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Oracle® Server Management Agents for Oracle Solaris 11.3 ユーザーズガイド

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更新: 2017 年 3 月
 
 

Hardware Management Agent 構成ファイル

デフォルトでは、Hardware Management Agent はストレージポーラーを管理し、システム内のストレージデバイスに関する Oracle ILOM 情報 (これらのデバイスに対するあらゆる変更情報を含む) を提供します。

Oracle Solaris 11.3 SRU 18 では、Oracle ILOM がトラップを送信した際にトラッププロキシからエージェントに通知できるようにする機能が追加されました。Oracle ILOM に定期的にポーリングして情報を取得する代わりに、トラップの検出により、Oracle ILOM から最新データを取得するための更新サイクルが開始されます。デフォルトでは、トラップによってポーリングサイクルがトリガーされない場合、Oracle ILOM は 1 時間に 1 回 Hardware Management Agent によってポーリングされます。


注 -  トラップベースのポーリング機能が動作するのは、ホストが SNMP モニタリング用に構成されており、Oracle ILOM トラッププロキシが設定されている場合のみです。Oracle ILOM トラッププロキシの設定については、itpconfig を使用した Oracle ILOM SNMP トラップ転送の構成を参照してください。

センサー値 (温度/電圧) のより高精度のリアルタイムデータが必要な場合は、カスタムの「polling_round_delay」構成オプションを /etc/ssm/hwmgmtd.conf ファイルに追加できます。このオプションを構成ファイルに追加すると、デフォルトのポーリング間隔を変更できます。

SNMP モニタリングでは、Hardware Management Agent を、Oracle Hardware Management Pack に含まれている SUN-HW-MONITORING-MIB および SUN-STORAGE-MIB の SNMP エージェントとして構成できます。これにより、これらの MIB に格納されている情報を、ホスト上で実行されているネイティブ SNMP サービスから問い合わせることができます。この機能はデフォルトではオフになっていますが、hwmgmtd.conf 構成ファイルで構成できます。

Hardware Management Agent は、/var/log/ssm/hwmgmtd.log ファイルへのログメッセージの記録も行います。これらのメッセージは、Hardware Management Agent の実行ステータスのトラブルシューティングに使用できます。ログレベルは、基本パラメータまたはビットフラグパラメータを使用して構成します。

以降のサブセクションでは、hwmgmtd.conf ファイル内の構成可能なパラメータについて説明します。構成の実行方法については、Hardware Management Agent の SNMP サポートおよびロギングレベルの構成を参照してください。

ポーリングと SNMP のサポート

次の表は、ホストで SNMP モニタリングを使用する場合に、hwmgmtd.conf ファイルでポーリングとスレッドの選択に対して構成できる値を示しています。


注 -  デフォルトのポーリング構成は、SNMP モニタリングが使用されていないシステムに最適な機能を提供します。ホストベースの SNMP モニタリングが構成されており、itpconfig を使用して Oracle ILOM トラッププロキシが設定されている場合、Hardware Management Agent は Oracle ILOM の初期ポーリングを実行したあと、Oracle ILOM の SNMP トラップを待機していつ再ポーリングが必要かを判断します。SNMP ポーリングスレッドを有効にすると、Hardware Management Agent が使用するリソースが増加し、システムのパフォーマンスに影響する可能性があります。
スレッド
説明
storage_poller_enabled=<value>
有効になっている場合、Hardware Management Agent はホストの内部ストレージに関する最新情報を Oracle ILOM に提供します。さらに、ホストで SNMP モニタリングが有効になっている場合、このポーラーは、SUN-STORAGE-MIB へのホストの SNMP リクエストに応答します。
サポートされる値: 0=無効、1=有効。デフォルトは 1 です。

注 -  ストレージ情報が Oracle ILOM に送信されなくなるため、このパラメータを無効にすることはお勧めしません。

inventory_poller_enabled=<value>
有効になっている場合、このポーラーは、SUN-HW-MONITORING-MIB へのホストの SNMP リクエストに応答します。
サポートされる値: 0=無効、1=有効。デフォルトは 0 です。
request_thread_enabled=<value>
有効になっている場合、Hardware Management Agent はホストの SNMP リクエストに応答し、Oracle ILOM によって生成される SNMP トラップを待機します。
サポートされる値: 0=無効、1=有効。デフォルトは 0 です。
polling_round_delay=<time in seconds>
必要な場合は、このオプションを追加できます。このオプションが設定されている場合は、毎時間の、あるいはホストベースの SNMP モニタリングと Oracle ILOM トラッププロキシが使用されているときはそれより早い、デフォルトのポーリング遅延がオーバーライドされます。センサー値に関するより精密なリアルタイムデータ (温度/電圧) が必要な場合には、このオプションを追加することもできます。
デフォルトのスリープ時間を秒単位で設定します。

注 -  このオプションを使用するときは、システムリソースの使用が増加するため、60 秒未満に設定することはお勧めしません。

ログレベル: 基本パラメータとビットフラグパラメータ

次の表は、hwmgmtd.conf ファイルの hwagentd_log_levels セクションでサポートされる基本値を示しています。

ログレベル
記録されるメッセージ
ERROR
Hardware Management Agent によって生成されるエラーメッセージ
WARNING
Hardware Management Agent によって生成されるエラーおよび警告メッセージ
INFO
Hardware Management Agent によって生成されるエラーおよび警告メッセージと、正常な動作に関する通知メッセージ

ビットフラグパラメータを使用すると、より細かい粒度でロギングレベルを設定できます。次の表は、サポートされる値を示しています。


注 -  基本ロギングレベルを使用することをお勧めします。ビットフラグパラメータは、高度なトラブルシューティングで使用されます。
ログレベル
ビットコード
記録されるメッセージ
EMERG
0x0001
使用できなくなっているシステムに関する情報
ALARM
0x0002
すぐに実行する必要のあるアクションについての情報
CRIT
0x0004
重大な状態のために起動または停止できない Hardware Management Agent に関する情報
ERROR
0x0008
Hardware Management Agent によって生成されるエラーメッセージに関する情報
WARNING
0x0010
Hardware Management Agent によって生成されるエラーおよび警告メッセージに関する情報
NOTICE
0x0020
正常な動作に関する情報
INFO
0x0040
Hardware Management Agent によって生成されるエラーおよび警告メッセージと、正常な動作に関する通知メッセージに関する情報
DEBUG
0x0080
トラブルシューティングに役立つ詳細なデバッグレベルメッセージ
TRACE
0x0100
トラブルシューティングに役立つ非常に詳細なデバッグレベルメッセージ

注 -  DEBUG レベルと TRACE レベルでは大量の詳細メッセージが生成され、これらはトラブルシューティング用に設計されています。運用時にはこれらのレベルを使用しないことをお勧めします。

たとえば、EMERG と NOTICE の間のすべてのロギングレベルを設定するときは、必要なすべてのレベルのビットコード値を加算したあと、10 進値に変換する必要があります。前述の表を参考にすると、加算は次のようになります。

0x0001 + 0x0002 + 0x0004 + 0x0008 + 0x0010 + 0x0020 = 0x003f

0x003f を 10 進値に変換すると 63 に等しくなり、これが望ましいログレベルです。これは、hwmgmtd.conf ファイル内の hwagentd_log_levels パラメータに割り当てるべき 10 進数です。