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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalでのポータルの構築
11gリリース1 (11.1.1.8.3)
E50013-03
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5 サブポータルの使用

この章では、親ポータルとそのサブポータルで構成されるポータル階層の使用方法について説明します。

この章の内容は、次のとおりです。


権限:

この章のタスクを実行するには、アプリケーション・レベルの権限Create Portals (サブポータルの作成)が必要です。サブポータルでManage AllまたはManage Configurationの権限を持つポータル・モデレータは、サブポータルを管理できます。

サブポータルの管理設定にアクセスするユーザーで、Manage権限を持たないユーザー(サブポータルでのページの編集権限が付与されるParticipantロールを持つユーザーなど)には、それぞれのロールと権限で使用可能な設定のみが表示されます。

権限の詳細は、第29.1項「ポータルのロールと権限について」を参照してください。


5.1 ポータル階層について

ポータル階層は1つの親ポータルと1つ以上のサブポータルで構成されます。サブポータルは既存のポータルに作成される単なる子ポータルです。ポータル階層には、次のような様々な利点があります。

サブポータルの作成の詳細は、第5.3項「サブポータルの作成」を参照してください。

5.1.1 ポータル階層の継承の理解

新しく作成したサブポータルは、親ポータルで定義されたセキュリティ(メンバー、ロールおよび権限)を継承するとともに、ツールとサービスを親ポータルから継承します。あるツールがポータル・テンプレートで有効な場合、サブポータルでも有効になります。詳細は、次の章を参照してください。


注意:

親ポータル内のフォルダとファイルは、自動的にサブポータルから使用できるようにはなりません。サブポータルにフォルダとファイルを追加するには、第VI部「ポータルでのコンテンツの使用」を参照してください。


5.1.1.1 セキュリティの継承

サブポータルを作成した場合、親ポータルから初期セキュリティ(メンバー、ロールおよび権限)を継承します。サブポータルを作成する際に使用したポータル・テンプレートで定義されているユーザー・ロールは無視されます。

サブポータルのメンバー、ロールおよび権限のセキュリティ設定を変更するには、第5.6.1項「サブポータルの継承セキュリティ設定の変更」を参照してください。

5.1.1.2 ツールの継承

親ポータルからセキュリティを継承した場合(デフォルト設定)、サブポータルは親ポータルで有効なツールを継承します。これらのツールはサブポータルで使用可能になりますが、有効化するまでは使用できません(第39.2項「ポータルで使用可能なサービスとツールの有効化および無効化」を参照)。ただし、これらのツールのいずれかが、サブポータルの作成に使用したポータル・テンプレートですでに有効な場合は、サブポータルでも作成と同時に有効になります。

サブポータルの作成に使用したポータル・テンプレートに、使用可能または有効(あるいはその両方)な追加のツールがあり、そのツールが親ポータルでは有効になっていない場合、その追加ツールはサブポータルで使用できません(表5-1の1行目を参照)。ポータル・テンプレートで有効なツールの数が親ポータルよりも少ない場合は、サブポータルは有効なツールを親ポータルから、有効な状態をテンプレートからそれぞれ継承します(表5-1の2行目を参照)。


注意:

サブポータルがお知らせまたはディスカッションを継承する場合、これらのサービスを完全に有効化するための追加ステップを実行して、親ポータルに適用されているディスカッション・サーバー権限を継承する必要があります。ポータル階層のディスカッションまたはお知らせ権限を更新した場合、ディスカッション・サーバーの対応する権限変更はサブポータルに自動的に継承されません。サブポータルの権限およびロールを同期するには、システム管理者がWLSTコマンドsyncDiscussionServerPermissionsを実行する必要があります(『Oracle Fusion Middleware WebLogic Scripting Toolコマンド・リファレンス』のsyncDiscussionServerPermissionsを参照)。


表5-1 サブポータルでのツールの継承(セキュリティが継承される場合): 例

親ポータル内のツール サブポータルの作成に使用したポータル・テンプレート内のツール 作成されるサブポータル内のツール
使用可能なツール 状態 使用可能なツール 状態 使用可能なツール(親で有効なツールから) 状態(テンプレートで有効なツールから)

お知らせ

ディスカッション

イベント

有効

無効

無効

お知らせ

ディスカッション

イベント

リスト

有効

有効

有効

有効

お知らせ

有効

お知らせ

ディスカッション

イベント

有効

有効

有効

お知らせ

イベント

有効

無効

お知らせ

ディスカッション

イベント

有効

無効

無効

お知らせ

無効

お知らせ

ディスカッション

イベント

有効

有効

有効

使用可能なツールなし

有効なツールなし

お知らせ

ディスカッション

イベント

有効

有効

有効

お知らせ

ディスカッション

イベント

無効

無効

無効

お知らせ

ディスカッション

イベント

無効

無効

無効


要約: 親ポータルからサブポータルにすべてのツールを継承する場合は、サブポータルを作成する前に、親ポータル内のすべてのツールを有効化する必要があります。サブポータルの作成と同時に一部のツールを有効にする場合は、サブポータルのベースになるポータル・テンプレートで、それらのツールが有効になっている必要があります。


注意:

サブサブポータル(サブポータルが親ポータル)を作成する場合、サブサブポータルでの継承は、階層の最上位サブポータルでの継承と同じになります。つまり、ツリー内のすべてのサブポータルが、最初の親ポータル内で有効なツールを継承します。


セキュリティが親ポータルから継承されない場合(第5.6.1項「サブポータルの継承セキュリティ設定の変更」を参照)、サブポータルはポータル・テンプレートからツールと有効状態を継承し、親ポータル内のツールは無視されます(表5-2を参照)。

表5-2 サブポータルでのツールの継承(セキュリティが継承されない場合): 例

親ポータル内のツール サブポータルの作成に使用したポータル・テンプレート内のツール 作成されるサブポータル内のツール
使用可能なツール 状態 使用可能なツール 状態 使用可能なツール(テンプレートで使用可能なツールから) 状態(テンプレートで使用可能なツールから)

お知らせ

ディスカッション

イベント

有効

無効

無効

お知らせ

ディスカッション

イベント

リスト

有効

有効

有効

有効

お知らせ

ディスカッション

イベント

リスト

有効

有効

有効

有効

お知らせ

ディスカッション

イベント

有効

有効

有効

お知らせ

イベント

有効

無効

お知らせ

イベント

有効

無効

お知らせ

無効

お知らせ

ディスカッション

イベント

有効

有効

有効

お知らせ

ディスカッション

イベント

有効

有効

有効

お知らせ

ディスカッション

イベント

有効

有効

有効

お知らせ

ディスカッション

イベント

無効

無効

無効

お知らせ

ディスカッション

イベント

無効

無効

無効


5.2 ポータル階層の表示

次の各項で説明するとおり、サブポータルと親ポータルを参照できる範囲は、ロールと権限によって決まります。

5.2.1 親ポータルのサブポータルの表示

ポータルにサブポータルが含まれる場合、付与されているロールに応じて、次のいずれかの方法でサブポータルにアクセスできます。

  • 親ポータルの「ホーム」ページで「サブポータル」リンクをクリックします(使用しているページ・テンプレートにこのリンクが表示されている場合)。


    ヒント:

    「サブポータル」リンクの場所は、ポータルで使用するページ・テンプレートによって異なります。たとえば、サイド・ナビゲーション・テンプレートでは、「サブポータル」メニューから使用できます。


  • ポータル管理(第7.1項「ポータル管理へのアクセス」を参照)で、左側のナビゲーション・ペインの「サブポータル」リンクをクリックして、「サブポータル」ページを表示します(図5-1)。

    図5-1 サブポータルの表示

    図5-1の説明が続きます
    「図5-1 サブポータルの表示」の説明

  • 「ポータル」メニューから「ポータル・ビルダー」を選択し、「ポータル」ページのすべてのポータルをポータル・ビルダーに表示します。次にポータルの「サブポータル」アイコンをクリックして(図5-2)、ポータルの「サブポータル」ページを表示します(図5-1)。

    図5-2 ポータルの「サブポータル」アイコン

    図5-2の説明が続きます
    「図5-2 ポータルの「サブポータル」アイコン」の説明

  • 第A.7項「指定されたポータルのページに対するプリティURL」に記載されているプリティURLを使用して、ポータルの「サブポータル」ページに直接移動します。

5.2.2 サブポータルの親ポータルの表示

サブポータルから親ポータルに移動できるようにするには、サブポータルのページ・テンプレートにリンクを追加します。これはページ・テンプレート開発者の設計上の決定であり、親ポータルのセキュリティでサブポータルからの直接アクセスが許可されているかどうかに応じて表示できます。

5.3 サブポータルの作成

サブポータルは、ポータル内に1つ以上作成できます。親ポータルから、そのサブポータルに移動できます(第5.2.1「親ポータルのサブポータルの表示」を参照)。


注意:

ポータルで新しいアセット(ページ・テンプレート、スキン、ナビゲーションまたはリソース・カタログ)を作成した場合、新しいカスタム・アセットは、管理設定でそのポータルのサブポータル用の選択肢として表示されません。親ポータルで使用しているカスタム・アセットと同じアセットをサブポータル用に設定するには、EL式を使用する必要があります(第7.3.2項「ポータルのページ・テンプレートの変更」第7.3.3項「ポータルのスキンの変更」第7.3.4項「ポータルのナビゲーションの変更」および第7.3.5項「ポータルのページおよびページ・テンプレートのリソース・カタログの変更」を参照)。カスタム・アセットをすべてのポータルおよびサブポータルで選択できるようにするには、アプリケーション・レベルでカスタム・アセットを作成する必要があります(第20.3項「アセットの作成」を参照)。


現在のポータルのサブポータルを作成するには:

  1. 次のいずれかの方法で、サブポータルの作成ウィザードを開きます。

    ポータル・テンプレートの選択画面が表示されます(図5-7)。

    図5-7 サブポータル・テンプレートの選択

    図5-7の説明が続きます
    「図5-7 サブポータル・テンプレートの選択」の説明

  2. 「ポータル・テンプレートの選択」。新規サブポータルのベースとして使用できるポータル・テンプレートを検索し、使用するテンプレートの下にある「これを使用」をクリックすると、ポータルの仕様画面(図5-8)が表示されます。


    関連項目:

    詳細は、第3.1項「ポータル・テンプレートについて」を参照してください。



    注意:

    • サブポータルでツールとサービスを使用可能および有効にする方法の詳細は、第5.1.1項「ポータル階層の継承の理解」を参照してください。

    • カスタムのポータル・テンプレートには、ディスカッション、ドキュメント、リスト、メンバー情報(ロールなど)、ページ、ポータル・アセットなど、事前シード済のデータが含まれる場合があります。こうしたテンプレートを選択した場合、新しいサブポータルにはすべての事前シード済データが含まれます。

    • テンプレートを選択した後、サブポータルの作成を完了する前にそのテンプレートが他のユーザーによってプライベート化された場合、テンプレートは使用できなくなり、エラーが発生します。


    図5-8 サブポータルの仕様画面

    図5-8の説明が続きます
    「図5-8 サブポータルの仕様画面」の説明

  3. 「タイトルと説明」。必要に応じてデフォルトのサブポータルを変更し、オプションでサブポータルの説明とキーワードを入力します。検索結果で発見しやすくするために、サブポータルのコンテンツに関連するキーワードを入力します。キーワードはスペースまたはカンマで区切ります。

    ここで入力するタイトルは表示名であり、サブポータルの上部や、「ポータル」メニュー、「ポータル」ページなど、ポータルの選択が可能なその他の場所の上部に表示されます。サブポータルのタイトルには、英数字、アンダースコア、空白、マルチバイト文字、特殊文字(&#など)を使用できます。使用できる最大の長さは200文字です。予約済キーワード(adminbuildergroupgroupshomelastpagepagesmy portalsmy spacesportalportalsspacespacessystemwebcenterwebcenter administrationwebcenter portalwebcenter portalswebcenter spacewebcenter spaces)は、大文字のみの場合も小文字のみの場合も、大文字と小文字の組合せの場合も、完全なポータル名としては使用できません。これらの予約語は長い名前の一部として使用できます(Sales Groupなど)。


    注意:

    WebCenter Portalでは、サポートされていない特殊文字(-など)や、ここで指定した表示名の中の空白文字を削除して、サブポータルの最初の内部名を導出します。たとえば、表示名のMy Sub-Portalから内部名のMySubPortalが生成されます。このサブポータルのURLは、http://host:port/webcenter/portal/MySubPortalとなります。


  4. 「属性」。表示された場合、サブポータルのカスタム属性の値を入力します。


    注意:

    「属性」セクションは、選択したポータル・テンプレートにカスタム属性が定義されている場合にのみ表示されます。図5-8は、ポータル・テンプレートにカスタム属性が定義されていない場合の画面を示しています。


  5. 「URL」。必要に応じて、サブポータルのデフォルトURLを変更します。サブポータルの内部名はこのフィールドから導出されます。

  6. 「アクセス」。画面に記載されているように、サブポータルのアクセス設定は親ポータルから継承されます。サブポータルのアクセス権限を変更するには、第5.6.1項「サブポータルの継承セキュリティ設定の変更」を参照してください。

  7. サブポータルの作成時に新規サブポータル用のページを作成するために、作成と同時にサブポータルで使用可能になる複数のページおよびサブページを作成するショートカットが用意されています(第2.3項「新規ポータル作成時のページの作成」を参照)。

  8. 「作成」をクリックします。

    サブポータルの作成中はWebCenter Portalで進捗状況がレポートされ、サブポータルの作成が完了すると通知が表示され、次のステップの選択肢が示されます(図5-9)。

    図5-9 サブポータル作成完了

    図5-9の説明が続きます
    「図5-9 サブポータル作成完了」の説明

  9. 「次の動作を指定しますか。」の下にある選択肢から1つ選択します。

    • 「自分のポータルの表示」を選択すると、新規サブポータルのホーム・ページが表示され、作成したページにすぐに移動できます。

    • 「自分のポータルの編集」を選択すると、サブポータルがポータル・エディタで開きます。ポータルの編集タスクの詳細は、第6章「ポータルの編集」を参照してください。

    • 「自分のポータルの管理」を選択すると、サブポータルの管理設定が開きます。サブポータルへのメンバーの追加など、ポータルの管理タスクの詳細は、第7章「ポータルの管理」を参照してください。

    • (選択したポータル・テンプレートで「ドキュメント」ツールが有効な場合)「ドキュメントのアップロード」を選択すると、「ドキュメント」ページが表示され、サブポータルでドキュメントの管理および追加を実行できます。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの使用』の「ドキュメントの作成と管理」(特にファイルのアップロードに関する項)を参照してください。


      注意:

      親ポータル内のフォルダとファイルは、自動的にサブポータルから使用できるようにはなりません。サブポータルにフォルダとファイルを追加するには、第VI部「ポータルでのコンテンツの使用」を参照してください。


    • 「すべてのポータルの参照」を選択すると、ポータル・ブラウザ「ポータル」ページが開きます(図5-10)。

      図5-10 ポータル・ブラウザ

      図5-10の説明が続きます
      「図5-10 ポータル・ブラウザ」の説明

    • 「別のサブポータルの作成」を選択すると、親ポータル内に別の新規サブポータルを作成できます。

サブポータルの作成者としてこのサブポータルのModeratorロールが自動的に付与され、必要に応じてサブポータルを移入、カスタマイズおよび管理できます。

5.4 カスタム・ポータル階層ナビゲーションの作成

アプリケーション・スペシャリストは、カスタム・ナビゲーション・モデルを構築できます。このモデルをポータルに追加して、エンド・ユーザーがポータル階層を簡単に移動できるようにできます。詳細は、第22.2.3項「ナビゲーション・モデルへのリソースの追加」(「ポータル問合せ」を選択して、サブポータルをポータルのナビゲーションに追加)を参照してください。

5.5 サブポータルの移動(親の変更)

アプリケーション・レベルのPortals-Manage All権限を持つシステム管理者のみが、現在の親ポータルからサブポータルを移動できます。サブポータルを移動する際、メタデータ(ページ、ナビゲーション、セキュリティなど)とデータはすべて維持されます。詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalの管理のポータルまたはサブポータルの移動に関する項を参照してください。

5.6 サブポータルの管理

サブポータルでの管理タスクは、次の章で説明するとおり、任意のトップ・レベル・ポータルでの管理タスクと同じです。

また、サブポータルには、親ポータルには適用されない次の管理タスクがあります。

5.6.1 サブポータルの継承セキュリティ設定の変更

サブポータルを作成した場合、親ポータルから初期セキュリティ(メンバー、ロールおよび権限)を継承します。サブポータルにカスタム・セキュリティを設定した場合、親ポータルからセキュリティを継承する動作に戻すことはできません。

サブポータルのメンバー、ロールおよび権限を変更するには:

  1. サブポータル管理(第7.1項「ポータル管理へのアクセス」を参照)で、左側のナビゲーション・ペインの「セキュリティ」リンク(図5-11)をクリックします。

    図5-11 サブポータルに対するセキュリティの設定(セキュリティが継承される場合)

    図5-11の説明が続きます
    「図5-11 サブポータルに対するセキュリティの設定(セキュリティが継承される場合)」の説明

  2. 設定画面で「継承の停止」をクリックし、サブポータルが親ポータルからセキュリティ設定を継承しないことを指定します。

  3. 確認プロンプトで、「継承の停止」をクリックします。

    「セキュリティ」画面には、「アクセス」「ロール」および「メンバー」タブを持つページが表示されます(図5-12)。

    図5-12 サブポータルに対するセキュリティの設定(セキュリティが継承されない場合)

    図5-12の説明が続きます
    「図5-12 サブポータルに対するセキュリティの設定(セキュリティが継承されない場合)」の説明

  4. 次の項の説明に従って、サブポータルのセキュリティ設定を変更します。


    注意:

    サブポータルでView Documents権限をPublic-Userロールに付与すると、Authenticated-Userロールにも自動的にView Documents権限が付与されます。