4.4 インストールのためのプロパティ・ファイルの準備

OAA、OARMおよびOUAのインストールは、installOAA.propertiesファイルでプロパティを設定してカスタマイズできます。installOAA.propertiesは、管理コンテナのインストール・スクリプトで使用され、管理コンテナ・ポッドのインストール中に<NFS_CONFIG_PATH>にコピーされます。installOAA.propertiesファイルは、後で、OAA、OARMおよびOUAのデプロイ時にOAA.shスクリプトに引数として渡されます。「OAA、OARMおよびOUAのデプロイ」を参照してください。

次の各項で、installOAA.propertiesで許可されるカスタマイズについて説明します。

4.4.1 共通のデプロイメント構成

この項では、installOAA.propertiesで設定できる共通のデプロイメント構成プロパティについて詳しく説明します。

表4-4 共通のデプロイメント構成

プロパティ 必須/オプション インストール・タイプ 説明
common.dryrun オプション すべて 有効にしてtrueに設定すると、helmインストールでは生成された値のみが表示され、KubernetesクラスタでのOAA/OARM/OUAインストールは実際には実行されません。

これは、helmコマンドの--dry-run --debugオプションと同等です。

common.deployment.name 必須 すべて OAAインストールの名前。これは、helm installコマンドの実行時にはkubernetesクラスタおよびネームスペースごとに一意です。

指定する値は小文字にする必要があります。

common.deployment.overridefile オプション すべて チャート・パラメータのオーバーライドに関するオーバーライド・ファイル。helmチャートは、管理コンテナ内のhelmchartsディレクトリにあります。values.yamlに定義されているすべてのパラメータは、有効になっていれば、このファイルでオーバーライドできます。このファイルの形式は、必ずYAMLにする必要があります。管理コンテナ内の~/installsettingsディレクトリに、サンプルのoaaoverride.yamlファイルが存在します。
common.kube.context オプション すべて 使用するKubernetesコンテキストの名前。

コンテキストを指定しない場合、デフォルトのKubernetesコンテキストが使用されます。

common.kube.namespace オプション すべて デプロイメントを作成するネームスペース。これは、「Kubernetesネームスペースおよびシークレットの作成」で作成したネームスペースである必要があります。パラメータが設定されていない場合は、デフォルト・ネームスペースにデプロイされます。
common.deployment.sslcert 必須 すべて インストールで使用されるサーバー証明書のPKCS12ファイル。ファイル名(cert.p12など)は、「サーバー証明書および信頼証明書の生成」で生成したものと同じファイル名です。これはコンテナ内でマップされる内部パスであるため、PATHは変更しないでください。

ファイルはボールトにシードされ、すべてのOAA/OARM/OUAマイクロサービスによってダウンロードされます

common.deployment.trustcert 必須 すべて インストールで使用される信頼できる証明書のPKCS12ファイル。ファイル名(trust.p12など)は、「サーバー証明書および信頼証明書の生成」で生成したものと同じファイル名です。これはコンテナ内でマップされる内部パスであるため、PATHは変更しないでください。

ファイルはボールトにシードされ、すべてのOAA/OARM/OUAマイクロサービスによってダウンロードされます

common.deployment.importtruststore 必須 すべて 有効になっている場合、信頼証明書がJREトラストストアにインポートされます。
common.deployment.keystorepassphrase 必須 すべて 証明書PKCS12ファイルのパスフレーズ。これは、「サーバー証明書および信頼証明書の生成」でキーストアを作成するときに使用したパスフレーズです。

ここに値を指定しない場合、インストール時に値の入力を求めるプロンプトが表示されます

common.deployment.truststorepassphrase 必須 すべて 信頼証明書のPKCS12ファイルのパスフレーズ。これは、「サーバー証明書および信頼証明書の生成」で信頼キーストアを作成するときに使用したパスフレーズです

ここに値を指定しない場合、インストール時に値の入力を求めるプロンプトが表示されます。

common.deployment.generate.secret 必須 すべて trueに設定すると、インストールによって3つの対称キーが生成され、パラメータcommon.deployment.sslcertが参照するcert.p12に追加されます。
次の暗号化キーが生成されます:
  • spui-enckey - このキーは、SPUIサービスによって暗号化に使用されます
  • aes256_db_key_alias - このキーは、ナレッジ・ベース認証(KBA).のユーザー質問/回答など、データベースのユーザー・ランタイム情報の暗号化に使用されます
  • aes256_config_key_alias - このキーは、システム関連の構成をすべて暗号化するためのものです
これらのキーを手動で作成する場合は、値をfalseに設定する必要があります。キーを作成するには、次のコマンドを実行します:
keytool -genseckey -alias $keynametouse -keyalg $KEYALGO -keystore $KEYSTORE -storepass $STOREPASS -storetype $STORETYPE -keysize $KEYSIZE
例:
keytool -genseckey -alias spui-enckey -keyalg AES -keystore cert.p12 -storepass <password> -storetype PKCS12 -keysize 256
common.deployment.mode 必須 すべて 次の値をinstallOAA.propertiesに設定できます
  • Both - OAAおよびOARMがインストールされます
  • OAA - OAAのみがインストールされます
  • Risk - OARMのみがインストールされます
  • OUA - OAA、OARMおよびOUAをインストールします。
common.migration.configkey オプション すべて Base64でエンコードされた移行システムの構成キー。有効にすると、値がボールトに配置され、レガシー・データの移行に使用されます。これは、Oracle Adaptive Access Manager 11gR2PS3から移行する場合にのみ使用します。
common.migration.dbkey オプション すべて Base64でエンコードされた移行システムのデータベース・キー。有効にすると、値がボールトに配置され、データベース・データの移行に使用されます。これは、Oracle Adaptive Access Manager 11gR2PS3から移行する場合にのみ使用します。
common.oim.integration オプション OARMのみを除くすべてのインストール OIMと統合するには、プロパティをtrueに設定します。これにより、パスワードを忘れた場合の機能も有効になります。これは、Oracle Adaptive Access Manager 11gR2PS3から移行する場合にのみ使用します。
common.deployment.push.apnsjksfile オプション OARMのみを除くすべてのインストール Appleプッシュ通知サービスのプッシュ・ファクタを有効化する際に使用されるファイル。これを設定する必要があるのは、インストール前にJKSファイルの構成が済んでいる場合のみです。それ以外の場合は、インストール後に構成できます。JKSファイルを<NFS_VAULT_PATH>/ChallengeOMAPUSH/apns/ディレクトリにコピーする必要があります。値は/u01/oracle/service/store/oaa/ChallengeOMAPUSH/apns/APNSCertificate.jksに設定する必要があります。詳細は、「iOSでのOracle Mobile Authenticatorのプッシュ通知の構成」を参照してください。

4.4.2 データベース構成

この項では、installOAA.propertiesで設定できるデータベース構成プロパティについて詳しく説明します。

表4-5 データベース構成

プロパティ 必須/オプション 説明
database.createschema 必須

インストール時にスキーマの作成を可能にします。

これがfalseに設定されている場合、スキーマは作成されません。ただし、このフラグに関係なく、データベース検証が実行されます

database.host 必須 データベースのホスト名またはIPアドレスを指定します。
database.port 必須 データベース・ポートを指定します
database.sysuser 必須 データベースのsysdbaユーザーを指定します
database.syspassword 必須 sysパスワードを指定します。

ここに値を指定しない場合、インストール時に値の入力を求めるプロンプトが表示されます。

database.schema 必須 インストールに使用するデータベース・スキーマの名前を指定します。

ノート:

スキーマ名は12文字以下で、大文字にする必要があります。
database.tablespace 必須 インストールに使用する表領域名を指定します。
database.schemapassword 必須 スキーマ・パスワードを指定します。

ここに値を指定しない場合、インストール時に値の入力を求めるプロンプトが表示されます。

database.svc 必須 データベース・サービス名を指定します
database.name 必須 データベース名を指定します。データベース・サービス名と同じでもかまいません

RACデータベースを使用している場合、このパラメータは必要ありません。

ノート:

SSLを介してOracle Databaseへのセキュアな接続を使用する場合は、追加の構成ステップが必要です。これらのステップは、管理コンテナの起動後、OAA、OARMおよびOUAのデプロイの前に実行する必要があります:
  1. データベースのOracleウォレットを取得します:
    1. 標準のOracleデータベースの場合、Oracle Databaseウォレットの検索方法の詳細は、データベース固有のドキュメントを参照してください。
    2. Oracle Autonomous Database on Shared Exadata Infrastructure (ATP-S)データベースの場合、クライアント資格証明のダウンロードに関する項に従います。
  2. OAAデプロイメントで使用される<NFS_CONFIG_PATH>db_walletディレクトリを作成します。ウォレット・ファイルを<NFS_CONFIG_PATH>/db_walletディレクトリにコピーします。
  3. OAA管理ポッドのbashシェルに入ります:
    kubectl exec -n <namespace> -ti <oaamgmt-pod> -- /bin/bash
    たとえば:
    kubectl exec -n oaans -ti oaamgmt-oaa-mgmt-7dfccb7cb7-lj6sv9 -- /bin/bash
  4. コンテナ内でTNS_ADMIN環境変数を設定します:
    export TNS_ADMIN=<NFS_CONFIG_PATH>/db_wallet
    db_walletディレクトリには、コンテナ内からアクセスできるように、正しい読取りおよび書込みアクセス権限が必要です。
  5. 「OAA、OARMおよびOUAのデプロイ」に従ってOAAをデプロイします。

4.4.3 OAM OAuth構成

この項では、installOAA.propertiesで設定できるOAM OAuth構成プロパティについて詳しく説明します。

OAuth用にOAMを構成するための前提条件ステップを実行したことを確認してください。詳細は、「Oracle Access Management OAuthの構成」を参照してください。

表4-6 OAM OAuth構成

プロパティ 必須/オプション 説明
oauth.enabled 必須

管理コンソールおよびセルフサービス・ポータルを使用する場合は、OAuthが必要です。

管理コンソールおよびセルフサービス・ポータルへのアクセスが必要な場合は、これをtrueに設定して、OAAインストールでOAuthを有効にする必要があります。

管理コンソールおよびセルフサービス・ポータルにアクセスしない場合は、これをfalseに設定します。oauth.enabled=falseを設定した場合、次のプロパティもfalseに設定し、インストールが失敗しないようにする必要があります:
  • oauth.createdomain
  • oauth.createresource
  • oauth.createclient
oauth.enabled=falseの場合、Optional Configurationで次のパラメータをfalseに設定する必要もあります:
  • install.spui.enabled
  • install.oaa-admin-ui.enabled
  • install.fido.enabled
  • install.oaa-kba.enabled
oauth.createdomain オプション OAuthドメインを作成します。

OAuthドメインは、OAuthリソースおよびクライアントの作成に必要です。

oauth.createresource オプション OAuthリソースを作成します。

OAuthリソースは、OAuthクライアントの作成に必要です。

oauth.createclient オプション OAuthクライアントを作成します。

oauth.enabledtrueに設定されている場合は、OAuthクライアントが必要です。

oauth.domainname

oauth.createdomaintrueに設定されている場合は必須

OAuthドメイン名を指定します。これは、「Oracle Access Management OAuthの構成」で指定した<DomainName>と同じである必要があります。
oauth.identityprovider oauth.createdomaintrueに設定されている場合は必須 OAM OAuthドメインのアイデンティティ・プロバイダを指定します。これは、OAMで使用されるユーザー・アイデンティティ・ストアの名前です。
oauth.clientname

oauth.createclienttrueに設定されている場合は必須

インストール時に作成されるOAuthクライアント名を指定します。
oauth.clientgrants oauth.createclienttrueに設定されている場合は必須 OAuthクライアントのクライアント権限付与を指定します。OAuthクライアントにはCLIENT_CREDENTIALSが必要です。これは、OAuthステータスを確認するために検証ステージで使用されます。値は次のとおりです:

"PASSWORD"、"CLIENT_CREDENTIALS"、"JWT_BEARER"、"REFRESH_TOKEN"、"AUTHORIZATION_CODE"、"IMPLICIT"。

oauth.clienttype oauth.createclienttrueに設定されている場合は必須 OAuthクライアント・タイプを指定します。OAM OAuthでは、次のクライアント・タイプがサポートされます:

PUBLIC_CLIENT、CONFIDENTIAL_CLIENT、MOBILE_CLIENT。

OAA管理コンソールおよびユーザー・プリファレンス・コンソールではOAuthが使用されるため、PUBLIC_CLIENTを使用する必要があります。

oauth.clientpassword oauth.enabled=trueの場合は必須 OAuthクライアントに使用するパスワードを指定します。クライアント・パスワードは正規表現^[a-zA-Z0-9.\-\/+=@_ ]*$に準拠する必要があり、最大長は500です。
oauth.resourcename oauth.enabled=trueの場合は必須 インストール時に作成されるOAuthリソース名を指定します。OAuth設定の検証にも使用されます。
oauth.resourcescope oauth.enabled=trueの場合は必須 インストール時に作成されるOAuthリソース・スコープを指定します。OAuth設定の検証にも使用されます。
oauth.redirecturl oauth.createclienttrueに設定されている場合は必須 クライアント・リダイレクトURLを指定します。認証後のリダイレクトURLが必要です。これは、アクセス・トークンを生成してOAMのOAuthサービスの構成を検証するために使用されます。
oauth.applicationid oauth.createclienttrueに設定されている場合は必須 OAuthによって保護されるOAAのアプリケーションID。値には、有効な任意の文字列を指定できます。OAAインストール後のOAMとOAA間のランタイム統合を設定する必要があります。「OAAとOAMとの統合」を参照してください。
oauth.adminurl oauth.enabled=trueの場合は必須 OAuth管理URLを指定します。これはOAM管理サーバーのURLです(例: http://oam.example.com:7001)。
oauth.basicauthzheader oauth.enabled=trueの場合は必須 OAM管理サーバーのBase64でエンコードされた認可ヘッダー。値は、echo -n weblogic:<password> | base64を実行して確認できます。
oauth.identityuri oauth.enabled=trueの場合は必須 アイデンティティ・サーバーのURLで、/.well-known/openid-configurationエンドポイントを使用したOIDCメタデータの取得に使用されます。これは、OAuthサービスのランタイム・サポートを提供するOAM管理対象サーバーのフロントエンドURLです。例: http://ohs.example.com:7777

4.4.4 ボールト構成

この項では、installOAA.propertiesで設定できるボールト構成プロパティについて詳しく説明します。

OCIボールトを使用している場合は、ファイルベースのボールトに設定するプロパティは無視できます。

表4-7 ボールト構成

プロパティ 説明
vault.deploy.name

このデプロイメントのボールトに使用する名前。名前がボールトにすでに存在する場合は、再利用されます。

vault.create.deploy 値がtrueに設定された場合、ボールトの作成が実行されます。ただし、vault.deploy.nameに指定された名前のボールトがすでに存在する場合、ボールトの作成はスキップされます。
vault.provider ボールトがOCIかファイルベースかを指定します
次のいずれかの値を指定します。
  • fks
  • oci
vault.provider=ociを設定した場合、OCIベースのボールト構成には、次のプロパティが必須です。OCIボールトの作成の詳細は、 ボールトの管理に関する項を参照してください次のパラメータを設定するには、OCIボールトが存在している必要があります。
vault.oci.uasoperator OCIボールトに対する読取りおよび書込み権限を持つユーザーのBase64でエンコードされた秘密キーを指定します。
vault.oci.tenancyId テナンシIDのBase64でエンコードされたOCI IDを指定します。
vault.oci.userId OCIボールトに対する読取りおよび書込み権限を持つユーザーのBase64でエンコードされたOCIDを指定します。
vault.oci.fpId OCIボールトに対する読取りおよび書込み権限を持つユーザーのBase64でエンコードされたフィンガープリントを指定します。
vault.oci.compartmentId OCIにボールトが存在するコンパートメントのBase64でエンコードされたOCIDを指定します。
vault.oci.vaultId OCI上のボールトのBase64でエンコードされたOCIDを指定します。
vault.oci.keyId ボールトのシークレットの暗号化に使用されるOCIボールト内のマスター秘密キーのBase64でエンコードされたOCIDを指定します。
vault.provider=fksを設定した場合、ファイルベースのボールト構成には、次のプロパティが必須です
vault.fks.server <NFS_VAULT_PATH>にNFSサーバーのホスト名またはIPアドレスを指定します。

詳細は、「NFSボリュームの構成」を参照してください。

vault.fks.path ファイル・ベースのボールトを格納する<NFS_VAULT_PATH>を指定します。

詳細は、「NFSボリュームの構成」を参照してください。

vault.fks.key ファイル・ベースのボールトのBase64でエンコードされたパスワードを指定します。パスワードのBase64でエンコードされたバージョンを検索するには、echo -n weblogic:<password> | base64を使用します。
vault.fks.mountpath 管理コンテナのマウント・パスと、ボールトが存在するインストール済サービスのマウント・パス。このプロパティの値は、helmチャートから渡された値と同一にする必要があります。この値は変更しないでください: /u01/oracle/service/store/oaa

4.4.5 Helmチャート構成

この項では、installOAA.propertiesで設定できるhelmチャート構成プロパティについて詳しく説明します。

これらのプロパティは、インストール時にhelmチャートへの入力として渡されます。

表4-8 Helmチャート構成

プロパティ 必須/オプション 説明
install.global.repo 必須

OAAコンテナ・イメージが存在するコンテナ・イメージ・レジストリを指定します。

詳細は、「コンテナ・イメージ・レジストリ(CIR)のインストール」を参照してください

install.global.testrepo オプション コンテナ・イメージをプルできる代替コンテナ・イメージ・レジストリを指定します。たとえば、OAAは、外部サイト(https://ghcr.io/oracle)からoraclelinux:8-slimおよびoraclelinux7-instantclientイメージをインストールします。Kubernetesクラスタがインターネットにアクセスできない場合は、イメージをプルしてコンテナ・レジストリに格納する必要があります。次に、install.global.testrepoをコンテナ・レジストリの場所に設定する必要があります。
install.riskdb.service.type 必須 データベースがOAAインストールの外部にあるため、このプロパティの値は常にExternalNameに設定する必要があります
install.global.imagePullSecrets\[0\].name 必須 保護されたコンテナ・イメージ・レジストリからコンテナ・イメージをプルするときに使用する必要があるKubernetesシークレット参照を指定します。

ノート:

これは、先に設定したKubernetesシークレット(dockersecretなど)に設定する必要があります。詳細は、「Kubernetesネームスペースおよびシークレットの作成」を参照してください。
install.global.image.tag 必須 グローバル・イメージ・タグをコンテナ・イメージ・レジストリのイメージ・タグに更新します。

ノート:

installOAA.properties.templateinstallOAA.propertiesにコピーした場合、このタグはすでに設定されています。
install.global.oauth.logouturl オプション OAuthで保護されたリソースのログアウトURLを指定します。これは、OAM管理対象サーバーのフロントエンドURLです。例: http://ohs.example.com:7777/oam/server/logoutoauth.enabledtrueに設定されている場合にのみ必要です。
install.global.uasapikey 必須 OAAマイクロサービスのRESTエンドポイントの保護に使用されるREST APIキーを指定します。
install.global.policyapikey 必須 OAAポリシー・マイクロサービスのRESTエンドポイントの保護に使用されるREST APIキーを指定します。
install.global.factorsapikey 必須 OAAファクタ・マイクロサービスのRESTエンドポイントの保護に使用されるREST APIキーを指定します。
install.global.riskapikey OARMをインストールするインストール・タイプの場合は必須です。 OAAリスク・マイクロサービスのRESTエンドポイントの保護に使用されるREST APIキーを指定します。

OAA-OARMインストール、OARMのみ、またはOAA-OARM-OUAインストールを実行する場合、このパラメータは必須です。

install.global.drssapikey OAA-OARM-OUAインストールの場合は必須です。 OAA DRSSマイクロサービスのRESTエンドポイントの保護に使用されるREST APIキーを指定します。

OAA-OARM-OUAインストールを実行する場合、このパラメータは必須です。

OCIボールトの場合、helmのインストール時に読取り専用ユーザーに対して指定すると、次の構成をオーバーライドできます。次のプロパティに値を指定しない場合、値はボールト構成から選択されます。
install.global.vault.mapId オプション 既存のボールトの場合は、Base64 mapIdを指定できます。プロパティが設定されている場合は、ボールト内のデプロイ情報に対して検証されます。
install.global.vault.oci.uasoperator オプション ボールトに対する読取り専用権限を持つユーザーのBase64でエンコードされた秘密キーを指定します。
install.global.vault.oci.tenancyId オプション OCIからのBase64でエンコードされたテナンシIDを指定します
install.global.vault.oci.userId オプション OCIからのBase64でエンコードされたユーザーIDを指定します。
install.global.vault.oci.fpId オプション OCIからのユーザーのBase64でエンコードされたフィンガープリントIDを指定します。

4.4.6 オプションの構成

この項では、installOAA.propertiesで設定できるオプションの構成プロパティについて詳しく説明します。

プロパティ 必須/オプション 説明
install.global.ingress.enabled オプション このプロパティは、デプロイメントでイングレスを有効化するかどうかを指定するために使用します。値がtrueに設定されている場合、デプロイメントのKubernetesクラスタ内のイングレス・リソースが生成されます。純粋なNodePortベースのデプロイメントが必要な場合は、値をfalseに設定する必要があります。
install.global.ingress.runtime.host オプション ランタイム・ホストのイングレス定義に使用するホスト名を指定できます。プロパティの値がない場合、イングレス定義は'*'ホストを使用して作成されます。

ランタイム・ホストは、すべてのfactors、oaa、spuiおよびriskを含むランタイム・サービスへのアクセスに使用されます。

install.global.ingress.admin.host オプション 管理ホストのイングレス定義に使用するホスト名を指定できます。プロパティの値がない場合、イングレス定義は'*'ホストを使用して作成されます。

管理ホストは、admin、policyおよびrisk-ccサービスへのアクセスに使用されます。

install.global.dbhost

install.global.dbport

install.global.dscredentials

install.global.dbservicename

オプション これらのプロパティはデータベースに関連しています。ここでプロパティを指定しない場合は、データベース構成で指定された値が使用されます。
install.global.oauth.oidcidentityuri

install.global.oauth.oidcaudience

install.global.oauth.oidcclientid

オプション 次のプロパティはOAuthに関連しています。ここで指定されない場合は、OAuth構成で指定された値が使用されます。
install.global.serviceurl オプション ロード・バランサ/イングレスURLが存在する場合は、URLをここで構成します。すべてのUIサービスは、このロード・バランサ/イングレスの背後に位置します。イングレス・インストールがtrueに設定されている場合、イングレスのインストール後に適切なサービスURLがフェッチされて、サービスURLとして使用されます。install.global.serviceurlを指定すると、このプロパティのサービスURLの優先度が高くなり、元の値がオーバーライドされます。
install.oaa-admin-ui.serviceurl オプション oaa管理のサービスURL (install.global.serviceurlと異なる場合)。
install.spui.enabled=false

install.fido.enabled=false

install.oaa-admin-ui.enabled=false

install.oaa-kba.enabled=false

オプション oauth.enabled=falseの場合、管理コンソール(oaa-admin-ui)、セルフサービス・ポータル(spui)、FIDO (fido)およびKBA (oaa-kba)ファクタは使用できません。oauth.enabled=falseの場合、これらのプロパティをコメント解除する必要があります。

common.deployment.mode=Riskの場合、次のサービスはデプロイされません: fido、push、yotp、email、sms、totpおよびkba。

install.totp.enabled=false

install.push.enabled=false

install.sms.enabled=false

install.yotp.enabled=false

install.email.enabled=false

  認証ファクタ・サービスはデフォルトで有効になっています。無効にするには、行をコメント解除します。

common.deployment.mode=Riskの場合、次のサービスはデプロイされません: fido、push、yotp、email、sms、totpおよびkba。

install.service.type=NodePort

install.oaa-admin-ui.service.type=NodePort

install.oaa-policy.service.type=NodePort

install.spui.service.type=NodePort

install.totp.service.type=NodePort

install.fido.service.type=NodePort

install.push.service.type=NodePort

install.email.service.type=NodePort

install.sms.service.type=NodePort

install.yotp.service.type=NodePort

install.risk.service.type=NodePort

install.oaa-kba.service.type=NodePort

install.oaa-drss.service.type=NodePort

install.risk.riskcc.service.type=NodePort

オプション サービスのデフォルト・サービス・タイプはNodePortです。

デプロイメント・モードがRiskの場合、次のサービスはデプロイされません: fido、push、yotp、email、sms、totpおよびkba。

install.global.ingress.enabled=trueの場合、これらのパラメータをすべてコメント・アウトする必要があります。

イングレスを使用したインストールの詳細は、「NGINXイングレスを使用したOAA、OARMおよびOUAのインストール」を参照してください

4.4.7 イングレス構成

この項では、installOAA.propertiesで設定できるイングレス構成プロパティについて詳しく説明します。

表4-9 イングレス構成

プロパティ 必須/オプション 説明
ingress.install 必須

OAAまたはOARMインストールでイングレス・コントローラをインストールする場合は、値をtrueに設定します。

イングレス・コントローラをインストールしない場合は、falseに設定します。

これがtrueに設定されている場合は、Optional Configurationinstall.global.ingress.enabled=trueも設定する必要があります。

ingress.namespace inress.install=trueの場合は必須です イングレスのインストールに使用されるKubernetesネームスペース。このネームスペースは、インストール時にKubernetesに作成されます。たとえば、ingress-nginxです。
ingress.admissions.name=ingress-nginx-controller-admission inress.install=trueの場合はオプションです

アドミッション・コントローラの名前。

アドミッション・コントローラは個別にインストールできます。

イングレスのアドミッション名が存在しない場合は、NGINXイングレス・チャートでcontroller.admissionWebhooks.enabledfalseに設定されます。

ingress.class.name=ingress-nginx-class inress.install=trueの場合は必須です インストールに使用する必要があるイングレス・クラス名。既存のクラス名にはできません。
ingress.service.type inress.install=trueの場合は必須です

ベア・メタルKubernetesクラスタを使用している場合は、値をNodePortに設定します。イングレス・コントローラは、動的に割り当てられたポート上にあるクラスタのいずれかのノードをリスニングします。

Kubernetesクラスタの管理対象サービス(Oracle Cloud Infrastructure (OCI)上のOracle Kubernetes Engine (OKE)など)を使用している場合は、値をLoadBalancerに設定します。これにより、管理対象サービスは、トラフィックをNGINXイングレスに送信するようロード・バランサを設定します。

ingress.install.releaseNameOverride=base inress.install=trueの場合はオプションです ingress.installで始まるあらゆるものは、イングレス・チャートの値を設定するために追加で指定できます。

イングレスを使用したインストールの詳細は、「NGINXイングレスを使用したOAA、OARMおよびOUAのインストール」を参照してください

4.4.8 管理コンテナ構成

この項では、installOAA.propertiesで設定できる管理コンテナ構成プロパティについて詳しく説明します。

表4-10 管理構成

プロパティ 必須/オプション 説明
install.mount.config.path 必須

<NFS_CONFIG_PATH>の値を構成のNFSマウント・パスに設定します。

install.mount.config.server 必須 <NFS_CONFIG_PATH>のNFSサーバーのIPアドレス。
install.mount.creds.path 必須

<NFS_CREDS_PATH>の値を資格証明のNFSマウント・パスに設定します。

install.mount.creds.server 必須 <NFS_CREDS_PATH>のNFSサーバーのIPアドレス。
install.mount.logs.path 必須

<NFS_LOGS_PATH>の値をログのNFSマウント・パスに設定します。

install.mount.logs.server 必須 <NFS_LOGS_PATH>のNFSサーバーのIPアドレス。
install.mgmt.release.name オプション helm installコマンドの実行時に使用されるOAA管理コンテナ・インストールの名前。設定しない場合、インストール時に名前の入力を求めるプロンプトが表示されます。

指定する値は小文字にする必要があります。

install.kube.creds オプション この値は、kubeconfigが存在するローカルPATHに設定します。設定しない場合、管理コンテナはKubernetes資格証明に$KUBECONFIGまたは~/.kube/configを使用します。
common.local.sslcert 必須 この値は、サーバー証明書PKCS12ファイル(cert.p12)が存在するローカルPATHに設定します。
common.local.trustcert 必須 この値は、信頼証明書PKCS12ファイル(trust.p12)が存在するローカルPATHに設定します。

NFSマウントの詳細は、「NFSボリュームの構成」を参照してください

PKCS12ファイルの詳細は、「サーバー証明書および信頼証明書の生成」を参照してください

4.4.9 Oracle Universal Authenticatorの構成

この項では、installOAA.propertiesで設定できるOracle Universal Authenticator (OUA)構成プロパティについて説明します。

表4-11 Oracle Universal Authenticatorの構成

プロパティ 必須/オプション 説明
oua.tapAgentName OUAの場合は必須

「Oracle Universal AuthenticatorのOAM要件」「OAMでのTAPパートナとしてのOUAの登録」の項で作成したTAPパートナ名の値に設定します。

oua.tapAgentFileLocation OUAの場合は必須 値を、「Oracle Universal AuthenticatorのOAM要件」「OAMでのOUAのTAPパートナとしての登録」の項で作成したTAPパートナのローカルPATHおよびファイル名に設定します。

ノート:

PATHにはOAA管理コンテナからアクセスできる必要があります。
oua.tapAgentFilePass OUAの場合は必須

値を、「Oracle Universal AuthenticatorのOAM要件」「OAMでのOUAのTAPパートナとしての登録」の項で生成されたTAPパートナ・キーストアのBase64エンコード・パスワードに設定します。

oua.oamRuntimeEndpoint OUAの場合は必須 OAMロード・バランサのURL(https://oam.example.com:443など)に設定します。OAMロード・バランサURLを検索するには、OAMコンソールにアクセスし、「構成」「設定」「表示」「Access Manager」にナビゲートします。URLは、「Access Managerの設定」ページの「ロード・バランシング」にリストされている値に基づいて、<OAM_Server_Protocol>://<OAM_Server_Host>:<OAM_Server_Port>である必要があります。

ノート:

<OAM_Server_Host>は、IPアドレスではなく完全修飾ホスト名である必要があります。