10 Oracle Data Guardコマンドライン・インタフェース・リファレンス

コマンド・リファレンスを使用して、Data Guard Brokerコマンドライン・インタフェース(DGMGRL)でブローカ構成を管理する方法を確認します。

DGMGRLを使用すると、Data Guard Broker構成とその様々なメンバーを、コマンドラインから直接、あるいはバッチ・プログラムやスクリプトから管理できます。Data Guard Brokerコマンドライン・インタフェースは、Data Guard構成を管理するためのOracle Enterprise Manager Cloud Control (Cloud Control)の代替手段として使用できます。

ノート:

マルチテナント・コンテナ・データベースが、Oracle Database 21c以降のリリースで唯一サポートされているアーキテクチャです。ドキュメントが改訂されている間は、従来の用語が残っている可能性があります。ほとんどの場合、「データベース」と「非CDB」は、コンテキストに応じてCDBまたはPDBを指しています。アップグレードなど、一部のコンテキストでは、「非CDB」が以前のリリースの非CDBを指している場合もあります。

Data Guardコマンドライン・インタフェースの起動

Data Guardコマンドライン・インタフェース(DGMGRL)を起動するには、Oracleがインストールされているシステム上で、コマンドライン・プロンプトから「dgmgrl」と入力します。

% dgmgrl

DGMGRLコマンド・プロンプトが表示されます。

DGMGRL>

DGMGRLを実行するには、SYSDGまたはSYSDBA管理権限を持つ必要があります。

DGMGRLのオプション・パラメータ

コマンドラインからオプション・パラメータを入力して、Data Guardコマンドライン・インタフェースでの出力の表示方法を指定できます。

出力には、コマンド・プロンプト、バナーおよびメッセージなどの項目が含まれます。

また、単一コマンド・モードも使用可能です。このモードのDGMGRLでは、1つのコマンドが実行され、そのコマンドの終了時にDGMGRLも終了します。終了コードとしてコマンドの結果が戻されます。終了コードが0であれば、コマンドは正常終了しています。それ以外の場合は、エラーがあります。

DGMGRLのコマンドラインは次のとおりです。

% dgmgrl [<options>] [<logon> [<command>] ]

DGMGRLコマンドライン・インタフェースの起動時に、次の任意のキーワードを指定します。

  • <options>には、次のいずれか1つを選択できます。

    • -echo

      コマンドの入力と出力をデフォルトの表示デバイスに表示します。このパラメータを使用しない場合、コマンドからの出力のみが表示されます。

    • -logfile <file-spec> "<dgmgrl-command>"

      DGMGRLコマンドライン・インタフェースの処理情報を取得するファイルを指定します。

      ノート:

      DGMGRLの-logfileオプションは、Oracle Database 12cリリース2 (12.2.0.1)では非推奨です。下位互換性のためにのみサポートされています。かわりに、START OBSERVERコマンドでLOGFILE IS句を使用してログ・ファイルが指定されるようになりました。
    • -silent

      DGMGRLのコマンド・プロンプト(DGMGRL>)をデフォルトの表示デバイスに表示しません。このオプションは、コマンド出力をファイルまたは他の表示ツールに送る場合に役立ちます。

  • <logon>は次のとおりです。

    • username [@connect-identifier]

      データベースに接続するには、usernameと、オプションでconnect-identifierを入力します。次に、パスワードの入力を求められます。connect-identifierは、完全指定の接続記述子であり、簡易接続を含むOracleネーミング・メソッド(TNSなど)により解決される名前です。

      完全指定の接続記述子が使用されている場合は、引用符を含める必要があります。引用符がないと、invalid optionエラーで接続が失敗します。次に、引用符を使用して接続する例を示します。
      dgmgrl sys@'(DESCRIPTION=(ADDRESS_LIST=(ADDRESS=(PROTOCOL=TCP)(HOST=sales-server)(PORT=1521)))
      (CONNECT_DATA=(SERVICE_NAME=sales.us.example.com)))'
      Enter password: password

      完全指定の接続記述子を使用するか、簡易接続ネーミング・メソッドを使用するかに関係なく、接続識別子の指定には次のすべての構文が有効です(パスワードの入力を要求されます)。

      • dgmgrl username@'connect_identifier'

      • dgmgrl username@"connect_identifier"

      • dgmgrl username@"'connect_identifier'"

      警告:

      DGMGRLの起動時にコマンドラインでパスワードを指定することには、安全上のリスクがあります。このリスクは、DGMGRLの起動時はパスワードを省略し、後で求められたときに入力するか、外部の認証方式を使用することで回避できます。

    • オペレーティング・システム認証(リモート・データベースの再起動を除く)、Secure Sockets Layer(SSL)プロトコルまたはウォレットに格納されたデータベース資格証明を使用する場合は、'/'として接続できます。

  • <command>は1つのコマンドです。

    たとえば:

    dgmgrl sys "show database 'North_Sales'"

    Password: パスワード

次の各項で、DGMGRL>コマンド・プロンプトから入力するコマンドの書式について説明します。

DGMGRLコマンドの書式とパラメータ

DGMGRLコマンドを使用すると、一度に1つのブローカ構成を作成およびメンテナンスできます。

表10-1 DGMGRLコマンドの概要

コマンド 効果
@ (アットマーク)コマンド DGMGRLスクリプトを実行します。
/ (スラッシュ)コマンド

DGMGRLコマンド・プロンプトで最後に入力したコマンドを繰り返します。

ADD CONFIGURATION

現在の構成にブローカ構成を追加することで、2つのData Guardブローカ構成間の関係を追加します。

ADD DATABASE

既存のブローカ構成に新しいスタンバイ・データベースを追加します。

ADD PLUGGABLE DATABASE

既存のブローカ構成に新しいスタンバイ・データベースを追加します。

CONNECT

指定のユーザー名を使用して指定のデータベースに接続します。

CONVERT DATABASE

指定されたデータベースをスナップショット・スタンバイ・データベースまたはフィジカル・スタンバイ・データベースに変換します。

CREATE CONFIGURATION

ブローカ構成を作成し、プライマリ・データベースをその構成に追加します。

DISABLE CONFIGURATION

構成とそのすべてのデータベースがブローカによる管理対象から外れるように、構成のブローカ管理を無効化します。

DISABLE DATABASE

指定したスタンバイ・データベースのブローカ管理を無効化します。

DISABLE FAR_SYNC

遠隔同期インスタンスのブローカ管理を無効にします。

DISABLE FAST_START FAILOVER

ファスト・スタート・フェイルオーバーを無効化します。

「DISABLE FAST_START FAILOVER CONDITION」

ユーザーによるファスト・スタート・フェイルオーバーの実行条件の削除を可能にします。

DISABLE RECOVERY_APPLIANCE 指定したZero Data Loss Recovery Appliance (リカバリ・アプライアンス)のブローカ管理を無効にします。

EDIT ALL MEMBERS RESET (パラメータ)

ブローカ構成内のすべてのメンバーに対して、指定されたパラメータの値をリセットします。

EDIT ALL MEMBERS RESET (プロパティ)

ブローカ構成内のすべてのメンバーに対して、指定されたプロパティの値をリセットします。

EDIT ALL MEMBERS SET (パラメータ)

ブローカ構成内のすべてのメンバーに対して、指定されたパラメータの値を変更します。

EDIT ALL MEMBERS SET (プロパティ)

ブローカ構成内のすべてのメンバーに対して、指定された構成可能プロパティの値を変更します。

EDIT CONFIGURATION (プロパティ)

ブローカ構成のプロパティ値を変更します。

EDIT CONFIGURATION(保護モード)

ブローカ構成の現在の保護モード設定を変更します。

EDIT CONFIGURATION (RENAME)

構成名を変更します。

EDIT CONFIGURATION RESET (プロパティ)

指定された構成プロパティをそのデフォルト値にリセットします。

EDIT DATABASE (プロパティ)

指定したデータベースのプロパティ値を変更します。

EDIT DATABASE (パラメータ)

指定したデータベースのデータベース初期化パラメータの値を変更します。

EDIT DATABASE (名前の変更)

ブローカにより指定したデータベースの参照に使用される名前を変更します。

EDIT DATABASE (状態)

指定したデータベースの状態を変更します。

EDIT DATABASE RESET (プロパティ)

指定されたデータベースの指定されたプロパティをそのデフォルト値にリセットします。

EDIT DATABASE RESET (パラメータ)

指定したデータベースの指定されたデータベース初期化パラメータの値をリセットします。

EDIT FAR_SYNC

遠隔同期インスタンスの名前、状態またはプロパティを変更します。

EDIT FAR_SYNC RESET (プロパティ)

指定された遠隔同期インスタンスの指定されたプロパティをそのデフォルト値にリセットします。

EDIT FAR_SYNC RESET (パラメータ)

指定した同期インスタンスの指定されたデータベース初期化パラメータの値をリセットします

EDIT RECOVERY_APPLIANCE (プロパティ) 指定したZero Data Loss Recovery Appliance (リカバリ・アプライアンス)のプロパティ値を変更します。
EDIT RECOVERY_APPLIANCE (名前の変更) ブローカ構成内の該当するリカバリ・アプライアンスのプロファイルに記録されているように、指定したZero Data Loss Recovery Appliance (リカバリ・アプライアンス)を参照するためにブローカで使用する名前を変更します。
EDIT RECOVERY_APPLIANCE RESET (プロパティ) 指定されたZero Data Loss Recovery Appliance (リカバリ・アプライアンス)の指定されたプロパティを、そのデフォルト値にリセットします。

ENABLE CONFIGURATION

ブローカ構成とそのすべてのデータベースのブローカ管理を有効化します。

ENABLE DATABASE

指定したデータベースのブローカ管理を有効化します。

ENABLE FAR_SYNC

指定した遠隔同期インスタンスのブローカ管理を有効化します。

ENABLE FAST_START FAILOVER

ブローカによるプライマリ・データベースからターゲット・スタンバイ・データベースへの自動的なフェイルオーバーを可能にします。

「ENABLE FAST_START FAILOVER CONDITION」

ユーザーによるファスト・スタート・フェイルオーバーの実行条件の追加を可能にします。

ENABLE RECOVERY_APPLIANCE 指定したZero Data Loss Recovery Appliance (リカバリ・アプライアンス)のブローカ管理を有効化します。

EXIT

Data Guardコマンドライン・インタフェースを終了します。

EXPORT CONFIGURATION

ブローカ構成ファイルに格納されているメタデータをテキスト・ファイルに保存します。

FAILOVER

データベースまたはプラガブル・データベースのフェイルオーバー操作を実行します。この操作では、現在DGMGRLが接続しているスタンバイ・データベースが、プライマリ・データベースのロールにフェイルオーバーされます。

HELP

Data Guardコマンドライン・インタフェースのオンライン・ヘルプを表示します。

HOSTまたは! (感嘆符)

DGMGRLを離れることなく、DGMGRLコンソールから直接オペレーティング・システム・コマンドを実行します。

IMPORT CONFIGURATION

EXPORT CONFIGURATIONコマンドを使用して以前にエクスポートされたブローカ構成のメタデータをインポートします。

MIGRATE PLUGGABLE DATABASE 同じホスト上のCDB間でPDBを移行します。
PREPARE DATABASE FOR DATA GUARD Data Guard環境用のプライマリ・データベースを準備します。

QUIT

Data Guardコマンドライン・インタフェースを終了します。

REINSTATE DATABASE

フェイルオーバー後、データベースを回復します。

REMOVE CONFIGURATION

ブローカ構成を削除し、そのメンバーのブローカ管理を終了します。

REMOVE DATABASE

指定したスタンバイ・データベースをブローカ構成から削除します。

REMOVE PLUGGABLE DATABASE

指定したプラガブル・データベースをブローカ構成から削除します。

REMOVE FAR_SYNC

既存の遠隔同期インスタンスをOracle Data Guard Broker構成から削除します。

REMOVE INSTANCE

ブローカ構成からインスタンスを削除します。

REMOVE RECOVERY_APPLIANCE 指定したZero Data Loss Recovery Appliance (リカバリ・アプライアンス)をブローカ構成から削除し、そのリカバリ・アプライアンスのブローカ管理を終了します。
SET ECHO コマンドライン・プロンプトまたはDGMGRLスクリプトから発行されるコマンドをエコーするかどうかを制御します。
SET FAST_START FAILOVER TARGET

ファストスタート・フェイルオーバーのターゲットを、指定されたスタンバイ・データベースに設定します。

SET MASTEROBSERVER TO

どのオブザーバをマスター・オブザーバとして認識するか、手動で変更できます。

SET MASTEROBSERVERHOSTS

ブローカ構成のマスター・オブザーバをターゲット・ホスト上のオブザーバに設定します。

SET ObserverConfigFile

オブザーバ構成ファイルのフルパスとファイル名を設定します。

SET TIME タイムスタンプ出力のオン/オフを切り替えます。
SET TRACE_LEVEL DGMGRLによって取得されるトレースの量を指定します。
SHOW ALL DGMGRL CLIプロパティの値を表示します。

SHOW ALL MEMBERS (パラメータ)

構成内のすべてのメンバーについて、指定された初期化パラメータの値を表示します。

SHOW ALL MEMBERS (プロパティ)

構成内のすべてのメンバーについて、指定したプロパティの値を表示します。

SHOW CONFIGURATION

ブローカ構成に関する情報を表示します。

SHOW CONFIGURATION WHEN PRIMARY IS

指定したデータベースがプライマリ・データベースであった場合に有効になるREDO転送構成を表示します。

SHOW CONFIGURATION WHEN PRIMARY IS

指定したデータベースがプライマリ・データベースであった場合に有効になるREDO転送構成を表示します。

SHOW DATABASE

指定したデータベースに関する情報を表示します。

SHOW FAR_SYNC

遠隔同期インスタンスに関する情報を表示します。

SHOW FAST_START FAILOVER

すべてのファスト・スタート・フェイルオーバー関連情報を表示します。

SHOW INSTANCE

指定したインスタンスに関する情報を表示します。

SHOW OBSERVER

Data Guard Broker構成内のすべての登録済オブザーバに関する情報を表示します。

SHOW PLUGGABLE DATABASE

指定したプラガブル・データベースに関する情報を表示します。

SHOW ObserverConfigFile

ObserverConfigFileプロパティの値を表示します。

SHOW OBSERVERS

特定の構成グループのすべてのブローカ構成の、すべてのオブザーバに関する情報を表示します。

SHOW RECOVERY_APPLIANCE 指定したZero Data Loss Recovery Appliance (リカバリ・アプライアンス)の情報またはプロパティ値を表示します。

SHUTDOWN

現在実行中のOracleデータベースを停止します。

SPOOL DGMGRLの入出力をファイルに記録します。

SQL

Data Guardコマンドライン・インタフェース(DGMGRL)からのSQL文の入力を許可します。

START OBSERVER

オブザーバを起動します。

START OBSERVER IN BACKGROUND

DGMGRLセッションを実行中のホスト上で、ファスト・スタート・フェイルオーバー・オブザーバをバックグラウンド・プロセスとして開始します。

START OBSERVING

指定したグループの各ブローカ構成に対応する新規オブザーバを起動します。

STARTUP

データベースのマウントやオープンなど、SQL*Plusと同じオプションを指定してOracleインスタンスを起動します。

STOP OBSERVER

オブザーバを停止します。

STOP OBSERVING

このDGMGRLセッションを実行中のホスト上で動作している、特定のグループのすべてのブローカ構成のローカル・オブザーバをすべて停止します。

SWITCHOVER

スイッチオーバー操作を実行します。現行のプライマリ・データベースがスタンバイ・データベースになり、指定したスタンバイ・データベースがプライマリ・データベースになります。

VALIDATE DATABASE

ロール変更に先立って包括的なデータベース・チェックを実行します。

VALIDATE DATABASE DATAFILE プライマリ・データベースとスタンバイ・データベース全体のデータ・ファイルの検証を実行します。
VALIDATE DATABASE SPFILE プライマリ・データベースと指定されたスタンバイ・データベースのサーバー・パラメータ・ファイル(SPFILE)のエントリの比較を実行します。
VALIDATE DGConnectIdentifier ユーザーは接続文字列がDGConnectidentifierプロパティに対して有効かどうかを確認できます。

VALIDATE FAR_SYNC

遠隔同期インスタンスに対する一連の包括的なチェックを実行します。

VALIDATE FAST_START FAILOVER

ファスト・スタート・フェイルオーバーの構成設定を検証します。

VALIDATE NETWORK CONFIGURATION 構成のメンバー間のネットワーク接続性チェックを実行します。
VALIDATE PLUGGABLE DATABASE ロール変更に先立って包括的なプラガブル・データベース・チェックを実行します。
VALIDATE STATIC CONNECT IDENTIFIER データベースの静的接続識別子を検証します。

DGMGRLコマンドの使用上のノート

このリストの項目では、DGMGRLに固有の使用上のノートについて説明します。

  • DG_BROKER_START動的初期化パラメータをTRUEに設定します。

  • Clusterware内で構成されていないデータベースの再起動を必要とするブローカ操作を有効にするには、データベースを含むホスト上の静的サービスとともにOracle Net Servicesを構成する必要があります。デフォルトでは、ブローカは<db_unique_name>_DGMGRL.<db_domain>という名前の静的サービスを想定します。静的サービス名が異なる場合、データベースのStaticConnectIdentifierブローカ・プロパティを構成済の静的サービスを参照する接続識別子に更新する必要があります。特に、listener.oraファイルにインスタンスの静的構成情報が含まれている必要があります。GLOBAL_DBNAME属性を、<db_unique_name>_DGMGRL.<db_domain>に設定する必要があります。単一インスタンス・データベースでデータベースがOracle ClusterwareまたはOracle Restartで管理されている場合、この操作は必要ありません。詳細は、「前提条件」を参照してください。

  • 次の条件を満たす場合、DGMGRLはデータベース・インスタンスを自動的に停止して再起動します。
    • instance-nameはSIDです(Cloud ControlとDGMGRLに適用されます)。
    • ブローカは、最後のCONNECTコマンドが別のデータベースへの接続に使用された場合でも、最後のCONNECTコマンドに指定された資格証明を使用してデータベースに接続できる必要があります。
  • 構成の作成時またはデータベースの追加時に使用する接続識別子は、構成内のすべてのホストから解決可能である必要があります。

  • Oracle Data Guardコマンドライン・インタフェースを使用するには、SYSDGまたはSYSDBA権限が必要です。CONNECTコマンドにAS SYSDGまたはAS SYSDBAを含めないと、DGMGRLは先にAS SYSDG接続を試み、それが失敗したら、AS SYSDBA接続を試みます。ほとんどのコマンドはSYSDGまたはSYSDBAのいずれかの権限で実行できますが、構成メンバーを作成または大幅に変更する一部のコマンドはSYSDBA権限でのみ実行できます。

  • コマンドで複数のオプションを指定する場合、指定する順序は問われません。

  • 各DGMGRLコマンドの末尾にセミコロンを付ける必要があります。

  • DGMGRLコマンド文字列の値で指定する文字は、二重引用符(")または一重引用符(')で囲まれていない場合、小文字として解釈されます。たとえば、databaseとDatAbaSeは同じですが、"database"と"DatAbaSe"は異なります。

  • 一重引用符(')、二重引用符(")およびバックスラッシュ(\)が文字列に含まれている場合は、これらの文字のエスケープ文字としてバックスラッシュ(\)を使用できます。

コマンドの例

例10-1 ローカル・システム上のデータベース・インスタンスへの接続

この例では、ローカル・システム上のデータベース・インスタンスに接続する方法を示します。

% dgmgrl
.
.
.
Welcome to DGMGRL, type "help" for information.

DGMGRL> CONNECT sysdg;
Password: password
Connected to "North_Sales"
Connected as SYSDG.

例10-2 リモート・システム上のデータベース・インスタンスへの接続

この例では、リモート・システム上のデータベース・インスタンスに接続する方法を示します。

DGMGRL> CONNECT sysdg@remote-stby;
Password: password
Connected to "remote-stdby"
Connected as SYSDG.

例10-3 ASオプションを使用した接続

この例では、CONNECT ASオプションを使用してデータベース・インスタンスに接続する方法を示します。

DGMGRL> CONNECT sys@remote-stby AS SYSDBA;
Password: password
Connected to "remote-stdby"
Connect as SYSDBA.

Data Guardコマンドライン・インタフェースの終了

DGMGRLインタフェースでの作業を完了し、オペレーティング・システムに戻るには、EXITまたはQUITコマンドを入力します。

たとえば:

DGMGRL> EXIT;

@ (アットマーク)コマンド

@コマンドを使用すると、スクリプト・ファイルに保存されているDGMGRLコマンドを実行できます。

一連のコマンドをスクリプト・ファイルに入力してから、@コマンドを使用してそのファイルを実行できます。スクリプト内に含まれているコマンドが順に実行されます。

書式

DGMGRL内での書式は次のとおりです。

DGMGRL> @<script_file_name>

コマンド・パラメータ

フラグ 説明
-echo スクリプト内のすべてのコマンドと、その実行結果を表示します。

使用上のノート

このコマンドを使用して実行するスクリプトは、次の条件を満たしている必要があります。

  • DGMGRLがスクリプトにアクセスできる必要があります。できない場合、DGMGRLではファイルを開けないため、コマンドは失敗します。

  • スクリプト内のすべてのDGMGRLコマンドがセミコロンで終了している必要があります。

  • @コマンドの再帰実行は可能ですが、再帰レベルの上限は20です。再帰レベルが20に達すると、実行は終了され、未実行のコマンドは実行されません。そのため、@コマンドの自己再帰的な実行(たとえば、abc.scriptスクリプト自体に@abc.scriptコマンドを入力する)を使用する場合には注意が必要です。

  • スクリプト内にSTART OBSERVERコマンドがある場合、START OBSERVERコマンドによってDGMGRLセッションがオブザーバに移行されるため、このコマンド以降に出現するコマンドはすべて無視されます。

    START OBSERVER IN BACKGROUNDコマンドは、通常のコマンドとして処理されます。つまり、このコマンド以降に出現するコマンドはすべて実行されます。

  • コメント行はスクリプト内で使用できますが、セミコロンで終了している必要があります。たとえば、次のコメントはスクリプト内で使用できます。

    REM Hello World; 
    -- Hello Again!;

    二重ダッシュの後に空白文字を入れてから、コメント・テキストを続ける必要があります。

/ (スラッシュ)コマンド

DGMGRLの/ (スラッシュ)コマンドは、コマンド・プロンプトで最後に入力したコマンドを繰り返す場合に使用します。

書式

DGMGRL> /

使用上のノート

  • 次のコマンドは、/ (スラッシュ)コマンドを使用して繰り返すことはできません。

    • RETURN

    • 認識できないコマンド

    • CONNECTコマンド(資格証明が含まれている可能性があるため)

    • / (スラッシュ)コマンド自体

コマンドの例

次の例では、/ (スラッシュ)コマンドを使用して、簡単にSHOW CONFIGURATIONコマンドを繰り返します。

DGMGRL> SHOW CONFIGURATION;
 
Configuration - Sales_Configuration
 
  Protection Mode: MaxAvailability
  Members:
  North_Sales  - Primary database
    Local_Sales  - Physical standby database
      Remote_Sales  - Physical standby database (receiving current redo)
 
Fast-Start Failover: DISABLED
 
Configuration Status:
SUCCESS

DGMGRL> /

Configuration - Sales_Configuration
 
  Protection Mode: MaxAvailability
  Members:
  North_Sales  - Primary database
    Local_Sales  - Physical standby database
      Remote_Sales  - Physical standby database (receiving current redo)
 
Fast-Start Failover: DISABLED
 
Configuration Status:
SUCCESS

DGMGRL>

ADD CONFIGURATION

ADD CONFIGURATIONコマンドは、現在の構成にブローカ構成を追加することで、2つのData Guardブローカ構成間の関係を確立します。

前提条件

  • 従来のData Guardは、スタンバイ・データベースを介して構成しないでください。

  • 初期化パラメータDG_BROKER_STARTは、TRUEに設定されている必要があります。

  • DG_BROKER_CONFIG_FILEパラメータは正しく構成する必要があります。

  • ソースCDBおよびターゲットCDBにサーバー・パラメータ・ファイル(spfile)を作成する必要があります。

書式

ADD CONFIGURATION <configuration_name> CONNECT IDENTIFIER IS <connect_identifier>;

パラメータ

パラメータ 説明
configuration_name

追加する必要があるブローカ構成の名前。この構成には、プライマリ・データベースが1つ含まれていて、スタンバイ・データベースが含まれていない必要があります。

connect_identifier

configuration_name内のプライマリ・データベースへの接続に使用されるOracle Net接続識別子。接続識別子はプライマリ・データベースに対応している必要があります。

使用上のノート

  • REDO転送は、ターゲットPDBの追加後に、2つのブローカ構成のプライマリ・データベース間で自動的に設定されます。ただし、この時点では、プライマリ・データベースがソースまたはターゲットとして指定されていません。

  • 構成名は、ブローカ・メタデータにすでに存在する他の構成と異なっている必要があります。

例10-4 2つのブローカ構成間の接続の確立

この例では、MyConfig2という名前の構成を現在の構成MyConfig1に追加します。MyConfig2のプライマリ・データベースに接続するためのOracle Net接続識別子は、newyork_ciです。

DGMGRL> ADD CONFIGURATION 'MyConfig2' CONNECT IDENTIFIER IS newyork_ci;
    Added configuration “MyConfig2” with primary database “newyork”.

ADD DATABASE

DGMGRLのADD DATABASEコマンドは、既存のブローカ構成にスタンバイ・データベースを追加します。

書式

ADD DATABASE <db_unique_name> AS CONNECT IDENTIFIER IS <connect_identifier>;

コマンド・パラメータ

db-unique-name

ブローカでこのスタンバイ・データベースを参照するために使用される名前。この名前は、対応するデータベースのDB_UNIQUE_NAME初期化パラメータの値と一致する(大/小文字は区別されません)必要があります。

<connect_identifier>

完全指定の接続記述子またはOracle Net Servicesのネーミング・メソッド(TNSなど)により解決される名前です。指定した値は、データベース・プロパティDGConnectIdentifierの初期値としても使用されます。

使用上のノート

  • このコマンドを発行するには、プライマリ・データベースまたは構成内にすでに存在する有効化されたスタンバイ・データベースに接続する必要があります。

  • ブローカで、指定した<connect_identifier>が、他のデータベースから指定のデータベースへの通信に使用されます。そのため、構成内のすべてのデータベースから指定のデータベースへのアドレス指定に<connect_identifier>を使用できることを確認する必要があります。たとえば、TNSをネーミング・メソッドとして使用する場合は、構成に含まれているすべてのデータベースおよびインスタンスにあるtnsnames.oraファイルに<connect_identifier>のエントリがあることを確認する必要があります。接続識別子は同じ接続記述子に解決される必要があります。追加するデータベースがOracle RACデータベースである場合は、Oracle RACのすべてのインスタンスにアクセスできる<connect_identifier>を指定する必要があります。FAILOVER属性を設定することをお薦めします。

  • 接続できない場合、ブローカでは新しいデータベースが構成に追加されません。

コマンドの例

次の例に、データベースSouth_Salesを追加する方法を示します。

DGMGRL> ADD DATABASE South_Sales AS CONNECT IDENTIFIER IS South_Sales.example.com;
Database "South_Sales" added

ADD FAR_SYNC

ADD FAR_SYNCコマンドは、既存の遠隔同期インスタンスをOracle Data Guard Broker構成に追加します。

作成された遠隔同期インスタンスは無効化されています。ブローカがそれとの間でREDOをやりとりするには、それを明示的に有効にする必要があります。

書式

ADD FAR SYNC <db_unique_name> AS CONNECT IDENTIFIER IS <connect_identifier>;

コマンド・パラメータ

db-unique-name

ブローカでこの遠隔同期インスタンスを参照するために使用する名前。これは、対応する遠隔同期インスタンスの初期化パラメータDB_UNIQUE_NAMEの値と一致する必要があります(大/小文字は区別されません)。

connect-identifier

完全指定の接続記述子またはOracle Net Servicesのネーミング・メソッド(TNSなど)により解決される名前です。指定した値は、DGConnectIdentifierプロパティの初期値としても使用されます。

使用上のノート

  • ブローカ構成に遠隔同期インスタンスを追加するには、先にそれが存在する必要があります。

コマンドの例

次の例は、chicagoという名前の遠隔同期インスタンスを構成に追加します。

DGMGRL> ADD FAR_SYNC chicago AS CONNECT IDENTIFIER IS chicago.example.com;

ADD PLUGGABLE DATABASE

このコマンドは、ターゲット・データベース内のターゲットPDBをインスタンス化します。ターゲットPDBは、ソース・データベース内のソースPDBに対するデータ保護を提供するために使用されます。

書式

ADD PLUGGABLE DATABASE <pdb_name> AT <target_db_unique_name>
SOURCE IS <source_pdb_name> AT <source_db_unique_name> 
PDBFileNameConvert IS '<filename_convert_string>' [<create_pluggable_database_options>]';

コマンド・パラメータ

pdb_name

ターゲット・データベースでインスタンス化する必要があるターゲットPDBの名前。指定された名前のPDBは、ターゲット・データベースに存在できません。

target_db_unique_name

ターゲットPDBを含むターゲット・データベースの名前。

source_pdb_name

ターゲット・データベースでインスタンス化する必要があるソースPDBの名前。ソースPDBは、source_database_nameパラメータで指定されたソース・データベースに存在する必要があります。

source_db_unique_name

ソースPDBを含むソース・データベースの名前。

filename_convert_string

ソース・データベースからターゲット・データベースへのデータ・ファイル名の文字列変換。

create_pluggable_database_options

Data Guardプラガブル・データベースの作成時に使用するオプション。これらは、SQL*PlusのCREATE PLUGGABLE DATABASEコマンドで使用できるオプションです。

使用上のノート

  • このコマンドは、指定したPDBがソース・データベースに存在し、ターゲット・データベースに存在しないことを確認した後に、そのPDBをインスタンス化します。

  • 指定された名前のPDBがターゲット・データベースに存在し、(Data Guard保護用に設定されていない)ネイティブPDBとして動作している場合、エラーが表示されます。

例10-5 DG PDB環境でのソースPDBのインスタンス化

この例では、dgpdb_salesという名前のターゲットPDBをnewyorkという名前のターゲット・データベースに追加します。ターゲットPDBは、ソース・データベースbostonのソースPDB salesのデータ保護を提供するために使用されます。PDBFileNameConvertキーワードは、ソース・データベースのデータベース・ファイルをターゲット・データベースに変換する方法を指定します。

ADD PLUGGABLE DATABASE 'dgpdb_sales' AT 'newyork' 
SOURCE IS 'sales' AT 'boston' 
PDBFileNameConvert IS "'dbs/boston-sales, dbs/newyork-sales-dg'";

ADD RECOVERY_APPLIANCE

ADD RECOVERY_APPLIANCEコマンドは、Zero Data Loss Recovery Appliance (リカバリ・アプライアンス)を既存のブローカ構成に追加します。

AS CONNECT IDENTIFIER句は、オプションです。この句を指定しない場合、ブローカはプライマリ・データベースと有効化されたすべてのスタンバイ・データベース上でLOG_ARCHIVE_DEST_n初期化パラメータを検索し、追加されるリカバリ・アプライアンスに対応するエントリを探します。

書式

ADD RECOVERY APPLIANCE <db_unique_name> AS CONNECT IDENTIFIER IS <connect_identifier>;

コマンド・パラメータ

db_unique_name

ブローカでこのリカバリ・アプライアンスを参照するために使用される名前。これは、対応するリカバリ・アプライアンスのDB_UNIQUE_NAME初期化パラメータの値と一致する(大/小文字は区別されません)必要があります。

connect_identifier

完全指定の接続記述子またはOracle Net Servicesのネーミング・メソッド(TNSなど)により解決される名前です。指定した値は、データベース・プロパティDGConnectIdentifierの値としても使用されます。

使用上のノート

  • このコマンドを発行するには、プライマリ・データベースまたは構成内にすでに存在する有効化されたスタンバイ・データベースに接続する必要があります。

  • ブローカでは、指定した接続識別子を使用して、構成内の任意のデータベースから指定のリカバリ・アプライアンスに通信します。したがって、構成内の任意のデータベースから指定のリカバリ・アプライアンスへのアドレス指定に、接続識別子を使用できることを確認する必要があります。たとえば、TNSをネーミング・メソッドとして使用する場合、構成内のすべてのデータベースとインスタンスのtnsnames.oraファイルに接続識別子のエントリが含まれることを確認する必要があります。接続識別子は同じ接続記述子に解決される必要があります。

  • 接続を確立できない場合、新しいリカバリ・アプライアンスは構成に追加されません。

  • 構成内に複数のリカバリ・アプライアンスを含むことが可能です。

  • このドキュメントのガイドラインに従って、リカバリ・アプライアンス (Zero Data Loss Recovery Appliance)のREDO転送サービスを構成します。

コマンドの例

次の例は、EnterpriseRecoveryApplianceという名前のリカバリ・アプライアンスを追加する方法を示しています。

DGMGRL> ADD RECOVERY_APPLIANCE EnterpriseRecoveryAppliance AS CONNECT IDENTIFIER IS 
EnterpriseRecoveryAppliance.example.com;Oracle Backup Appliance "EnterpriseRecoveryAppliance" added

CONNECT

DGMGRLのCONNECTコマンドを使用すると、Data Guard Broker構成のメンバーであるデータベースまたは遠隔同期インスタンスに接続できます。

構文

CONNECT <username>/<password>[@<connect_identifier>] [AS { SYSDBA | SYSDG }]
  CONNECT <username>[/@<connect_identifier>] [AS { SYSDBA | SYSDG }]
  CONNECT /@<connect_identifier> [AS { SYSDBA | SYSDG }]
  CONNECT / [AS { SYSDBA | SYSDG }]
  CONNECT

コマンド・パラメータ

username

構成メンバーへの接続に使用するユーザー名。ユーザー名と、オプションでconnect-identifierを入力すると、パスワードの入力を求められます。

connect-identifier

このパラメータは省略可能です。このパラメータは、接続先構成メンバーのOracle Net Services接続識別子です。正確な構文は、Oracleのインストールで使用されるOracle Net Services通信プロトコルによって異なります。

使用上のノート

  • 接続を試みる構成メンバーに対してユーザー名とパスワードが有効である必要があります。

    指定するユーザー名には、SYSDGまたはSYSDBA権限が必要です。

  • AS句はオプションです。指定されている場合、DGMGRLは、その指定されたSYSDGまたはSYSDBAのいずれかで接続を試みます。AS句が指定されていない場合、DGMGRLは最初にAS SYSDG接続を試み、それが失敗した場合は、AS SYSDBA接続を試みます。

  • CONNECTコマンドが実行されるたびに、ブローカによって、クライアント側のブローカ・ファイルを含むデフォルト・ディレクトリが存在するかどうかが確認されます。

    • DG_ADMIN環境変数が定義されていて、この変数で指定されているディレクトリが必要な権限を持って存在する場合、logdatおよびcalloutサブディレクトリが$DG_ADMIN/config_ConfigurationSimpleNameディレクトリの下に作成されます。
    • DG_ADMIN環境変数が定義されていない場合、またはDG_ADMINで指定されたディレクトリに必要な権限がない場合、ブローカはサブディレクトリを作成しません。必要な権限の詳細は、クライアント側ブローカ・ファイルの場所を参照してください。
  • CONNECTコマンドでエラーが戻される場合は、有効なconnect-identifierを指定したことを確認してください。

  • CONNECTコマンドが正常に実行されると、接続が確立された構成メンバーの名前が表示されます。

コマンドの例

例1: ローカルの構成メンバーへの接続

この例では、ローカル・システム上のデフォルト構成メンバーに接続します。

DGMGRL> CONNECT sysdg;
Password: password
Connected to "North_Sales"
Connected as SYSDG.

例2: リモートの構成メンバーへの接続

この例では、リモートシステム上の構成メンバーに接続します。

DGMGRL> CONNECT sysdg@South_Sales;
Password: password
Connected to "South_Sales"
Connected as SYSDG.

例3: 接続資格証明を表示しない接続

この例では、コマンドラインで接続資格証明を表示できないように、CONNECT '/'を使用して構成メンバーに接続しています。

DGMGRL> CONNECT /@North_Sales.example.com;
Connected to "North_Sales"

CONNECT '/'を使用するには、OracleウォレットまたはSSLを設定する必要があります。OracleウォレットまたはSSLを設定することで、スクリプトでデータベース資格証明を指定せずに、オブザーバをバックグラウンド・ジョブとして安全に起動および実行するためのスクリプトを記述できます。

CONVERT DATABASE

CONVERT DATABASEコマンドは、フィジカル・スタンバイ・データベースをスナップショット・スタンバイ・データベースに変換するか、スナップショット・スタンバイ・データベースをフィジカル・スタンバイ・データベースに戻します。

スナップショット・スタンバイ・データベースは完全に更新可能なスタンバイ・データベースです。フィジカルまたはロジカル・スタンバイ・データベースと同様に、スナップショット・スタンバイ・データベースは、プライマリ・データベースからREDOデータを受信し、アーカイブします。フィジカルまたはロジカル・スタンバイ・データベースとは異なり、スナップショット・スタンバイ・データベースは、受信したREDOデータを適用しません。スナップショット・スタンバイ・データベースが受信したREDOデータは、スナップショット・スタンバイが元のフィジカル・スタンバイ・データベースに変換され、スナップショット・スタンバイ・データベースに対するすべてのローカルな更新が破棄された後に適用されます。

スナップショット・スタンバイ・データベースは、フィジカル・スタンバイ・データベースの一時的かつ更新可能なスナップショットが必要な場合に最もよく使用されます。スナップショット・スタンバイ・データベースでは、フィジカル・スタンバイに戻るまで受信したREDOデータが適用されないため、ロール遷移の実行に要する時間は、適用する必要があるREDOデータの量に正比例します。

スナップショット・スタンバイ・データベースの詳細は、『Oracle Data Guard概要および管理』を参照してください。

書式

CONVERT DATABASE <db_unique_name> TO {PHYSICAL |SNAPSHOT} STANDBY;

コマンド・パラメータ

使用上のノート

db-unique-name

フィジカル・スタンバイまたはスナップショット・スタンバイに変換するデータベースのDB_UNIQUE_NAME初期化パラメータの値。

  • ファスト・スタート・フェイルオーバーのターゲットである場合、フィジカル・スタンバイ・データベースをスナップショット・スタンバイ・データベースに変換できません。「ORA-16668: ファスト・スタート・フェイルオーバー・ターゲットのスタンバイ・データベースでは操作を実行できません」というエラーが表示されます。

  • 構成可能なプロパティRedoRoutesがNullでない値に設定されている場合、フィジカル・スタンバイ・データベースをスナップショット・スタンバイ・データベースに変換できません。

  • DGMGRL ADD DATABASEコマンドを使用して、既存のスナップショット・スタンバイ・データベースをOracle Data Guard Broker構成にインポートしてください。

  • スナップショット・スタンバイ・データベースを、スイッチオーバーまたはファスト・スタート・フェイルオーバーのターゲットにすることはできません。

  • ファスト・スタート・フェイルオーバーが無効化されている場合、スナップショット・スタンバイ・データベースは、手動フェイルオーバーのターゲットにすることができます。

  • SHOW CONFIGURATIONまたはSHOW DATABASEコマンドを使用して、変換の結果を確認できます。たとえば:

    DGMGRL> SHOW CONFIGURATION;
     
    Configuration - DRSolution
     
      Protection Mode: MaxPerformance
      Members:
        North_Sales  - Primary database
          South_Sales  - Snapshot standby database
     
    Fast-Start Failover: DISABLED
     
    Configuration Status:
    SUCCESS
  • スナップショット・スタンバイ・データベースをフィジカル・スタンバイ・データベースに戻すと、フィジカル・スタンバイ・データベースのデフォルトのAPPLY-ONの状態になります。

コマンドの例

例1: フィジカル・スタンバイからスナップショット・スタンバイへの変換

次のコマンドを発行して、フィジカル・スタンバイ・データベースをスナップショット・スタンバイ・データベースに変換します。

DGMGRL> CONVERT DATABASE 'South_Sales' to SNAPSHOT STANDBY;
Converting database "South_Sales" to a Snapshot Standby database, please wait...
Database "South_Sales" converted successfully

例2: スナップショット・スタンバイからフィジカル・スタンバイへの再変換

次のコマンドを発行して、スナップショット・スタンバイ・データベースをフィジカル・スタンバイ・データベースに戻します。

DGMGRL> CONVERT DATABASE 'South_Sales' to PHYSICAL STANDBY;
Converting database "South_Sales" to a Physical Standby database, please wait...
Operation requires shutdown of instance "south_sales1" on database "South_Sales"
Shutting down instance "south_sales1"...
Database closed.
Database dismounted.
ORACLE instance shut down.
Operation requires startup of instance "south_sales1" on database "South_Sales"
Starting instance "south_sales1"...
ORACLE instance started.
Database mounted.
Continuing to convert database "South_Sales" ...
Database "South_Sales" converted successfully

CREATE CONFIGURATION

CREATE CONFIGURATIONコマンドは、指定されたプライマリ・データベースを含む新しいブローカ構成を作成します。

書式

CREATE CONFIGURATION <configuration_name> AS PRIMARY DATABASE IS <db-unique_name> CONNECT IDENTIFIER IS <connect_identifier>
[INCLUDE CURRENT DESTINATIONS]
;

コマンド・パラメータ

configuration-name

作成する構成のわかりやすい名前。有効な名前には英数字が含まれます。名前に空白を含める場合は、その名前を二重引用符または一重引用符で囲む必要があります。名前は30バイト以内で指定してください。

db-unique-name

ブローカでプライマリ・データベースを参照するために使用される名前。この名前は、プライマリ・データベースのDB_UNIQUE_NAME初期化パラメータの値と一致する(大/小文字は区別されません)必要があります。

connect-identifier

完全指定の接続記述子またはOracle Net Servicesのネーミング・メソッド(TNSなど)により解決される名前です。指定した値は、データベース・プロパティDGConnectIdentifierの初期値としても使用されます。

使用上のノート

  • ブローカ構成は、グループとして管理する必要がある1つ以上のメンバーの名前付きコレクションです。各コマンド・パラメータの値を指定する必要があります。デフォルト値はありません。

  • このコマンドを発行するには、プライマリ・データベースに接続する必要があります。

  • ブローカで、指定したconnect_identifierが、他のデータベースから指定のデータベースへの通信に使用されます。そのため、構成内のすべてのデータベースから指定のデータベースへのアドレス指定にconnect_identifierを使用できることを確認する必要があります。たとえば、TNSをネーミング・メソッドとして使用する場合、構成内のすべてのデータベースとインスタンスのtnsnames.oraファイルにconnect-identifierのエントリが含まれることを確認する必要があります。接続識別子は同じ接続記述子に解決される必要があります。追加するデータベースがOracle RACデータベースである場合は、Oracle RACのすべてのインスタンスにアクセスできるconnect_identifierを指定する必要があります。FAILOVER属性を設定することをお薦めします。

  • ブローカ構成の作成後にスタンバイ・データベースを追加するには、ADD DATABASEコマンドを使用します。

    同様に、ADD FAR SYNCおよびADD RECOVERY APPLIANCEを使用して、遠隔同期インスタンスとリカバリ・アプライアンスをそれぞれ追加します。

  • NOREGISTER属性のないプライマリ・データベース上ですべてのリモートREDO転送先をクリアしてからでないと、構成を作成できません。

  • Data Guard Brokerにより、指定された接続識別子が、db_unique_nameコマンド・パラメータで指定されているデータベースへの接続になることが確認されます。

コマンドの例

次の例では、プライマリ・データベースNorth_Salesを含む新しいブローカ構成DRSolutionを作成しています。

DGMGRL> CREATE CONFIGURATION 'DRSolution' AS
> PRIMARY DATABASE IS 'North_Sales'
> CONNECT IDENTIFIER IS North_Sales.example.com;
Configuration "DRSolution" created with primary database "North_Sales"

CREATE FAR_SYNC

CREATE FAR_SYNCコマンドは、新しい遠隔同期インスタンスを作成し、それをブローカ構成に追加します。このコマンドを使用するには、Oracleウォレット・ベースの認証を構成し、SYSDBA権限で接続する必要があります。また、新しい遠隔同期インスタンスが作成されたホストで補助インスタンスを起動する必要があります。

書式

補助インスタンスがパラメータ・ファイル(PFILE)を使用して起動された場合:

CREATE FAR_SYNC <db_unique_name> AS CONNECT IDENTIFIER IS <connect_identifier> [ SPFILE [ PARAMETER_VALUE_CONVERT '<string_pair_values>' ] [ SET <parameter_name> value ] ... [ SET <parameter_name value> ] [ RESET <parameter_name> ] ... [ RESET <parameter_name> ] ];

補助インスタンスがサーバー・パラメータ・ファイル(SPFILE)を使用してを起動された場合:

CREATE FAR_SYNC <db_unique_name> AS CONNECT IDENTIFIER IS <connect_identifier>;

使用上のノート

  • 接続されたデータベースのバージョンは、DGMGRLのバージョンと同じである必要があります。

  • SPFILE句が指定されている場合は、指定されたspfileの初期化パラメータが遠隔同期インスタンスの作成時に使用されます。

    このコマンドでは、RMANのDUPLICATEコマンドを使用して遠隔同期インスタンスを作成します。RMAN複製時に使用される補助インスタンスがspfileを使用して起動された場合は、CREATE FAR_SYNCコマンドにSPFILE句を含めることはできません。

  • PARAMETER_VALUE_CONVERT句は、SPFILE句の直後に指定する必要があります。SET句またはRESET句の後にPARAMETER_VALUE_CONVERT句を使用すると、コマンドが失敗します。

  • Oracleウォレットを設定する必要があります。遠隔同期インスタンスに接続するためにウォレットで使用される別名は、プライマリ・データベース・ホストと遠隔同期インスタンス・ホストの両方で静的サービス接続に解決される必要があります。プライマリ・データベースに接続するためにウォレットで使用される別名は、静的サービス接続に解決する必要はありません。両方のホストについて、各データベースの接続識別子は、プライマリ・データベース・ホストと遠隔同期インスタンス・ホストの両方で同じインスタンスに解決される必要があります。
  • 新しい遠隔同期インスタンスが作成されたホストで補助インスタンスを起動する必要があります。補助インスタンスがサーバー・パラメータ・ファイルを使用して起動された場合、SPFILE PARAMETER_VALUE_CONVERTSETおよびRESET句は指定できません。
  • 接続されたデータベースのバージョンは、DGMGRLのバージョンと同じである必要があります。
  • 遠隔同期インスタンスを作成するために、このコマンドは、指定されたPARAMETER_VALUE_CONVERTSETおよびRESET句を使用してRMAN DUPLICATEコマンドを起動します。
  • PARAMETER_VALUE_CONVERT句は、SPFILE句の直後に指定する必要があります。SET句または RESET句の後にPARAMETER_VALUE_CONVERT句を指定すると、コマンドは失敗します。
  • 補助インスタンスがパラメータ・ファイルを使用して起動された場合、このコマンドは次を実行します。

    • 遠隔同期インスタンスの次の初期化パラメータを設定します。
      • DB_NAMEをプライマリ・データベースのDB_NAMEに設定
      • DB_UNIQUE_NAMEを、指定されているdb_unique_name
      • SGA_TARGETを300MBに設定
      • CPU_COUNTを1に設定
    • 次の初期化パラメータをリセットします。CONTROL_FILESCLUSTER_DATABASEDB_RECOVERY_FILE_DESTDB_RECOVERY_FILE_DEST_SIZEDB_FILE_NAME_CONVERTおよびLOG_ARCHIVE_CONFIGSGAメモリーの合計サイズに貢献する次のようなパラメータがリセットされます(ただしこれらに限定されません)。DB_CACHE_SIZELOG_BUFFERSHARED_POOL_SIZELARGE_POOL_SIZEJAVA_POOL_SIZE STREAMS_POOL_SIZE
    • 既存のLOG_ARCHIVE_DEST_n初期化パラメータをクリアします。
  • 遠隔同期インスタンスの初期化パラメータが適切に設定されていない場合、DGMGRLが遠隔同期インスタンスの起動に失敗するため、コマンドが失敗することがあります。この場合、遠隔同期インスタンスでアラート・ログ・ファイルまたはブローカ・ログ・ファイルを表示して問題の原因を特定し、spfileで必要な初期化パラメータを変更するか、PARAMETER_VALUE_CONVERTSETまたはRESET句を追加して変更します。

コマンド・パラメータ

db_unique_name

遠隔同期インスタンスのDB_UNIQUE_NAME初期化パラメータの値。

connect_identifier

完全指定の接続記述子またはOracle Net Servicesのネーミング・メソッド(TNSなど)により解決される名前です。指定した値は、データベース・プロパティDGConnectIdentifierの初期値としても使用されます。

string_value_pairs

文字列ペアのリスト。RMANのDUPLICATEコマンドを起動すると、値はPARAMETER_VALUE_CONVERT句の値に設定されます。

PARAMETER_VALUE_CONVERT句は、一致するすべての初期化パラメータ値の最初の文字列を2番目の文字列で置換します。このパラメータにより、文字列の複数のペアを指定できます。

たとえば、' "string1", "string2", "string3", "string4", ... 'とします。

説明:

  • • string1は、プライマリ・データベースの初期化パラメータのパターンです。

  • • string2は、遠隔同期インスタンスの初期化パラメータのパターンです。

  • • string3は、プライマリ・データベースの初期化パラメータのパターンです。

  • • string4は、遠隔同期インスタンスの初期化パラメータのパターンです。

これはオプションの引数です。指定しない場合は、プライマリ・データベース上のサーバー・パラメータ・ファイルのコピーが、変更なしで遠隔同期インスタンスで使用されます。

parameter_name
設定またはリセットする必要がある初期化パラメータの名前。
value
指定された初期化パラメータに設定する必要がある値。

コマンドの例

次の例では、FS1という名前の遠隔同期インスタンスを作成し、ブローカ構成に追加します。初期化パラメータLOG_FILE_NAME_CONVERTDB_RECOVERY_FILE_DESTおよびDB_RECOVERY_FILE_DEST_SIZEは、指定された値に設定されます。初期化パラメータUNDO_TABLESPACEはリセットされます。

DGMGRL> CREATE FAR_SYNC 'FS1' AS CONNECT IDENTIFIER IS 'FS1_STATIC_CONN'
          SPFILE
          PARAMETER_VALUE_CONVERT 'North_Sales','FS1','NORTH_SALES','FS1','NorthSales','FS1','NORTHSALES','FS1'
          SET LOG_FILE_NAME_CONVERT 'North_Sales','FS1','NORTH_SALES','FS1'
          SET DB_RECOVERY_FILE_DEST '/scratch/oracle/fast_recovery_area'
          SET DB_RECOVERY_FILE_DEST_SIZE '100G'
          RESET UNDO_TABLESPACE;
Creating far sync instance "FS1".
Connected to "North_Sales"
Connected to "Aux"
far sync instance "FS1" created
far sync instance "FS1" added

DISABLE CONFIGURATION

DISABLE CONFIGURATIONコマンドは、構成とそのすべてのデータベースがブローカによる管理対象から外れるように、構成のブローカ管理を無効化します。

書式

DISABLE CONFIGURATION [<configuration_name> | ALL];

コマンド・パラメータ

configuration_name

無効にする構成の名前。または、キーワードALLを指定して、すべての構成を無効にします。

使用上のノート

  • 無効化された構成およびそこに含まれるすべてのデータベースが、ブローカで管理されなくなります。

  • プライマリ・データベースのブローカ管理を無効にするには、DISABLE CONFIGURATIONコマンドを使用する必要があります。

  • このコマンドは、構成ファイルからブローカ構成を削除しません。構成を削除する方法の詳細は、REMOVE CONFIGURATIONコマンドを参照してください。

  • 構成が無効になっている間、データベース・プロパティを編集したり構成の保護モードを変更できます。ただし、プロパティや保護モードの変更結果は、構成が有効化されるまで有効になりません。

  • このコマンドは、ファスト・スタート・フェイルオーバーが有効になっている場合は実行できません。

コマンドの例

次の例では、ブローカ構成およびそのすべてのデータベースの管理を無効化しています。

DGMGRL> DISABLE CONFIGURATION;
Disabled.

DISABLE DATABASE

DISABLE DATABASEコマンドは、指定したスタンバイ・データベースのブローカ管理を無効化します。

つまり、ブローカではこのデータベースの状態を変更できなくなり、ブローカはデータベースの健全性ステータスや監視可能なプロパティを監視しません。

書式

DISABLE DATABASE <db_unique_name>;

コマンド・パラメータ

db_unique_name

無効化するスタンバイ・データベースの名前。

使用上のノート

  • プライマリ・データベース名は指定できません。

  • プライマリ・データベースとすべてのスタンバイ・データベースを無効化するには、DISABLE CONFIGURATIONコマンドを使用します。

  • スタンバイ・データベースを1つのみ無効化する場合、フェイルオーバー・オプションを使用できません。このスタンバイ・データベースは、再び有効化するまでは実行できなくなります。

  • ファスト・スタート・フェイルオーバーが有効化されているとき、このコマンドを使用してファスト・スタート・フェイルオーバーのターゲット・データベースを無効にすることはできません。

コマンドの例

次の例に、データベースSouth_Salesを無効化する方法を示します。

DGMGRL> DISABLE DATABASE 'South_Sales';
Disabled.

DISABLE FAR_SYNC

DISABLE FAR_SYNCコマンドは、遠隔同期インスタンスのブローカ管理を無効にします。

書式

DISABLE FAR_SYNC <db_unique_name>;

コマンド・パラメータ

db_unique_name

無効にする遠隔同期インスタンスのDB_UNIQUE_NAME初期化パラメータ値

使用上のノート

  • RedoRoutesプロパティが設定されている遠隔同期インスタンスは、無効化できません。

コマンドの例

次の例は、chicagoという名前の遠隔同期インスタンスのブローカ管理を無効にします。

DGMGRL> DISABLE FAR_SYNC 'chicago';

DISABLE FAST_START FAILOVER

DISABLE FAST_START FAILOVERコマンドは、オブザーバによりターゲット・スタンバイ・データベースへのフェイルオーバーが開始されないようにします。

詳細は、「ファスト・スタート・フェイルオーバーの無効化」を参照してください。

書式

DISABLE FAST_START FAILOVER [ FORCE ];

コマンド・パラメータ

なし。

使用上のノート

  • プライマリ・データベースとターゲット・スタンバイ・データベースにネットワーク接続がある場合、ブローカ構成内のすべてのデータベースでファスト・スタート・フェイルオーバーを無効化するには、FORCEオプションを指定せずにDISABLE FAST_START FAILOVERを使用します。無効化操作中にエラーが発生した場合、ブローカによりエラー・メッセージが戻され、無効化操作が停止されます。エラー状態をオーバーライドし、接続先データベースのファスト・スタート・フェイルオーバーを無効化するには、FORCEオプションを指定してDISABLE FAST_START FAILOVERコマンドを再発行する必要があります。詳細は、「ファスト・スタート・フェイルオーバーの無効化」を参照してください。

  • プライマリ・データベースとターゲット・スタンバイ・データベース間のネットワークが切断されている場合、またはコマンドを受信するデータベースに、プライマリ・データベースとの接続がない場合には、FORCEオプションを指定してDISABLE FAST_START FAILOVERを使用します。FORCEオプションは、エラー発生時でも、接続先データベースのファスト・スタート・フェイルオーバーを無効化します。

  • オブザーバおよびターゲットのスタンバイ・データベースから切断されたプライマリ・データベース上でFORCE オプションを指定してファスト・スタート・フェイルオーバーを無効化しても、オブザーバによる、ターゲットのスタンバイ・データベースへのファスト・スタート・フェイルオーバーの開始を無効にはできません。

  • ブローカ構成のいずれかのデータベースに接続している場合、そのデータベースとプライマリ間が接続されていれば、ファスト・スタート・フェイルオーバーを無効化できます。

  • ターゲットのスタンバイ・データベース上で強制オプション付きで無効化され、その後プライマリ・データベースとの接続が再開された場合、ファスト・スタート・フェイルオーバーは、構成内のすべてのデータベースで無効化されています。

  • プライマリ・データベースとターゲット・スタンバイ・データベースがネットワークで接続されている場合、プライマリに接続しているときにFORCEオプションを指定してファスト・スタート・フェイルオーバーを無効化すると、ターゲット・スタンバイ・データベースのファスト・スタート・フェイルオーバーが無効になります。

コマンドの例

例1: ファスト・スタート・フェイルオーバーの無効化

次の例に、ファスト・スタート・フェイルオーバーを無効化する方法を示します。

DGMGRL> DISABLE FAST_START FAILOVER;
Disabled.

例2: FORCEを使用したファスト・スタート・フェイルオーバーの無効化

次の例では、接続先のデータベースでファスト・スタート・フェイルオーバーを無効化するFORCEオプションを使用しています。

DGMGRL> DISABLE FAST_START FAILOVER FORCE;
Disabled.

DISABLE FAST_START FAILOVER CONDITION

DISABLE FAST_START FAILOVER CONDITIONコマンドは、ユーザーによるファスト・スタート・フェイルオーバーの実行条件の削除を可能にします。

書式

DISABLE FAST_START FAILOVER CONDITION <condition>;

コマンド・パラメータ

condition

有効な値は、ファスト・スタート・フェイルオーバーが有効化されている任意の条件です。

使用上のノート

条件が設定されていない場合、認識されていない条件の場合、エラーは発生しません。

コマンドの例

この例では、破損した制御ファイルが検出されても自動的に即時ファスト・スタート・フェイルオーバーが開始されないように指定します。

DGMGRL> DISABLE FAST_START FAILOVER CONDITION "Corrupted Controlfile";

DISABLE RECOVERY_APPLIANCE

DISABLE RECOVERY_APPLIANCEコマンドは、指定したZero Data Loss Recovery Appliance (リカバリ・アプライアンス)のブローカ管理を無効にします。

リカバリ・アプライアンスのブローカ管理を無効化すると、ブローカによりリカバリ・アプライアンスへの転送の健全性が監視されなくなります。ただし、リカバリ・アプライアンスへのREDO転送は停止されません。

書式

DISABLE RECOVERY_APPLIANCE <db_unique_name>;

コマンド・パラメータ

db_unique_name

無効にするリカバリ・アプライアンスのDB_UNIQUE_NAME初期化パラメータ値。

コマンドの例

次の例は、EnterpriseRecoveryApplianceという名前のリカバリ・アプライアンスを無効化する方法を示しています。

DGMGRL> DISABLE RECOVERY_APPLIANCE 'EnterpriseRecoveryAppliance';
Disabled.

EDIT ALL MEMBERS RESET (パラメータ)

EDIT ALL MEMBERS RESETでは、構成内のすべてのメンバーに対して、指定された構成可能パラメータがリセットされます。

書式

EDIT ALL MEMBERS RESET PARAMETER <parameter_name> ["optional ALTER SYSTEM RESET clauses"];

コマンド・パラメータ

parameter_name

値をリセットする必要がある既存の初期化パラメータの名前。

コマンドの例

次の例では、構成内のすべてのメンバーに対してlog_archive_trace初期化パラメータをリセットする方法を示します。

DGMGRL> EDIT ALL MEMBERS RESET PARAMETER log_archive_trace;
Parameter "log_archive_trace" reset for member "North_Sales".
Parameter "log_archive_trace" reset for member "South_Sales".

EDIT ALL MEMBERS RESET (プロパティ)

EDIT ALL MEMBERS RESETでは、構成内のすべてのメンバーに対して、指定された構成可能プロパティがリセットされます。

書式

EDIT ALL MEMBERS RESET PROPERTY <property_name>;

コマンド・パラメータ

property_name

メンバー固有の既存の構成可能なプロパティの名前。

コマンドの例

次の例では、構成内のすべてのメンバーに対してNetTimeoutをリセットする方法を示します。

DGMGRL> EDIT ALL MEMBERS RESET PROPERTY NetTimeout;
Property "NetTimeout" updated for member "North_Sales".
Property "NetTimeout" updated for member "South_Sales".

EDIT ALL MEMBERS SET (パラメータ)

EDIT ALL MEMBERS SETコマンドは、ブローカ構成内のすべてのメンバーに対して、指定したパラメータの値を変更します。オプションのALTER SYSTEM SETコマンド・オプションを含めることができます。これらのオプションは、引用符で囲む必要があります。

書式

EDIT ALL MEMBERS SET PARAMETER <parameter_name>=<value> ["optional ALTER SYSTEM SET clauses"];

コマンド・パラメータ

parameter_name

値を設定する必要がある既存の初期化パラメータの名前。

value

パラメータの新しい値。

コマンドの例

次の例は、構成内のすべてのメンバーに対してNetTimeoutを設定する方法を示しています。

EDIT ALL MEMBERS SET PARAMETER log_archive_trace=255;
Parameter "log_archive_trace" updated for member "North_Sales".
Parameter "log_archive_trace" updated for member "South_Sales".

EDIT ALL MEMBERS SET (プロパティ)

EDIT ALL MEMBERS SETは、構成内のすべてのメンバーに対して、指定された構成可能プロパティを設定します。

書式

EDIT ALL MEMBERS SET PROPERTY <property_name>=value;

コマンド・パラメータ

property_name

メンバー固有の既存の構成可能なプロパティの名前。これがOracle RACデータベースである場合は、このプロパティを変更すると、すべてのメンバーのすべてのインスタンスに影響します。

value

新しいプロパティ値。

コマンドの例

次の例は、構成内のすべてのメンバーに対してNetTimeoutを設定する方法を示しています。

EDIT ALL MEMBERS SET PROPERTY 'NetTimeout'=45;
Property "NetTimeout" updated for member "North_Sales".
Property "NetTimeout" updated for member "South_Sales".

EDIT CONFIGURATION (プロパティ)

EDIT CONFIGURATION SET PROPERTYコマンドは、ブローカ構成のプロパティ値を変更します。

書式

EDIT CONFIGURATION [<configuration_name>]SET PROPERTY <property_name>=<value>;

コマンド・パラメータ

configuration_name

プロパティを設定する構成の名前。

property_name

構成プロパティの名前。

value

新しいプロパティ値。

関連項目:

構成プロパティの詳細は、「ブローカ構成のメンバーの管理」および「Oracle Data Guard Brokerのプロパティ」を参照

使用上のノート

  • プライマリ・データベースに、またはそのプライマリ・データベースと接続された構成内の任意のスタンバイ・データベースに接続されている場合に、このコマンドを発行します。

  • 構成の現在のプロパティ情報を表示するには、SHOW CONFIGURATIONコマンドを使用します。

コマンドの例

次の例に、FastStartFailoverThreshold構成プロパティを90秒に設定する方法を示します。

DGMGRL> EDIT CONFIGURATION SET PROPERTY FastStartFailoverThreshold=90;

EDIT CONFIGURATION(保護モード)

EDIT CONFIGURATION SET PROTECTION MODE ASコマンドは、ブローカ構成の現在の保護モード設定を編集します。

書式

EDIT CONFIGURATION SET PROTECTION MODE [AS] { MaxProtection | MaxAvailability | MaxPerformance };

コマンド・パラメータ

protection-mode

構成が有効な場合に、その構成で実行するデータ保護モード。可能な保護モードは次のとおりです。

  • {MAXPROTECTION}
  • {MAXAVAILABILITY}
  • {MAXPERFORMANCE}

使用上のノート

  • EDIT CONFIGURATIONコマンドを使用して保護モードを設定する前に、少なくとも1つのスタンバイが、プライマリから直接REDOを受け取る場合にSYNCまたはFASTSYNCモードでREDOを受け取るように構成されていることを確認してください。スタンバイが遠隔同期インスタンスを介してREDOを受け取る場合、遠隔同期インスタンスはSYNCまたはFASTSYNCモードでREDOを受け取るように構成され、スタンバイはASYNCモードでREDOを受け取るように構成される必要があります。

  • 次の表は、構成の保護モードと、REDO転送サービスの対応する最低限の設定を示しています。

    保護モード REDO転送 スタンバイREDOログ・ファイルの要否 ファスト・スタート・フェイルオーバーとの併用

    {MAXPROTECTION}

    SYNC

    はい

    はい

    {MAXAVAILABILITY}

    SYNCまたはFASTSYNC

    はい

    はい

    {MAXPERFORMANCE}

    ASYNC

    はい

    はい

    構成のデフォルトの保護モードはMAXPERFORMANCEです。

    関連項目:

    保護モードとREDO転送サービスの詳細は、「ブローカ構成のメンバーの管理」を参照

  • このコマンドは、ファスト・スタート・フェイルオーバーが有効になっている場合は実行できません。

  • {MAXPERFORMANCE}から{MAXPROTECTION}へのアップグレードは許可されません。まず{MAXAVAILABILITY}に変更してから、{MAXPROTECTION}にする必要があります。

  • SHOW CONFIGURATIONコマンドを使用して構成の現在の保護モードを表示します。

    DGMGRL> SHOW CONFIGURATION;
     
    Configuration - DRSolution
     
      Protection Mode: MaxPerformance
      Members:
        North_Sales  - Primary database
          South_Sales     - Physical standby database
     
    Fast-Start Failover: DISABLED
     
    Configuration Status:
    SUCCESS
    

EDIT CONFIGURATIONコマンドの入力時に構成のブローカ管理が無効になっている場合、構成の保護モードは、次回ENABLE CONFIGURATIONコマンドを使用して構成を有効化するまで有効にはなりません。

コマンドの例

次の例は、ブローカ構成を{MAXAVAILABILITY}保護モードにアップグレードする方法を示しています。

次のように、スタンバイ・データベースでスタンバイREDOログ・ファイルが構成されていること、REDO転送サービスがSYNCに設定されていることを確認します。

DGMGRL> EDIT DATABASE 'South_Sales' SET PROPERTY 'LogXptMode'='SYNC';
Property "LogXptMode" updated
 
DGMGRL> EDIT CONFIGURATION SET PROTECTION MODE AS MAXAVAILABILITY;
Succeeded.

EDIT CONFIGURATION (RENAME)

EDIT CONFIGURATION RENAME TOコマンドは、構成名を変更します。

書式

EDIT CONFIGURATION RENAME TO <new_configuration_name>;

コマンド・パラメータ

new_configuration_name

構成の新しい名前。

コマンドの例

次の例は、DR_Salesという名前の構成の名前をHA_Salesに変更する方法を示しています。

DGMGRL> SHOW CONFIGURATION

Configuration - DR_Sales

  Protection Mode: MaxPerformance
  Members:
    North_Sales  - Primary database
      South_Sales  - Physical standby database

Fast-Start Failover: DISABLED

Configuration Status:
DISABLED

DGMGRL> EDIT CONFIGURATION RENAME TO "HA_Sales";
Succeeded.
DGMGRL> ENABLE CONFIGURATION
Enabled.
DGMGRL> SHOW CONFIGURATION

Configuration - HA_Sales

  Protection Mode: MaxPerformance
  Members:
    North_Sales  - Primary database
      South_Sales  - Physical standby database

Fast-Start Failover: DISABLED

Configuration Status:
SUCCESS

EDIT CONFIGURATION PREPARE DGPDB

EDIT CONFIGURATION PREPARE DGPDBコマンドにより、環境をDG PDBに対して準備します。

書式

EDIT CONFIGURATION PREPARE DGPDB;

使用上のノート

  • 両方のコンテナ・データベースが環境内にあり、構成が有効になっていることが前提となります。このコマンドでは、パスワードのロック解除、または各コンテナ・データベースでのDGPDB_INTアカウントの更新を求めるプロンプトが表示されます。その後、PDBのData Guard保護の追加、およびロールの変更を可能にするために必要な、内部構造が設定されます。

コマンドの例

DGMGRL> EDIT CONFIGURATION PREPARE DGPDB;

Enter password for DGPDB_INT account at boston:

Enter password for DGPDB_INT account at newyork:

Prepared Data Guard for Pluggable Database at newyork.

Prepared Data Guard for Pluggable Database at boston.
 

EDIT CONFIGURATION RESET (プロパティ)

EDIT CONFIGURATION RESET PROPERTYコマンドは、指定された構成プロパティをそのデフォルト値にリセットします。

書式

EDIT CONFIGURATION RESET PROPERTY <property_name>;

コマンド・パラメータ

property_name

既存の構成プロパティの名前。

使用上のノート

  • プライマリ・データベースに、またはそのプライマリ・データベースと接続された構成内の任意のスタンバイ・データベースに接続されている場合に、このコマンドを発行します。

  • 構成の現在のプロパティ情報を表示するには、SHOW CONFIGURATIONコマンドを使用します。

コマンドの例

次の例では、BystandersFollowChangeプロパティをリセットする方法を示します。

DGMGRL> EDIT CONFIGURATION RESET PROPERTY BystandersFollowChange;
Succeeded.
 

EDIT DATABASE (プロパティ)

EDIT DATABASEコマンドは、データベース・メンバーに対して、指定された構成可能プロパティの値を変更します。

書式

EDIT DATABASE <db_unique_name> SET PROPERTY <property_name>=value;

コマンド・パラメータ

db_unique_name

構成可能プロパティ値を変更するデータベースのDB_UNIQUE_NAME初期化パラメータ値。

property_name

データベース固有の既存のプロパティの名前。これがOracle RACデータベースの場合、このプロパティを変更するとデータベースのインスタンスすべてに影響します。

関連項目:

プロパティの詳細は、「ブローカ構成のメンバーの管理」および「Oracle Data Guard Brokerのプロパティ」を参照。

value

新しいプロパティ値。

ノート:

このコマンドを使用してインスタンス固有のプロパティの値を変更できるのは、指定したデータベースに関してブローカでインスタンスが1つしか認識されていない場合のみです。ブローカでデータベースのインスタンスが複数認識されている場合は、このコマンドを使用してインスタンス固有のプロパティを変更しようとしても拒否されます。インスタンス固有のプロパティの値の変更には、EDIT INSTANCE(プロパティ)のみを使用することをお薦めします。

コマンドの例

例1: データベース・レベルの構成可能なプロパティの編集

次の例では、データベース・レベルの構成可能なプロパティを編集します。

DGMGRL> EDIT DATABASE 'North_Sales' SET PROPERTY 'LogXptMode'='SYNC';
Property "LogXptMode" updated

例2: ファスト・スタート・フェイルオーバー・ターゲットのリストの編集

次の例では、ファスト・スタート・フェイルオーバー・ターゲットのリストを指定する方法を示します。

DGMGRL> EDIT DATBASE db1 SET PROPERTY FastStartFailoverTarget='db2, db3';
DGMGRL> EDIT DATABASE db2 SET PROPERTY FastStartFailoverTarget='db1,db3';
DGMGRL> EDIT DATABASE db3 SET PROPERTY FastStartFailoverTarget='db1';

EDIT DATABASE (パラメータ)

EDIT DATABASE (パラメータ)コマンドは、指定されたデータベースの指定された初期化パラメータを設定します。

書式

EDIT DATABASE <db_unique_name> SET PARAMETER <parameter_name> = value  [initialization_parameter_options]

コマンド・パラメータ

db_unique_name

パラメータ値を変更するデータベースのDB_UNIQUE_NAME初期化パラメータ値。

parameter_name

変更する必要がある既存のデータベース初期化パラメータの名前。

value

パラメータの新しい値。

initialization_parameter_options

追加の初期化パラメータ・オプションは、一重引用符で囲む必要があります。次のオプションのいずれかまたは両方を使用します。

  • SCOPE: スコープには次のいずれかの値を設定します: SPFILE、MEMORYまたはBOTH。デフォルト値はBOTHです。指定したパラメータが静的パラメータの場合は、SCOPE= SPFILEを設定します。

  • SID: パラメータを設定する必要があるデータベース・インスタンスの名前を指定します。指定したパラメータをすべてのインスタンスに設定する必要がある場合は、SID='*'を設定します。

使用上のノート

このコマンドの実行時にデータベースが使用可能である必要があります。

コマンドの例

次の例では、North_salesという名前のデータベースの初期化パラメータlog_archive_traceを編集し、その値を1に設定します。このSCOPE設定は、メモリーおよびデータベース初期化パラメータ・ファイルの両方でパラメータを変更する必要があることを指定しています。

DGMGRL> EDIT DATABASE 'North_sales' SET PARAMETER log_archive_trace = 1 'SCOPE = BOTH';

EDIT DATABASE (名前の変更)

EDIT DATABASE (名前の変更)コマンドは、ブローカにより指定したデータベースの参照に使用される名前を変更します。

書式

EDIT DATABASE <db_unique_name> RENAME TO <new_db_unique_name>;

コマンド・パラメータ

db_unique_name

DB_UNIQUE_NAME初期化パラメータの現在の値。

new_db_unique_name

DB_UNIQUE_NAME初期化パラメータの新しい値。

使用上のノート

  • このコマンドを使用して、このデータベースのDB_UNIQUE_NAME初期化パラメータの変更を追跡します。

    注意:

    db_unique_nameは、そのデータベースのDB_UNIQUE_NAME初期化パラメータの値と必ず一致する必要があります。

  • このコマンドを実行できるのは、名前を変更するデータベースのブローカ管理が無効化されている場合のみです。

コマンドの例

次の例に、データベースを編集して名前を変更する方法を示します。

DGMGRL> DISABLE DATABASE 'South_Sales_typo';
Disabled.

DGMGRL> EDIT DATABASE 'South_Sales_typo' RENAME TO 'South_Sales';
Succeeded.

DGMGRL> ENABLE DATABASE 'South_Sales';
Enabled.

EDIT DATABASE (状態)

EDIT DATABASE (状態)コマンドは、指定したデータベースの状態を変更します。

書式

EDIT DATABASE <db_unique_name> SET STATE=state [WITH APPLY INSTANCE=<instance_name>];

コマンド・パラメータ

db_unique_name

状態を変更するデータベースのDB_UNIQUE_NAME初期化パラメータ値。

state

データベースを実行する状態。可能な状態は次のとおりです。

  • TRANSPORT-ON (プライマリ・データベースのみ)
  • TRANSPORT-OFF (プライマリ・データベースのみ)
  • APPLY-ON (フィジカルまたはロジカル・スタンバイ・データベースのみ)
  • APPLY-OFF (フィジカルまたはロジカル・スタンバイ・データベースのみ)
instance_name

Oracle RACスタンバイ・データベースの場合に、適用インスタンスにするインスタンスの名前。

使用上のノート

  • ターゲットの状態がAPPLY-ONで、このデータベースが現在フィジカルまたはロジカル・スタンバイ・データベースである場合は、オプションのWITH APPLY INSTANCE句で適用インスタンスを指定します。

  • ターゲットの状態がAPPLY-ONではない場合、またはデータベースが現在プライマリ・ロールになっている場合は、WITH APPLY INSTANCE句を指定しても無視されます。

  • スナップショット・スタンバイ・データベースの状態は変更できません。

  • このデータベースの状態変更は、Oracle RACデータベースのすべてのインスタンスに影響します。

コマンドの例

次の各例に、データベースの状態を変更する方法を示します。

DGMGRL> EDIT DATABASE 'South_Sales' SET STATE='APPLY-ON';
Succeeded.

EDIT DATABASE RESET (プロパティ)

EDIT DATABASE RESET (プロパティ)コマンドは、指定されたデータベースの指定されたプロパティをそのデフォルト値にリセットしなおします。

書式

EDIT DATABASE <db_unique_name> RESET PROPERTY <property_name>;

コマンド・パラメータ

db_unique_name

構成可能プロパティ値をデフォルト値にリセットするデータベースのDB_UNIQUE_NAME初期化パラメータ値。

property_name

データベース固有の既存の構成可能なプロパティの名前。

コマンドの例

次の例は、South_Salesという名前のデータベースのNetTimeoutプロパティをリセットする方法を示しています。

DGMGRL> EDIT DATABASE 'South_Sales' RESET PROPERTY NetTimeout;
Succeeded.
 

EDIT DATABASE RESET (パラメータ)

EDIT DATABASE RESET (パラメータ)コマンドは、指定されたデータベースの指定されたデータベース初期化パラメータをそのデフォルト値にリセットします。

書式

EDIT DATABASE <db_unique_name> RESET PARAMETER <parameter_name>;

コマンド・パラメータ

db_unique_name

パラメータ値をリセットするデータベースのDB_UNIQUE_NAME初期化パラメータ値。

parameter_name

値をリセットする必要がある既存のデータベース初期化パラメータの名前。

コマンドの例

次の例は、South_Salesという名前のデータベースのlog_archive_traceパラメータをリセットする方法を示しています。

DGMGRL> EDIT DATABASE 'South_Sales' RESET PARAMETER log_archive_trace;
Succeeded.
 

EDIT FAR_SYNC

EDIT FAR_SYNCコマンドは、遠隔同期インスタンスの名前、プロパティまたは初期化パラメータを変更します。

書式

EDIT FAR_SYNC <db_unique_name>  RENAME TO <new_db_unique_name>;

EDIT FAR_SYNC <db_unique_name> SET PROPERTY <property_name> = value;

EDIT FAR_SYNC <db_unique_name> SET PARAMETER <parameter_name>=value [ initialization_parameter_options ];

コマンド・パラメータ

db_unique_name

情報を編集する遠隔同期インスタンスのDB_UNIQUE_NAME初期化パラメータ値。この名前は、対応するデータベースのDB_UNIQUE_NAME初期化パラメータの値と一致する(大/小文字の区別なし)必要があります。

new_db_unique_name

DB_UNIQUE_NAME初期化パラメータの新しい値。

property_name

遠隔同期インスタンス固有の既存の構成可能なプロパティの名前。

parameter_name

変更する必要がある既存のデータベース初期化パラメータの名前。

value

プロパティまたはパラメータの新しい値です。

initialization_parameter_options

その他のオプションは次のとおりです。

  • SCOPE: スコープには次のいずれかの値を設定します: SPFILE、MEMORYまたはBOTH。デフォルト値はBOTHです。指定したパラメータが静的パラメータの場合は、SCOPE=SPFILEを設定します。

  • SID: パラメータを設定する必要があるデータベース・インスタンスの名前を指定します。指定したパラメータをすべてのインスタンスに設定する必要がある場合は、SID='*'を設定します。

コマンドの例

次のコマンドは、"chicago_typo"を"chicago"に置き換え、名前を"dallas"に変更します。

DGMGRL> DISABLE FAR_SYNC 'chicago_typo';
EDIT FAR_SYNC 'chicago_typo' RENAME TO 'chicago';
ENABLE FAR_SYNC 'chicago;

次の例は、chicagoという名前の遠隔同期インスタンスの初期化パラメータを設定します。

DGMGRL> EDIT FAR_SYNC 'chicago' SET log_archive_trace=1;

EDIT FAR_SYNC RESET (プロパティ)

EDIT FAR_SYNC RESET (プロパティ)コマンドは、指定された遠隔同期インスタンスの指定されたプロパティをそのデフォルト値にリセットします。

書式

EDIT FAR_SYNC <db_unique_name> RESET PROPERTY <property_name>;

コマンド・パラメータ

db_unique_name

構成可能プロパティ値をデフォルト値にリセットする遠隔同期インスタンスのDB_UNIQUE_NAME初期化パラメータ値。

property_name

デフォルト値にリセットするプロパティの名前。

コマンドの例

次の例は、dallasという名前の遠隔同期インスタンスのReopenSecsプロパティをデフォルト値にリセットする方法を示しています。

DGMGRL> EDIT FAR_SYNC 'dallas' RESET PROPERTY ReopenSecs;

EDIT FAR_SYNC RESET (パラメータ)

EDIT FAR_SYNC RESET PARAMETER (パラメータ)コマンドは、指定された遠隔同期インスタンスの指定されたデータベース初期化パラメータをそのデフォルト値にリセットします。

書式

EDIT FAR_SYNC <db_unique_name> RESET PARAMETER <parameter_name>;

コマンド・パラメータ

db_unique_name

パラメータをリセットするデータベースのDB_UNIQUE_NAME初期化パラメータ値。

parameter_name

デフォルト値にリセットするデータベース初期化パラメータの名前。

コマンドの例

次の例は、dallasという名前の遠隔同期インスタンスのlog_filename_convert初期化パラメータをデフォルト値にリセットする方法を示しています。

DGMGRL> EDIT FAR_SYNC 'dallas' RESET PARAMETER log_filename_convert;

EDIT PLUGGABLE DATABASE (状態)

EDIT PLUGGABLE DATABASEコマンドは、指定したプラガブル・データベース(PDB)の状態を変更します。

書式

EDIT PLUGGABLE DATABASE <pluggable_database_name> AT <db_unique_name> SET STATE = state_name;

コマンド・パラメータ

pluggable_database_name

状態を変更するPDBの名前。

db_unique_name

pluggable_database_name.pdb_nameで指定されたPDBを含むコンテナ・データベースのDB_UNIQUE_NAME初期化パラメータ値。

state_name

PDBの遷移先となる状態。許可される状態は次のとおりです。

  • APPLY-ON: 指定したPDBからREDO Applyを開始します。

  • APPLY-OFF: 指定したPDBからのREDO Applyを停止します。

使用上のノート

  • 指定したPDBは、db_unique_nameで指定したデータベースに存在し、ADD PLUGGABLE DATABASEコマンドで構成してある必要があります。

例10-6 ターゲットPDBでのREDO Applyの停止

この例では、ターゲット・データベースnewyorkに含まれているdgpdb_salesという名前のターゲットPDBに対するREDO Applyを停止します。

DGMGRL> EDIT PLUGGABLE DATABASE dgpdb_sales AT newyork SET STATE=APPLY-OFF;
    Succeeded.

EDIT RECOVERY_APPLIANCE (プロパティ)

EDIT RECOVERY_APPLIANCE (プロパティ)コマンドは、指定したZero Data Loss Recovery Appliance (リカバリ・アプライアンス)のプロパティ値を変更します。

書式

EDIT <db_unique_name> SET PROPERTY property_name = value;

コマンド・パラメータ

db_unique_name

構成可能プロパティ値を変更するリカバリ・アプライアンスのDB_UNIQUE_NAME初期化パラメータ値。

property_name

既存のリカバリ・アプライアンス固有プロパティの名前。有効なプロパティは次のとおりです。

  • DGConnectIdentifier

  • LogXptMode

  • DelayMins

  • Binding

  • MaxFailure

  • ReopenSecs

  • NetTimeout

  • RedoCompression

  • LogShipping

  • InconsistentProperties

  • InconsistentLogXptProps

  • AlternateLocation

value

新しいプロパティ値。

コマンドの例

次の例は、構成可能なプロパティを編集する例を示しています。

DGMGRL> EDIT RECOVERY_APPLIANCE 'EnterpriseRecoveryAppliance' SET PROPERTY 'ReopenSecs'=300;
Property "ReopenSecs" updated

EDIT RECOVERY_APPLIANCE (名前の変更)

EDIT RECOVERY_APPLIANCE (名前の変更)コマンドは、ブローカ構成内の該当するリカバリ・アプライアンスのプロファイルに記録されているように、指定したリカバリ・アプライアンスを参照するためにブローカで使用する名前を変更します。

書式

EDIT RECOVERY_APPLIANCE  <db_unique_name>  RENAME TO <new_db_unique_name> ;

コマンド・パラメータ

db_unique_name

リカバリ・アプライアンスのDB_UNIQUE_NAME初期化パラメータの現在の値。

new_db_unique_name

DB_UNIQUE_NAME初期化パラメータの新しい値。

使用上のノート

  • このコマンドを使用して、このリカバリ・アプライアンスのDB_UNIQUE_NAME初期化パラメータへの変更を追跡します。

    注意:

    リカバリ・アプライアンスの名前は、そのリカバリ・アプライアンスのDB_UNIQUE_NAME初期化パラメータの値と常に一致する必要があります。

コマンドの例

次の例は、リカバリ・アプライアンスの編集および名前を変更する方法を示しています。

DGMGRL> EDIT RECOVERY_APPLIANCE 'EnterpriseRecoveryAppliance_typo'
RENAME TO 'EnterpriseRecoveryAppliance';
Succeeded.

EDIT RECOVERY_APPLIANCE RESET (プロパティ)

EDIT RECOVERY_APPLIANCE RESET (プロパティ)コマンドは、指定されたリカバリ・アプライアンスの指定されたプロパティを、そのデフォルト値にリセットします。

書式

EDIT RECOVERY_APPLIANCE <db_unique_name> RESET PROPERTY <property_name> ;

コマンド・パラメータ

db_unique_name

構成可能プロパティ値をリセットするリカバリ・アプライアンスのDB_UNIQUE_NAME初期化パラメータ値。

property_name

データベース固有の既存の構成可能なプロパティの名前。

コマンドの例

次の例は、South_Salesという名前のリカバリ・アプライアンスのReopenSecsプロパティをデフォルト値にリセットする方法を示しています。

DGMGRL> EDIT DATABASE 'South_Sales' RESET PROPERTY ReopenSecs;
Succeeded.
 

ENABLE CONFIGURATION

ENABLE CONFIGURATIONコマンドは、すべてのデータベースを含むブローカ構成をブローカで管理できるようにします。

書式

ENABLE CONFIGURATION [ <configuration_name> | ALL ];

コマンド・パラメータ

なし。

使用上のノート

  • ENABLE CONFIGURATIONコマンドを使用して、プライマリ・データベースのブローカ管理と構成のすべてのメンバーを有効にします(これらのメンバーが明示的に無効にされていない場合)。

  • このコマンドを発行するには、制御ファイルのロールがプライマリであるデータベースに接続する必要があります。

  • デフォルトでは、構成のデータベースのブローカ管理は、プライマリ・データベースではTRANSPORT-ON状態で有効化され、REDO転送サービスがオンになり、スタンバイ・データベースではAPPLY-ON状態で有効化され、ログ適用サービスが起動します。遠隔同期インスタンスは、REDOデータを受け取り、REDOデータを送信するように有効化されます。EDIT DATABASE(状態)コマンドを使用して任意のデータベースの状態を変更できますが、対象のデータベースまたは構成全体が無効になっている場合は変更できません。遠隔同期インスタンスの状態は変更できません。

  • フェイルオーバーまたはスイッチオーバーがDGMGRLやCloud ControlでなくSQL*Plusを使用して実行された場合、このコマンドを使用して、ブローカ構成に格納されているロールを更新します。

  • 構成に関する情報を表示するには、SHOW CONFIGURATIONコマンドを使用します。

  • すべての構成を有効にするには、ALLキーワードを含めます。これを使用して、DB PDB構成の作成後にソース・データベースとターゲット・データベース間のREDO転送を開始します。

コマンドの例

次の例では、ブローカ構成の管理を有効化しています。

DGMGRL> ENABLE CONFIGURATION;
Enabled.

次のコマンドを使用すると、1つ以上のPDBを含む構成済のすべてのブローカ構成を管理できます。ソース・データベースからターゲット・データベースへのREDO転送が開始されます。

DGMGRL> ENABLE CONFIGURATION ALL;
Enabled “MyConfig1” with primary database “boston”.
Enabled “MyConfig2” with primary database “newyork”.

ENABLE DATABASE

ENABLE DATABASEコマンドは、指定したスタンバイ・データベースのブローカ管理を有効化します。

注意:

回復する必要があるスタンバイ・データベースでENABLE DATABASEコマンドを発行しないでください。詳細は、「ロール変更後の無効化されたデータベースの再有効化」を参照してください。

書式

ENABLE DATABASE <db_unique_name>;

コマンド・パラメータ

db_unique_name

ブローカ管理を有効にするデータベースのDB_UNIQUE_NAME初期化パラメータ値。

使用上のノート

  • このコマンドを発行するには、プライマリ・データベースまたはすでに有効化されたスタンバイ・データベースに接続する必要があります。

  • 前のフェイルオーバー操作またはスイッチオーバー操作の結果、ブローカによりスタンバイ・データベースが無効化されている場合があります。データベースを回復または再作成する方法を理解するには、「ロール変更後の無効化されたデータベースの再有効化」を参照してください。

  • デフォルトでは、フィジカルまたはロジカル・スタンバイ・データベースのブローカ管理はAPPLY-ON状態で有効化され、ログ適用サービスが有効化されます。データベースが有効になっている場合にのみ、EDIT DATABASE(状態)コマンドを使用してスタンバイ・データベースの状態を変更できます。

  • 構成に関する情報を表示するには、SHOW DATABASEコマンドを使用します。

  • Oracle RACデータベースの場合は、インスタンスを1つ起動してマウントすれば、このコマンドが正常に実行されます。

コマンドの例

次の例に、データベースSouth_Salesを有効化する方法を示します。

DGMGRL> ENABLE DATABASE 'South_Sales';
Enabled.

ENABLE FAR_SYNC

ENABLE FAR_SYNCコマンドは、指定した遠隔同期インスタンスのブローカ管理を有効化します。

書式

ENABLE FAR_SYNC <db_unique_name> ;

コマンド・パラメータ

db_unique_name

ブローカ管理を有効化する遠隔同期インスタンスのDB_UNIQUE_NAME初期化パラメータ値。

コマンドの例

次の例は、dallasという名前の遠隔同期インスタンスのブローカ管理を有効にします。

DGMGRL> ENABLE FAR_SYNC 'dallas';

ENABLE FAST_START FAILOVER

ENABLE FAST_START FAILOVERコマンドは、プライマリ・データベースが消失した場合、手動によるステップを必要とせずに、ブローカが具体的に選択されたスタンバイ・データベースにフェイルオーバーできるようにします。

詳細は、「ファスト・スタート・フェイルオーバーの有効化」を参照してください。

書式

ENABLE FAST_START FAILOVER [OBSERVE ONLY];

コマンド・パラメータ

OBSERVE ONLY: このコマンドの発行前または発行後に開始されたすべてのオブザーバは、監視専用モードで実行されます。

使用上のノート

  • このコマンドを発行してファスト・スタート・フェイルオーバーを有効化する前に、「ファスト・スタート・フェイルオーバーを有効化するための前提条件」で説明する前提条件を満たす必要があります。

  • ENABLE FAST_START FAILOVERコマンドの発行により、フェイルオーバーが起動されることはありません。構成を監視しているオブザーバが、フェイルオーバーの条件が満たされた場合に、ファスト・スタート・フェイルオーバーを開始できるようにするだけです。

  • ブローカ構成のデータベースに接続されている間は、ファスト・スタート・フェイルオーバーを有効化できます。

  • ファスト・スタート・フェイルオーバーを有効化した後にオブザーバを開始しない場合、プライマリ・データベースとターゲットのスタンバイ・データベースにORA-16819の警告が表示されます。たとえば:

    DGMGRL> SHOW DATABASE 'South_Sales';
    Database - South_Sales
     
      Role:            PRIMARY
      Intended State:  TRANSPORT-ON
      Instance(s):
        south_sales1
     
      Database Warning(s):
        ORA-16819: fast-start failover observer not started
     
    Database Status:
    WARNING
    
  • 複数のスタンバイ・データベースを含むブローカ構成でファスト・スタート・フェイルオーバーを有効化する場合は、プライマリ・データベース上のFastStartFailoverTarget構成プロパティで1つ以上の実行可能なターゲット・スタンバイ・データベースを指定する必要があります。プライマリ・データベースおよびターゲット・スタンバイ・データベースの両方が次の条件を満たしている必要があります。

    • スタンバイREDOログが構成されていること

    • REDO転送が、両方のデータベース上で、構成された保護モードに正しく構成されていること

    また、プライマリ・データベースとスタンバイ・データベースの両方でフラッシュバック・データベースを有効化し、フェイルオーバー後に元のプライマリ・データベースの回復を許可することをお薦めします。有効化されていない場合、ファスト・スタート・フェイルオーバーを有効化すると警告が表示されます。

    DGMGRL> ENABLE FAST_START FAILOVER; 
    Warning: ORA-16827: Flashback Database is disabled

    FastStartFailoverTarget構成プロパティの詳細は、「ファスト・スタート・フェイルオーバーの有効化」のタスク2および「FastStartFailoverTarget」を参照してください。

  • ファスト・スタート・フェイルオーバーを有効化した後は、「ファスト・スタート・フェイルオーバーが有効化されている場合の制限事項」の説明にある制約に従う必要があります。

コマンドの例

例1: ファスト・スタート・フェイルオーバーの有効化

次の例では、ファスト・スタート・フェイルオーバーを有効化しています。

DGMGRL> ENABLE FAST_START FAILOVER;
Enabled in Zero Data Loss Mode.

例2: ファスト・スタート・フェイルオーバーの有効化の成功例

次の例では、最大パフォーマンス・モードで動作している構成で、ファスト・スタート・フェイルオーバーが正常に有効化されました。

DGMGRL> SHOW FAST_START FAILOVER;

Fast-Start Failover: Enabled in Zero Data Loss Mode

  Protection Mode: MaxAvailability
  Lag Limit: 0 seconds

  Threshold:					180 seconds
  Ping Interval: 3000 milliseconds
  Ping Retry: 0
  Active Target:				South_Sales
  Potential Targets:		"South_Sales"
    South_Sales valid
  Observer:							(none)
  Shutdown Primary:			TRUE
  Auto-reinstate:				TRUE
  Observer Reconnect:		(none)
  Observer Override:		FALSE

Configurable Failover Conditions
  Health Conditions:
    Corrupted Controlfile			YES
    Corrupted Dictionary			YES
    Inaccessible Logfile			NO
    Stuck Archiver						NO
    Datafile Write Errors			YES

  Oracle Error Conditions:
    (none)

ENABLE FAST_START FAILOVER CONDITION

ENABLE FAST_START FAILOVER CONDITIONコマンドは、ファスト・スタート・フェイルオーバーを実行する追加条件を指定します。

書式

ENABLE FAST_START FAILOVER CONDITION <condition>;

コマンド・パラメータ

condition

可能な値は、SHOW FAST_START FAILOVERコマンドで健全性条件として示される値です。240の値を指定することにより、OracleエラーORA-00240を条件として指定することもできます。

使用上のノート

  • 表10-2に、データベース健全性チェック機能によって管理される健全性条件の例を示します。

  • 指定された値が認識されていないか、条件がすでに設定されている場合、エラーは発生しません。

  • 表10-2 健全性条件の例

    健全性条件 説明
    データファイル書込みエラー ファスト・スタート・フェイルオーバーが有効化され、データファイル書込みエラー条件が指定されている場合、任意のデータ・ファイル(一時ファイル、システム・データ・ファイル、UNDOファイルなど)で書込みエラーが発生すると、ファスト・スタート・フェイルオーバーが開始されます。

    "破損した制御ファイル"

    制御ファイルが破損しました。この条件はデフォルトで有効になっています。

    "破損したディクショナリ"

    重要なデータベース・オブジェクトのディクショナリが破損しました。この条件はデフォルトで有効になっています。

    "アクセス不可能なログ・ファイル"

    I/Oエラーにより、LGWRがログ・グループのどのメンバーにも書き込むことができません。

    "スタック・アーカイバ"

    デバイスに空き容量がないかデバイスを使用できないためにアーカイバがREDOログをアーカイブできません。

  • SHOW FAST_START FAILOVERコマンドでこれらの構成可能な条件を表示できます。

  • ORA-240は、ファスト・スタート・フェイルオーバーを開始する条件として指定できる唯一のOracleエラーです。

コマンドの例

例1

次の例では、破損した制御ファイルが検出された場合、ファスト・スタート・フェイルオーバーを実行するように指定します。

ENABLE FAST_START FAILOVER CONDITION "Corrupted Controlfile";

例2

次の例では、ORA-00240エラーが発生した場合、ファスト・スタート・フェイルオーバーを実行するように指定します。

ENABLE FAST_START FAILOVER CONDITION 240;

例3

次の例では、データファイル書込みエラー条件を示す出力を表示します。

DGMGRL> SHOW FAST_START FAILOVER;

Fast-Start Failover: DISABLED

  Threshold:          180 seconds 
  Ping Interval: 3000 milliseconds
  Ping Retry: 0
  Active Target:      (none)
  Potential Targets:  "South_Sales"
    South_Sales    valid
  Observer:           (none)
  Lag Limit:          300 seconds
  Shutdown Primary:   TRUE
  Auto-reinstate:     TRUE
  Observer Reconnect: (none)
  Observer Override:  FALSE

Configurable Failover Conditions
  Health Conditions:
    Corrupted Controlfile          YES
    Corrupted Dictionary           YES
    Inaccessible Logfile            NO
    Stuck Archiver                  NO
    Datafile Write Errors          YES

  Oracle Error Conditions:
    ORA-240: control file enqueue held for more than %s seconds

ENABLE RECOVERY_APPLIANCE

ENABLE RECOVERY_APPLIANCEコマンドは、指定したZero Data Loss Recovery Appliance (リカバリ・アプライアンス)のブローカ管理を有効化します。

書式

ENABLE RECOVERY_APPLIANCE <db_unique_name> ;

コマンド・パラメータ

db_unique_name

ブローカ管理を有効化するリカバリ・アプライアンスのDB_UNIQUE_NAME初期化パラメータ値。

使用上のノート

  • このコマンドを発行するには、プライマリ・データベースまたはすでに有効化されたスタンバイ・データベースに接続する必要があります。

  • SHOW RECOVERY_APPLIANCEコマンドを使用すると、リカバリ・アプライアンスの情報が表示されます。

コマンドの例

次の例は、EnterpriseRecoveryApplianceという名前のリカバリ・アプライアンスを有効にする方法を示しています。

DGMGRL> ENABLE RECOVERY_APPLIANCE 'EnterpriseRecoveryAppliance';
Enabled.

EXIT

EXITコマンドは、ブローカのコマンドライン・インタフェースを終了します。

書式

EXIT;

コマンド・パラメータ

なし。

使用上のノート

  • このコマンドの効果は、QUITコマンドと同じです。

  • このコマンドの実行には、データベース接続は不要です。ただし、接続されている場合は、このコマンドにより接続が解除されます。

コマンドの例

次の例に、コマンドライン・インタフェースを終了する方法を示します。

DGMGRL> EXIT;

EXPORT CONFIGURATION

EXPORT CONFIGURATIONコマンドを使用すると、ブローカ構成ファイルに含まれているメタデータをテキスト・ファイルに保存できます。このコマンドを使用して、ブローカ構成のメタデータの最新コピーを維持します。

書式

EXPORT CONFIGURATION [TO file_name];

コマンド・パラメータ

file_name

Data Guardブローカ構成が保存されるtraceディレクトリ内のファイルの名前。

TO file_name句を省略すると、ブローカにより、エクスポートされた構成が、デフォルトのファイル名を使用して保存されます。ファイルに名前を付けるために使用される規則は、SID_dmon_processID-of-DMON_brkmeta_serial-number.trcです。

たとえば、SIDがorclで、PMONプロセスのプロセスIDが1234で、TO file-name句が省略されている場合、ブローカ構成の最初のエクスポート時に作成されるファイルはorcl_dmon_1234_brkmeta_1.trcという名前になります。ブローカ構成が次回エクスポートされると、orcl_dmon_1234_brkmeta_2.trcという名前のファイルに格納されます。

使用上のノート

  • ブローカはエクスポートされた構成をtraceディレクトリに格納します。構成を格納する必要があるディレクトリは指定できません。

  • 以前のバージョンのデータベース・ソフトウェアにダウングレードする必要がある場合は、データベース・ソフトウェアをダウングレードする前に、ブローカ構成をファイルにエクスポートできます。その後、構成を最初から手動で再作成するかわりに、ダウングレードの完了後、このエクスポートされたファイルをインポートしてブローカ構成を再作成できます。

コマンドの例

次の例では、ブローカ構成ファイルのメタデータをtraceディレクトリ内のdg_config.txtという名前のファイルにエクスポートします。

EXPORT CONFIGURATION TO 'dg_config.txt';

FAILOVER

FAILOVERコマンドは、指定したターゲットのスタンバイ・データベースをプライマリ・データベースのロールに遷移するフェイルオーバーを開始します。

このタイプのフェイルオーバーは、手動フェイルオーバーと呼びます。詳細は、「手動フェイルオーバー」を参照してください。

ノート:

フェイルオーバーを実行すると、スタンバイ・データベースがプライマリ・データベースのロールに遷移するため、フェイルオーバーは、プライマリ・データベースに障害が発生するか使用不可になり、適時にリカバリできない場合に実行してください。フェイルオーバーの結果、実行時に有効になっている保護モード、およびターゲット・スタンバイ・データベースがプライマリ・データベースと同期化されていたかどうかによっては、データが消失する場合があります。

プライマリ・データベースに障害がなく、データの消失なしに現在のプライマリ・データベースとスタンバイ・データベースのロールを切り替えるには、SWITCHOVERコマンドを使用します。

書式

FAILOVER TO <db_unique_name> [IMMEDIATE];

コマンド・パラメータ

db_unique_name

プライマリ・データベース・ロールへのフェイルオーバーの対象となるフィジカル、ロジカルまたはスナップショット・スタンバイ・データベースのDB_UNIQUE_NAME初期化パラメータ値。

使用上のノート

  • ORA-752またはORA-600 [3020] エラーにより、フェイルオーバー・ターゲットでREDO Applyが停止されていないかぎり、常に完全フェイルオーバーを最初に実行するようにします。これらのエラーのいずれかが発生した場合は、先に進む前に、My Oracle Supportノート1265884.1 (http://support.oracle.com)のスタンバイ・リカバリ時のORA-752またはORA-600 [3020]の解決のガイドラインに従います。即時フェイルオーバーは、完全フェイルオーバーが失敗するか、前述のエラーの場合にのみ実行してください。

  • 指定したスタンバイ・データベースは、プライマリ・データベースに障害が発生する前に有効化されている必要があります。ただし、有効化されているスタンバイ・データベースが停止している場合は、フェイルオーバー操作の候補とみなすことができます。この場合は、DGMGRLのSTARTUPコマンドを使用してスタンバイ・データベースを再起動してからFAILOVERコマンドを発行します。

  • フェイルオーバーは、指定したスタンバイ・データベースに対して動作し、スタンバイ・データベースのロールがプライマリ・データベースのロールに変更されます。フェイルオーバーに関係しないその他のスタンバイ・データベースは、スタンバイ・ロールのままです。

  • FAILOVERコマンドを発行する前に、新しいプライマリ・データベースになるスタンバイ・データベースに接続していることを確認します。必要な場合は、CONNECTコマンドを発行してフェイルオーバーするスタンバイ・データベースに接続します。

  • オプションを指定せずにFAILOVERコマンドを発行すると、フェイルオーバー・ターゲットとして選択したスタンバイ・データベースにより、プライマリ・ロールへの変更前に受信した未適用のREDOがすべて適用されます。これを完全フェイルオーバーと呼びます。

  • ブローカ構成が最大保護モードで動作している場合、手動フェイルオーバー操作を実行すると、保護モードが強制的に最大パフォーマンスに設定されます。REDO転送サービスの設定は影響を受けません。フェイルオーバー操作後に、構成に必要な保護モードをリストアする必要があります。

    ノート:

    ファスト・スタート・フェイルオーバーの場合は、ブローカにより、フェイルオーバー前に有効になっていた保護モードが維持されます。

  • IMMEDIATEオプションを指定してFAILOVERコマンドを発行すると、受け取った未適用のREDOの適用は試行されません。このオプションを指定すると、スタンバイ・データベースでスタンバイREDOログ・ファイルが構成されている場合でも、アプリケーション・データが消失する可能性があります。また、構成内の他のスタンバイ・データベースは、回復または再作成されるまで機能しません。詳細は、「ロール変更後の無効化されたデータベースの再有効化」を参照してください。

  • 手動フェイルオーバーを実行するか、ブローカをファスト・スタート・フェイルオーバーを実行するように設定できます。フェイルオーバーの条件が満たされた場合に、ブローカにより自動的にフェイルオーバーを起動させる方法については、ENABLE FAST_START FAILOVERコマンドを参照してください。

  • ファスト・スタート・フェイルオーバーが有効になっている場合は、完全手動フェイルオーバーを、ファスト・スタート・フェイルオーバーのターゲット・スタンバイ・データベースに対してのみ、そのスタンバイ・データベースがプライマリ・データベースと同期化されているかプライマリ・データベースのラグ制限内である場合にのみ、およびオブザーバーが開始されている場合にのみ実行できます。ファスト・スタート・フェイルオーバーが有効になっている場合に、即時手動フェイルオーバーは実行できません。

  • 障害が発生した元のプライマリ・データベース上で、フェイルオーバーの前に「データベースをフラッシュバック」が有効化されていた場合は、ブローカのREINSTATEコマンド(REINSTATE DATABASEコマンドを参照)を使用して、そのプライマリ・データベースを回復できます。

    フィジカル・スタンバイ・データベースに対してフェイルオーバーが実行された場合は、そのスタンバイ・データベースで「データベースをフラッシュバック」が有効化されていて、使用可能なフラッシュバック・ログ情報が不足なくある場合にのみ、そのフェイルオーバーにより無効化されたその他のフィジカル・スタンバイ・データベースも回復できます。ステップについては、「ロール変更後の無効化されたデータベースの再有効化」を参照してください。

  • 元のプライマリ・データベースは、回復または再作成後、スタンバイ・データベースとしてのみ構成に関係できます。

    注意:

    フェイルオーバー前に、まだアクティブなインスタンスが実行されている場合は、元のプライマリ・データベースを停止します。

    関連項目:

    プライマリ・データベースのスタンバイ・データベースとして機能するように、元のプライマリ・データベースを再有効化する方法については、「ロール変更後の無効化されたデータベースの再有効化」を参照してください

コマンドの例

次の例では、スタンバイ・データベースSouth_Salesがプライマリ・ロールに遷移するフェイルオーバーを実行しています。

DGMGRL> FAILOVER TO 'South_Sales';
Performing failover NOW, please wait...
Failover succeeded, new primary is "South_Sales"

DGMGRL> SHOW CONFIGURATION;
Configuration - DRSolution
 
  Protection Mode: MaxPerformance
  Members:
    South_Sales - Primary database
    North_Sales - Physical standby database (disabled)
      ORA-16661: The standby database must be be reinstated.
 
Fast-Start Failover: DISABLED
 
Configuration Status:
WARNING

FAILOVER TO PLUGGABLE DATABASE

FAILOVER TO PLUGGABLE DATABASEコマンドは、指定したターゲットPDBをソースPDBのロールに遷移するフェイルオーバーを起動します。

構文

FAILOVER TO PLUGGABLE DATABASE <pdb_name> AT <target_db_unique_name> [IMMEDIATE];

コマンド・パラメータ

pdb_name

ソースPDBロールにフェイルオーバーするターゲットPDBの名前。これは、ADD PLUGGABLE DATABASEコマンドを使用してソースPDBを設定するときに使用されたものと同じPDBである必要があります。

target_db_unique_name

フェイルオーバー先のスタンバイ・プラガブル・データベースを含むターゲット・コンテナ・データベースのDB_UNIQUE_NAME初期化パラメータ値。

使用上のノート

  • ソースPDBに問題があっても、ソース・データベースが使用可能な場合は、ターゲットPDBへの手動フェイルオーバーを実行します。ターゲットPDBは、受信したすべての未適用REDOを適用し、ソースPDBロールに変更されます。これは完全PDBフェイルオーバーと呼ばれます。

  • ソース・データベースにアクセスできない場合は、IMMEDIATEオプションを指定し、FAILOVER PLUGGABLE DATABASEコマンドを使用して即時フェイルオーバーを実行します。受信済で未適用のREDOを適用することはありません。このオプションを使用すると、アプリケーション・データが失われる可能性が高くなります。

  • 元のソースPDBは、新しいソースPDBのターゲットPDBとして機能できるように、手動で再有効化する必要があります。

例10-7 PDBのフェイルオーバーの実行

次の例では、ターゲット・データベースnewyorkに含まれるターゲットPDB salesがソースPDBに遷移するPDBフェイルオーバーを実行します。

DGMGRL> FAILOVER TO PLUGGABLE DATABASE sales AT newyork;
 Verifying conditions for Failover...
   Source pluggable database is 'SALESB' at database 'boston'
 Performing FAILOVER now, please wait...
  Converting 'SALESB' to standby role...
  Waiting for 'SALES' to recover all redo data...
  Stopping recovery at 'SALES'...
  Converting 'SALES' to primary role...
  Opening new primary 'SALES'...
Failover succeeded, new primary is “sales”.

HELP

DISPLAYコマンドは、Data Guardコマンドライン・インタフェースのオンライン・ヘルプを表示します。

書式

HELP [command_name];

コマンド・パラメータ

command_name
ヘルプ情報が必要なコマンド。コマンドを指定しない場合は、すべてのコマンドがリストされます。
@ Execute DGMGRL script file
!     Host operating system command
/     Repeat the last command
--     Comment to be ignored by DGMGRL
add     Adds a member to the broker configuration
connect     Connects to an Oracle database instance
convert     Converts a database from one type to another
create     Creates a broker configuration or far sync instance
disable     Disables a configuration, a member, or fast-start failover
edit     Edits a configuration or a member
enable         Enables a configuration, a member, or fast-start failover
exit           Exits the program
export         Export Data Guard Broker configuration to a file.
failover       Changes a standby database to be the primary database
help           Displays description and syntax for a command
host           Host operating system command
import         Import Data Guard Broker configuration from a file.
migrate        Migrate a pluggable database from one configuration to another.
prepare        Prepare a primary database for a Data Guard environment.
quit           Exits the program
reinstate      Changes a database marked for reinstatement into a viable standby
rem            Comment to be ignored by DGMGRL
remove         Removes a configuration or a member
set            Set a DGMGRLI CLI property to a specified value
show           Displays information about a configuration or a member
shutdown       Shuts down a currently running Oracle database instance
spool          store input and output of DGMGRL CLI in a file
sql            Executes a SQL statement
start          Starts the fast-start failover observer
startup        Starts an Oracle database instance
stop           Stops the fast-start failover observer
switchover     Switches roles between a primary and standby database
validate       Performs an exhaustive set of validations for a member

個々のコマンドの構文を参照するには、help command_nameと入力します。

使用上のノート

  • このコマンドの実行には、データベース接続は不要です。

コマンドの例

次の例では、EDITコマンドのヘルプを取得しています。

DGMGRL> HELP FAILOVER
Changes a standby database to be the primary database

Syntax:

  FAILOVER TO <standby db-unique-name> [IMMEDIATE];

  FAILOVER TO PLUGGABLE DATABASE <standby pluggable database name>
    AT <target CDB> [IMMEDIATE];
 

HOSTまたは! (感嘆符)

DGMGRLのHOSTコマンドおよび!コマンドでは、DGMGRLを離れることなく、DGMGRLコンソールから直接オペレーティング・システム・コマンドを実行できます。

HOSTコマンドと!コマンドには同じ機能があります。これにより、DGMGRLにログインしたままオペレーティング・システム・コマンドを発行できます。DGMGRLプロンプトがオペレーティング・システム・コマンドを受け入れるシェル・プロンプトになります。また、個別のオペレーティング・システム・コマンドをHOSTコマンドまたは!コマンド経由でDGMGRLに直接送信することもできます。

書式

HOST [command]

または

! [command]

コマンド・パラメータ

command
オペレーティング・システム・コマンド

使用上のノート

  • コマンドを指定せずにHOSTとだけ入力すると、EXITコマンドを発行してDGMGRLコンソールに戻るまで、DGMGRLコンソールはオペレーティング・システムのシェル・プロンプトになります。

  • HOSTコマンドおよび!コマンドは、コマンドラインから入力された後続の内容すべてを、オペレーティング・システムのシェル・プロンプトへの入力として解釈します。次に示すコマンドの例2を参照してください。

コマンドの例

例1

次の例は、HOSTコマンドおよび!コマンドを使用し、DGMGRLコンソールで個別のオペレーティング・システム・コマンドを実行する方法を示しています。

DGMGRL> HOST DATE
Executing operating system command(s):" date"
Fri Oct 23 14:08:42 EDT 2015
DGMGRL>

DGMGRL> ! DATE
Executing operating system command(s):" date"
Fri Oct 23 14:09:20 EDT 2015
DGMGRL> 

例2

次の例では、両方のDATEコマンドをオペレーティング・システム・シェルで実行した後、制御がDGMGRLに戻ります。

DGMGRL> ! DATE;DATE;
Executing operating system command(s):" date;date;"
Fri Oct 23 14:11:40 EDT 2015
Fri Oct 23 14:11:40 EDT 2015
DGMGRL>

IMPORT CONFIGURATION

IMPORT CONFIGURATIONコマンドを使用すると、EXPORT CONFIGURATIONコマンドを使用して以前にtraceディレクトリのファイルにエクスポートされたブローカ構成のメタデータをインポートできます。

書式

IMPORT CONFIGURATION FROM <file_name>;

コマンド・パラメータ

file_name

エクスポートされたブローカ構成のメタデータを含むファイルの名前。

使用上のノート

  • インポートされたメタデータは、インメモリー・メタデータに格納され、DG_BROKER_CONFIG_FILE1またはDG_BROKER_CONFIG_FILE2で指定されたブローカ・メタデータ・ファイルのいずれかに格納されます。

  • 指定したファイル名は、traceディレクトリに存在している必要があります。

コマンドの例

次のコマンドは、traceディレクトリ内のdg_config.txtという名前のファイルに格納されている構成メタデータを、メモリーおよびブローカ・メタデータ・ファイルにインポートします。

DGMGRL> IMPORT CONFIGURATION FROM 'dg_config.txt';

MIGRATE PLUGGABLE DATABASE

MIGRATE PLUGGABLE DATABASEコマンドを使用すると、プラガブル・データベース(PDB)を1つのマルチテナント・コンテナ・データベース(CDB)から同じホスト上の別のCDBに移行できます。あるプライマリCDBから別のプライマリCDBにPDB移行するか、スタンバイCDBからプライマリCDBにPDBをフェイルオーバーできます。

Oracle Database 23aiを導入すると、MIGRATE PLUGGABLE DATABASEコマンドで、Data Guard Brokerの構成内のプライマリCDBから別のブローカの構成内の別のプライマリCDBにプラガブル・データベースを移動するときにスタンバイ・データファイルを再利用できます。スタンバイ・データ・ファイルを再利用するには、次のことを確認する必要があります。
  • ソース構成および宛先構成にあるすべてのデータベースで、OMFおよびASMが使用されている必要があります。
  • ソース・スタンバイCDBで、宛先スタンバイCDBと同じASMディスク・グループが共有されている必要があります。

書式

MIGRATE PLUGGABLE DATABASE [VERIFY][IMMEDIATE] <pdb_name>
TO CONTAINER <dest_cdb_name>
USING XML_description_file
[CONNECT AS { /@<dest_cdb_connect_identifer>  | <dest_cdb_user>/<dest_cdb_pass>@<dest_cdb_connect_identifer>} ]
[ SECRET secret KEYSTORE IDENTIFIED BY ( EXTERNAL STORE | <wallet_password>) ][STANDBY FILES { /@<asm_instance_connect_identifer>  | sysasm_user/sysasm_pass@<asm_instance_connect_identifer>} ]
[SOURCE STANDBY <source_standby_cdb_name>
[DESTINATION STANDBY <dest_standby_cdb_name>
[TIMEOUT timeout]
[KEYFILE <key_file>]
[ SOURCE KEYSTORE IDENTIFIED BY ( EXTERNAL STORE | <source_wallet_password>) ];

前提条件

MIGRATE PLUGGABLE DATABASEコマンドには次の前提条件があります。

  • ソースCDBと同じファイル・パスでPDBデータ・ファイルにアクセスできるようにして、宛先CDBが作成および起動されている必要があります。

  • ソースCDBと宛先CDBは、それぞれ別々のData Guard Broker構成に含まれている必要があります。

  • ソースCDBはプライマリ・データベースまたはフィジカル・スタンバイ・データベースのどちらでもかまいません。

  • ソースPDBで透過的データ暗号化(TDE)が使用されている場合、ソースPDBに関連付けられている暗号化キーも移行する必要があります。データベース・ルートに接続し、ADMINISTER KEY MANAGEMENTコマンドを使用してマスター暗号化キーをエクスポートします。このコマンドで使用される句は、PDBモード(分離モードまたは統一モード)およびキーストアのタイプ(ソフトウェアベースのキーストアまたはパスワード・キーストア)によって異なります。

    エクスポートされたキーを含むファイルは、セキュア・ファイル・コピー(SCP)またはOracle Automatic Storage Management Cluster File System (Oracle ACFS)を使用して、宛先CDBからアクセスできる必要があります。

  • ソースCDBがフィジカル・スタンバイ・データベースの場合:

    • ソースCDBと宛先CDBで同じOracleバージョンおよびパッチが実行されている必要があります。

    • ソースCDBと宛先CDBのCOMPATIBLE初期化パラメータの設定は同じである必要があります。

    • 移行対象のPDBがそのプライマリCDB上でクローズされている必要があります。

    • フェイルオーバーを実行します。

      PDBフェイルオーバーによってデータが消失する可能性がある場合は、IMMEDIATEオプションを使用して、フェイルオーバーの実行を明示的に選択する必要があります。

  • ソースCDBがプライマリ・データベースの場合

    • 宛先CDBで古いバージョンのOracleは実行できません。

    • 宛先CDBでは、COMPATIBLE初期化パラメータの設定をソースCDBよりも低い値に設定できません。

  • PDBのサービスを停止して、移行対象のソース・データベースのOracle Clusterwareリポジトリから削除する必要があります。これは、ソース・データベースのData Guard Broker構成内のすべてのデータベースに対して実行する必要があります。

  • 宛先CDBがオープンしている必要があります。

  • このコマンドを実行するユーザーには、ソースCDBと宛先CDBの両方に対するSYSDBA権限が必要です。

  • ソース・スタンバイ・データベース・ファイルの再利用が必要な場合:
    • ソース・スタンバイ・データベース・ファイルを含むASMインスタンスへの接続識別子を指定するには、STANDBY FILES句を使用する必要があります
    • ソースおよび宛先のCDBスタンバイ・データベースのパラメータDB_CREATE_FILE_DESTを、同じASMディスク・グループ名に設定する必要があります。
    • 宛先CDBスタンバイ・データベースのパラメータDB_FILE_NAME_CONVERTはnullである必要があります。
    • パラメータSTANDBY_FILE_MANAGEMENTは、ソース・スタンバイ・データベースでAUTOである必要があります。

コマンド・パラメータ

pdb_name
移行対象のPDBの名前。
dest_cdb_name
移行対象のPDBを受け入れるCDBの一意のデータベース名。
XML_description_file
移行対象のPDBの説明が含まれているXMLファイル。このファイルは、MIGRATE PLUGGABLE DATABASEコマンドで実行するSQL文によって自動的に作成されます。
dest_cdb_user
宛先CDBへのSYSDBAアクセス権を持つユーザーのユーザー名。
dest_cdb_pass
dest_cdb_userに指定されているユーザー名に関連付けられたパスワード。
dest_cdb_connect_identifier
宛先CDBへの接続に使用するOracle Net接続識別子。
secret
ソースPDBのエクスポートされた暗号化キーを含むエクスポート・ファイルの暗号化に使用されたパスワード。このパスワードは、PDB暗号化キーのエクスポート時にADMINISTER KEY MANAGEMENTコマンドの一部として指定されます。
wallet_password
暗号化キーを含むキーストアのパスワード。これは、ソースPDBがパスワード・キーストアを使用して暗号化された場合に必要です。
asm_instance_connect_identifer
ソース・スタンバイ・データベース・ファイルがあるASMインスタンスへの接続識別子。
sysasm_user
ASMインスタンスに対するSYSASM権限を持つユーザー。
sysasm_pass
sysasm_userのパスワード。
source_standby_cdb_name
移行ソースCDBのスタンバイ・データベースのDB_UNIUE_NAME
dest_standby_cdb_name
移行先CDBのスタンバイ・データベースのDB_UNIUE_NAME
timeout
移行中に宛先スタンバイ・データベースがデータ・ファイルを取得するまでのタイムアウト値(秒)。
key_file
TDEマスター・キーをエクスポートするためのキー・ファイルの場所。
source_wallet_password
移行するPDBのソースCDB/PDBのキーストア・パスワード。

使用上のノート

  • デフォルトで、このコマンドをPDBフェイルオーバーで使用する場合、データを消失する可能性があると、フェイルオーバーの試行は拒否されます。IMMEDIATEオプションを使用して、このデフォルトの動作を上書きできます。

  • ソース・データベースがプライマリ・データベースの場合、IMMEDIATEオプションは無視されます。

  • VERIFYオプションは、PDBを正常に移行できるかどうかを判断するための事前チェックを実行します。

  • 接続識別子が指定されている場合、宛先CDBでのユーザー認証にはデータベース資格証明が使用されます。

  • オペレーティング・システム資格証明は、宛先CDBでのユーザー認証には使用できません。接続識別子を指定する必要があります。スラッシュ(/)はサポートされません。

  • スラッシュ(/)を使用して接続識別子が指定されている場合(たとえば、/@boston)、資格証明はウォレットから取得されます。

  • 接続文字列を指定する場合は、次のオプションを使用できます。

    • /@dest_cdb_connect_identifier (資格証明はウォレットからフェッチされる)

    • dest_cdb_user/dest_cdb_pass@dest_cdb_connect_identifier (データベース資格証明を使用する)

  • パスワードがコマンドライン上に表示されないようにするには、接続識別子とユーザー名のみを指定します。次に、パスワードの入力を求められます。ユーザー名と接続識別子のみを入力する場合は、次のオプションがサポートされています。

    • dest_cdb_user@dest_cdb_connect_identifier (データベース資格証明を使用する)

    • dest_cdb_user@dest_cdb_connect_identifier (データベース資格証明を使用する)

  • コマンドラインから接続文字列をすべて省略すると、ユーザー名とパスワードを入力するように要求されます。次のオプションがサポートされています。

    • /@dest_cdb_connect_identifier (パスワードを求めるプロンプトは表示されず、資格証明はウォレットからフェッチされる)

    • dest_cdb_user@dest_cdb_connect_identifier (データベース資格証明を使用する)

    • dest_cdb_user@dest_cdb_connect_identifier (データベース資格証明を使用する)

  • sysasm_passを省略した場合は、sysasm_userのパスワードを求めるプロンプトが表示されます。
  • SOURCE STANDBY句で指定するデータベースは、フィジカル・スタンバイ・データベースである必要があります。移行ソースのプライマリ・データベースのフィジカル・スタンバイが1つのみの場合、この句はオプションです
  • DESTINATION STANDBY句で指定するデータベースは、フィジカル・スタンバイ・データベースである必要があります。移行先プライマリ・データベースのフィジカル・スタンバイが1つのみの場合、この句はオプションです。
  • TIMEOUT句を指定しない場合、デフォルトの1800秒が使用されます。
  • TDEが有効な場合のスタンバイ・データベースからのフェイルオーバーの場合、TDEマスター・キーをエクスポートするためのキー・ファイルの場所を指定するKEYFILE句と、その後にソースCDBのキーストア・パスワードを指定するSOURCE KEYSTORE IDENTIFIED BY句が必要です。

コマンドの例

例1: プライマリCDBからのPDBの移行

DGMGRL> MIGRATE PLUGGABLE DATABASE REGION1 TO CONTAINER NORTH_SALES_NEW USING REGION1.xml 
CONNECT AS sys@NORTH_SALES_NEW;
Connected to "NORTH_SALES_NEW"
Connected.

Beginning migration of pluggable database REGION1.
Source multitenant container database is NORTH_SALES.
Destination multitenant container database is NORTH_SALES_NEW.

Closing pluggable database REGION1 on all instances of multitenant container database NORTH_SALES.
Unplugging pluggable database REGION1 from multitenant container database NORTH_SALES.
Pluggable database description will be written to REGION1.xml.
Dropping pluggable database REGION1 from multitenant container database NORTH_SALES.
Creating pluggable database REGION1 on multitenant container database NORTH_SALES_NEW.
Opening pluggable database REGION1 on all instances of multitenant container database NORTH_SALES_NEW.
Succeeded.

例2: フィジカル・スタンバイからのPDBのフェイルオーバー

DGMGRL> MIGRATE PLUGGABLE DATABASE REGION1 TO CONTAINER SOUTH_SALES_NEW 
USING REGION1.xml CONNECT AS sys@SOUTH_SALES_NEW;
Connected to "SOUTH_SALES_NEW"
Connected.

Beginning migration of pluggable database REGION1.
Source multitenant container database is SOUTH_SALES.
Destination multitenant container database is SOUTH_SALES_NEW.

Continuing with migration of pluggable database REGION1 to multitenant container database SOUTH_SALES_NEW.
Stopping Redo Apply services on source multitenant container database SOUTH_SALES.
Succeeded.
Opening database SOUTH_SALES.
Opening pluggable database REGION1 on source multitenant container database SOUTH_SALES to prepare for migration.
Pluggable database description will be written to REGION1.xml.
Closing pluggable database REGION1 on all instances of multitenant container database SOUTH_SALES.
Disabling media recovery for pluggable database REGION1.
Closing database SOUTH_SALES.
Restarting redo apply services on source multitenant container database SOUTH_SALES.
Succeeded.
Creating pluggable database REGION1 on multitenant container database SOUTH_SALES_NEW.
Opening pluggable database REGION1 on all instances of multitenant container database SOUTH_SALES_NEW.
Unplugging pluggable database REGION1 from multitenant container database NORTH_SALES.
Dropping pluggable database REGION1 from multitenant container database NORTH_SALES.
Succeeded.

例3: Data Guard構成のプライマリ・データベースにPDBを接続する場合にソース・スタンバイ・データベース・ファイルを再利用

MIGRATE PLUGGABLE DATABASE REGION1 TO CONTAINER SOUTH_SALES_NEW USING REGION1.xml STANDBY FILES sysasm@asm_tns SOURCE STANDBY SOUTH_SALES_STANDBY DESTINATION STANDBY SOUTH_SALES_NEW_STANDBY ; 
Connected.

Beginning migration of pluggable database REGION1.
Source multitenant container database is SOUTH_SALES.
Destination multitenant container database is SOUTH_SALES_NEW.

Connecting to "inst11".
Connected as SYSASM.
Stopping Redo Apply services on multitenant container database SOUTH_SALES_NEW_STANDBY.
The guaranteed restore point "…" was created for multitenant container database "SOUTH_SALES_NEW_STANDBY".
Restarting redo apply services on multitenant container database SOUTH_SALES_NEW_STANDBY.
Closing pluggable database REGION1 on all instances of multitenant container database SOUTH_SALES.
Unplugging pluggable database REGION1 from multitenant container database SOUTH_SALES.
Pluggable database description will be written to ...
Dropping pluggable database REGION1 from multitenant container database SOUTH_SALES.
Waiting for the pluggable database REGION1 to be dropped from standby multitenant container database SOUTH_SALES_STANDBY.
Creating pluggable database REGION1 on multitenant container database SOUTH_SALES_NEW.
Checking whether standby multitenant container database SOUTH_SALES_NEW_STANDBY has added all data files for pluggable database REGION1.
Opening pluggable database REGION1 on all instances of multitenant container database SOUTH_SALES_NEW.
The guaranteed restore point "…" was dropped for multitenant container database "SOUTH_SALES_NEW_STANDBY".
Migration of pluggable database REGION1 completed.
Succeeded.

例4: Data Guard構成のプライマリ・データベースにPDBを接続する場合にTDEを有効にしてソース・スタンバイ・データベース・ファイルを再利用

DGMGRL> MIGRATE PLUGGABLE DATABASE REGION1 TO CONTAINER SOUTH_SALES_NEW 
USING REGION1.xml CONNECT AS sys@SOUTH_SALES_NEW;
Connected to "SOUTH_SALES_NEW"
Connected.

Beginning migration of pluggable database REGION1.
Source multitenant container database is SOUTH_SALES.
Destination multitenant container database is SOUTH_SALES_NEW.

Continuing with migration of pluggable database REGION1 to multitenant container database SOUTH_SALES_NEW.
Stopping Redo Apply services on source multitenant container database SOUTH_SALES.
Succeeded.
Opening database SOUTH_SALES.
Opening pluggable database REGION1 on source multitenant container database SOUTH_SALES to prepare for migration.
Pluggable database description will be written to REGION1.xml.
Closing pluggable database REGION1 on all instances of multitenant container database SOUTH_SALES.
Disabling media recovery for pluggable database REGION1.
Closing database SOUTH_SALES.
Restarting redo apply services on source multitenant container database SOUTH_SALES.
Succeeded.
Creating pluggable database REGION1 on multitenant container database SOUTH_SALES_NEW.
Opening pluggable database REGION1 on all instances of multitenant container database SOUTH_SALES_NEW.
Unplugging pluggable database REGION1 from multitenant container database NORTH_SALES.
Dropping pluggable database REGION1 from multitenant container database NORTH_SALES.
Succeeded.

例5: ソースPDBの移行前検証の実行

DGMGRL> MIGRATE PLUGGABLE DATABASE REGION10 TO CONTAINER SOUTH_SALES_NEW USING .* CONNECT AS sys/knl_test7@tkdg4_tns SECRET "s123" KEYSTORE IDENTIFIED BY "Welcome4c" STANDBY FILES sys/knl_test7@inst11 ; 
Connected.
Master keys of the pluggable database REGION10 to need to be migrated.
Keystore of pluggable database REGION10 is open.

Beginning migration of pluggable database REGION10.
Source multitenant container database is SOUTH_SALES.
Destination multitenant container database is SOUTH_SALES_NEW.

Connecting to "inst11".
Connected as SYSASM.
Stopping Redo Apply services on multitenant container database SOUTH_SALES_NEW_STANDBY.
The guaranteed restore point "..." was created for multitenant container database "SOUTH_SALES_NEW_STANDBY".
Restarting redo apply services on multitenant container database SOUTH_SALES_NEW_STANDBY.
Closing pluggable database REGION10 on all instances of multitenant container database SOUTH_SALES.
Unplugging pluggable database REGION10 from multitenant container database SOUTH_SALES.
Pluggable database description will be written to ...
Dropping pluggable database REGION10 from multitenant container database SOUTH_SALES.
Waiting for the pluggable database REGION10 to be dropped from standby multitenant container database SOUTH_SALES_STANDBY.
Creating pluggable database REGION10 on multitenant container database SOUTH_SALES_NEW.
Checking whether standby multitenant container database SOUTH_SALES_NEW_STANDBY has added all data files for pluggable database REGION10.
Stopping Redo Apply services on multitenant container database SOUTH_SALES_NEW_STANDBY.
Opening pluggable database REGION10 on all instances of multitenant container database SOUTH_SALES_NEW.
The guaranteed restore point "..." was dropped for multitenant container database "SOUTH_SALES_NEW_STANDBY".
Please complete the following steps to finish the operation:
1. Copy keystore located in ... for migration destination primary database to ... for migration destination standby database.
2. Start DGMGRL, connect to multitenant container database SOUTH_SALES_NEW, and issue command "EDIT DATABASE SOUTH_SALES_NEW_STANDBY SET STATE=APPLY-ON".
3. If the clusterware is configured on multitenant container databases SOUTH_SALES_NEW or SOUTH_SALES_NEW_STANDBY, add all non-default services for the migrated pluggable database in cluster ready services.
Migration of pluggable database REGION10 completed.
Succeeded.

PREPARE DATABASE FOR DATA GUARD

PREPARE DATABASE FOR DATA GUARDコマンドは、Data Guard Broker構成でプライマリ・データベースとして使用するためにデータベースを構成します。データベース初期化パラメータは推奨値に設定されます。

書式

PREPARE DATABASE FOR DATA GUARD [WITH DB_UNIQUE_NAME IS <db_unique_name>] [DB_RECOVERY_FILE_DEST IS <directory_location>]  [DB_RECOVERY_FILE_DEST_SIZE is <size>] [BROKER_CONFIG_FILE_1 IS <broker_config_file_1_location>] [BROKER_CONFIG_FILE_2 IS <broker_config_file_2_location>] [RESTART];

コマンド・パラメータ

db_unique_name

DB_UNIQUE_NAME初期化パラメータの値。この初期化パラメータが異なる値に設定されている場合、既存の値はdb_unique_nameで指定された値に置き換えられます。このパラメータを指定しない場合、DB_UNIQUE_NAMEパラメータはDBNAMEパラメータの値に設定されます。

directory_location

ファスト・リカバリ領域の場所を表す、DB_RECOVERY_FILE_DEST初期化パラメータのディレクトリ名。指定したディレクトリは、RACデータベースのすべてのインスタンスからアクセスできる必要があります。

ローカルのアーカイブ先が設定されている場合、このパラメータは省略できます。ただし、DB_RECOVERY_FILE_DEST初期化パラメータが設定されておらず、ローカルのアーカイブ先が設定されていない場合は、このパラメータを指定する必要があります。

directory_locationが指定されている場合は、log_archive_dest_n初期化パラメータが値USE_DB_RECOVERY_FILE_DESTに設定されます。これは、ローカルのアーカイブ先がすでに設定されているかどうかに関係なく実行されます。

size

DB_RECOVERY_FILE_DEST初期化パラメータのサイズ値。DB_RECOVERY_FILE_DESTを指定する場合は、このパラメータは必須です。

broker_config_file_1_location

DG_BROKER_CONFIG_FILE1初期化パラメータの設定に使用される、ファイルの場所。指定したファイル保存場所は、RACデータベースのすべてのインスタンスからアクセスできる必要があります。

これはオプションのコマンド・パラメータです。

broker_config_file_2_location

DG_BROKER_CONFIG_FILE2初期化パラメータの設定に使用される、ファイルの場所。指定したファイル保存場所は、RACデータベースのすべてのインスタンスからアクセスできる必要があります。

これはオプションのコマンド・パラメータです。

restart
RESTARTキーワードを使用すると、静的な初期化パラメータに変更が必要な場合、またはアーカイブ・ログ・モードを有効にするためにデータベースをMOUNTEDモードにする必要がある場合に、データベースの自動再起動が可能になります。省略すると、静的な変更が必要な場合にコマンドは失敗します。

前提条件

SYSDBA権限があるユーザーとしてプライマリ・データベースに接続する必要があります。

使用上のノート

  • Oracle Database 12cリリース2以降のデータベース・バージョンがサポートされています。
  • 単一インスタンス・データベースでは、サーバー・パラメータ・ファイルは、存在していない場合は、現行のメモリー内パラメータ設定を使用して作成され、デフォルトの場所に格納されます。

  • このコマンドは、最大可用性アーキテクチャ(MAA)向けの推奨値に従って、次の初期化パラメータを設定します。

    • DB_FILES=1024
    • LOG_BUFFER=256M
    • DB_BLOCK_CHECKSUM=TYPICAL

      この値は、すでにFULLに設定されている場合は変更されません。

    • DB_LOST_WRITE_PROTECT=TYPICAL

      この値は、すでにFULLに設定されている場合は変更されません。

    • DB_FLASHBACK_RETENTION_TARGET=120

      このパラメータは、すでにデフォルト以外の値に設定されている場合は変更されません。

    • PARALLEL_THREADS_PER_CPU=1
    • DG_BROKER_START=TRUE
  • このコマンドを使用すると、アーカイブ・ログ・モード、ロギング強制およびフラッシュバック・データベースが有効になり、RMANアーカイブ・ログの削除ポリシーがSHIPPED TO ALL STANDBYに設定されます。

  • スタンバイREDOログは、プライマリ・データベースに存在しない場合は追加されます。このログは、存在するが正しく構成されていない場合は、削除され再作成されます。

コマンドの例

次の例では、bostonという名前のデータベースをプライマリ・データベースとして準備します。リカバリ先は$ORACLE_BASE_HOME/dbsです。

DGMGRL> PREPARE DATABASE FOR DATA GUARD
	WITH DB_UNIQUE_NAME IS boston
	DB_RECOVERY_FILE_DEST IS "$ORACLE_BASE_HOME/dbs/"
	DB_RECOVERY_FILE_DEST_SIZE is "400G"
	DG_BROKER_CONFIG_FILE1 IS "$ORACLE_HOME/dbs/file1.dat"
	DG_BROKER_CONFIG_FILE2 IS "$ORACLE_HOME/dbs/file2.dat";

Preparing database "boston" for Data Guard.
Creating server parameter file (SPFILE) from initialization parameter memory values.
Database must be restarted after creating the server parameter (SPFILE).
Shutting down database "boston".
Database closed.
Database dismounted.
ORACLE instance shut down.
Starting database "boston" to mounted mode.
ORACLE instance started.
Database mounted.
Server parameter file (SPFILE) is "ORACLE_BASE_HOME/dbs/spboston.ora".
Initialization parameter DB_UNIQUE_NAME set to 'boston'.
Initialization parameter DB_FILES set to 1024.
Initialization parameter LOG_BUFFER set to 268435456.
Primary database must be restarted after setting static initialization parameters.
Primary database must be restarted to enable archivelog mode.
Shutting down database "boston".
Database dismounted.
ORACLE instance shut down.
Starting database "boston" to mounted mode.
ORACLE instance started.
Database mounted.
Initialization parameter DB_FLASHBACK_RETENTION_TARGET set to 120.
Initialization parameter DB_BLOCK_CHECKSUM set to 'TYPICAL'.
Initialization parameter DB_LOST_WRITE_PROTECT set to 'TYPICAL'.
Initialization parameter PARALLEL_THREADS_PER_CPU set to 1.
Removing RMAN archivelog deletion policy 1.
Removing RMAN archivelog deletion policy 2.
RMAN configuration archivelog deletion policy set to SHIPPED TO ALL STANDBY.
Initialization parameter DB_RECOVERY_FILE_DEST_SIZE set to '400G'.
Initialization parameter DB_RECOVERY_FILE_DEST set to 'ORACLE_BASE_HOME/dbs/'.
Initialization parameter DG_BROKER_START set to FALSE.
Initialization parameter DG_BROKER_CONFIG_FILE1 set to 'ORACLE_HOME/dbs/file1.dat'.
Initialization parameter DG_BROKER_CONFIG_FILE2 set to 'ORACLE_HOME/dbs/file2.dat'.
LOG_ARCHIVE_DEST_n initialization parameter already set for local archival.
Initialization parameter LOG_ARCHIVE_DEST_2 set to 'location=use_db_recovery_file_dest valid_for=(all_logfiles, all_roles)'.
Initialization parameter LOG_ARCHIVE_DEST_STATE_2 set to 'Enable'.
Initialization parameter STANDBY_FILE_MANAGEMENT set to 'MANUAL'.
Standby log group 4 will be dropped because it was not configured correctly.
Standby log group 3 will be dropped because it was not configured correctly.
Adding standby log group size 26214400 and assigning it to thread 1.
Initialization parameter STANDBY_FILE_MANAGEMENT set to 'AUTO'.
Initialization parameter DG_BROKER_START set to TRUE.
Database set to FORCE LOGGING.
Database set to ARCHIVELOG.
Database set to FLASHBACK ON.
Database opened.

QUIT

QUITコマンドは、Data Guardコマンドライン・インタフェースを終了します。

書式

QUIT;

コマンド・パラメータ

なし。

使用上のノート

  • このコマンドの効果は、EXITコマンドと同じです。

  • このコマンドの実行には、データベース接続は不要です。ただし、接続されている場合は、このコマンドにより接続が解除されます。

コマンドの例

次の例に、コマンドライン・インタフェースを終了する方法を示します。

DGMGRL> QUIT;

REINSTATE DATABASE

REINSTATE DATABASEコマンドは、ブローカ構成内で、データベースを現在のプライマリ・データベースの新規スタンバイ・データベースとして回復します。

書式

REINSTATE DATABASE <db_unique_name>;

コマンド・パラメータ

db_unique_name

回復するデータベースのDB_UNIQUE_NAME初期化パラメータ値。

使用上のノート

  • 「ブローカ構成に含まれる元のプライマリ・データベースの回復」で説明する回復の条件が満たされていない場合、回復処理は失敗し、対応するエラー・ステータスが表示され、指定されたデータベースは無効なままになります。

  • db_unique_nameに元のプライマリの名前が指定されており、ファスト・スタート・フェイルオーバーが有効化されている場合、元のプライマリ・データベースは、新規プライマリ・データベースのスタンバイとして回復し、ファスト・スタート・フェイルオーバー環境は、新規スタンバイ・データベースの可用性を反映して更新されます。新規スタンバイ・データベースは、新規プライマリ・データベースに障害が発生した場合、新規プライマリ・データベースからREDOデータを受け取り、ファスト・スタート・フェイルオーバーのターゲットとなります。FastStartFailoverAutoReinstate構成プロパティがFALSEに設定されている場合を除き、オブザーバが実行中であれば自動的に回復が実行されます。

  • このコマンドでは、ファスト・スタート・フェイルオーバーが有効化されている必要はありません。このコマンドは、完全手動フェイルオーバーが実行された後、元のプライマリ・データベースを回復する場合に使用できます。完全または即時フェイルオーバー後に無効化されたその他のスタンバイ・データベースを回復するために使用することもできます。

  • このコマンドは、ブローカ構成内で回復させるデータベース以外のデータベースに接続されている場合に発行します。

コマンドの例

次の例に、North_Salesデータベースを、ブローカ構成のスタンバイ・データベースとして回復させる方法を示します。

DGMGRL> REINSTATE DATABASE 'North_Sales';
Reinstating database "North_Sales", please wait...
Reinstatement of database "North_Sales" succeeded

REMOVE CONFIGURATION

REMOVE CONFIGURATIONコマンドは、Oracle Data Guard Broker構成を削除し、構成内のすべてのメンバーのブローカ管理を終了します。

書式

REMOVE CONFIGURATION [ PRESERVE DESTINATIONS ];

コマンド・パラメータ

なし。

使用上のノート

  • 構成が削除されると、すべての構成メンバーのブローカ管理が無効化されます。

  • デフォルトでは、このコマンドを実行すると、プライマリ・データベースのLOG_ARCHIVE_DEST_n初期化パラメータと構成内の全メンバーのLOG_ARCHIVE_CONFIG初期化パラメータから、対応するブローカ設定が削除されます。これらの設定を保持するには、PRESERVE DESTINATIONSオプションを使用します。

  • このコマンドでは、基礎となるOracle Data Guard構成の実際のプライマリまたはスタンバイ・データベース・インスタンス、データベース、遠隔同期インスタンス、データ・ファイル、制御ファイル、初期化パラメータ・ファイル、サーバー・パラメータ・ファイルまたはログ・ファイルは削除されず、影響を受けません。

  • ファスト・スタート・フェイルオーバーが有効になっている場合は、構成を削除できません。

コマンドの例

次の例では、REMOVE CONFIGURATIONコマンドの成功例と失敗例を示します。

例1

次のコマンドは、構成ファイルから構成情報を削除する方法を示します。

DGMGRL> REMOVE CONFIGURATION;
Removed configuration
DGMGRL> SHOW CONFIGURATION;
Error: ORA-16532: Data Guard broker configuration does not exist
 
Configuration details cannot be determined by DGMGRL

例2

次のコマンドは、ファスト・スタート・フェイルオーバーが有効になっているために失敗しています。

DGMGRL> REMOVE CONFIGURATION;
Error: ORA-16654: fast-start failover is enabled
 
Failed.
 
DGMGRL> SHOW CONFIGURATION;
 
Configuration - DRSolution
 
  Protection Mode: MaxAvailability
  Members:
    North_Sales  - Primary database
      South_Sales  - (*) Physical standby database
 
Fast-Start Failover: Enabled in Zero Data Loss Mode
 
Configuration status:
SUCCESS

REMOVE DATABASE

REMOVE DATABASEコマンドは、指定したスタンバイ・データベースをブローカ構成から削除し、そのスタンバイ・データベースのブローカ管理を終了します。

書式

REMOVE DATABASE <db_unique_name> [ PRESERVE DESTINATIONS ];

コマンド・パラメータ

db_unique_name

ブローカ構成から削除するデータベースのDB_UNIQUE_NAME初期化パラメータ値。

使用上のノート

  • ブローカ構成に含まれるプライマリ・データベースの名前を指定すると、エラーが戻されます。

  • デフォルトで、このコマンドは、構成の各メンバーにおける、すべてのREDO転送初期化パラメータから、指定されたデータベースへのすべての参照を削除します。これらの設定を保持するには、PRESERVE DESTINATIONSオプションを使用します。

  • このコマンドは、ファスト・スタート・フェイルオーバーが有効になっている場合は実行できません。また、database_nameには、ターゲットのスタンバイ・データベースの名前を指定します。

コマンドの例

次の例に、Oracle Data Guard Broker構成からデータベースを削除する方法を示します。

DGMGRL> SHOW CONFIGURATION;
 
Configuration - DRSolution
 
  Protection Mode: MaxPerformance
  Members:
    North_Sales  - Primary database
      South_Sales  - Physical standby database
 
Fast-Start Failover: DISABLED
 
Configuration status:
SUCCESS
 
DGMGRL> REMOVE DATABASE 'South_Sales';
Removed database "South_Sales" from the configuration.
 
 
Configuration - DRSolution
 
  Protection Mode: MaxPerformance
  Members:
    North_Sales  - Primary database
 
Fast-Start Failover: DISABLED
 
Configuration status:
SUCCESS

REMOVE FAR_SYNC

REMOVE FAR SYNCコマンドは、遠隔同期インスタンスをOracle Data Guard Broker構成から削除します。

書式

REMOVE FAR_SYNC <db_unique_name> [ PRESERVE DESTINATIONS ];

コマンド・パラメータ

db_unique_name

ブローカ構成から削除する遠隔同期インスタンスのDB_UNIQUE_NAME初期化パラメータ値。

使用上のノート

  • RedoRoutesプロパティが設定されている遠隔同期インスタンスは、削除できません。

  • デフォルトで、このコマンドは、構成のメンバーごとに、すべてのREDO転送初期化パラメータから、指定された遠隔同期インスタンスへの参照をすべて削除します。これらの設定を保持するには、PRESERVE DESTINATIONSオプションを使用します。

コマンドの例

次の例は、dallasという名前の遠隔同期インスタンスをブローカ構成から削除します。

DGMGRL> REMOVE FAR_SYNC 'dallas';

REMOVE INSTANCE

REMOVE INSTANCEコマンドは、指定したインスタンスをブローカ構成から削除します。

書式

REMOVE INSTANCE instance_name  [ON { DATABASE | FAR_SYNC } <db_unique_name>];

コマンド・パラメータ

instance_name

ブローカ構成から削除するインスタンスの名前(SID)。

db_unique_name

instance-nameが関連付けられているメンバーのDB_UNIQUE_NAME初期化パラメータ値。

使用上のノート

  • 開始されたインスタンスは、ブローカにより自動的にブローカ構成に追加されます。ただし、インスタンスはデータベース・プロファイルから自動的に削除されません。REMOVE INSTANCEコマンドを使用すると、存在しなくなったインスタンスを構成から手動で削除できます。

  • instance_nameが構成内で一意でない場合は、メンバーのDB_UNIQUE_NAME初期化パラメータ値、およびinstance_nameを指定してインスタンスを完全に特定する必要があります。

  • ブローカ構成内で現在アクティブなインスタンスの場合は、このコマンドが拒否されます。

  • 現在そのインスタンスのみがデータベースまたは遠隔同期に関連付けられている場合、このコマンドは拒否されます。

コマンドの例

次の例に、データベースのインスタンスを削除する方法を示します。

DGMGRL> REMOVE INSTANCE 'south_sales3' ON DATABASE 'South_Sales';
Removed instance "south_sales3" from the database "South_Sales"

REMOVE RECOVERY_APPLIANCE

REMOVE RECOVERY_APPLIANCEコマンドは、指定したZero Data Loss Recovery Appliance (リカバリ・アプライアンス)をブローカ構成から削除し、そのリカバリ・アプライアンスのブローカ管理を終了します。

注意:

REMOVE RECOVERY_APPLIANCEコマンドを使用すると、リカバリ・アプライアンスのプロファイル情報がブローカ構成ファイルから削除され、リカバリできません。

書式

REMOVE RECOVERY_APPLIANCE <db_unique_name>  [ PRESERVE DESTINATIONS ];

コマンド・パラメータ

db_unique_name

ブローカ構成から削除するリカバリ・アプライアンスのDB_UNIQUE_NAME初期化パラメータ値。

使用上のノート

  • デフォルトでは、このコマンドを実行すると、リカバリ・アプライアンスにREDOデータを送信していたメンバーのLOG_ARCHIVE_DEST_n初期化パラメータと構成内の全データベースのLOG_ARCHIVE_CONFIG初期化パラメータから、対応するブローカ設定が削除されます。これらの設定を保持するには、PRESERVE DESTINATIONSオプションを使用します。

コマンドの例

次の例は、Data Guard Broker構成からリカバリ・アプライアンスを削除する方法を示しています。

DGMGRL> SHOW CONFIGURATION;
 Configuration - DRSolution
   Protection Mode: MaxPerformance
  Members:
    North_Sales   - Primary database
    South_Sales   - Physical standby database
    EnterpriseRecoveryAppliance - Oracle Backup Appliance

Fast-Start Failover: DISABLED
 Configuration status:
SUCCESS (status updated 30 seconds ago)

DGMGRL> REMOVE RECOVERY_APPLIANCE 'EnterpriseRecoveryAppliance';
Removed Oracle Backup Appliance "EnterpriseRecoveryAppliance" from the configuration.

DGMGRL> SHOW CONFIGURATION;
 Configuration - DRSolution
   Protection Mode: MaxPerformance
  Members:
    North_Sales  - Primary database
    South_Sales  - Physical standby database

Fast-Start Failover: DISABLED
 Configuration status:
SUCCESS (status updated 60 seconds ago)

SET ECHO

SET ECHOコマンドは、コマンドライン・プロンプトまたはDGMGRLスクリプトから発行されるコマンドをエコーするかどうかを制御します。

書式

SET ECHO [ON | OFF];

使用上のノート

  • なし

コマンドの例

DGMGRL> SET ECHO ON;
DGMGRL> SHOW CONFIGURATION;
SHOW CONFIGURATION;

Configuration - DRSolution

  Protection Mode: MaxPerformance
  Members:
  North_Sales  - Primary database
    South_Sales - Physical standby database 

Fast-Start Failover: DISABLED

Configuration Status:
SUCCESS

SET FAST_START FAILOVER TARGET

SET FAST_START FAILOVER TARGETコマンドを使用すると、ファスト・スタート・フェイルオーバーを無効にしたり、ファスト・スタート・フェイルオーバーのリストを変更したりすることなく、指定したスタンバイ・データベースにファスト・スタート・フェイルオーバーのターゲットを設定できます。

書式

SET FAST_START FAILOVER TARGET TO <db_unique_name> [NOWAIT];

コマンド・パラメータ

db_unique_name
ファスト・スタート・フェイルオーバーの新しいターゲットにする必要があるスタンバイ・データベースのDB_UNIQUE_NAME初期化パラメータ値。

使用上のノート:

  • NOWAIT句は、コマンドがファスト・スタート・フェイルオーバー・ターゲットの変更が完了するまで待機しないことを指定します。

コマンドの例

例1: 特定のスタンバイへのファスト・スタート・フェイルオーバーの設定

次の例は、ファスト・スタート・フェイルオーバーのターゲットをBostonという名前のスタンバイ・データベースに設定する方法を示しています。


DGMGRL> SET FAST_START FAILOVER TARGET TO Boston;
Changing fast-start failover target to ‘Boston’…
Succeeded.

DGMGRL> SHOW FAST_START FAILOVER;

Fast-Start Failover: Enabled in Zero Data Loss Mode

	Protection Mode: MaxAvailability  
	Lag Limit: 0 seconds 

  Threshold:          180 seconds
  Ping Interval: 3000 milliseconds
  Ping Retry: 0
  Active Target:      Boston
  Potential Targets:  "Nashua, Boston"
    Nashua   valid
    Boston    valid
  Observer:            observer-node
  Lag Limit:           30 seconds (not in use)
  Shutdown Primary:    TRUE
  Auto-reinstate:      TRUE
  Observer Reconnect: (none)
  Observer Override:  FALSE

Configurable Failover Conditions
  Health Conditions:
    Corrupted Controlfile          YES
    Corrupted Dictionary           YES
    Inaccessible Logfile            NO
    Stuck Archiver                  NO
    Datafile Write Errors          YES

  Oracle Error Conditions:
(none)

例2: ファスト・スタート・フェイルオーバーのターゲットの設定でのNOWAITモードの使用

次のコマンドは、Bostonという名前のスタンバイ・データベースにファスト・スタート・フェイルオーバーのターゲットを設定します。NOWAIT句は、コマンドがファスト・スタート・フェイルオーバー・ターゲットの変更が完了するまで待機しないことを指定します。

DGMGRL> SET FAST_START FAILOVER TARGET TO Boston NOWAIT;
Fast-start failover target switch to “Boston” requested.

DGMGRL> SHOW FAST_START FAILOVER;

Fast-Start Failover: Enabled in Zero Data Loss Mode

  Protection Mode:    MaxAvailability
  Lag Limit:          0 seconds

  Threshold:          180 seconds
  Active Target:      Nashua
  Potential Targets:  "Nashua, Boston"
    Nashua   valid
    Boston    valid
  Observer:            observer-node
  Shutdown Primary:    TRUE
  Auto-reinstate:      TRUE
  Observer Reconnect: (none)
  Observer Override:  FALSE

Configurable Failover Conditions
  Health Conditions:
    Corrupted Controlfile          YES
    Corrupted Dictionary           YES
    Inaccessible Logfile            NO
    Stuck Archiver                  NO
    Datafile Write Errors          YES

  Oracle Error Conditions:
    (none)


DGMGRL> SHOW FAST_START FAILOVER;

Fast-Start Failover: Enabled in Zero Data Loss Mode

  Protection Mode:    MaxAvailability
  Lag Limit:          0 seconds

  Threshold:          180 seconds
  Active Target:      Boston
  Potential Targets:  "Nashua, Boston"
    Nashua   valid
    Boston    valid
  Observer:            observer-node
  Shutdown Primary:    TRUE
  Auto-reinstate:      TRUE
  Observer Reconnect: (none)
  Observer Override:  FALSE

Configurable Failover Conditions
  Health Conditions:
    Corrupted Controlfile          YES
    Corrupted Dictionary           YES
    Inaccessible Logfile            NO
    Stuck Archiver                  NO
    Datafile Write Errors          YES

  Oracle Error Conditions:
    (none)

SET MASTEROBSERVER TO

SET MASTEROBSERVER TOコマンドを使用すると、どのオブザーバをマスター・オブザーバとして認識するか、手動で変更できます。

SET MASTEROBSERVER TOコマンドを使用して、どのオブザーバをマスターとして使用するか、手動で指定します。

書式

SET MASTEROBSERVER TO <observer_name>

コマンド・パラメータ

observer_name
マスター・オブザーバにするオブザーバの名前。

使用上のノート

  • 指定されたオブザーバ名が存在しない場合は、エラー・メッセージが返され、マスター・オブザーバは変更されません

  • このコマンドが発行された場合、実際に切替えが発生するのは、プライマリがターゲット・スタンバイと次回通信したとき(ファスト・スタート・フェイルオーバーが有効化されている場合、通常は3秒以内)です。SHOW OBSERVERコマンドを使用して、切替えが実行されたことを確認してください。

  • 手動設定を正常に行うには、ファスト・スタート・フェイルオーバーの次回ping時に、次の条件を満たしている必要があります。

    • ターゲット・スタンバイが有効化されていて、回復の必要がないこと。

    • ロール変更、回復またはファスト・スタート・フェイルオーバー・ターゲットの切替えが進行中でないこと

コマンドの例

次に、新しいオブザーバをマスターに指定する例を示します。

DGMGRL> SET MASTEROBSERVER TO boston-obsever;
Succeeded.

SET MASTEROBSERVERHOSTS

SET MASTEROBSERVERHOSTSコマンドは、ブローカ構成のマスター・オブザーバをターゲット・ホスト上のオブザーバに設定します。

指定したグループ内の各ブローカ構成に、ターゲット・ホスト上で動作しているバックアップ・オブザーバがある場合、このブローカ構成のマスター・オブザーバをターゲット・ホスト上のオブザーバに設定します。

書式

SET MASTEROBSERVERHOSTS {FOR <configuration_group_name>} TO host_name;

コマンド・パラメータ

configuration_group_name
マスター・オブザーバをターゲット・ホストに移動するブローカ構成グループの名前。
host_name
指定したグループ内のブローカ構成のマスター・オブザーバを移動するターゲット・ホスト。

使用上のノート

  • configuration_group_nameコマンド・パラメータを指定しない場合、このコマンドでは、オブザーバ構成ファイル内で定義されているすべてのブローカ構成について、指定したホストへのマスター・オブザーバの切替えが試みられます。

  • configuration_group_nameにキーワードALLは使用できません。

  • 実際の切替えは、各ブローカ構成内でプライマリがターゲット・スタンバイと次回通信するまで実行されません(ファスト・スタート・フェイルオーバーが有効化されている場合、通常は3秒以内です)。SHOW OBSERVERSコマンドを使用して、切替えが実行されたことを確認してください。

  • 実行されるDGMGRLコマンド、および実行の詳細に関する情報は、ログ・ファイルsuperobserver.logに書き込まれます。このファイルは、$DG_ADMIN/admin/ディレクトリにあります。DG_ADMIN環境変数が定義されていない場合、このファイルは現在の作業ディレクトリに置かれます。

コマンドの例

DGMGRL> SET MASTEROBSERVERHOSTS FOR GRP_A TO dgnet0;

SET ObserverConfigFile

SET ObserverConfigFileコマンドは、オブザーバ構成ファイルのフルパスとファイル名を設定します。

オブザーバ構成ファイルには、管理対象の構成に関する情報が格納されています。コマンドSTART OBSERVINGSTOP OBSERVINGおよびSHOW OBSERVERSは、このコマンドで指定されたファイルから、ブローカ構成グループに関する情報を読み取ります。

書式

SET ObserverConfigFile = <observer_configuration_file>

コマンド・パラメータ

observer_configuration_file
オブザーバ構成ファイルのフルパス。

使用上のノート

  • ObserverConfigFileはDGMGRLのランタイム・プロパティです。ブローカ構成のメタデータには存在せず、ディスクにも保持されません。オブザーバ構成ファイルの名前がobserver.oraでないか、現在の作業ディレクトリ内に存在しない場合は、新しいDGMGRLクライアントを起動するたびに名前を指定する必要があります。

  • プロパティObserverConfigFileのデフォルト値はobserver.oraです。

  • オブザーバ構成ファイルの絶対パスを指定できます。ファイル名のみを指定した場合、デフォルトのパスはDG_ADMIN/adminディレクトリになります。DG_ADMINが定義されていない場合、デフォルトのパスは現在の作業ディレクトリになります。
  • このコマンドの発行時、指定のファイルが存在しないか、そのファイルの内容が無効である場合でも、構成ファイルの名前は変更されます。

コマンドの例

DGMGRL> SET ObserverConfigFile = /usr/oracle/observer.ora

SET TIME

DGMGRLのSET TIMEコマンドは、タイムスタンプ出力のオン/オフを切り替えます。

タイムスタンプ出力機能は、ユーザーがDGMGRLプロンプトで各コマンドを入力したときのタイムスタンプを記録します。この情報は、DGMGRLコンソールの入出力の分析に役立つ場合があります。

書式

SET TIME [ON | OFF];

使用上のノート

  • なし

コマンドの例

DGMGRL> SET TIME ON;
03/09/2023 09:28:21 DGMGRL> SHOW CONFIGURATION;

Configuration - DRSolution

  Protection Mode: MaxPerformance
  Members:
  North_Sales  - Primary database
    South_Sales - Physical standby database 

Fast-Start Failover: DISABLED

Configuration Status:
SUCCESS

03/09/2023 09:28:24 DGMGRL> SET TIME OFF;
DGMGRL>

SET TRACE_LEVEL

SET TRACE_LEVELコマンドは、DGMGRLによって取得されるトレースの量を設定します。これはクライアント側の設定であり、Oracle Database内のブローカのトレース設定には影響しません。

書式

SET TRACE_LEVEL [ SUPPORT | USER | NONE];

使用上のノート

  • トレース・レベルをUSERに設定して、格納されるトレース情報の量を制限します。これはデフォルト設定であり、ファスト・スタート・フェイルオーバー、プライマリ・データベースおよびターゲット・スタンバイ・データベースのステータス変更、エラーまたは警告メッセージに関する情報が含まれます。

  • トレース・レベルをSUPPORTに設定すると、Oracleサポート・サービスが必要とするより低レベルの情報が含まれ、トレース情報の量が増大します。

例10-8 DGMGRLおよびオブザーバのトレース・レベルの設定

次の例では、TRACE_LEVELがデフォルト設定であるUSERに設定されて、DGMGRLが起動します。SET TRACE_LEVELコマンドを使用して、DGMGRLのトレース・レベルをSUPPORTに変更します。

その後、オブザーバを起動するときにTRACE_LEVEL句を使用して、オブザーバのトレース・レベルをUSERに設定します。START OBSERVERコマンドでTRACE_LEVEL句を省略すると、オブザーバはDGMGRLと同じトレース・レベル設定(SUPPORT)を使用して起動されます。

$ dgmgrl
DGMGRL> SET TRACE_LEVEL SUPPORT;
DGMGRL> START OBSERVER TRACE_LEVEL is USER;

例10-9 DGMGRLおよびデータベースのトレース・レベルに異なる値を設定する

次の例では、DGMGRLのトレース・レベルをSUPPORTに設定します。EDIT CONFIGURATIONコマンドを使用して、Oracle Databaseのトレース・レベルをUSERに設定します。したがって、DGMGRLとデータベースは異なるトレース・レベルを使用します。

$ dgmgrl
DGMGRL> SET TRACE_LEVEL support;
DGMGRL> EDIT CONFIGURATION SET PROPERTY TraceLevel = USER;

SHOW ALL

SHOW ALLコマンドは、DGMGRL CLIのプロパティの値を表示します。

書式

SHOW ALL;

使用上のノート

  • なし

コマンドの例

DGMGRL> SHOW ALL;
echo OFF
observerconfigfile = observer.ora
time OFF
trace_level USER

SHOW ALL MEMBERS (パラメータ)

EDIT ALL MEMBERS SETコマンドでは、構成内のすべてのメンバーについて、指定した初期化パラメータの値が表示されます。

書式

SHOW ALL MEMBERS PARAMETER <parameter_name>;

コマンド・パラメータ

parameter_name

既存の初期化パラメータの名前。

コマンドの例

次の例は、構成内のすべてのメンバーに対してNetTimeoutを設定する方法を示しています。

SHOW ALL MEMBERS PARAMETER log_archive_trace;
  North_Sales : log_archive_trace = '255'
  South_Sales: log_archive_trace = '255

SHOW ALL MEMBERS (プロパティ)

SHOW ALL MEMBERS (プロパティ)コマンドでは、構成内のすべてのメンバーについて、指定されたプロパティの値が表示されます。

書式

SHOW ALL MEMBERS <property_name>;

コマンド・パラメータ

property_name

メンバー固有の既存の構成可能なプロパティの名前。

コマンドの例

SHOW ALL MEMBERS 'Nettimeout';
  North_Sales : Nettimeout = '45'
  South_Sales: Nettimeout = '45'

SHOW CONFIGURATION

SHOW CONFIGURATIONコマンドは、ブローカ構成のサマリーおよびステータスを表示します。

サマリーには、ブローカ構成に含まれるすべてのメンバーおよびブローカ構成自体に関連するその他の情報(ファスト・スタート・フェイルオーバーのステータス、すべてのスタンバイ・データベースの転送ラグおよび適用ラグを含む)がリストされます。

書式

SHOW CONFIGURATION [ LAG ] [ VERBOSE ];
SHOW CONFIGURATION <property_name>;

コマンド・パラメータ

property_name

サマリー情報を表示するプロパティの名前。

プロパティの詳細は、「Oracle Data Guard Brokerのプロパティ」を参照してください。

verbose
このコマンドパラメータは、健全性情報を表示する前に、構成の健全性評価を即時に実行するために使用されます。すべての構成プロパティとその値も表示されます。

使用上のノート

  • lagコマンド・オプションでは、ブローカ構成に関する次の情報が表示されます。
    • すべてのスタンバイ・データベースの転送ラグおよび適用ラグ
    • 遠隔同期インスタンスの転送ラグ
    • リカバリ・アプライアンスの転送ラグまたは適用ラグは表示されません
  • ファスト・スタート・フェイルオーバーに関連するプロパティを表示するには、SHOW CONFIGURATION VERBOSEコマンド(またはSHOW FAST_START FAILOVERコマンド)を使用します。

  • VERBOSEまたはproperty_nameのどちらかをオプションで指定できますが、両方指定することはできません。

  • SHOW CONFIGURATIONコマンドを使用すると、最後に健全性が評価された時点での構成およびそのメンバーのステータスが表示されます。(構成およびそのメンバーの健全性は毎秒1回評価されます。)

    VERBOSEキーワードを指定すると、健全性情報が表示される前に、構成およびそのメンバーの健全性評価が即時に実行されます。

  • PL/SQLパッケージDBMS_ROLLINGを使用したローリング・アップグレードの実行時に、SHOW CONFIGURATIONコマンドは、アップグレード・ターゲットのロールとしてTransient logical standby database、構成ステータスとしてROLLING DATABASE MAINTENANCE IN PROGRESSを示します。例3を参照してください。

  • ファスト・スタート・フェイルオーバーが有効化されている場合、現在のファスト・スタート・フェイルオーバー・ターゲットはアスタリスク(*)で強調表示されます

コマンドの例

例1: DRSolution構成のサマリーの表示

次の例では、ファスト・スタート・フェイルオーバーが無効化されているDRSolution構成のサマリーを表示しています。出力に、ブローカ構成内のFSという名前の遠隔同期インスタンスが示されています。North_SalesデータベースはFSに、FSSouth_Salesにデータを送信しています。

DGMGRL> SHOW CONFIGURATION;
 
Configuration - DRSolution
 
  Protection Mode: MaxAvailability
  Members:
  North_Sales  - Primary database
    FS- Far sync instance
      South_Sales- Physical standby database
 
Fast-Start Failover: DISABLED
 
Configuration Status:
SUCCESS   (status updated 20 seconds ago)

例2: DRSolution構成の詳細な説明の表示

次の例では、DRSolution構成の詳細な情報を、構成プロパティ、ファスト・スタート・フェイルオーバー関連の情報を含めて表示しています。

    DGMGRL> SHOW CONFIGURATION VERBOSE;
 
    Configuration - DRSolution
 
      Protection Mode: MaxAvailability
      Members:
 
      North_Sales  - Primary database
        FS- Far sync instance
          South_Sales- (*) Physical standby database
 
      (*) Fast-Start Failover target
 
      Properties:
        FastStartFailoverThreshold      = '30'
        OperationTimeout                = '30'
        TraceLevel                      = 'USER'
        FastStartFailoverLagLimit       = '30'
        CommunicationTimeout            = '180'
        ObserverReconnect               = '0'
        FastStartFailoverAutoReinstate  = 'TRUE'
        FastStartFailoverPmyShutdown    = 'TRUE'
        BystandersFollowRoleChange      = 'ALL'
        ObserverOverride                = 'FALSE'
        ExternalDestination1            = ''
        ExternalDestination2            = ''
        PrimaryLostWriteAction          = 'CONTINUE'
        ConfigurationWideServiceName = 'North_Sales_CFG'
 
    Fast-Start Failover: Enabled in Zero Data Loss Mode
 
      Lag Limit:          0 seconds
      Threshold:          30 seconds
      Active Target:      South_Sales
      Potential Targets:  “South_Sales”
          South_Sales     valid
      Observer:           observer.example.com
      Shutdown Primary:   TRUE
      Auto-reinstate:     TRUE
      Observer Reconnect: (none)
      Observer Override:  FALSE
 
    Configuration Status:
    WARNING

例3: DBMS_ROLLINGパッケージを使用したローリング・アップグレード実行時の出力例

Configuration - DRSolution

  Protection Mode: MaxPerformance
  Members:

  North_Sales  - Primary database
    South_Sales - Transient logical standby database

Fast-Start Failover: DISABLED

Configuration Status:
    ROLLING DATABASE MAINTENANCE IN PROGRESS

例4: 転送ラグおよび適用ラグの詳細情報の表示

DGMGRL>  SHOW CONFIGURATION LAG VERBOSE ;

Configuration - The SUPER cluster

  Protection Mode: MaxPerformance
  Members:
    dgb6  - Primary database
    dgb6c - Physical standby database 
            Transport Lag:      0 seconds (computed 1 second ago)
            Apply Lag:          0 seconds (computed 1 second ago)
    dgb6e - Far sync instance 
            Transport Lag:      0 seconds (computed 1 second ago)
    dgb6b - Snapshot standby database 
            Transport Lag:      48 seconds (computed 2 seconds ago)
            Apply Lag:          53 seconds (computed 1 second ago)
    dgb6d - Logical standby database 
            Transport Lag:      0 seconds (computed 1 second ago)
            Apply Lag:          0 seconds (computed 1 second ago)

  Properties:
    FastStartFailoverThreshold      = '180'
    OperationTimeout                = '30'
    TraceLevel                      = 'USER'
    FastStartFailoverLagLimit       = '300'
    CommunicationTimeout            = '180'
    ObserverReconnect               = '0'
    FastStartFailoverAutoReinstate  = 'TRUE'
    FastStartFailoverPmyShutdown    = 'TRUE'
    BystandersFollowRoleChange      = 'ALL'
    ObserverOverride                = 'FALSE'
    ExternalDestination1            = ''
    ExternalDestination2            = ''
    PrimaryLostWriteAction          = 'CONTINUE'
    ConfigurationWideServiceName    = 'b6_CFG'

Fast-Start Failover: DISABLED

SHOW CONFIGURATION WHEN PRIMARY IS

SHOW CONFIGURATION WHEN PRIMARY ISコマンドは、指定したデータベースがプライマリ・データベースであった場合に有効になるREDO転送構成を表示します。

すべてのメンバーが表示されますが、SHOW CONFIGURATIONとは異なり、ステータス情報やその他の構成情報は表示されません。

書式

SHOW CONFIGURATION WHEN PRIMARY IS <db_unique_name>;

コマンド・パラメータ

db_unique_name

データベースのDB_UNIQUE_NAME初期化パラメータ値(このデータベースがプライマリ・データベースであった場合にREDO転送構成がどうなるかを表示します)。

使用上のノート

  • SHOW CONFIGURATION WHEN PRIMARY ISコマンドを使用すると、指定したデータベースがプライマリ・データベースであった場合に有効になるREDO転送構成が表示されます。この情報を使用して、ロール変更の後に不適切になるREDO転送構成があれば事前に特定できます。

コマンドの例

次の例に、South_Salesデータベースに対するロール変更の前後のDRSolution構成のサマリーを示します。

DGMGRL> SHOW CONFIGURATION;
 
Configuration - DRSolution
 
  Protection Mode: MaxAvailability
  Members:
  North_Sales - Primary database
    North_FS    - Far Sync 
      South_Sales - Physical standby database 
 
  Members Not Receiving Redo:
  South_FS - Far Sync 
 
Fast-Start Failover: DISABLED
 
Configuration Status:
SUCCESS
 
DGMGRL> SHOW CONFIGURATION WHEN PRIMARY IS 'South_Sales';
 
Configuration when South_Sales is primary - DRSolution
 
  Members:
  South_Sales  - Primary database
    South_FS     - Far Sync 
      North_Sales  - Physical standby database 
 
  Members Not Receiving Redo:
  North_FS - Far Sync

これらの表示は、各メンバーに対して次のように設定されているRedoRoutesプロパティに基づいています。

DGMGRL> SHOW DATABASE 'North_Sales' RedoRoutes;
  RedoRoutes = '(LOCAL : North_FS)'
 
DGMGRL> SHOW FAR_SYNC 'North_FS' RedoRoutes;
  RedoRoutes = '(North_Sales : South_Sales)'
 
DGMGRL> SHOW DATABASE 'South_Sales' RedoRoutes;
  RedoRoutes = '(LOCAL : South_FS)'
 
DGMGRL> SHOW FAR_SYNC 'South_FS' RedoRoutes;
  RedoRoutes = '(South_Sales : North_Sales)'

SHOW CONNECTION

現在のデータベース接続を表示します。

SHOW CONNECTIONコマンドでは、現在のデータベース接続に関する詳細が表示されます。

書式

SHOW CONNECTION;

コマンドの例

例1:

DGMGRL> show connection;

Oracle SID is sales1.

Connected as SYSDBA to instance sales1 of North_Sales.

例2: 実行されていないインスタンスへの接続:

    DGMGRL> show connection;

Connected as SYSDBA to an idle instance.

SHOW DATABASE

SHOW DATABASEコマンドは、指定したデータベースとそのインスタンスに関する情報、プロパティ値または初期化パラメータ値を表示します。

書式

SHOW DATABASE [VERBOSE] <db_unique_name> [<property_name>];

  SHOW DATABASE <db_unique_name> PARAMETER <parameter_name>;

SHOW DATABASE <db_unique_name>VERSION

コマンド・パラメータ

db_unique_name

情報を表示するデータベースのDB_UNIQUE_NAME初期化パラメータ値。VERBOSEキーワードを使用する場合は、db_unique_nameの前に指定する必要があります。そうしないとエラーが戻ります。

property_name

値を表示するプロパティの名前。プロパティ名を指定すると、VERBOSEキーワードを指定したかどうかにかかわらず、出力には指定したプロパティのみ(データベースのすべてのプロパティではなく)が表示されます。

関連項目:

プロパティの詳細は、「ブローカ構成のメンバーの管理」および「Oracle Data Guard Brokerのプロパティ」を参照。

parameter_name

値を表示するデータベース初期化パラメータの名前。パラメータ名を指定すると、VERBOSEキーワードを指定したかどうかにかかわらず、出力には指定したパラメータのみ(すべてのパラメータではなく)が表示されます。

使用上のノート

  • PARAMETERコマンド・パラメータを使用する場合は、オペレーティング・システム認証以外の方法を使用して、プロパティが設定されるデータベースに接続する必要があります。
  • SHOW DATABASEコマンドを使用すると、データベースの簡潔なサマリーが表示されます。 SHOW DATABASE VERBOSEコマンドを使用すると、簡潔なサマリーに加えてデータベースのプロパティが表示されます。データベースのステータスは、どちらのコマンドでも表示されます。

  • SHOW DATABASE VERBOSEコマンドは、Oracleアラート・ログ・ファイルとブローカ・ログ・ファイルの場所を表示します。ブローカ・ログ・ファイルは、アラート・ログと同じディレクトリに作成され、drc<$ORACLE_SID>.logという名前が付けられます。

  • SHOW DATABASE VERBOSEコマンドを使用すると、データベース固有のプロパティとインスタンス固有のプロパティが表示されます。非Oracle RACデータベースの場合、インスタンス固有のプロパティの値は、データベースの唯一のインスタンスの値です。Oracle RACデータベースの場合、プロパティ名は表示されますが、インスタンス固有のプロパティの値は表示されません。これらのプロパティについてインスタンス固有の値を表示するには、SHOW INSTANCEコマンドを使用します。

  • SHOW DATABASE VERBOSEコマンドで表示されるプロパティは、データベース・ロールと構成の内容によって異なります。

    • プライマリ・データベースの場合は、構成に少なくとも1つのフィジカルまたはスナップショット・スタンバイ・データベースが含まれている場合にのみ、フィジカルまたはスナップショット・スタンバイ・データベース固有のプロパティが表示されます。ロジカル・スタンバイ・データベース固有のプロパティは、構成に少なくとも1つロジカル・スタンバイ・データベースが含まれている場合にのみ表示されます。

    • フィジカルおよびスナップショット・スタンバイ・データベースの場合、ロジカル・スタンバイ・データベース固有のプロパティは表示されません。

    • ロジカル・スタンバイ・データベースの場合、フィジカルおよびスナップショット・スタンバイ・データベース固有のプロパティは表示されません。

  • VERBOSEオプションは、PARAMETERコマンドオプションとともに指定できません。
  • Oracle RACデータベースでのインスタンス固有のプロパティを表示するためにSHOW DATABASE database_name property_nameコマンドを使用すると、このコマンドは拒否されます。

  • SHOW DATABASE VERSIONコマンドは、データベースのバージョン情報を表示します。インスタンス番号、ホスト名、インスタンス名およびバージョンの値は、指定されたデータベースのGV$INSTANCEビューから読み取られ、表示されます。

  • PL/SQLパッケージDBMS_ROLLINGを使用したローリング・アップグレードの実行時に、SHOW DATABASEコマンドは、アップグレード・ターゲットおよび後続または先行スタンバイに対して、現在のローリング・アップグレードの進行に応じてWARNINGを該当するORAエラーとともに示します。例3を参照してください。

コマンドの例

例1: 簡略形式でのデータベース情報の表示

この例では、データベース情報を簡略形式で表示します。

DGMGRL> SHOW DATABASE South_Sales;
 
Database - South_Sales
   
  Role:            PHYSICAL STANDBY
  Intended State:  APPLY-ON
  Transport Lag:   (unknown)
  Apply Lag:       0 seconds (computed 0 seconds ago)
  Apply Rate:      1.73 MByte/s
  Real Time Query: OFF
  Instance(s):
    south_sales1
 
Database Status:
SUCCESS

例2: 拡張形式でのデータベース情報の表示

この例では、データベース情報を拡張形式で表示します。

DGMGRL> SHOW DATABASE VERBOSE 'North_Sales';

Database - North_Sales

  Role:               PRIMARY
  Intended State:     TRANSPORT-ON
  Instance(s):
    North_Sales1

  Properties:
    DGConnectIdentifier             = 'North_Sales.example.com'
    ObserverConnectIdentifier       = ''
    FastStartFailoverTarget         = ''
    PreferredObserverHosts          = ''
    LogShipping                     = 'ON'
    RedoRoutes                      = ''
    LogXptMode                      = 'ASYNC'
    DelayMins                       = '0'
    Binding                         = 'optional'
    MaxFailure                      = '0'
    ReopenSecs                      = '300'
    NetTimeout                      = '30'
    RedoCompression                 = 'DISABLE'
    PreferredApplyInstance          = ''
    ApplyInstanceTimeout            = '0'
    ApplyLagThreshold               = '0'
    TransportLagThreshold           = '0'
    TransportDisconnectedThreshold  = '0'
    ApplyParallel                   = 'AUTO'
    ApplyInstances                  = '0'
    ArchiveLocation                 = ''
    AlternateLocation               = ''
    StandbyArchiveLocation          = 'USE_DB_RECOVERY_FILE_DEST'
    StandbyAlternateLocation        = ''
    InconsistentProperties          = '(monitor)'
    InconsistentLogXptProps         = '(monitor)'
    LogXptStatus                    = '(monitor)'
    SendQEntries                    = '(monitor)'
    RecvQEntries                    = '(monitor)'
    HostName                        = ’North_Sales.example.com'
    StaticConnectIdentifier         = '(DESCRIPTION=(ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)
(HOST=North_Sales.example.com)(PORT=2840))
(CONNECT_DATA=(SERVICE_NAME=North_Sales_DGMGRL.example.com)
(INSTANCE_NAME=north_sales1)(SERVER=DEDICATED)))'
    TopWaitEvents                   = '(monitor)'
    SidName                         = '(monitor)’

  Log file locations:
    Alert log               : /dev/oracle/log/diag/rdbms/North_Sales/north_sales1/trace/alert_north_sales1.log
    Data Guard Broker log   : /dev/oracle/log/diag/rdbms/North_Sales/north_sales1/trace/drcnorth_sales1.log

Database Status:
SUCCESS

例3: DBMS_ROLLINGパッケージを使用したローリング・アップグレード実行時のターゲット・データベースの出力例

DGMGRL> SHOW DATABASE South_Sales;

Database - South_Sales

  Role: Physical standby database
  Intended State: APPLY-ON
  Transport Lag: 0 seconds (computed 1 second ago)
  Apply Lag: 0 seconds (computed 1 second ago)
  Average Apply Rate: 6.00 KByte/s
  Real Time Query: OFF
  Instance(s):
    South

  Database Warning(s):
    ORA-16866: database converted to transient logical standby database for rolling database maintenance

Database Status:
WARNING

例4: DBMS_ROLLINGパッケージを使用したローリング・アップグレード実行時の先行スタンバイの出力例

DGMGRL> SHOW DATABASE South_Sales;

Database - South_Sales

  Role: Physical standby database
  Intended State: APPLY-ON
  Transport Lag: 0 seconds (computed 0 seconds ago)
  Apply Lag: 0 seconds (computed 0 seconds ago)
  Average Apply Rate: 510.00 KByte/s
  Real Time Query: OFF
  Instance(s):
    South

  Database Warning(s):
    ORA-16881: standby database is not protecting the current primary database during rolling database maintenance

Database Status:
WARNING

例5: log_archive_trace初期化パラメータの値を表示するサンプル出力

DGMGRL> SHOW DATABASE South_Sales 
PARAMETER log_archive_trace;
log_archive_trace = '127'

SHOW FAR_SYNC

SHOW FAR_SYNCコマンドは、遠隔同期インスタンスに関する情報を表示します。

書式

SHOW FAR_SYNC [VERBOSE] <db_unique_name> [<property_name>];

  SHOW FAR_SYNC <db_unique_name> PARAMETER <parameter_name>;

コマンド・パラメータ

db_unique_name

情報を表示する遠隔同期インスタンスのDB_UNIQUE_NAME初期化パラメータ値。VERBOSEキーワードを使用する場合は、db_unique_nameの前に指定する必要があります。そうしないとエラーが戻ります。

property_name

値を表示するプロパティの名前。プロパティ名を指定すると、VERBOSEキーワードを指定したかどうかにかかわらず、出力には(遠隔同期のすべてのプロパティではなく)指定したプロパティのみが表示されます。

関連項目:

プロパティの詳細は、「ブローカ構成のメンバーの管理」および「Oracle Data Guard Brokerのプロパティ」を参照。

parameter_name

値を表示するデータベース初期化パラメータの名前。初期化パラメータ名が指定されている場合、VERBOSEキーワードが指定されているかどうかに関係なく、出力には(遠隔同期のすべての初期化パラメータではなく)指定した初期化パラメータのみが表示されます。

使用上のノート:

  • VERBOSEオプションは、PARAMETERコマンドオプションとともに指定できません。

コマンドの例

例1: SHOW FAR_SYNCの出力例(VERBOSEの指定なし)

次の例は、このコマンドからのサンプル出力を示しています。

DGMGRL> SHOW FAR_SYNC FS;
 
Far Sync - FS
 
Transport Lag: 0 seconds (computed 1 second ago)
Instance(s):
  fs1
 
Far Sync Status:
SUCCESS

例2: SHOW FAR SYNCの出力例(VERBOSEの指定あり)

次の例は、VERBOSEオプションが使用された場合の、このコマンドからのサンプル出力を示しています。

DGMGRL> SHOW FAR_SYNC VERBOSE FS;
 
Far Sync - FS
 
Transport Lag: 0 seconds (computed 0 seconds ago)
Instance(s):
  b02
 
Properties:
  DGConnectIdentifier            = 'fs.example.com'
  LogXptMode                     = 'sync'
  RedoRoutes                     = '(North_Sales : South_Sales)
(South_Sales : North_Sales)'
  Binding                        = 'optional'
  MaxFailure                     = '0'
  ReopenSecs                     = '300'
  NetTimeout                     = '30'
  RedoCompression                = 'DISABLE'
  LogShipping                    = 'ON'
  TransportLagThreshold          = '0'
  TransportDisconnectedThreshold = '0'
  InconsistentProperties         = '(monitor)'
  InconsistentLogXptProps        = '(monitor)'
  LogXptStatus                   = '(monitor)'
  HostName                       = 'fs.example.com'
  StandbyArchiveLocation         = 'USE_DB_RECOVERY_FILE_DEST'
  StandbyAlternateLocation       = ''
  TopWaitEvents                  = '(monitor)'
  SidName =                      = '(monitor)'

Far Sync Status:
SUCCESS

SHOW FAST_START FAILOVER

SHOW FAST_START FAILOVERコマンドは、すべてのファスト・スタート・フェイルオーバー関連情報を表示します。

複数の登録済オブザーバが動作している場合、このコマンドの出力にはすべての登録済オブザーバが表示され、マスター・オブザーバがアスタリスクで示されます。オブザーバのホスト名以外の情報も表示するには、SHOW OBSERVERコマンドを使用します。

書式

SHOW FAST_START FAILOVER;

コマンド・パラメータ

なし。

使用上のノート

  • SHOW FAST_START FAILOVERコマンドは、ファスト・スタート・フェイルオーバー構成のサマリーを表示します。

  • ファスト・スタート・フェイルオーバーの現行ターゲットとターゲット候補が表示されます。プライマリ・データベースのFastStartFailoverTargetプロパティがANYに設定されている場合、ターゲット候補には、有効な保護モードに対して適切に構成されているスタンバイ・データベースが含まれます。

コマンドの例

例1: この例は、動作中の登録済オブザーバが1つのみで、ターゲット候補が複数ある場合の出力を示しています。

DGMGRL> show fast_start failover;

Fast-Start Failover: Enabled in Zero Data Loss Mode

  Protection Mode: MaxAvailability
  Lag Limit: 0 seconds

  Threshold: 30 seconds
  Ping Interval: 3000 milliseconds
  Ping Retry: 0
  Active Target: db02
  Potential Targets: "db02"
    db02 valid
  Observers: nshga2713
                      nshga2714
  Shutdown Primary: TRUE
  Auto-reinstate: TRUE
  Observer Reconnect: (none)
  Observer Override: FALSE

Configurable Failover Conditions
  Health Conditions:
    Corrupted Controlfile YES
    Corrupted Dictionary YES
    Inaccessible Logfile NO
    Stuck Archiver NO
    Datafile Write Errors YES

  Oracle Error Conditions:
    (none)

例2: この例は、動作中の登録済オブザーバが複数ある場合の出力を示しています。アスタリスク記号(*)は、どのオブザーバがマスターであるかを示します。

DGMGRL> SHOW FAST_START FAILOVER;

Fast-Start Failover: Enabled in Zero Data Loss Mode

	Protection Mode: MaxAvailability
	Lag Limit: 0 seconds

	Threshold: 180 seconds  
       Ping Interval: 3000 milliseconds
       Ping Retry: 0
	Active Target: South_Sales
	Potential Targets: "East_Sales, West_Sales"
		East_Sales valid
		West_Sales valid
	Observer: observer.example.com
	Shutdown Primary: TRUE
	Auto-reinstate: TRUE
	Observer Reconnect: (none)
	Observer Override: FALSE

Configurable Failover Conditions
   Health Conditions:
	Corrupted Controlfile YES
	Corrupted Dictionary YES
	Inaccessible Logfile NO
	Stuck Archiver NO
	Datafile Write Errors YES

Oracle Error Conditions:
    (none)

SHOW INSTANCE

SHOW INSTANCEコマンドは、指定したインスタンスの情報またはプロパティ値を表示します。

書式

SHOW INSTANCE [VERBOSE] <instance_name> [<property_name>] [ON {DATABASE | FAR_SYNC <db_unique_name>} ];

コマンド・パラメータ

instance_name

情報を表示するインスタンスの名前。VERBOSEキーワードを使用する場合は、インスタンス名の前に指定する必要があります。

property_name

値を表示するプロパティの名前。プロパティ名を指定すると、VERBOSEキーワードを指定したかどうかにかかわらず、出力には指定したプロパティのみ(すべてのプロパティではなく)が表示されます。

関連項目:

プロパティの詳細は、「ブローカ構成のメンバーの管理」および「Oracle Data Guard Brokerのプロパティ」を参照。

database_name | far_sync_name

情報を表示するインスタンスに関連付けられているデータベースまたは遠隔同期の名前。

使用上のノート

  • SHOW INSTANCEコマンドを使用すると、インスタンスの簡潔なサマリーが表示されます。 SHOW INSTANCE VERBOSEコマンドを使用すると、簡潔なサマリーに加えてインスタンスのプロパティが表示されます。インスタンスのステータスは、どちらのコマンドでも表示されます。

  • SHOW INSTANCE VERBOSEコマンドは、Oracleアラート・ログ・ファイルとブローカ・ログ・ファイルの場所を表示します。ブローカ・ログ・ファイルは、アラート・ログと同じディレクトリに作成され、drc<$ORACLE_SID>.logという名前が付けられます。
  • SHOW INSTANCE VERBOSEコマンドでは、インスタンス固有のプロパティのみが表示されます。

  • SHOW INSTANCE VERBOSEコマンドで表示されるプロパティは、データベース・ロールと構成の内容によって異なります。

    • プライマリ・データベースのインスタンスの場合は、構成に少なくとも1つのフィジカルまたはスナップショット・スタンバイ・データベースが含まれている場合にのみ、フィジカルまたはスナップショット・スタンバイ・インスタンス固有のプロパティが表示されます。ロジカル・スタンバイ・インスタンス固有のプロパティは、構成に少なくとも1つロジカル・スタンバイ・データベースが含まれている場合にのみ表示されます。

    • フィジカルまたはスナップショット・スタンバイ・データベースのインスタンスの場合、ロジカル・スタンバイ・インスタンス固有のプロパティは表示されません。

    • ロジカル・スタンバイ・データベースのインスタンスの場合、フィジカルおよびスナップショット・スタンバイ・インスタンス固有のプロパティは表示されません。

  • instance_nameには、構成全体で一意の名前を指定できます。instance_nameが一意でない場合は、database_nameinstance_nameの両方を指定してインスタンスを完全に特定する必要があります。

コマンドの例

例1: 簡略形式でのインスタンス情報の表示

次の例では、データベースの特定のインスタンスに関する情報を表示します。

DGMGRL> SHOW INSTANCE 'north_sales1';
 
Instance 'north_sales1' of database 'North_Sales'
 
Instance Status:
SUCCESS

例2: 拡張形式でのインスタンス情報の表示

次の例では、インスタンス情報を拡張形式で表示します。

DGMGRL> SHOW INSTANCE VERBOSE 'north_sales1';
 
Instance 'north_sales1' of database 'North_Sales'

  PFILE:     
  Properties:
    HostName                        = 'north.example.com'
    StaticConnectIdentifier         = '(DESCRIPTION=(ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)
(HOST=north.example.com)(PORT=2094))
(CONNECT_DATA=(SERVICE_NAME=North_Sales_DGMGRL.example.com)
(INSTANCE_NAME=north_sales1)(SERVER=DEDICATED)))'
    TopWaitEvents                   = '(monitor)'
    SidName                         = '(monitor)'

  Log file locations:
    Alert log               : /db/oracle/log/diag/rdbms/North_Sales/north_sales1/trace/alert_north_sales1.log
    Data Guard Broker log   : /db/oracle/log/diag/rdbms/North_Sales/north_sales1/trace/drcnorth_sales1.log

Instance Status:
SUCCESS

SHOW OBSERVER

SHOW OBSERVERコマンドは、Data Guard Broker構成内のすべての登録済オブザーバに関する情報を表示します。

SHOW OBSERVERコマンドは、オブザーバ名、オブザーバが動作中のホスト名、オブザーバがマスター・オブザーバかどうか、およびオブザーバが最後にプライマリとスタンバイにping送信した時間を表示します。この情報は、この1つの構成内にあるすべてのオブザーバ(最大3つ)について表示されます。

FORMAT

SHOW OBSERVER;

コマンド・パラメータ

なし

使用上のノート

  • このコマンドを実行するには、このコマンドを発行するDGMGRLセッションが1つの構成に接続されている必要があります。

コマンドの例

次の例のSHOW OBSERVERコマンドは、DRSolutionブローカ構成内のすべての登録済オブザーバに関する情報を表示します。

DGMGRL> SHOW OBSERVER;

Configuration - DRSolution

Primary:               North_Sales
Active Target Standby: South_Sales

Observer "ob2" - Master

   Host Name:              observer2.example.com
   Last Ping to Primary:   1 second ago
   Last Ping to Target:    2 seconds ago

Observer "ob1" - Backup

   Host Name:              observer1.example.com
   Last Ping to Primary:   1 second ago
   Last Ping to Target:    3 seconds ago

Observer "ob3" - Backup

   Host Name:              observer3.example.com
   Last Ping to Primary:   4 seconds ago
   Last Ping to Target:    5 seconds ago

SHOW ObserverConfigFile

SHOW ObserverConfigFileコマンドは、ObserverConfigFileプロパティの値を表示します。

書式

SHOW ObserverConfigFile;

コマンド・パラメータ

なし。

使用上のノート

  • ObserverConfigFileプロパティの値が空文字列の場合、current_working_directory/observer.oraと出力されます。

  • SHOW ObserverConfigFileコマンドは、ObserverConfigFileプロパティで指定されているファイルの解析を試みます。ファイルが存在しない、または解析に失敗した場合、ファイルは使用できませんというメッセージが戻ります。

コマンドの例

DGMGRL> SHOW ObserverConfigFile;
ObserverConfigFile=/usr/oracle/observer 
observer configuration file parsing succeeded

SHOW OBSERVERS

SHOW OBSERVERSコマンドは、特定の構成グループのすべてのブローカ構成の、すべてのオブザーバに関する情報を表示します。

SHOW OBSERVERSコマンドは、オブザーバ名、オブザーバが動作中のホスト名、オブザーバがマスター・オブザーバかどうか、およびオブザーバが最後にプライマリとスタンバイにping送信した時間を表示します。

書式

SHOW OBSERVERS [FOR <configuration_group_name> ];

コマンド・パラメータ

configuration_group_name
動作中のすべてのオブザーバに関する情報を表示する有効なブローカ構成グループ・ファイルの名前。このパラメータを指定すると、指定したグループのすべての構成のオブザーバに関する情報が表示されます。このコマンドによって表示される情報は、個別の構成に対してSHOW OBSERVERコマンドを実行した場合に表示される情報と同じです。

グループ名が指定されていない場合、SHOW OBSERVERSだけでもコマンドは有効です。その場合は、オブザーバ構成ファイルに定義されているすべてのブローカ構成グループのオブザーバ情報が表示されます。

構成グループ名にALLは使用できません。

使用上のノート

  • このコマンドを使用して、新しいマスター・オブザーバへの手動による切替えが正常に実行されたことを確認できます。

コマンドの例

DGMGRL> SHOW OBSERVERS; 
ObserverConfigFile=observer.ora
observer configuration file parsing succeeded
Submit command SHOW OBSERVER using the connect identifier 'North_Sales'.
Connected to "North_Sales"

Configuration - DrSolution1

  Primary:            North_Sales
  Target:             South_Sales

Observer DRSolution1_Observer - Master

  Host Name:                    observer1.example.com
  Last Ping to Primary:         3 seconds ago
  Last Ping to Target:          3 seconds ago

Submit command SHOW OBSERVER using the connect identifier 'East_Sales'.
Connected to "East_Sales"

Configuration - DRSolution2

  Primary:            East_Sales
  Target:             West_Sales

Observer DRSolution2_Observer - Master

  Host Name:                    observer2.example.com
  Last Ping to Primary:         3 seconds ago
  Last Ping to Target:          3 seconds ago

SHOW PLUGGABLE DATABASE

このコマンドは、指定されたプラガブル・データベース(PDB)の情報またはプロパティ値を表示します。

書式

SHOW PLUGGABLE DATABASE <pdb_name> AT <target_db_unique_name> [ALL];

コマンド・パラメータ

pdb_name
詳細を表示する必要があるPDBの名前。
target_db_unique_name
pdb_nameで指定されたPDBを含むデータベースの名前。database_nameで指定したデータベースにあるすべてのソースPDBおよびターゲットPDBについて情報を表示するには、ALLキーワードを含めます

例10-10 PDBの詳細の表示

この例では、PDB salesの詳細を省略された形式で示します。

DGMGRL> SHOW PLUGGABLE DATABASE 'sales' AT boston;
Pluggable database 'sales' at database 'boston'
  Data Guard Role: Physical Standby
  Con_ID: 7
  Source: con_id 6 at newyork
  Transport Lag: +00 00:00:00 seconds
  Intended State: APPLY-ON
  Apply State: Running
  Apply Instance: boston
  Average Apply Rate: 16 KByte/s
  Real Time Query: OFF

SHOW RECOVERY_APPLIANCE

SHOW RECOVERY_APPLIANCEコマンドは、指定したZero Data Loss Recovery Appliance (リカバリ・アプライアンス)の情報、プロパティ値または初期化パラメータ値を表示します。

書式

SHOW RECOVERY_APPLIANCE  [VERBOSE] <db_unique_name> [<property_name>;

コマンド・パラメータ

db_unique_name

情報を表示するリカバリ・アプライアンスの名前。VERBOSEキーワードを使用する場合は、リカバリ・アプライアンス名の前に指定する必要があります。そうしないとエラーが戻ります。

property_name

値を表示するプロパティの名前。プロパティ名を指定すると、VERBOSEキーワードを指定したかどうかにかかわらず、出力には(リカバリ・アプライアンスのすべてのプロパティではなく)指定したプロパティのみが表示されます。

使用上のノート

  • SHOW RECOVERY_APPLIANCEコマンドを使用すると、リカバリ・アプライアンスの簡潔なサマリーが表示されます。SHOW RECOVERY_APPLIANCE VERBOSEコマンドは、簡潔なサマリーに加え、リカバリ・アプライアンスのプロパティを表示します。データベースのステータスは、どちらのコマンドでも表示されます。

  • SHOW RECOVERY_APPLIANCE VERBOSEコマンドは、リカバリ・アプライアンス固有のプロパティを表示します。

コマンドの例

例1: 簡略形式でのリカバリ・アプライアンス情報

次の例では、リカバリ・アプライアンス情報を簡略形式で表示します。

DGMGRL> SHOW RECOVERY_APPLIANCE 'EnterpriseRecoveryAppliance';
 Oracle Recovery Appliance - EnterpriseRecoveryAppliance
   Transport Lag:   0 seconds
  Redo Source:     South_Sales

Oracle Backup Appliance Status:
SUCCESS

例2: 拡張形式でのリカバリ・アプライアンス情報

次の例では、VERBOSEパラメータを使用して、リカバリ・アプライアンス情報を拡張形式で表示します。

DGMGRL> show member verbose 'EnterpriseRecoveryAppliance';

Recovery Appliance - EnterpriseRecoveryAppliance

  Properties:
    Binding = 'OPTIONAL'
    DGConnectIdentifier = 'RA.example.com'
    LogShipping = 'ON'
    LogXptMode = 'ASYNC'
    MaxFailure = '0'
    NetTimeout = '30'
    RedoCompression = 'DISABLE'
    ReopenSecs = '300'

Recovery Appliance Status:
ENABLED

SHUTDOWN

現在実行中のOracleインスタンスを停止します。

書式

SHUTDOWN [ ABORT | IMMEDIATE | NORMAL ];

コマンド・パラメータ

なし。

使用上のノート

  • 引数を指定せずにSHUTDOWNコマンドを使用すると、SHUTDOWN NORMALコマンドを使用した場合と同じ結果になります。

  • SHUTDOWNコマンドのオプションを次に示します。

    • ABORT

      コールの完了やデータベースからのユーザーの切断を待たずに、データベースを可能なかぎり高速でシャットダウンします。コミットされていないトランザクションはロールバックされません。処理中のクライアントのSQL文は終了します。データベースに接続されているユーザー全員が暗黙的に切断され、次回のデータベース起動時にはインスタンスのリカバリが必要になります。バックグラウンド・プロセスが異常終了した場合は、このオプションを使用する必要があります。

      注意:

      ファスト・スタート・フェイルオーバーが有効化され、オブザーバが実行されている場合に、プライマリ・データベースにABORTオプションを使用すると、ファスト・スタート・フェイルオーバーが実行される場合があります。意図しないファスト・スタート・フェイルオーバーの実行を防ぐには、IMMEDIATEまたはNORMALオプションを使用します。

    • IMMEDIATE

      現在のコールが完了したり、ユーザーがデータベースから切断するまで待機しません。それ以降の接続は禁止されます。データベースはクローズされ、ディスマウントされます。インスタンスはシャットダウンされ、次回のデータベース起動時にインスタンスのリカバリは不要です。

    • NORMAL

      このオプションがデフォルトです。プロセスは、ユーザーがデータベースから切断するまで待機します。それ以降の接続は禁止されます。データベースはクローズされ、ディスマウントされます。インスタンスはシャットダウンされ、次回のデータベース起動時にインスタンスのリカバリは不要です。

コマンドの例

次のコマンドにより、プライマリ・データベースをNORMALモードでシャットダウンします。

DGMGRL> SHUTDOWN;

Database closed. 
Database dismounted. 
Oracle instance shut down.

SPOOL

SPOOLコマンドは、DGMGRLの入出力をファイルに記録します。

書式

SPOOLコマンドには、3通りの使用可能な書式があります。

SPOOL;

SPOOL spool_file_name [CREATE | REPLACE | APPEND];

SPOOL OFF;

DGMGRLコマンド・プロンプトでSPOOLとだけ入力すると、現在のスプール・ファイル名が表示されます。

それ以外の場合に、使用可能なスプール・オプションは次のよう定義されています。

  • CREATE - 新しいログ・ファイルを作成します。指定した名前のスプール・ファイルがすでに存在する場合、SPOOLコマンドは失敗します。

  • REPLACE - 指定した名前の既存のスプール・ファイルを置換します。これは、オプションを指定しない場合のデフォルト動作です。

  • APPEND - 指定したログ・ファイルが存在する場合は、そのファイルに新しいログを追加します。それ以外の場合は、新規作成します。

  • OFF - スプールをオフにします。

コマンド・パラメータ

spool_file_name
DGMGRLの入出力の書込み先ファイルの名前。

使用上のノート

  • なし

コマンドの例

次に、スプールを開始する前と開始した後のSPOOLコマンドの出力例を示します。

DGMGRL> SPOOL;
not spooling currently

DGMGRL> SPOOL mysession;

DGMGRL> SPOOL;
currently spooling to "mysession"

DGMGRL>

SQL

SQLコマンドは、SQL文またはPL/SQLストアド・プロシージャを実行します。

書式

SQL "<sql_statmement>"

コマンド・パラメータ

sql_statement

実行するSQL文またはPL/SQLプロシージャ。

使用上のノート

  • SQL文またはPL/SQLストアド・プロシージャは、DGMGRLの接続先のデータベース・インスタンスで実行されます。また、二重引用符で囲む必要があります。

  • Pure SQL文はセミコロン(;)なしで入力する必要があります。また、SELECT文の実行はサポートされていません。

  • このコマンドにファイル名が含まれている場合は、そのファイル名を一重引用符で囲み、コマンド文字列全体を二重引用符で囲む必要があります。たとえば、次の構文を使用します。

    SQL "CREATE TABLESPACE temp1 DATAFILE '?/oradata/trgt/temp1.dbf' SIZE 10M TEMPORARY"
    
  • PL/SQLストアド・プロシージャは、標準のPL/SQL begin...; end;無名ブロック構文内で入力する必要があります。

コマンドの例

すべてのプラガブル・データベースをオープンするには、次のコマンドを入力します。

DGMGRL> SQL "alter pluggable database all open"

次のコマンドでは、30秒間待機するストアドPL/SQLプロシージャが実行されます。

DGMGRL> SQL "begin dbms_drs.sleep(30); end;"

START OBSERVER

START OBSERVERコマンドは、DGMGRLセッションを実行中のこのホスト上で、この構成に対応する登録済オブザーバが動作していない場合に、ファスト・スタート・フェイルオーバー・オブザーバを起動します。

このコマンドを使用するには、まずCONNECTコマンドを発行して特定のブローカ構成にログインする必要があります。そうしないと、ログオンしていませんというエラー・メッセージが戻ります。

書式

START OBSERVER [<observer_name>] IN BACKGROUND CONNECT IDENTIFIER IS <connect_identifier> [FILE IS <observer_file>] [LOGFILE IS <observer_log_file>] [TRACE_LEVEL IS { USER | SUPPORT }];

コマンド・パラメータ

observer_name
同一のData Guard Broker構成内でオブザーバを識別する名前。
  • 同一のData Guard Broker構成上で2つのオブザーバに同じ名前を付けることはできません。

  • オブザーバの名前を指定しない場合は、デフォルトのオブザーバ名(START OBSERVERコマンドが発行されたマシンのホスト名)が使用されます。

  • オブザーバ名の大/小文字は区別されません。

  • 文字列"NONAME"および"ALL"はオブザーバ名として使用できません。

observer_log_file
ランタイム・データ・ファイルのパスと名前を指定します。ファイル名のみを指定した場合、使用されるパスは$DG_ADMIN/config_ConfigurationSimpleName/dat です。パスとファイル名の両方を省略した場合、ファイル名はデフォルトでfsfo_hostname.datになり、パスは$DG_ADMIN/config_ConfigurationSimpleName/datになります。DG_ADMIN環境変数が定義されていない場合、デフォルトのパスは現在の作業ディレクトリになります。
log_file
オブザーバ・ログ・ファイルのフルパス名。各オブザーバには独自のログ・ファイルがあります。

使用上のノート

  • 1つのData Guard Broker構成を監視するために最大で4つのオブザーバを登録できます。各オブザーバは、START OBSERVERコマンドの発行時に指定する名前で識別されます。「オブザーバのインストールおよび起動」を参照してください。

  • オプションのTRACE_LEVEL IS句を使用すると、実行してオブザーバ・ログ・ファイルに書き込むトレースの量を制御できます。デフォルト値のUSERの場合、オブザーバ・ログの内容は、ファスト・スタート・フェイルオーバー、プライマリ・データベースとターゲット・スタンバイ・データベースのステータス変更、およびエラーまたは警告メッセージに関するトレース情報に制限されます。TRACE_LEVELSUPPORTに設定すると、Oracleサポート・サービスが必要とするより低レベルの情報が含まれ、トレース情報の量が増大します。

  • ファスト・スタート・フェイルオーバーを有効化する予定のブローカ構成を監視するには、Oracle Client Administratorキット、Oracle Database Enterprise EditionまたはOracle Database Personal Editionのフルキットを、オブザーバ・コンピュータ上にインストールする必要があります。詳細は、「ファスト・スタート・フェイルオーバーを有効化するための前提条件」を参照してください。

  • START OBSERVERコマンドは、オブザーバ・コンピュータ上で発行する必要があります。オブザーバが正常に開始されると、制御は、(別のクライアント接続からのSTOP OBSERVERのコマンドの発行などにより)オブザーバが停止されるまでユーザーには戻されません。そのブローカ構成とさらに交信する場合は、他のクライアントを介して接続する必要があります。

    オブザーバをバックグラウンドで起動する方法の詳細は、「START OBSERVER IN BACKGROUND」を参照してください。

  • LOGFILE IS句を使用すると、オブザーバの出力はすべて指定したファイルに記録されます。オブザーバの出力は、オブザーバの問題とファスト・スタート・フェイルオーバー全般の問題のトラブルシューティングに役立ちます。

    ファイル名とともに完全パスが指定されている場合、そのファイルは指定されたパスに格納されます。

    ファイル名のみが指定され、DG_ADMIN環境変数が定義されている場合、指定されたファイルは$DG_ADMIN/config_ConfigurationSimpleName/logディレクトリに格納されます。DG_ADMIN環境変数が定義されていない場合、ファイルは現在の作業ディレクトリに格納されます。

    LOGFILE IS句が省略された場合、ログ・ファイルはobserver_hostname.logという名前を使用して $DG_ADMIN/config_ConfigurationSimpleName/logディレクトリに格納されます。DG_ADMIN環境変数が定義されていない場合、ログ・ファイルはobserver_hostname.logとして現在の作業ディレクトリに格納されます。ConfigurationSimpleNameは、ブローカ構成の名前です。

    指定されたログ・ファイルにアクセスできない場合、オブザーバの出力は標準出力に送信されます。

  • 完全なディレクトリ・パスとファイル名がFILE IS句で指定されると、オブザーバ・ランタイム・データ・ファイルがこのディレクトリに作成されます。相対パスとファイル名を指定すると、ファイルは現在の作業ディレクトリの下の指定されたパスに作成されます。

    ファイル名のみが指定されている場合、そのファイルは$DG_ADMIN/config_ConfigurationSimpleName/dat/ディレクトリに格納されます。DG_ADMIN環境変数が定義されていない場合、ファイルは現在の作業ディレクトリに格納されます。構成プロパティであるConfigurationSimpleNameは、ブローカ構成の名前です。

    この句が省略されると、ファイルは$DG_ADMIN/config_ConfigurationSimpleName/dat/FSFO_hostname.datとして格納されます。DG_ADMIN環境変数が定義されていない場合、ファイルは現在の作業ディレクトリにfsfo.datとして格納されます。

  • プライマリ・データベースおよびターゲット・スタンバイ・データベースのDB_UNIQUE_NAME初期化パラメータおよび接続識別子は、fsfo.dat構成ファイルに格納されています。このファイルの不正アクセスを確実に防止することをお薦めします。

  • FILE ISLOGFILE ISおよびTRACE LEVEL IS句の順序は交換可能です。

  • このコマンドを発行する前に、ファスト・スタート・フェイルオーバーを有効化しておく必要はありません。

    • ファスト・スタート・フェイルオーバーが有効化されている場合、オブザーバは、プライマリおよびターゲット・スタンバイの接続識別子をブローカ構成から取得し、構成の監視を開始します。

    • ファスト・スタート・フェイルオーバーが有効化されていない場合、オブザーバは、継続的にファスト・スタート・フェイルオーバーの有効化の時期を監視します。

  • このコマンドの発行時、実行されている必要があるのはプライマリ・データベースのみです。コマンドを正常に実行するために、ファスト・スタート・フェイルオーバーのターゲットとなるスタンバイ・データベースが実行されている必要はありません。

  • オブザーバおよびそのホスト・コンピュータのステータスを表示するには、SHOW OBSERVERコマンドまたはSHOW CONFIGURATION VERBOSEコマンドを使用するか、プライマリ・データベースのV$FS_FAILOVER_OBSERVERSビューを問い合せます。

  • プライマリ・データベースとターゲットのスタンバイ・データベースの間の接続が維持されている状態でオブザーバとの接続が失われた場合、プライマリ・データベースは監視されない状態になります。この状態は、ブローカの健全性チェック機能により報告されます。

  • SHOW OBSERVERコマンドは、1つ以上のオブザーバが起動済であるかどうかを示します。

    SHOW OBSERVERコマンドで1つ以上の登録済オブザーバが表示されたが、その一部がなんらかの理由で実行されていない場合、次のいずれかの操作を実行できます。

    • オブザーバを最初に起動したときに使用したオブザーバ構成ファイルを指定して、START OBSERVERコマンドを、最初にオブザーバを起動したオブザーバ・コンピュータ上で発行します。

    • 任意のコンピュータ上で、STOP OBSERVERコマンドを発行してからSTART OBSERVERコマンドを発行してオブザーバを起動します。

    SHOW OBSERVERコマンドで1つ以上のオブザーバが表示され、1つのオブザーバが1つの場所ですでに実行されている場合、同じ場所で再度オブザーバを起動しようとすると、次のエラーが表示されて失敗します。

    Unable to open the observer file
    

    SHOW OBSERVERコマンドで4つの登録済オブザーバが表示された場合に、別の場所でオブザーバを起動しようとすると、次のエラーが発生してそのコマンドが失敗します。

    ORA-16647: could not start more than four observers
    

コマンドの例

例1: オブザーバの起動

次の例では、オブザーバの起動方法を示しています。

DGMGRL> CONNECT sysdg@North_Sales.example.com;
Password: password
Connected to "North_Sales"
Connected as SYSDG.
DGMGRL> START OBSERVER;
Observer started

例2: オブザーバの起動(資格証明の表示なし)

次の例は、コマンドラインで接続資格証明を表示できないように、CONNECT '/' を使用してオブザーバを起動する方法を示しています。

DGMGRL> CONNECT /@North_Sales.example.com;
Connected to "North_Sales"
DGMGRL> START OBSERVER;
Observer started.

CONNECT '/'を使用するには、OracleウォレットまたはSSLを設定する必要があります。OracleウォレットまたはSSLを設定することで、スクリプトでデータベース資格証明を指定せずに、オブザーバをバックグラウンド・ジョブとして安全に起動および実行するためのスクリプトを記述できます。Oracleウォレットをセキュアな外部パスワード・ストアとして使用する場合は、プライマリ・データベースおよびファスト・スタート・フェイルオーバーのターゲット・スタンバイ・データベースの資格証明を追加する必要があります。各データベースの資格証明を追加するとき、指定するデータベース接続文字列は、データベース・プロパティObserverConnectIdentiferまたはDGConnectIdentifierと一致している必要があります。

START OBSERVER IN BACKGROUND

START OBSERVER IN BACKGROUNDコマンドは、このDGMGRLセッションを実行中のこのホスト上で、ファスト・スタート・フェイルオーバー・オブザーバをバックグラウンド・プロセスとして起動します。

このコマンドが発行された後、DGMGRLによって、START OBSERVER IN BACKGROUNDコマンドが正常に発行されたかどうか報告されます。「Yes」の場合、ユーザーに制御が戻ります。(これは、オブザーバの起動後にユーザーに制御が戻らないSTART OBSERVERコマンドの動作とは異なります。)

このコマンドではOracleウォレットを使用して資格証明を取得し、データベース・サーバーにログインして、オブザーバを登録します。CONNECTコマンドを使用してブローカ構成内のデータベース・サーバーに正常に接続している場合でも、このコマンドでは既存の接続が無視され、Oracleウォレットに格納されている資格証明が使用されます。ウォレットが構成されていない場合、このコマンドによるオブザーバの起動は失敗します。

書式

START OBSERVER [<observer_name>] IN BACKGROUND CONNECT IDENTIFIER IS <connect_identifier> [FILE IS <observer_file>] [LOGFILE IS <log_file>] [TRACE_LEVEL IS USER | SUPPORT];

コマンド・パラメータ

observer_name
同一のData Guard Broker構成内でオブザーバを識別する名前。
  • 同一のData Guard Broker構成上で2つのオブザーバに同じ名前を付けることはできません。

  • オブザーバの名前を指定しない場合は、デフォルトのオブザーバ名(START OBSERVERコマンドが発行されたマシンのホスト名)が使用されます。

  • オブザーバ名の大/小文字は区別されません。

  • 文字列"NONAME"はオブザーバ名として使用できません。

connect_identifier
接続識別子は、構成のメンバーに接続するためのOracleウォレット内の資格証明の検索に使用されます。
observer_file
ランタイム・データ・ファイルのパスと名前を指定します。指定しない場合、ファイル名はデフォルトでfsfo.dat、パスは現在の作業ディレクトリになります。
log_file
オブザーバ・ログ・ファイルのフルパス。各オブザーバには独自のログ・ファイルがあります。

使用上のノート

  • START OBSERVERコマンドが正常に発行されても、資格証明の問題、断続的なネットワーク接続またはオブザーバ登録の失敗が原因で、オブザーバを起動できない場合があります。オブザーバが正常に起動されたことを確認するには、SHOW OBSERVERSコマンドを使用するか、オブザーバ・ログ・ファイルを確認します。

  • このコマンドでは、CONNECTコマンドを使用して確立された特定の構成メンバーへの接続がすべて無視されます。つまり、ブローカ構成内の特定のメンバーに接続していない場合でも、START OBSERVER IN BACKGROUNDコマンドを使用することでオブザーバを起動できます。

  • START OBSERVER IN BACKGROUNDコマンドを発行する前に特定の構成メンバーに接続している場合は、制御が戻った後、その接続を引き続き使用できます。

  • observer_fileパラメータをFILE ISパラメータで指定していない場合は、オブザーバによって、現在の作業ディレクトリでfsfo.datファイルが検索されます。見つからない場合は、オブザーバによってfsfo.datファイルが作成されます。

  • LOGIFLE IS句に、完全なパスがファイル名とともに指定されている場合、そのファイルは指定されたパスに格納されます。

    ファイル名のみが指定され、DG_ADMIN環境変数が定義されている場合、指定されたファイルは$DG_ADMIN/config_ConfigurationSimpleName/logディレクトリに格納されます。DG_ADMIN環境変数が定義されていない場合、ファイルは現在の作業ディレクトリに格納されます。

    LOGFILE IS句が省略された場合、ログ・ファイルはobserver_hostname.logという名前を使用して $DG_ADMIN/config_ConfigurationSimpleName/logディレクトリに格納されます。DG_ADMIN環境変数が定義されていない場合、ログ・ファイルはobserver_hostname.logとして現在の作業ディレクトリに格納されます。ConfigurationSimpleNameは、ブローカ構成の名前です。

  • 完全なディレクトリ・パスとファイル名がFILE IS句で指定されると、オブザーバ・ランタイム・データ・ファイルがこのディレクトリに作成されます。相対パスとファイル名を指定すると、ファイルは現在の作業ディレクトリの下の指定されたパスに作成されます。

    ファイル名のみが指定されている場合、そのファイルは$DG_ADMIN/config_ConfigurationSimpleName/dat/ディレクトリに格納されます。DG_ADMIN環境変数が定義されていない場合、ファイルは現在の作業ディレクトリに格納されます。構成プロパティであるConfigurationSimpleNameは、ブローカ構成の名前です。

    この句が省略されると、ファイルは$DG_ADMIN/config_ConfigurationSimpleName/dat/FSFO_hostname.datとして格納されます。DG_ADMIN環境変数が定義されていない場合、ファイルは現在の作業ディレクトリにfsfo.datとして格納されます。

  • オプションのTRACE_LEVEL IS句を使用すると、実行してオブザーバ・ログ・ファイルに書き込むトレースの量を制御できます。デフォルト値のUSERの場合、オブザーバ・ログの内容は、ファスト・スタート・フェイルオーバー、プライマリ・データベースとターゲット・スタンバイ・データベースのステータス変更、およびエラーまたは警告メッセージに関するトレース情報に制限されます。TRACE_LEVELSUPPORTに設定すると、Oracleサポート・サービスが必要とするより低レベルの情報が含まれ、トレース情報の量が増大します。

  • START OBSERVER IN BACKGROUNDコマンドのオプション句の順序は置き替え可能です。

コマンドの例

DGMGRL> START OBSERVER observer1 IN BACKGROUND 
FILE IS  /net/sales/dat/oracle/broker/fsfo.dat 
LOGFILE IS /net/sales/dat/oracle/broker/observer.log 
CONNECT IDENTIFIER IS sales_p;
Submitted command "START OBSERVER" using connect identifier "sales_p"

START OBSERVING

START OBSERVINGコマンドは、指定したグループの各ブローカ構成に対応する新規オブザーバを起動します。

START OBSERVINGコマンドの結果は、個々の構成に対してSTART OBSERVERコマンドを発行した場合と同じ結果になります。

書式

START OBSERVING [<configuration_group_name>];

コマンド・パラメータ

configuration_group_name
ブローカ構成ごとに1つのオブザーバを起動するブローカ構成グループの名前。

使用上のノート

  • configuration_group_nameを指定しない場合は、このコマンドによって、オブザーバ構成ファイル内で定義されている構成ごとに1つの新規オブザーバが起動されます。

  • configuration_group_nameにキーワードALLは使用できません。

  • 実行されるDGMGRLコマンド、および実行の詳細に関する情報は、ログ・ファイルsuperobserver.logに書き込まれます。このファイルは、$DG_ADMIN/admin/ディレクトリにあります。DG_ADMIN環境変数が定義されていない場合、このファイルは現在の作業ディレクトリに置かれます。

コマンドの例

DGMGRL> START OBSERVING;
ObserverConfigFile=/net/oracle/dataguard/observer.ora
observer configuration file parsing succeeded
Submitted command “START OBSERVER” using connect identifier "cfg1_cid".  
Submitted command “START OBSERVER”  using connect identifier "cfg2_cid".  
Submitted command “START OBSERVER” using connect identifier "cfg3_cid".  

Check superobserver.log and individual observer logs for execution details.

DGMGRL> START OBSERVING GRP_A;
ObserverConfigFile=/net/oracle/dataguard/observer.ora
observer configuration file parsing succeeded
Submitted command “START OBSERVER” using connect identifier "cfg1_cid".  
Submitted command “START OBSERVER”  using connect identifier "cfg2_cid".  

Check superobserver.log and individual observer logs for execution details.

STARTUP

STARTUPコマンドは、Oracleデータベース・インスタンスを起動しますが、ユーザーは様々なオプションを指定できます。

指定可能なオプションは次のとおりです。

  • FORCE: 現行のOracleインスタンスをSHUTDOWN ABORTモードでシャットダウンしてから、再起動します。

  • RESTRICT: RESTRICTED SESSIONシステム権限を持つOracleユーザーにのみインスタンスへの接続を許可します。

  • PFILE: データベース・インスタンスの起動時に使用するPFILE初期化パラメータ・ファイルを指定します。

  • MOUNT: データベースまたは遠隔同期インスタンスをインスタンスにマウントします。

  • OPEN: 指定したデータベースでインスタンスをマウントしてオープンします。

  • NOMOUNT: 指定したインスタンスを、データベースまたは遠隔同期インスタンスをマウントせずに起動します。

書式

STARTUP [FORCE] [RESTRICT] [PFILE=<filename>] [MOUNT | OPEN [<open_options>] | NOMOUNT];

コマンド・パラメータ

filename

データベース・インスタンスの起動時に使用する初期化パラメータ・ファイルの名前。PFILEパラメータ・オプションを指定しない場合は、(オペレーティング・システム固有の)デフォルトのサーバー・パラメータ・ファイルが使用されます。

open-options

指定したデータベースを起動するためのアクセス・モード。可能なモードは次のとおりです。

  • READ ONLY
  • READ WRITE

使用上のノート

  • 引数を指定せずにSTARTUPコマンドを使用すると、STARTUP OPENコマンドを使用した場合と同じ結果になります。

  • STARTUPコマンドの使用時にFORCE句を指定せず、現行のデータベース・インスタンスが実行中の場合は、エラーになります。FORCE句は、デバッグ時やエラー条件の発生時に役立ちます。それ以外の場合は、使用しないでください。

  • RESTRICT句を使用すると、RESTRICTED SESSIONシステム権限を持つOracleユーザーにのみインスタンスへの接続が許可されます。後でSQL*Plusを介しALTER SYSTEMコマンドを使用して、制限付きセッション機能を無効化できます。

  • 初期化パラメータ・ファイルの指定にPFILE句を使用しない場合、STARTUPコマンドではデフォルトのサーバー・パラメータ・ファイル(存在する場合)が使用されます。それ以外の場合、STARTUPコマンドではデフォルトの初期化パラメータ・ファイルが使用されます。デフォルトのファイルはプラットフォーム固有です。

    デフォルトのパラメータ・ファイルの詳細は、オペレーティング・システム固有のマニュアルを参照してください。

  • 指定したデータベースをマウントしてオープンするには、OPEN句を使用します。

  • NOMOUNT句を指定すると、データベースをマウントせずにデータベース・インスタンスを起動できます。NOMOUNT句は、MOUNTまたはOPENオプションと併用できません。

  • STARTUPコマンドのオプション句の順序は置き替え可能です。

コマンドの例

例1: データベース・インスタンスの2つの起動方法

次の例では、データベース・インスタンスの2つの起動方法を示します。各コマンドでは、標準パラメータ・ファイルを使用してデータベース・インスタンスを起動し、デフォルト・データベースを排他モードでマウントしてオープンしています。

DGMGRL> STARTUP;
DGMGRL> STARTUP OPEN;

例2: 現在のインスタンスの停止および再起動(マウント/オープンなし)

次のコマンドでは、現行のインスタンスをシャットダウンし、その直後にマウントもオープンもせずにデータベースを再起動し、制限付きセッション権限のあるユーザーにのみ接続を許可しています。

DGMGRL> STARTUP FORCE RESTRICT NOMOUNT;

例3: パラメータ・ファイルを使用したインスタンスの起動(ただし、マウントなし)

次のコマンドでは、パラメータ・ファイルtestparmを使用して、データベースをマウントせずにインスタンスを起動しています。

DGMGRL> STARTUP PFILE=testparm NOMOUNT;

例4: インスタンスの起動およびマウント(オープンなし)

次の例では、データベース・インスタンスを起動してマウントしていますが、オープンはしていません。

DGMGRL> STARTUP MOUNT;

STOP OBSERVER

STOP OBSERVERコマンドは、ファスト・スタート・フェイルオーバー・オブザーバを停止します。

書式

STOP OBSERVER [<observer_name> | ALL];

コマンド・パラメータ

observer_name
停止するオブザーバの名前。名前を指定しない場合、構成に対して登録済オブザーバが1つしかないと、そのオブザーバが停止されます。構成内に複数の登録済オブザーバがある場合は、エラー・メッセージが戻ります。

ALLキーワードを使用すると、このブローカ構成に登録されているすべてのオブザーバが停止します。

使用上のノート

  • このコマンドは、ブローカ構成内のいずれかのデータベースと接続されている場合に発行できます。

  • このコマンドではファスト・スタート・フェイルオーバーを無効化できませんが、ファスト・スタート・フェイルオーバーはオブザーバがないと開始できません。

  • このコマンドの発行時に、ファスト・スタート・フェイルオーバーが有効化されている必要はありません。

  • STOP OBSERVERコマンドの発行時にファスト・スタート・フェイルオーバーが有効化されている場合は、プライマリ・データベースおよびスタンバイ・データベースが接続され、相互に交信している必要があります。そうでない場合は、次のエラーが戻されます。

    ORA-16636 fast-start failover target standby in error state, cannot stop observer
    

    プライマリ・データベースとスタンバイ・データベースが接続されていない場合、プライマリ・データベースでDISABLE FAST_START FAILOVER FORCEコマンドを発行してからSTOP OBSERVERコマンドを発行できます。オブザーバおよびターゲットのスタンバイ・データベースから切断されたプライマリ・データベース上でFORCEオプションを指定してファスト・スタート・フェイルオーバーを無効化しても、オブザーバによる、ターゲットのスタンバイ・データベースへのファスト・スタート・フェイルオーバーの開始を無効にはできません。

  • STOP OBSERVERコマンドの発行時にファスト・スタート・フェイルオーバーが有効化されていない場合は、オブザーバの停止時にプライマリ・データベースのみが実行されている必要があります。

  • オブザーバは、STOP OBSERVERコマンドの発行後すぐには停止されません。オブザーバは、次回オブザーバーがブローカと接続されるまで停止されたことを検出しません。

    STOP OBSERVERコマンドの発行後ただちに、任意のコンピュータでSTART OBSERVERコマンドを再度入力できます。旧オブザーバがまだ自身の停止を検出していない場合でも、新規オブザーバを即座に開始できます。ブローカ構成では新しいオブザーバがすでに開始されているため、元のオブザーバの開始を試行すると失敗します。

  • 新しいファスト・スタート・フェイルオーバーまたは新しいマスター・オブザーバへの切替えが進行中の場合、STOP OBSERVERコマンドは失敗します。

  • 登録済オブザーバが2つ以上ある場合、マスターのみを停止しようとすると、STOP OBSERVERコマンドは失敗します。

コマンドの例

次の例では、ブローカ構成内の動作しているすべてのオブザーバを停止します。

DGMGRL> STOP OBSERVER ALL;

STOP OBSERVING

STOP OBSERVINGコマンドは、このDGMGRLセッションを実行中のこのホスト上で動作している、特定のグループのすべてのブローカ構成のローカル・オブザーバをすべて停止します。

書式

STOP OBSERVING [<configuration_group_name>] [TRACE_LEVEL= USER | SUPPORT];

コマンド・パラメータ

configuration_group_name
DGMGRLを実行中のこのホスト上で動作しているローカル・オブザーバを停止するブローカ構成グループの名前。

使用上のノート

  • configuration_group_nameが指定されていない場合、このコマンドを実行すると、このDGMGRLセッションが実行中のこのホスト上で動作している、オブザーバ構成ファイルに定義されたすべてのブローカ構成のLOCALオブザーバをすべて停止します。

  • configuration_group_nameにキーワードALLは使用できません。

  • 実行されるDGMGRLコマンド、および実行の詳細に関する情報は、ログ・ファイルsuperobserver.logに書き込まれます。このファイルは、$DG_ADMIN/admin/ディレクトリにあります。DG_ADMIN環境変数が定義されていない場合、このファイルは現在の作業ディレクトリに置かれます。

  • オプションのTRACE_LEVEL IS句を使用すると、実行してオブザーバ・ログ・ファイルに書き込むトレースの量を制御できます。デフォルト値のUSERの場合、オブザーバ・ログの内容は、ファスト・スタート・フェイルオーバー、プライマリ・データベースとターゲット・スタンバイ・データベースのステータス変更、およびエラーまたは警告メッセージに関するトレース情報に制限されます。TRACE_LEVELSUPPORTに設定すると、Oracleサポート・サービスが必要とするより低レベルの情報が含まれ、トレース情報の量が増大します。

コマンドの例

DGMGRL> STOP OBSERVING;
ObserverConfigFile=/net/oracle/dataguard/observer.ora
observer configuration file parsing succeeded
Submitted command "STOP OBSERVER HOST IS OBM1" using connect identifier cfg1_cid.  
Submitted command "STOP OBSERVER HOST IS OBM1" using connect identifier cfg2_cid.  
Submitted command "STOP OBSERVER HOST IS OBM1" using connect identifier cfg3_cid.  

Check superobserver.log and individual observer logs for execution details. 

DGMGRL> STOP OBSERVING GRP_A;
ObserverConfigFile=/net/oracle/dataguard/observer.ora
observer configuration file parsing succeeded
Submitted command "STOP OBSERVER HOST IS OBM1" using connect identifier cfg1_cid.  
Submitted command "STOP OBSERVER HOST IS OBM1" using connect identifier cfg2_cid.  

Check superobserver.log and individual observer logs for execution details. 

SWITCHOVER

SWITCHOVERコマンドを発行すると、現行のプライマリ・データベースがスタンバイ・データベースになり、指定したスタンバイ・データベースがプライマリ・データベースになります。これはスイッチオーバー操作と呼ばれています。

書式

SWITCHOVER TO <db_unique_name> [WAIT [<timeout_in_seconds>]];  

WAITオプションでは、スイッチオーバーを続行する前にセッションが排出されるまで待機することを指定します。timeout_in_secondsオプションを使用して待機時間を指定します。ブローカは、指定された秒数の間、セッションのドレインを待機してから、スイッチオーバーを続行します。ドレインされていないセッションは、スイッチオーバー・プロセス中に強制終了されます。

WAITオプションを含めたが、timeout_in_secondsを省略した場合は、ブローカにより、現在のアクティブなサービスすべてについてdrain_timeoutの最大値が特定され、最長でもその期間で、現在のすべてのクライアント要求が処理されるのを待ってから、スイッチオーバーが続行されます。drain_timeout値は、SRVCTLユーティリティのadd serviceコマンドまたはmodify serviceコマンドで指定するオプションです。

timeout_in_secondsに指定された値は、drain_timeoutオプションを使用して設定された値より優先されます。

WAITオプションは、Oracle Clusterwareのアプリケーション・コンティニュイティ関連の属性を使用してサービスが構成されている場合にのみ有効です。

ノート:

WAITオプションは23aiでは非推奨となっています。DrainTimeout構成プロパティを使用して、スイッチオーバーのドレイン・タイムアウトを指定します。

コマンド・パラメータ

db_unique_name

プライマリ・データベースのロールに変更するスタンバイ・データベースのDB_UNIQUE_NAME初期化パラメータ値。

timeout_in_seconds
リソースの排出が完了し、スイッチオーバー操作を続行するまでの許容時間(秒)。

指定できる値は、0 (ゼロ)または任意の正の整数です。デフォルト値は空の文字列で、このオプションが設定されていないことを示します。値がゼロの場合、即座にドレインが発生し、ブローカはスイッチオーバーを続行します。ドレイン期間中は、現在のすべてのクライアント要求は処理されますが、新しい要求は受け入れません。

使用上のノート

  • ファスト・スタート・フェイルオーバーが有効な場合は、ファスト・スタート・フェイルオーバーのターゲット・スタンバイ・データベースへのスイッチオーバーのみ実行できます。

  • スイッチオーバーの起動前に、ブローカによって、プライマリ・データベースおよびスタンバイ・データベースが次の状態であることが検証されます。

    • REDO転送サービスが起動するように、プライマリ・データベースが有効化され、TRANSPORT-ON状態になっている必要があります。

    • スタンバイ・データベースが有効化され、TRANSPORT-ON状態になっており、ログ適用サービスが起動している必要があります。

  • ブローカは、スイッチオーバーに関係するように選択したスタンバイ・データベースにREDO転送サービスのエラーがないかぎり、スイッチオーバーを続行します。その他のスタンバイ・データベースにエラーが発生しても、スイッチオーバーの続行には影響しません。

  • ロジカル・スタンバイ・データベースへのスイッチオーバーは、構成が最大保護モードで動作している場合には許可されません。

  • ブローカ構成が最大保護モードまたは最大可用性モードで動作している場合、スイッチオーバーの操作後も同じ保護モードが維持されます(「スイッチオーバー操作実行前の考慮事項」を参照)。スイッチオーバーのターゲットとなるスタンバイ・データベースが保護モード要件を満たす唯一のスタンバイであったためにモードを維持できない場合、スイッチオーバーは許可されません。

  • プライマリ・ロールを引き継ぐスタンバイ・データベースがフィジカル・スタンバイ・データベースの場合は、スイッチオーバーの完了後に、元のプライマリ・データベースが再起動されます。例10-13に示すように、元のプライマリへのクライアント接続はフィジカル・スタンバイ・データベースにリダイレクトされます。スタンバイ・データベースがロジカル・スタンバイ・データベースの場合は、プライマリ・データベースもロジカル・スタンバイ・データベースも再起動されません。

  • プライマリ・ロールを引き継ぐスタンバイ・データベースがフィジカル・スタンバイ・データベースの場合、元のプライマリ・データベースはフィジカル・スタンバイ・データベースとなります。

  • プライマリ・ロールを引き継ぐスタンバイ・データベースがロジカル・スタンバイ・データベースの場合、元のプライマリ・データベースはロジカル・スタンバイ・データベースとなります。

  • スナップショット・スタンバイ・データベースにはスイッチオーバーできません。

  • プライマリ・ロールを引き継ぐスタンバイ・データベースがロジカル・スタンバイ・データベースで、構成にフィジカル・スタンバイ・データベースが含まれている場合、スイッチオーバー後、フィジカル・スタンバイ・データベースは無効化されます。

    注意:

    このため、通常、スイッチオーバーには、ロジカル・スタンバイ・データベースのかわりにフィジカル・スタンバイ・データベースを指定することをお薦めします。ロジカル・スタンバイ・データベースへのスイッチオーバーが必要な場合、フィジカル・スタンバイ・データベースを再作成する方法については、「ロール変更後の無効化されたデータベースの再有効化」を参照してください。

    比較的すぐに元のプライマリ・データベースにスイッチバックする場合は、フィジカルおよびスナップショット・スタンバイ・データベースを無効なままにしておくことができます。フィジカルおよびスナップショット・スタンバイ・データベースはまだ元のプライマリ・データベースの実行可能なスタンバイ・データベースであるため、元のプライマリ・データベースへのスイッチバックの完了後、これらを再有効化できます。

  • データベースがOracle Clusterwareによって管理されている場合、ブローカはどのインスタンスのPDBもオープンしません。かわりに、ブローカはスイッチオーバーの完了後にClusterwareエージェントに通知し、Clusterwareエージェントはサービス構成に基づいて特定のインスタンスのPDBをオープンします。

コマンドの例

例10-11 プライマリからフィジカル・スタンバイへのスイッチオーバーの成功例

この例では、フィジカル・スタンバイ・データベースSouth_Salesがプライマリ・ロールに遷移する正常なスイッチオーバーを示します。

DGMGRL> SWITCHOVER TO 'South_Sales';
2021-03-08T18:46:18.576-05:00
Performing switchover NOW, please wait...

2021-03-08T18:46:31.899-05:00
New primary database "South_Sales" is opening...

2021-03-08T18:46:31.901-05:00
Operation requires start up of instance "north_sales1" on database "North_Sales"
Starting instance "north_sales1"...
Connected to an idle instance.
ORACLE instance started.
Connected to "north_sales1"
Database mounted.

Connected to "South_Sales"
2021-03-08T18:47:12.754-05:00
Switchover succeeded, new primary is "South_Sales"

2021-03-08T18:47:12.780-05:00
Switchover processing complete, broker ready.

例10-12 O/S認証を使用したことによるスイッチオーバーの失敗例

オペレーティング・システム認証を使用してデータベースに接続する場合は、任意のユーザー名およびパスワードを使用して接続できます。ただし、DGMGRLはリモートでは自己認証できないため、プライマリ・データベースとスタンバイ・データベースを自動的にシャットダウンして起動することができません。

次に、スイッチオーバーには成功したが、DGMGRLでプライマリ・データベースとスタンバイ・データベースのシャットダウンおよび起動ができなかったためにエラーが戻された例を示します。

DGMGRL> SWITCHOVER TO 'South_Sales';
Performing switchover NOW, please wait...
New primary database "South_Sales" is opening...
Operation requires shutdown of instance "north_sales1" on database "North_Sales"
Shutting down instance "north_sales1"...
ORA-01031: insufficient privileges
 
Warning: You are no longer connected to ORACLE.
 
Please complete the following steps to finish switchover:
        shut down instance "north_sales1" of database "North_Sales"
        start up and mount instance "north_sales1" of database "North_Sales"

ノート:

DGMGRLでインスタンスを自動的に再起動するには、最後のCONNECTコマンドが別のデータベースへの接続に使用された場合でも、最後のCONNECTコマンドに指定された資格証明を使用してデータベースに接続する必要があります。

SHUTDOWNおよびSTARTUPコマンドを手動で発行して、新しいプライマリおよび停止されたスタンバイ・インスタンスを再起動する必要があります。

例10-13 ターゲットのフィジカル・スタンバイ・データベースへのクライアント接続のリダイレクト

この例では、フィジカル・スタンバイ・データベースSouth_Salesがプライマリ・ロールに遷移する正常なスイッチオーバーを実行します。元のプライマリへの接続は、新しいプライマリ・データベースSouth_Salesに自動的に再接続されます。

DGMGRL> SWITCHOVER TO South_Sales;
2021-03-08T18:42:38.906-05:00
Performing switchover NOW, please wait...

2021-03-08T18:42:39.704-05:00
Operation requires a connection to database "South_Sales"
Connecting ...
Connected to "South_Sales"
Connected as SYSDG.

2021-03-08T18:42:39.908-05:00
Continuing with the switchover...

2021-03-08T18:42:50.022-05:00
New primary database "South_Sales" is opening...

2021-03-08T18:42:50.023-05:00
Operation requires start up of instance "north_sales2" on database "North_Sales"
Starting instance "north_sales2"...
Connected to an idle instance.
ORACLE instance started.
Connected to "North_Sales"
Database mounted.

Connected to "South_Sales"
2021-03-08T18:43:31.457-05:00
Switchover succeeded, new primary is "South_Sales"

2021-03-08T18:43:31.486-05:00
Switchover processing complete, broker ready.

例10-14 スイッチオーバー時のゼロ待機時間の指定

この例では、SWITCHOVERコマンドにWAITオプションを挿入し、待機時間をゼロ秒に設定します。したがって、ブローカはセッションのドレインを待機せず、スイッチオーバー操作を続行します。

DGMGRL> SWITCHOVER TO 'South_Sales' WAIT 0;
2021-03-08T18:29:17.674-05:00
WAIT 0 does not wait for sessions to drain; proceeding with switchover...

2021-03-08T18:29:27.995-05:00
New primary database "South_Sales" is opening...

2021-03-08T18:29:27.995-05:00
Oracle Clusterware is restarting database "North_Sales" ...

Connected to "South_Sales"
2021-03-08T18:30:09.375-05:00
Switchover succeeded, new primary is "South_Sales"

2021-03-08T18:30:09.421-05:00
Switchover processing complete, broker ready.

例10-15 WAIT句の使用によるスイッチオーバー時の待機時間の指定

この例では、SWITCHOVERコマンドにWAITオプションを挿入し、待機時間を23秒に設定します。したがって、ブローカはセッションのドレインを23秒間待機してから、スイッチオーバーを続行します。

DGMGRL> SWITCHOVER TO 'South_Sales' WAIT 23;
2021-03-08T18:26:29.412-05:00
Stopping services and waiting up to 23 seconds for sessions to drain...

2021-03-08T18:26:40.209-05:00
Done waiting for sessions to drain; proceeding with switchover now...

2021-03-08T18:26:54.411-05:00
New primary database "South_Sales" is opening...

2021-03-08T18:26:54.412-05:00
Oracle Clusterware is restarting database "North_Sales" ...

Connected to "South_Sales"
2021-03-08T18:27:39.045-05:00
Switchover succeeded, new primary is "South_Sales"

2021-03-08T18:27:39.084-05:00
Switchover processing complete, broker ready.

SWITCHOVER PLUGGABLE DATABASE

このコマンドは、ソースPDBのロールを指定されたターゲットPDBに切り替えます。

前提条件

  • ターゲット・データベースへの接続。

  • 指定されたターゲットPDBがターゲット・データベースに存在し、DG PDBとして構成されている必要があります。

構文

SWITCHOVER TO PLUGGABLE DATABASE <pdb_name> AT <target_db_unique_name>;

コマンド・パラメータ

pdb_name
ソースPDB操作を切り替える必要があるターゲットPDBの名前。指定する名前は、ADD PLUGGABLE DATABASEコマンドを実行してソースPDBを設定するときに使用した名前と同じである必要があります。
target_db_unique_name
ターゲットPDBを含むターゲット・データベースの名前。

使用上のノート

  • ブローカは、ソースPDBがオープンしていることを確認します。

  • ブローカは、指定されたPDBが指定されたデータベースのDG PDBであることを確認し、REDO Applyが実行中であることを確認します。

例10-16 ターゲットPDBへの切替え

この例では、ターゲット・データベースcdb_newyorkに含まれているdgpdb_salesという名前のターゲットPDBを使用して、ソースPDBの操作を切り替えます。

DGMGRL> SWITCHOVER TO PLUGGABLE DATABASE dgpdb_sales AT newyork;

VALIDATE DATABASE

VALIDATE DATABASEコマンドは、ロール変更に先立って包括的なデータベース・チェックを実行します。このコマンドでは、指定したスタンバイ・データベースがスイッチオーバーまたはフェイルオーバーの準備ができているかどうかを示す基本チェックを実行するオプションが提供されます。STRICT句で使用可能な様々なオプションを使用して、より厳しいレベルのチェックを含めることもできます。

チェックでは、Oracle Data Guardの様々なビューで使用可能な情報が使用されます。

書式

VALIDATE DATABASE [VERBOSE] <db_unique_name>
    [STRICT { ALL | APPLY_PROPERTY | FLASHBACK | FORCE_LOGGING | LOG_FILES_CLEARED | 
    LOG_FILE_CONFIGURATION | TEMP_FILES | TRANSPORT_PROPERTY }];

コマンド・パラメータ

db_unique_name

検証を実行するデータベースのDB_UNIQUE_NAME初期化パラメータ値。

使用上のノート

VALIDATE DATABASEコマンドは、データベースのサマリーを表示し、エラーまたは警告が検出されたらレポートします。VALIDATE DATABASE VERBOSEは、簡潔なサマリーの全内容に加え、検証されたすべての項目を表示します。

より厳密な検証レベルを追加するには、STRICT句を使用して、1つ以上のSTRICTオプションを指定します。

表10-3 STRICT句のオプション

オプション 説明
ALL プライマリおよび指定したスタンバイ・データベースの検証で、すべてのstrictオプションを使用します。
APPLY_PROPERTY プライマリ・データベースと指定したスタンバイ・データベース間の適用関連プロパティ設定が同じであることを確認します。
FLASHBACK プライマリおよび指定したスタンバイ・データベースのフラッシュバック・データベースが有効になっていることを確認します。
FORCE_LOGGING プライマリおよび指定されたスタンバイ・データベースで強制ロギングが有効になっていること、およびプライマリ・データベースにログに記録されていないブロックがあるかどうかを確認します。
LOG_FILES_CLEARED プライマリ・データベースのスタンバイREDOログがクリアされ、指定したスタンバイ・データベース(フィジカル・スタンバイ・データベースの場合)のオンライン・ログがクリアされていることを確認します。

コマンドの例

この項の例は、プライマリおよびスタンバイ・データベースでのVALIDATE DATABASEコマンドの出力の、簡潔表示と詳細表示の例を示します。

例10-17 プライマリに対するVALIDATE DATABASEの簡潔出力

次の例は、プライマリ・データベースの簡潔出力を示します。


DGMGRL> VALIDATE DATABASE South_Sales;

  Database Role:    Primary database

  Ready for Switchover:  Yes

  Managed by Clusterware:
    South_Sales:  YES             

例10-18 フィジカル・スタンバイに対するVALIDATE DATABASEの簡潔出力

次の例は、フィジカル・スタンバイ・データベースの簡潔出力を示します。

DGMGRL> VALIDATE DATABASE North_Sales;

  Database Role:     Physical standby database
  Primary Database:  South_Sales

  Ready for Switchover:  Yes
  Ready for Failover:    Yes (Primary Running)

  Managed by Clusterware:
    South_Sales :  NO             
    North_Sales:  NO             
    The static connect identifier allows for a connection to database "South_Sales".

  Parameter Settings:
    Parameter                       South_Sales Value        North_Sales Value
    DB_BLOCK_CHECKING               FALSE                    FALSE
    DB_BLOCK_CHECKSUM               TYPICAL                  TYPICAL
    DB_LOST_WRITE_PROTECT           AUTO                     AUTO

例10-19 プライマリに対するVALIDATE DATABASEの詳細出力

次の例は、プライマリ・データベースの詳細出力を示します。

DGMGRL> VALIDATE DATABASE VERBOSE South_Sales;

  Database Role:    Primary database

  Ready for Switchover:  Yes

  Flashback Database Status:
    Database         Status           Retention Target
    South_Sales      On               1440   

  Capacity Information:
    Database         Instances        Threads        
    South_Sales      1                1              

  Managed by Clusterware:
    South_Sales:  NO             
    The static connect identifier allows for a connection to database "South_Sales".

  Temporary Tablespace File Information:
    South_Sales TEMP Files:  1

  Data file Online Move in Progress:
    South_Sales:  No

  Transport-Related Information:
    Transport On:  Yes

  Log Files Cleared:
    South_Sales Standby Redo Log Files:  Cleared

例10-20 フィジカル・スタンバイに対するVALIDATE DATABASEの詳細出力

次のコマンドは、フィジカル・スタンバイ・データベースの詳細出力を示します。

DGMGRL> validate database verbose North_Sales

  Database Role:     Physical standby database
  Primary Database:  South_Sales

  Ready for Switchover:  Yes
  Ready for Failover:    Yes (Primary Running)

  Flashback Database Status:
    Database         Status           Retention Target
    South_Sales      On               1440   
    North_Sales      On               1440   

  Capacity Information:
    Database  Instances        Threads        
    South_Sales      1                1              
    North_Sales      1                1              

  Managed by Clusterware:
    South_Sales :  NO             
    North_Sales:   NO             
    The static connect identifier allows for a connection to database "South_Sales".

  Temporary Tablespace File Information:
    South_Sales TEMP Files:   1
    North_Sales TEMP Files:   1

  Data file Online Move in Progress:
    South_Sales:   No
    North_Sales:   No

  Standby Apply-Related Information:
    Apply State:      Running
    Apply Lag:        0 seconds (computed 0 seconds ago)
    Apply Delay:      0 minutes

  Transport-Related Information:
    Transport On:  Yes
    Gap Status:    No Gap
    Transport Lag:  0 seconds (computed 0 seconds ago)
    Transport Status:  Success

  Log Files Cleared:
    South_Sales Standby Redo Log Files:   Cleared
    North_Sales Online Redo Log Files:   Cleared
    North_Sales Standby Redo Log Files:  Available

  Current Log File Groups Configuration:
    Thread #  Online Redo Log Groups  Standby Redo Log Groups 
              (South_Sales)                  (North_Sales)                 
    1         4                       5                       

  Future Log File Groups Configuration:
    Thread #  Online Redo Log Groups  Standby Redo Log Groups 
              (North_Sales)                 (South_Sales)                  
    1         4                       5                       

  Current Configuration Log File Sizes:
    Thread #   Smallest Online Redo      Smallest Standby Redo    
               Log File Size             Log File Size            
               (South_Sales)                    (North_Sales)                  
    1          25 MBytes                 25 MBytes                

  Future Configuration Log File Sizes:
    Thread #   Smallest Online Redo      Smallest Standby Redo    
               Log File Size             Log File Size            
               (North_Sales)                   (South_Sales)                   
    1          25 MBytes                 25 MBytes                

  Apply-Related Property Settings:
    Property                        South_Sales Value               North_Sales Value
    DelayMins                       0                        0
    ApplyParallel                   AUTO                     AUTO
    ApplyInstances                  0                        0

  Transport-Related Property Settings:
    Property                        South_Sales Value               North_Sales Value
    LogShipping                     ON                       ON
    LogXptMode                      ASYNC                    ASYNC
    Dependency                      <empty>                  <empty>
    DelayMins                       0                        0
    Binding                         optional                 optional
    MaxFailure                      0                        0
    ReopenSecs                      30                       30
    NetTimeout                      300                      300
    RedoCompression                 DISABLE                  DISABLE

  Parameter Settings:
    Parameter                       South_Sales Value               North_Sales Value
    DB_BLOCK_CHECKING               true                     true
    DB_BLOCK_CHECKSUM               true                     true
    DB_LOST_WRITE_PROTECT           NONE                     NONE

例10-21 プライマリに関するVALIDATE DATABASE STRICTオプション

次の例では、プライマリに関するSTRICTの出力を示します。

DDGMGRL> VALIDATE DATABASE 'North_Sales' STRICT ALL;

  Database Role:    Primary database

  Ready for Switchover:  No

  Flashback Database Status:
    Database     Status           Retention Target
    North_Sales  Off              1440  
    South_Sales  On               1440  

  Managed by Clusterware:
    North_Sales:  NO            
    The static connect identifier allows for a connection to database "North_Sales".             

例10-22 フィジカル・スタンバイに関するVALIDATE DATABASE STRICTオプション

次の例では、フィジカル・スタンバイに関するSTRICTの出力を示します。

DGMGRL> DGMGRL> VALIDATE DATABASE 'North_Sales' STRICT FLASHBACK;

  Database Role:     Physical standby database
  Primary Database:  'South_Sales'

  Ready for Switchover:  No
  Ready for Failover:    Yes (Primary Running)

  Flashback Database Status:
    Database  Status           Retention Target
    South_Sales      Off              1440  
    North_Sales     Off              1440  

  Managed by Clusterware:
    North_Sales :  NO            
    South_Sales:  NO            
    The static connect identifier allows for a connection to database "South_Sales".

  Parameter Settings:
    Parameter                       South_Sales Value        North_Sales Value
    DB_BLOCK_CHECKING               true                     true
    DB_BLOCK_CHECKSUM               true                     true
    DB_LOST_WRITE_PROTECT           AUTO                     AUTO             

例10-23 フィジカル・スタンバイに関するVALIDATE DATABASE STRICTオプション

次の例は、STRICT句のないフィジカル・スタンバイ出力を示しています:

DGMGRL> VALIDATE DATABASE 'North_Sales' ;

  Database Role: Physical standby database
  Primary Database: 'South_Sales'

  Ready for Switchover: Yes
  Ready for Failover: Yes (Primary Running)

  Flashback Database Status:
    Database Status Retention Target
    South_Sales Off 1440
    North_Sales Off 1440

  Managed by Clusterware:
    North_Sales : NO
    South_Sales: NO
    The static connect identifier allows for a connection to database "South_Sales".

  Parameter Settings:
    Parameter South_Sales Value North_Sales Value
    DB_BLOCK_CHECKING true true
    DB_BLOCK_CHECKSUM true true
    DB_LOST_WRITE_PROTECT AUTO AUTO

VALIDATE DATABASE DATAFILE

VALIDATE DATABASE DATAFILEコマンドは、プライマリ・データベースとスタンバイ・データベース全体のデータ・ファイルの検証を実行します。

データ・ファイルの検証では、いずれかのデータベースでの書込み欠落を検出します。

書式

VALIDATE DATABASE [VERBOSE] <db_unique_name> | ALL] DATAFILE { <datafile_name> | <datafile_number> | ALL } OUTPUT="output_file_name";

コマンド・パラメータ

db_unique_name

情報を表示するデータベースの名前。VERBOSEキーワードを使用する場合は、DB_UNIQUE_NAMEの前に指定する必要があります。そうしないとエラーが戻ります。

検証対象のデータベースがプライマリまたはALLの場合、すべてのスタンバイ・データベースのデータ・ファイルがプライマリのデータ・ファイルと比較されます。

検証対象のデータベースがスタンバイ・データベースの場合、そのデータ・ファイルがプライマリのデータ・ファイルと比較されます。

datafile_name | datafile_number
比較対象のデータファイルを名前(datafile_name)または番号(datafile_number)で指定できます。

datafile_nameは、検証される特定のデータファイルの名前です。

datafile_numberは、データファイルのファイル識別番号です(V$DATAFILEビューのFILE#列に表示されている)。

output_file_name
ブロック比較が完了しているかどうか、および書込み欠落があったかどうかを判断するためにチェックする必要がある、サーバー上に生成されるファイル。出力ファイルは、比較しているデータベースの診断のtraceディレクトリに作成されます。

使用上のノート

  • VALIDATE DATABASEコマンドが発行されると、データベースでデータ・ファイルの比較が開始されたことを示すメッセージが即時に戻りますが、これはデータ・ファイルの比較が完了したこと、またはデータ・ファイル間で書込み欠落がなかったことを意味するわけではありません。データ・ファイルの比較が完了したかどうか、または書込み欠落があったかどうかを判断するには、生成される出力ファイルをチェックする必要があります。

  • VERBOSEオプションを使用すると、指定されたデータ・ファイルのブロック内容をダンプできます。

コマンドの例

例: VALIDATE DATABASE DATAFILEを使用したデータ・ファイルの比較

次のコマンドでは、スタンバイのデータ・ファイルをプライマリのデータ・ファイルと比較します。出力は、dbcomp1.outという名前のファイルに送信されます。

DGMGRL> VALIDATE DATABASE boston DATAFILE ALL OUTPUT=dbcomp1.out;
Operation requires a connection to database "boston"
Connecting ...
Output files are created in /path/to/trace on host "standby-host"

次に、コマンドの出力例を示します。

     Client is connected to database: boston. Role: physical standby.

    ******************************
    Remote database chicago.
    remote db role: primary database

    Slave Id  0
    Summary:
    Different data block pairs: 66617

    Details:
***************************************************
    ID: Block Type Id
    TOTAL: Total number of blocks found
    DIFFV: Number of block pairs with different version
    LWLOC: Lost Writes at Local
    LWRMT: Lost Writes at Remote
    SAMEV: Number of block pairs with same version
    SAMEV&C: Number of block pairs with same version and checksum
    DIFFPAIR: Number of block pairs with same version but different contents
    ENCERR: Undecided blocks related to encryption/decrytion error.
            e.g. Wallet is not open.
    SKIPPED: Skipped blocks due to data corruption, direct load, etc

    ID TOTAL   DIFFV   LWLOC   LWRMT   SAMEV   SAMEV&C DIFFPAIR ENCERR SKIPPED
    02 0067698 0001032 0000000 0000000 0066666 0000049 0066617 0000000 0000000
    29 0000001 0000001 0000000 0000000 0000000 0000000 0000000 0000000 0000000
    30 0000125 0000001 0000000 0000000 0000124 0000124 0000000 0000000 0000000
    38 0000014 0000014 0000000 0000000 0000000 0000000 0000000 0000000 0000000

VALIDATE DATABASE SPFILE

VALIDATE DATABASE SPFILEコマンドは、プライマリ・データベースと指定されたスタンバイ・データベースのサーバー・パラメータ・ファイル(SPFILE)のエントリの比較を実行します。

サーバー・パラメータ・ファイルの検証では、プライマリと指定されたスタンバイ・データベース間のパラメータ値の不一致を検出するので、ロールの変更前にこれらを修正できます。これにより、ロールの変更後も、データベースのレベルをロールの変更前と同じレベルにします。また、このコマンドを使用すると、不適切なパラメータ設定を修正するためにデータベースを再起動することが不要になります。

書式

VALIDATE DATABASE [VERBOSE] <db_unique_name> SPFILE;

コマンド・パラメータ

db_unique_name

SPFILEの内容をプライマリ・データベースのSPFILEの内容と比較するスタンバイ・データベースのDB_UNIQUE_NAME初期化パラメータ値。

検証するデータベースがプライマリ・データベースの場合、コマンドがプライマリ・データベースで発行できないことを示すメッセージが戻されます。

検証するデータベースがスタンバイ・データベースの場合、プライマリ・データベースのサーバー・パラメータ・ファイルの値が、スタンバイ・データベースのサーバー・パラメータ・ファイルの値と比較されます。

使用上のノート

  • 差異がない場合、VALIDATE DATABASE SPFILEコマンドはNo parameter differences foundを報告します。差異が見つかった場合は、プライマリ・データベースと指定されたスタンバイ・データベースで異なる値を持つパラメータのリストが表示されます。

  • VALIDATE DATABASE SPFILEコマンドが発行されると、DGConnectIdentifierプロパティのそれぞれの値に基づいて、プライマリ・データベースと指定されたスタンバイ・データベースに接続します。コマンドは、接続の試行が正常に完了できない場合に失敗します。

  • 両方のデータベースのSPFILEのパラメータ設定のリストを表示するには、VERBOSEキーワードを使用します。
  • このコマンドでは、すべてのインスタンスに対して設定されているパラメータのみがチェックされます。特定のインスタンスに対して設定されているパラメータは除外されます。
    次のパラメータは、Data Guard Brokerによって管理されているかデータベース間で別々の値にできるため、チェックされません。
    • archive_lag_target、log_archive_config*、db_file_name_convert、log_archive_max_processes、log_archive_min_succeed_dest、log_file_name_convert、standby_file_management、log_archive_dest_n*、log_archive_dest_state_n*、db_unique_name、asm_diskgroups、asm_diskstring control_files fal_server*、db_create_file_dest、db_create_online_log_dest_1、db_create_online_log_dest_2、db_create_online_log_dest_3、db_create_online_log_dest_4、db_create_online_log_dest_5、db_recovery_file_dest、db_recovery_file_dest_size、dg_broker_config_file1、dg_broker_config_file2、dg_broker_start instance_groups、instance_mode instance_name、instance_number、instance_type、listener_networks、local_listener、log_archive_duplex_dest、log_archive_format、remote_listener、service_names spfile、standby_archive_dest

コマンドの例

例: VALIDATE DATABASE SPFILEを使用したサーバー・パラメータ・ファイルの値の比較

次に、指定されたスタンバイ・データベースとプライマリ・データベースでサーバー・パラメータ・ファイルの値の違いがない場合のVALIDATE DATABASE SPFILEコマンドの出力例を示します。

DGMGRL> VALIDATE DATABASE chicago SPFILE;
Connecting to "boston".

Connecting to "chicago".

No parameter differences found.

次に、指定されたスタンバイ・データベースとプライマリ・データベースでサーバー・パラメータ・ファイルの値の違い(異なる値または一方には指定されているがもう一方には指定されていない値)がある場合のVALIDATE DATABASE SPFILEコマンドの出力例を示します。

DGMGRL> VALIDATE DATABASE chicago SPFILE;
Connecting to "boston".

Connecting to "chicago".

Parameter settings with different values:

aq_tm_processes:
boston (PRIMARY) : 8
chicago          : 9

commit_point_strength:
boston (PRIMARY) : NOT SPECIFIED
chicago          : 255

sec_max_failed_login_attempts:
boston (PRIMARY) : 2
chicago          : NOT SPECIFIED

use_large_pages:
boston (PRIMARY) : TRUE
chicago          : NOT SPECIFIED
DGMGRL> 

VALIDATE DGConnectIdentifier

VALIDATE DGConnectIdentifierコマンドを使用すると、ユーザーは接続識別子がDGConnectidentifierプロパティに対して有効かどうかを確認できます。

各接続性チェックの接続識別子は、関連付けられたデータベースのDGConnectIdentifierプロパティに基づいて生成されます。

書式

VALIDATE DGConnectIdentifier <connect_identifier> ;

コマンド・パラメータ

connect_identifier

検証するOracle接続識別子。

使用上のノート

DGMGRLコマンドVALIDATE DGConnectIdentfierを使用すると、接続識別子がDGConnectidentifierプロパティに対して有効かどうかを確認できます。

構成が存在し、有効になっている場合、このコマンドは、すべての構成メンバーでそれを使用して接続できるかどうかを確認します。

このコマンドは、構成にメンバーを追加する前に使用することもできます。構成が存在しない場合、このコマンドは、DGMGRLが接続されているデータベースとインスタンスの接続識別子を検証します。

このコマンドは、すべてのメンバーのインスタンスごとに次を実行します。

  • インスタンスで接続文字列の変換済ネットワークを出力します

  • インスタンスでネットワーク構成に関連する環境変数を出力します
  • インスタンスで変換済ネットワーク・アドレスを使用して新しい接続を作成します
  • 接続テストが成功すると、接続データベースのインスタンス名およびdb_unique_nameが出力されます

コマンドの例

例1: 構成が存在する場合:

DGMGRL> validate dgconnectidentifier north_sales;
At instance sales1 of member 'South_Sales'
  north_sales translates to:
    (DESCRIPTION=(ADDRESS_LIST=(ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)(HOST=north.example.com)(PORT=2852)))(CONNECT_DATA=(SERVICE_NAME=north_sales.example.com)(SERVER=DEDICATED)))

  Environment Variables:
             TNS_ADMIN: /oracle/south_sales/network
           ORACLE_HOME: /oracle/south_sales/home
           ORACLE_BASE: /oracle/south_sales/base

  Initialization Parameters:
        LOCAL_LISTENER: south_listener

  Connected to instance 'sales1' at member 'North_Sales'

At instance 'sales1' of member 'North_Sales'
  north_sales translates to:
    (DESCRIPTION=(ADDRESS_LIST=(ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)(HOST=north.example.com)(PORT=2852)))(CONNECT_DATA=(SERVICE_NAME=north_sales.example.com)(SERVER=DEDICATED)))

  Environment Variables:
             TNS_ADMIN: /oracle/north_sales/network
           ORACLE_HOME: /oracle/north_sales/home
           ORACLE_BASE: /oracle/north_sales/base

  Initialization Parameters:
        LOCAL_LISTENER: north_listener

  Connected to instance 'sales1' at member 'North_Sales'

例2: 構成が存在しない場合:

DGMGRL> validate dgconnectidentifier north_sales;
At instance 'sales1' of member 'North_Sales'
  north_sales translates to:
    (DESCRIPTION=(ADDRESS_LIST=(ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)(HOST=north.example.com)(PORT=2852)))(CONNECT_DATA=(SERVICE_NAME=north_sales.example.com)(SERVER=DEDICATED)))

  Environment Variables:
             TNS_ADMIN: /oracle/south_sales/network
           ORACLE_HOME: /oracle/south_sales/home
           ORACLE_BASE: /oracle/south_sales/base
             GRID_HOME:

  Initialization Parameters:
        LOCAL_LISTENER: south_listener

  Connected to instance 'sales1' at member 'North_Sales'

例3: 認識されない接続識別子の場合:

DGMGRL> VALIDATE DGConnectIdentifier 'north_sales';
At instance 'NorthSales' of member 'North_Sales'
  north_sales translates to:
    (DESCRIPTION = (ADDRESS = (PROTOCOL = TCP)(HOST = sales1.example.com)(PORT = 1521)) (CONNECT_DATA = (SERVER = DEDICATED) (SERVICE_NAME = North_Sales.example.com)))

  Environment Variables:
             TNS_ADMIN: 
           ORACLE_HOME: /sales/oracle/product/23.0.0/db_1
           ORACLE_BASE: /sales/oracle

  Initialization Parameters:
        LOCAL_LISTENER: LISTENER_NORTHSALES

  Connected to instance 'NorthSales' at member 'North_Sales'

At instance 'SouthSales' of member 'South_Sales'
  north_sales translates to:
    (DESCRIPTION = (ADDRESS = (PROTOCOL = TCP)(HOST = sales1.example.com)(PORT = 1522)) (CONNECT_DATA = (SERVER = DEDICATED) (SERVICE_NAME = North_Sales.example.com)))

  Environment Variables:
             TNS_ADMIN: 
           ORACLE_HOME: /sales/oracle/product/23.0.0/db_1
           ORACLE_BASE: /sales/oracle

  Initialization Parameters:
        LOCAL_LISTENER: LISTENER_SOUTHSALES

  DGM-17565: Failed to connect using 'north_sales'.

DGM-17488: Warning: DGConnectIdentifer 'north_sales' does not have the same translation on all members.

例4: 接続テストが失敗した場合:

DGMGRL> VALIDATE DGConnectIdentifier 'north_sales';
At instance 'NorthSales' of member 'North_Sales'
  north_sales translates to:
    (DESCRIPTION = (ADDRESS = (PROTOCOL = TCP)(HOST = sales1.example.com)(PORT = 1521)) (CONNECT_DATA = (SERVER = DEDICATED) (SERVICE_NAME = NorthSales.example.com)))

  Environment Variables:
             TNS_ADMIN: 
           ORACLE_HOME: /sales/oracle/product/23.0.0/db_1
           ORACLE_BASE: /sales/oracle
             GRID_HOME: 

  Initialization Parameters:
        LOCAL_LISTENER: LISTENER_NORTHSALES

  DGM-17565: Failed to connect using 'north_sales'.

VALIDATE FAR_SYNC

VALIDATE FAR_SYNCコマンドは、遠隔同期インスタンスに対する一連の包括的なチェックを実行します。

チェックでは、Oracle Data Guardの様々なビューで使用可能な情報が使用されます。

書式

VALIDATE FAR_SYNC [VERBOSE] <db_unique_name>
    [WHEN PRIMARY IS <primary_db_unique_name>];

コマンド・パラメータ

db_unique_name

検証を実行するデータベースのDB_UNIQUE_NAME初期化パラメータ値。VERBOSEオプションを指定する場合は、db_unique_nameコマンド・パラメータの前に指定する必要があります。そうしないとエラーが戻ります。

primary_db_unique_name

遠隔同期インスタンスの検証は、プライマリ・データベースである指定のDB_UNIQUE_NAME初期化パラメータ値に基づいて実行されます。

使用上のノート

VALIDATE FAR_SYNCコマンドは、遠隔同期インスタンスの簡潔なサマリーを表示し、エラーまたは警告が検出された場合は報告します。VALIDATE FAR_SYNC VERBOSEコマンドは、簡潔なサマリーの全内容に加え、REDO転送関連情報を表示します。

コマンドの例

この項では、様々なシナリオにおけるVALIDATE FAR_SYNCコマンドの出力例を示しています。

例1: VALIDATE FAR_SYNCの簡潔出力

次の例では、遠隔同期インスタンスの簡潔な出力を示しています。

DGMGRL> VALIDATE FAR_SYNC FS;
 
    Member Role:        Far Sync Instance   
    When Primary Is:    North_Sales                
 
    Active Redo Source: North_Sales                
    Redo Destinations:                      
                        South_Sales               
 
    Thread #  Online Redo Log Groups  Standby Redo Log Groups Status       
              North_Sales             FS                                
    1         4                       5                       Sufficient SRLs

例2: VALIDATE FAR_SYNCの詳細出力

次の例では、遠隔同期インスタンスの冗長な出力を示しています。

DGMGRL> VALIDATE FAR_SYNC VERBOSE FS;
 
    Member Role:        Far Sync Instance   
    When Primary Is:    North_Sales                
 
    Active Redo Source: North_Sales                
    Redo Destinations:                      
                        South_Sales               
 
    Thread #  Online Redo Log Groups  Standby Redo Log Groups Status       
              North_Sales             FS                                
    1         4                       5                       Sufficient SRLs
 
  Transport-Related Information:
    Transport On:      Yes
    Gap Status:        No Gap
    Transport Lag:     0 seconds (computed 0 seconds ago)
    Transport Status:  Success

例3: South_Salesがプライマリの場合のVALIDATE FAR_SYNCの出力

次の例では、South_Salesデータベースをプライマリ・データベースとして指定したときの出力を示しています。

DGMGRL> VALIDATE FAR_SYNC FS WHEN PRIMARY IS 'South_Sales';
 
    Member Role:        Far Sync Instance   
    When Primary Is:    South_Sales               
    Redo Destinations:                      
                        North_Sales                
 
    Thread #  Online Redo Log Groups  Standby Redo Log Groups Status       
              South_Sales             FS                                
    1         4                       5                       Sufficient SRLs

VALIDATE FAST_START FAILOVER

VALIDATE FAST_START FAILOVERコマンドを使用すると、ファスト・スタート・フェイルオーバー構成を検証できます。これは、ファスト・スタート・フェイルオーバーの設定中または開始中に、構成ミスを識別します。

書式

VALIDATE FAST_START FAILOVER;

コマンド・パラメータ

なし。

使用上のノート

  • このコマンドは、ファスト・スタート・フェイルオーバー構成を検証し、次の情報をレポートします。

    • 設定が正しくないファスト・スタート・フェイルオーバー・プロパティ

      たとえば、ファスト・スタート・フェイルオーバーのしきい値が適切に設定されていないなどです。

    • ファスト・スタート・フェイルオーバーの有効化または開始を妨げる問題

      これには、ファスト・スタート・フェイルオーバーに必要な条件を満たしている場合でもファスト・スタート・フェイルオーバーを使用できなくなるような問題などがあります(たとえば、ファスト・スタート・フェイルオーバーが監視専用モードで有効になっているなど)。

    • ファスト・スタート・フェイルオーバーの開始後に実行されたアクションに影響する問題
    • ブローカ構成の安定性に影響を与える可能性がある問題
    • ファスト・スタート・フェイルオーバーのコールアウト構成スクリプトに関する問題

      ファスト・スタート・フェイルオーバー構成ファイルfsfocallout.oraの構文が正しいかどうか、およびコールアウト前スクリプトとコールアウト後スクリプトにアクセス可能かどうかが表示されます。

コマンドの例

例10-24 しきい値が小さい可能性があるファスト・スタート・フェイルオーバー構成の検証

次の例では、最大パフォーマンス・モードになっているブローカ構成を検証し、ファスト・スタート・フェイルオーバーをその構成に対して有効にできなくしている問題を識別します。

DGMGRL> VALIDATE FAST_START FAILOVER; 
  Fast-Start Failover:  Enabled in Potential Data Loss Mode 
  Protection Mode:     MaxPerformance 
  Primary:                   North_Sales
  Active Target:          South_Sales

Fast-Start Failover Not Possible: 
  Fast-Start Failover observer not started 

Post Fast-Start Failover Issues: 
  Flashback database disabled for database ‘dgv1’ 

Other issues: 
  FastStartFailoverThreshold may be too low for RAC databases. 

Fast-start failover callout configuration file "fsfocallout.ora" has the following issues:
  Invalid lines 
    foo=foo 
  The specified file "./precallout" contains a path.

例10-25 同期されていないファスト・スタート・フェイルオーバー構成の検証

この例では、通常モードで有効になっている、ファスト・スタート・フェイルオーバー構成を検証します。コールアウト・スクリプトは存在しておりその構文は間違っていません。唯一の問題は、構成が同期されていないということです。

DGMGRL> VALIDATE FAST_START FAILOVER;
  Fast-Start Failover:  Enabled in Observe-Only mode
  Protection Mode:     MaxPerformance
  Primary:                   North_Sales
  Active Target:           South_Sales

Fast-Start Failover not possible:
  Fast-start failover configuration is unsynchronized

VALIDATE NETWORK CONFIGURATION

VALIDATE NETWORK CONFIGURATIONコマンドは、構成のメンバー間のネットワーク接続性チェックを実行します。

各接続性チェックの接続識別子は、関連付けられたデータベースのDGConnectIdentifierプロパティに基づいて生成されます。

書式

VALIDATE NETWORK CONFIGURATION FOR { ALL | <db_unique_name> };

コマンド・パラメータ

db_unique_name

ネットワーク構成を検証するメンバーのDB_UNIQUE_NAME初期化パラメータ値。すべてのメンバーを検証する必要がある場合は、キーワードALLを指定します。

使用上のノート

  • このコマンドは静的接続識別子のチェックも実行します。

コマンドの例

例1: 特定のデータベース用のネットワーク構成の検証

DGMGRL> VALIDATE NETWORK CONFIGURATION FOR North_Sales; 

Connecting to instance "north_sales1" on database "North_Sales" ...

Checking connectivity from instance "north_sales1" on database "North_Sales to instance "south_sales1" on database "South_Sales"...

Succeeded.

Connecting to instance "north_sales6" on database "North_Sales" ...

Checking connectivity from instance "north_sales6" on database "North_Sales to instance "south_sales1" on database "South_Sales"...

Succeeded.

Connecting to instance "south_sales1" on database "South_Sales" ...

Checking connectivity from instance "south_sales1" on database "South_Sales to instance "north_sales1" on database "North_Sales"...

Succeeded.

Checking connectivity from instance "south_sales1" on database "South_Sales to instance "north_sales6" on database "North_Sales"...

Succeeded.

Oracle Clusterware on database "North_Sales" is available for database restart.

例2: 全メンバー用のネットワーク構成の検証

DGMGRL> VALIDATE NETWORK CONFIGURATION FOR ALL; 

Connecting to instance "north_sales1" on database "North_Sales" ...

Checking connectivity from instance "north_sales1" on database "North_Sales to instance "south_sales1" on database "South_Sales"...

Succeeded.

Connecting to instance "north_sales6" on database "North_Sales" ...

Checking connectivity from instance "north_sales6" on database "North_Sales to instance "south_sales1" on database "South_Sales"...

Succeeded.

Connecting to instance "south_sales1" on database "South_Sales" ...

Checking connectivity from instance "south_sales1" on database "South_Sales to instance "north_sales1" on database "North_Sales"...

Succeeded.

Checking connectivity from instance "south_sales1" on database "South_Sales to instance "north_sales6" on database "North_Sales"...

Succeeded.

Oracle Clusterware on database "North_Sales" is available for database restart.

Oracle Clusterware is not configured on database "South_Sales".
Connecting to database "South_Sales" using static connect identifier "(DESCRIPTION=(ADDRESS_LIST=(ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)(HOST=<nodename>)((PORT=.*))))(CONNECT_DATA=(SERVICE_NAME=South_Sales_DGMGRL.example.com)(INSTANCE_NAME=south_sales1)(SERVER=DEDICATED)(STATIC_SERVICE=TRUE)))" ...
Succeeded.

The static connect identifier allows for a connection to database "South_Sales".

VALIDATE PLUGGABLE DATABASE

VALIDATE DATABASEコマンドは、ロール変更に先立って包括的なデータベース・チェックを実行します。

チェックでは、様々なOracle Data Guardビューや自動診断リポジトリで入手できる情報を使用します。

書式

VALIDATE PLUGGABLE DATABASE [VERBOSE] <database_name> [ STRICT 
    { TEMP_FILES | FLASHBACK | LOG_FILES_CLEARED | LOG_FILE_CONFIGURATION | APPLY_PROPERTY | 
      TRANSPORT_PROPERTY | ALL } [ <strict_option> ... <strict_option> ] ];

コマンド・パラメータ

database_name

情報を表示するデータベースの名前。VERBOSEキーワードを使用する場合は、database_nameの前に指定する必要があります。そうしないとエラーが戻ります。

使用上のノート

VALIDATE DATABASEコマンドは、データベースのサマリーを表示し、エラーまたは警告が検出されたらレポートします。VALIDATE DATABASE VERBOSEは、簡潔なサマリーの全内容に加え、検証されたすべての項目を表示します。

コマンドの例

この項の例は、プライマリおよびスタンバイ・データベースでのVALIDATE DATABASEコマンドの出力の、簡潔表示と詳細表示の例を示します。

例10-26 プライマリに対するVALIDATE DATABASEの簡潔出力

次の例は、プライマリ・データベースの簡潔出力を示します。


DGMGRL> VALIDATE DATABASE South_Sales;

  Database Role:    Primary database

  Ready for Switchover:  Yes

  Managed by Clusterware:
    South_Sales:  YES             

例10-27 フィジカル・スタンバイに対するVALIDATE DATABASEの簡潔出力

次の例は、フィジカル・スタンバイ・データベースの簡潔出力を示します。

DGMGRL> VALIDATE DATABASE North_Sales;

  Database Role:     Physical standby database
  Primary Database:  South_Sales

  Ready for Switchover:  Yes
  Ready for Failover:    Yes (Primary Running)

  Managed by Clusterware:
    South_Sales :  NO             
    North_Sales:  NO             
    The static connect identifier allows for a connection to database "South_Sales".

  Parameter Settings:
    Parameter                       South_Sales Value        North_Sales Value
    DB_BLOCK_CHECKING               true                     true
    DB_BLOCK_CHECKSUM               true                     true
    DB_LOST_WRITE_PROTECT           NONE                     NONE

例10-28 プライマリに対するVALIDATE DATABASEの詳細出力

次の例は、プライマリ・データベースの詳細出力を示します。

DGMGRL> VALIDATE DATABASE VERBOSE South_Sales;

  Database Role:    Primary database

  Ready for Switchover:  Yes

  Flashback Database Status:
    Database         Status           Retention Target
    South_Sales      On               1440   

  Capacity Information:
    Database         Instances        Threads        
    South_Sales      1                1              

  Managed by Clusterware:
    South_Sales:  NO             
    The static connect identifier allows for a connection to database "South_Sales".

  Temporary Tablespace File Information:
    South_Sales TEMP Files:  1

  Data file Online Move in Progress:
    South_Sales:  No

  Transport-Related Information:
    Transport On:  Yes

  Log Files Cleared:
    South_Sales Standby Redo Log Files:  Cleared

例10-29 フィジカル・スタンバイに対するVALIDATE DATABASEの詳細出力

次のコマンドは、フィジカル・スタンバイ・データベースの詳細出力を示します。

DGMGRL> validate database verbose North_Sales

  Database Role:     Physical standby database
  Primary Database:  South_Sales

  Ready for Switchover:  Yes
  Ready for Failover:    Yes (Primary Running)

  Flashback Database Status:
    Database         Status           Retention Target
    South_Sales      On               1440   
    North_Sales      On               1440   

  Capacity Information:
    Database  Instances        Threads        
    South_Sales      1                1              
    North_Sales      1                1              

  Managed by Clusterware:
    South_Sales :  NO             
    North_Sales:   NO             
    The static connect identifier allows for a connection to database "South_Sales".

  Temporary Tablespace File Information:
    South_Sales TEMP Files:   1
    North_Sales TEMP Files:   1

  Data file Online Move in Progress:
    South_Sales:   No
    North_Sales:   No

  Standby Apply-Related Information:
    Apply State:      Running
    Apply Lag:        0 seconds (computed 0 seconds ago)
    Apply Delay:      0 minutes

  Transport-Related Information:
    Transport On:  Yes
    Gap Status:    No Gap
    Transport Lag:  0 seconds (computed 0 seconds ago)
    Transport Status:  Success

  Log Files Cleared:
    South_Sales Standby Redo Log Files:   Cleared
    North_Sales Online Redo Log Files:   Cleared
    North_Sales Standby Redo Log Files:  Available

  Current Log File Groups Configuration:
    Thread #  Online Redo Log Groups  Standby Redo Log Groups 
              (South_Sales)                  (North_Sales)                 
    1         4                       5                       

  Future Log File Groups Configuration:
    Thread #  Online Redo Log Groups  Standby Redo Log Groups 
              (North_Sales)                 (South_Sales)                  
    1         4                       5                       

  Current Configuration Log File Sizes:
    Thread #   Smallest Online Redo      Smallest Standby Redo    
               Log File Size             Log File Size            
               (South_Sales)                    (North_Sales)                  
    1          25 MBytes                 25 MBytes                

  Future Configuration Log File Sizes:
    Thread #   Smallest Online Redo      Smallest Standby Redo    
               Log File Size             Log File Size            
               (North_Sales)                   (South_Sales)                   
    1          25 MBytes                 25 MBytes                

  Apply-Related Property Settings:
    Property                        South_Sales Value               North_Sales Value
    DelayMins                       0                        0
    ApplyParallel                   AUTO                     AUTO
    ApplyInstances                  0                        0

  Transport-Related Property Settings:
    Property                        South_Sales Value               North_Sales Value
    LogShipping                     ON                       ON
    LogXptMode                      ASYNC                    ASYNC
    Dependency                      <empty>                  <empty>
    DelayMins                       0                        0
    Binding                         optional                 optional
    MaxFailure                      0                        0
    ReopenSecs                      30                       30
    NetTimeout                      300                      300
    RedoCompression                 DISABLE                  DISABLE

  Parameter Settings:
    Parameter                       South_Sales Value               North_Sales Value
    DB_BLOCK_CHECKING               true                     true
    DB_BLOCK_CHECKSUM               true                     true
    DB_LOST_WRITE_PROTECT           NONE                     NONE

例10-30 プライマリに関するVALIDATE DATABASE STRICTオプション

次の例では、プライマリに関するSTRICTの出力を示します。

DDGMGRL> VALIDATE DATABASE 'North_Sales' STRICT ALL;

  Database Role:    Primary database

  Ready for Switchover:  No

  Flashback Database Status:
    Database     Status           Retention Target
    North_Sales  Off              1440  
    South_Sales  On               1440  

  Managed by Clusterware:
    North_Sales:  NO            
    The static connect identifier allows for a connection to database "North_Sales".             

例10-31 フィジカル・スタンバイに関するVALIDATE DATABASE STRICTオプション

次の例では、フィジカル・スタンバイに関するSTRICTの出力を示します。

DGMGRL> DGMGRL> VALIDATE DATABASE 'North_Sales' STRICT FLASHBACK;

  Database Role:     Physical standby database
  Primary Database:  'South_Sales'

  Ready for Switchover:  No
  Ready for Failover:    Yes (Primary Running)

  Flashback Database Status:
    Database  Status           Retention Target
    South_Sales      Off              1440  
    North_Sales     Off              1440  

  Managed by Clusterware:
    North_Sales :  NO            
    South_Sales:  NO            
    The static connect identifier allows for a connection to database "South_Sales".

  Parameter Settings:
    Parameter                       South_Sales Value        North_Sales Value
    DB_BLOCK_CHECKING               true                     true
    DB_BLOCK_CHECKSUM               true                     true
    DB_LOST_WRITE_PROTECT           AUTO                     AUTO             

VALIDATE STATIC CONNECT IDENTIFIER

VALIDATE STATIC CONNECT IDENTIFIERコマンドは、データベースの静的接続識別子を検証します。

この検証を実行するには、ブローカはデータベースのStaticConnectIdentiferプロパティに基づいた静的接続識別子を使用してデータベースへの新規接続を作成します。新しい属性STATIC_SERVICE=TRUEを接続識別子に追加して、動的サービスではなく静的サービスのみを使用してデータベースへの接続を確立します。

書式

VALIDATE STATIC CONNECT IDENTIFIER FOR { ALL | <db_unique_name> };

コマンド・パラメータ

db_unique_name

ネットワーク静的接続識別子を検証するメンバーのDB_UNIQUE_NAME初期化パラメータ値。すべてのメンバーを検証する必要がある場合は、キーワードALLを指定します。

使用上のノート

  • なし

コマンドの例

例1: Oracle Clusterwareが構成されているデータベースの静的接続識別子の検証

DGMGRL> VALIDATE STATIC CONNECT IDENTIFIER FOR North_Sales; 

Oracle Clusterware on database "North_Sales" is available for database restart.

例2: Oracle Clusterwareが構成されていないデータベースの静的接続識別子の検証

DGMGRL> VALIDATE STATIC CONNECT IDENTIFIER FOR South_Sales; 

Oracle Clusterware is not configured on database "South_Sales".
Connecting to database "South_Sales" using static connect identifier "(DESCRIPTION=(ADDRESS_LIST=(ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)(HOST=<nodename>)((PORT=.*))))(CONNECT_DATA=(SERVICE_NAME=South_Sales_DGMGRL.example.com)(INSTANCE_NAME=tkdg2_sid)(SERVER=DEDICATED)(STATIC_SERVICE=TRUE)))" ...

Succeeded.

The static connect identifier allows for a connection to database "South_Sales".

例1: すべてのデータベースの静的接続識別子の検証

DGMGRL> VALIDATE STATIC CONNECT IDENTIFIER FOR all; 

Oracle Clusterware on database "North_Sales" is available for database restart.

Oracle Clusterware is not configured on database "South_Sales".
Connecting to database "South_Sales" using static connect identifier "(DESCRIPTION=(ADDRESS_LIST=(ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)(HOST=<nodename>)((PORT=.*))))(CONNECT_DATA=(SERVICE_NAME=South_Sales_DGMGRL.example.com)(INSTANCE_NAME=tkdg2_sid)(SERVER=DEDICATED)(STATIC_SERVICE=TRUE)))" ...

Succeeded.

The static connect identifier allows for a connection to database "South_Sales".