元帳について

元帳を設定する前に、次のことを行います。

• ライセンスを取得していない全ての製品について、インストール オプション - 製品ページのチェック ボックスをオフにします。

  「インストール オプション - 基本設定ページ」を参照してください。

• 一般会計ビジネス ユニットを設定します。

• チャートフィールド値を設定します。

• 会計カレンダーを設定します。

PeopleSoft では複数の元帳テンプレートを用意しており、それぞれによって元帳の物理属性が定義されます。元帳テンプレートは、元帳グループに追加できる複数の元帳にリンクされています。このテンプレート関係によって、元帳グループ内の全ての元帳は同じ物理レイアウトを共有します。一般会計では、これらのテンプレートを使用して、関連する元帳の更新や関連する元帳に関するレポートを行うのに必要な全てのレコードおよびフィールドを指定します。

借方金額を貸方金額とは別に元帳に保存するには、PeopleSoft 貸借個別入力機能に用意されている設定指示に従って、フィールドを作成し、テーブルを変更し、元帳テンプレートでフィールドを指定します。

元帳は、データベース内のテーブルに保存されます。元帳テーブルのキー フィールドは、[ビジネス ユニット]、[元帳]、[チャートフィールド]、[会計年度] および [会計期間] です。正味期間アクティビティはキー フィールドではありません。

転記の前に、一般会計では、元帳テーブルに転記されたデータはシステム内の他のテーブルに対して検証されます。検証に使用されるテーブルを設定して、システムで取引を元帳に転記できるようにします。次のことに注意してください。

• 仕訳入力を転記すると、チャートフィールド組合せごとに正味期間アクティビティ (借方と貸方の組合せ) が保存されます。

• 年間累計残高は保存されませんが、これらの残高はレポート用に計算されます。

• 元帳のカレンダーによって、会計期間における時間が、週、月、四半期またはその他の期間のいずれであるかが決まります。

• 同じチャートフィールドの複数の元帳 (実績、予算、統計など) を単一テーブルに保存できます。

• 元帳の借方と貸方を元帳レベル、ビジネス ユニットまたはチャートフィールド レベルで一致させることができます。

明細元帳は、仕訳の会計取引明細を保存するために使用されます。元帳テンプレートを設定した後で、明細元帳を定義して元帳グループと関連付けます。要約されたアクティビティを記録するために使用される要約元帳と区別するために、明細元帳と呼ばれます。

元帳テンプレートと明細元帳を適切な元帳グループで結合します。元帳グループには、1 つの主元帳と 0 から 9 個の補助元帳を含めることができます。元帳グループ内の各元帳は、元帳テンプレートに基づく共通の物理的な構造を共有し、固有の特性 (独自の基本通貨など) も持ちます。一般会計では、確立したルールに従ってグループ内の元帳に転記されます。グループ内の全ての元帳に同時に転記する複数帳簿取引をアプリケーションで管理することもできます。

元帳グループには、目的や含まれる元帳がわかるような名前を付けることができます (ACTUALS や BUDGETS など)。この名前は、ビジネス ユニットに対して定義される全ての元帳グループで一意であり、元帳テーブルで一意のキーとなります。通常、グループ内の個別の元帳の名前は、通貨のタイプまたはグループ内での元帳の用途 (地域、機能、レポートなど) を表します。元帳グループの名前を主元帳の名前にすることもできます。たとえば、複数帳簿機能を使用していない場合、元帳の名前を ACTUALS にし、元帳グループの名前も ACTUALS にすることができます。

非コミットメント コントロール元帳グループ タイプには、日中平均残高、標準、予算および換算があります。コミットメント コントロールで使用される元帳グループ タイプは、コミットメント コントロール支出とコミットメント コントロール収入のみです。

日中平均残高、予算および換算元帳グループには主元帳が 1 つのみあり、補助元帳はありませんが、標準元帳グループには 1 つの主元帳と 0 から 9 個の補助元帳があります。

通常、コミットメント コントロール支出元帳グループ タイプには、予算、プレエンカンバランス、エンカンバランスおよび支出元帳が含まれています。通常、コミットメント コントロール収入元帳グループ タイプには、予算、承認済収入および回収済収入元帳が含まれています。

[元帳同期管理] チェック ボックスと [行を自動作成] オプションの組合せによって、システムでの取引の転記方法が決まります。[元帳同期管理] オプションまたは [行を自動作成] オプションを選択した場合、取引はグループ内の全ての元帳に転記されます。いずれかのオプションを選択すると、仕訳編集処理によって、元帳グループ内の他の元帳に対して追加の仕訳行が生成されます。たとえば、3 つの元帳を含む元帳グループに対して 2 行の仕訳入力を入力すると、4 行が追加で作成されます (他の元帳ごとに 2 行ずつ)。[元帳同期管理] または [行を自動作成] オプションを選択しない場合、取引は取引入力があった元帳のみに転記され、元帳グループ内の他の元帳に対して補助仕訳行は生成されません。

ビジネス ユニットの基本通貨の継承オプションによって、グループ内の元帳でビジネス ユニットの基本通貨が換算に使用されるかどうかが決まります。この機能によって、異なる基本通貨を使用するビジネス ユニット間で元帳グループを共有する柔軟性が増します。たとえば、カナダに本社を置く多国籍企業で、5 つの子会社が世界中の異なる国にあるとします。子会社がビジネス ユニットの基本通貨の継承オプションを選択した場合、それぞれの子会社は、レポート元帳用の通貨コード CAD (カナダ ドル) を持つ補助元帳がある元帳グループを持つことができます。主元帳は、ビジネス ユニットの基本通貨を共有し、ビジネス ユニットが存在する各国の機能通貨を表します。組織がビジネス ユニットの基本通貨の継承オプションを選択しない場合、5 つの異なる元帳グループを定義し、それぞれがビジネス ユニットの基本通貨と一致する基本通貨の主元帳を持つようにする必要があります。

元帳グループの [換算] チェック ボックスをオンにすることによって、補助元帳を換算元帳として定義できます。このオプションは、元帳グループの [元帳同期管理] オプション (KLS) を選択した場合にのみ適用されます。主元帳は換算元帳として定義できません。複数帳簿元帳について換算元帳を使用することが多くあります。

元帳およびカレンダーの定義後、ユニット別元帳コンポーネントで、各一般会計ビジネス ユニットによって使用される明細元帳、元帳グループおよびカレンダーを指定します。

ビジネス ユニットによる転記先の明細元帳ごとに、次のことを指定します。

• 貸借一致した元帳かどうか。

• 現在オープンしている期間。

• 調整を転記するための年および調整期間。

• 仕訳処理、通貨および承認オプションを処理するためのルール。

カレンダーを元帳やビジネス ユニットに関連付けることによって、およびカレンダーと元帳をビジネス ユニット間で共有することによって、会計データを効率的および効果的に取得できます。

ユニット別元帳コンポーネントで元帳を定義するときに、その元帳で入力されたエラーのある仕訳入力の処理方法を決定します。一般会計では、これらのエラー処理オプションは次の場所で指定できます。

• ビジネス ユニット レベルの場合、一般会計定義 - 仕訳オプション ページにアクセスします。

• 元帳および元帳グループ レベルの場合、ユニット別元帳 - 仕訳編集オプション ページにアクセスします。

• ソース レベルの場合、仕訳ソース - 仕訳オプション ページにアクセスします。

設定は全体として、ソース、元帳グループ、ビジネス ユニット レベルの順に優先されます。逆に、デフォルトは、ビジネス ユニット、元帳、ソース レベルの順になります。たとえば、元帳の設定はビジネス ユニットの設定より優先されますが、ソースの設定は同じオプションの元帳レベルとビジネス ユニット レベルの両方の設定より優先されます。

仕訳入力を入力および編集する際に、エラーが識別されます。

一般会計では、次のエラー条件の 1 つ以上が存在する場合、仕訳を転記できません。

PeopleSoft の複数帳簿機能を使用すると、異なる基本通貨で同じ物理的な構造を共有して複数の元帳を管理でき、複数通貨でのリアルタイム貸借一致を実現できます。1 つの台帳セットを地域通貨 (機能通貨) で保持し、別の台帳セットを親会社の通貨 (申告通貨) で保持することが会社にとって必要であるため、この機能はデュアル台帳とも呼ばれます。

複数帳簿では、ビジネス ユニットに対して定義された複数の基本通貨が、それぞれ元帳の形式でサポートされます。オプションで、単一取引を全ての通貨 (全ての元帳) に転記するか、それらの基本通貨のうちの 1 つのみ (個別の元帳) に転記できます。複数帳簿では、取引は該当する基本通貨に自動的に換算され、対応する元帳に転記されます。これにより、フル ドリルダウン サポートとクロス カレンシー比較が要約レベルと取引レベルの両方で提供されます。

元帳グループ内の補助複数帳簿元帳を通貨換算元帳として使用できます。この元帳は、会計期間中に、指定された通貨で全ての勘定科目のリアルタイム貸借一致を管理するため、レポート元帳として機能します。会計期間の最後に、元帳内換算処理を実行して、選択した勘定科目の複数帳簿換算元帳内での為替差損益調整を生成できます。

PeopleSoft は、複数帳簿元帳グループ内の他の補助元帳とは違う方法で換算元帳を管理します。通常は、取引が複数帳簿元帳グループに転記されるときに、主元帳の取引通貨金額が補助元帳の取引金額として使用されます。ただし、換算元帳では、主元帳の基本通貨金額が取引金額として使用されます。複数帳簿換算元帳の場合、取引通貨、基本通貨の金額と等しい外貨金額、主元帳の基本金額で行が生成されます。

元帳グループ内で、同期会計入力は、異なる元帳に配布される 1 つの取引の会計入力のグループです。これらの会計入力では、チャートフィールド、取引通貨および外貨金額は同じです。PeopleSoft アプリケーションでは、複数帳簿がサポートされ、元帳グループ内のほとんどの元帳に対して同期会計入力が生成されます。通貨換算元帳の場合、仕訳編集処理によって、転記の前に同期会計入力が追加され、完全に同期した仕訳が作成されます。仕訳ジェネレータでは、これらの行は同期会計入力として認識され、同期仕訳入力が一般会計で生成されます。フィールド順序を仕訳ジェネレータの会計入力定義ページで指定できます。仕訳入力の生成時に、仕訳ジェネレータ処理によってこれらのフィールドが使用されて 1 つの取引の会計入力をグループ化する方法が決定され、同期仕訳が生成されます。

要約元帳には、明細元帳から勘定残高が集約されて保存されます。要約元帳は、主に PS/nVision レポートで使用します。要約元帳では、レポート要求のたびに明細元帳残高を要約する必要性をなくすことで、レポートの迅速性と効率性が増します。代わりに、一般会計では、選択した条件に従ってバックグラウンド処理で明細元帳残高が要約され、要約元帳に保存されます。

要約元帳が最後に作成または更新された後に行われた変更を使用して、次の 2 つの方法で要約元帳を増分更新できます。

• 明細元帳に変更を転記するのと同時に、仕訳転記処理の一部として要約元帳を更新します。

  この場合、既存の要約元帳のみが更新されます。これには、ビジネス ユニット、要約元帳名、会計、会計期間情報が含まれます。

• 増分オプションと共に PeopleSoft プロセス スケジューラを使用して要約元帳作成処理を開始し、要約元帳を更新します。

タイムスパンを使用すると、割当、照会、および PS/nVision レポートでの使用のために、元帳残高を選択して取得できます。タイムスパンによって、元帳テーブルから抽出してデータを要約できる期間数が制御されます。一般会計の典型的なタイムスパンには、当期間のアクティビティ、選択したアイテムの年間累計金額、貸借対照表勘定科目の残高繰越金額などがあります。

レポートの実行時に指定する指定日にレポートの内容を自動的に適合させるために、当期間に対して相対的な数多くのタイムスパンを表現できます。特定の期間用のその他のタイムスパンを定義できます。

タイムスパンに対して入力する絶対期間および絶対年度を検証するために、一般会計ではカレンダーが使用されます。これらの期間および年度は、指定したカレンダー上に存在する必要があります。タイムスパンを使用して、特別なカレンダー期間に保存された残高繰越金額および調整を取得します。

一般会計には一般的に使用されるタイムスパンが数多く含まれていますが、追加のタイムスパンを必要なだけ定義できます。これらのタイムスパンに関する情報を表示するには、FIN0003 レポートを生成します。

サードパーティ レポート ソフトウェアとの間でフラット ファイル元帳をインポートおよびエクスポートできます。一般会計での処理によって、元帳データの行を含む別の製品または外部システムからフラット ファイルをインポートできます。この機能は、異なる一般会計システムからの分散した元帳データを組み合わせて、連結、要約および企業レポートを実行するために使用されることが多くあります。

サードパーティ レポート ソフトウェア システムにエクスポートする一般会計処理を使用して、フラット ファイル フォーマットを選択または追加し、フラット ファイル元帳を作成することもできます。この機能は、必要とされるフォーマットでの法定レポートの作成で使用するために、特定のフォーマットで元帳データを用意する必要がある国で使用されることが多くあります。

元帳パブリッシュ エンタープライズ インテグレーション ポイント (IP) および元帳ロード処理を使用して、分散した一般会計システム間で元帳データを交換することもできます。この機能は、連結と共に機能するように設計されています。