管理ガイド

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ALDSP 管理の概要

この章では、AquaLogic Data Services Platform (ALDSP) の管理の概要について説明します。さらに、ALDSP 対応の WebLogic ドメインのコンセプトを説明し、ALDSP Administration Console コンポーネントを紹介します。

この章の内容は以下のとおりです。

注意 : ALDSP の旧製品名は Liquid Data です。製品、インストール パス、およびコンポーネントには、旧製品名が残っているものもあります。

 


ALDSP の管理

ALDSP は、データ サービスを使用してデータ プログラミングを結合する統合ソフトウェアです。ALDSP は WebLogic Server にデプロイでき、ALDSP Console を使用してデータスペースのデプロイメント、サービス アカウントの管理、ユーザ アクセスの制御、ランタイム セキュリティのコンフィグレーションなどのタスクを管理できます。

WebLogic Console を介して実行できる管理タスクには、サーバの起動と停止、接続プールとデータ ソースのコンフィグレーション、ロギングなどがあります。WebLogic Platform には、プロダクション レベルの大規模な統合プラットフォームをコンフィグレーションおよび管理するための拡張ツールと諸機能が用意されています。

この節では、ALDSP Console を使用して実行できる一般的な管理タスクについて説明します。この章の内容は以下のとおりです。

WebLogic 管理の詳細については、「BEA WebLogic Server 9.2 システム管理」を参照してください。

データの保護

ALDSP では、WebLogic Platform のセキュリティ モデルを利用して、データのセキュリティを確保します。WebLogic では、デプロイされたリソースへのアクセスをユーザ資格などの要因に基づいて制御するセキュリティ ポリシーが使用されます。

ALDSP を使用すると、データスペースからデータ要素まで、さまざまなレベルでポリシーを適用できます。さらに、データ値に基づいてリソースを保護することもできます (インスタンスレベルのセキュリティ)。たとえば、要素の値が特定のしきい値を超えた場合にオブジェクトを保護したりできます。

詳細については、「ALDSP リソースの保護」を参照してください。

クエリ結果のキャッシング

ALDSP は、データ サービス関数のクエリ結果をキャッシュしてシステムの全体的なパフォーマンスを向上させることができます。データをキャッシュすることにより、バックエンド リソースにかかる負荷が軽減され、クライアント側から見てデータ リクエストの応答時間が短縮されます。データ サービス関数の結果をキャッシュする場合は、ALDSP Administration Console で結果キャッシングを明示的に有効化する必要があります。

詳細については、「ALDSP リソースのコンフィグレーション」を参照してください。

メタデータの表示

従来、企業には複数のソース タイプにわたってデータ リソースの可用性を公開したり、これらのリソースに関する情報をやり取りしたりするためのユニバーサルなメカニズムがありませんでした。ALDSP では、動的に生成されるメタデータを使用することで、こうしたメカニズムが提供されます。

データ サービスのメタデータの主な用途は、以下のとおりです。

メタデータによって、パブリック関数、データ型、データ系統などのデータ サービスに関する情報が提供されます。また、データ サービス間の依存関係を示す「使用場所」情報も提供されます。

詳細については、「サービス エクスプローラを使用したメタデータの表示」を参照してください。

 


ALDSP 対応の WLS ドメインについて

ALDSP ドメインは、WLS 9.2 で作成およびデプロイされ、1 つの単位として管理される WebLogic リソースの集まりです。ALDSP では、ユーザを作成するおよびドメインに役割を割り当てるために WebLogic Administration console が使用されます。ALDSP ドメインが WebLogic Server およびクラスタにデプロイされた 1 つまたは複数のデータスペースを構成できます。また、これを使用してドメインに対する ALDSP データスペースもデプロイできます。

WebLogic Administration Console は、WebLogic ドメインをコンフィグレーションおよびモニタするための Web ベースのインタフェースです。ドメインに複数のサーバが含まれる場合には、いずれかのサーバがドメインの管理サーバとして指定されます。管理サーバは、ドメイン全体を一元的に管理します。ドメインにサーバが 1 つしか存在しない場合、そのサーバが管理サーバとなり、同時に他の機能も提供します。ドメイン内の他のすべてのサーバは管理対象サーバです。

詳細については、『WebLogic Server のコンフィグレーションと管理』の「WebLogic Server ドメインについて」を参照してください。

ALDSP と WebLogic ドメインの関係について

ALDSP は、WebLogic ドメインにデプロイされる一連の関連リソースを含む 1 つまたは複数のデータスペースを構成します。ALDSP データスペースを管理するには、ALDSP データスペースがデプロイされているドメイン内で WebLogic Server を起動し、そのサーバの ALDSP Administration Console を使用して ALDSP リソースをコンフィグレーションおよび管理します。

新しいドメインを作成する

ALDSP 開発環境で作成されるデータスペースは ALDSP 用に準備された WebLogic ドメインで機能します。BEA WebLogic コンフィグレーション ウィザードを使用して、こうしたドメインを作成できます。

ALDSP に対応したドメインを作成するには、次の手順に従います。

  1. Windows システムでは、[プログラム|BEA Products|Tools|Configuration Wizard] を選択します。
  2. ウィザードにおいて、図 1-1 に示すように、ドメイン ソースとして AquaLogic Data Service Platform ドメインを選択します。
  3. 図 1-1 ALDSP をドメイン ソースとして選択する。


    ALDSP をドメイン ソースとして選択する。

  4. 画面の指示に従って、ドメインの初期コンフィグレーションを完了します。

ドメイン作成の詳細については、WebLogic Platform ドキュメントの「コンフィグレーション ウィザードを使用した WebLogic ドメインの作成」を参照してください。

ALDSP 用に既存のドメインを準備する。

WebLogic Server ドメインが存在していて、そのドメイン内に ALDSP プロジェクトを設定する場合、コンフィグレーション ウィザードを使用して ALDSP 用のドメインを準備できます。

  1. コンフィグレーション ウィザードを開きます。
  2. スタート|プログラム|BEA Products|Tools|Configuration Wizard

  3. [既存の WebLogic コンフィグレーションを拡張する] オプションを選択します。
  4. ALDSP 用に有効化するドメインを選択します (例えば、AL_HOME/samples/domains/portal)。
  5. 以下の BEA Products の追加のオプションをサポートするために、[ドメインを自動的に拡張する] を使用して AquaLogic Data Services Platform の拡張を選択します。

ドメインの設定オプションの選択については、「コンフィグレーション ウィザードを使用した WebLogic ドメインの作成」を参照してください。

ドメインは ALDSP に対応した後、ALDSP 対応の WebLogic Server にデータスペースをデプロイすることができます。

詳細については、「データスペースのデプロイメント」を参照してください。

コンソール ユーザについて

ALDSP Administration Console では、ユーザ権限によって異なる資格が提供されます。現在、ALDSP ではドメイン、管理、モニタおよび参照資格があります。ドメイン レベルのユーザがデフォルトで作成され、ユーザに資格を割り当てることができます。ALDSP Administration Console 内のユーザ権限は資格によって異なります。例えば、モニタまたは参照資格によって ALDSP Administration Console 内のコンフィグレーションのみ表示でき、管理資格によって、ユーザがコンフィグレーションを変更することができます。

詳細については、「ALDSP リソースの保護」を参照してください。

 


ALDSP Administration Console について

ALDSP Administration Console は、ALDSP ランタイム サーバまたはクラスタをコンフィグレーションおよび管理するための Web ベースのインタフェースです。ALDSP Administration Console を使用して、データ サービスのセキュリティ ポリシーとキャッシング ポリシーを設定したり、ALDSP の実行時設定 (スレッドの使用数、ロギング レベルなど) をコンフィグレーションしたりできます。また、コンソールを使用して、データスペースをデプロイ、インポートおよびエクスポートでき、開発者と管理者の両方に必要なメタデータを表示できます。

注意 : 詳細については、「サービス エクスプローラを使用したメタデータの表示」を参照してください。

図 1-2 では、ALDSP Administration Console のホーム ページを示します。

図 1-2 ALDSP Administration Console

ALDSP Administration Console

ALDSP Administration Console コンポーネント

DSP Console が、図 1-2 に示すように、ナビゲーション ペインおよび作業領域のコンテンツ領域を構成します。ナビゲーション ペインは、チェンジ センタ、ナビゲーション ツリーおよびカテゴリ ベースのタブから構成されます。このペインを使用して、デプロイされているデータスペース、関数および web サービスにアクセスできます。さらに、異なるカテゴリ (物理データ ソース、管理アクセス制御など) におけるデータを表示し管理できます。

表 1-1 では、ALDSP Administration Console の各コンポーネントの機能について簡単に説明します。

表 1-1 ALDSP Administration Console コンポーネントの機能
コンポーネント
使用方法
チェンジ センタ
チェンジ センタを使用して、コンソール内のコンフィグレーションをトランザクションの方法で編集するために、ロックを取得して解除することができます。詳細については、「チェンジ センタおよびコンフィグレーションのロック」を参照してください。
ナビゲーション ツリー
ナビゲーション ツリーはサーバに格納されているアーティファクトを示します。作業領域のコンテンツ領域で表示されるアーティファクトは、カテゴリ ベースのタブのリストから選択したカテゴリによって異なります。ナビゲーション ツリーは ALDSP ドメインへルートされます。詳細については、「ナビゲーション ツリーおよびカテゴリ リスト」を参照してください。
カテゴリ リスト
カテゴリ ベースのタブまたはカテゴリ リストでは、デプロイされているデータスペース、Web サービス、および関数に関する特定の情報が提供されます。リストの各タブによって、選択されたプロジェクト、データ サービスまたは関数に対する-連のアーティファクトが提供されます。詳細については、「ナビゲーション ツリーおよびカテゴリ リスト」を参照してください。
作業領域のコンテンツ領域
作業領域のコンテンツ領域では、アーティファクトはナビゲーション ツリーおよびカテゴリ リストの選択に基づいて表示されます。これを使用して、システムの管理タスクのコンフィグレーション、データスペースのインポート、エクスポート、およびデプロイメント、セキュリティ コンフィグレーションの操作、データ キャッシングの管理および監査タスクを実行することができます。

詳細については、「作業領域のコンテンツ領域の使用」を参照してください。

 


サーバのクラスパスの設定

以下の表では、ALDSP を実行するサーバのクラスパス要件が表示されています。

コード リスト 1-1 ALDSP 対応サーバ用のクラスパスの設定

CLASSPATH=
 <ALDSP_HOME>/lib/ld-server-core.jar
 <WLS_CLASSPATH>

注意 :

sdo.jar
wlsdo.jar
binxml.jar
xquery.jar
../external/com.bea.common.configfwk.wlinterop_9.2.2.0.jar
../external/com.bea.common.configfwk_1.0.0.0.jar
../external/alsb_client_9.2.jar
../external/jgrapht-jdk1.5.jar
relational-providers.jar
ld-client.jar


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