自動階層化 LUN の作成

自動階層化 LUN を作成するときには QoS とストレージクラスの初期プロパティーを選択し、LUN の容量要件を指定します。デフォルトでシステムは、使用可能なすべてのストレージクラスを使用してデータ移行を実行できます。

自動階層化 LUN は自動階層 (QoS Plus) 機能を使用する LUN です。これは、ストレージドメイン内に構成されたストレージクラスを使用してデータを最適な方法で格納し、使用可能なストレージタイプおよび容量が最大限活用されるようにするための機能です。LUN が最初は単一階層に設定された場合でも、必要に応じて自動階層オプションを選択できます。

LUN でデータの保存および取得が行われると、Oracle FS System がその部分のデータを適切なストレージクラスに移行します。このプロセスをデータ移行と呼びます。QoS Plus 機能によって実行されるデータ移行は、データブロックの利用履歴情報の分析後に、別のストレージクラスまたは RAID レベルのほうがそのデータブロックにより適切なサービスを提供できるとシステムが判断したときに実行されます。

自動階層化 LUNs はストレージドメインに構成されているすべてのストレージクラスにアクセスできます。自動階層化 LUN を作成すると、ストレージドメインの容量と各ストレージクラスのストレージ割り当てを示すグラフが表示されます。このグラフから LUN の今後のストレージ使用を予測できるため、ストレージ要件を適宜計画できます。

管理者は、システム内のストレージドメインを作成できます。システムに複数のストレージドメインが含まれている場合は、GUI 画面に「ストレージドメイン」フィールドが表示されます。それ以外の場合、GUI にはこのフィールドが存在せず、システムは LUN をデフォルトのストレージドメインに割り当てます。

Oracle FS System は新しい論理ボリュームを作成するのに十分なストレージリソースがあるかどうかを計算します。Oracle FS System Manager (GUI) では、ボリュームのストレージドメイン容量要件を示すグラフと、各ストレージクラスのストレージ容量を示すグラフを表示できます。ストレージクラスおよび冗長性の QoS 値を変更すると、グラフが更新されます。
注: 使用率グラフに表示される容量値は、特定のストレージクラスに 2 つのパフォーマンス構成のいずれかを指定したときに作成できる、最大ボリュームのサイズを示しています。

LUN の作成」ダイアログには、QoS 情報を入力したり、LUN をホストエントリにマップしたりするための 3 つのタブが含まれています。

サービス品質
(必須)「サービス品質」タブでは、LUNQoS 属性を定義し、LUN をボリュームグループやストレージドメインに割り当てることができます。このタブではまた、ボリュームグループを作成したり、ストレージドメインのプロパティーを表示したりすることもできます。
注: カスタムストレージドメインが定義されていない場合は、このタブに「ストレージドメイン」オプションは表示されません。

LUN ボリューム名を入力してから、事前に定義された QoS 属性を含むストレージプロファイルを選択します。必要に応じて、カスタム QoS 属性を選択します。システムには、「基本」と「詳細」という 2 つのレベルの QoS 設定が含まれています。

LUN に対して入力した QoS 設定は、システムが初期のデータ配置を決定するのに役立ちます。データに関して十分な統計や使用履歴が収集されている場合、システムは、そのデータの一部を別のストレージ層に移動するかどうかを決定します。

自動階層化された LUN を作成し、0 以外の容量を割り当てるように要求すると、Oracle FS System は数分かけてその容量を予約します。容量の割り当てプロセスが完了するまで、システムは割り当て済み容量を 0 として報告します。割り当てプロセスが完了すると、システムは最初に要求された割り当て済み容量を報告します。

マッピング

(オプション) 「マッピング」タブでは、どの SAN ホストエントリが LUN にアクセスできるかを指定できます。

次のいずれかの方法を使用して LUN をマップできます。
  • 特定の LUN 番号を使用して LUN を SAN ホストエントリにマップします。

  • すべての SAN ホストエントリを、同じ LUN 番号を使用して LUN にアクセスするようにマップします。この方法はお勧めできません。

データ保護

(オプション) 「データ保護」タブでは、クローン LUN リポジトリのストレージ容量を割り当てることができます。クローン LUN リポジトリに固有の QoS プロパティーを適用したり、リポジトリの最大ストレージ容量を割り当てたりできます。また、データ保護を定期的に実行するためのクローンスケジュールを作成することもできます。