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Oracle Enterprise Pack for Eclipse Oracle Mobile Application Framework (OEPE Edition)でのモバイル・アプリケーションの開発
リリース2.3.0
E77213-01
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C MAFアプリケーションとプロジェクト・ファイル

この付録では、モバイル・アプリケーション・フレームワークのアプリケーション・テンプレートを使用してMAFアプリケーションを作成する際に、OEPEによって生成されるファイルについて説明します。

この付録の内容は次のとおりです。

C.1 MAFアプリケーションとプロジェクト・ファイルの概要

デフォルトでは、次のようになります。OEPEによって、次の3つのプロジェクトを含むMAFアプリケーションが作成されます。

  • 最上位レベルまたはアセンブリ・プロジェクト。これは、アプリケーションのパッケージ化およびデプロイメントに必要なすべてのアーティファクトを保持します。また、以前のバージョンのMAFからアプリケーションを移行する場合、アセンブリ・プロジェクトは、プロジェクトで使用されるMAFランタイムのバージョンを追跡します。

  • アプリケーション・プロジェクト、applicationApplication

  • ビュー・コントローラタイプ・プロジェクト、applicationView。これには、ソース・フォルダ(src)およびViewContentフォルダが含まれます。

データ・コントロールは次のとおりです。

  • デバイス機能データ・コントール。このデータ・コントロールによってApache Cordova Java APIが抽象化され、MAF AMXとして実装されているアプリケーション機能は、デバイスに埋め込まれている様々なサービスにアクセスできるようになります。

  • スプリングボード・ページを構築できるアプリケーション機能データ・コントール。

これらのプロジェクトの詳細は、第C.2項「アセンブリ・レベルのリソースについて」第C.3項「アプリケーション・プロジェクト・リソースについて」および第C.4項「ビュー・プロジェクト・リソースについて」を参照してください。

これらのプロジェクト内には、MAFアプリケーションとアプリケーション機能の構成用ファイル、またはMAFアプリケーションをターゲット・プラットフォームにデプロイする際にそのアプリケーションで必要になるファイルもOEPEによって生成されます。ほとんどの場合、生成されたファイルを直接操作することはありません。かわりに、MAFアプリケーション・エディタ、MAF機能エディタ、データ・コントロール・マネージャなどのエディタを使用します。

C.2 アセンブリ・レベルのリソースについて

OEPEは、アセンブリ・プロジェクトにMAFアプリケーション用のファイルを生成します。これらのファイル(表C-1を参照)には、MAFプリケーションのメタデータを記述するための構成ファイルが含まれています。図C-1に示すように、「プロジェクト・エクスプローラ」ペインからこれらのファイルにアクセスします。

図C-1 モバイル・アプリケーション・アーティファクト

周囲のテキストで図C-1を説明しています。

(デフォルトの名前applicationで生成された)アセンブリ・プロジェクトには、アプリケーション全体のリソースが格納されており、MAFアプリケーションのプレゼンテーション・レイヤーが提供され、ここには、モバイル・デバイスでのアプリケーションの表示方法を構成するためのメタデータ・ファイルが含まれています。このプロジェクトはMAFアプリケーションのセキュリティを指定するもので、アプリケーションのログイン・ページ、およびアプリケーション全体のリソースを含めることができます。アプリケーション・コントローラ・プロジェクトは、本質的には、アプリケーション機能とそのコンテンツを定義するビュー・コントローラ・プロジェクトのコンシューマです。

MAFアプリケーション・エディタを使用して、アプリケーションレベルのアーティファクト(つまりmaf-application.xml)を編集します。これを使用して、MAFアプリケーション自体(その名前など)、アプリケーション・ライフサイクル・リスナー(LifeCycleListenerImpl.java)、および埋込みアプリケーション機能のためのログイン・サーバー接続の構成を行います。

表C-1 アセンブリ・プロジェクトを介してアクセスされるモバイル・アプリケーションレベルのアーティファクト

アーティファクト ファイルの場所 説明

maf-application.xml

assembly project directory\adf\Meta-INF

次に例を示します。

workspace\application name\adf\META-INF\maf-application.xml

MAFアプリケーションを定義できる、スタブXMLアプリケーションの識別子ファイル。ADF Fusion Webアプリケーションのアプリケーション識別子と同様に、これによって、アプリケーションのコンテンツ、ナビゲーション動作およびユーザー認証要件を定義できます。

このファイルは、MAFアプリケーション・エディタを使用して編集します。

maf-config.xml

assembly project directory\adf\Meta-INF

次に例を示します。

workspace\application name\adf\META-INF\maf-config.xml

MAFアプリケーションに使用されるデフォルト・スキンの構成に使用されます。

アプリケーション・イメージ

assembly project directory\res\android

assembly project directory\res\ios

次に例を示します。

workspace\application name\res\ios\Default.png

iOSおよびAndroidアプリケーションのデプロイメントに必要とされる一連のイメージ。ここには、アプリケーション・アイコンやスプラッシュ画面のPNGイメージも含まれます。iPhoneなどのiOSデバイスへのデプロイメントでは、様々なサイズのイメージ・セットが必要です。

プロジェクトで提供されるデフォルトのiOSイメージは次のとおりです。

  • デバイスが縦方向と横方向の両方の場合に使用されるイメージ。

  • Retinaディスプレイに使用されるイメージ(つまり、icon.pngおよびicon@2x.png)

  • iPadイメージ(icon-72.png)

これらのイメージをオーバーライドするには、第27.3.1.5項「Androidアプリケーションへのカスタム・イメージの追加方法」を参照してください。

cacerts

assembly project directory\lib\security

次に例を示します。

workspace\application name\security\cacerts

システム全体のキーストアであるcacerts証明書ファイル。JVM 1.4に対するCA証明書を識別します。このファイルは、Java keytoolユーティリティを使用して更新できます。第29.11項「認証に双方向SSLを有効にするためのMAFアプリケーションの構成」で説明するように、keytoolを使用してカスタム証明書ファイルを作成できます。証明書ファイルは、すべてSecurityディレクトリ内に配置する必要があります。

logging.properties

assembly project directory\META-INF

次に例を示します。

workspace\application name\META-INF\logging.properties

ロギング・レベルやロギング・コンソールなど、アプリケーション・エラーのロギングを設定できます。詳細は、第30.6項「MAFアプリケーションでのロギングの使用および構成」を参照してください。

maf.properties

assembly project directoryMETA-INF

次に例を示します。

workspace\application name\META-INF\maf.properties

Java仮想マシン、JVM 1.4の構成ファイル。このファイルを使用して、アプリケーションの起動やヒープ領域の割当て、JavaおよびJavaScriptのデバッグ・オプションを構成します。詳細は、第30.3.2項「JavaコードおよびJavaScriptのデバッグを有効にする方法」を参照してください。

adf-config.xml

assembly project directory\adf\META-INF

次に例を示します。

workspace\application\adf\META-INF\adf-config.xml

構成サービス・パラメータなど、アプリケーション・レベルの設定の構成に使用します。第14章「MAFアプリケーションで使用されるエンド・ポイントの構成」も参照してください。

connections.xml

assembly project directory\adf\META-INF

次に例を示します。

workspace\application\adf\META-INF\connections.xml

MAFアプリケーションで定義されているすべての接続のリポジトリ。

sync-config.xml

assembly project directory\.adf\META-INF

次に例を示します。

workspace\application\META-INF\sync-config.xml

REST Webサービスから返されたデータのオフライン・キャッシュ用の構成ファイル。キャッシュはパフォーマンスを上げることでユーザーの操作性を向上させるだけでなく、ユーザーがオフライン・モードで作業しているときにデータの読取りや表示を行えるようにします。


C.3 アプリケーション・プロジェクト・リソースについて

アプリケーション・プロジェクト自体(デフォルト名applicationApplicationで生成)の中に、OEPEにより表C-2に示される次のアーティファクトが作成されます。

図C-2 アプリケーション・プロジェクト

この図は周囲のテキストで説明しています

MAF機能エディタを使用して、アプリケーションレベルのアーティファクト(つまりmaf-feature.xml)を編集します。これによって、MAFアプリケーションを構成するアプリケーション機能を記述します。

表C-2 アプリケーション・プロジェクトのアーティファクト

アーティファクト ファイルの場所 説明

LifeCycleListenerImpl.java

application project directory\src\application

次に例を示します。

workspace\application project\src\application\LifeCycleListenerImpl.java

MAFアプリケーションのデフォルトのアプリケーション・ライフサイクル・リスナー(ALCL)。

maf-skins.xml

application project directory\src\META-INF

次に例を示します。

workspace\application project\src\META-INF\maf-skins.xml

使用可能なスキンを定義するもので、新しいスキンを定義することもできます。

詳細は、第7章「MAFアプリケーションのスキニング」を参照してください。

adfm.xml

application project directory \adfmsrc\META-INF

次に例を示します。

workspace\application project\adfmsrc\META-INF\adfm.xml

.cpx.dcx.jpxおよび.xcfgファイル(メタデータのレジストリ)のパス(および相対パス)を維持します。

DataControls.dcx

application project directory\adfmsrc\application

次に例を示します。

workspace\application project\adfmsrc\application\DataControls.dcx

データ・コントロールのレジストリ。デバイスのサービスを活用するDeviceFeaturesデータ・コントロールの使用方法の詳細は、第13章「MAF AMXでのバインディングの使用とデータ・コントロールの作成」を参照してください。埋込みアプリケーション機能をコールするSpringboardページを作成できるようにするApplicationFeaturesデータ・コントロールの詳細は、第4.6項「MAF AMXコンテンツによるカスタムSpringboardアプリケーション機能に関する必知事項」を参照してください。


C.4 ビュー・プロジェクト・リソースについて

ビュー・プロジェクト(図C-3に示すとおり、デフォルト名applicationViewで生成)には、アプリケーション機能のリソースが格納されます。第C.2項「アセンブリ・レベルのリソースについて」で説明したアプリケーション・プロジェクトとは異なり、ビュー・プロジェクトのメタデータ・ファイルでは、アプリケーション機能レベルのリソース、特に、実行時にモバイル・デバイスでMAFアプリケーション自体のスプリングボード内またはそのナビゲーション・バーに表示できるように1つのMAFアプリケーションに集約可能な様々なアプリケーション機能を記述します。さらに、アプリケーション機能のメタデータ・ファイルでは、アプリケーション機能をHTMLページかMAF AMXページのどちらで構成するのかが記述されます。また、ビュー・コントローラ・プロジェクトには、これらのアプリケーション・ページと、アプリケーション機能レベルのリソース(MAFアプリケーション用に定義された、Springboardおよびナビゲーション・バー上のアプリケーション機能を表すアイコン・イメージなど)を含めることができます。


ヒント:

ビュー・コントローラ・プロジェクト内には、アプリケーション機能に固有のコードを格納します。アプリケーション・コントローラ・プロジェクトは、(特に別々のビュー・コントローラ・プロジェクト内で定義されている)アプリケーション機能間で共有されるコードの場所として使用してください。

ビュー・コントローラ・プロジェクトは、アプリケーション・コントローラ・プロジェクトと分離して、別のモバイル・アプリケーションで再使用できるように、アーカイブ・ファイルとしてデプロイできます(第8.1項「機能アーカイブ・ファイルの概要」を参照)。また、稀なケースとして、アプリケーション・コントローラ・プロジェクトが複数のビュー・コントローラ・プロジェクトを使用することもできます。


注意:

MAFビュー・コントローラ・プロジェクトを別のMAFビュー・コントローラ・プロジェクトの依存性またはMAFアプリケーション・コントローラ・プロジェクトの依存性として追加すると、MAFアプリケーションをデプロイできなくなります。

図C-3 ビュー・プロジェクト

この図は周囲のテキストで説明しています

これらのリソースには、maf-feature.xmlと呼ばれるアプリケーション機能の構成ファイルが含まれ、これはMAF機能エディタで編集します。

表C-3 ビュー・コントローラのアーティファクト

アーティファクト ファイルの場所 説明

maf-feature.xml

view project directory\src\META_INF

次に例を示します。

workspace\application View\src\META-INF

アプリケーション機能を定義できるようにする、スタブXMLの識別子ファイル。

Oracle Enterprise Pack Oracle Enterprise Pack for Eclipseのインストールの説明に従ってモバイル・プリファレンスを構成した後、デフォルトのデプロイメント構成設定を使用してこのアプリケーションをデプロイできます。詳細は、第27章「MAFアプリケーションのデプロイ」を参照してください。

アプリケーション固有のコンテンツ

view project directory\public_html

次に例を示します。

workspace\application View\public_html

maf-feature.xmlで定義されたアプリケーション機能は、public_htmlディレクトリに表示されます。モバイル・コンテンツには、MAF AMXページ、CSSファイルおよびタスク・フローを含めることができます。アプリケーション機能に追加するカスタム・イメージは、このディレクトリ内に配置する必要があります。詳細は、第5.4項「外部リソースの選択に関する必知事項」を参照してください。