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Oracle Application Server アップグレードおよび互換性ガイド
10g リリース2(10.1.2) for Microsoft Windows
B15833-03
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3 アップグレード時のバックアップ計画およびシステムの可用性

この章では、アップグレード計画のガイドラインについて説明します。この章の内容は、次のとおりです。

3.1 アップグレード前のバックアップ計画

アップグレード処理を開始する前に、バックアップ要件を十分理解しておく必要があります。これらの要件は、アップグレード対象が中間層か、OracleAS Metadata Repositoryか、OracleAS Identity Managementかによって若干異なります。

次の項で、詳細を説明します。

3.1.1 中間層のアップグレードのバックアップ計画

中間層インストールのアップグレード時に、Oracle Application Server 10g リリース2(10.1.2)を新しいOracleホーム・ディレクトリにインストールし、OracleAS Upgrade Assistantを使用して構成データをソースOracleホームからアップグレード先Oracleホームにコピーします。アップグレード処理は、10g リリース2(10.1.2)のアップグレード先Oracleホームのみを変更します。ソース・インスタンスは変更されません。そのため、Application Serverデータを保護するためのバックアップ計画以外は、ソースOracleホームに対して追加または新規のバックアップ計画を実施する必要はありません。


注意:

10g リリース2(10.1.2)中間層の新規インストールによってOracleAS Metadata Repositoryのスキーマが変更される場合もあります。その場合は、中間層を10g リリース2(10.1.2)にアップグレードする前に、OracleAS Metadata Repositoryデータベースをバックアップする必要があります。

詳細は、4.10.2項「OracleAS Wireless リリース2(9.0.2)中間層をアップグレードする場合の手順」を参照してください。 


これに対して、OracleAS Upgrade Assistantを実行する前に、アップグレード先Oracleホームである新しい10g リリース2(10.1.2)のバックアップの作成が必要な場合があります。このバックアップによって、このOracleホームをアップグレード前の状態(新規インストールの状態)にリストアできます。アップグレードの結果に問題がある場合には、バックアップからリストアする方が、インスタンス全体を再インストールするよりも効率的です。次のバックアップは有用です。

3.1.2 OracleAS Metadata Repositoryのアップグレードのバックアップ計画

ほとんどの場合、OracleAS Metadata Repositoryをアップグレードするときは、まずリポジトリをホスティングするデータベースを、10g リリース2(10.1.2)によってサポートされるデータベース・リリースにアップグレードする必要があります。

関連項目:

7.1項「タスク1: OracleAS Metadata Repositoryをホスティングするデータベースのアップグレード」 

3.1.2.1 データベース・リリースのアップグレード前に行うデータベースのバックアップ

他のすべてのデータベース・アップグレードと同様に、標準の手順では、データベース・リリースをアップグレードする前にソースのOracleAS Metadata Repositoryをバックアップするように指示しています。詳細は、ご使用のプラットフォームおよびデータベース・リリースに対応するOracle Databaseドキュメントを参照してください。

3.1.2.2 MRUAを実行する前に行うデータベースのバックアップ

データベースをアップグレードした後は、コンポーネント・スキーマが10g リリース2(10.1.2)中間層インスタンスと互換性を持つように、Metadata Repository Upgrade Assistant(MRUA)を実行してこれらのコンポーネント・スキーマをアップグレードする必要があります。このスキーマのアップグレードは、インプレース・アップグレードです。つまり、MRUAによって、データベースに存在するApplication Serverコンポーネント・スキーマが変更されます。スキーマまたはスキーマに含まれているデータのコピーが新しく作成されることはありません。MRUAによって加えられた変更は、元に戻せません。

そのため、MRUAを実行する前に、スキーマを含むデータベースのバックアップを実行する必要があります。このバックアップによって、MRUAの実行前の元の状態にデータベースをリストアできます。

関連項目:

Oracle Application Serverインストールを簡単にバックアップおよびリカバリできるようにするためのBackup and Recoveryツールの詳細については、『Oracle Application Server管理者ガイド』を参照してください。

Oracle Databaseのバックアップに関する詳細およびガイドラインについては、Oracle Database 10g ドキュメント・ライブラリの『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ基礎』を参照してください。 

3.1.3 Identity Managementのアップグレードのバックアップ計画

OracleAS Identity Managementのアップグレードでは、OracleAS Identity ManagementインストールのOracleホームにある構成ファイルおよびデータ・ファイルのアップグレードおよびOracleAS Metadata Repositoryデータベース内に格納されているOracleAS Identity Managementスキーマのアップグレードを行う必要があります。

OracleAS Identity Managementインストールをアップグレードする際は、次のバックアップ計画を検討してください。

3.1.4 Oracle Application Serverインスタンスのアップグレード後のバックアップ計画

Oracle Application Server環境をアップグレードし、その検証が完了した後、この環境をアップグレード直後の状態に簡単にリストアできるように、Oracle Application Serverインストールのバックアップを検討します。

特に、アップグレード処理の直後に、新しくアップグレードしたOracleAS Metadata Repositoryデータベースのバックアップを検討してください。アップグレード後の初回バックアップによって、データベースの定期バックアップを開始できます。アップグレード後の初回バックアップによって、アップグレード処理を繰り返さなくても、環境をアップグレード直後の10g リリース2(10.1.2)の状態にリストアできるようになります。

また、新しくアップグレードしたOracle Application Serverインストールに開発作業またはデプロイ作業を移行した後、Oracle Application Serverの新しいOracleホームを含むように定期バックアップを必ず変更してください。

3.2 アップグレード時のシステムの可用性

アップグレード処理中のシステムの可用性を高めるために、第2章「リリースの互換性について」を確認した後、次のことが可能になるようにアップグレードを計画してください。

この項では、システムの可用性を高める計画の例として、2つのOracle Application Server 10g (9.0.4)中間層インスタンスが1つの10g (9.0.4) Infrastructureインスタンスを使用する場合のアップグレード処理に必要な手順の概要を説明します。

この例の同じ場所に配置されたInfrastructureは、OracleAS Metadata RepositoryおよびOracleAS Identity Managementで構成されています。図3-1に示すように、システム全体で停止時間が発生するのは手順6のみです(システムがInfrastructureに依存する場合)。手順6では、OracleAS InfrastructureをアップグレードできるようにするためにOracleAS Infrastructureを停止する必要があります。

わかりやすくするために図に示されている中間層は2つのみですが、実際にはもっと多くの中間層が存在する場合があります。使用されている中間層が多ければ、アップグレード時の停止時間によるシステム許容量の低下は抑えられます。たとえば、中間層が2つの場合、1つがアップグレードのために停止されるとシステム許容量は50%低下します。中間層が4つの場合、1つがアップグレードのために停止されるとシステム許容量の低下は25%のみです。

図の「クライアント」は、ロード・バランサを指す場合もあります。ロード・バランサを使用している場合、ユーザーは中間層の停止時間を意識する必要はありません。

図3-1    アップグレード処理時のシステムの可用性の例


画像の説明

アップグレード処理時のシステムの状態は、次のように進行します。

  1. 10g (9.0.4)のシステムはフル稼働で、クライアントは2つの中間層を介して接続します。

  2. 最初の中間層をアップグレードの準備のために停止します。クライアントは最初の中間層を介して接続できなくなりますが、2番目の中間層を介して引き続き接続できます。

  3. 最初の中間層を10g リリース2(10.1.2)にアップグレードします。アップグレードが完了し、中間層が再起動されると、クライアントは両方の中間層を介して接続できます。

    アップグレード処理におけるこの手順は、暫定的な構成を表しています。

  4. 2番目の中間層をアップグレードの準備のために停止します。クライアントは2番目の中間層を介して接続できなくなりますが、最初の中間層を介して引き続き接続できます。

  5. 2番目の中間層を10g リリース2(10.1.2)にアップグレードします。2番目の中間層がアップグレードされ、起動されると、クライアントは両方の中間層を介して接続できます。

    アップグレード処理におけるこの手順は、暫定的な構成を表しています。

  6. Infrastructureのアップグレードの準備のために、中間層を停止します。Infrastructureに依存するアプリケーションが使用できなくなります。

  7. Infrastructureを10g リリース2(10.1.2)にアップグレードします。OracleAS Metadata RepositoryおよびOracleAS Identity Managementがアップグレードされ、すべてのインスタンスが起動されると、クライアントは完全にアップグレードされたシステムに接続できます。

    アップグレード処理におけるこの手順は、最終構成を表しています。

3.3 システム停止時間の計画

この項では、Oracle Application Serverのアップグレードの計画で明らかにしておきたい次の点に関する情報を提供します。

停止時間を考慮する際は、アップグレードの準備作業およびアップグレード処理にかかる時間が重要となります。この項では、基本的な構成のアップグレードの予測時間を示します。

詳細は、表3-1「中間層アップグレードの予測時間」および表3-2「Infrastructureアップグレードの予測時間」を参照してください。

表3-1    中間層アップグレードの予測時間 
操作  J2EE and Web Cache  Portal and Wireless 

10g リリース2(10.1.2)中間層のインストール: 10g リリース2(10.1.2)中間層は、リリース2(9.0.2)、リリース2(9.0.3)または10g (9.0.4)中間層と同じコンピュータにインストールする必要があります。 

30分 

60分1 

OracleAS Upgrade Assistantの実行: 実行時間は、ソースの構成によって異なります。たとえば、デプロイされたJ2EEアプリケーションの数およびサイズが時間に大きく影響します。この予測時間は、基本的な構成を想定しています。 

20分 

30分 

アップグレード後: アップグレードされたインスタンスの起動および基本的な検証テストの実行が含まれます。 

20分 

30分 

合計 

1時間10分 

2時間 

1 Oracle Application Server Wirelessをリリース2(9.0.2)のMetadata Repositoryに対して構成する最初の10g リリース2(10.1.2)のインスタンスによって、そのリポジトリのスキーマがアップグレードされます。このため、この操作にかかる時間が非常に長くなる場合があります。Oracle Application Server Wirelessが複数の中間層で実行されている場合、この操作を実行する前にそのすべての中間層でOracle Application Server Wirelessを停止する必要があります。詳細は、付録A.1.11「Oracle Application Server Wirelessのアップグレード処理」を参照してください。

表3-2    Infrastructureアップグレードの予測時間 
操作  Metadata Repository  Identity Management  同じ場所に配置されたInfrastructure1 

データベースのバックアップ: データベースのバックアップは、ユーザーが指定した手順で実行します。 

1時間 

該当なし  

該当なし 

Oracleホームのバックアップ: InfrastructureのOracleホームをバックアップします。 

該当なし  

1時間 

1時間 

データベースのアップグレード: Metadata Repositoryの作成にOracleAS Metadata Repository Creation Assistantが使用され、データベースがサポートされていないリリースの場合、データベースをサポートされるリリースに手動でアップグレードする必要があります。 

該当なし 

該当なし 

該当なし 

Oracle Universal Installerを使用したインストールおよびアップグレード: アップグレード対象のインストール・タイプに応じて、Oracle Universal Installerによって新しいOracleAS Identity Managementコンポーネントがインストールされます。OracleホームにOracleAS Metadata Repositoryが含まれている場合、OracleAS Metadata Repositoryデータベースは、サポートされるリリースに自動的にアップグレードされます。 

3時間2 

30分 

3時間30分 

MRUA実行前のデータベースのバックアップ 

1時間 

該当なし 

1時間 

MRUAを使用したOracleAS Metadata Repositoryのアップグレード: Metadata Repositoryのコンポーネント・スキーマをアップグレードします。 

1時間 

該当なし 

1時間 

Identity Managementのアップグレード後: アップグレード後のすべてのタスクを実行します。 

該当なし 

1時間 

1時間 

合計:  

6時間 

2時間30分 

7時間30分 

1 Metadata RepositoryおよびIdentity Managementのアップグレード時間は、共通タスクの実行が1回のみでよいため、各部分を個々にアップグレードする場合にかかる時間の合計より短くなります。

2 データベース・ベースのOracle Application Serverファームの一部である中間層をサポートするためのみに、OracleAS Metadata Repositoryが使用されている場合、OracleAS Metadata Repositoryを使用するJ2EE and Web Cache中間層は、OracleAS Metadata Repositoryのアップグレード中も引き続き動作可能です。


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