Oracle® Solaris 11.2 仮想化環境の紹介

印刷ビューの終了

更新: 2014 年 12 月
 
 

Oracle VM Server for SPARC の概要

Oracle VM Server for SPARC (以前の Sun Logical Domains) は、単一の物理ドメイン上で複数の OS インスタンスを同時に実行する SPARC ハイパーバイザ仮想化ソリューションです。物理ドメインは、単一 Oracle VM Server for SPARC インスタンスによって管理されるリソースの範囲です。サポートされている SPARC T シリーズプラットフォームのように、物理ドメインは完全な物理システムになることがあります。または、サポートされている SPARC M シリーズプラットフォームまたは Fujitsu M10 システムのように、システム全体またはシステムのサブセットのいずれかになることがあります。

Oracle SPARC プラットフォームで Oracle VM Server for SPARC ソフトウェアを使用して、単一の物理ドメイン上に、論理ドメインと呼ばれる仮想サーバーを最大で 128 個作成できます。この種類の構成により、SPARC T シリーズサーバーおよび SPARC M シリーズサーバーと Oracle Solaris OS が提供する大規模なスレッドを活用できるようになります。また、Oracle VM Server for SPARC では、ゾーンなどの OS レベルの仮想化機能も使用できます。

    各論理ドメインは、単一の物理ドメイン内に独自のオペレーティングシステムと識別情報を保有し、次に示すようなリソースの個別の論理的なグループで構成されます。

  • カーネル、パッチ、およびチューニングパラメータ

  • ユーザーアカウントおよび管理者

  • ディスク

  • ネットワークインタフェース、MAC アドレス、および IP アドレス

  • PCIe スロット、バス、およびエンドポイントデバイス

  • PCIe SR-IOV 物理機能および仮想機能

各ドメインは、サーバーまたはドメインの電源の再投入またはリブートを必要とすることなく、互いに独立して作成、破棄、停止、起動、リブート、およびライブ移行できます。また、この方法で CPU やメモリーなどのリソースをドメイン上で再構成することもできます。

異なるドメインでさまざまなアプリケーションソフトウェアを実行でき、パフォーマンスおよび安全性の目的から、これらを独立した状態にしておくことができます。各ドメインは、ハイパーバイザがそのドメインに対して利用可能にしたサーバーリソースに対してのみ、モニターおよび対話が許可されています。論理ドメイン Manager によって、ユーザーは仮想マシンを作成し、ハードウェアリソースをそれに割り当てることができます。論理ドメイン Manager は制御ドメイン内で実行します。ハイパーバイザはサーバーをパーティション分割し、サーバーリソースのサブセットをそれぞれ独立した仮想マシンに提供します。このパーティションの分割と提供は、論理ドメインを作成する場合の基本的なメカニズムです。

ハイパーバイザソフトウェアは、論理ドメインが相互に通信できるようにする論理ドメインチャネル (LDC) も提供します。Oracle VM Server for SPARC は LDC を使用して、仮想ネットワークおよびディスクデバイスサービスを提供する Oracle Solaris サービスドメイン に対して、ゲスト仮想マシンの入出力処理をオフロードします。これらのサービスドメインは、仮想入出力を提供する Oracle Solaris のパフォーマンスおよび可用性のための機能を活用し、モノリシック設計に比べて小さく効率的なハイパーバイザカーネルの使用が可能になります。シングルポイント障害を排除して高可用性を提供するために複数のサービスドメインを構成できます。ドメインの役割についての詳細は、Oracle VM Server for SPARC 3.1 Administration Guide のRoles for Domainsを参照してください。

サービスプロセッサ (SP)システムコントローラ (SC) とも呼ばれ、物理マシンをモニターおよび実行しますが、論理ドメインは管理しません。論理ドメイン Manager が論理ドメインを管理します。さらに、ブラウザベースの Oracle VM Manager または Oracle Enterprise Manager Ops Center を使用して、x86 および SPARC プラットフォームで仮想環境、物理サーバープール、およびストレージとネットワークリソースをプロビジョニングして管理できます。

論理ドメイン Manager および Oracle VM Server for SPARC の詳細は、Oracle VM Server for SPARC のドキュメントを参照してください。Oracle VM Manager の詳細は、Oracle VM のドキュメントを参照してください。Oracle Enterprise Manager Ops Center の詳細は、http://www.oracle.com/us/products/enterprise-manager/index.html を参照してください。