ヘッダーをスキップ
Oracle® Fusion Middleware Oracle Data Integratorのインストールと構成
12c (12.1.2)
E49824-02
  目次へ移動
目次

前
 
次
 

1 Oracle Data Integratorインストールの計画

この章では、Oracle Data Integratorのインストールの準備について説明します。

製品インストールやドメイン構成の途中または後で問題が発生しないよう、十分に確認する必要がある様々なトピックを扱います。

この章の内容は次のとおりです。

1.1 このドキュメントの使用

この項には次のトピックが含まれます:

1.1.1 標準インストール・トポロジの最初の使用

このガイドでは、Oracle Data Integratorの標準インストール・トポロジを作成できます(第1.5項)。これらのトポロジを高可用性を備えたセキュアなトポロジに拡張し、本番システムに適したものにすることができます。

標準インストール・トポロジは、この製品のサンプル・トポロジに相当するもので、サポートされる唯一のトポロジではありません。詳細は、Oracle Fusion Middlewareのインストールのプランニングで標準インストール・トポロジの理解に関する項を参照してください。

1.1.2 アップグレード・シナリオでのこのドキュメントの使用

アップグレード手順の一部としてOracle Data Integratorをインストールする場合は、このガイドの手順に従ってソフトウェアをインストールしてください。ただし、構成ウィザードを実行してWebLogicドメインを作成しないでください。

ソフトウェアをインストールした後は、『Oracle Data Integratorのアップグレード』を参照してください。

1.1.3 このドキュメントを使用したドメインの拡張

このドキュメントの手順は新しいドメインを作成する方法を説明したもので、使用中のシステムにその他のOracle Fusion Middleware製品はインストールされていないことを前提としています。インストールおよびドメイン作成の手順のすべてがこの前提に基づいています。

すでにその他のOracle Fusion Middleware製品がシステムにインストールされている場合(たとえば、Java EEエージェント・トポロジを作成しようとしていて、すでにOracle Fusion Middleware Infrastructureがインストールされ、ドメインが稼働している場合)、同じ手順を使用して既存のドメインを拡張できます。これを行うように選択する場合、Oracle Fusion Middlewareのインストールのプランニングで同じドメインにおける複数製品のインストールに関する項を必ず参照してください。

新規ドメインを作成する場合でも、手順に示された内容と要件が合わないときは、適切な内容を選択していることを確認し、その他の詳細について説明されているドキュメントを参照してください。

1.2 Oracle Data Integratorエージェントの理解

この項では、Oracle Data Integratorで構成に使用できる様々なタイプのエージェントについて説明します。これを理解すると、必要に応じてどの種類のトポロジを作成する必要があるかを判断できます。


ヒント:

これらのエージェントの詳細および総合的にOracle Data Integratorトポロジに適合させる方法の詳細は、『Oracle Data Integrator開発者ガイド』のOracle Data Integratorトポロジの概要に関する項を参照してください。


1.2.1 Java EEエージェントの理解

Java EEエージェントは、WebLogicドメイン内に構成された管理対象サーバー上にデプロイされ動作するJEEアプリケーションです。

このエージェントは、高可用性、スケーラビリティ、セキュリティおよび優れた管理性が必要な場合にインストールすることをお薦めします。Java EEエージェントは、Oracle Data Integratorを他のOracle Fusion Middleware製品と相互運用する環境に最適です。

第1.5.1項では、Java EEエージェントの標準インストール・トポロジの概要を説明します。

1.2.2 スタンドアロン・エージェントの理解

スタンドアロン・エージェントは独自のプロセスとして動作し、WebLogic Management Frameworkにより管理されます(Oracle Fusion Middlewareの理解のWebLogic Management Frameworkに関する項を参照)。

多くの場合、エージェント・プロセスを軽量にする必要があり、ローカルのWebLogic Server操作がサポートされていない任意の環境で動作するように、スタンドアロン・エージェントをインストールすることになります。

第1.5.2項では、スタンドアロン・エージェントの標準インストール・トポロジの概要を説明します。

1.2.3 コロケート・スタンドアロン・エージェントの理解

コロケート・スタンドアロン・エージェントは、WebLogicドメイン内に構成され管理サーバーにより管理されるスタンドアロン・エージェントです。WebLogicドメインでは、Oracle Fusion Middleware Infrastructureのサービスをエージェントの管理に使用できます。

第1.5.3項では、コロケート・スタンドアロン・エージェントの標準インストール・トポロジの概要を説明します。

1.3 Oracle Data Integratorトポロジの理解

Oracle Data Integratorを使用した開発を始める前に、まずOracle Data Integratorトポロジを設定する必要があります。このトポロジは、Oracle Data Integratorアーキテクチャおよびコンポーネントが物理的および論理的に表現されたものです。Oracle Data Integratorトポロジは、統合しようとしているデータのソースおよびターゲットを見つける場所を定義します。

このトポロジは、標準インストール・トポロジ(つまり、Oracle Universal Installerと構成ウィザードによりコンピュータ上にインストールおよび構成されるファイルのレイアウト)と同じではありません。

Oracle Data Integratorトポロジの詳細は、『Oracle Data Integrator開発者ガイド』のトポロジの設定に関する項を参照してください。

1.4項 Oracle Data Integratorインストール・タイプの理解

Oracle Data Integrator製品インストーラには2つのインストール・タイプが用意されています。

Oracle Data Integratorディストリビューションの内容の詳細は、付録Aを参照してください。

1.4.1 エンタープライズ・インストール・タイプ

このインストール・タイプは、次の目的で使用されます。

  • ODI Studioのインストール

  • WebLogic Serverを使用した管理対象環境の作成


    注意:

    ODI studioのみを使用し、ドメインを構成しない場合は、このガイドのドメイン作成指示をスキップできます。ODI Studioは、「エンタープライズ・インストール」インストール・タイプを完了し、データベース・スキーマを作成した後に使用できます。


  • Java EEエージェントの作成

  • WebLogicドメインのコロケート・スタンドアロン・エージェントの作成

1.4.2 スタンドアロン・インストール・タイプ

このインストール・タイプを使用してスタンドアロン・エージェントを作成します。


注意:

ODI Studioを使用する場合、「エンタープライズ・インストール」インストール・タイプも別のOracleホームにインストールする必要があります。(第1.4.1項).


1.5 Oracle Data Integratorの標準インストール・トポロジの理解

このドキュメントでは、Oracle Data Integratorの次の標準インストール・トポロジをインストールおよび構成する方法について説明します。

これらのトポロジに至るまでの必要な手順を説明したロードマップは、第1.6項に記載されています。

1.5.1 Java EEエージェントの標準インストール・トポロジの理解

図1-1には、Oracle Data Integrator Java EEエージェントの標準インストール・トポロジが示されています。

図1-1 Java EEエージェントの標準インストール・トポロジ

図1-1の説明が続きます
「図1-1 Java EEエージェントの標準インストール・トポロジ」の説明

このトポロジは、管理サーバーと、InfrastructureおよびJava EEエージェントがデプロイされた管理対象サーバーを含む標準的なWebLogic Serverドメインを表しています。管理対象サーバーは、クラスタ内のマシンをターゲットとしています。このドメインは単一のホストに構成され、(必要なFusion Middlewareスキーマがインストールされた)サポートされているデータベースを必要とします。

この標準インストール・トポロジの図にあるすべての要素が表1-1に説明されています。

表1-1 Java EEの標準インストール・トポロジの要素の説明

要素 説明と追加ドキュメントへのリンク

APPHOST

アプリケーション層をホストしているコンピュータを示す、Oracleドキュメントで使用される標準用語です。

DBHOST

データベースをホストしているコンピュータを示す、Oracleドキュメントで使用される標準用語です。

WebLogicドメイン

論理的に関連するJavaコンポーネントのグループ(ここでは管理サーバー、管理対象サーバーおよびその他の関連するソフトウェアコンポーネント)。

詳細は、Oracle Fusion Middlewareの理解でOracle WebLogic Serverドメインに関する項を参照してください。

管理サーバー

詳細は、Oracle Fusion Middlewareの理解の「管理サーバーとは」を参照してください。

Enterprise Manager

Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Control。ドメインを管理するために使用する主要ツール。

詳細は、Oracle Fusion Middlewareの理解のOracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlに関する項を参照してください。

クラスタ

同時に稼働し連携する、複数のWebLogic Serverインスタンスの集合。

詳細は、Oracle Fusion Middlewareの理解の管理対象サーバーと管理対象サーバー・クラスタの理解に関する項を参照してください。

マシン

1つ以上のWebLogic Serverインスタンス(サーバー)をホストするコンピュータを論理的に表します。マシンはWebLogic管理対象サーバーとノード・マネージャを論理的に結び付けるものでもあります。管理対象サーバーをノード・マネージャで起動または停止するために、管理対象サーバーはマシンに関連付けられている必要があります。

管理対象サーバー

アプリケーション、アプリケーション・コンポーネント、Webサービスおよび関連リソースをホストします。

詳細は、Oracle Fusion Middlewareの理解の管理対象サーバーと管理対象サーバー・クラスタの理解に関する項を参照してください。

インフラストラクチャ

次のものを含むサービスの集合:

  • Metadata Repository (MDS)

    これにはOracle Application Developer Frameworkなどの、Oracle Fusion Middlewareコンポーネントのメタデータが含まれます。

    詳細は、Oracle Fusion Middlewareの理解の「メタデータ・リポジトリとは」を参照してください。

  • Oracle Application Developer Framework (Oracle ADF)

  • Oracle Web Services Manager (OWSM)

Java EEエージェント

Java EEエージェントです。

Java EEエージェントの詳細は、第1.2.1項を参照してください。


1.5.2 スタンドアロン・エージェントの標準インストール・トポロジの理解

図1-2にスタンドアロン・エージェントの標準インストール・トポロジを示します。

図1-2 スタンドアロン・エージェントの標準インストール・トポロジ

図1-2の説明が続きます
「図1-2 スタンドアロン・エージェントの標準インストール・トポロジ」の説明

このトポロジは、WebLogic Management Frameworkにより管理される、スタンドアロン・ドメインに構成されたスタンドアロン・エージェントを表します。このドメインは単一のホストに構成され、(必要なFusion Middlewareスキーマがインストールされた)サポートされているデータベースを必要とします。

この標準インストール・トポロジの図にあるすべての要素が表1-2に説明されています。

表1-2 スタンドアロン・エージェントの標準インストール・トポロジの要素の説明

要素 説明と追加ドキュメントへのリンク

APPHOST

アプリケーション層をホストしているコンピュータを示す、Oracleドキュメントで使用される標準用語です。

DBHOST

データベースをホストしているコンピュータを示す、Oracleドキュメントで使用される標準用語です。

スタンドアロン・ドメイン

Oracle HTTPサーバーまたはOracle Data Integratorスタンドアロン・エージェントなどのシステム・コンポーネントのコンテナです。

詳細は、Oracle Fusion Middlewareの理解のスタンドアロン・ドメインに関する項を参照してください。

システム・コンポーネント

Javaアプリケーション・コンテナにデプロイされない管理可能なプロセスです。

詳細は、Oracle Fusion Middlewareの理解のシステム・コンポーネントに関する項を参照してください。


1.5.3 コロケート・スタンドアロン・エージェントの標準インストール・トポロジの理解

図1-3にコロケート・スタンドアロン・エージェントの標準インストール・トポロジを示します。

図1-3 コロケート・スタンドアロン・エージェントの標準インストール・トポロジ

図1-3の説明が続きます
「図1-3 コロケート・スタンドアロン・エージェントの標準インストール・トポロジ」の説明

この標準インストール・トポロジは、WebLogicドメイン内に構成され管理サーバーにより管理されるスタンドアロン・エージェントを表しています。このドメインは単一のホストに構成され、(必要なFusion Middlewareスキーマがインストールされた)サポートされているデータベースを必要とします。

この標準インストール・トポロジの図にあるすべての要素が表1-3に説明されています。

表1-3 コロケート・スタンドアロン・エージェントの標準インストール・トポロジの要素の説明

要素 説明と追加ドキュメントへのリンク

APPHOST

アプリケーション層をホストしているコンピュータを示す、Oracleドキュメントで使用される標準用語です。

DBHOST

データベースをホストしているコンピュータを示す、Oracleドキュメントで使用される標準用語です。

管理サーバー

ドメインの構成オブジェクトを管理し、管理対象サーバーに構成変更を配布する、ドメインの中央制御エンティティ。

詳細は、Oracle Fusion Middlewareの理解の「管理サーバーとは」を参照してください。

Enterprise Manager

Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Control。ドメインを管理するために使用する主要ツール。

詳細は、Oracle Fusion Middlewareの理解のOracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlに関する項を参照してください。

マシン

1つ以上のWebLogic Serverインスタンス(サーバー)をホストするコンピュータを論理的に表します。マシンはWebLogic管理対象サーバーとノード・マネージャを論理的に結び付けるものでもあります。管理対象サーバーをノード・マネージャで起動または停止するために、管理対象サーバーはマシンに関連付けられている必要があります。

システム・コンポーネント

WebLogic Management Frameworkにより管理されるスタンドアロン・プロセスです。

詳細は、Oracle Fusion Middlewareの理解のシステム・コンポーネントに関する項を参照してください。


1.6 標準インストール・トポロジのインストールと構成のロードマップ

このガイドでは、Oracle Data Integratorの標準トポロジをインストールして構成するために必要なすべての手順を示します。このトポロジを若干変更したバージョンを作成する場合に使用できる補足情報への参照も、ガイドの手順内に記載されています。

表1-4に、トポロジをインストールして構成するために必要な手順を示します。

表1-4 Oracle Data Integratorインストール・ロードマップ

タスク 説明 ドキュメント

システム環境を確認します

インストールの前に、最小限のシステム要件およびネットワーク要件を満たしていることを確認します。

第1.7項を参照してください。

適切なディストリビューションを入手します

すべてのOracle Data IntegratorトポロジにOracle Data Integrator (odi_121200_generic.jar)ディストリビューションが必要です。

第1.8項を参照してください。

インストール・ディレクトリを決めます

作成する必要があるディレクトリが作成されているか、またはインストーラからアクセスでき、最小要件を満たすシステムに存在していることを確認します。

『Oracle Fusion Middlewareのインストールのプランニング』の推奨ディレクトリ構造の理解に関する項を参照してください。

ソフトウェアをインストールします

ソフトウェアのインストールにより、使用しているシステムにソフトウェアが転送され、Oracleホーム・ディレクトリが作成されます。

インストール時に使用できるインストール・タイプの詳細は、第1.4項を参照してください。

インストール手順については、第2章を参照してください。

マスター・リポジトリおよび作業リポジトリ・スキーマを作成します。

Repository Creation Utility (RCU)を使用して「マスターおよび作業リポジトリ」データベース・スキーマを作成します。

第3章を参照してください。

ドメインを作成して構成します。

構成ウィザードを使用してドメインを作成および構成します。

注意: ODI Studioのみを使用し、ドメインを構成しない場合は、この手順をスキップできます。ODI Studioは、「エンタープライズ・インストール」タイプをインストールし、データベース・スキーマを作成した後に使用できます。

第4章を参照してJava EEエージェントのトポロジを作成します。

第5章を参照してスタンドアロン・エージェントのトポロジを作成します。

第6章を参照してコロケート・スタンドアロン・エージェントのトポロジを作成します。

高可用性のドメインのための管理および準備を行います

ドメインを管理するための追加のツールおよびリソースを確認し、高可用性のドメインを構成します。

第7章を参照してください。


1.7 システム環境の確認に関するロードマップ

インストールと構成のプロセスを開始する前に参照して理解する必要がある重要な情報が、この項(表1-5)に記載されています。ここでは、Oracle Data Integratorをインストールおよび構成するために、ご使用の環境が適切に準備されていることを確認するための重要なタスクおよび判断項目を示します。

表1-5 システム環境の確認に関するロードマップ

タスク 説明 ドキュメント

動作保証要件およびシステム要件を確認します。

Oracle Fusion Middleware Infrastructureのインストールおよび構成について、ご使用のオペレーティング・システムが動作保証され適切に構成されることを確認します。

詳細は、『Oracle Fusion Middlewareのインストールのプランニング』の動作保証とシステム要件の確認に関する項を参照してください。

インストールに備えたシステムの準備

必要な環境変数が設定され、適切なインストール・ユーザーを特定していることを確認します。

『Oracle Fusion Middlewareのインストールのプランニング』のインストールに備えたシステムの準備に関する項を参照してください。

動作保証されたJDKをインストールします。

ディストリビューションのインストール・プログラムは、ご使用のシステムで動作保証されたJDKを必要とします。

詳細は、『Oracle Fusion Middlewareのインストールのプランニング』のJDKのインストールに関する項を参照してください。

データベースのインストールおよび構成。

ドメインを構成するには、Oracle Data Integratorに必要なスキーマのために正しく構成された動作保証済のデータベースへのアクセス権が必要です。

『Oracle Fusion Middlewareのインストールのプランニング』のデータベースおよびデータベース・スキーマのインストールに関する項を参照してください。


1.8 Oracle Data Integratorディストリビューションの理解と入手

Oracle Data Integratorディストリビューションは.jarファイルとして提供されています。このディストリビューションのインストールと構成を行うには、動作保証されたJDKがシステムに存在していることが必要です。


ヒント:

ディストリビューションの詳細は、『Oracle Fusion Middlewareのインストールのプランニング』の製品のディストリビューションの理解と入手に関する項を参照してください。


ディストリビューションには、付録Aに記載された製品および機能セットが含まれています。

ディストリビューションの入手方法は、『Oracle Fusion Middlewareのインストールのプランニング』の製品のディストリビューションの入手に関する項を参照してください。