QoS ポリシー

サービス品質 (QoS) は一般に、次を定義します: 論理ボリュームがストレージを利用する方法に影響するボリュームの一連の属性、およびボリュームに対する I/O 要求に Oracle FS System が付与する優先度。

論理ボリュームを作成するときに管理者は、ボリュームの通常 QoS 機能または拡張 QoS 機能を選択できます (これらをまとめて QoS Plus と呼びます)。
  • 管理者は GUI で「単一階層」オプションを選択することで通常の QoS ボリュームを作成できます。このボリュームは単一階層ボリュームと呼ばれることもあります。

  • 管理者は GUI で「自動階層」オプションを選択することで QoS Plus ボリュームを作成できます。このボリュームは自動階層化ボリュームと呼ばれることもあります。

論理ボリュームを定義するときに管理者は、ボリュームの次のプロパティーに対して QoS ポリシーを設定できます。
ストレージクラス

ユーザーデータを最初に配置するストレージメディアのタイプ。QoS Plus ボリュームでは、ストレージクラスとボリュームの RAID レベルによってデータの初期配置が決定されます。

それ以降はデータ使用の統計によって、データを別のストレージ階層に移行するかどうかが決定されます。使用頻度の低いデータは、低パフォーマンスでもコスト効率がよいストレージに移動され、使用頻度の高いデータは高パフォーマンス特性を持つストレージ階層に移動されます。

優先度

論理ボリュームの重要性と処理を設定するためにシステムが使用する相対属性。アクセス要求を処理する際、高い優先度のボリュームはほかのボリュームよりも高い優先順位を与えられます。優先度が高い場合、ストレージ階層やシステムキャッシュなど、通常限りのあるリソースをより多く与えられます。

優先度の設定は相対的であるため、優先度をすべて低い値または高い値に設定した場合の効果は同等で、ボリュームのサービスレベルでの区別はなくなります。

RAID レベル

データ保護のタイプとドライブ障害からデータを保護する程度。保護のタイプはボリュームのパフォーマンス特性に影響します。保護の程度では、障害が発生してもバックアップからデータを回復しないで済む、RAID グループでの障害の許容発生回数を指定します。

先読みポリシー

未処理の要求以降、継続する読み取り要求をストレージシステムがどこまで予測するかの程度。予測が適切な場合パフォーマンスを大幅に向上できますが、不適切な予測はシステムリソースの浪費につながります。追加のデータブロックの読み取りで期待した結果を得るため、管理者は先読みポリシーを指定することでシステムに有用なヒントを与えることができます。

RAID レベルと先読みポリシーはボリュームの QoS プロパティーの詳細ビューを構成します。RAID レベルと先読みポリシーは QoS の基本ビューをとおして間接的に定義できます。基本ビューには次のプロパティーが含まれています。
  • 冗長性のレベル (単一または二重)

  • 主なアクセス方法 (ランダム、順次、またはこれら 2 つのアクセス方法の混在)

  • 主な I/O 要求のタイプ (読み取り、書き込み、またはこれら 2 つの要求タイプの混在)

QoS の基本ビューにアクセスするには、ボリュームのカスタムストレージプロファイルを選択します。