このセクションでは、このバージョンのソフトウェアを使用するときに発生する可能性があるバグの概要について説明します。最新のバグを最初に説明します。回避方法および回復手順がある場合は、指定しています。
次の Oracle Solaris OS のバグは、完全に認定された Oracle Solaris OS リリースで修正されています。Oracle Solaris 10 OS バージョンには、これらのバグが引き続き存在する可能性があります。これらの問題を回避するには、バグ ID に関連付けられている Oracle Solaris OS バージョンのいずれかを必ず実行してください。
この表内のバグに関する詳細情報を入手するには、バグレポートを確認してください。
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バグ ID 21953704: cfgadm コマンドを実行した直後に、ldm list-io コマンドで最新の IOV 情報が表示されないことがあります。更新された情報が表示されるまでに 4 分も待たなければならないことがあります。
回避方法: ありません。
バグ ID 21780045: ロケールが C ロケールでない場合 (英語以外のロケール環境)、ovmtcreate ユーティリティーが OVF ファイル内の Version 情報に対して NULL 文字列を生成します。
次の例で太字で表している XML 行が示すように、Version および FullVersion プロパティーの値は null です。
<ovf:VirtualSystem ovf:id="templates"> <ovf:Info>Oracle VM Template</ovf:Info> <ovf:ProductSection ovf:class="com.oracle.ovmt"> <ovf:Info>Oracle VM Template</ovf:Info> <ovf:Product>Oracle VM Template</ovf:Product> <ovf:Version></ovf:Version> <ovf:FullVersion></ovf:FullVersion>
ovmtdeploy ユーティリティーでは、C 以外のロケール環境で ovmtcreate ユーティリティーを使用して作成したテンプレートが使用されると、そのテンプレートには NULL 文字列が含まれているため Java の例外が発生します。
# /opt/ovmtutils/bin/ovmtdeploy -d guest10 -o /export/home/ovm \ /export/home/templates.ova Oracle Virtual Machine for SPARC Deployment Utility ovmtdeploy Version Copyright (c) 2014, 2015, Oracle and/or its affiliates. All rights reserved. STAGE 1 - EXAMINING SYSTEM AND ENVIRONMENT ------------------------------------------ Checking user privilege Performing platform & prerequisite checks Checking for required services Named resourced available 2 - ANALYZING ARCHIVE & RESOURCE REQUIREMENTS --------------------------------------------------- Checking .ova format and contents Validating archive configuration Exception in thread "main" java.lang.NullPointerException at ovfparse.OvfParse.getTagValue(OvfParse.java:233) at ovfparse.VmProduct.<init>(VmProduct.java:33) at ovfparse.VmSys.<init>(VmSys.java:72) at ovfparse.OvfParse.parseOVFByDOM(OvfParse.java:371) at ovfparse.OvfParse.<init>(OvfParse.java:56) at ovmtdeploy.Ovmtdeploy.exec(Ovmtdeploy.java:1841) at ovmtdeploy.Ovmtdeploy.main(Ovmtdeploy.java:1946)
回避方法: 次の手順を実行します。
OVF ファイルを編集して、Version および FullVersion プロパティーの内容にバージョン番号を追加します。
gtar コマンドを使用して、テンプレート ova を再アーカイブします。
例:
# /usr/bin/gtar -cf templates.ova templates.ovf templates.mf System.img.gz
–k オプションを指定して ovmtdeploy ユーティリティーを実行し、チェックサム検証をスキップします。
バグ ID 21674282: 同じスロット内の PCIe カードを交換すると、物理 SCSI HBA デバイスの別名 (/SYS) を指定する ldm add-vsan コマンドを使用すると失敗することがあります。
回避方法: デバイス名の別名を指定しないでください。代わりに、ldm add-vsan コマンドに対して完全なデバイスパス名 (/pci) を指定します。
バグ ID 21635033: サービスドメインに複数の仮想ディスクサーバー (vds) が存在する場合、ゲストドメインに対して ovmtcreate ユーティリティーを実行すると、このユーティリティーがサービスドメイン内の最初の vds インスタンスしかチェックしないため失敗することがあります。
たとえば、仮想ディスクが次のように構成されている場合は、gdom3 ドメインに対して ovmtcreate ユーティリティーを実行すると失敗します。
primary ドメインには 4 つの仮想ディスクサーバー (vds) が存在する
gdom3 ドメイン上の仮想ディスクに対応する仮想ディスクサーバーデバイスは vds3 に関連付けられている
次のサンプル出力で、太字の行は、vds0 が最初の仮想ディスクサーバーであり、gdom3 仮想ディスクの仮想ディスクサーバーデバイスが vds0 ではないことを示しています。
primary# ldm list -l -p -o disk VERSION 1.15 DOMAIN|name=primary| VDS|name=vds0|nclients=1 |vol=vol0|opts=|dev=/export/home/ovm/gdom0.img|mpgroup= VDS|name=vds1|nclients=1 |vol=vol0|opts=|dev=/export/home/ovm/gdom1.img|mpgroup= VDS|name=vds2|nclients=1 |vol=vol0|opts=|dev=/export/home/ovm/gdom2.img|mpgroup= VDS|name=cdrom|nclients=3 |vol=1|opts=|dev=/export/home/ovm/sol-113_1.iso|mpgroup= |vol=2|opts=|dev=/export/home/ovm/sol-113_2.iso|mpgroup= |vol=3|opts=|dev=/export/home/ovm/sol-113_3.iso|mpgroup= |vol=4|opts=|dev=/export/home/ovm/sol-113_4.iso|mpgroup= VDS|name=vds3|nclients=1 |vol=disk0|opts=|dev=/export/home/ovm/gdom3.img|mpgroup= DOMAIN|name=gdom0| VDISK|name=vdisk0|vol=vol0@vds0|timeout=|dev=disk@0|server=primary|mpgroup=|id=0 VDISK|name=cdrom|vol=1@cdrom|timeout=|dev=disk@1|server=primary|mpgroup=|id=1 DOMAIN|name=gdom1| VDISK|name=vdisk0|vol=vol0@vds1|timeout=|dev=disk@0|server=primary|mpgroup=|id=0 VDISK|name=cdrom|vol=2@cdrom|timeout=|dev=disk@1|server=primary|mpgroup=|id=1 DOMAIN|name=gdom2| VDISK|name=vdisk0|vol=vol0@vds2|timeout=|dev=disk@0|server=primary|mpgroup=|id=0 VDISK|name=cdrom|vol=3@cdrom|timeout=|dev=disk@1|server=primary|mpgroup=|id=1 DOMAIN|name=gdom3| VDISK|name=vdisk0|vol=disk0@vds3|timeout=|dev=disk@0|server=primary|mpgroup=|id=0
次の ldm list コマンドは、gdom3 ドメインのステータスを示しています。
primary# ldm list NAME STATE FLAGS CONS VCPU MEMORY UTIL NORM UPTIME primary active -n-cv- UART 32 46848M 0.3% 0.3% 1d 51m gdom0 active -n---- 5000 24 24G 0.0% 0.0% 1d 35m gdom1 active -n---- 5001 24 24G 0.0% 0.0% 8d 18h 21m gdom2 active -n---- 5002 24 24G 0.0% 0.0% 8d 17h 43m gdom3 bound ------ 5003 24 24G
次のコマンドは、gdom3 ドメインに対して ovmtcreate コマンドを実行しているときに受信するエラーを示しています。
# /opt/ovmtutils/bin/ovmtcreate -d gdom3 -o /export/home/ovmt STAGE 1 - EXAMINING SYSTEM AND ENVIRONMENT ------------------------------------------- Performing platform & prerequisite checks Checking user permissions Checking for required packages Checking for required services Checking directory permissions STAGE 2 - ANALYZING DOMAIN --------------------------- Retrieving and processing attributes Checking domain state Getting domain resource settings Discovering network topology Discovering disk topology ERROR: VDS Device does not exist or not readable
回避方法: ovmtcreate ユーティリティーを実行する前に、サービスドメインに仮想ディスクサーバーが 1 つしか存在しないことを確認してください。
バグ ID 21616429: Oracle VM Server for SPARC 3.3 ソフトウェアでは、Fujitsu M10 サーバーのみに対するソケットのサポートが導入されました。
Oracle SPARC システムおよび Oracle VM Server for SPARC 3.3 より前のバージョンで実行されているソフトウェアは、ソケット制約のあるドメインを XML ファイルから再作成できません。
古いバージョンの Oracle VM Server for SPARC ソフトウェアまたは Oracle SPARC システムでソケット制約のあるドメインを XML ファイルから再作成しようとすると、次のメッセージが表示されて失敗します。
primary# ldm add-domain -i ovm3.3_socket_ovm11.xml socket not a known resource
Oracle VM Server for SPARC 3.2 が Fujitsu M10 サーバー上で実行されているときに、ソケット制約のあるドメインを XML ファイルから再作成しようとすると、次のようなさまざまなエラーメッセージが表示されてコマンドが失敗します。
primary# ldm add-domain -i ovm3.3_socket_ovm11.xml Unknown property: vcpus primary# ldm add-domain -i ovm3.3_socket_ovm11.xml perf-counters property not supported, platform does not have performance register access capability, ignoring constraint setting.
回避方法: XML ファイルを編集して、socket リソースタイプを参照しているセクションをすべて削除します。
バグ ID 21561834: ドメイン内の仮想 CPU の数が 4 未満になると、使用率が使用率レベルの上限を大幅に超えていても、DRM がドメインへの仮想 CPU の追加に失敗することがあります。util-upper プロパティー値が 70 のデフォルト値を超えている場合は、ドメインの仮想 CPU の数が 4 を超えていても、DRM が仮想 CPU の追加に失敗することがあります。
回避方法: DRM ポリシーの elastic-margin プロパティー値を 15 以上に設定します。
primary# ldm set-policy elastic-margin=15 name=policy-name domain-name
util-upper プロパティー値が 70 を超えている場合は、DRM ポリシーの elastic-margin プロパティー値を 20 以上に設定します。
primary# ldm set-policy elastic-margin=20 name=policy-name domain-name
バグ ID 21527087: ldm set-socket コマンドを使用して実行中のドメインのソケットを指定すると、次のような予期しない動作になることがまれにあります。
Logical Domains Manager がクラッシュすることがある
ldm set-socket コマンドは完了するが、ドメインの CPU とメモリーの一部が指定されたソケットに再マップされていない
ただし、物理パーティション (PPAR) に 12 を超えるソケットが存在する場合は、ドメインの実行中に ldm set-socket --restored-degraded および ldm set-socket socket_id=id コマンドを使用しないでください。これらのコマンドを実行中のドメインで実行すると、ldmd 状態が破損することがあります。
回避方法: ldm set-socket コマンドを実行する前に、ドメインを停止します。
アクティブなドメインのソケット制約をクリアするには、ldm set-socket コマンドを使用して socket_id プロパティーを NULL 値に設定することが常に安全な方法です。
バグ ID 21510615: 場合によっては、1 つ以上の PCIe バスの削除中に永続的に device busy または ldm remove-io の失敗が発生することがあります。
回避方法: gdm サービスをチェックして手動で無効にし (または Xorg をチェックして強制終了し)、ldm remove-io 操作を再試行します。
# svcs | grep gdm # svcadm disable -st svc:/application/graphical-login/gdm:default
または
# ps -ef | grep Xorg # pkill Xorg
バグ ID 21367043: ソケット制約が、ドメインのバインドされている CPU およびメモリーリソースと同期がとれなくなることがまれにあります。ldm rm-vcpu、ldm set-vcpu、ldm rm-core、および ldm set-core コマンドによって、Logical Domains Manager がクラッシュし、ldmd SMF ログに次のエラーメッセージが表示されることがあります。
fatal error: xcalloc(0,4) : one of number or size is <= 0 at line 1183 of affinity_core.c
回避方法: 次のコマンドを使用して、ドメインのソケット制約をクリアします。
primary# ldm list-socket domain-name primary# ldm set-socket socket_id= domain-name
バグ ID 21369897: ゲストドメインの管理中に ldmpower コマンドを実行すると ldmd デーモンのセグメント例外が発生します。
回避方法: ゲストドメインでの追加または削除操作の実行中は、ldmpower コマンドを実行しないでください。
バグ ID 21352084、21861284、および 21861327: ルートドメインが I/O エラーを受信し、I/O ドメインのリセット中にエラーを分析し始めると、ルートドメインでパニックが発生することがまれにあります。
次のようなパニックメッセージが表示されます。
panic[cpu15]/thread=2a1017d3c20: Fatal error has occured in: PCIe fabric.(0x2)(0x245)
これらの ereport は、パニックの時点でコンソールにダンプされます。ereport は、一部のステータスレジスタ値 (pcie_ue_status 値を含む) がすべて FF であることを示します。パニックのあと、ルートドメイン自身がリブートして回復します。
回避方法: ありません。
バグ ID 21321166: オフラインのサービスドメインへの仮想 SCSI HBA MPxIO パスを使用していると、I/O スループットが低速になる場合があります。
回避方法: サービスドメインがサービス状態に戻るまで、mpathadm disable path コマンドを使用してオフラインのサービスドメインへのパスを無効にします。
バグ ID 21299404: ldm shrink-socket コマンドを使用してメモリー DR 操作を実行したときに、いずれかのドメインのメモリーブロックが 256M バイトに整列されていない場合は、このコマンドによって追加の 256M バイトのメモリーがアクティブなドメインから削除されることがあります。ドメインのメモリーが断片化されている場合は、ldmd デーモンが追加のメモリーをさらに削除しようとすることがあります。
回避方法: ありません。
バグ ID 21283102: ldm list-rsrc-group コマンドが、/SYS/MB (マザーボード) とその他のリソースグループの両方で同じメモリーおよび I/O リソース情報を表示することがあります。例:
primary# ldm list-group NAME CORE MEMORY IO /SYS/PM0 32 64G 4 /SYS/PM1 32 256G 4 /SYS/PM2 32 128G 4 /SYS/PM3 32 128G 4 /SYS/MB 0 576G 16 primary# ldm list-group -a -l NAME CORE MEMORY IO /SYS/PM0 32 64G 4 CORE CID BOUND 0, 1 primary 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9 10, 11, 12, 13, 14, 15, 16, 17 18, 19, 20, 21, 22, 23, 24, 25 26, 27, 28, 29, 30, 31 MEMORY PA SIZE BOUND 0x0 57M _sys_ 0x3900000 32M _sys_ 0x5900000 94M _sys_ 0xb700000 393M _sys_ 0x24000000 192M _sys_ 0x30000000 31488M 0x7e0000000 64M _sys_ 0x7e4000000 64M _sys_ 0x7e8000000 384M _sys_ 0x80000000000 32G IO DEVICE PSEUDONYM BOUND pci@300 pci_0 primary pci@340 pci_1 primary pci@380 pci_2 primary pci@3c0 pci_3 primary ------------------------------------------------------------------------------ NAME CORE MEMORY IO /SYS/PM1 32 256G 4 CORE CID BOUND 32, 33, 34, 35, 36, 37, 38, 39 40, 41, 42, 43, 44, 45, 46, 47 48, 49, 50, 51, 52, 53, 54, 55 56, 57, 58, 59, 60, 61, 62, 63 MEMORY PA SIZE BOUND 0x100000000000 768M 0x100030000000 24G primary 0x100630000000 105728M 0x180000000000 128G IO DEVICE PSEUDONYM BOUND pci@400 pci_4 primary pci@440 pci_5 primary pci@480 pci_6 primary pci@4c0 pci_7 primary ------------------------------------------------------------------------------ NAME CORE MEMORY IO /SYS/PM2 32 128G 4 CORE CID BOUND 64, 65, 66, 67, 68, 69, 70, 71 72, 73, 74, 75, 76, 77, 78, 79 80, 81, 82, 83, 84, 85, 86, 87 88, 89, 90, 91, 92, 93, 94, 95 MEMORY PA SIZE BOUND 0x200000000000 64G 0x280000000000 64G IO DEVICE PSEUDONYM BOUND pci@500 pci_8 primary pci@540 pci_9 primary pci@580 pci_10 primary pci@5c0 pci_11 primary ------------------------------------------------------------------------------ NAME CORE MEMORY IO /SYS/PM3 32 128G 4 CORE CID BOUND 96, 97, 98, 99, 100, 101, 102, 103 104, 105, 106, 107, 108, 109, 110, 111 112, 113, 114, 115, 116, 117, 118, 119 120, 121, 122, 123, 124, 125, 126, 127 MEMORY PA SIZE BOUND 0x300000000000 64G 0x380000000000 64G IO DEVICE PSEUDONYM BOUND pci@600 pci_12 primary pci@640 pci_13 primary pci@680 pci_14 primary pci@6c0 pci_15 primary ------------------------------------------------------------------------------ NAME CORE MEMORY IO /SYS/MB 0 576G 16 MEMORY PA SIZE BOUND 0x0 57M _sys_ 0x3900000 32M _sys_ 0x5900000 94M _sys_ 0xb700000 393M _sys_ 0x24000000 192M _sys_ 0x30000000 31488M 0x7e0000000 64M _sys_ 0x7e4000000 64M _sys_ 0x7e8000000 384M _sys_ 0x80000000000 32G 0x100000000000 768M 0x100030000000 24G primary 0x100630000000 105728M 0x180000000000 128G 0x200000000000 64G 0x280000000000 64G 0x300000000000 64G 0x380000000000 64G IO DEVICE PSEUDONYM BOUND pci@300 pci_0 primary pci@340 pci_1 primary pci@380 pci_2 primary pci@3c0 pci_3 primary pci@400 pci_4 primary pci@440 pci_5 primary pci@480 pci_6 primary pci@4c0 pci_7 primary pci@500 pci_8 primary pci@540 pci_9 primary pci@580 pci_10 primary pci@5c0 pci_11 primary pci@600 pci_12 primary pci@640 pci_13 primary pci@680 pci_14 primary pci@6c0 pci_15 primary
回避方法: 同じリソース情報が表示されているかどうかを判断するには、次の列にあるメモリーと I/O の詳細情報を参照してください。
メモリー: PA、SIZE、および BOUND
I/O: DEVICE、PSEUDONYM、および BOUND
バグ ID 21188211: 仮想 SCSI HBA が構成されたあとに LUN が仮想 SAN に追加されるか、または仮想 SAN から削除されたとき、ldm rescan-vhba コマンドが新しい LUN ビューを表示しない場合があります。
回避方法: 仮想 SCSI HBA を削除してから再度追加します。LUN が表示されるかどうかを確認します。削除および再度追加の操作が実行されない場合は、ゲストドメインをリブートする必要があります。
バグ ID 21114622: ldm create-vf または ldm destroy-vf コマンドを実行すると、関連付けられた物理機能ドライバが切り離され、再接続されます。これには長い時間がかかることがありますが、この時間は定量化できません。この時間は、関連する仮想機能の数や、ターゲットのハードウェアデバイスの複雑さによって異なります。
ldm list-io コマンドを実行すると、物理機能 (およびその子の仮想機能) のステータスが INV (無効) であると示される場合があります。
現在、Logical Domains Manager はエージェントを一定期間ポーリングしてから、ポーリングを停止します。ポーリング期間が短かすぎる場合は、デバイスが無期限に INV ステータスを示すことがあります。
回避方法: 物理機能デバイスを所有するルートドメインから、ldoms/agents サービスを再起動します。
primary# svcadm restart ldoms/agents
このコマンドは、ldm create-vf または ldm destroy-vf コマンドを発行したあと、INV ステータスが 6 分間以上続く場合に実行します。
バグ ID 20951004: サービスドメイン内で MPxIO が有効になっている場合は、vhba が SCSI HBA をサポートしている必要があります。
回避方法: 次のコマンドを実行して、サービスドメイン上のすべてのイニシエータポートの MPxIO を無効にします。
# stmsboot -d
バグ ID 20882700: PCIe デバイス (または SR-IOV 仮想機能) がドメインから削除されるか、またはドメインに追加された場合、Oracle Solaris 11.3 fmd 障害管理デーモンは、FRU が物理的に削除または追加された場合とまったく同じ方法でこのイベントを報告します。
次のようなコンソールメッセージおよび /var/adm/messages ファイル内のメッセージが表示されることがあります。
SUNW-MSG-ID: FMD-8000-A0, TYPE: Alert, VER: 1, SEVERITY: Minor EVENT-TIME: Tue May 19 18:39:41 PDT 2015 PLATFORM: unknown, CSN: unknown, HOSTNAME: starbuck SOURCE: software-diagnosis, REV: 0.1 EVENT-ID: 5077e6c3-6a15-457e-a55b-cb72ea5f9728 DESC: FRU has been added to the system. AUTO-RESPONSE: FMD topology will be updated. IMPACT: System impact depends on the type of FRU. REC-ACTION: Use fmadm faulty to provide a more detailed view of this event. Please refer to the associated reference document at http://support.oracle.com/msg/FMD-8000-A0 for the latest service procedures and policies regarding this diagnosis.
# fmadm faulty --------------- ------------------------------------ ----------- --------- TIME EVENT-ID MSG-ID SEVERITY --------------- ------------------------------------ ----------- --------- Apr 14 10:04:00 2d981602-975c-4861-9f26-e37360eca697 FMD-8000-CV Minor Problem Status : open Diag Engine : software-diagnosis / 0.1 System Manufacturer : Oracle Corporation Name : SPARC T7-2 Part_Number : T7_2 Serial_Number : T7_2 Host_ID : 86582a8c ---------------------------------------- Suspect 1 of 1 : Problem class : alert.oracle.solaris.fmd.fru-monitor.fru-remove Certainty : 100% FRU Status : active/not present Location : "/SYS/MB/PCIE1" Manufacturer : unknown Name : unknown Part_Number : unknown Revision : unknown Serial_Number : unknown Chassis Manufacturer : Oracle-Corporation Name : SPARC-T7-2 Part_Number : T7_2 Serial_Number : T7_2 Resource Status : active/not present Description : FRU '/SYS/MB/PCIE1' has been removed from the system. Response : FMD topology will be updated. Impact : System impact depends on the type of FRU. Action : Use 'fmadm faulty' to provide a more detailed view of this event. Please refer to the associated reference document at http://support.oracle.com/msg/FMD-8000-CV for the latest service procedures and policies regarding this diagnosis.
回避方法: I/O デバイスをドメインに追加またはドメインから削除する明示的な管理者アクションによって生成されたものであるかぎり、これらのアラートは無視できます。
バグ ID 20876502: 仮想 SCSI HBA MPxIO ゲストドメイン構成の一部であるサービスドメインから SAN ケーブルを引き抜くと、mpathadm の出力のパス状態列に正しくない値が表示されます。さらに、このケーブルを引き抜くと、ゲストドメイン内の I/O 操作が失敗します。
回避方法: SAN ケーブルを差し込み、そのケーブルが接続されているサービスドメインへのすべての仮想 SCSI HBA に対して ldm rescan-vhba コマンドを実行します。この回避方法を実行したあと、ゲストドメインで I/O 操作の実行が再開されます。
バグ ID 20774477: SES 対応ストレージデバイスを使用する場合、これらのデバイスをホストする PCIe バスを削除しようとすると、「デバイスは使用中です」エラーが表示されることがあります。このタイプのストレージデバイスを使用するかどうかを判別するには、PCIe バスの ldm list-io -l 出力で ses または enclosure 文字列を検索します。
回避方法: PCIe バスを削除するには、次のいずれかの回避方法を実行します。
PCIe バスを動的に削除します。
FMD サービスを無効にします。
primary# svcadm disable -st svc:/system/fmd
PCIe バスを削除します。
primary# ldm remove-io bus
FMD サービスを再度有効にします。
primary# svcadm enable svc:/system/fmd
PCIe バスを静的に削除します。
PCIe バスがあるルートドメインを遅延再構成にします。
primary# ldm start-reconf root-domain
PCIe バスを削除します。
primary# ldm remove-io bus
ルートドメインコンソールからリブートを実行します。
root-domain# reboot
バグ ID 20619894: system/management/hwmgmtd パッケージがインストールされていない場合は、動的バスの削除操作により rcm_daemon でコンソール上に次のメッセージが出力されます。
rcm_daemon[839]: rcm script ORCL,pcie_rc_rcm.pl: svcs: Pattern 'sp/management' doesn't match any instances
回避方法: このメッセージは無視しても安全です。
バグ ID 20532270: 物理 SCSI HBA を仮想 SAN の制御から削除しようとする直接 I/O または動的バスの削除操作をすべて認識する必要があります。
仮想 SAN デバイスによって参照されている PCIe リソースに対して ldm remove-io 操作を実行する場合、そのデバイスは ldm add-vhba コマンドによって参照されたことがなければ使用できません。ldm add-vhba コマンドを実行したあとに ldm remove-io 操作が発生した場合は、vsan モジュールによって PCIe リソースの削除が妨げられます。
回避方法: 仮想 SAN を削除します。
バグ ID 20425271: factory-default に戻したあとで復旧をトリガーしているときに、システムが以前のアクティブな構成でブートしたデバイスとは異なるデバイスからブートすると、復旧モードが失敗します。この障害は、アクティブな構成が factory-default ブートデバイス以外のブートデバイスを使用する場合に発生することがあります。
回避方法: 新しい構成を SP に保存するときに、次の手順を実行します。
primary ドメインのブートデバイスへのフル PCI パスを特定します。
手順 4 の ldm set-var コマンドでこのパスを使用します。
現在設定されている boot-device プロパティーを primary ドメインから削除します。
この手順は、boot-device プロパティーに値が設定されている場合のみ実行する必要があります。プロパティーに値が設定されていない場合は、boot-device プロパティーを削除しようとすると boot-device not found というメッセージが表示されます。
primary# ldm rm-var boot-device primary
現在の構成を SP に保存します。
primary# ldm add-spconfig config-name
primary ドメインに boot-device プロパティーを明示的に設定します。
primary# ldm set-var boot-device=value primary
説明されているとおりに構成を SP に保存したあとで boot-device プロパティーを設定した場合は、復旧モードがトリガーされたときに、指定したブートデバイスがブートされます。
回復方法: 説明されているとおりに復旧モードがすでに失敗している場合は、次の手順を実行します。
ブートデバイスを、最後に実行する構成で使用されるデバイスに明示的に設定します。
primary# ldm set-var boot-device=value primary
primary ドメインをリブートします。
primary# reboot
リブートにより復旧を続行できます。
バグ ID 20046234: MPxIO が有効になっているときに、仮想 SCSI HBA とファイバチャネル SR-IOV デバイスがゲストドメイン内の同じ LUN を表示できる場合は、パニックが発生することがあります。このパニックは、ファイバチャネル SR-IOV カードがゲストドメインから削除されたあと、再度追加された場合に発生します。
回避方法: ファイバチャネル SR-IOV と仮想 SCSI HBA の両方で MPxIO が有効になった状態でゲストドメインを構成しないでください。
バグ ID 20004281: primary ドメインの電源を再投入したときに、I/O ドメイン上の ixgbevf ノードが、ipadm コマンドでは無効になっていると報告され、ifconfig コマンドでは存在しないと報告されることがあります。
回避方法: IP インタフェースを再度有効にします。
# svcadm restart network/physical:default
バグ ID 19943809: カードが直接 I/O 機能を使用して割り当てられている場合、hxge ドライバはI/O ドメイン内のインタフェースを使用できません。
システムログファイルに次の警告が発行されます。
WARNING: hxge0 : <== hxge_setup_mutexes: failed 0x1
回避方法: /etc/system に次の行を追加し、リブートします。
set px:px_force_intx_support=1
バグ ID 19932842: 次のコマンドのいずれかが完了する前に eeprom または OBP コマンドを使用した場合、ゲストドメインから OBP 変数を設定しようとすると失敗することがあります。
ldm add-spconfig
ldm remove-spconfig
ldm set-spconfig
ldm bind
この問題は、これらのコマンドの完了に 15 秒を超える時間がかかる場合に発生する可能性があります。
# /usr/sbin/eeprom boot-file\=-k promif_ldom_setprop: promif_ldom_setprop: ds response timeout eeprom: OPROMSETOPT: Invalid argument boot-file: invalid property
回復方法: ldm 操作の完了後に eeprom または OBP コマンドを再試行してください。
回避方法: 影響を受けるゲストドメインで eeprom または OBP コマンドを再試行してください。この問題は primary ドメインで ldm set-var コマンドを使用することで回避できる場合があります。
バグ ID 19449221: 1 つのドメインは 999 未満の仮想ネットワークデバイス (vnet) で構成できます。
回避方法: ドメイン上の vnet の数を 999 に制限してください。
バグ ID 19078763: Oracle VM Server for SPARC は解放された MAC アドレスを追跡しなくなりました。MAC アドレスは、アドレスをランダムに選択してから、アドレスがローカルネットワーク上の論理ドメインで使用されていないことを確認することで割り当てられるようになりました。
バグ ID 18083904: Sun Storage 16 Gb Fibre Channel Universal HBA、Emulex 用のファームウェアが帯域幅制御の設定をサポートしていません。この HBA ファームウェアは、bw-percent プロパティーに指定したすべての値を無視します。
回避方法: ありません。
バグ ID 18001028: ルートドメインで、ファイバチャネル仮想機能の Oracle Solaris デバイスパスが正しくありません。
たとえば、パス名が pci@380/pci@1/pci@0/pci@6/SUNW,emlxs@0,2 であるべきところを、間違って pci@380/pci@1/pci@0/pci@6/fibre-channel@0,2 になっています。
ldm list-io -l 出力には、ファイバチャネル仮想機能の正しいデバイスパスが表示されます。
回避方法: ありません。
バグ ID 17576087: 障害のあるメモリーの交換後に、保存された構成でシステムの電源を再投入しても、メモリーが復元されない可能性があります。
回避方法: 障害のあるメモリーを交換したら、factory-default 構成でシステムの電源を再投入します。次に、使用する構成でシステムの電源を再投入します。
ゲストドメインの SR-IOV NIC 仮想機能または仮想ネットワークデバイスで、DLMP アグリゲーションを構成できません。
バグ ID 17422973: 少なくともバージョン 8.4.0 のシステムファームウェアが実行されている SPARC T4 サーバー、少なくともバージョン 9.1.0 のシステムファームウェアが実行されている SPARC T5、SPARC M5、または SPARC M6 サーバー、および少なくとも XCP バージョン 2230 が実行されている Fujitsu M10 サーバー で、単一スライスのディスクへの Oracle Solaris 11.1 OS のインストールが次のエラーを表示して失敗することがあります。
cannot label 'c1d0': try using fdisk(1M) and then provide a specific slice Unable to build pool from specified devices: invalid vdev configuration
回避方法: ディスクに SMI ラベルを付け直します。
バグ ID 17020950: ファームウェアバージョン 8.3 を使用してバインドされたアクティブなドメインを SPARC T4 プラットフォームから SPARC T5、SPARC M5、または SPARC M6 プラットフォームに移行したあとで、メモリー動的再構成を実行すると、ゲストドメインでパニックが発生する可能性があります。
回避方法: 移行を実行する前に、SPARC T4 システムをバージョン 8.4 のシステムファームウェアで更新します。次に、そのドメインを再バインドします。
バグ ID 16979993: InfiniBand デバイスで動的 SR-IOV 削除操作を使用しようとすると、紛らわしい不適切なエラーメッセージが表示されます。
動的 SR-IOV 削除操作は、InfiniBand デバイスではサポートされていません。
回避方法: 次のいずれかの手順を実行して、InfiniBand 仮想機能を削除します。
Oracle VM Server for SPARC 3.3 管理ガイド のInfiniBand 仮想機能を I/O ドメインから削除する方法
Oracle VM Server for SPARC 3.3 管理ガイド のInfiniBand 仮想機能をルートドメインから削除する方法
バグ ID 16691046: 仮想機能がルートドメインから割り当てられた場合、次のホットプラグの状況では、I/O ドメインが回復性の提供に失敗することがあります。
ルートドメインにルートコンプレックス (PCIe バス) を動的に追加したあと、仮想機能を作成し、それを I/O ドメインに割り当てます。
ルートコンプレックスを所有するルートドメインに SR-IOV カードをホット追加したあと、仮想機能を作成し、それを I/O ドメインに割り当てます。
いずれかの PCIe カードを (ホットプラグを使用して、またはルートドメインのダウン中に) 交換するか、またはルートドメインによって所有されているルートコンプレックス上の空きスロットに追加します。このルートドメインは、仮想機能をルートコンプレックスから I/O ドメインに提供します。
回避方法: 次のいずれかの手順を実行します。
ルートコンプレックスが仮想機能を I/O ドメインにすでに提供しているときに、そのルートコンプレックス上のいずれかの PCIe カードを (ホットプラグを使用して、またはルートドメインのダウン中に) 追加、取り外し、または交換する場合は、ルートドメインと I/O ドメインの両方をリブートする必要があります。
ルートコンプレックスが仮想機能をまだ I/O ドメインに割り当てていないときに、SR-IOV カードまたはほかのいずれかの PCIe カードをルートコンプレックスに追加する場合は、PCIe カードを追加するためにルートドメインを停止する必要があります。ルートドメインがリブートしたら、仮想機能をそのルートコンプレックスから I/O ドメインに割り当てることができます。
新しい PCIe バスをルートドメインに追加したあと、仮想機能を作成してそのバスから I/O ドメインに割り当てる場合は、次のいずれかの手順を実行してから、ルートドメインをリブートします。
遅延再構成中にバスを追加する
バスを動的に追加する
バグ ID 16659506: primary ドメインのリブート後にゲストドメインが移行状態 (t) になります。この問題は、システム上に多数の仮想機能が構成されている場合に発生します。
回避方法: この問題を回避するには、OBP のディスクブートコマンドを数回再試行して、ネットワークからブートしないようにします。
各ドメインで次の手順を実行します。
ドメインのコンソールにアクセスします。
primary# telnet localhost 5000
boot-device プロパティーを設定します。
ok> setenv boot-device disk disk disk disk disk disk disk disk disk disk net
boot-device プロパティーの値として指定する disk エントリの数は、システム上に構成されている仮想機能の数によって異なります。小規模なシステムでは、プロパティー値に含める disk インスタンスを少なくできる可能性があります。
printenv を使用して boot-device プロパティーが正しく設定されていることを確認します。
ok> printenv
primary ドメインのコンソールに戻ります。
システム上のドメインごとに、手順 1-4 を繰り返します。
primary ドメインをリブートします。
primary# shutdown -i6 -g0 -y
バグ ID 16299053: PCIe デバイスを無効にすると、予期しない動作が発生することがあります。無効にした PCIe デバイスがまだドメインによって所有されている間に、その PCIe デバイス下にあるサブデバイスが、割り当てられていない名前に戻ります。
回避方法: ILOM 上の PCIe スロットを無効にしようとする場合、PCIe スロットが、直接 I/O (DIO) 機能を使用して、ドメインに割り当てられていないことを確認します。つまり、まず、ILOM 上のスロットを無効にする前に、PCIe スロットが対応するルートドメインに割り当てられていることを確認します。
PCIe スロットが DIO によってドメインに割り当てられている間に、ILOM 上の PCIe スロットを無効にする場合は、正しい動作のために、そのドメインを停止してから、ルートドメインにデバイスを再割り当てします。
バグ ID 16284767: Oracle Solaris コンソール上のこの警告は、I/O デバイスドライバの接続中に、供給された割り込み数が使い果たされたことを示しています。
WARNING: ddi_intr_alloc: cannot fit into interrupt pool
ハードウェアが提供する割り込み数には限りがあるため、Oracle Solaris では各デバイスで使用できる数を制限しています。デフォルトの制限は一般的なシステム構成のニーズに合うように考案されていますが、特定のシステム構成ではこの制限に調整が必要になることがあります。
特に、システムが複数の論理ドメインにパーティション化されている場合や、任意のゲストドメインに割り当てられる I/O デバイスの数が多すぎる場合は、この制限に調整が必要になることがあります。Oracle VM Server for SPARC では、全割り込み数を小さいセットに分けて、ゲストドメインに提供します。1 つのゲストドメインに割り当てられる I/O デバイスの数があまりにも多い場合は、その供給量が少なすぎて、各デバイスにデフォルトの割り込み制限を提供できないことがあります。そのため、すべてのドライバを完全に接続する前にその供給量が使い果たされてしまいます。
ドライバの中には、その割り込み数を Oracle Solaris で自動的に調整できるようにするオプションのコールバックルーチンを提供するものもあります。このようなドライバにはデフォルトの制限が適用されません。
回避方法: ::irmpools および ::irmreqs MDB マクロを使用して、使用される割り込みを調べます。::irmpools マクロは、プールに分けられた割り込みの総供給量を表示します。::irmreqs マクロは、各プールにマップされているデバイスを表示します。デバイスごとに、::irmreqs は、オプションのコールバックルーチンによってデフォルトの制限が強制されるかどうか、各ドライバがリクエストした割り込みの数、および各ドライバに提供される割り込みの数を表示します。
これらのマクロでは、接続に失敗したドライバに関する情報は表示されません。ただし、表示される情報は、デフォルトの制限をどの程度まで調整できるかを予測するのに役立ちます。コールバックルーチンを提供せずに複数の割り込みを使用するデバイスは、デフォルトの制限を調整して、使用する割り込み数を少なくせざるをえない場合があります。そのようなデバイスで使用される量を下回ってデフォルトの制限を減らすと、ほかのデバイスで使用できるように割り込みが解放されます。
デフォルトの制限を調整するには、/etc/system ファイル内の ddi_msix_alloc_limit プロパティーを 1-8 の値に設定します。次に、その変更が反映されるようにシステムをリブートします。
パフォーマンスを最大にするには、開始時に大きな値を割り当て、システムが警告なしで正常にブートするまで、それらの値を少しずつ減らします。::irmpools および ::irmreqs マクロを使用して、接続されているすべてのドライバに対する調整の影響を評価します。
たとえば、ゲストドメインで Oracle Solaris OS のブート中に次の警告が出されるとします。
WARNING: emlxs3: interrupt pool too full. WARNING: ddi_intr_alloc: cannot fit into interrupt pool
::irmpools および ::irmreqs マクロは次の情報を表示します。
# echo "::irmpools" | mdb -k ADDR OWNER TYPE SIZE REQUESTED RESERVED 00000400016be970 px#0 MSI/X 36 36 36 # echo "00000400016be970::irmreqs" | mdb -k ADDR OWNER TYPE CALLBACK NINTRS NREQ NAVAIL 00001000143acaa8 emlxs#0 MSI-X No 32 8 8 00001000170199f8 emlxs#1 MSI-X No 32 8 8 000010001400ca28 emlxs#2 MSI-X No 32 8 8 0000100016151328 igb#3 MSI-X No 10 3 3 0000100019549d30 igb#2 MSI-X No 10 3 3 0000040000e0f878 igb#1 MSI-X No 10 3 3 000010001955a5c8 igb#0 MSI-X No 10 3 3
この例に示されるデフォルトの制限は 1 デバイスにつき 8 回の割り込みですが、これはシステムへの最後の emlxs3 デバイスの接続を受け入れるのに十分な割り込み数ではありません。emlxs のすべてのインスタンスが同じように動作すると考えれば、emlxs3 はおそらく 8 回の割り込みをリクエストしています。
36 回の割り込みの総プールサイズから、すべての igb デバイスで使用された 12 回の割り込みを引くことにより、24 回の割り込みを emlxs デバイスに使用できます。24 回の割り込みを 4 で割ると、1 デバイスにつき 6 回の割り込みによって、すべての emlxs デバイスが同じパフォーマンスで接続できることになります。そのため、次の調整が /etc/system ファイルに追加されます。
set ddi_msix_alloc_limit = 6
システムが警告なしで正常にブートすると、::irmpools および ::irmreqs マクロは次の更新された情報を表示します。
# echo "::irmpools" | mdb -k ADDR OWNER TYPE SIZE REQUESTED RESERVED 00000400018ca868 px#0 MSI/X 36 36 36 # echo "00000400018ca868::irmreqs" | mdb -k ADDR OWNER TYPE CALLBACK NINTRS NREQ NAVAIL 0000100016143218 emlxs#0 MSI-X No 32 8 6 0000100014269920 emlxs#1 MSI-X No 32 8 6 000010001540be30 emlxs#2 MSI-X No 32 8 6 00001000140cbe10 emlxs#3 MSI-X No 32 8 6 00001000141210c0 igb#3 MSI-X No 10 3 3 0000100017549d38 igb#2 MSI-X No 10 3 3 0000040001ceac40 igb#1 MSI-X No 10 3 3 000010001acc3480 igb#0 MSI-X No 10 3 3
バグ ID 16224353: primary ドメインのリブート後、primary ドメイン内の ixgbevf インスタンスが動作しないことがあります。
回避方法: ありません。
バグ ID 16071170: SPARC M5-32 または SPARC M6-32 システムで、内部 SAS コントローラが、SR-IOV をサポートしていなくても、SR-IOV 対応コントローラとしてエクスポートされます。
これらのカードに物理機能を作成しようとすると、Oracle VM Server for SPARC ログに、次のメッセージが表示されます。
Dec 11 04:27:54 warning: Dropping pf pci@d00/pci@1/pci@0/pci@0/pci@0/pci@4/LSI,sas@0: no IOV capable driver Dec 11 04:27:54 warning: Dropping pf pci@d80/pci@1/pci@0/pci@c/pci@0/pci@4/LSI,sas@0: no IOV capable driver Dec 11 04:27:54 warning: Dropping pf pci@c00/pci@1/pci@0/pci@c/pci@0/pci@4/LSI,sas@0: no IOV capable driver Dec 11 04:27:54 warning: Dropping pf pci@e00/pci@1/pci@0/pci@0/pci@0/pci@4/LSI,sas@0: no IOV capable driver
システムには、SPARC M5-32 および SPARC M6-32 アセンブリの IOU 1 つにつき、4 つの LSI SAS コントローラポートがあります。各ポートでこのエラーが報告されます。
回避方法: このメッセージは無視してかまいません。これらのメッセージは、システムの LSI-SAS コントローラデバイスが SR-IOV に対応できることを示していますが、このハードウェアでは SR-IOV のサポートが可能ではありません。
バグ ID 16068376: 約 128 個のドメインを含む T5-8 で、ldm list などの一部の ldm コマンドに、すべてのドメインの稼働時間として 0 秒が表示されることがあります。
回避方法: ドメインにログインし、uptime コマンドを使用してドメインの稼働時間を調べます。
バグ ID 15812823: 空きメモリーが少ない状況では、サイズが原因で、必ずしもすべてのメモリーブロックがメモリーの DR 操作の一部として使用されないことがあります。ただし、このようなメモリーブロックは空きメモリー量に含まれます。こうした状況では、予想よりも少ない量のメモリーがドメインに追加される可能性があります。この状況が発生しても、エラーメッセージは表示されません。
回避方法: ありません。
バグ ID 15783031: ldm init-system コマンドを使用して、直接 I/O または SR-IOV 操作を使用したドメイン構成を復元すると、問題が発生することがあります。
問題が発生するのは、復元される構成で次の操作が 1 つ以上実行された場合です。
primary ドメインによってまだ所有されているバスからスロットが取り外されました。
primary ドメインによって所有されている物理機能から仮想機能が作成されました。
仮想機能が primary ドメインまたはほかのゲストドメイン、あるいはその両方に割り当てられました。
ルートコンプレックスが primary ドメインから削除され、ゲストドメインに割り当てられました。そのルートコンプレックスは、このあとの I/O 仮想化操作の基礎として使用されます。
つまり、primary 以外のルートドメインを作成し、以前の操作をすべて実行しました。
システムが、以前のアクションが 1 つも行われていない状態のままであるようにするには、ldm init-system コマンドを使用して、物理的な I/O 変更が行われたドメインを復元する方法を参照してください。
バグ ID 15778392: 制御ドメインには、システム内の最小番号コアが必要です。そのため、コア ID 0 が最小番号コアである場合、制御ドメインにコア全体の制約を適用しようとすると、そのコアをほかのどのドメインとも共有することができません。
たとえば、システム内の最小番号コアがコア ID 0 である場合、制御ドメインは次の出力のようになるはずです。
# ldm ls -o cpu primary NAME primary VCPU VID PID CID UTIL STRAND 0 0 0 0.4% 100% 1 1 0 0.2% 100% 2 2 0 0.1% 100% 3 3 0 0.2% 100% 4 4 0 0.3% 100% 5 5 0 0.2% 100% 6 6 0 0.1% 100% 7 7 0 0.1% 100%
バグ ID 15775637: I/O ドメインには、ルートコンプレックスあたりに使用できる割り込みリソースの数に関する制限があります。
SPARC T3 および SPARC T4 システムでは、この制限は約 63 MSI/X ベクトルです。各 igb 仮想機能は、3 つの割り込みを使用します。ixgbe 仮想機能は、2 つの割り込みを使用します。
あるドメインに多数の仮想機能を割り当てると、そのドメインの、これらのデバイスをサポートするためのシステムリソースが不足します。次のようなメッセージが表示されることがあります。
WARNING: ixgbevf32: interrupt pool too full. WARNING: ddi_intr_alloc: cannot fit into interrupt pool
バグ ID 15771384: ドメインのゲストコンソールが、そのバインド前やバインド中にそのコンソールへの接続が繰り返し試みられた場合に休止することがあります。たとえば、ドメインがそのマシン上に移行されているときに、自動スクリプトを使用してそのコンソールをグラブする場合にこれが発生する可能性があります。
回避方法: コンソールの休止を解除するには、ドメインのコンソール端末集配信装置をホストするドメイン (通常は制御ドメイン) で次のコマンドを実行します。
primary# svcadm disable vntsd primary# svcadm enable vntsd
バグ ID 15761509: このサポートドキュメントに記載された、直接 I/O (DIO) 機能をサポートする PCIe カードのみを使用してください。
回避方法: ldm add-io コマンドを使用して primary ドメインにカードをふたたび追加します。
バグ ID 15759601: ldm start コマンドの直後に ldm stop コマンドを発行すると、ldm stop コマンドが次のエラーで失敗する可能性があります。
LDom domain-name stop notification failed
回避方法: ldm stop コマンドをもう一度発行します。
バグ ID 15750727: 非常に多数の仮想機能が割り当てられた primary ドメインをリブートすると、システムでパニックが発生することがあります。
回避方法: 次のいずれかを実行してください。
仮想機能の数を減らすことで、失敗する仮想機能の数を減らします。この変更によってチップの応答性を維持できる可能性があります。
システムのすべての ixgbe 仮想機能に対して割り込みリソース管理 (IRM) プールがデフォルトで 1 つしか作成されないため、ixgbe 仮想機能用の IRM プールをより多く作成します。
バグ ID 15748348: primary ドメインが別のドメインと最小番号の物理コア (通常は 0) を共有している場合、primary ドメインでコア全体の制約を設定する試みが失敗します。
回避方法: 次の手順を実行します。
ドメインで共有されている、最小番号のバインドされたコアを判定します。
# ldm list -o cpu
primary ドメイン以外のすべてのドメインで、最小番号コアのすべての CPU スレッドのバインドを解除します。
結果として、最小番号コアの CPU スレッドは共有されず、primary ドメインに自由にバインドできるようになります。
次のいずれかを実行して、コア全体の制約を設定します。
CPU スレッドを primary ドメインにバインドし、ldm set-vcpu -c コマンドを使用してコア全体の制約を設定します。
ldm set-core コマンドを使用して、CPU スレッドのバインドとコア全体の制約の設定を一度に行います。
バグ ID 15721872: ldm rm-io コマンドを使用して PCIe エンドポイントデバイスを primary ドメインから削除したあとで、Oracle Solaris のホットプラグ操作を使用してそのデバイスをホットリムーブすることができません。PCIe エンドポイントデバイスの置換や削除を行う方法については、Oracle VM Server for SPARC 3.3 管理ガイド のPCIe ハードウェアの変更を参照してください。
バグ ID 15701853: CPU の数が大幅に削減されたあとにロードされたドメインの DRM ポリシーの期限が切れると、Oracle VM Server for SPARC ログに No response メッセージが表示されることがあります。ldm list 出力には、psrinfo 出力に示されている数よりも多くの CPU リソースがドメインに割り当てられていることが示されています。
回避方法: ldm set-vcpu コマンドを使用して、ドメイン上の CPU の数を psrinfo 出力に示されている数にリセットします。
バグ ID 15668368: SPARC T3-1 システムには、デュアルポートディスクをインストールできます。このディスクには、2 つの異なる直接 I/O デバイスからアクセスできます。この 2 つの直接 I/O デバイスをそれぞれ異なるドメインに割り当てると、ディスクが両方のドメインで使用されることになり、ディスクの実際の使用状態によっては他方のドメインに影響を及ぼすことがあります。
回避方法: 同じディスクセットにアクセスする複数の直接 I/O デバイスを、それぞれ異なる I/O ドメインに割り当てないでください。SPARC T3-1 システムにデュアルポートディスクがあるかどうかを調べるには、次のコマンドを SP で実行します。
-> show /SYS/SASBP
出力の fru_description の値が次のとおりならば、対応するシステムにデュアルポートディスクがあります。
fru_description = BD,SAS2,16DSK,LOUISE
システムにデュアルディスクが存在している場合は、次に示す直接 I/O デバイスが両方とも同じドメインに割り当てられていることを確認します。
pci@400/pci@1/pci@0/pci@4 /SYS/MB/SASHBA0 pci@400/pci@2/pci@0/pci@4 /SYS/MB/SASHBA1
バグ ID 15667770: 1 つのドメインで複数の NIU nxge インスタンスが plumb されていると、ドメインからメモリーを削除する場合に使用する ldm rm-mem および ldm set-mem コマンドが、いつまでも完了しない可能性があります。メモリー削除処理中に問題が発生したかどうかを確認するには、ldm list -o status コマンドで処理の進行状況をモニターします。完了率が変わらない状態が何分間も続いているときは、この問題が発生している可能性があります。
回避方法: ldm rm-mem または ldm set-mem コマンドを取り消し、十分な量のメモリーが削除されたかどうかをチェックします。削除されていない場合は、もう一度メモリー削除コマンドを実行するときに削除するメモリーの量を小さくすると、正常に完了する可能性があります。
この問題が primary ドメインで発生した場合は、次を行なってください。
primary ドメインで遅延再構成処理を開始します。
# ldm start-reconf primary
必要な量のメモリーをこのドメインに割り当てます。
primary ドメインをリブートします。
この問題がその他のドメインで発生した場合は、そのドメインを停止してから、ドメインに割り当てるメモリー量を調節します。
バグ ID 15664666: リセット依存関係が作成されているときに、ldm stop -a コマンドを実行すると、リセット依存関係にあるドメインが単に停止するのではなく、再起動されることがあります。
回避方法: まず、ldm stop コマンドをマスタードメインに発行します。次に、ldm stop コマンドをスレーブドメインに発行します。スレーブドメインの初回の停止に失敗した場合は、ldm stop -f コマンドをスレーブドメインに対して実行します。
バグ ID 15631119: 制御ドメインの仮想ネットワークデバイスの最大伝送単位 (Maximum Transmission Unit、MTU) を変更すると、遅延再構成処理が起動されます。そのあとで遅延再構成をキャンセルしても、デバイスの MTU 値は元の値に復元されません。
回復方法: ldm set-vnet コマンドを再実行して MTU を元の値に設定します。MTU の設定を変更すると、制御ドメインが遅延再構成モードになりますが、このモードをキャンセルする必要があります。これで、MTU 値は元の正しい MTU 値になります。
# ldm set-vnet mtu=orig-value vnet1 primary # ldm cancel-op reconf primary
バグ ID 15600969: 動作中のドメインからすべてのハードウェア暗号化装置を動的に削除すると、暗号化フレームワークがソフトウェア暗号化プロバイダへのシームレスな切り替えに失敗し、すべての ssh 接続が強制終了します。
回復方法: ドメインからすべての暗号化装置を削除したあと、ssh 接続を再確立します。
回避方法: サーバー側の /etc/ssh/sshd_config ファイルに UseOpenSSLEngine=no を設定し、svcadm restart ssh コマンドを実行します。
ssh 接続にはハードウェア暗号化装置が使用されなくなるので、パフォーマンスの向上というメリットはなくなりますが、暗号化装置が削除されても ssh 接続は切断されません。
バグ ID 15597025: PCI Express Dual 10-Gigabit Ethernet Fiber カード (X1027A-Z) が搭載されたシステム上で ldm ls-io -l コマンドを実行すると、次のような出力が表示される場合があります。
primary# ldm ls-io -l ... pci@500/pci@0/pci@c PCIE5 OCC primary network@0 network@0,1 ethernet ethernet
この出力には 4 つのサブデバイスが表示されていますが、この Ethernet カードにはポートが 2 個しかありません。これは、このカードには 4 つの PCI 機能があるために発生します。4 つの機能のうち 2 つは内部で無効になっており、ldm ls-io -l 出力では ethernet として表示されます。
回避方法: ldm ls-io -l 出力の ethernet エントリは無視してかまいません。
バグ ID 15572184: いくつかのドメインがブート中だと ldm コマンドの応答が遅くなることがあります。この段階で ldm コマンドを実行すると、コマンドがハングアップしているように見える可能性があります。ldm コマンドは、期待されるタスクを実行したあとでリターンします。コマンドがリターンしたら、システムは通常どおり ldm コマンドに応答するはずです。
回避方法: 多数のドメインを同時にブートしないようにします。ただし、いくつかのドメインを同時にブートする必要がある場合、システムが通常の状態に戻るまで新しい ldm コマンドを実行しないようにします。たとえば、Sun SPARC Enterprise T5140 および T5240 サーバーでは約 2 分間、Sun SPARC Enterprise T5440 サーバーまたは Sun Netra T5440 サーバーでは約 4 分間待機します。
バグ ID 15560811: Oracle Solaris 11 では、Logical Domains 仮想ネットワークデバイスのみを含むドメインで、自動ネットワークインタフェース (anet) で構成されたゾーンが起動に失敗することがあります。
回避方法 1: 1 つ以上の物理ネットワークデバイスをゲストドメインに割り当てます。物理 NIC をドメインに割り当てるには、PCIe バス割り当て、直接 I/O (DIO)、または SR-IOV 機能を使用します。
回避方法 2: ゾーンの構成要件が、ゾーン間通信をドメイン内でのみ行わせることである場合、etherstub デバイスを作成します。ゾーン構成内で etherstub デバイスを「下位リンク」として使用し、etherstub デバイス上で仮想 NIC が作成されるようにします。
回避方法 3: 排他的リンク割り当てを使用して、Logical Domains 仮想ネットワークデバイスをゾーンに割り当てます。仮想ネットワークデバイスを必要に応じてドメインに割り当てます。多数の仮想ネットワークデバイスを作成できるように、inter-vnet リンクを無効にすることを選択することもできます。
バグ ID 15518409: マシンにネットワークが構成されていない場合にネットワーク情報サービス (Network Information Service、NIS) クライアントが実行されていると、Logical Domains Manager が起動しません。
回避方法: ネットワークに接続されていないマシン上の NIS クライアントを無効にします。
# svcadm disable nis/client
バグ ID 15511551: Logical Domains システムのコマンド行から uadmin 1 0 コマンドを実行すると、それ以降のリセットでシステムが ok プロンプトに戻らない場合があります。この誤った動作は、Logical Domains 変数 auto-reboot? が true に設定されている場合にのみ発生します。auto-reboot? が false に設定されている場合は、期待どおりに動作します。
回避方法: 代わりに次のコマンドを使用します。
uadmin 2 0
または、常に auto-reboot? を false に設定して実行するようにします。
バグ ID 15453968: 共通のコンソールグループを持つシステムで、複数のゲストドメインのネットインストールを同時に実行すると失敗します。
回避方法: それぞれ固有のコンソールグループを持つゲストドメインでのみネットインストールを実行してください。この障害は、ネットインストールを行う複数のドメイン間で共有される、共通のコンソールグループを使用するドメインでのみ発生します。
バグ ID 15387338: この問題の概要はOracle VM Server for SPARC 3.3 管理ガイド のLogical Domains 変数の永続性で説明していますが、制御ドメインにのみ影響します。
バグ ID 15370442: Logical Domains 環境では、広域ネットワーク (WAN) ブートキーの設定または削除を Oracle Solaris OS 内から、ickey(1M) コマンドを使用して行うことはサポートされていません。ickey 操作はすべて失敗し、次のようなエラーが表示されます。
ickey: setkey: ioctl: I/O error
また、制御ドメイン以外の論理ドメインで OpenBoot ファームウェアを使用して設定された WAN ブートキーは、ドメインをリブートすると記憶されていません。これらのドメインでは、OpenBoot ファームウェアで設定したキーは 1 回の使用にのみ有効です。
バグ ID 15368170: ldm stop-domain コマンドの動作がわかりにくい場合があります。
# ldm stop-domain -f domain-name
ドメインにカーネルモジュールデバッガ kmdb(1) のプロンプトが表示されている場合、ldm stop-domain コマンドが失敗し、次のエラーメッセージが表示されます。
LDom <domain-name> stop notification failed