Oracle® Developer Studio 12.5: Fortran ユーザーズガイド

印刷ビューの終了

更新: 2016 年 6 月
 
 

4.1 ソース言語の機能

f95 コンパイラは、Fortran 標準規則に対して、次のソース言語の機能および拡張機能を提供します

4.1.1 継続行の制限

f95 では、999 行まで行を継続することができます (開始行が 1 行とそのあとの継続行が 999)。標準の Fortran 95 では、固定形式の場合で 19 行まで、自由形式の場合で 39 行までです。

4.1.2 固定形式のソースの行

固定形式のソースの場合、1 行に 73 文字以上使用できます。ただし、73 桁目以降はすべて無視されます。標準の Fortran 95 では 72 文字の行のみが許容されます

4.1.3 タブ形式

f95 の固定形式のソーステキストは、次のように定義されています。

  • 1 から 6 の任意の列にあるタブによって、その行がタブ形式のソース行になります。

  • タブより前に、コメントインジケータまたは文番号がある場合があります。

  • タブが最初の文字で空白以外の場合は、次のようになります。

    • タブのあとの文字がゼロでない数字以外の場合、タブに続くテキストが最初の行です。

    • 最初のタブのあとがゼロでない数字の場合、その行は継続行です。ゼロでない数字に続くテキストは、その文の次の部分です。

f95 のデフォルト最大行の長さは、固定形式で 72 列および自由形式で 250 列です。-e コンパイラオプションを使用すると、固定形式のソースの行を 250 列に拡張できます。

例: 左のタブの形式のソースは、右に表示されます。

!^IUses of tabs
^ICHARACTER *3 A = ’A’
^IINTEGER B = 2
^IREAL C = 3.0
^IWRITE(*,9) A, B, C
9^IFORMAT(1X, A3,
^I1 I3,
^I2 F9.1 )
^IEND
!       Uses of tabs
        CHARACTER *3 A = ’A’
        INTEGER B = 2
        REAL C = 3.0
        WRITE(*,9) A, B, C
9       FORMAT(1X, A3,
       1 I3,
       2 F9.1 )
        END

前述の例で、「^I」はタブ文字を表し、「1」および「2」で始まる行は継続行を表しています。コードはさまざまなタブの状態を示しますが、いずれの形式も推奨しません。

f95 は、タブがあると以降その行の72行目までパディングします。そのため、次の行に継続する文字列にタブが表示される場合、予想外の結果を招くことがあります。

ソースファイル:

^Iprint *, "Tab on next line
^I1this  continuation line starts with a tab."
^Iend

コードの実行結果:

Tab on next line                                             this  continuation
 line starts with a tab.

タブ書式が —f77 オプションで使用される場合、行の長さに 250 文字の制限はありません。行をさらに長くできます。

4.1.4 想定するソースの書式

f95 が想定するソースの書式は、オプション、ディレクティブ、および拡張子によって異なります。

接尾辞が .f または .F のファイルは、固定形式とみなされます。接尾辞が .f90.f95.F90、または .F95 のファイルは、自由形式とみなされます。

表 27  F95 ソース書式のコマンド行のオプション
オプション
処理
-fixed
すべてのソースファイルが Fortran の固定形式で記述されていると解釈します。
-free
すべてのソースファイルが Fortran の自由形式で記述されていると解釈します。

-free および -fixed オプションは、ファイル名の接尾辞よりも優先されます。また、!DIR$ FREE ディレクティブまたは !DIR$ FIXED ディレクティブが使用されると、オプションおよびファイル名の拡張子をオーバーライドします。

4.1.4.1 書式の混在

次のように、異なるソースの書式を混在させてもかまいません。

  • 1 つの f95 のコマンド内で、固定形式のソースファイルと自由形式のソースファイルを混在させることができます。

  • 1 つのファイル内で、!DIR$ FREE 指令または !DIR$ FIXED 指令を使用すると、自由形式と固定形式を混在させることができます

  • 同じプログラム単位内では、タブ形式と自由形式または固定形式を混在させることができます

4.1.4.2 大文字と小文字の区別

Oracle Developer Studio Fortran 95 では、デフォルトで大文字と小文字が区別されません。すなわち、AbcDeF という変数は、abcdef と同じ文字列として扱われます。-U オプションを付けてコンパイルすると、コンパイラは大文字と小文字を区別します。

4.1.5 制限とデフォルト

  • Fortran のプログラム単位には、最大 65,535 個の構造型、および最大 16,777,215 個の定数を定義できます。

  • 変数およびほかのオブジェクトの名前は最大 127 文字です。31 文字が標準です。