ファイルに対してミラー化を指定すると、Oracle ASMによりファイル・エクステントの冗長コピーが自動的に個別の障害グループに格納されます。障害グループは、標準冗長性および高冗長性のディスク・グループにのみ適用されます。ディスク・グループを作成または変更する場合、ディスク・グループごとに障害グループを定義できます。
Oracle ASMの冗長性レベルに基づいた3種類のディスク・グループがあります。表4-1に、そのタイプと、サポートされるミラー化レベルおよびデフォルトのミラー化レベルを示します。デフォルトのミラー化レベルは、異なるミラー化レベルを指定しないかぎり、各ファイルの作成時に使用されるミラー化レベルを示します。
表4-1 Oracle ASMディスク・グループ・タイプのミラー化オプション
ディスク・グループ・タイプ | サポートされるミラー化レベル | デフォルトのミラー化レベル |
---|---|---|
外部冗長性 |
非保護(なし) |
保護なし |
標準冗長性 |
双方向、3方向、非保護(なし) |
双方向 |
高冗長性 |
3方向 |
3方向 |
冗長性レベルでは、ディスク・グループのディスマウントやデータの消失なしに許容されるディスク障害の数が制御されます。各ファイルは固有の冗長性に基づいて割り当てられますが、デフォルトはディスク・グループから提供されます。
冗長性レベルは次のとおりです。
外部冗長性
Oracle ASMではミラー化冗長性は提供されません。RAID機能を備えたストレージ・システムを使用します。書込みエラーが発生すると、ディスク・グループは強制的にディスマウントされます。ディスク・グループを正常にマウントするには、すべてのディスクを検出する必要があります。
標準冗長性
Oracle ASMは、デフォルトで双方向ミラー化を行います。つまり、すべてのファイルがミラー化されるため、各エクステントのコピーが2つ存在することになります。1つのOracle ASMディスクの損失は許容されます。必要に応じて、3方向ミラー化または非保護ミラー化を選択できます。
NORMAL
冗長性ディスク・グループ内でファイルにHIGH
冗長性(3方向ミラーリング)を指定すると、不良ディスク・セクターからの保護が追加されますが、ディスク障害から保護されるわけではありません。
高冗長性
Oracle ASMは、デフォルトでトリプル・ミラー化を行います。異なる障害グループの2つのOracle ASMディスクの損失は許容されます。
ディスク・グループのファイル・タイプ・テンプレートに指定されたファイルのミラー化(冗長性属性値)を満たすのに十分なオンラインの障害グループがない場合、Oracle ASMでは、できるかぎり多くのミラー・コピーを割り当て、その後十分なオンラインの障害グループが使用できるようになったときに残りのミラーを割り当てます。Oracle ASMディスク・グループ・テンプレートの指定の詳細は、「ディスク・グループ・テンプレートの管理」を参照してください。
障害グループを使用すると、メタデータおよびユーザー・データをミラー化できます。使用環境における障害グループの数が十分でない場合、システムの信頼性が損われる可能性があります。
この項の内容は次のとおりです。