除の権限たとえば、ページ・スタイルに対するCreate, Edit, and Delete Page Styles権限(図11-3)などです。

図11-2 アプリケーションに対するすべての権限の管理

Spacesアプリケーション全体に対するすべての権限の管理
「図11-2 アプリケーションに対するすべての権限の管理」の説明

図11-3 アプリケーション・レベルでリソースを管理するために必要な権限

リソースを管理するために必要な権限
「図11-3 アプリケーション・レベルでリソースを管理するために必要な権限」の説明

特定のスペースを作成して管理するには、次の権限を付与されている必要があります。

11.1.4 リソースへのアクセス

リソースを管理するには、「リソース」ページを使用します。この項では、ご使用のアプリケーションおよび特定のスペースにおけるリソースへのアクセス方法について説明します。この項の内容は次のとおりです。

11.1.4.1 アプリケーションレベルのリソースへのアクセス

アプリケーションレベルの「リソース」ページにアクセスする手順は次のとおりです。

  1. 管理権限でSpacesにログオンします。

  2. アプリケーション管理者としてログオンすると、次のいずれかの方法で「リソース」ページにアクセスできます。

    • 次のURLを使用します。

      http://host:port/webcenter/spaces/admin/resources
      

      ここでは、hostおよびportはSpacesアプリケーションが配置されているサーバーのホスト名とポート番号です。


      関連項目:

      Spacesユーザー・インタフェースURLの詳細は、付録A「 Spacesユーザー・インタフェースURL」を参照してください。


    • 「管理」リンク(図11-6)をクリックします。このオプションを使用する場合は、手順3に進みます。

      図11-6 「管理」リンク

      「管理」リンク
      「図11-6 「管理」リンク」の説明

  3. 「スペース管理」で、「リソース」タブをクリックします。

    アプリケーションレベルの「リソース」ページ(図11-7)が開きます。これは、リソース・マネージャとも呼ばれています。

    図11-7 アプリケーションレベルの「リソース」ページ

    「スペース管理」の「リソース」ページ
    「図11-7 アプリケーションレベルの「リソース」ページ」の説明

11.1.4.2 スペースレベルのリソースへのアクセス

スペースの「リソース」ページにアクセスする手順は次のとおりです。

  1. モデレータ権限でSpacesにログオンします。

  2. スペースの「リソース」ページに、次のいずれかの方法でアクセスします。

    • 次のURLを使用します。

      http://host:port/webcenter/spaces/spaceName/admin/resources
      

      ここでは、host:portはSpacesアプリケーションが配置されているサーバーのホスト名とポート番号で、spaceNameはアクセスするリソースのスペース名です。


      関連項目:

      Spacesアプリケーションのユーザー・インタフェースURLの詳細は、付録A「 Spacesユーザー・インタフェースURL」を参照してください。


    • Spacesのナビゲーションを使用します。詳細は、手順3に進みます。

  3. ホーム・スペースで、「スペース」ページを表示します。


    ヒント:

    このページへのアクセス方法は、使用するページ・テンプレートによって異なります。たとえば、トップ・ナビゲーション・テンプレートでは、「スペース」メニューからアクセスできます(図11-8)。


    図11-8 「スペース」へのアクセス

    「スペース」へのアクセス
    「図11-8 「スペース」へのアクセス」の説明

  4. 「スペース」ページで、必要なスペースを選択します。

  5. スペース管理ページを表示します。


    ヒント:

    スペース管理ページへのアクセス方法は、使用するページ・テンプレートによって異なります。たとえば、トップ・ナビゲーション・テンプレートでは、「管理」メニューからスペース管理ページにアクセスできます(図11-9)。

    これらのページへの移動は、第A.5項「スペース・ページのユーザー・インタフェースURL」に記載されているダイレクトURLを使用することも可能です。


    図11-9 トップ・ナビゲーション・テンプレートの「管理」メニュー

    トップ・ナビゲーション・テンプレートの「管理」メニュー
    「図11-9 トップ・ナビゲーション・テンプレートの「管理」メニュー」の説明

  6. 「リソース」タブをクリックします。

    選択したスペースの「リソース」ページ(図11-10)が開きます。これは、リソース・マネージャとも呼ばれています。

    図11-10 Spaceの「リソース」ページ

    「Spaceの「リソース」ページ
    「図11-10 Spaceの「リソース」ページ」の説明

11.1.5 リソースに関する情報の表示

各リソースには、そのリソースに関する有用な情報が要約された「バージョン情報」ダイアログが関連付けられています。「バージョン情報」ダイアログに表示されるプロパティの詳細は、第11.4.2.1項「リソースのプロパティの基本」を参照してください。

リソースの「バージョン情報」ダイアログに表示されたプロパティは編集できません。

リソースの「バージョン情報」ダイアログにアクセスする手順は次のとおりです。

  1. 第11.1.4項「リソースへのアクセス」の説明に従って、アプリケーションまたは目的のスペースの「リソース」ページに移動します。

  2. 左にあるナビゲーション・パネルで、リソースのタイプを選択します。

  3. 右側に表示されるリソースのリストから、詳細を表示するリソースを選択します。

  4. メニュー・バーの「バージョン情報」をクリックします。

    選択したリソースに関連したプロパティを示した、「バージョン情報」ダイアログが表示されます(図11-11)。

    図11-11 リソースの「バージョン情報」ダイアログ

    リソースの「バージョン情報」ダイアログ
    「図11-11 リソースの「バージョン情報」ダイアログ」の説明

11.2 リソースの作成

この項の内容は、次のとおりです。

11.2.1 リソース作成の基本

Spacesでは、スクラッチから作成できるリソースと既存のリソースをコピーする以外に作成方法のないリソースがあります。たとえば、タスク・フローはスクラッチから作成できますが、スキンは既存のスキンをコピーしてのみ作成できます。さらに、Spacesで作成が制限されている「コンテンツ・プレゼンタ」テンプレートなどの特定なリソースがあります。

表11-1では、Spacesで使用できる様々なリソース作成のサポートについて説明します。

表11-2 Spacesでのリソース作成のサポート

リソース リソースのSpacesでの作成の可否 リソースの作成方法

ページ・テンプレート

別のページ・テンプレートの拡張でのみ

ナビゲーション

スクラッチから、または別のナビゲーション・リソースの拡張による

リソース・カタログ

スクラッチから、または別のリソース・カタログの拡張による

スキン

別のスキンからのコピー作成でのみ

ページ・スタイル

不可

(適用なし)

コンテンツ・プレゼンタ・テンプレート

不可

(適用なし)

マッシュアップ・スタイル

不可

(適用なし)

データ・コントロール

スクラッチからのみ

タスク・フロー

スクラッチからのみ


11.2.2 リソースの作成

Spacesでリソースを作成する手順は次のとおりです。


注意:

データ・コントロール作成の手順は、他のリソースとは異なります。データ・コントロールの作成方法の詳細は、第29章「ビジネス・マッシュアップの作成」を参照してください。


  1. 第11.1.4項「リソースへのアクセス」の手順に従って、リソースを作成するアプリケーションまたはスペースの「リソース」ページに移動します。

  2. 左のナビゲーション・パネルで、目的のタイプのリソースを選択します。

  3. メニュー・バーで、「作成」をクリックします。

  4. 「作成」ダイアログの、「名前」フィールドに、リソースの名前を入力します。

    図11-12 リソースの作成

    リソースの作成
    「図11-12 リソースの作成」の説明

  5. 「説明」フィールドにリソースの説明を入力します。

  6. 「コピー元」リストから、新規リソース作成用に拡張する既存リソースを選択します。


    注意:

    「コピー元」リストは、ページ・テンプレート、ナビゲーション、リソース・カタログ、およびスキン・リソースにのみ使用できます。データ・コントロール・リソースやタスク・フロー・リソースには使用できません。

    タスク・フロー・リソースには、ページ・レイアウトを選択する必要があります。詳細は、第29.3.1項「タスク・フローの作成」を参照してください。


  7. 「作成」をクリックします。

    新しく作成したリソースが、「リソース」ページにリストされます。リソースの横の灰色のアイコンは、リソースが未公開なためユーザーは使用できないことを示しています。リソース公開の詳細は、第11.4.3項「リソースの表示および非表示」を参照してください。

11.3 リソースの編集

この項の内容は次のとおりです。

11.3.1 リソース編集の基本

Spacesでは、カスタム・リソースを編集できます。2タイプのリソース編集がサポートされています。

  • 簡易編集: リソースの基本設定を編集する簡易な方法が用意されています。「編集」ダイアログを使用して、簡易編集を実行します。

  • ソース編集: リソースのソース・コードを使用できます。「ソースの編集」ダイアログを使用して、ソースの編集を実行します。

    リソースのソース・ファイルをダウンロードし、JDeveloperで編集してSpacesアプリケーションにアップロードして戻さなくても、リソースのソース・ファイルを編集してそのコードに拡張編集を行うことができます。さらに、「ソースの編集」オプションを使用して最初からリソースを作成するには、リソースを作成してそのデフォルトのソース・コードを独自のオリジナル・コードで置き換えることもできます。ただし、手作業のコーディングが大量に必要になるため、このシナリオはお薦めしません。

組込みリソースを編集できません。組込みリソースを変更する場合には、リソースのコピーを作成して好みに応じてそのコピーを編集することを検討してください。

Oracle WebCenter Portalでは、リソースのラウンドトリップ開発がサポートされています。リソースの機能性を強化するために、リソースをダウンロードし、JDeveloperで編集してSpacesアプリケーションにアップロードしなおすことができます。詳細は、第11.5項「JDeveloperを使用したSpacesアプリケーションのリソースの作成」を参照してください。

11.3.2 リソースのソース・コードの編集

「ソースの編集」ダイアログを使用して、実行時におけるリソースの編集をさらに制御します。データ・コントロールを除く任意のカスタム・リソースの基礎となるソース・コードを編集できます。リソースに対する変更内容はMDSに保存され、すぐに使用できるようになります。

リソースのソース・コードを編集する手順は次のとおりです。

  1. 第11.1.4項「リソースへのアクセス」の説明に従って、アプリケーションまたは目的のスペースの「リソース」ページに移動します。

  2. 「リソース」ページで左側にあるナビゲーション・パネルから、必要なタイプのリソースを選択します。

  3. 右側に表示されるリソースのリストから、コードを編集するリソースを選択します。

  4. 「編集」メニューから、「ソースの編集」を選択します。

    「ソースの編集」ダイアログにリソースの定義が表示されます。

  5. 必要に応じて、コードを編集します。

    コードのXML構文は検証されており、任意のタグが欠落するか、不正に追加された場合はエラー・メッセージが表示されます。検証は、CSSファイルなどXML以外のファイルでは実行されません。

    図11-13はスキンのCSSファイルのサンプル・ソース・コードを示しています。

    図11-13 リソースのソース・コードの編集

    リソースのソース・コードの編集
    「図11-13 リソースのソース・コードの編集」の説明

  6. 「OK」をクリックします。

11.3.3 「編集」ダイアログを使用したソースの編集

「編集」ダイアログを使用して、リソースに簡単な変更を実行します。「編集」ダイアログに表示されるプロパティはリソースごとに変わります。リソースの編集の詳細は、表11-1に示したリソース固有の章を参照してください。

11.4 リソースの管理

この項の内容は次のとおりです。

11.4.1 リソースのコピー

Spacesでは、リソースのコピーを作成できます。この機能は、次の操作を実行する場合に役立ちます。

  • リソースのバックアップを作成する。

  • オリジナルのリソースを使用したままリソースを更新する。

  • 組込みリソースを新規リソース作成のサンプルとして使用する。組込みリソースは編集できませんが、リソースのコピーを作成して、それに改良を加えていくことは可能です。

「コンテンツ・プレゼンタ」テンプレート以外のすべてのリソース・タイプのコピーを作成できます。リソースのコピーを作成すると、そのコピーは非表示としてマークされます。

リソースのコピーを作成する手順は次のとおりです。

  1. 第11.1.4項「リソースへのアクセス」の説明に従って、アプリケーションまたは目的のスペースの「リソース」ページに移動します。

  2. 左のナビゲーション・パネルで、目的のタイプのリソースを選択します。

  3. 右側に表示されるリソースのリストから、コピーを作成するリソースを選択します。

  4. 「編集」メニューから「コピー」を選択します。

  5. 「コピー」ダイアログの「表示名」フィールドに、リソース・コピーの名前を入力します(図11-14)。

    図11-14 リソースのコピー

    リソースのコピー
    「図11-14 リソースのコピー」の説明

  6. 「説明」フィールドにリソース・コピーの説明を入力します。

  7. 「OK」をクリックします。

11.4.2 リソースのプロパティの設定

各リソースには、その表示プロパティ、可用性および属性を定義する特定のプロパティが関連付けられています。この項では、これらのプロパティにアクセスしてカスタム・リソースに変更する方法について説明します。内容は次のとおりです。

11.4.2.1 リソースのプロパティの基本

「プロパティの編集」ダイアログを使用して、カスタム・リソースに関連付けられたプロパティを編集します。「プロパティの編集」ダイアログは、「一般」、「リソース使用率の除外」および「属性」のセクションで構成されています。

「一般」セクション

「一般」セクションには、リソースの名前、場所および内部IDなどの詳細が表示されます。これらのプロパティは、すべてのリソースにわたって共通です。

表11-3に、「一般」セクションのリストに記載されているプロパティの説明を示します。

表11-3 「プロパティの編集」ダイアログの「一般」セクションのプロパティ

プロパティ 説明

表示名

リソースの名前を指定します。

説明

リソースの説明を入力します。

アイコンURI

リソースに関連付けるアイコンのURIを指定します。

カテゴリ

リソースに関連付けるSalesなどのカテゴリを指定します。

リソース・タイプ

リソースのタイプを表示します。たとえば、ページ・スタイルのリソースでは、リソース・タイプはpageStyleです。

内部ID

Spaces内のリソースに割り当てられた一意の内部ID番号を表示します。

コンテンツ・ディレクトリ

Spacesアプリケーションがデプロイされている管理対象サーバーで、リソースの依存オブジェクト(イメージ、JavaScripts、スタイルシート、HTMLファイルなど)が格納されているパスを表示します。

JSPXファイル

リソースの.jspxファイルへのパスを表示します。

ページ定義

Spacesサーバー上でリソースのページ定義(.xmlファイル)が格納されている場所へのパスを表示します。ページ定義は、ページ・テンプレート、タスク・フロー、ページ・スタイルおよびマッシュ・スタイルに対して使用されます。

メタデータ・ファイル

リソースのメタデータ・ファイルがある場合、Spacesサーバー上で格納されている場所のパスを表示します。

作成者

リソースを作成したユーザーの名前を表示します。

作成日

リソースが作成された日付と時間を表示します。

変更者

リソースを最後に変更したユーザーの名前を表示します。

更新日

リソースが最後に変更された日付と時間を表示します。


「リソース使用率の除外」セクション

アプリケーションレベルのリソースを使用可能とマークすると、それはすべてのスペースとホーム・スペースで使用可能になります。Spacesでは、そのリソースをホーム・スペースとすべてのスペースで使用可能にするか、または選択したスペースでのみ使用可能にするかを選択できます。「リソース使用率の除外」セクションのコントロールを使用して、選択したカスタム・リソースの表示を回避するか推進するかを指定します(図11-15)。

アプリケーション・レベルでのみカスタム・リソースの可用性を設定できます。「リソース使用率の除外」セクションは、ホーム・スペースやスペースでは使用できません。

図11-15 その他のスペースにおけるリソースの可用性の設定

その他のスペースにおけるリソースの可用性の設定
「図11-15 その他のスペースにおけるリソースの可用性の設定」の説明

「属性」セクション

「属性」セクション(図11-16)には、リソースに関連付けられた属性のリストが表示されます。「属性」セクションに表示される属性はリソースごとに変わります。たとえば、ページ・テンプレートにはデフォルトの属性はありませんが、スキンにはskinFamilyskinIdおよびskinExtendsというデフォルトの属性があります。

図11-16 リソースの属性

リソースのカスタム属性
「図11-16 リソースの属性」の説明

属性はリソースの動作を決定します。たとえば、editPageAfterCreationはページ・スタイルのリソースのカスタム属性で、新規作成ページを編集モードまたは表示モードのどちらで開くかを制御します。値は、trueまたはfalseです。この属性に特定のページ・スタイルを関連付けると、選択したスタイルに基づいてユーザーがページを作成するたびに、属性値が考慮され、それに応じてページが動作します。

第11.4.2.6項「リソースの属性の使用」の説明に従って、属性を追加、編集または削除できます。リソース固有の属性がある場合には、表11-1に示す関連の章を参照してください。

11.4.2.2 リソースの「プロパティの編集」ダイアログへのアクセス

リソースの「プロパティの編集」ダイアログにアクセスする手順は次のとおりです。

  1. 第11.1.4項「リソースへのアクセス」の説明に従って、アプリケーションまたは目的のスペースの「リソース」ページに移動します。

  2. 左のナビゲーション・パネルから、編集するリソースのタイプを選択します。

  3. 右に表示されたリストから、関連リソースを選択し、「編集」メニューから「プロパティの編集」を選択します。

    「プロパティの編集」ダイアログが開きます(図11-17)。

    図11-17 リソースの「プロパティの編集」ダイアログ

    リソースの「プロパティの編集」ダイアログ
    「図11-17 リソースの「プロパティの編集」ダイアログ」の説明

11.4.2.3 リソースの名前変更、説明および分類

リソースは、組込みまたはカスタムのいずれであっても、表示名に従って「リソース」ページでソートされます。優れた構成のリソースを管理するには、標準の命名方法と説明の方法の開発を検討します。これは必須手順ではありませんが、特定のリソースに対して意図した目的を特定して明確にするうえで役立つことがあります。

リソースを関連グループに分類できます。たとえば、Salesに関連付けられたすべてのページ・スタイルにsalesカテゴリを備えることができます。この値は使用可能で、「プロパティの編集」ダイアログでのみ公開されます。

リソースの名前、説明および分類を指定する手順は次のとおりです。

  1. 第11.4.2.2項「リソースの「プロパティの編集」ダイアログへのアクセス」の説明に従って、必要なリソースの「プロパティの編集」ダイアログを開きます。

  2. 「表示名」フィールドで、必要に応じて、リソースの表示名を編集します。

  3. 必要に応じて、「説明」フィールドにリソースの説明を入力します。

  4. 必要に応じて、「カテゴリ」フィールドにカテゴリ名を入力します。

  5. 「OK」をクリックして、変更内容を保存し、ダイアログを終了します。

11.4.2.4 アイコンのリソースへの関連付け

アイコンをリソースに関連付けることができます。Spacesの現バージョンでは、関連付けられたアイコンは「作成」ダイアログを使用してページを作成する際に、ページ・スタイルにのみ表示されます。

アイコンをリソースに関連付ける手順は次のとおりです。

  1. 第11.4.2.2項「リソースの「プロパティの編集」ダイアログへのアクセス」の説明に従って、必要なリソースの「プロパティの編集」ダイアログを開きます。

  2. 「アイコンURI」フィールドに、アイコンへの標準URIパスを入力します。


    注意:

    絶対URL (ブラウザのアドレス・フィールドに入力してもこのURLは機能します)、またはSpaces内のどこかに配置されたイメージを指す相対URLのいずれかを指定できます。Spacesにイメージを保存するには、第43.8.1項「ファイルのアップロード」の説明に従って、ドキュメント・サービスを使用して必要なファイルをアップロードする必要があります。イメージのURLを取得するには、第43.27.1項「フォルダまたはファイルのURLの取得」の説明に従って「ダウンロードURL」値をコピーします。


  3. 「OK」をクリックして、変更内容を保存し、ダイアログを終了します。

11.4.2.5 アプリケーションレベルのリソースの他のスペースにおける可用性の設定

「プロパティの編集」セクションの「リソース使用率の除外」セクションを使用して、ホーム・スペースまたはスペースでのアプリケーションレベルのリソースの可用性を設定します。「リソース使用率の除外」セクションはアプリケーションレベルでのみ使用可能で、ホーム・スペースやその他のスペースでは使用できません。

ホーム・スペースおよびその他のスペースにおけるアプリケーションレベルのリソースの可用性を設定する手順は次のとおりです。

  1. 第11.4.2.2項「リソースの「プロパティの編集」ダイアログへのアクセス」の説明に従って、必要なリソースの「プロパティの編集」ダイアログを開きます。

  2. 「リソース使用率の除外」では、次のチェック・ボックスの項目を選択します。

    • 「ホーム・スペースから除外」チェック・ボックスの選択結果は、次のとおりです。

      • 選択すると、ホーム・スペースの「リソース」ページでリソースを非表示にします。

      • 非選択にすると、ホーム・スペースの「リソース」ページでリソースを表示します。

    • 「スペースから除外」チェック・ボックスの選択結果は、次のとおりです。

      • すべてのスペースに含める: すべてのスペースの「リソース」ページでリソースを使用可能にします。

      • すべてのスペースから除外: すべてのスペースの「リソース」ページでリソースをリストから除外します。

      • 選択したスペースから除外: リソースがリストされない「リソース」ページのスペースを指定します。

        このオプションを選択すると、「追加/選択」リンクが表示されます(図11-18)。

        図11-18 「リソース使用率の除外」セクション

        「リソース使用率の除外」セクション
        「図11-18 「リソース使用率の除外」セクション」の説明

        このリンクをクリックすると、「スペースの追加」ダイアログが表示されます。リソースを除外するスペースを選択して、「OK」をクリックします(図11-19)。

        選択したスペースのリストが「プロパティの編集」ダイアログに表示されます。

        図11-19 選択したスペースからのリソースの除外

        選択したスペースからのリソースの除外
        「図11-19 選択したスペースからのリソースの除外」の説明

  3. 「OK」をクリックして変更内容を保存し、「プロパティの編集」ダイアログを終了します。

11.4.2.6 リソースの属性の使用

この項では、カスタム属性をリソースに関連付ける方法とカスタム属性を削除する方法につて説明します。内容は次のとおりです。

11.4.2.6.1 属性のリソースへの関連付け

属性をリソースに関連付ける手順は次のとおりです。

  1. 手順の概要は、第11.4.2.2項「リソースの「プロパティの編集」ダイアログへのアクセス」を参照してください。

  2. 「属性」セクションの「名前」フィールドに、属性名を入力します(図11-20)。

    図11-20 属性の追加

    属性の追加
    「図11-20 属性の追加」の説明

    リソースへの関連付けが可能な属性(ある場合)の詳細は、表11-1に示したリソース固有の章を参照してください。

  3. 「値」フィールドに、属性の値を入力します。

  4. 属性を追加する場合には、「さらに追加」をクリックします。

    この操作により、新しい行が追加されます。次に、「名前」フィールドと「値」フィールドに必要な詳細を入力します。

  5. 「OK」をクリックして、変更内容を保存し、ダイアログを終了します。

11.4.2.6.2 リソースの属性の削除

リソースに関連付けた属性を削除する手順は次のとおりです。

  1. 手順の概要は、第11.4.2.2項「リソースの「プロパティの編集」ダイアログへのアクセス」を参照してください。

  2. 「属性」セクションで、削除する属性の横に表示された「削除」アイコンをクリックします。

  3. 「OK」をクリックして、変更内容を保存し、ダイアログを終了します。

11.4.3 リソースの表示および非表示

この項の内容は次のとおりです。

11.4.3.1 リソースの表示および非表示の基本

すべてのリソースは、組込みまたはカスタムのいずれであっても、非表示または使用可能とマークできます。使用可能なすべてのリソースに対して、緑色のティック・マークと「使用可能」という文字が「リソース」ページのリソース名の横に表示されます。リソース名の横のグレーのアイコンと「非表示」という文字は、そのリソースが非表示にマークされていることを示しています(図11-21)。

図11-21 リソースの表示または非表示

リソースの表示または非表示
「図11-21 リソースの表示または非表示」の説明

リソースを作成またはアップロードすると、デフォルトではそのリソースは非表示にマークされます。非表示のアプリケーションレベルのリソースは、アプリケーション、スペースまたはホーム・スペースでリソース・ピッカーでの選択に使用できません。同様に、非表示のスペースレベルのリソースは、そのスペース内のリソース・ピッカーのリストに表示されません。リソースをリソース・ピッカーで使用可能にするには、リソースを公開する必要があります。

非表示のリソースを使用して新しいリソースを作成できます。たとえば、図11-22ではページ・テンプレートMySpaceTemplateが非表示としてマークされています。しかし、新しいページ・テンプレートを作成する際には、それが「コピー元」リストに表示されます。図11-23では、使用可能なすべてのページ・テンプレートのリストが表示されています。MyTemplateがそこに表示されていないことに注意してください。

図11-22 新しいリソースの作成に使用できる非表示のリソース

新しいリソースの作成に使用できる非表示のリソース
「図11-22 新しいリソースの作成に使用できる非表示のリソース」の説明

図11-23 リソース・ピッカーのリストに表示されていない非表示のリソース

リソース・ピッカーのリストに表示されていない非表示のリソース
「図11-23 リソース・ピッカーのリストに表示されていない非表示のリソース」の説明

11.4.3.2 リソースの表示

非表示のリソースを使用可能とマークする手順は次のとおりです。

  1. 第11.1.4項「リソースへのアクセス」の説明に従って、アプリケーションまたは目的のスペースの「リソース」ページに移動します。

  2. 左のナビゲーション・パネルで、目的のタイプのリソースを選択します。

  3. 右に表示されるリソースのリストから、使用可能とマークするリソースを選択します。

  4. 「編集」メニューから、「表示」を選択します。

    緑色のチェックマークと「使用可能」という文字がリソース名の横に表示され、リソースが使用可能であることを示します。

11.4.3.3 リソースの非表示

リソースを非表示にする手順は次のとおりです。

  1. 第11.1.4項「リソースへのアクセス」の説明に従って、アプリケーションまたは目的のスペースの「リソース」ページに移動します。

  2. 左のナビゲーション・パネルで、目的のタイプのリソースを選択します。

  3. 右に表示されるリソースのリストから、非表示にするリソースを選択します。

  4. 「編集」メニューから「非表示」を選択します。

    グレーのアイコンと「非表示」という文字がリソース名の横に表示され、リソースが非表示になっていてユーザーには使用できないことを示します。

11.4.4 リソースのセキュリティ設定

アプリケーションで作成したカスタム・リソースに、すべてのユーザーがアクセス可能か、特定のユーザーまたはグループのみがアクセス可能かを制御できます。デフォルトでは、リソースへのアクセスはアプリケーションレベルの権限で制御されます(第11.1.3項「リソースを使用するために必要な権限」を参照してください)。リソース固有の権限を定義すると、アプリケーションレベルまたはスペースレベルで定義された権限は適用されなくなります。

リソースへのアクセス権限を設定する手順は次のとおりです。

  1. 第11.1.4項「リソースへのアクセス」の説明に従って、アプリケーションまたは目的のスペースの「リソース」ページに移動します。

  2. 左のナビゲーション・パネルで、目的のタイプのリソースを選択します。

  3. 右に表示されるリソースのリストから、アクセス権限を設定するリソースを選択します。

  4. 「編集」メニューから「セキュリティ設定」を選択します。

  5. 「セキュリティ設定」ダイアログで、次のいずれかを選択してアクセス方法を指定します(図11-24)。

    • カスタム権限の使用: このオプションを選択して、選択したリソースを管理および更新できるユーザーを定義します。このオプションを選択すると、ダイアログ内のその他のコントロールが使用可能になります。手順6へ進みます。


      注意:

      「カスタム権限の使用」を選択する場合には、少なくとも1人のユーザーまたは1つのグループにManageアクセス権限が付与されていることを確認してください。


    • スペース・セキュリティ設定の使用: このオプションを選択して、選択したリソースのアクセス設定をアプリケーションに対して定義された設定から継承します。このオプションを選択した後、「OK」をクリックして、変更内容を保存し、ダイアログを終了します。


      注意:

      「スペース・セキュリティ設定の使用」を選択すると、すでに設定してあるカスタムの権限がある場合それらをすべて削除します。


    図11-24 リソースに対するセキュリティの設定

    リソースに対するセキュリティの設定
    「図11-24 リソースに対するセキュリティの設定」の説明

  6. 「カスタム権限の使用」を選択した場合には、リソースへのアクセスを付与するユーザーまたはグループを指定します。「セキュリティ設定」ダイアログで、次のいずれかを実行します。

    • 「ユーザーの追加」をクリックして、検索に使用するダイアログを開いてアイデンティティ・ストアで使用できる個々のユーザーを選択します。

    • 「グループの追加」をクリックして、検索に使用するダイアログを開いてアイデンティティ・ストアで使用できるユーザーのグループを選択します。

    アイデンティティ・ストアでユーザーやグループを検索する場合のヒントは、第54.3.4.1項「アイデンティティ・ストアでのユーザーまたはグループの検索」を参照してください。

  7. 「ロールまたはユーザー」列のリストに記載された各ユーザーやグループに対して、付与するアクセス権限のレベルを指定します。

    • リソースへの完全なアクセス権限を付与するには、「管理」チェック・ボックスを選択します。この権限を付与されたユーザーは、編集、削除、アクセス権限の付与、表示または非表示などのタスクを実行できます。

    • リソースを編集する権限を付与するには、「更新」チェック・ボックスを選択します。この権限を付与されたユーザーはリソースを編集できますが削除できません。


    注意:

    リソースには独自の個別セキュリティが指定されていないため、ページレベルの権限はリソースには適用できません。たとえば、ユーザーが移動可能ボックスが表示されるタスク・フローが含まれたページでPersonalize Page権限を持っていても、そのユーザーがそのタスク・フローでのUpdate権限またはManage権限を持っていないと、移動可能ボックスの最小化アイコンは表示されません。

    ページレベルの権限の詳細は、第26章「ページとコンポーネントの保護」を参照してください。


  8. ユーザーやグループの権限を取り消す場合には、そのエンティティを選択して「アクセス権限の削除」をクリックします。

  9. 「OK」をクリックします。

11.4.5 リソースの削除

リソースが不要になった場合、削除が必要になることがあります。Spacesでは、カスタム・リソースは削除できますが、組込みリソースは削除できません。


注意:

リソースの削除を実行する前に、そのリソースが使用中でないことを確認する必要があります。リソースに削除のマークを付けると、使用中であってもそのリソースは削除されます。


カスタム・リソースを削除する手順は次のとおりです。

  1. 第11.1.4項「リソースへのアクセス」の説明に従って、アプリケーションまたは目的のスペースの「リソース」ページに移動します。

  2. 左のナビゲーション・パネルで、必要なリソース・タイプを選択します。

  3. 右に表示されるリソースのリストから、削除するリソースを選択します。

  4. 「編集」メニューから「削除」を選択します。

  5. 「削除の確認」ダイアログで、「削除」をクリックしてリソースを削除します。

11.4.6 リソースのプレビュー

Spacesでは、ページ・テンプレート、マッシュ・スタイル、タスク・フローなど特定のリソースをプレビューする手段が用意されています。「プレビュー」オプションを使用すると、リソースをプレビューして必要に応じて調整できます。

リソースをプレビューする手順は次のとおりです。

  1. 第11.1.4項「リソースへのアクセス」の説明に従って、アプリケーションまたは目的のスペースの「リソース」ページに移動します。

  2. 左のナビゲーション・パネルで、目的のリソース・タイプを選択します。

  3. 右のリソースのリストから、プレビューするリソースを選択します。

  4. 「プレビュー」をクリックします。


    注意:

    「プレビュー」オプションは、すべてのリソースで使用可能ではありません。特定のリソースの詳細は、表11-1に示したリソース固有の章を参照してください。


11.4.7 式ビルダーを使用したリソースの問合せ

式言語(EL)式を使用してSpaces内の任意のリソースにアクセスできます。

たとえば、次のEL式では表示名myPageで検出した最初のテンプレート・リソースが戻されます。

#{srmContext.resourceType['siteTemplate'].displayName['myPage'].singleResult}

問合せパラメータを.property['value']の形式で設定する必要があります。ここでは、propertyはリソース・プロパティの名前(idresourceScopeなど)で、valueは検索するそのプロパティの値です。

リソースの問合せに使用できるEL式の詳細は、第B.4.5項「リソースに関連したEL式」を参照してください。

11.4.8 EL式を動的に使用したリソースの適用

Spacesには、ある基準に基づいて実行時に特定のリソースを動的に適用する方法が用意されています。たとえば、現在のユーザーの種類に関係なくそのユーザーに基づいたページ・テンプレートを選択して適用するには、パーソナライズ関連のELを使用してコンテンツを表示する方法で表示できます。

トップナビゲーションのページ・テンプレートをスペース・モデレータに表示し、サイドナビゲーションのページ・テンプレートをその他のユーザーに表示する例を検討します。図11-25は、そのようなシナリオを使用できるサンプルEL式を示しています。EL式では、ページ・テンプレートのリソースIDが使用されています。

図11-25 ユーザー・ロールに基づいたページ・テンプレートを適用するEL式の指定

式ビルダー文の指定
「図11-25 ユーザー・ロールに基づいたページ・テンプレートを適用するEL式の指定」の説明

適用するリソースの正確なリソースIDを使用するかわりに、次の例に示すようなEL式に問合せを挿入することもできます。

#{WCSecurityContext.userInScopedRole['Moderator'] ?  srmContext.resourceScope['space_name'].resourceType['siteTemplate'].displayName['Top'].singleResult.id :
 srmContext.resourceScope['space_name'].resourceType['siteTemplate'].displayName['Side'].singleResult.id}

図11-26は、スペース・モデレータに表示されるスペース、図11-27はその他のユーザーに表示されるスペースを示しています。

図11-26 スペース・モデレータに動的に適用されるページ・テンプレート

スペース・モデレータに動的に適用されるページ・テンプレート
「図11-26 スペース・モデレータに動的に適用されるページ・テンプレート」の説明

図11-27 その他のユーザーに動的に適用されるページ・テンプレート

その他のユーザーに動的に適用されるページ・テンプレート
「図11-27 その他のユーザーに動的に適用されるページ・テンプレート」の説明

付録B「パーソナライズ・コンダクタに関連したEL式」の説明に従って、EL式を使用してパーソナライズ・サーバーのシナリオを実行することも可能です。使用できる共通EL式の詳細は、付録B「式言語(EL)式」を参照してください。

リソースを実行時に動的に適用する手順は次のとおりです。

  1. 必要なリソースの内部IDをその「バージョン情報」ダイアログから書き留めます。このダイアログへのアクセス方法は、第11.1.5項「リソースに関する情報の表示」を参照してください。

  2. 第4.1項「「スペース管理」ページへのアクセス」の説明に従って「スペース管理」ページにアクセスし、「構成」ページの「一般」サブページを開きます。または、第53.3項「スペース管理ページへのアクセス」の説明に従って、特定のスペースの管理ページにアクセスして、「一般」ページを開きます。


    ヒント:

    「pretty URL」を使用して、次の設定ページに移動できます。

    • アプリケーションレベルの「構成」ページ:

      http://host:port/webcenter/spaces/admin/general
      
    • スペースレベルの「一般」ページ:

      http://host:port/webcenter/spaces/spaceName/admin/general
      

  3. 目的のリソース・フィールドの横にあるアイコンをクリックし、「式ビルダー」をクリックしてエディタを開きます。

    図11-28 リソースへの式ビルダーの使用

    リソースへの式ビルダーの使用
    「図11-28 リソースへの式ビルダーの使用」の説明

  4. 「値または式の入力」ラジオ・ボタンを選択していない場合には選択します。

  5. 必要な式ビルダー文を入力します。

    図11-29 「式エディタ」ダイアログ

    式ビルダー文の指定
    「図11-29 「式エディタ」ダイアログ」の説明

    たとえば、Windowsプラットフォームかモバイル機器のいずれのブラウザでページがレンダリングされるかに応じて異なるページ・テンプレートを表示する場合には、次のEL式を使用できます。

    #{requestContext.agent.platformName=='windows' ?'gsr3396194a_3a72_44d6_90b4_57fd6efe4ff7' : 'gsr1472d17b_8f10_4689_89fb_7431f561567f'}

    このEL式は「if-then-else」文です。EL requestContext.agent.platformNameはプラットフォーム情報を取得します。このページ・テンプレートのIDは「バージョン情報」ダイアログから書き留めたものです。

  6. 「適用」をクリックします。

11.5 JDeveloperを使用したSpacesアプリケーションのリソースの作成

この項の内容は次のとおりです。

11.5.1 JDeveloperでのリソース作成の基本

Spacesの機能を超えてリソースを編集または作成する必要があることがあります。Oracle WebCenter Portalでは、Spacesリソースのラウンドトリップ開発の機能が用意されています。既存のリソースをさらに強化するには、それらをSpacesからダウンロードし、JDeveloperなどのIDEで非常に精密なレベルの粒度で編集し、更新したリソースをSpacesアプリケーションにアップロードしなおします。リソースはJDeveloper内からまたはSpaces自体を介して直接Spacesにアップロードできます。

JDeveloperでは、Spacesで使用する目的でスクラッチからリソースを作成することも可能です。ただし、必ずしもスクラッチから開始する必要はありません。既存のSpacesリソースのコピーを作成してそれをJDeveloperでさらに調整すれば、JDeveloperでのスクラッチからの作成に伴う前提条件を気にせずに実行できるため効率的です。Oracle WebCenter Portalでは特別のJDeveloperワークスペース(DesignWebCenterSpaces.jws)が用意されており、リソースを開発してSpacesにアップロードできます。カスタム・リソースの編集およびそれらのJDeveloperを介したSpacesへのアップロードの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal開発者ガイド』のSpacesアプリケーションのリソースの開発に関する項を参照してください。

リソースをダウンロードすると、その構成がエクスポート・アーカイブに保存されます(.earファイル)。エクスポート・アーカイブは、ローカル・ファイル・システムまたはリモート・サーバー・ファイル・システムに保存できます。

Spacesにリソースをアップロードすると、次のような結果が生じます。

  • 既存のリソース、つまり同一の内部IDを持つリソースが上書きされます。

  • スペースレベルのリソースは元のスペースにのみアップロードして戻されます。スペースレベルのリソースを別のスペースにアップロードできません。

  • リソースは、エクスポート・アーカイブ(.ear)形式でローカル・ファイル・システムまたはリモート・サーバーに格納する必要があります。

11.5.2 リソースのダウンロード

リソースをダウンロードする手順は次のとおりです。

  1. 第11.1.4項「リソースへのアクセス」の説明に従って、アプリケーションまたは目的のスペースの「リソース」ページに移動します。

  2. 左のナビゲーション・パネルで、必要なリソース・タイプを選択します。

  3. 右に表示されるリソースのリストから、EARファイルとしてダウンロードするリソースを選択します。

  4. 「ダウンロード」をクリックします。

  5. 「ダウンロード」ダイアログの「アーカイブ・ファイル名」フィールドに、エクスポート・アーカイブ・ファイルの名前を入力します。

  6. 「ダウンロード」ダイアログで、エクスポート・アーカイブ・ファイルを保存する場所を指定します。次のいずれかのオプション(図11-30)を使用します。

    • 自分のコンピュータに保存: エクスポート・アーカイブ・ファイルをローカル・ファイル・システムに保存します。次に、ファイルを保存するパスを指定します。

    • WebCenter Portalサーバーに保存: エクスポート・アーカイブ・ファイルをリモート・サーバー・ファイル・システムに保存します。「パス」フィールドに、サーバーのパスを入力します。

      図11-30 「ダウンロード」ダイアログ

      「ダウンロード」ダイアログ
      「図11-30 「ダウンロード」ダイアログ」の説明

  7. ダウンロードするリソースにイメージ、javascripts、スタイルシート、HTMLファイルうなどのカスタム・コンテンツが含まれている場合、そのようなリソース固有のコンテンツをアーカイブに追加するかどうかを指定する必要があります。カスタム・コンテンツを追加するには、「コンテンツ・ディレクトリのエクスポート」チェック・ボックスを選択します。

    Spacesアプリケーションでは、すべてのポータル・リソースのコンテンツはリソースごとに保存されるのではなく、共有ディレクトリ(oracle/webcenter/siteresources/scopedMD/shared/...)に保存されます。コンテンツ・ディレクトリの場所を見つけるには、「リソース」ページで目的のリソースを選択して、「バージョン情報」をクリックします。場所が「コンテンツ・ディレクトリ」フィールドに表示されます。

    次の点を考慮した上で、アーカイブ内のリソースに対するコンテンツ・ディレクトリをエクスポートします。

    • 個々のファイルではなく、コンテンツ・ディレクトリ全体がエクスポートされます。たとえば、あるスキンが2つのファイル(.../shared/skins/logos/mylogo.gif.../shared/skins/icons/myicon.gif)を参照している場合、両方のディレクトリのコンテンツ全体(/logos/icons)がエクスポートされます。

    • Spacesインストールで大量のポータル・リソース(アプリケーションレベルおよび個々のスペース/スペース・テンプレートの両方で使用されるリソース)が使用されている場合は、/sharedディレクトリまたはそのサブディレクトリに保存されるファイル数が大量となる可能性があります。

    • アップロード時に、コンテンツ・ディレクトリ内のすべてのファイルはターゲット・アプリケーションにアップロードされ、同名の既存ファイルは上書きされます。インポート時にコンテンツ・ディレクトリがアップロードされないように指定することもできますが、すべてをアップロードするか、すべてをアップロードしないかのどちらかしか選択できません。つまり、特定のリソースやスペースに固有のコンテンツだけをアップロードすることはできません。

    ポータル・リソースが参照する/sharedディレクトリ内のコンテンツを除外するには、「コンテンツ・ディレクトリのエクスポート」チェック・ボックスを選択解除します。

    リソース・コンテンツ・ディレクトリをアーカイブに含めないように選択した場合でも、システム管理者は必要に応じて、後からこのリソース・コンテンツを移行できます(exportMetadataおよびimportMetadata WLSTコマンドを使用)。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portal管理者ガイド』のSpacesリソースのエクスポートに関する項を参照してください。

  8. 「ダウンロード」をクリックします。


注意:

Spaces管理者は、WLSTコマンド(exportWebCenterResource)を使用してリソースをダウンロードできます。詳細は、『Oracle Fusion Middleware WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンス』のexportWebCenterResourceの項を参照してください。


11.5.3 リソースのアップロード

リソースをSpacesにアップロードする手順は次のとおりです。

  1. 第11.1.4項「リソースへのアクセス」の説明に従って、アプリケーションまたは目的のスペースの「リソース」ページに移動します。

  2. 左のナビゲーション・パネルで、必要なリソース・タイプを選択します。

  3. 「アップロード」をクリックします。

  4. 「アップロード」ダイアログで、リソース・アーカイブ・ファイルの場所を指定します。EARファイルの場所に応じて、次のいずれかを選択します(図11-31)。

    • 自分のコンピュータで表示: アーカイブがローカルのファイル・システムに格納されている場合に選択します。EARファイルまでのパスを入力するか、「参照」ボタンを使用します。

    • WebCenter Portalサーバーで表示: アーカイブがリモート・サーバーに格納されている場合に選択します。EARファイルへのパスを入力します。

      図11-31 アップロードのダイアログ

      アップロードのダイアログ
      「図11-31 アップロードのダイアログ」の説明

  5. 「アップロード」をクリックします。

  6. 「リソースの置換の確認」ダイアログで、「はい」をクリックします。

  7. アップロードするリソースにイメージやスタイルシートなどのカスタム・コンテンツが含まれる場合、「コンテンツ・ディレクトリの上書き」ダイアログが表示されます。(図11-32)

    • 「はい」をクリックして、アーカイブ内のすべてのコンテンツ・ディレクトリをインポートして、既存のコンテンツ・ディレクトリとファイル(ある場合)を上書きします。

    • 新しいファイル(ターゲットに存在しないコンテンツ・ディレクトリとファイル)のみをインポートするには、「いいえ」をクリックします。

      図11-32 コンテンツ・ディレクトリ・ファイルの上書き

      図11-32の説明が続きます。
      「図11-32 コンテンツ・ディレクトリ・ファイルの上書き」の説明

  8. 「OK」をクリックします。


注意:

Spaces管理者は、WLSTコマンド(importWebCenterResource)を使用してリソースをアップロードできます。詳細は、『Oracle Fusion Middleware WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンス』のimportWebCenterResourceの項を参照してください。