『Oracle Database Applianceスタート・ガイド』を使用して、Oracle Database Applianceおよび関連ソフトウェアの理解と管理に役立てます。このマニュアルは、Oracle Database Applianceハードウェアのすべてのバージョンに適用されます。特定のバージョンが対象であると明確に示されないかぎり、「Oracle Database Appliance」という用語はすべてのハードウェア・バージョンを意味します。
この章は2つの主要な項で構成されており、最初の項ではこのマニュアルの内容を概説し、2番目の項では製品の概要、およびOracle Database Applianceをご使用のネットワークに統合するためのガイドラインについて説明します。
『Oracle Database Applianceスタート・ガイド』は、主にOracle Database Applianceのソフトウェア構成、デプロイおよび管理について説明します。物理ハードウェアの準備と設置の詳細は、『Oracle Database Applianceオーナーズ・ガイド』および『Oracle Database Applianceサービス・マニュアル』を参照してください。
第1章のこの項では、各章の内容の概要を示します。次の項「Oracle Database Applianceについて」には、Oracle Database Applianceのハードウェア、ソフトウェア、ネットワーク要件およびデプロイ手順についての説明が含まれます。
第2章は2つの項で構成されています。最初の項は、Oracle Database Applianceの配達前に完了可能な手順について説明しています。これらの手順は次のとおりです。
構成およびデプロイメント・オプションを選択します。
情報を収集します(結果を記録するために、第2章のチェックリスト表を印刷可能です)。
スタンドアロンのOracle Appliance Managerコンフィギュレータを実行して、後でOracle Database Applianceでデプロイするための構成ファイルを作成します。
第2章の残りの箇所は、このマニュアルの大部分と同様に、『Oracle Database Applianceオーナーズ・ガイド』で説明されているようにOracle Database Applianceハードウェアをすでに入手して設置していることを前提としています。つまり、必要な電源出力と十分な空調を有し、前面および背面のパネルにアクセスできる環境にシステムが設置されているということです(これらの作業はすべてオーナーズ・ガイドで説明しています)。
第2章の後半では、次のタスクについて説明しています。
インターコネクト、ストレージ・ユニットおよびパブリック・ネットワーク接続への配線
システムの電源投入
Oracle Integrated Lights Out Manager (Oracle ILOM)の構成
ソフトウェアのダウンロード用に初期ネットワークを構成
Oracle Database Applianceが稼働したら、基本ソフトウェアをデプロイし、オプションで初期データベースを構成します。これらのタスクは第3章で説明しています。デプロイの後で、第4章で説明されているように、必要なパッチの適用など、必要なインストール後の手順を実行します。
Oracle Database Applianceの継続的な管理およびメンテナンスのタスクについては、スタート・ガイドの残りの章を参照してください。
第5章「Oracle Database Applianceでの仮想マシンの管理」
この章は、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームをインストールした場合にのみ該当します。この章では、プライマリ・データベース・ドメインの仮想イメージを個別に実行するための、1つ以上の仮想マシン・ドメインの設定、使用の他、削除について説明します。
第6章「Oracle Database ApplianceでのOracle Databaseの管理」
Oracle Database ApplianceにおけるOracle Databaseの管理に関する一般情報を必要とする場合、および次のような特定のタスクがある場合に、この章を参照します。
データベース・ホーム、データベースおよびインスタンスの管理または追加
Oracle Grid Control管理ユーザーの追加作成
単一インスタンス・データベースのOracle Real Application Clusters (RAC)またはOracle RAC One Nodeへの変換
Oracle Databaseの上位リリースへのアップグレード
データベース・ヘルス・チェックの実行
第7章「Oracle Database Applianceの検証およびトラブルシューティング」
この章では、Oracle Database Applianceの検証、トラブルシューティングおよび問題解決に役立つツールやOracle Appliance Managerコマンドについて説明しています。
『Oracle Database Applianceスタート・ガイド』の最後にある付録には、このマニュアル全体に記載されているタスクに関連する情報が含まれています。4つの付録は次のとおりです。
付録A「Oracle Database Applianceの参照情報」
この付録の内容は、次のとおりです。
CPUのサイズと数、ディスク・グループ・サイズ、デフォルト・パスワードなど、ハードウェアおよびソフトウェアの仕様。
GridInst.pl
コマンドライン・ツールの説明
ソフトウェアのインストールおよび構成前に構成情報を収集するときに使用する表。これらの表は、適切な担当者が記入できるように、印刷用に作成されています。
付録B「コア数およびCapacity-on-Demand (システム規模に応じた支払い)」
この付録では、Capacity-on-Demand機能を使用して、リソース変更の要求に応じてコア数のライセンス情報を更新する方法について説明します。
付録C「Oracle Database Applianceのデータベースのサイズ設定」
この付録では、データベースの作成時に、他のデータベースが使用しているリソースに影響を及ぼすことなく適切なリソース・セットをそれぞれのデータベースに割り当てられるようにテンプレートを使用する方法について説明します。
付録D「Oracle Appliance Managerコマンドライン・インタフェース」
この付録には、Oracle Appliance Managerコマンドライン・インタフェースの構文が記載されています。この付録にはコマンドが一覧で表示され、コマンドを実行できるオブジェクト、使用可能なオプション(パラメータ)、および一般的な使用方法の例(大部分のコマンドについて)が記載されています。以前のリリースのOracle Database Applianceでは使用できないコマンドや、オプションが異なるコマンドもあります。
Oracle Database Applianceを使用すると、このプラットフォーム上で最適なパフォーマンスを発揮する設計のOracle Databaseテンプレートから構築された高可用性データベース・ソリューションのデプロイ、管理およびサポートが容易になります。Oracle Database Applianceは、信頼性と耐障害性に優れた自己管理データベース・システムを実現し、小規模企業から大企業までスケーラブルに対応します。
後述する制限内で、ワークロードに応じてOracle Database Applianceで必要な任意の数のプロセッサをデプロイします。Capacity-on-Demand方式のソフトウェア・ライセンスを使用することにより、通常のハードウェアのアップグレードに伴う過度のコストや停止時間を発生させずにプロセッサ・コアを増やして簡単にスケールアップできます。
Oracle Database Appliance X4-2では、最小4個のプロセッサ・コアから48個のプロセッサ・コアにスケールアップできます。Oracle Database Appliance X4-2仮想化プラットフォームをデプロイする場合、ODA_BASEドメイン専用にプロセッサ・コア(最小2個のプロセッサ・コアから最大48個のプロセッサ・コア)をライセンス保有します。
Oracle Database Appliance X3-2では、最小4個のプロセッサ・コアから32個のプロセッサ・コアにスケールアップできます。Oracle Database Appliance X3-2仮想化プラットフォームをデプロイする場合、ODA_BASEドメイン専用にプロセッサ・コア(最小2個のプロセッサ・コアから最大32個のプロセッサ・コア)をライセンス保有します。
Oracle Database Applianceでは、ベア・メタルまたはOracle Database Appliance仮想化プラットフォームで2個のプロセッサ・コアから24個のプロセッサ・コアにスケールアップできます。
ベア・メタルとOracle Database Appliance仮想化プラットフォームのどちらを使用するかは、企業の方針や、それぞれの実装によってもたらされるメリットに応じて決定されます。
次の表では、Oracle Database Applianceリリース2.9で使用可能なソフトウェアの一覧を示します。
表1-1 Oracle Database Applianceのソフトウェア
Oracle Database Applianceの準備および設定
この手順の内容は次のとおりです。
サーバー設置場所を準備します。
Oracle Database ApplianceのサポートID (SI)をMy Oracle Supportに登録し、Oracleからソフトウェアおよびサポートを取得できるようにします。
ドメイン・ネーム・システム(DNS)サーバーでネットワーク名およびアドレスを設定します。
Oracle Appliance Managerコンフィギュレータを使用して、ネットワーク名およびアドレスを生成したり、既存のネットワーク名およびアドレスを検証したりします。スタンドアロンのコンフィギュレータはOracle Technology Networkからダウンロードできます。第2章に記載されているように、Oracle Database Applianceの配達前に、ローカル・マシンに構成ファイルを作成できます。
注意: スタンドアロンのOracle Appliance Managerコンフィギュレータは、次のURLからダウンロードします。http://www.oracle.com/technetwork/server-storage/engineered-systems/database-appliance/overview/index.html |
サーバー設置場所のラックにOracle Database Applianceハードウェアを設置します。
関連項目: Oracle Database Applianceハードウェアの設定の詳細は『Oracle Database Applianceオーナーズ・ガイド』を参照してください。 |
電源およびネットワーク・ケーブルをOracle Database Applianceに接続します。
外部ファイルをロードするための初期ネットワーク構成を作成します。
手順1を完了するための詳細は、このマニュアルの第2章および『Oracle Database Applianceオーナーズ・ガイド』を参照してください。
Oracle Database Applianceでのソフトウェアのインストールおよびデプロイ
この手順の内容は次のとおりです。
Oracle Database Applianceソフトウェア・パッケージをダウンロードしてOracle Database Applianceにコピーします。
Oracle Appliance Managerコンフィギュレータを実行し、必要な情報を選択または入力します。
デプロイ中に、2つのノードのOracle Grid Infrastructureインストール(Oracle ClusterwareおよびOracle Automatic Storage Management)を構成します。また、Oracle Database Enterprise Edition、Oracle RACまたはOracle RAC One Nodeを構成するオプションも用意されています。初期デプロイの後は、データベースの追加、コア数の構成、およびインスタンス・ケージングの構成が可能になり、Oracle Database Applianceをデプロイした後で仮想ドメインを追加します。
第3章「Oracle Database ApplianceでのOracleソフトウェアのデプロイ」にこの手順を完了するための詳細を示します。
インストール後タスクの完了
この手順の内容は次のとおりです。
第4章「Oracle Database Applianceのインストール後のタスク」にこの手順を完了するための詳細を示します。