PeopleSoft データ移行ワークベンチについて
PeopleSoft データ移行ワークベンチを使用すると、アプリケーション設定データを移行する設定管理プロセスが簡易化されます。データ移行ワークベンチでは、アプリケーション データ セット (ADS) をその基盤となるトランスポート テクノロジとして使用して、データベース間でコンテンツ データを比較、検証およびコピーできます。
データ移行ワークベンチは、データ ムーバー スクリプトの代替として有効であり、ご使用の環境において管理対象となる変更を効果的に表示し、制御します。全ての承認済開発者または管理者は、PeopleSoft Pure Internet Architecture (PIA) を使用してアプリケーション データ セットを簡単に定義し、管理対象オブジェクトのコピーおよび比較プロセスとほとんど同じようにデータを比較したりコピーできます。
注: データ ムーバー スクリプトを引き続き使用してアプリケーション データをロードできますが、データ ムーバーでは、コピー データを比較および検証する方法は提供されていません。
現在、PeopleSoft では、次のアプリケーション データ セット (ADS) 定義をサンプル データとして提供しています。
サポートされている機能 |
アプリケーション データ セットの使用方法 |
提供済アプリケーション データ セット名 |
---|---|---|
一般会計 - 配賦 |
配賦は、業種や部門などに対してコストや収益といった金額を配分するために使用されます。開発データベースで配賦設定を作成し、ADS 定義を使用して、テスト データベースおよび最終的には実稼動データベースなどに設定を移行すると効率的です。 「PeopleSoft 配賦に対するデータ移行ワークベンチの使用」を参照してください。 「アプリケーション データ セットの使用」を参照してください。 |
ALLOCATION_GROUP ALLOCATION_REQUEST ALLOCATION_STEP |
ワークセンター |
PeopleSoft ワークセンターでは、SQL アプリケーション クラスに基づく重要なマイ ワーク リンク フィルタが提供されています。ADS 定義を使用すると、マイ ワーク リンク、フィルタおよびページレットの設定を本稼動環境に移行できます。 「PeopleSoft ワークセンターに対するデータ移行ワークベンチの使用」を参照してください。 |
WORKCENTER_CONFIGURATION WORKCENTER_FILTERS WORKCENTER_FILTER_VALUES |
契約 - 会計処理ルール |
会計処理ルールは、請求および収益会計入力を生成するために使用されます。テスト データベースで会計処理ルールを作成してテストし、ADS 定義を使用して、他のデータベースまたは最終的には実稼動データベースにこれらを移動できます。 「PeopleSoft 会計処理ルールに対するデータ移行ワークベンチの使用」を参照してください。 |
ACCOUNTING RULES |
サプライヤ契約管理 |
設定データは、テストまたは実稼動前および実稼動データベースで使用されます。ADS 定義を使用すると、選択した設定データを実稼動データベースからテスト データベースに、またはテスト データベースから実稼動データベースに移動できます。 |
多数の ADS 名が提供されています。「PeopleSoft サプライヤ契約管理でのデータ移行ワークベンチについて」を参照してください。 |
買掛金管理 - 買掛金管理オプション |
買掛金管理オプションの設定はセットID レベルで定義され、このコンポーネントでの指定に従って、その下位にある全てのビジネス ユニットを継承します。 テスト データベースで買掛金管理オプションを作成してテストし、ADS 定義を使用して、他のデータベースまたは最終的には実稼動データベースにこれらを移動できます。 「PeopleSoft 買掛金管理オプションでのデータ移行ワークベンチについて」を参照してください。 |
PAYABLE_OPTIONS |
買掛金管理 - スピードチャート |
スピードチャートを使用すると、使用頻度の高いチャートフィールド組合せの入力に必要なキーストローク数が削減され、データ入力の効率が向上します。 テスト データベースでスピードチャートを作成してテストし、ADS 定義を使用して、他のデータベースまたは最終的には実稼動データベースにこれらを移動できます。 「PeopleSoft スピードチャートでのデータ移行ワークベンチについて」を参照してください。 |
SPEEEDCHART |
買掛金管理 - 会計入力 |
会計入力テンプレートは、買掛金処理および入金処理の会計入力を生成するために使用されます。 テスト データベースで会計入力テンプレートを作成してテストし、ADS 定義を使用して、他のデータベースまたは最終的には実稼動データベースにこれらを移動できます。 「PeopleSoft 会計入力テンプレートでのデータ移行ワークベンチについて」を参照してください。 |
ACCOUNTINGENTRY |
ビジネス プロセス ウィーバー |
PeopleSoft ビジネス プロセス ウィーバーでは、主要なジョブを統合するためのフレームワークが提供されています。 ADS 定義を使用すると、ビジネス プロセス定義、タスク レジストリ、ビジネス プロセス ラン コントロールおよびビジネス プロセス ウィーバー アプリケーション クラス レジストリを、データベース間で、および最終的には本稼動環境に移行できます。 「PeopleSoft ビジネス プロセス ウィーバーに対するデータ移行ワークベンチの使用」を参照してください。 |
COMP_BPW_APPCLS_REG COMP_BPW_PROC_DEFN COMP_BPW_PROC_RUN COMP_BPW_TASK_REG |
資産ライフサイクル管理 |
資産プロファイルは、資産タイプおよびこれに対応する資産台帳の標準的な減価償却基準を含むテンプレートです。資産プロファイル ADS を使用して、テスト環境から本稼動環境に資産プロファイル データを移行し、データを検証します。 「PeopleSoft 資産プロファイルに対するデータ移行ワークベンチの使用」を参照してください。 |
ASSET PROFILE |
注: ADS では、基本検証が提供されていますが、ADS を使用して本稼動環境にデータを移行する前に、まず、テスト環境を使用してテストを実行し、結果を検証する必要があります。
アプリケーション データ セットおよびデータ移行ワークベンチの詳細については、『PeopleTools: Data Migration Workbench』を参照してください。
アプリケーション データ セット機能は、次のコンポーネントで構成されます。
データ セット デザイナ
データ移行ワークベンチ
データ セット デザイナ
承認済管理者は、データ セット デザイナを使用して、レコードとその包括的なプロパティの階層構造としてデータ セット定義 (ADS 定義) を作成します。
データ セットは、データ セット定義およびそのレコード グループで構成されます。レコード定義とデータ セット定義は、どちらも移行データの形式を定義するメタデータです。データ セットのコピーまたは比較を実行する全ての PeopleSoft データベースに、同じデータ セット定義が存在する必要があります。
データ移行ワークベンチ
次に、承認済管理者は、データ移行ワークベンチを使用して、データ移行プロジェクトとして作業単位を表すプロジェクトにデータ セット インスタンス (データ コンテンツ) を挿入できます。データ移行プロジェクトは、さまざまなデータ セット定義を含むデータ セット インスタンスのコレクションである、管理対象オブジェクト プロジェクトに類似しています。データ移行ワークベンチを使用すると、管理者はデータ セットを含むプロジェクトをコピーおよび比較できるだけでなく、比較レポートや検証レポートを表示することもできます。
また、エンタープライズ コンポーネント承認フレームワークを統合して、ファイルからのプロジェクト コピー プロセスを管理者として制御できます。データ セット定義がデータのコピーに適切であることを保証し、PIA データ セット ページについてユーザー セキュリティを有効化するために拡張セキュリティを採用し、データをコピーおよび比較するアクセス権限を割り当てます。PeopleSoft では、データ移行承認フレームワークを有効化するために、MigrateData プロセス ID が提供されています。詳細については、『PeopleTools: Understanding Data Set Security』を参照してください。