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Oracle® Solaris 11.3 でのシステムサービスの管理

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更新: 2016 年 11 月
 
 

構成ファイルと SMF サービス

SMF は、アプリケーションの起動に使用する推奨のメカニズムです。ほとんどの場合で、SMF が構成ファイルを使用した方法に代わって、サービスの管理を行います。このセクションでは、一般的な旧バージョンの構成スクリプトおよびファイルを扱う方法について説明します。

/etc/rc?.d のスクリプト

/etc/rc?.d のディレクトリ (ここで、? は、実行レベルを表します) には、実行レベルの遷移時に実行するサービスを管理するための、旧バージョンの初期化および終了スクリプトが含まれます。/etc/rc?.d のスクリプトで以前に実装されたほとんどのサービスが SMF で管理されます。一部の /etc/rc?.d のスクリプトは、これらのサービスを /etc/rc*.d のスクリプトと予想するサードパーティー製アプリケーションを使用できるように保持されています。これらのスクリプトは、/etc/init.d ディレクトリのファイルにハードリンクされます。/etc/rc?.d のスクリプトと実行レベルに関する詳細は、/etc/init.d/README ファイル、/etc/rc?.d ディレクトリ内の README ファイル、およびinittab(4)のマニュアルページを参照してください。実行制御スクリプトを変換する手順については、Oracle Solaris 11.3 でのシステムサービスの開発 の 実行制御スクリプトを SMF サービスに変換する方法を参照してください。rc?d スクリプトを変換したあと、Sscript から sscript にスクリプトの名前を変更して、スクリプトを実質的に削除します。

/etc/init.d のスクリプト

/etc/init.d ディレクトリには、init 状態を変更するための初期化および終了スクリプトが含まれます。これらのスクリプトの一部は、/etc/rc?.d のディレクトリ内のスクリプトにハードリンクされています。/etc/init.d のスクリプトの詳細は、/etc/init.d/READMEinit.d(4)のマニュアルページを参照してください。

旧バージョンの init.d 実行制御スクリプトは、svc ではなく lrc から始まる SMF FMRI で表されます。たとえば、/etc/rc2.d/S47pppd PPP 構成スクリプトは、lrc:/etc/rc2_d/S47pppd サービスで表されます。これらの lrc サービスの状態は legacy_run です。次の例に示すように、旧バージョンのサービスの名前と起動時間を一覧表示できますが、SMF を使用してこれらのサービスを管理することはできません。

$ svcs lrc:\*
STATE          STIME     FMRI
legacy_run      9:34:54  lrc:/etc/rc2_d/S47pppd
legacy_run      9:34:54  lrc:/etc/rc2_d/S89PRESERVE
$ svcs -l lrc:/etc/rc2_d/S47pppd
svcs: Operation not supported for legacy service 'lrc:/etc/rc2_d/S47pppd'
$ svccfg -s lrc:/etc/rc2_d/S47pppd listprop
svccfg: Operation not supported for legacy service 'lrc:/etc/rc2_d/S47pppd'
/etc/inittab のエントリ

init による /etc/inittab ファイル制御プロセスディスパッチのエントリ。/etc/inittab ファイルを直接編集しないでください。代わりに、SMF サービスを変更してください。ttymon に渡されるパラメータを変更する方法の例については、ttymon プロパティー値の変更方法を参照してください。

/etc/inittab ファイルエントリの書式の詳細は、inittab(4) のマニュアルページを参照してください。実行レベルの詳細は、inittab(4) のマニュアルページと /etc/init.d/README を参照してください。

/etc/inetd.conf ファイル

inetd.conf ファイルを使用して以前に構成されたサービスは、現在、SMF を使用して構成されています。inetd.conf ファイル内の構成を使用できるようにするには、SMF に変換する必要があります。SMF サービスへの inetd サービスの変換を参照してください。すでに SMF サービスに変換されている inetd サービスについては、inetd で制御されるサービスの変更を参照してください。

/etc/nscd.conf ファイル
/etc/nsswitch.conf ファイル
/etc/resolv.conf ファイル

これらのファイルは編集しないでください。編集内容は失われます。これらのファイルは、ファイルを解析する可能性のあるアプリケーションとの下位互換性のために、SMF データから自動的に生成されます。プロパティー値の設定に示すように、svccfg setprop コマンドを使用してプロパティー値を変更します。

nscd.conf ファイルの機能は、svc:/system/name-service-cache SMF サービスに置き換えられました。nscd.conf ファイルを編集する代わりに name-service-cache のどのプロパティーを構成するかを確認するには、nscd.conf(4) のマニュアルページを参照してください。

nsswitch.conf ファイルの機能は、svc:/system/name-service/switch SMF サービスに置き換えられました。nsswitch.conf ファイルを編集する代わりに、name-service/switch のどのプロパティーを構成するかを確認するには、nsswitch.conf(4) のマニュアルページを参照してください。

resolv.conf ファイルの機能は、svc:/network/dns/client SMF サービスに置き換えられました。resolv.conf ファイルを編集する代わりに、dns/client のどのプロパティーを構成するか確認するには、resolv.conf(4) のマニュアルページを参照してください。

これらのファイルは、編集できない構成ファイルの例です。このようなファイルはその他にも存在します。ファイルによって構成されるサービスの変更で説明しているように、構成を変更するときに構成ファイルを編集する方法が適切な場合も若干あります。構成ファイルを編集する前に、ファイルにおけるコメントと関連するマニュアルページをすべて読んで、ファイルの編集が、関連するサービスの構成を変更する適切な方法であることを確認してください。