Oracle® Solaris 11.2 仮想化環境の紹介

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更新: 2014 年 12 月
 
 

仮想化テクノロジモデル

    仮想化モデルは、次に示す競合する特性によって説明されます。

  • 実行環境の隔離の程度

  • リソースの柔軟性の程度

モデルが提供する隔離の程度が大きくなる程、リソースの柔軟性は小さくなります。モデルが提供するリソースの柔軟性が大きくなる程、隔離の程度は小さくなります。これらの特性は競合するため、単一モデルによって最大化することはできません

    Oracle Solaris 11.2 OS を次の 1 つ以上の仮想化テクノロジとともに使用して、ワークロード密度を最大化できます。

  • オペレーティングシステム (OS) 仮想化は、単一の OS インスタンス内に 1 つ以上の隔離された実行環境を提供します。各環境では、OS の専用コピーのようなものがコンテナ内に格納されます。OS 仮想化モデルはネイティブに近いパフォーマンスと柔軟性を提供し、仮想マシンまたは物理ドメインに比べてディスク、RAM、および CPU フットプリントがずっと小さくなります。ただし、OS 仮想化モデルが提供する実行環境の隔離の程度は最小となります。

    Oracle Solaris 11.2 は、Oracle Solaris ゾーン 製品によってこの仮想化モデルを実現します。

  • 仮想マシンは単一のハードウェアリソースセットで複数の OS インスタンスを実行するために使用できます。作成する各仮想マシンは独自の OS を実行します。この方法で、さまざまな種類のオペレーティングシステムを実行できます。ソフトウェアまたはファームウェアハイパーバイザによって、各ゲスト OS インスタンスがあたかも専用の個別システム上で実行しているような錯覚が作り出されます。仮想マシンは、OS 仮想化を使用するマシンに比べて提供するリソースの柔軟性は小さいですが、隔離の程度は大きくなります。

    Oracle Solaris 11.2 は、Oracle VM Server for SPARC、Oracle VM Server for x86、および Oracle VM VirtualBox によってこの仮想化モデルを提供します。Oracle VM VirtualBox と Oracle Solaris カーネルゾーンを x86 上の Oracle Solaris システムで同時に実行すると、このシステムがパニックを起こす可能性があります。

    Oracle VM VirtualBox の使用についての詳細は、Oracle VM VirtualBox のドキュメントを参照してください。

  • ハードウェアパーティション物理ドメインとも呼ばれ、実行中の OS と、それと別個のリソースおよび電源のセットとの間に物理的な分離を設けます。このモデルではハイパーバイザを使用しないため、ベアメタルパフォーマンスが提供されます。この仮想化モデルは隔離の程度が最大となりますが、仮想マシンまたは OS 仮想化モデルに比べてリソース構成の柔軟性がずっと小さくなります。

    Oracle は、Oracle の Sun SPARC Enterprise M シリーズサーバー上でこの種類の仮想化を提供します。詳細は、Oracle SPARC M シリーズサーバーのドキュメントを参照してください。