12様々な階層レベルでのプログラムおよびプラン適格
この章の内容は次のとおりです。
福利厚生階層の適格の設定のベスト・プラクティス
設定作業とオペレーティング・パフォーマンスは、適格要件を福利厚生オブジェクト階層内のどこで定義するかによって変わります。この例では、ベスト・プラクティスについて説明します。
適格要件は、「設定および保守」作業領域と「プラン構成」作業領域の適格ページを使用して、次のレベルで定義できます。
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プログラムの構成時であれば、3つのレベル: プログラム、プログラム内のプラン・タイプ、およびプログラム内のプラン
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プランの構成時であれば、2つのレベル: プログラム外のプランとプラン内のオプション
次の図は、最上位から最下位(一般から詳細)までのコンポーネントが組織された、適格決定階層を示したものです。

適格要件を評価する際、詳細レベルの要件は一般レベルの要件を上書きするのではなく、増補します。したがって、階層を下に移動するほど、より限定的な要件を関連付けることになります。
健康プログラムのサンプル・シナリオ
あなたの組織は、現在の従業員と退職した従業員専用の健康プログラムを作成しようとしています。プログラム階層には、次の構成が含まれます。
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2つのプラン・タイプ: 医療とレクリエーション
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レクリエーション・プラン・タイプ内の2つのプラン
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キャンパス内レクリエーション施設へのアクセス権を提供する本社プラン。
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3つの全国フランチャイズのオプションを含むフィールド・プラン。1つのフランチャイズでは、メンバーシップが女性就業者に限定されます。
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適格を設定して、次の結果を達成します。
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退職した就業者と現在の就業者だけが、健康プログラムに加入できます。
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退職した就業者と現在の就業者のうち、本社の近くに住んでいるすべての就業者は、キャンパス内フィットネス施設を利用できます。
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退職した就業者と現在の就業者のうち、本社の近くに住んでいないすべての就業者は、キャンパス外フィットネス施設に加入できます。
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退職した女性就業者と現在の女性就業者のうち、本社の近くに住んでいない就業者だけが、フィットネス・フランチャイズCに加入できます。
適格要件設定
「健康」福利厚生サービスを作成し、次の基準に基づいて、プログラム、プラン、およびオプションに対する適格を添付します。
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雇用ステータス
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事業所
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性別
次の図は、「健康」福利厚生サービスの適格決定階層を示したものです。

次の表は、階層内のレベルごとの適格要件を示したものです。
レベル | 適格プロファイル基準 |
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プログラム |
健康プログラムについては、現在の就業者と退職した就業者だけを含む雇用ステータス |
プログラム内のプラン・タイプ |
医療とレクリエーションのどちらのプラン・タイプについてもなし |
プログラム内のプラン |
居住地フィルタを階層内の上位に適用すると、希望しない医療プラン加入者に基準の影響が及びます。 |
プラン内のオプション |
性別フィルタをこのレベルに配置することで、その影響がフィットネス・フランチャイズCのみに限定されます。 |
分析
この戦略では、適格評価が階層の下位へと進むにつれて対象となる適格加入者が減るため、処理時間を短縮することができます。適格プロファイルをプランやオプションごとに添付することもできますが、設定やパフォーマンスの観点から見て、前者のアプローチのほうが格段に効率的です。
結果の適格
Johnは本社の近くに住んでいる退職就業者で、次の表に記載されている基準を満たします。
レベル | 基準 | 結果の適格 |
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プログラム |
雇用ステータス |
Johnは健康プログラムに加入できます。 |
プログラム内のプラン |
本社プランの居住地 |
Johnはキャンパス内フィットネス施設を利用できます。 |
プログラム内のプラン |
フィールド・プランの居住地 |
Johnは全国フィットネス・フランチャイズに加入できます。 |
Johnはプラン内オプション・レベルの性別基準を満たしていないため、フィットネス・フランチャイズCに加入できません。
扶養家族および受取人指定の構成
加入者の扶養家族と受取人被指名人は、次のレベルで構成できます。
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プラン内のオプション
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プラン(プランにオプションがない場合)
「プラン構成」作業領域で、次の操作を行います。
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次のいずれの場所で「作成」をクリックして、指定可能な扶養家族または受取人被指名人の構成ダイアログ・ボックスを開きます。
事業所 開くタスク 作成または編集ページ(「指定可能な扶養家族または受取人被指名人」セクション)
福利厚生オプションの管理
プラン適格の作成または編集ページ(「指定可能な扶養家族または受取人被指名人」タブ)
福利厚生プラン詳細の管理
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指定要件を定義するグループ続柄を選択します。たとえば、子、親、甥、およびドメスティック・パートナ続柄タイプを追加する場合は、「家族」を選択します。
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指定タイプ(扶養家族または受取人)を選択します。
福利厚生処理のデフォルト動作では、次の続柄タイプが、扶養家族として指定できる親族等と見なされます。
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養子
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継子
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子
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ドメスティック・パートナ
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里子
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ドメスティック・パートナ子
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配偶者
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このオプションまたはプランでカバーされる被指名人の最小人数と最大人数を入力します。
ノート: 被指名人が一切許可されないプランの場合は、両方のフィールドに0と入力するか、「最小なし」と「最大なし」を選択します。最小または最大、あるいはその両方を入力すると、「すべての適格のカバー」フィールドは、「はい」に設定されていたとしても無視されます。 -
オプションについては、「すべての適格のカバー」フィールドで「はい」を選択して、適格プロファイル基準を満たすすべての被指名人に補償範囲を提供します。
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選択したグループ続柄に対応する続柄タイプを、少なくとも1つ追加します。たとえば、グループ続柄「子」を選択した場合は、次の続柄タイプのうち少なくとも1つを追加します。
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養子
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継子
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子
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ドメスティック・パートナ子
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里子
「甥」または「姪」の続柄タイプは追加しません。
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登録資格のあるサービスのみの表示
プラン構成の「適格」ページの設定を使用して、登録表示の対象を、加入者に登録資格があるプランとオプションだけに限定することができます。
例: 加入者に配偶者や扶養家族がない場合:
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「従業員のみ」オプションを表示する
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「従業員と配偶者」オプションと「従業員と家族」オプションを非表示にする
適格上書きの選択
標準登録表示を上書きするには、次の2つの設定を使用します(これらは相互に連携します)。
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家族ルール
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加入者適格確認
「プラン構成」作業領域で、次の操作を行います。
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「タスク」パネル・ドロワーで、「福利厚生プラン詳細の管理」タスクをクリックします。
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プランを検索し、クリックします。
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「プラン適格」ページを開きます。
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「プランおよびオプション適格」セクションで、プランまたはオプションを選択します。
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「他の詳細」セクションで、「構成」タブを選択します。
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「家族ルール」フィールドで、適切なルールを選択します。
次の表で、オプションを説明します。
オプション 登録ページへの影響 指定要件を確認する
指定可能な被指名人の要件で指定された続柄タイプが加入者の連絡先に含まれない場合、プランまたはオプションが非表示になります。
指定要件を確認しない
なし
Formula
Formulaで指定されます(「家族Formula」フィールドで選択します)。
Formulaを選択する前に、「設定および保守」作業領域の「FastFormulaの管理」タスクを使用して、Formulaを作成する必要があります。
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「加入者適格確認」フィールドで、適切なルールを選択します。
次の表で、オプションを説明します。
加入者適格確認 加入者が適格となるための要件 無視されるもの 空白
加入者が加入者適格プロファイルの適格要件を満たしている。
扶養家族適格要件または指定可能被指名人要件
扶養家族のみ
加入者の扶養家族が、適格要件と指定可能被指名人要件の両方を満たしている。
加入者適格プロファイル
加入者および扶養家族
加入者と扶養家族が、プランまたはオプションに関連付けられた適格要件と指定可能被指名人要件の両方を満たしている。
適用不可
プログラムおよびプラン適格に関するFAQ
加入適格の上書きを有効にしたら、どうなりますか?
福利厚生マネージャが、特別な状況下でプラン加入の適格要件を上書きできます(新規採用向けのネゴシエーション済福利厚生パッケージなど)。このプログラム内のすべてのプランとオプションは、プラン・レベルやプラン内オプション・レベルで別途指定がないかぎり、この設定を継承します。
不適格者の追跡を選択するとどうなりますか。
勤続期間の時間的要因に基づいて不適格者の適格を決定する場合は、不適格者を追跡する必要があります。この設定は、プランまたはオプションの「適格」ページの「構成」タブにある、「適格の上書き」セクションで指定します。
不適格者を追跡すると:
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「登録」作業領域の「適格の上書き」ページに、個人適格レコードが表示されます。
個人を適格にするために適格上書きを使用した場合、「福利厚生ステータス要約」セクション(「選択可能」タブ)に、対応する選択可能レコードが表示されます。
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福利厚生管理者が、再処理を行うことなく、不適格者を適格にできるようになります。