Go to main content

マニュアルページ セクション 7: 標準、環境、マクロ、文字セット、その他

印刷ビューの終了

更新: 2018年8月8日
 
 

suri (7)

名前

suri - ストレージ URI

説明

ストレージ URI はさまざまなノード全体でストレージオブジェクトを一意に識別します。

ディスク全体の概念

個々のスライスを参照できる dev URI は別として、ほかのすべての URI タイプは常にディスク全体を表します。こうしたディスクはスライスのないデバイスパスとして表されます。たとえば、/dev/dsk/c0t0d0/dev/dsk/c0t5000c5000288fa25d0 です。このようなスライスのないデバイスパスはシステム上のすべてディスクに存在するわけではありません。それに対応できるようにストレージ URI のコンシューマを準備しておく必要があります。zpool(8) は、/dev/dsk/cXtXdX リンクが存在しない場合でも、既存のブロック型デバイスの cXtXdX デバイスパスを常に受け入れます。

ストレージオブジェクトの作成

すべてのストレージ URI タイプがストレージオブジェクトの作成をサポートしているわけではありません。各タイプの説明については、下を参照してください。ストレージオブジェクトの作成をサポートする URI タイプの場合は、suriadm create サブコマンドを –p create-size オプションとともに使用します。ストレージオブジェクトは、手動でも作成できます。ストレージオブジェクトがマッピングプロセスの一部として作成されることはサポートされていません。

次のストレージ URI がサポートされています。

dev URI

dev:<local-path-under-/dev>
dev:///<path-with-dev>
dev:<absolute-path-with-dev>

たとえば、

dev:dsk/c0t0d0s0
dev:///dev/dsk/c0t0d0s0
dev:/dev/dsk/c0t0d0s0
dev:chassis/SYS/HD1/disk

dev URI は既存のデバイスの形式でオブジェクトを指定します。すべての形式の dev URI は機能的に同等です。権限セクションがなく、暗黙的「/dev/」接頭辞の付いた「dev:dsk」形式が通常推奨されます。パスは /dev 名前空間内のデバイスである必要があります。

デバイスパスのコンポーネントには、POSIX.1-2008 ポータブルファイル名文字集合の 0-9a-zA-Z._- からの文字のみを含めることができます。

dev URI タイプは作成操作をサポートしていません。

論理ユニット URI

lu:luname.naa.<ID>
lu:luname.eui.<ID>  
lu:initiator.naa.<ID>,target.naa.<ID>,luname.naa.<ID>
lu:initiator.naa.<ID>,target.naa.<ID>,luname.eui.<ID>

たとえば、

lu:luname.naa.5000c5000288fa25
lu:luname.eui.0021280001cf80f6
lu:initiator.naa.2100001d38089fb0,target.naa.2100001d38089fb0,luname.naa.5000c5000288fa25

lu:initiator.naa.2100001d38089fb0,target.naa.2100001d38089fb0,luname.eui.0021280001cf80f6

論理ユニット URI はファイバチャネルまたは Serial Attached SCSI 経由で接続された論理ユニットを指定します。luname のみの URI 形式では、ID は論理ユニット名を示します。initiator、target、luname 形式で、initiator はイニシエータポートを指定し、target はターゲットポートを指定します。さらにこれらはまとめて、luname のみの形式の場合のように、名前が URI の luname 部分に一致している必要がある論理ユニットへのパスを指定します。

ID は 16 進数 (64/128 ビット) でフォーマットされた SCSI-3 VPD ページ (0x83) 論理ユニット名を使用して表されます。ID は大文字と小文字が区別されません。NAA または EUI-64 識別子に基づいた論理ユニット名のみがサポートされています。識別子の形式については、「注意事項」を参照してください。

一般に、luname のみの URI と組み合わせてマルチパスを使用することが推奨されます。マルチパスが無効で、luname のみの URI が使用されている場合、指定した論理ユニットへのランダムパスが選択されます。このランダムパスの割り当てを回避するには、initiator, target, luname URI 形式を使用して論理ユニットへの特定のパスを選択できます。マルチパスが有効で、initiator, target, luname URI 形式を使用している場合、マルチパスフレームワークによって、論理ユニットにアクセスするために使用するパスが制御され、URI はアクセスパスではなく、ユニットを識別するためにのみ使用されます。

イニシエータやターゲット ID が一致していないが、論理ユニットが論理ユニット名に基づいて見つかった場合、ユニットには代替パス経由でアクセスされます。

論理ユニット URI タイプは作成操作をサポートしていません。

iSCSI URI

iscsi:///luname.naa.<ID>
iscsi:///luname.eui.<ID>  
iscsi://<host>[:<port>]/luname.naa.<ID>
iscsi://<host>[:<port>]/luname.eui.<ID>  
iscsi:///target.<IQN>,lun.<LUN>
iscsi://<host>[:<port>]/target.<IQN>,lun.<LUN>

IQN は iSCSI Qualified Name (iSCSI 修飾名) を表し、型式は iqn.YYYY-MM.<org-naming-auth>[:<string-defined-by-org>] です。IQN 形式は、『RFC 3721, Internet Small Computer Systems Interface (iSCSI) Naming and Discovery』で定義され、詳しく説明されています。<string-defined-by-org> を汎用一意識別子 (UUID) にすることをお勧めします。

イニシエータ、ターゲット、および LUN から論理ユニット名へのマッピングがイニシエータに依存しないように構成されている場合、iSCSI URI のターゲット、LUN 形式の使用はホスト間でのみ転送可能になります。

たとえば、

iscsi:///luname.eui.0021280001cf80f6  
iscsi:///luname.naa.600144f03d70c80000004ea57da10001
iscsi://[::1]/luname.naa.600144f03d70c80000004ea57da10001
iscsi://127.0.0.1/luname.naa.600144f03d70c80000004ea57da10001
iscsi://127.0.0.1:3260/luname.naa.600144f03d70c80000004ea57da10001
iscsi://hostname:3260/luname.eui.0021280001cf80f6  
iscsi://hostname:3260/luname.naa.600144f03d70c80000004ea57da10001

iscsi://127.0.0.1/target.iqn.com.sun:02:d0f2d311-f703,lun.0
iscsi://127.0.0.1:3260/target.iqn.com.sun:02:d0f2d311-f703,lun.3
iscsi:///target.iqn.com.sun:02:d0f2d311-f703,lun.6
iscsi://[::1]/target.iqn.com.sun:02:d0f2d311-f703,lun.2
iscsi://hostname:3260/target.iqn.com.sun:4db41b76-e3d7-cd2f-bf2d-9abef784d76c,lun.0

iSCSI URI は iSCSI プロトコル経由でアクセス可能な論理ユニット番号に基づいてオブジェクトを指定します。オプションの hostname[:<port>] 権限セクションは、コンシューマが送信先検出アドレスを設定するための情報を提供します。IPv6 アドレスは角括弧で囲む必要があります。

ID の形式については、「論理ユニット URI」セクションで説明しています。NAA および EUI-64 ベースの識別子形式の詳細については、「注」を参照してください。

iSCSI URI タイプは作成操作をサポートしていません。

NFS URI

nfs://<user>:<group>@<host>[:<port>]/<nfs-share-path>/<file>

たとえば、

nfs://admin:staff@host/export/test/nfs_file 
nfs://admin:staff@host:1000/export/test/nfs_file

NFS URI は、指定された NFS ファイル上に作成された lofi デバイスに基づいてオブジェクトを指定します。NFS ファイルは、ユーザーとグループから取得された資格情報を使用してアクセスされます。ユーザーとグループは usernames または userids として指定できます。ホストは IPv4 アドレス、IPv6 アドレス、またはホスト名として指定できます。IPv6 アドレスは角括弧で囲む必要があります。

NFS URI タイプは作成操作をサポートしています。

ファイル URI

file://<user>:<group>@<host>/<file-path>

たとえば、

file://admin:staff@/filepath 
file://admin:staff@localhost/filepath

ファイル URI は、指定されたローカルファイル上に作成された lofi デバイスに基づいてオブジェクトを指定します。ファイルは、ユーザーとグループから取得された資格情報を使用してアクセスされます。ユーザーとグループは usernames または userids として指定できます。ホストを指定する必要はありませんが、指定する場合は localhost である必要があります。

ファイル URI タイプは作成操作をサポートしています。

URI の取得

URI を手動で生成することによるエラーを避けるには、suriadm(8) のサブコマンド lookup-uri を使用して、既存のシステムデバイスパス、論理ユニット名、またはその他の情報に基づいて URI を生成することをお勧めします。詳細は、suriadm(8) のマニュアルページを参照してください。このような情報は、ほかの手段を使用して事前に識別されます。ファイバチャネルデバイスの場合は、fcadm(8) を使用できます。Serial Attached SCSI デバイスの場合は、sasinfo(8) を使用できます。iSCSI デバイスの場合は、iscsiadm(8) を使用できます。

属性

属性についての詳細は、マニュアルページの attributes(7) を参照してください。

属性タイプ
属性値
使用条件
system/library/storage/suri
インタフェースの安定性
確実

関連項目

attributes(7), fcadm(8), iscsiadm(8), lofi(4D), sasinfo(8), suriadm(8), zpool(8)

『Small Computer System Interface-3 (SCSI-3)』

RFC 3986 - Uniform Resource Identifier (URI): Generic Syntax

NAA は Name Address Authority の略であり、形式とその識別子の長さを指定する識別子内のフィールドです。NAA 識別子の形式は、SCSI Primary Commands - 3 仕様の 7.6.3.6 NAA 識別子形式に関するセクションに定義されています。WWN (World Wide Name) 識別子では NAA 識別子形式が使われます。EUI-64 は、64 ビットの拡張一意識別子を表し、その形式は IEEE によって定義されています。