3 監視および管理タスク

自律型データベースを検出した後、Oracle Enterprise Manager for Autonomous Databasesを使用して、次の監視および管理タスクを実行できます。

次の表に示す情報を確認する際には、次の点に注意してください。

  • Autonomous Databaseの場合、Oracle Enterprise ManagerにはOracle Databases用に提供されている機能の一部が提供されています。次の表にある「詳細」リンクでは、Oracle Enterprise ManagerのOracle Databasesサポートに関する一般的な情報が表示され、すべての機能がAutonomous Databaseで使用できない場合があります。
  • 他の「パフォーマンス」、「セキュリティ」、「スキーマ」および「管理」ページに移動するユーザー・インタフェースのオプションをクリックすると、「データベース・ログイン」ページが表示され、データベース管理ユーザーの資格証明を入力する必要があります。これらの資格証明は、名前付き資格証明として構成することもできます。名前付き資格証明の詳細は、Oracle Enterprise Manager Cloud Controlセキュリティ・ガイド資格証明管理を参照してください。
タスク 説明

ホーム・ページでのAutonomous Databaseの状態およびワークロードの監視

Autonomous Databaseのホーム・ページに移動するには:
  1. 「ターゲット」メニューから、「データベース」を選択します。
  2. 「データベース」ページで、Autonomous Databaseの名前をクリックします。

ホーム・ページでは、次の項目を予防的に監視できます。

  • Autonomous Databaseの負荷および容量
  • 過去24時間に発生したデータベース・インシデント (ある場合)。
  • 「パフォーマンス」セクションのアクティブ・セッション情報。次のものが含まれます。
    • 過去のアクティブだったデータベース・セッションの平均数を示す「アクティビティ・クラス」グラフ。
    • データベース・サービスについて過去のアクティブだったデータベース・セッションの平均数を示す「サービス」グラフ。
  • 「リソース」セクション内の「CPU」、「アクティブ・セッション」、「メモリー」および「データ記憶域」の各リソース使用率グラフ。
  • 「SQLモニター」セクションのSQLアクティビティ。このセクションの表では、監視対象のSQL文の実行に関する情報を提供します。

詳細の参照先は、次のとおりです。

Autonomous DatabaseでSQLを実行するためのジョブの作成

Oracle Enterprise Managerのジョブ・システムを使用すると、一般的な実行タスクを自動化するために定義するスケジュール可能な作業単位であるジョブを作成、管理および編集できます。Autonomous Databasesでは、「SQLの実行」ジョブ・タイプを使用して、SQLコマンドの実行を自動化およびスケジュールできます。

Autonomous Databaseの「SQLの実行」ジョブを作成するには:

  1. Autonomous Databaseのホーム・ページに移動し、「<Autonomous Database>」メニューから「ジョブ・アクティビティ」を選択します。

    「ジョブ」ページが表示され、「検索基準」でAutonomous Databaseの「ターゲット名」および「ターゲット・タイプ」が選択されています。

  2. 「ジョブの作成」をクリックします。
  3. 「ジョブ・タイプの選択 - Oracle Enterprise Manager」ダイアログ・ボックスで、「SQLの実行」ジョブ・タイプを選択し、「選択」をクリックします。

    「'SQLの実行'ジョブの作成」ページが表示されます。

  4. 「一般」タブに次の情報を入力します。
    1. 名前: ジョブの一意の名前を入力します。
    2. 説明: オプションで、説明を追加します。
    3. 自動試行: オプションで、ジョブが失敗した場合にジョブを試行する必要がある最大回数、および各試行間の分数を指定します。
    4. ターゲット・タイプ: Autonomous Databaseターゲット・タイプを選択します。
    5. ターゲット: 「追加」をクリックし、「検索と選択: ターゲット」ダイアログ・ボックスでAutonomous Databaseターゲットを選択し、「選択」をクリックします。
    6. 最大パラレル実行: オプションで、パラレル実行の最大回数を指定します。
  5. 「パラメータ」タブで、末尾の;または/を指定せずに単一のSQLまたはPL/SQL文を入力し、必要に応じて他のオプションを変更します。
  6. 「資格証明」タブで、Autonomous Databaseにログインするための資格証明を指定します。
  7. 「スケジュール」タブで、「SQLの実行」ジョブのスケジュールを定義します。
  8. 「アクセス」タブで、ジョブにアクセスできる管理者およびロールを確認し、必要に応じて「追加」をクリックして他の管理者を追加します。
  9. 「発行」をクリックします。

ジョブが正常に作成されたという確認メッセージが「ジョブ」ページに表示されます。

Enterprise Managerジョブの詳細は、『Oracle Enterprise Manager Cloud Controlモニタリング・ガイド』ジョブ・システムの目的および概要を参照してください。

「パフォーマンス・ハブ」、「SQLモニタリング」、「AWR」および「アドバイザ」ページでのパフォーマンスの監視および問題の診断

Oracle Enterprise Managerを使用すると、Autonomous Databaseのパフォーマンスを監視し、最適に実行されることを確認できます。

Autonomous Databaseのホーム・ページの「パフォーマンス」メニューから、次のオプションのいずれかを選択できます。

  • 「パフォーマンス・ハブ」: 指定された期間に使用可能なすべてのパフォーマンス・データが表示されます。期間を選択すると、パフォーマンス情報がパフォーマンス・サブジェクト・エリアに基づいて収集および表示されます。
  • SQL: SQLの監視とチューニング・タスクを実行します。これには、次のようなオプションが含まれます。
    • SQLチューニング・アドバイザ: SQL文を発行し、文のチューニング方法に関する推奨事項を、論理的根拠および期待されるメリットとともに取得します。
    • SQLパフォーマンス・アナライザ: 各SQL文のパフォーマンスの相違を識別することで、SQLワークロードに対する変更の影響を判断します。
    • SQLチューニング・セット: SQL文および関連メタデータを単一のオブジェクトにグループ化し、それをSQLチューニング・ツールへの入力として使用できます。
  • AWR: 自動ワークロード・リポジトリ(AWR)を使用し、データベースの問題の検出とセルフチューニングの目的でパフォーマンス統計を収集、処理、および維持することにより、データベース統計収集を自動化します。これには、次のようなオプションが含まれます。
    • 「AWRレポート」では、2つのスナップショット(2つの時点)間のAWRレポートを生成します。
    • 「期間比較レポート」では、2つの期間(または合計4つのスナップショットによる2つのAWRレポート)間のデータベース・パフォーマンスを比較します。
  • Advisors Home: SQLアドバイザを表示および使用して、データベースのパフォーマンスを最適化します。
  • 自動索引付け: 19ベースのAutonomous Databaseの索引管理タスクを自動化します。

    自動索引作成では、アプリケーションのワークロードの変化に基づいてデータベース内の索引が自動的に作成、再作成および削除されるため、データベース・パフォーマンスが向上します。これには、次のオプションが含まれます。

    • 設定: 自動索引付け構成の設定ページで、自動索引付けの有効化と無効化、未使用の索引と自動索引付けログの保存期間の指定、自動索引付けの使用に含めるスキーマまたは除外するスキーマの指定ができます。
    • アクティビティ・レポート: 「自動索引付けアクティビティ・レポート」ページで、次の詳細を入力して「レポートの生成」をクリックし、データベースで生成された自動索引の詳細を表示できます。
      • レポート形式: レポートを生成する形式を選択します。
      • セクション: レポートに表示するセクションを選択します。「セクション」フィールドでは、「サマリー」「索引詳細」「検証の詳細」および「エラー」オプションがデフォルトで選択されており、これらのセクションの削除を選択できます。
      • 期間: レポートを生成する監視期間を選択します。
      デフォルトのオプション(つまり、HTMLレポート形式および特定の期間の「セクション」フィールドのすべてのオプション)を選択した場合は、「レポート・サマリー」に次のセクションが表示されます。
      • 実行の概要: このセクションには、自動索引の結果としての全体的なパフォーマンス向上ファクタ、自動索引操作が完了した回数、自動索引操作が中断された回数、致命的エラー(ある場合)が表示されます。「実行の概要」セクションは、「セクション」フィールドで選択した他のセクションに関係なく表示されることに注意してください。
      • 「サマリー」セクション・オプションでは、次の棒グラフが表示されます。
        • 自動索引アクションのサマリー
        • 自動索引SQLアクションのサマリー
        • 手動索引のサマリー
      • 「エラー」セクション・オプションでは、「エラー・サマリー」円グラフが表示されます。
      • 「索引詳細」セクション・オプションでは、次のセクションが表示されます。
        • 索引: 作成済
        • 索引: 削除済

        「索引: 作成済」および「索引: 削除済」セクションで行をクリックすると、作成または削除された索引のID、キータイプなどの詳細を表示できます。これらのセクションの作成されたすべての索引の詳細のダウンロードおよび削除されたすべての索引の詳細のダウンロード・オプションを使用して、索引の詳細を.csv形式でダウンロードすることもできます。

      • 「検証の詳細」セクション・オプションでは、「検証の詳細」セクションが表示され、自動索引が生成および使用されたSQLの詳細が示されます。このセクションの行をクリックして、SQL IDSQLテキスト向上ファクタなどの詳細を表示できます。

      「レポート形式」フィールドでTEXTレポート形式を選択すると、同じ情報がプレーン・テキスト形式で表示され、テキスト・ダウンロード・オプションをクリックしてダウンロードできます。

  • ブロックしているセッション: 別のセッションをブロックしているセッションを表示するために使用します。「ブロックしているセッション」表には、「ブロックされているセッション」「セッションID」「シリアル番号」などの情報が表示されます。

    特定のセッションの詳細を表示するには、その行の「選択」オプションをクリックしてから、「セッションの表示」をクリックします。セッションを終了するには、「選択」オプションをクリックして、「セッションの中断」をクリックします。

詳細の参照先は、次のとおりです。

SQLパフォーマンス・アナライザ・ワークフローを使用した、オンプレミス・データベースからAutonomous Databaseへの移行のテスト

Oracle Enterprise ManagerでSQLパフォーマンス・アナライザ・ワークフローを使用すると、オンプレミス・データベースからAutonomous Databaseへの移行の影響をSQLチューニング・セットのパフォーマンスに基づいてテストできます。

前提条件ステップとして、次の作業が必要になります。

  • ソースのオンプレミス・データベースとターゲットのAutonomous DatabaseがEnterprise Managerで検出されていることを確認します。
  • ソース・オンプレミス・データベースから典型的なSQLワークロードを取得して、SQLチューニング・セットを作成します。詳細は、『2日でパフォーマンス・チューニング・ガイド』SQLチューニング・セットの作成に関する項を参照してください。
  • SQLチューニング・セットをターゲットのAutonomous Databaseに移動します。詳細は、『2日でパフォーマンス・チューニング・ガイド』SQLチューニング・セットのトランスポートに関する項を参照してください。

オンプレミス・データベースからAutonomous Databaseへの移行をテストするには:

  1. Autonomous Databaseのホーム・ページに移動し、「パフォーマンス」メニューから「SQL」を選択し、「SQLパフォーマンス・アナライザ・ホーム」を選択します。

    「データベース・ログイン」ページが表示されたら、管理者権限のあるユーザーとしてログインします。ユーザー権限の詳細は、「ユーザー・アカウントについて」を参照してください。

  2. 「Oracle Autonomous Databaseへの移行」をクリックします。
  3. 「Oracle Autonomous Databaseへの移行」ページのフィールドに必要な情報を入力します。
    • タスク情報: タスクの情報(タスクの名前、SQLチューニング・セットの名前、オプションのタスクの説明など)を入力します。
    • 移行前の試行: 移行前の試行はデフォルトでSQLチューニング・セットから作成されます。「SQLチューニング・セットから作成」のみが移行前の試行に使用可能なオプションです。
    • 移行後の試行: 「作成方法」リストと「SQL当たりの時間制限」リストからオプションを選択します。これらのリストおよび入力が必要な内容の詳細は、『Oracle Database Testingガイド』Cloud Controlを使用したデータベースのアップグレードのテストに関する項に記載されているステップ4と5を参照してください。
    • 試行比較: 「比較メトリック」リストで、比較分析に使用する比較メトリックを選択します。
    • スケジュール: タスクの開始時期をスケジュールするために、タイムゾーン・コードを選択してから、「即時」または「後で」を選択します。
  4. 「発行」をクリックします。

    「SQLパフォーマンス・アナライザ・ホーム」ページが表示されます。「SQLパフォーマンス・アナライザのタスク」セクションに、タスクの詳細が表示されます。SQL文の処理中は、「最終実行ステータス」「処理中」が表示されます。タスクのステータスをリフレッシュするには、「リフレッシュ」をクリックします。タスクが完了すると、「最終実行ステータス」列が「完了」に更新されます。

  5. 「SQLパフォーマンス・アナライザのタスク」で、タスクを選択して「名前」列のリンクをクリックします。

    「SQLパフォーマンス・アナライザのタスク」ページが表示されます。このページには、次のセクションがあります。

    • SQLチューニング・セット: このセクションには、SQLチューニング・セットに関する情報(名前、所有者、説明、SQLチューニング・セットに含まれているSQL文の数など)の概要が表示されます。
    • SQL試行: このセクションには、SQLパフォーマンス・アナライザのタスクで使用されるSQL試行を示す表が含まれています。

    • SQL試行比較: このセクションには、SQL試行比較の結果を示す表が含まれています。

  6. 「比較レポート」列内のアイコンをクリックします。

    「SQLパフォーマンス・アナライザのタスク結果」ページが表示されます。

  7. パフォーマンス分析の結果を確認します。詳細は、『Oracle Database Testingガイド』Oracle Enterprise Managerを使用したSQLパフォーマンス・アナライザ・レポートの確認に関する項を参照してください。

詳細の参照先は、次のとおりです。

オンプレミス・データベースからAutonomous DatabaseへのSQLチューニング・セット(STS)のコピー

Oracle Enterprise Managerでは、Oracle Cloud Infrastructureオブジェクト・ストレージ経由で、Enterprise Managerで検出されたオンプレミス・データベースから、Enterprise Managerで検出されたAutonomous DatabaseにSTSをコピーできます。

STSのコピー方法の詳細は、オンプレミス・データベースからAutonomous DatabaseへのSQLチューニング・セットのコピーのチュートリアルを参照してください。

Autonomous Databaseのバックアップ、リカバリ管理および監視

Oracle Enterprise Managerを使用すると、Autonomous Databaseのバックアップのリストを監視し、オンデマンド・バックアップをスケジュールして、リストア操作を実行できます。

この機能を使用する前提条件として、次のことを行う必要があります。

  • Autonomous Databaseのバックアップとリストアに必要な権限があること、および手動バックアップの宛先として機能するOracle Cloud Infrastructureオブジェクト・ストレージ・バケットが設定されていることを確認します。
  • Autonomous DatabaseターゲットのOCI_OCIDおよびOCI_REGIONターゲット・プロパティを手動で設定します。そうするために、次のEM CLIコマンドを使用できます:
    emcli set_target_property_value
                  -property_records=<tn>:<tt>:OCI_OCID:<value>
    emcli set_target_property_value
                  -property_records=<tn>:<tt>:OCI_REGION:<value>

    (tn=targetName, tt=targetType)

「バックアップ」ページに移動するには、自律型データベースのホーム・ページの「可用性」メニューで「バックアップ」を選択します。「Oracle Cloud Infrastructure資格証明」ページで、ホストおよびOracle Cloud Infrastructureに対してEnterprise Managerで定義された名前付き資格証明を指定します。名前付き資格証明およびその適用の詳細は、Oracle Enterprise Manager Cloud Controlセキュリティ・ガイド名前付き資格証明を参照してください。

「バックアップ」ページでは、次のことができます。

  • Autonomous Databaseのバックアップのリストを表示します。
  • オンデマンド・バックアップをスケジュールします。
    1. 「バックアップのスケジュール」をクリックします。
    2. 「バックアップのスケジュール」ダイアログ・ボックスで、バックアップの名前を入力し、スケジュールの詳細を指定し、「発行」をクリックします。
  • リストア操作を実行します。
    • データベースを現在または特定の時間にリストアするには、次の手順を実行します。
      1. 「リストア」をクリックします。
      2. 「リストア」ダイアログ・ボックスで、「現在の時間」を選択してデータベースを現在の時間にリストアするか、「時間の選択」を選択してデータベースを特定の時間にリストアします。デフォルトでは、現在の時間が「時間の選択」フィールドに指定されています。
      3. 「スケジュール」セクションでオプションを選択して、リストア操作をスケジュールします。
      4. 「発行」をクリックします。
    • 選択したバックアップの終了時間にデータベースをリストアするには、次の手順を実行します。
      1. バックアップの「アクション」列のアイコンをクリックし、「リストア」をクリックします。
      2. 「リストア」ダイアログ・ボックスで、「時間の選択」を選択します。デフォルトでは、選択したバックアップの終了時間が「時間の選択」フィールドに指定されています。
      3. 「スケジュール」セクションでオプションを選択して、リストア操作をスケジュールします。
      4. 「発行」をクリックします。

データベース移行ワークベンチを使用したオンプレミス・データベースからAutonomous Databaseへのワークロードの移行

サポートされる移行方法、前提条件のタスク、移行ステップなどの詳細は、Oracle Enterprise Manager Database Migration WorkbenchガイドDatabase Migration Workbenchを参照してください。

Autonomous Databaseの安全性の維持

Oracle Enterprise Managerには、データベースへのアクセス方法および使用方法を制御するセキュリティ機能が提供されています。

Autonomous Databaseのホーム・ページの「セキュリティ」メニューから、次のオプションのいずれかを選択できます。

  • ユーザー: 不正使用を防止するため、有効なユーザー名とパスワードを使用してユーザーを作成します。指定した権限やロールなどをユーザーに関連付けることもできます。
  • ロール: 権限およびその他のロールをグループ化するためのロールを作成します。これによって、複数の権限とロールをユーザーに簡単に付与できます。
  • プロファイル: ユーザーの認可と権限のセットであるプロファイルを作成します。プロファイルにユーザーを追加した場合、そのプロファイルに定義されている認可と権限がユーザーによって取得されます。
  • 監査設定: 監査設定を設定および調整して、選択したユーザー・データベース・アクションを監視および記録します。
  • データ・リダクション: Enterprise Manager 13cリリース5更新8 (13.5.0.8)以降では、ディスク上またはキャッシュ内の基礎となるデータベース・ブロックを変更せずに、アプリケーションに表示される機密情報をリダクション(マスク)します。次の方法のいずれかを使用して、列データをリダクションできます。
    • 完全なリダクション: 列データのすべてのコンテンツをリダクションします。
    • 部分的なリダクション: 列データの一部をリダクションします。
    • 正規表現: 完全なリダクションと部分的なリダクションの両方で正規表現を使用します。
    • ランダム・リダクション: 問合せを行ったアプリケーション・ユーザーに表示されるリダクション済のデータが、列のデータ型に応じて、表示されるたびにランダムに生成された値として表示されるようにします。
    • リダクションなし: リダクション・ポリシーの内部動作をテストできます。

    Enterprise Managerでのデータ・リダクションの使用の詳細は、Oracle Database Advanced SecurityガイドOracle Enterprise ManagerでのOracle Data Redactionポリシーの管理を参照してください。

  • Database Vault: Enterprise Manager 13cリリース5更新11 (13.5.0.11)以降では、Oracle Database Vaultを管理し、Oracle Database Vault管理者ページにアクセスして、他のデータベースへのOracle Database Vault構成の伝播などのタスクを実行します。Enterprise ManagerとのDatabase Vaultの使用の詳細は、Oracle Database Vault管理者ガイドOracle Enterprise ManagerとのOracle Database Vaultの使用を参照してください。
  • 権限分析: ユーザー・アカウントまたはデータベースが長期にわたって使用する権限およびロールの動的な分析を実行します。その後、使用していない権限付与を取り消し、ユーザーが必要とするアクセスをより適切に反映するように他の変更を行うことができます。
  • 仮想プライベート・データベース: 標準のオブジェクト権限および関連付けられたデータベース・ロールではアプリケーションのセキュリティ要件を満たすには不十分である場合に、オブジェクト(表、ビューまたはシノニム)レベルで行レベルのセキュリティ・ポリシーを強制するセキュリティ・ポリシーを作成します。
  • クラウド資格証明ストア: データベース・ユーザーの資格情報と他の属性を、データベース・オブジェクトとしてAutonomous Databaseに保存します。データベース資格証明は、リモート・データベースまたはOracle Cloud Infrastructureオブジェクト・ストレージへのアクセスに使用できます。

    「クラウド資格証明ストア」ページで、「スキーマ」ドロップダウン・リストからデータベース・スキーマを選択して、スキーマ内の資格証明を表示します。

    資格証明を作成するには:

    1. 「クラウド資格証明ストア」ページで「作成」をクリックします。
    2. 「資格証明の作成」ダイアログ・ボックスで、次の手順を実行します。
      1. 資格証明名: 資格証明の直感的な名前を入力します。資格証明の名前は、後で編集できないことに注意してください。
      2. ユーザー名: データベース・ユーザー名またはOracle Cloud InfrastructureユーザーのOCIDを入力します。
      3. パスワード: データベース・ユーザー・パスワードまたはオブジェクト・ストレージ認証トークンを入力します。
      4. パスワードの確認: 「パスワード」フィールドに追加されたパスワードを確認します。
      5. 「OK」をクリックします。

    「アクション」列のアイコンをクリックし、「編集」または「削除」をクリックして、資格証明を編集または削除できます。資格証明を編集する場合、ユーザー名とパスワードは編集できますが、資格証明の名前は編集できないことに注意してください。また、資格証明の編集時に、「ユーザー名」「パスワード」フィールドを空白にしておくことはできません。

機密データのマスクおよびサブセット Oracle Enterprise Manager 13cリリース5更新10 (13.5.0.10)以降では、Enterprise ManagerでAutonomous Database用のOracle Data Masking and Subsettingソリューションを使用して、本番環境以外でのデータ露出を最小限に抑えます。この包括的なソリューションのコンポーネントを使用すると、機密性の高い本番データを検出してマスクし、関連データのみを共有できます。

Data Masking and Subsettingコンポーネントにアクセスするには、Autonomous Databaseのホーム・ページに移動し、「セキュリティ」メニューをクリックします。Data Masking and Subsettingのコンポーネントには次のものがあります。

  • データ検出: 自動検出プロシージャおよび機密列タイプによって機密データ検出の作業を簡略化します。こうしたプロシージャでは、機密情報を含む列を検出するのみでなく、データベースに定義されたそれらの列の親子関係も検出します。
  • データ・マスキング: 架空の(ただし本物のように見える)データで機密データを置き換えることができます。機密性の高い本番データを匿名化することでデータ拡散を制限します。
  • データ・サブセッティング: データを削除することや、共有またはアーカイブのためにデータのサブセットを抽出することにより、データのダウンサイジングを実現します。関連データのみをチームと共有することでリスクを最小限に抑え、本番以外の環境でのストレージ・コストも削減します。

Autonomous Database用にData Masking and Subsettingを使用する前に、前提条件となる次のタスクを実行する必要があります。

  • Oracle Management AgentをインストールしてあるOMSホストにSQL*Plusをインストールします

    SQL*Plus実行可能ファイルがエージェントの$ORACLE_HOME/binの場所にある必要があります。マスキング・スクリプトではSQL*Plusを使用してマスキング・ステップが実行されるため、これは必須です。

  • Data Masking and Subsetting用のAutonomous Database固有タスクの実行(オプション)
    • カスタム・パスまたはエクスポート・ディレクトリが指定されているData Masking and Subsetting操作の場合は、Autonomous Databaseを監視しているOracle Management Agent上にそのディレクトリが作成されていることを確認します。
    • 既存のデータベース・ディレクトリが選択されているData Masking and Subsetting操作の場合は、Autonomous Databaseを監視しているOracle Management Agent上にその正確なパスが再作成されていることを確認します。
  • TCPS接続の前提条件タスクの実行(オプション)

    これらのタスクは、Autonomous DatabaseがEnterprise ManagerでTLSサービス名で監視されているの場合のみ実行する必要があります。

    1. Autonomous Databaseを監視しているOracle Management Agentの$ORACLE_HOME/$EMDROOTディレクトリでクライアント資格証明ウォレットを解凍します。たとえば:
      cd /<path_to_installed_agent_location>/agent_13.5.0.0.0/
      unzip /<path_to_downloaded_wallet>/wallet.zip -d wallet

      ウォレット・ディレクトリにはtnsnames.orasqlnet.oraなどのファイルがあり、中間ディレクトリはありません。

    2. WALLET_LOCATIONが解凍済ウォレット・フォルダへの絶対パスを指すように、sqlnet.oraファイルを変更します。たとえば:
      (METHOD_DATA=(DIRECTORY="/<path_to_installed_agent_location>/agent_13.5.0.0.0/wallet"))

      ノート:

      ウォレットを$ORACLE_HOME/$EMDROOT以外のディレクトリにダウンロードし解凍した場合は、sqlnet.ora内のWALLET_LOCATIONに正しいディレクトリが反映されている必要があります。
    3. 次のいずれかのアクションを実行します。
      • 環境変数$TNS_ADMINが定義されている場合は、変更したsqlnet.oraファイルを$TNS_ADMINディレクトリにコピーします。たとえば:
        cp wallet/sqlnet.ora $TNS_ADMIN/
      • 環境変数$TNS_ADMINが定義されていない場合は、変更したsqlnet.oraファイルを$EMDROOT/network/admin/ディレクトリにコピーします。たとえば:
        cp wallet/sqlnet.ora /<path_to_installed_agent_location>/agent_13.5.0.0.0/network/admin

      なお、前述のディレクトリが存在しない場合は、最初に次のコマンドを実行する必要があります。

      mkdir -p /<path_to_installed_agent_location>/agent_13.5.0.0.0/network/admin

Data Masking and Subsettingコンポーネントおよび一般的なワークフローの使用方法の詳細は、次を参照してください:

Autonomous Databaseからのエクスポートされたマスキングおよびサブセッティング・データの抽出

  1. DBMS_CLOUD.CREATE_CREDENTIALを使用してクラウド・サービス資格証明を作成します。詳細は、次を参照してください。
  2. ファイルのエクスポート先のデータベース・ディレクトリ(MASK_DUMP_DIR_SYSMAN_0など)を決定します。Autonomous Databasesでのディレクトリの詳細は、次を参照してください。
  3. 次の問合せを使用して、データベース・ディレクトリに格納されているファイルをリストします。
    SELECT * FROM DBMS_CLOUD.list_files('<name of the directory>');
  4. それらのファイルをOracle Cloud Infrastructureオブジェクト・ストレージに配置します。詳細は、次を参照してください。

なお、Autonomous Databaseの場合、エクスポート内マスキング中に作成されたデータベース・ディレクトリ(MASK_DUMP_DIR_SYSMAN_0など)は、マスキングの終了時に削除されません。このディレクトリをDBMS_CLOUD.PUT_OBJECT(...)と組み合せて使用すると、エクスポートされたマスキング・ファイルをオブジェクト・ストレージにアップロードし、それらのファイルを任意の場所にダウンロードできます。

スキーマ管理タスクの実行

Oracle Enterprise Managerでは、表、索引、ビューなどのデータベース・オブジェクトのすべての側面を管理できる包括的なツール・セットが提供されます。

Autonomous Databaseのホーム・ページの「スキーマ」メニューから、次のいずれかのオプションを選択して、スキーマ・オブジェクトの作成、編集、表示などの基本的なタスクを実行できます。

  • データベース・オブジェクト: 表や索引などのデータベース・ディレクトリ・オブジェクトのすべての側面を作成および管理します。
  • プログラム: データベースに関連付けられたプロシージャ、ファンクション、トリガーなどを管理します。
  • マテリアライズド・ビュー: マテリアライズド・ビューを操作し、マテリアライズド・ビュー、マテリアライズド・ビュー・ログ、リフレッシュ・グループおよびディメンションの作成などのタスクを実行します。

「ディレクトリ・オブジェクト」での作業

Oracle Enterprise Managerの「ディレクトリ・オブジェクト」ページで、Autonomous Databaseのデフォルトおよびカスタム作成されたディレクトリを表示できます。また、ディレクトリ・オブジェクトを作成して、ディレクトリからOracle Cloud Infrastructureオブジェクト・ストレージへ、オブジェクト・ストレージからディレクトリへファイルを転送することもできます。

Autonomous Databasesでのディレクトリ管理の詳細は、次を参照してください。

「ディレクトリ・オブジェクト」ページに移動するには、「スキーマ」メニューから「データベース・オブジェクト」を選択し、「ディレクトリ・オブジェクト」を選択します。「ディレクトリ・オブジェクト」ページにアクセスしてタスクを実行するには、管理者権限が必要です。

ディレクトリ・オブジェクトを作成するには、次の手順を実行します。

  1. 「ディレクトリ・オブジェクト」ページで「作成」をクリックします。
  2. 「ディレクトリ・オブジェクトの作成」ダイアログ・ボックスで、次の手順を実行します。
    1. ディレクトリ名: ディレクトリまたはサブディレクトリの一意の名前を入力します。
    2. 相対パス: 相対ディレクトリ・パスを指定します。ディレクトリへの絶対パスは指定できません。指定した相対パスが絶対パスに追加されることに注意してください。
    3. 「OK」をクリックします。

ディレクトリ・オブジェクトの作成後に、「ディレクトリ名」列でディレクトリの名前をクリックし、対応する「ファイル」ページに移動します。「ファイル」ページでは、ディレクトリ内のすべてのファイルを表示し、次のタスクを実行できます。

  • オブジェクト・ストレージからデータベース・ディレクトリへのファイルのダウンロード
    1. オブジェクト・ストレージからコピーをクリックします。
    2. オブジェクト・ストレージからコピーダイアログ・ボックスで、次の手順を実行します。
      1. オブジェクト・ストレージのデータベース資格証明: オブジェクト・ストレージへの接続に使用するデータベース資格証明を選択します。なお、データベース資格証明は、Enterprise Managerのクラウド資格証明ストアに格納されている必要があります。クラウド資格証明ストアの詳細は、「クラウド資格証明ストア」を参照してください。
      2. オブジェクト・ストレージURI: ファイルが存在するオブジェクト・ストレージ・バケットへのURIを指定します。URIは次の書式で記述する必要があります。
        https://objectstorage.<region>.oraclecloud.com/n/<namespace>/b/<bucket>/o/<object_name>
      3. 「OK」をクリックします。
  • データベース・ディレクトリからオブジェクト・ストレージへのファイルのアップロード
    1. 「アクション」列のアイコンをクリックし、オブジェクト・ストレージにコピーをクリックします。
    2. オブジェクト・ストレージにコピーダイアログ・ボックスで、次の手順を実行します。
      1. オブジェクト・ストレージのデータベース資格証明: オブジェクト・ストレージへの接続に使用するデータベース資格証明を選択します。なお、データベース資格証明は、Enterprise Managerのクラウド資格証明ストアに格納されている必要があります。クラウド資格証明ストアの詳細は、「クラウド資格証明ストア」を参照してください。
      2. オブジェクト・ストレージURI: ファイルが存在するオブジェクト・ストレージ・バケットへのURIを指定します。URIは次の書式で記述する必要があります。
        https://objectstorage.<region>.oraclecloud.com/n/<namespace>/b/<bucket>/o/<object_name>
      3. 「OK」をクリックします。

Autonomous Database – サーバーレスからターゲット・データベースへのデータベース・リンクの作成

データベース・リンクを使用すると、オブジェクトにアクセスしてリモート(ターゲット)データベースで操作を実行できます。データベース・リンクはスキーマ内オブジェクトとして保存されます。ターゲット・データベースへのデータベース・リンクは、Autonomous Database - サーバーレスからのみ作成できます。ただし、ターゲット・データベースは、Autonomous Database、Database Cloud Serviceインスタンス、またはスキーマ内のオンプレミス・データベースにすることができます。データベース・リンクを使用するには、TCPS認証を使用するようにターゲット・データベースを構成し、ウォレット(cwallet.sso)を使用してデータベース・リンクを作成する必要があります。Autonomous DatabasesはデフォルトでTCPS認証を使用します。ターゲット・データベースがAutonomous Databaseの場合は追加の構成は不要です。その他のOracleデータベースは、TCPS認証を使用するように構成する必要があります。『Oracle Databaseセキュリティ・ガイド』トランスポート層のセキュリティ認証の設定に関する項を参照してください。

Oracle Enterprise Managerでデータベース・リンクを作成する前に、次の作業を実行する必要があります。

  • Enterprise Managerのクラウド資格証明ストアに、ターゲット・データベースへのアクセスに使用する資格証明を保存します。詳細は、「クラウド資格証明ストア」を参照してください。
  • Enterprise Managerの「ディレクトリ・オブジェクト」ページで、ディレクトリ・オブジェクトにターゲット・データベースのウォレットcwallet.ssoを追加します。詳細は、「「ディレクトリ・オブジェクト」での作業」を参照してください。

    オンプレミス・データベースへのデータベース・リンクを作成する場合は、ターゲット・データベース・ウォレット(cwallet.sso)が最初にOracle Cloud Infrastructureオブジェクト・ストレージにアップロードされてから、「ディレクトリ・オブジェクト」ページにダウンロードされるようにする必要があります。

「データベース・リンク」ページに移動するには、「スキーマ」メニューから「データベース・オブジェクト」を選択し、「データベース・リンク」を選択します。「データベース・リンク」ページでは、スキーマにすでに作成されているデータベース・リンクがあれば表示できます。また、データベース・リンクを作成できます。

データベース・リンクを作成するには:

  1. 「データベース・リンク」ページで「作成」をクリックします。
  2. 「データベース・リンクの作成」ダイアログ・ボックスで、ターゲット・データベースへのリンクを作成するために、次の情報を指定する必要があります。
    1. 名前: データベース・リンクの直感的な名前を入力します。
    2. ホスト名: ターゲット・データベースのホスト名を入力します。
    3. ポート番号: ターゲット・データベースのポート番号を入力します。ポート番号は1521から1525の間になる必要があります。
    4. サービス名: ターゲット・データベースのサービス名を入力します。
    5. 識別名(DN): サーバー証明書で使用可能なDN値を入力します。
    6. 資格証明名: オブジェクト・ストレージへの接続に使用する資格証明を選択します。
    7. ディレクトリ・オブジェクト: ターゲット・データベースのウォレットを含むディレクトリ・オブジェクトを選択します。
    8. 「OK」をクリックします。

データベース・リンクの作成後、「アクション」列のアイコンをクリックし、「テスト」をクリックしてデータベース・リンクへの接続をテストします。データベース・リンクを削除するには、「アクション」列のアイコンをクリックして、「削除」をクリックします。

ストレージ管理や自動化メンテナンスなどのデータベース管理タスクの実行

Oracle Enterprise Managerでは、Autonomous Databaseのストレージ構造を表示および管理できます。

Autonomous Database-専用のホーム・ページにある「管理」メニューから、次のいずれかのオプションを選択できます。Autonomous Database-サーバーレスの場合、「記憶域」オプションは使用できません。

  • 記憶域: 対応するオプションをクリックして、データファイルおよび表領域を管理します。

    「自動UNDO管理」を使用して、次の内容を表示します。

    • UNDO表領域の名前とサイズ
    • 表領域設定の自動拡張
    • 自動チューニングされたUNDO保存期間
    • 最小保存期間

    Autonomous Databaseの場合、元に戻す設定を構成できないことに注意してください。これは、元に戻す構成を理解するための読取り専用のビューです。

  • Oracle Scheduler: 「自動化メンテナンス・タスク」オプションは、メンテナンス期間中に自動的に実行される、次のメンテナンス・タスクを有効にする場合に使用します。
    • オプティマイザ統計の収集: 統計がないか、失効した統計しかない自律型データベース内にあるすべてのスキーマ・オブジェクトのオプティマイザ統計を収集します。
    • 自動SQLチューニング: 高負荷SQL文のパフォーマンスを調べ、それらの文のチューニング方法に関する推奨事項を作成します。

詳細の参照先は、次のとおりです。