10 Oracle Data Guardコマンドライン・インタフェース・リファレンス
コマンド・リファレンスを使用して、Data Guard Brokerコマンドライン・インタフェース(DGMGRL)でブローカ構成を管理する方法を確認します。
DGMGRLを使用すると、Data Guard Broker構成とその様々なメンバーを、コマンドラインから直接、あるいはバッチ・プログラムやスクリプトから管理できます。Data Guard Brokerコマンドライン・インタフェースは、Data Guard構成を管理するためのOracle Enterprise Manager Cloud Control (Cloud Control)の代替手段として使用できます。
ノート:
マルチテナント・コンテナ・データベースが、Oracle Database 21c以降のリリースで唯一サポートされているアーキテクチャです。ドキュメントが改訂されている間は、従来の用語が残っている可能性があります。ほとんどの場合、「データベース」と「非CDB」は、コンテキストに応じてCDBまたはPDBを指しています。アップグレードなど、一部のコンテキストでは、「非CDB」が以前のリリースの非CDBを指している場合もあります。
Data Guardコマンドライン・インタフェースの起動
Data Guardコマンドライン・インタフェース(DGMGRL)を起動するには、Oracleがインストールされているシステム上で、コマンドライン・プロンプトから「dgmgrl
」と入力します。
DGMGRLのオプション・パラメータ
コマンドラインからオプション・パラメータを入力して、Data Guardコマンドライン・インタフェースでの出力の表示方法を指定できます。
出力には、コマンド・プロンプト、バナーおよびメッセージなどの項目が含まれます。
また、単一コマンド・モードも使用可能です。このモードのDGMGRLでは、1つのコマンドが実行され、そのコマンドの終了時にDGMGRLも終了します。終了コードとしてコマンドの結果が戻されます。終了コードが0であれば、コマンドは正常終了しています。それ以外の場合は、エラーがあります。
DGMGRLのコマンドラインは次のとおりです。
% dgmgrl [<options>] [<logon> [<command>] ]
DGMGRLコマンドライン・インタフェースの起動時に、次の任意のキーワードを指定します。
-
<options>
には、次のいずれか1つを選択できます。-
-echo
コマンドの入力と出力をデフォルトの表示デバイスに表示します。このパラメータを使用しない場合、コマンドからの出力のみが表示されます。
-
-logfile
<file-spec> "<dgmgrl-command>"DGMGRLコマンドライン・インタフェースの処理情報を取得するファイルを指定します。
ノート:
DGMGRLの-logfile
オプションは、Oracle Database 12cリリース2 (12.2.0.1)では非推奨です。下位互換性のためにのみサポートされています。かわりに、START OBSERVER
コマンドでLOGFILE IS
句を使用してログ・ファイルが指定されるようになりました。関連項目:
-
-silent
DGMGRLのコマンド・プロンプト(
DGMGRL>
)をデフォルトの表示デバイスに表示しません。このオプションは、コマンド出力をファイルまたは他の表示ツールに送る場合に役立ちます。
-
-
<logon>
は次のとおりです。-
username [@connect-identifier]
データベースに接続するには、
username
と、オプションでconnect-identifier
を入力します。次に、パスワードの入力を求められます。connect-identifierは、完全指定の接続記述子であり、簡易接続を含むOracleネーミング・メソッド(TNSなど)により解決される名前です。完全指定の接続記述子が使用されている場合は、引用符を含める必要があります。引用符がないと、invalid option
エラーで接続が失敗します。次に、引用符を使用して接続する例を示します。dgmgrl sys@'(DESCRIPTION=(ADDRESS_LIST=(ADDRESS=(PROTOCOL=TCP)(HOST=sales-server)(PORT=1521))) (CONNECT_DATA=(SERVICE_NAME=sales.us.example.com)))'
Enter password: password
完全指定の接続記述子を使用するか、簡易接続ネーミング・メソッドを使用するかに関係なく、接続識別子の指定には次のすべての構文が有効です(パスワードの入力を要求されます)。
-
dgmgrl username@'connect_identifier'
-
dgmgrl username@"connect_identifier"
-
dgmgrl username@"'connect_identifier'"
警告:
DGMGRLの起動時にコマンドラインでパスワードを指定することには、安全上のリスクがあります。このリスクは、DGMGRLの起動時はパスワードを省略し、後で求められたときに入力するか、外部の認証方式を使用することで回避できます。
-
-
オペレーティング・システム認証(リモート・データベースの再起動を除く)、Secure Sockets Layer(SSL)プロトコルまたはウォレットに格納されたデータベース資格証明を使用する場合は、'/'として接続できます。
-
-
<command>
は1つのコマンドです。たとえば:
dgmgrl sys "show database 'North_Sales'"
Password
: パスワード
次の各項で、DGMGRL>
コマンド・プロンプトから入力するコマンドの書式について説明します。
DGMGRLコマンドの書式とパラメータ
DGMGRLコマンドを使用すると、一度に1つのブローカ構成を作成およびメンテナンスできます。
表10-1 DGMGRLコマンドの概要
コマンド | 効果 |
---|---|
@ (アットマーク)コマンド | DGMGRLスクリプトを実行します。 |
/ (スラッシュ)コマンド |
DGMGRLコマンド・プロンプトで最後に入力したコマンドを繰り返します。 |
現在の構成にブローカ構成を追加することで、2つのData Guardブローカ構成間の関係を追加します。 |
|
既存のブローカ構成に新しいスタンバイ・データベースを追加します。 |
|
既存のブローカ構成に新しいスタンバイ・データベースを追加します。 |
|
指定のユーザー名を使用して指定のデータベースに接続します。 |
|
指定されたデータベースをスナップショット・スタンバイ・データベースまたはフィジカル・スタンバイ・データベースに変換します。 |
|
ブローカ構成を作成し、プライマリ・データベースをその構成に追加します。 |
|
構成とそのすべてのデータベースがブローカによる管理対象から外れるように、構成のブローカ管理を無効化します。 |
|
指定したスタンバイ・データベースのブローカ管理を無効化します。 |
|
遠隔同期インスタンスのブローカ管理を無効にします。 |
|
ファスト・スタート・フェイルオーバーを無効化します。 |
|
ユーザーによるファスト・スタート・フェイルオーバーの実行条件の削除を可能にします。 |
|
DISABLE RECOVERY_APPLIANCE | 指定したZero Data Loss Recovery Appliance (リカバリ・アプライアンス)のブローカ管理を無効にします。 |
ブローカ構成内のすべてのメンバーに対して、指定されたパラメータの値をリセットします。 |
|
ブローカ構成内のすべてのメンバーに対して、指定されたプロパティの値をリセットします。 |
|
ブローカ構成内のすべてのメンバーに対して、指定されたパラメータの値を変更します。 |
|
ブローカ構成内のすべてのメンバーに対して、指定された構成可能プロパティの値を変更します。 |
|
ブローカ構成のプロパティ値を変更します。 |
|
ブローカ構成の現在の保護モード設定を変更します。 |
|
構成名を変更します。 |
|
指定された構成プロパティをそのデフォルト値にリセットします。 |
|
指定したデータベースのプロパティ値を変更します。 |
|
指定したデータベースのデータベース初期化パラメータの値を変更します。 |
|
ブローカにより指定したデータベースの参照に使用される名前を変更します。 |
|
指定したデータベースの状態を変更します。 |
|
指定されたデータベースの指定されたプロパティをそのデフォルト値にリセットします。 |
|
指定したデータベースの指定されたデータベース初期化パラメータの値をリセットします。 |
|
遠隔同期インスタンスの名前、状態またはプロパティを変更します。 |
|
指定された遠隔同期インスタンスの指定されたプロパティをそのデフォルト値にリセットします。 |
|
EDIT FAR_SYNC RESET (パラメータ) |
指定した同期インスタンスの指定されたデータベース初期化パラメータの値をリセットします |
EDIT RECOVERY_APPLIANCE (プロパティ) | 指定したZero Data Loss Recovery Appliance (リカバリ・アプライアンス)のプロパティ値を変更します。 |
EDIT RECOVERY_APPLIANCE (名前の変更) | ブローカ構成内の該当するリカバリ・アプライアンスのプロファイルに記録されているように、指定したZero Data Loss Recovery Appliance (リカバリ・アプライアンス)を参照するためにブローカで使用する名前を変更します。 |
EDIT RECOVERY_APPLIANCE RESET (プロパティ) | 指定されたZero Data Loss Recovery Appliance (リカバリ・アプライアンス)の指定されたプロパティを、そのデフォルト値にリセットします。 |
ブローカ構成とそのすべてのデータベースのブローカ管理を有効化します。 |
|
指定したデータベースのブローカ管理を有効化します。 |
|
指定した遠隔同期インスタンスのブローカ管理を有効化します。 |
|
ブローカによるプライマリ・データベースからターゲット・スタンバイ・データベースへの自動的なフェイルオーバーを可能にします。 |
|
ユーザーによるファスト・スタート・フェイルオーバーの実行条件の追加を可能にします。 |
|
ENABLE RECOVERY_APPLIANCE | 指定したZero Data Loss Recovery Appliance (リカバリ・アプライアンス)のブローカ管理を有効化します。 |
Data Guardコマンドライン・インタフェースを終了します。 |
|
EXPORT CONFIGURATION |
ブローカ構成ファイルに格納されているメタデータをテキスト・ファイルに保存します。 |
データベースまたはプラガブル・データベースのフェイルオーバー操作を実行します。この操作では、現在DGMGRLが接続しているスタンバイ・データベースが、プライマリ・データベースのロールにフェイルオーバーされます。 |
|
Data Guardコマンドライン・インタフェースのオンライン・ヘルプを表示します。 |
|
HOSTまたは! (感嘆符) |
DGMGRLを離れることなく、DGMGRLコンソールから直接オペレーティング・システム・コマンドを実行します。 |
IMPORT CONFIGURATION |
|
MIGRATE PLUGGABLE DATABASE | 同じホスト上のCDB間でPDBを移行します。 |
PREPARE DATABASE FOR DATA GUARD | Data Guard環境用のプライマリ・データベースを準備します。 |
Data Guardコマンドライン・インタフェースを終了します。 |
|
フェイルオーバー後、データベースを回復します。 |
|
ブローカ構成を削除し、そのメンバーのブローカ管理を終了します。 |
|
指定したスタンバイ・データベースをブローカ構成から削除します。 |
|
指定したプラガブル・データベースをブローカ構成から削除します。 |
|
既存の遠隔同期インスタンスをOracle Data Guard Broker構成から削除します。 |
|
ブローカ構成からインスタンスを削除します。 |
|
REMOVE RECOVERY_APPLIANCE | 指定したZero Data Loss Recovery Appliance (リカバリ・アプライアンス)をブローカ構成から削除し、そのリカバリ・アプライアンスのブローカ管理を終了します。 |
SET ECHO | コマンドライン・プロンプトまたはDGMGRLスクリプトから発行されるコマンドをエコーするかどうかを制御します。 |
SET FAST_START FAILOVER TARGET |
ファストスタート・フェイルオーバーのターゲットを、指定されたスタンバイ・データベースに設定します。 |
SET MASTEROBSERVER TO |
どのオブザーバをマスター・オブザーバとして認識するか、手動で変更できます。 |
SET MASTEROBSERVERHOSTS |
ブローカ構成のマスター・オブザーバをターゲット・ホスト上のオブザーバに設定します。 |
SET ObserverConfigFile |
オブザーバ構成ファイルのフルパスとファイル名を設定します。 |
SET TIME | タイムスタンプ出力のオン/オフを切り替えます。 |
SET TRACE_LEVEL | DGMGRLによって取得されるトレースの量を指定します。 |
SHOW ALL | DGMGRL CLIプロパティの値を表示します。 |
構成内のすべてのメンバーについて、指定された初期化パラメータの値を表示します。 |
|
構成内のすべてのメンバーについて、指定したプロパティの値を表示します。 |
|
ブローカ構成に関する情報を表示します。 |
|
指定したデータベースがプライマリ・データベースであった場合に有効になるREDO転送構成を表示します。 |
|
指定したデータベースがプライマリ・データベースであった場合に有効になるREDO転送構成を表示します。 |
|
指定したデータベースに関する情報を表示します。 |
|
遠隔同期インスタンスに関する情報を表示します。 |
|
すべてのファスト・スタート・フェイルオーバー関連情報を表示します。 |
|
指定したインスタンスに関する情報を表示します。 |
|
SHOW OBSERVER |
Data Guard Broker構成内のすべての登録済オブザーバに関する情報を表示します。 |
SHOW PLUGGABLE DATABASE |
指定したプラガブル・データベースに関する情報を表示します。 |
SHOW ObserverConfigFile |
|
SHOW OBSERVERS |
特定の構成グループのすべてのブローカ構成の、すべてのオブザーバに関する情報を表示します。 |
SHOW RECOVERY_APPLIANCE | 指定したZero Data Loss Recovery Appliance (リカバリ・アプライアンス)の情報またはプロパティ値を表示します。 |
現在実行中のOracleデータベースを停止します。 |
|
SPOOL | DGMGRLの入出力をファイルに記録します。 |
Data Guardコマンドライン・インタフェース(DGMGRL)からのSQL文の入力を許可します。 |
|
オブザーバを起動します。 |
|
START OBSERVER IN BACKGROUND |
DGMGRLセッションを実行中のホスト上で、ファスト・スタート・フェイルオーバー・オブザーバをバックグラウンド・プロセスとして開始します。 |
START OBSERVING |
指定したグループの各ブローカ構成に対応する新規オブザーバを起動します。 |
データベースのマウントやオープンなど、SQL*Plusと同じオプションを指定してOracleインスタンスを起動します。 |
|
オブザーバを停止します。 |
|
STOP OBSERVING |
このDGMGRLセッションを実行中のホスト上で動作している、特定のグループのすべてのブローカ構成のローカル・オブザーバをすべて停止します。 |
スイッチオーバー操作を実行します。現行のプライマリ・データベースがスタンバイ・データベースになり、指定したスタンバイ・データベースがプライマリ・データベースになります。 |
|
ロール変更に先立って包括的なデータベース・チェックを実行します。 |
|
VALIDATE DATABASE DATAFILE | プライマリ・データベースとスタンバイ・データベース全体のデータ・ファイルの検証を実行します。 |
VALIDATE DATABASE SPFILE | プライマリ・データベースと指定されたスタンバイ・データベースのサーバー・パラメータ・ファイル(SPFILE)のエントリの比較を実行します。 |
VALIDATE DGConnectIdentifier | ユーザーは接続文字列がDGConnectidentifierプロパティに対して有効かどうかを確認できます。 |
遠隔同期インスタンスに対する一連の包括的なチェックを実行します。 |
|
ファスト・スタート・フェイルオーバーの構成設定を検証します。 |
|
VALIDATE NETWORK CONFIGURATION | 構成のメンバー間のネットワーク接続性チェックを実行します。 |
VALIDATE PLUGGABLE DATABASE | ロール変更に先立って包括的なプラガブル・データベース・チェックを実行します。 |
VALIDATE STATIC CONNECT IDENTIFIER | データベースの静的接続識別子を検証します。 |
DGMGRLコマンドの使用上のノート
このリストの項目では、DGMGRLに固有の使用上のノートについて説明します。
-
Clusterware内で構成されていないデータベースの再起動を必要とするブローカ操作を有効にするには、データベースを含むホスト上の静的サービスとともにOracle Net Servicesを構成する必要があります。デフォルトでは、ブローカは
<db_unique_name>_DGMGRL.<db_domain>
という名前の静的サービスを想定します。静的サービス名が異なる場合、データベースのStaticConnectIdentifier
ブローカ・プロパティを構成済の静的サービスを参照する接続識別子に更新する必要があります。特に、listener.ora
ファイルにインスタンスの静的構成情報が含まれている必要があります。GLOBAL_DBNAME
属性を、<db_unique_name>
_DGMGRL.
<db_domain
>に設定する必要があります。単一インスタンス・データベースでデータベースがOracle ClusterwareまたはOracle Restartで管理されている場合、この操作は必要ありません。詳細は、「前提条件」を参照してください。 - 次の条件を満たす場合、DGMGRLはデータベース・インスタンスを自動的に停止して再起動します。
- instance-nameはSIDです(Cloud ControlとDGMGRLに適用されます)。
- ブローカは、最後の
CONNECT
コマンドが別のデータベースへの接続に使用された場合でも、最後のCONNECT
コマンドに指定された資格証明を使用してデータベースに接続できる必要があります。
-
構成の作成時またはデータベースの追加時に使用する接続識別子は、構成内のすべてのホストから解決可能である必要があります。
-
Oracle Data Guardコマンドライン・インタフェースを使用するには、
SYSDG
またはSYSDBA
権限が必要です。CONNECT
コマンドにAS SYSDG
またはAS SYSDBA
を含めないと、DGMGRLは先にAS SYSDG
接続を試み、それが失敗したら、AS SYSDBA
接続を試みます。ほとんどのコマンドはSYSDG
またはSYSDBA
のいずれかの権限で実行できますが、構成メンバーを作成または大幅に変更する一部のコマンドはSYSDBA
権限でのみ実行できます。 -
コマンドで複数のオプションを指定する場合、指定する順序は問われません。
-
各DGMGRLコマンドの末尾にセミコロンを付ける必要があります。
-
DGMGRLコマンド文字列の値で指定する文字は、二重引用符(")または一重引用符(')で囲まれていない場合、小文字として解釈されます。たとえば、databaseとDatAbaSeは同じですが、"database"と"DatAbaSe"は異なります。
-
一重引用符(')、二重引用符(")およびバックスラッシュ(\)が文字列に含まれている場合は、これらの文字のエスケープ文字としてバックスラッシュ(\)を使用できます。
コマンドの例
例10-1 ローカル・システム上のデータベース・インスタンスへの接続
この例では、ローカル・システム上のデータベース・インスタンスに接続する方法を示します。
% dgmgrl
.
.
.
Welcome to DGMGRL, type "help" for information.
DGMGRL> CONNECT sysdg;
Password: password
Connected to "North_Sales"
Connected as SYSDG.
例10-2 リモート・システム上のデータベース・インスタンスへの接続
この例では、リモート・システム上のデータベース・インスタンスに接続する方法を示します。
DGMGRL> CONNECT sysdg@remote-stby;
Password: password
Connected to "remote-stdby"
Connected as SYSDG.
例10-3 ASオプションを使用した接続
この例では、CONNECT AS
オプションを使用してデータベース・インスタンスに接続する方法を示します。
DGMGRL> CONNECT sys@remote-stby AS SYSDBA;
Password: password
Connected to "remote-stdby"
Connect as SYSDBA.
Data Guardコマンドライン・インタフェースの終了
DGMGRLインタフェースでの作業を完了し、オペレーティング・システムに戻るには、EXIT
またはQUIT
コマンドを入力します。
たとえば:
DGMGRL> EXIT;
@ (アットマーク)コマンド
@コマンドを使用すると、スクリプト・ファイルに保存されているDGMGRLコマンドを実行できます。
一連のコマンドをスクリプト・ファイルに入力してから、@コマンドを使用してそのファイルを実行できます。スクリプト内に含まれているコマンドが順に実行されます。
書式
DGMGRL内での書式は次のとおりです。
DGMGRL> @<script_file_name>
コマンド・パラメータ
フラグ | 説明 |
---|---|
-echo | スクリプト内のすべてのコマンドと、その実行結果を表示します。 |
使用上のノート
このコマンドを使用して実行するスクリプトは、次の条件を満たしている必要があります。
-
DGMGRLがスクリプトにアクセスできる必要があります。できない場合、DGMGRLではファイルを開けないため、コマンドは失敗します。
-
スクリプト内のすべてのDGMGRLコマンドがセミコロンで終了している必要があります。
-
@コマンドの再帰実行は可能ですが、再帰レベルの上限は20です。再帰レベルが20に達すると、実行は終了され、未実行のコマンドは実行されません。そのため、@コマンドの自己再帰的な実行(たとえば、abc.scriptスクリプト自体に@abc.scriptコマンドを入力する)を使用する場合には注意が必要です。
-
スクリプト内に
START OBSERVER
コマンドがある場合、START OBSERVER
コマンドによってDGMGRLセッションがオブザーバに移行されるため、このコマンド以降に出現するコマンドはすべて無視されます。START OBSERVER IN BACKGROUND
コマンドは、通常のコマンドとして処理されます。つまり、このコマンド以降に出現するコマンドはすべて実行されます。 -
コメント行はスクリプト内で使用できますが、セミコロンで終了している必要があります。たとえば、次のコメントはスクリプト内で使用できます。
REM Hello World; -- Hello Again!;
二重ダッシュの後に空白文字を入れてから、コメント・テキストを続ける必要があります。
/ (スラッシュ)コマンド
DGMGRLの/ (スラッシュ)コマンドは、コマンド・プロンプトで最後に入力したコマンドを繰り返す場合に使用します。
書式
DGMGRL> /
使用上のノート
-
次のコマンドは、/ (スラッシュ)コマンドを使用して繰り返すことはできません。
-
RETURN
-
認識できないコマンド
-
CONNECT
コマンド(資格証明が含まれている可能性があるため) -
/ (スラッシュ)コマンド自体
-
コマンドの例
次の例では、/ (スラッシュ)コマンドを使用して、簡単にSHOW CONFIGURATION
コマンドを繰り返します。
DGMGRL> SHOW CONFIGURATION;
Configuration - Sales_Configuration
Protection Mode: MaxAvailability
Members:
North_Sales - Primary database
Local_Sales - Physical standby database
Remote_Sales - Physical standby database (receiving current redo)
Fast-Start Failover: DISABLED
Configuration Status:
SUCCESS
DGMGRL> /
Configuration - Sales_Configuration
Protection Mode: MaxAvailability
Members:
North_Sales - Primary database
Local_Sales - Physical standby database
Remote_Sales - Physical standby database (receiving current redo)
Fast-Start Failover: DISABLED
Configuration Status:
SUCCESS
DGMGRL>
ADD CONFIGURATION
ADD CONFIGURATION
コマンドは、現在の構成にブローカ構成を追加することで、2つのData Guardブローカ構成間の関係を確立します。
前提条件
-
従来のData Guardは、スタンバイ・データベースを介して構成しないでください。
-
初期化パラメータ
DG_BROKER_START
は、TRUE
に設定されている必要があります。 -
DG_BROKER_CONFIG_FILE
パラメータは正しく構成する必要があります。 -
ソースCDBおよびターゲットCDBにサーバー・パラメータ・ファイル(spfile)を作成する必要があります。
書式
ADD CONFIGURATION <configuration_name> CONNECT IDENTIFIER IS <connect_identifier>;
パラメータ
パラメータ | 説明 |
---|---|
configuration_name |
追加する必要があるブローカ構成の名前。この構成には、プライマリ・データベースが1つ含まれていて、スタンバイ・データベースが含まれていない必要があります。 |
connect_identifier |
|
使用上のノート
-
REDO転送は、ターゲットPDBの追加後に、2つのブローカ構成のプライマリ・データベース間で自動的に設定されます。ただし、この時点では、プライマリ・データベースがソースまたはターゲットとして指定されていません。
-
構成名は、ブローカ・メタデータにすでに存在する他の構成と異なっている必要があります。
例
例10-4 2つのブローカ構成間の接続の確立
この例では、MyConfig2
という名前の構成を現在の構成MyConfig1
に追加します。MyConfig2
のプライマリ・データベースに接続するためのOracle Net接続識別子は、newyork_ci
です。
DGMGRL> ADD CONFIGURATION 'MyConfig2' CONNECT IDENTIFIER IS newyork_ci;
Added configuration “MyConfig2” with primary database “newyork”.
ADD DATABASE
DGMGRLのADD DATABASE
コマンドは、既存のブローカ構成にスタンバイ・データベースを追加します。
書式
ADD DATABASE <db_unique_name
> AS CONNECT IDENTIFIER IS <connect_identifier>;
コマンド・パラメータ
使用上のノート
-
このコマンドを発行するには、プライマリ・データベースまたは構成内にすでに存在する有効化されたスタンバイ・データベースに接続する必要があります。
-
ブローカで、指定した
<connect_identifier>
が、他のデータベースから指定のデータベースへの通信に使用されます。そのため、構成内のすべてのデータベースから指定のデータベースへのアドレス指定に<connect_identifier>
を使用できることを確認する必要があります。たとえば、TNSをネーミング・メソッドとして使用する場合は、構成に含まれているすべてのデータベースおよびインスタンスにあるtnsnames.oraファイルに<connect_identifier>
のエントリがあることを確認する必要があります。接続識別子は同じ接続記述子に解決される必要があります。追加するデータベースがOracle RACデータベースである場合は、Oracle RACのすべてのインスタンスにアクセスできる<connect_identifier>
を指定する必要があります。FAILOVER
属性を設定することをお薦めします。 -
接続できない場合、ブローカでは新しいデータベースが構成に追加されません。
コマンドの例
次の例に、データベースSouth_Sales
を追加する方法を示します。
DGMGRL> ADD DATABASE South_Sales AS CONNECT IDENTIFIER IS South_Sales.example.com; Database "South_Sales" added
ADD FAR_SYNC
ADD FAR_SYNC
コマンドは、既存の遠隔同期インスタンスをOracle Data Guard Broker構成に追加します。
作成された遠隔同期インスタンスは無効化されています。ブローカがそれとの間でREDOをやりとりするには、それを明示的に有効にする必要があります。
書式
ADD FAR SYNC <db_unique_name> AS CONNECT IDENTIFIER IS <connect_identifier>;
コマンド・パラメータ
使用上のノート
-
ブローカ構成に遠隔同期インスタンスを追加するには、先にそれが存在する必要があります。
コマンドの例
次の例は、chicago
という名前の遠隔同期インスタンスを構成に追加します。
DGMGRL> ADD FAR_SYNC chicago AS CONNECT IDENTIFIER IS chicago.example.com;
ADD PLUGGABLE DATABASE
このコマンドは、ターゲット・データベース内のターゲットPDBをインスタンス化します。ターゲットPDBは、ソース・データベース内のソースPDBに対するデータ保護を提供するために使用されます。
書式
ADD PLUGGABLE DATABASE <pdb_name> AT <target_db_unique_name>
SOURCE IS <source_pdb_name> AT <source_db_unique_name>
PDBFileNameConvert IS '<filename_convert_string>' [<create_pluggable_database_options>]';
コマンド・パラメータ
- pdb_name
-
ターゲット・データベースでインスタンス化する必要があるターゲットPDBの名前。指定された名前のPDBは、ターゲット・データベースに存在できません。
- target_db_unique_name
-
ターゲットPDBを含むターゲット・データベースの名前。
- source_pdb_name
-
ターゲット・データベースでインスタンス化する必要があるソースPDBの名前。ソースPDBは、
source_database_name
パラメータで指定されたソース・データベースに存在する必要があります。 - source_db_unique_name
-
ソースPDBを含むソース・データベースの名前。
- filename_convert_string
-
ソース・データベースからターゲット・データベースへのデータ・ファイル名の文字列変換。
- create_pluggable_database_options
-
Data Guardプラガブル・データベースの作成時に使用するオプション。これらは、SQL*Plusの
CREATE PLUGGABLE DATABASE
コマンドで使用できるオプションです。
使用上のノート
-
このコマンドは、指定したPDBがソース・データベースに存在し、ターゲット・データベースに存在しないことを確認した後に、そのPDBをインスタンス化します。
-
指定された名前のPDBがターゲット・データベースに存在し、(Data Guard保護用に設定されていない)ネイティブPDBとして動作している場合、エラーが表示されます。
例
例10-5 DG PDB環境でのソースPDBのインスタンス化
この例では、dgpdb_sales
という名前のターゲットPDBをnewyork
という名前のターゲット・データベースに追加します。ターゲットPDBは、ソース・データベースboston
のソースPDB sales
のデータ保護を提供するために使用されます。PDBFileNameConvert
キーワードは、ソース・データベースのデータベース・ファイルをターゲット・データベースに変換する方法を指定します。
ADD PLUGGABLE DATABASE 'dgpdb_sales' AT 'newyork'
SOURCE IS 'sales' AT 'boston'
PDBFileNameConvert IS "'dbs/boston-sales, dbs/newyork-sales-dg'";
ADD RECOVERY_APPLIANCE
ADD RECOVERY_APPLIANCE
コマンドは、Zero Data Loss Recovery Appliance (リカバリ・アプライアンス)を既存のブローカ構成に追加します。
AS CONNECT IDENTIFIER
句は、オプションです。この句を指定しない場合、ブローカはプライマリ・データベースと有効化されたすべてのスタンバイ・データベース上でLOG_ARCHIVE_DEST_n
初期化パラメータを検索し、追加されるリカバリ・アプライアンスに対応するエントリを探します。
書式
ADD RECOVERY APPLIANCE <db_unique_name> AS CONNECT IDENTIFIER IS <connect_identifier>;
コマンド・パラメータ
使用上のノート
-
このコマンドを発行するには、プライマリ・データベースまたは構成内にすでに存在する有効化されたスタンバイ・データベースに接続する必要があります。
-
ブローカでは、指定した接続識別子を使用して、構成内の任意のデータベースから指定のリカバリ・アプライアンスに通信します。したがって、構成内の任意のデータベースから指定のリカバリ・アプライアンスへのアドレス指定に、接続識別子を使用できることを確認する必要があります。たとえば、TNSをネーミング・メソッドとして使用する場合、構成内のすべてのデータベースとインスタンスの
tnsnames.ora
ファイルに接続識別子のエントリが含まれることを確認する必要があります。接続識別子は同じ接続記述子に解決される必要があります。 -
接続を確立できない場合、新しいリカバリ・アプライアンスは構成に追加されません。
-
構成内に複数のリカバリ・アプライアンスを含むことが可能です。
- このドキュメントのガイドラインに従って、リカバリ・アプライアンス (Zero Data Loss Recovery Appliance)のREDO転送サービスを構成します。
コマンドの例
次の例は、EnterpriseRecoveryAppliance
という名前のリカバリ・アプライアンスを追加する方法を示しています。
DGMGRL> ADD RECOVERY_APPLIANCE EnterpriseRecoveryAppliance AS CONNECT IDENTIFIER IS EnterpriseRecoveryAppliance.example.com;Oracle Backup Appliance "EnterpriseRecoveryAppliance" added
CONNECT
DGMGRLのCONNECT
コマンドを使用すると、Data Guard Broker構成のメンバーであるデータベースまたは遠隔同期インスタンスに接続できます。
構文
CONNECT <username>/<password>[@<connect_identifier>] [AS { SYSDBA | SYSDG }] CONNECT <username>[/@<connect_identifier>] [AS { SYSDBA | SYSDG }] CONNECT /@<connect_identifier> [AS { SYSDBA | SYSDG }] CONNECT / [AS { SYSDBA | SYSDG }] CONNECT
コマンド・パラメータ
使用上のノート
-
接続を試みる構成メンバーに対してユーザー名とパスワードが有効である必要があります。
指定するユーザー名には、
SYSDG
またはSYSDBA
権限が必要です。 -
AS
句はオプションです。指定されている場合、DGMGRLは、その指定されたSYSDGまたはSYSDBAのいずれかで接続を試みます。AS
句が指定されていない場合、DGMGRLは最初にAS SYSDG
接続を試み、それが失敗した場合は、AS SYSDBA
接続を試みます。 -
CONNECT
コマンドが実行されるたびに、ブローカによって、クライアント側のブローカ・ファイルを含むデフォルト・ディレクトリが存在するかどうかが確認されます。DG_ADMIN
環境変数が定義されていて、この変数で指定されているディレクトリが必要な権限を持って存在する場合、log
、dat
およびcallout
サブディレクトリが$DG_ADMIN/config_ConfigurationSimpleName
ディレクトリの下に作成されます。DG_ADMIN
環境変数が定義されていない場合、またはDG_ADMIN
で指定されたディレクトリに必要な権限がない場合、ブローカはサブディレクトリを作成しません。必要な権限の詳細は、クライアント側ブローカ・ファイルの場所を参照してください。
-
CONNECT
コマンドでエラーが戻される場合は、有効なconnect-identifier
を指定したことを確認してください。 -
CONNECT
コマンドが正常に実行されると、接続が確立された構成メンバーの名前が表示されます。
コマンドの例
例1: ローカルの構成メンバーへの接続
この例では、ローカル・システム上のデフォルト構成メンバーに接続します。
DGMGRL> CONNECT sysdg;
Password: password
Connected to "North_Sales"
Connected as SYSDG.
例2: リモートの構成メンバーへの接続
この例では、リモートシステム上の構成メンバーに接続します。
DGMGRL> CONNECT sysdg@South_Sales;
Password: password
Connected to "South_Sales"
Connected as SYSDG.
例3: 接続資格証明を表示しない接続
この例では、コマンドラインで接続資格証明を表示できないように、CONNECT '/'
を使用して構成メンバーに接続しています。
DGMGRL> CONNECT /@North_Sales.example.com; Connected to "North_Sales"
CONNECT '/'
を使用するには、OracleウォレットまたはSSLを設定する必要があります。OracleウォレットまたはSSLを設定することで、スクリプトでデータベース資格証明を指定せずに、オブザーバをバックグラウンド・ジョブとして安全に起動および実行するためのスクリプトを記述できます。
CONVERT DATABASE
CONVERT DATABASE
コマンドは、フィジカル・スタンバイ・データベースをスナップショット・スタンバイ・データベースに変換するか、スナップショット・スタンバイ・データベースをフィジカル・スタンバイ・データベースに戻します。
スナップショット・スタンバイ・データベースは完全に更新可能なスタンバイ・データベースです。フィジカルまたはロジカル・スタンバイ・データベースと同様に、スナップショット・スタンバイ・データベースは、プライマリ・データベースからREDOデータを受信し、アーカイブします。フィジカルまたはロジカル・スタンバイ・データベースとは異なり、スナップショット・スタンバイ・データベースは、受信したREDOデータを適用しません。スナップショット・スタンバイ・データベースが受信したREDOデータは、スナップショット・スタンバイが元のフィジカル・スタンバイ・データベースに変換され、スナップショット・スタンバイ・データベースに対するすべてのローカルな更新が破棄された後に適用されます。
スナップショット・スタンバイ・データベースは、フィジカル・スタンバイ・データベースの一時的かつ更新可能なスナップショットが必要な場合に最もよく使用されます。スナップショット・スタンバイ・データベースでは、フィジカル・スタンバイに戻るまで受信したREDOデータが適用されないため、ロール遷移の実行に要する時間は、適用する必要があるREDOデータの量に正比例します。
スナップショット・スタンバイ・データベースの詳細は、『Oracle Data Guard概要および管理』を参照してください。
書式
CONVERT DATABASE <db_unique_name> TO {PHYSICAL |SNAPSHOT} STANDBY;
コマンド・パラメータ
使用上のノート
-
ファスト・スタート・フェイルオーバーのターゲットである場合、フィジカル・スタンバイ・データベースをスナップショット・スタンバイ・データベースに変換できません。「
ORA-16668: ファスト・スタート・フェイルオーバー・ターゲットのスタンバイ・データベースでは操作を実行できません
」というエラーが表示されます。 -
構成可能なプロパティ
RedoRoutes
がNullでない値に設定されている場合、フィジカル・スタンバイ・データベースをスナップショット・スタンバイ・データベースに変換できません。 -
DGMGRL ADD DATABASEコマンドを使用して、既存のスナップショット・スタンバイ・データベースをOracle Data Guard Broker構成にインポートしてください。
-
スナップショット・スタンバイ・データベースを、スイッチオーバーまたはファスト・スタート・フェイルオーバーのターゲットにすることはできません。
-
ファスト・スタート・フェイルオーバーが無効化されている場合、スナップショット・スタンバイ・データベースは、手動フェイルオーバーのターゲットにすることができます。
-
SHOW CONFIGURATION
またはSHOW DATABASE
コマンドを使用して、変換の結果を確認できます。たとえば:DGMGRL> SHOW CONFIGURATION; Configuration - DRSolution Protection Mode: MaxPerformance Members: North_Sales - Primary database South_Sales - Snapshot standby database Fast-Start Failover: DISABLED Configuration Status: SUCCESS
-
スナップショット・スタンバイ・データベースをフィジカル・スタンバイ・データベースに戻すと、フィジカル・スタンバイ・データベースのデフォルトの
APPLY-ON
の状態になります。
コマンドの例
例1: フィジカル・スタンバイからスナップショット・スタンバイへの変換
次のコマンドを発行して、フィジカル・スタンバイ・データベースをスナップショット・スタンバイ・データベースに変換します。
DGMGRL> CONVERT DATABASE 'South_Sales' to SNAPSHOT STANDBY; Converting database "South_Sales" to a Snapshot Standby database, please wait... Database "South_Sales" converted successfully
例2: スナップショット・スタンバイからフィジカル・スタンバイへの再変換
次のコマンドを発行して、スナップショット・スタンバイ・データベースをフィジカル・スタンバイ・データベースに戻します。
DGMGRL> CONVERT DATABASE 'South_Sales' to PHYSICAL STANDBY; Converting database "South_Sales" to a Physical Standby database, please wait... Operation requires shutdown of instance "south_sales1" on database "South_Sales" Shutting down instance "south_sales1"... Database closed. Database dismounted. ORACLE instance shut down. Operation requires startup of instance "south_sales1" on database "South_Sales" Starting instance "south_sales1"... ORACLE instance started. Database mounted. Continuing to convert database "South_Sales" ... Database "South_Sales" converted successfully
CREATE CONFIGURATION
CREATE CONFIGURATION
コマンドは、指定されたプライマリ・データベースを含む新しいブローカ構成を作成します。
書式
CREATE CONFIGURATION <configuration_name> AS PRIMARY DATABASE IS <db-unique_name> CONNECT IDENTIFIER IS <connect_identifier>
;
[INCLUDE CURRENT DESTINATIONS]
コマンド・パラメータ
- configuration-name
-
作成する構成のわかりやすい名前。有効な名前には英数字が含まれます。名前に空白を含める場合は、その名前を二重引用符または一重引用符で囲む必要があります。名前は30バイト以内で指定してください。
- db-unique-name
-
ブローカでプライマリ・データベースを参照するために使用される名前。この名前は、プライマリ・データベースの
DB_UNIQUE_NAME
初期化パラメータの値と一致する(大/小文字は区別されません)必要があります。 - connect-identifier
-
完全指定の接続記述子またはOracle Net Servicesのネーミング・メソッド(TNSなど)により解決される名前です。指定した値は、データベース・プロパティ
DGConnectIdentifier
の初期値としても使用されます。
使用上のノート
-
ブローカ構成は、グループとして管理する必要がある1つ以上のメンバーの名前付きコレクションです。各コマンド・パラメータの値を指定する必要があります。デフォルト値はありません。
-
このコマンドを発行するには、プライマリ・データベースに接続する必要があります。
-
ブローカで、指定した
connect_identifier
が、他のデータベースから指定のデータベースへの通信に使用されます。そのため、構成内のすべてのデータベースから指定のデータベースへのアドレス指定にconnect_identifier
を使用できることを確認する必要があります。たとえば、TNSをネーミング・メソッドとして使用する場合、構成内のすべてのデータベースとインスタンスのtnsnames.oraファイルにconnect-identifier
のエントリが含まれることを確認する必要があります。接続識別子は同じ接続記述子に解決される必要があります。追加するデータベースがOracle RACデータベースである場合は、Oracle RACのすべてのインスタンスにアクセスできるconnect_identifier
を指定する必要があります。FAILOVER
属性を設定することをお薦めします。 -
ブローカ構成の作成後にスタンバイ・データベースを追加するには、ADD DATABASEコマンドを使用します。
同様に、ADD FAR SYNCおよびADD RECOVERY APPLIANCEを使用して、遠隔同期インスタンスとリカバリ・アプライアンスをそれぞれ追加します。
-
NOREGISTER
属性のないプライマリ・データベース上ですべてのリモートREDO転送先をクリアしてからでないと、構成を作成できません。 - Data Guard Brokerにより、指定された接続識別子が、
db_unique_name
コマンド・パラメータで指定されているデータベースへの接続になることが確認されます。
コマンドの例
次の例では、プライマリ・データベースNorth_Sales
を含む新しいブローカ構成DRSolution
を作成しています。
DGMGRL> CREATE CONFIGURATION 'DRSolution' AS > PRIMARY DATABASE IS 'North_Sales' > CONNECT IDENTIFIER IS North_Sales.example.com; Configuration "DRSolution" created with primary database "North_Sales"
CREATE FAR_SYNC
CREATE FAR_SYNC
コマンドは、新しい遠隔同期インスタンスを作成し、それをブローカ構成に追加します。このコマンドを使用するには、Oracleウォレット・ベースの認証を構成し、SYSDBA権限で接続する必要があります。また、新しい遠隔同期インスタンスが作成されたホストで補助インスタンスを起動する必要があります。
書式
補助インスタンスがパラメータ・ファイル(PFILE)を使用して起動された場合:
CREATE FAR_SYNC <db_unique_name> AS CONNECT IDENTIFIER IS <connect_identifier> [ SPFILE [ PARAMETER_VALUE_CONVERT '<string_pair_values>' ] [ SET <parameter_name> value ] ... [ SET <parameter_name value> ] [ RESET <parameter_name> ] ... [ RESET <parameter_name> ] ];
補助インスタンスがサーバー・パラメータ・ファイル(SPFILE)を使用してを起動された場合:
CREATE FAR_SYNC <db_unique_name> AS CONNECT IDENTIFIER IS
<connect_identifier>
;
使用上のノート
-
接続されたデータベースのバージョンは、DGMGRLのバージョンと同じである必要があります。
-
SPFILE
句が指定されている場合は、指定されたspfileの初期化パラメータが遠隔同期インスタンスの作成時に使用されます。このコマンドでは、RMANの
DUPLICATE
コマンドを使用して遠隔同期インスタンスを作成します。RMAN複製時に使用される補助インスタンスがspfileを使用して起動された場合は、CREATE FAR_SYNC
コマンドにSPFILE
句を含めることはできません。 -
PARAMETER_VALUE_CONVERT
句は、SPFILE
句の直後に指定する必要があります。SET
句またはRESET
句の後にPARAMETER_VALUE_CONVERT
句を使用すると、コマンドが失敗します。 - Oracleウォレットを設定する必要があります。遠隔同期インスタンスに接続するためにウォレットで使用される別名は、プライマリ・データベース・ホストと遠隔同期インスタンス・ホストの両方で静的サービス接続に解決される必要があります。プライマリ・データベースに接続するためにウォレットで使用される別名は、静的サービス接続に解決する必要はありません。両方のホストについて、各データベースの接続識別子は、プライマリ・データベース・ホストと遠隔同期インスタンス・ホストの両方で同じインスタンスに解決される必要があります。
- 新しい遠隔同期インスタンスが作成されたホストで補助インスタンスを起動する必要があります。補助インスタンスがサーバー・パラメータ・ファイルを使用して起動された場合、
SPFILE
、PARAMETER_VALUE_CONVERT
、SET
およびRESET
句は指定できません。 - 接続されたデータベースのバージョンは、DGMGRLのバージョンと同じである必要があります。
- 遠隔同期インスタンスを作成するために、このコマンドは、指定された
PARAMETER_VALUE_CONVERT
、SET
およびRESET
句を使用してRMAN DUPLICATE
コマンドを起動します。 PARAMETER_VALUE_CONVERT
句は、SPFILE
句の直後に指定する必要があります。SET
句またはRESET
句の後にPARAMETER_VALUE_CONVERT
句を指定すると、コマンドは失敗します。-
補助インスタンスがパラメータ・ファイルを使用して起動された場合、このコマンドは次を実行します。
- 遠隔同期インスタンスの次の初期化パラメータを設定します。
DB_NAME
をプライマリ・データベースのDB_NAME
に設定DB_UNIQUE_NAME
を、指定されているdb_unique_name
にSGA_TARGET
を300MBに設定CPU_COUNT
を1に設定
- 次の初期化パラメータをリセットします。
CONTROL_FILES
、CLUSTER_DATABASE
、DB_RECOVERY_FILE_DEST
、DB_RECOVERY_FILE_DEST_SIZE
、DB_FILE_NAME_CONVERT
およびLOG_ARCHIVE_CONFIG
SGAメモリーの合計サイズに貢献する次のようなパラメータがリセットされます(ただしこれらに限定されません)。DB_CACHE_SIZE
、LOG_BUFFER
、SHARED_POOL_SIZE
、LARGE_POOL_SIZE
、JAVA_POOL_SIZE
、STREAMS_POOL_SIZE
- 既存の
LOG_ARCHIVE_DEST_n
初期化パラメータをクリアします。
- 遠隔同期インスタンスの次の初期化パラメータを設定します。
- 遠隔同期インスタンスの初期化パラメータが適切に設定されていない場合、DGMGRLが遠隔同期インスタンスの起動に失敗するため、コマンドが失敗することがあります。この場合、遠隔同期インスタンスでアラート・ログ・ファイルまたはブローカ・ログ・ファイルを表示して問題の原因を特定し、spfileで必要な初期化パラメータを変更するか、
PARAMETER_VALUE_CONVERT
、SET
またはRESET
句を追加して変更します。
コマンド・パラメータ
- db_unique_name
-
遠隔同期インスタンスの
DB_UNIQUE_NAME
初期化パラメータの値。 - connect_identifier
-
完全指定の接続記述子またはOracle Net Servicesのネーミング・メソッド(TNSなど)により解決される名前です。指定した値は、データベース・プロパティ
DGConnectIdentifier
の初期値としても使用されます。 - string_value_pairs
-
文字列ペアのリスト。RMANの
DUPLICATE
コマンドを起動すると、値はPARAMETER_VALUE_CONVERT
句の値に設定されます。PARAMETER_VALUE_CONVERT
句は、一致するすべての初期化パラメータ値の最初の文字列を2番目の文字列で置換します。このパラメータにより、文字列の複数のペアを指定できます。たとえば、' "string1", "string2", "string3", "string4", ... 'とします。
説明:
-
• string1は、プライマリ・データベースの初期化パラメータのパターンです。
-
• string2は、遠隔同期インスタンスの初期化パラメータのパターンです。
-
• string3は、プライマリ・データベースの初期化パラメータのパターンです。
-
• string4は、遠隔同期インスタンスの初期化パラメータのパターンです。
これはオプションの引数です。指定しない場合は、プライマリ・データベース上のサーバー・パラメータ・ファイルのコピーが、変更なしで遠隔同期インスタンスで使用されます。
-
コマンドの例
次の例では、FS1
という名前の遠隔同期インスタンスを作成し、ブローカ構成に追加します。初期化パラメータLOG_FILE_NAME_CONVERT
、DB_RECOVERY_FILE_DEST
およびDB_RECOVERY_FILE_DEST_SIZE
は、指定された値に設定されます。初期化パラメータUNDO_TABLESPACE
はリセットされます。
DGMGRL> CREATE FAR_SYNC 'FS1' AS CONNECT IDENTIFIER IS 'FS1_STATIC_CONN'
SPFILE
PARAMETER_VALUE_CONVERT 'North_Sales','FS1','NORTH_SALES','FS1','NorthSales','FS1','NORTHSALES','FS1'
SET LOG_FILE_NAME_CONVERT 'North_Sales','FS1','NORTH_SALES','FS1'
SET DB_RECOVERY_FILE_DEST '/scratch/oracle/fast_recovery_area'
SET DB_RECOVERY_FILE_DEST_SIZE '100G'
RESET UNDO_TABLESPACE;
Creating far sync instance "FS1".
Connected to "North_Sales"
Connected to "Aux"
far sync instance "FS1" created
far sync instance "FS1" added
DISABLE CONFIGURATION
DISABLE CONFIGURATION
コマンドは、構成とそのすべてのデータベースがブローカによる管理対象から外れるように、構成のブローカ管理を無効化します。
書式
DISABLE CONFIGURATION [<configuration_name> | ALL];
コマンド・パラメータ
configuration_name
無効にする構成の名前。または、キーワードALL
を指定して、すべての構成を無効にします。
使用上のノート
-
無効化された構成およびそこに含まれるすべてのデータベースが、ブローカで管理されなくなります。
-
プライマリ・データベースのブローカ管理を無効にするには、
DISABLE CONFIGURATION
コマンドを使用する必要があります。 -
このコマンドは、構成ファイルからブローカ構成を削除しません。構成を削除する方法の詳細は、REMOVE CONFIGURATIONコマンドを参照してください。
-
構成が無効になっている間、データベース・プロパティを編集したり構成の保護モードを変更できます。ただし、プロパティや保護モードの変更結果は、構成が有効化されるまで有効になりません。
-
このコマンドは、ファスト・スタート・フェイルオーバーが有効になっている場合は実行できません。
コマンドの例
次の例では、ブローカ構成およびそのすべてのデータベースの管理を無効化しています。
DGMGRL> DISABLE CONFIGURATION; Disabled.
DISABLE DATABASE
DISABLE DATABASE
コマンドは、指定したスタンバイ・データベースのブローカ管理を無効化します。
つまり、ブローカではこのデータベースの状態を変更できなくなり、ブローカはデータベースの健全性ステータスや監視可能なプロパティを監視しません。
書式
DISABLE DATABASE <db_unique_name>;
使用上のノート
-
プライマリ・データベース名は指定できません。
-
プライマリ・データベースとすべてのスタンバイ・データベースを無効化するには、
DISABLE CONFIGURATION
コマンドを使用します。 -
スタンバイ・データベースを1つのみ無効化する場合、フェイルオーバー・オプションを使用できません。このスタンバイ・データベースは、再び有効化するまでは実行できなくなります。
-
ファスト・スタート・フェイルオーバーが有効化されているとき、このコマンドを使用してファスト・スタート・フェイルオーバーのターゲット・データベースを無効にすることはできません。
コマンドの例
次の例に、データベースSouth_Sales
を無効化する方法を示します。
DGMGRL> DISABLE DATABASE 'South_Sales'; Disabled.
DISABLE FAST_START FAILOVER
DISABLE FAST_START FAILOVER
コマンドは、オブザーバによりターゲット・スタンバイ・データベースへのフェイルオーバーが開始されないようにします。
詳細は、「ファスト・スタート・フェイルオーバーの無効化」を参照してください。
書式
DISABLE FAST_START FAILOVER [ FORCE ];
コマンド・パラメータ
なし。
使用上のノート
-
プライマリ・データベースとターゲット・スタンバイ・データベースにネットワーク接続がある場合、ブローカ構成内のすべてのデータベースでファスト・スタート・フェイルオーバーを無効化するには、
FORCE
オプションを指定せずにDISABLE FAST_START FAILOVER
を使用します。無効化操作中にエラーが発生した場合、ブローカによりエラー・メッセージが戻され、無効化操作が停止されます。エラー状態をオーバーライドし、接続先データベースのファスト・スタート・フェイルオーバーを無効化するには、FORCE
オプションを指定してDISABLE FAST_START FAILOVER
コマンドを再発行する必要があります。詳細は、「ファスト・スタート・フェイルオーバーの無効化」を参照してください。 -
プライマリ・データベースとターゲット・スタンバイ・データベース間のネットワークが切断されている場合、またはコマンドを受信するデータベースに、プライマリ・データベースとの接続がない場合には、
FORCE
オプションを指定してDISABLE FAST_START FAILOVER
を使用します。FORCE
オプションは、エラー発生時でも、接続先データベースのファスト・スタート・フェイルオーバーを無効化します。 -
オブザーバおよびターゲットのスタンバイ・データベースから切断されたプライマリ・データベース上で
FORCE
オプションを指定してファスト・スタート・フェイルオーバーを無効化しても、オブザーバによる、ターゲットのスタンバイ・データベースへのファスト・スタート・フェイルオーバーの開始を無効にはできません。 -
ブローカ構成のいずれかのデータベースに接続している場合、そのデータベースとプライマリ間が接続されていれば、ファスト・スタート・フェイルオーバーを無効化できます。
-
ターゲットのスタンバイ・データベース上で強制オプション付きで無効化され、その後プライマリ・データベースとの接続が再開された場合、ファスト・スタート・フェイルオーバーは、構成内のすべてのデータベースで無効化されています。
-
プライマリ・データベースとターゲット・スタンバイ・データベースがネットワークで接続されている場合、プライマリに接続しているときに
FORCE
オプションを指定してファスト・スタート・フェイルオーバーを無効化すると、ターゲット・スタンバイ・データベースのファスト・スタート・フェイルオーバーが無効になります。
コマンドの例
例1: ファスト・スタート・フェイルオーバーの無効化
次の例に、ファスト・スタート・フェイルオーバーを無効化する方法を示します。
DGMGRL> DISABLE FAST_START FAILOVER; Disabled.
例2: FORCEを使用したファスト・スタート・フェイルオーバーの無効化
次の例では、接続先のデータベースでファスト・スタート・フェイルオーバーを無効化するFORCE
オプションを使用しています。
DGMGRL> DISABLE FAST_START FAILOVER FORCE; Disabled.
DISABLE FAST_START FAILOVER CONDITION
DISABLE FAST_START FAILOVER CONDITION
コマンドは、ユーザーによるファスト・スタート・フェイルオーバーの実行条件の削除を可能にします。
書式
DISABLE FAST_START FAILOVER CONDITION <condition>;
使用上のノート
条件が設定されていない場合、認識されていない条件の場合、エラーは発生しません。
コマンドの例
この例では、破損した制御ファイルが検出されても自動的に即時ファスト・スタート・フェイルオーバーが開始されないように指定します。
DGMGRL> DISABLE FAST_START FAILOVER CONDITION "Corrupted Controlfile";
DISABLE RECOVERY_APPLIANCE
DISABLE RECOVERY_APPLIANCEコマンドは、指定したZero Data Loss Recovery Appliance (リカバリ・アプライアンス)のブローカ管理を無効にします。
リカバリ・アプライアンスのブローカ管理を無効化すると、ブローカによりリカバリ・アプライアンスへの転送の健全性が監視されなくなります。ただし、リカバリ・アプライアンスへのREDO転送は停止されません。
書式
DISABLE RECOVERY_APPLIANCE <db_unique_name>;
コマンドの例
次の例は、EnterpriseRecoveryAppliance
という名前のリカバリ・アプライアンスを無効化する方法を示しています。
DGMGRL> DISABLE RECOVERY_APPLIANCE 'EnterpriseRecoveryAppliance'; Disabled.
EDIT ALL MEMBERS RESET (パラメータ)
EDIT ALL MEMBERS RESET
では、構成内のすべてのメンバーに対して、指定された構成可能パラメータがリセットされます。
書式
EDIT ALL MEMBERS RESET PARAMETER <parameter_name> ["optional ALTER SYSTEM RESET clauses"];
コマンドの例
次の例では、構成内のすべてのメンバーに対してlog_archive_trace
初期化パラメータをリセットする方法を示します。
DGMGRL> EDIT ALL MEMBERS RESET PARAMETER log_archive_trace; Parameter "log_archive_trace" reset for member "North_Sales". Parameter "log_archive_trace" reset for member "South_Sales".
EDIT ALL MEMBERS RESET (プロパティ)
EDIT ALL MEMBERS RESET
では、構成内のすべてのメンバーに対して、指定された構成可能プロパティがリセットされます。
書式
EDIT ALL MEMBERS RESET PROPERTY <property_name>;
コマンドの例
次の例では、構成内のすべてのメンバーに対してNetTimeout
をリセットする方法を示します。
DGMGRL> EDIT ALL MEMBERS RESET PROPERTY NetTimeout; Property "NetTimeout" updated for member "North_Sales". Property "NetTimeout" updated for member "South_Sales".
EDIT ALL MEMBERS SET (パラメータ)
EDIT ALL MEMBERS SET
コマンドは、ブローカ構成内のすべてのメンバーに対して、指定したパラメータの値を変更します。オプションのALTER SYSTEM SET
コマンド・オプションを含めることができます。これらのオプションは、引用符で囲む必要があります。
書式
EDIT ALL MEMBERS SET PARAMETER <parameter_name>=<value> ["optional ALTER SYSTEM SET clauses"];
コマンドの例
次の例は、構成内のすべてのメンバーに対してNetTimeout
を設定する方法を示しています。
EDIT ALL MEMBERS SET PARAMETER log_archive_trace=255; Parameter "log_archive_trace" updated for member "North_Sales". Parameter "log_archive_trace" updated for member "South_Sales".
EDIT ALL MEMBERS SET (プロパティ)
EDIT ALL MEMBERS SET
は、構成内のすべてのメンバーに対して、指定された構成可能プロパティを設定します。
書式
EDIT ALL MEMBERS SET PROPERTY <property_name>=value;
コマンド・パラメータ
コマンドの例
次の例は、構成内のすべてのメンバーに対してNetTimeout
を設定する方法を示しています。
EDIT ALL MEMBERS SET PROPERTY 'NetTimeout'=45; Property "NetTimeout" updated for member "North_Sales". Property "NetTimeout" updated for member "South_Sales".
EDIT CONFIGURATION (プロパティ)
EDIT CONFIGURATION SET PROPERTY
コマンドは、ブローカ構成のプロパティ値を変更します。
書式
EDIT CONFIGURATION [<configuration_name>]SET PROPERTY <property_name>=<value>;
関連項目:
構成プロパティの詳細は、「ブローカ構成のメンバーの管理」および「Oracle Data Guard Brokerのプロパティ」を参照
使用上のノート
-
プライマリ・データベースに、またはそのプライマリ・データベースと接続された構成内の任意のスタンバイ・データベースに接続されている場合に、このコマンドを発行します。
-
構成の現在のプロパティ情報を表示するには、
SHOW CONFIGURATION
コマンドを使用します。
コマンドの例
次の例に、FastStartFailoverThreshold
構成プロパティを90秒に設定する方法を示します。
DGMGRL> EDIT CONFIGURATION SET PROPERTY FastStartFailoverThreshold=90;
EDIT CONFIGURATION(保護モード)
EDIT CONFIGURATION SET PROTECTION MODE AS
コマンドは、ブローカ構成の現在の保護モード設定を編集します。
書式
EDIT CONFIGURATION SET PROTECTION MODE [AS] { MaxProtection | MaxAvailability | MaxPerformance };
コマンド・パラメータ
使用上のノート
-
EDIT
CONFIGURATION
コマンドを使用して保護モードを設定する前に、少なくとも1つのスタンバイが、プライマリから直接REDOを受け取る場合にSYNC
またはFASTSYNC
モードでREDOを受け取るように構成されていることを確認してください。スタンバイが遠隔同期インスタンスを介してREDOを受け取る場合、遠隔同期インスタンスはSYNC
またはFASTSYNC
モードでREDOを受け取るように構成され、スタンバイはASYNC
モードでREDOを受け取るように構成される必要があります。 -
次の表は、構成の保護モードと、REDO転送サービスの対応する最低限の設定を示しています。
保護モード REDO転送 スタンバイREDOログ・ファイルの要否 ファスト・スタート・フェイルオーバーとの併用 {
MAXPROTECTION}
SYNC
はい
はい
{MAXAVAILABILITY}
SYNC
またはFASTSYNC
はい
はい
{MAXPERFORMANCE}
ASYNC
はい
はい
構成のデフォルトの保護モードは
MAXPERFORMANCE
です。関連項目:
保護モードとREDO転送サービスの詳細は、「ブローカ構成のメンバーの管理」を参照
-
このコマンドは、ファスト・スタート・フェイルオーバーが有効になっている場合は実行できません。
-
{MAXPERFORMANCE}
から{MAXPROTECTION}
へのアップグレードは許可されません。まず{MAXAVAILABILITY}
に変更してから、{MAXPROTECTION}
にする必要があります。 -
SHOW CONFIGURATION
コマンドを使用して構成の現在の保護モードを表示します。DGMGRL> SHOW CONFIGURATION; Configuration - DRSolution Protection Mode: MaxPerformance Members: North_Sales - Primary database South_Sales - Physical standby database Fast-Start Failover: DISABLED Configuration Status: SUCCESS
EDIT CONFIGURATION
コマンドの入力時に構成のブローカ管理が無効になっている場合、構成の保護モードは、次回ENABLE CONFIGURATIONコマンドを使用して構成を有効化するまで有効にはなりません。
コマンドの例
次の例は、ブローカ構成を{MAXAVAILABILITY}
保護モードにアップグレードする方法を示しています。
次のように、スタンバイ・データベースでスタンバイREDOログ・ファイルが構成されていること、REDO転送サービスがSYNC
に設定されていることを確認します。
DGMGRL> EDIT DATABASE 'South_Sales' SET PROPERTY 'LogXptMode'='SYNC'; Property "LogXptMode" updated DGMGRL> EDIT CONFIGURATION SET PROTECTION MODE AS MAXAVAILABILITY; Succeeded.
EDIT CONFIGURATION (RENAME)
EDIT CONFIGURATION RENAME TO
コマンドは、構成名を変更します。
書式
EDIT CONFIGURATION RENAME TO <new_configuration_name>;
コマンドの例
次の例は、DR_Sales
という名前の構成の名前をHA_Sales
に変更する方法を示しています。
DGMGRL> SHOW CONFIGURATION Configuration - DR_Sales Protection Mode: MaxPerformance Members: North_Sales - Primary database South_Sales - Physical standby database Fast-Start Failover: DISABLED Configuration Status: DISABLED DGMGRL> EDIT CONFIGURATION RENAME TO "HA_Sales"; Succeeded. DGMGRL> ENABLE CONFIGURATION Enabled. DGMGRL> SHOW CONFIGURATION Configuration - HA_Sales Protection Mode: MaxPerformance Members: North_Sales - Primary database South_Sales - Physical standby database Fast-Start Failover: DISABLED Configuration Status: SUCCESS
EDIT CONFIGURATION PREPARE DGPDB
EDIT CONFIGURATION PREPARE DGPDB
コマンドにより、環境をDG PDBに対して準備します。
書式
EDIT CONFIGURATION PREPARE DGPDB;
使用上のノート
-
両方のコンテナ・データベースが環境内にあり、構成が有効になっていることが前提となります。このコマンドでは、パスワードのロック解除、または各コンテナ・データベースでの
DGPDB_INT
アカウントの更新を求めるプロンプトが表示されます。その後、PDBのData Guard保護の追加、およびロールの変更を可能にするために必要な、内部構造が設定されます。
コマンドの例
DGMGRL> EDIT CONFIGURATION PREPARE DGPDB; Enter password for DGPDB_INT account at boston: Enter password for DGPDB_INT account at newyork: Prepared Data Guard for Pluggable Database at newyork. Prepared Data Guard for Pluggable Database at boston.
EDIT CONFIGURATION RESET (プロパティ)
EDIT CONFIGURATION RESET PROPERTY
コマンドは、指定された構成プロパティをそのデフォルト値にリセットします。
書式
EDIT CONFIGURATION RESET PROPERTY <property_name>;
使用上のノート
-
プライマリ・データベースに、またはそのプライマリ・データベースと接続された構成内の任意のスタンバイ・データベースに接続されている場合に、このコマンドを発行します。
-
構成の現在のプロパティ情報を表示するには、
SHOW CONFIGURATION
コマンドを使用します。
コマンドの例
次の例では、BystandersFollowChange
プロパティをリセットする方法を示します。
DGMGRL> EDIT CONFIGURATION RESET PROPERTY BystandersFollowChange; Succeeded.
EDIT DATABASE (プロパティ)
EDIT DATABASE
コマンドは、データベース・メンバーに対して、指定された構成可能プロパティの値を変更します。
書式
EDIT DATABASE <db_unique_name> SET PROPERTY <property_name>=value;
コマンド・パラメータ
- db_unique_name
-
構成可能プロパティ値を変更するデータベースの
DB_UNIQUE_NAME
初期化パラメータ値。 - property_name
-
データベース固有の既存のプロパティの名前。これがOracle RACデータベースの場合、このプロパティを変更するとデータベースのインスタンスすべてに影響します。
関連項目:
プロパティの詳細は、「ブローカ構成のメンバーの管理」および「Oracle Data Guard Brokerのプロパティ」を参照。
- value
-
新しいプロパティ値。
ノート:
このコマンドを使用してインスタンス固有のプロパティの値を変更できるのは、指定したデータベースに関してブローカでインスタンスが1つしか認識されていない場合のみです。ブローカでデータベースのインスタンスが複数認識されている場合は、このコマンドを使用してインスタンス固有のプロパティを変更しようとしても拒否されます。インスタンス固有のプロパティの値の変更には、
EDIT INSTANCE(プロパティ)
のみを使用することをお薦めします。
コマンドの例
例1: データベース・レベルの構成可能なプロパティの編集
次の例では、データベース・レベルの構成可能なプロパティを編集します。
DGMGRL> EDIT DATABASE 'North_Sales' SET PROPERTY 'LogXptMode'='SYNC'; Property "LogXptMode" updated
例2: ファスト・スタート・フェイルオーバー・ターゲットのリストの編集
次の例では、ファスト・スタート・フェイルオーバー・ターゲットのリストを指定する方法を示します。
DGMGRL> EDIT DATBASE db1 SET PROPERTY FastStartFailoverTarget='db2, db3';
DGMGRL> EDIT DATABASE db2 SET PROPERTY FastStartFailoverTarget='db1,db3';
DGMGRL> EDIT DATABASE db3 SET PROPERTY FastStartFailoverTarget='db1';
EDIT DATABASE (パラメータ)
EDIT DATABASE
(パラメータ)コマンドは、指定されたデータベースの指定された初期化パラメータを設定します。
書式
EDIT DATABASE <db_unique_name>
SET PARAMETER <parameter_name>
= value
[initialization_parameter_options]
コマンド・パラメータ
- db_unique_name
-
パラメータ値を変更するデータベースの
DB_UNIQUE_NAME
初期化パラメータ値。 - parameter_name
-
変更する必要がある既存のデータベース初期化パラメータの名前。
- value
-
パラメータの新しい値。
- initialization_parameter_options
-
追加の初期化パラメータ・オプションは、一重引用符で囲む必要があります。次のオプションのいずれかまたは両方を使用します。
-
SCOPE:
スコープには次のいずれかの値を設定します: SPFILE、MEMORYまたはBOTH。デフォルト値はBOTHです。指定したパラメータが静的パラメータの場合は、SCOPE= SPFILE
を設定します。 -
SID:
パラメータを設定する必要があるデータベース・インスタンスの名前を指定します。指定したパラメータをすべてのインスタンスに設定する必要がある場合は、SID='*'
を設定します。
-
使用上のノート
このコマンドの実行時にデータベースが使用可能である必要があります。
コマンドの例
次の例では、North_sales
という名前のデータベースの初期化パラメータlog_archive_trace
を編集し、その値を1に設定します。このSCOPE
設定は、メモリーおよびデータベース初期化パラメータ・ファイルの両方でパラメータを変更する必要があることを指定しています。
DGMGRL> EDIT DATABASE 'North_sales' SET PARAMETER log_archive_trace = 1 'SCOPE = BOTH';
EDIT DATABASE (名前の変更)
EDIT DATABASE
(名前の変更)コマンドは、ブローカにより指定したデータベースの参照に使用される名前を変更します。
書式
EDIT DATABASE <db_unique_name> RENAME TO <new_db_unique_name>;
コマンド・パラメータ
使用上のノート
-
このコマンドを使用して、このデータベースの
DB_UNIQUE_NAME
初期化パラメータの変更を追跡します。注意:
db_unique_name
は、そのデータベースのDB_UNIQUE_NAME
初期化パラメータの値と必ず一致する必要があります。 -
このコマンドを実行できるのは、名前を変更するデータベースのブローカ管理が無効化されている場合のみです。
コマンドの例
次の例に、データベースを編集して名前を変更する方法を示します。
DGMGRL> DISABLE DATABASE 'South_Sales_typo'; Disabled. DGMGRL> EDIT DATABASE 'South_Sales_typo' RENAME TO 'South_Sales'; Succeeded. DGMGRL> ENABLE DATABASE 'South_Sales'; Enabled.
EDIT DATABASE (状態)
EDIT DATABASE
(状態)コマンドは、指定したデータベースの状態を変更します。
書式
EDIT DATABASE <db_unique_name> SET STATE=state [WITH APPLY INSTANCE=<instance_name>];
コマンド・パラメータ
使用上のノート
-
ターゲットの状態が
APPLY-ON
で、このデータベースが現在フィジカルまたはロジカル・スタンバイ・データベースである場合は、オプションのWITH APPLY INSTANCE
句で適用インスタンスを指定します。 -
ターゲットの状態が
APPLY-ON
ではない場合、またはデータベースが現在プライマリ・ロールになっている場合は、WITH APPLY INSTANCE
句を指定しても無視されます。 -
スナップショット・スタンバイ・データベースの状態は変更できません。
-
このデータベースの状態変更は、Oracle RACデータベースのすべてのインスタンスに影響します。
コマンドの例
次の各例に、データベースの状態を変更する方法を示します。
DGMGRL> EDIT DATABASE 'South_Sales' SET STATE='APPLY-ON'; Succeeded.
EDIT DATABASE RESET (プロパティ)
EDIT DATABASE RESET
(プロパティ)コマンドは、指定されたデータベースの指定されたプロパティをそのデフォルト値にリセットしなおします。
書式
EDIT DATABASE <db_unique_name> RESET PROPERTY <property_name>;
コマンド・パラメータ
コマンドの例
次の例は、South_Sales
という名前のデータベースのNetTimeout
プロパティをリセットする方法を示しています。
DGMGRL> EDIT DATABASE 'South_Sales' RESET PROPERTY NetTimeout; Succeeded.
EDIT DATABASE RESET (パラメータ)
EDIT DATABASE RESET
(パラメータ)コマンドは、指定されたデータベースの指定されたデータベース初期化パラメータをそのデフォルト値にリセットします。
書式
EDIT DATABASE <db_unique_name> RESET PARAMETER <parameter_name>;
コマンド・パラメータ
コマンドの例
次の例は、South_Sales
という名前のデータベースのlog_archive_trace
パラメータをリセットする方法を示しています。
DGMGRL> EDIT DATABASE 'South_Sales' RESET PARAMETER log_archive_trace; Succeeded.
EDIT FAR_SYNC
EDIT FAR_SYNC
コマンドは、遠隔同期インスタンスの名前、プロパティまたは初期化パラメータを変更します。
書式
EDIT FAR_SYNC <db_unique_name> RENAME TO <new_db_unique_name>;
EDIT FAR_SYNC <db_unique_name> SET PROPERTY <property_name> = value;
EDIT FAR_SYNC <db_unique_name> SET PARAMETER <parameter_name>
=value
[ initialization_parameter_options ]
;
コマンド・パラメータ
- db_unique_name
-
情報を編集する遠隔同期インスタンスの
DB_UNIQUE_NAME
初期化パラメータ値。この名前は、対応するデータベースのDB_UNIQUE_NAME
初期化パラメータの値と一致する(大/小文字の区別なし)必要があります。 - new_db_unique_name
-
DB_UNIQUE_NAME
初期化パラメータの新しい値。 - property_name
-
遠隔同期インスタンス固有の既存の構成可能なプロパティの名前。
- parameter_name
-
変更する必要がある既存のデータベース初期化パラメータの名前。
- value
-
プロパティまたはパラメータの新しい値です。
- initialization_parameter_options
-
その他のオプションは次のとおりです。
-
SCOPE:
スコープには次のいずれかの値を設定します: SPFILE、MEMORYまたはBOTH。デフォルト値はBOTHです。指定したパラメータが静的パラメータの場合は、SCOPE=SPFILE
を設定します。 -
SID:
パラメータを設定する必要があるデータベース・インスタンスの名前を指定します。指定したパラメータをすべてのインスタンスに設定する必要がある場合は、SID='*'
を設定します。
-
コマンドの例
次のコマンドは、"chicago_typo
"を"chicago
"に置き換え、名前を"dallas
"に変更します。
DGMGRL> DISABLE FAR_SYNC 'chicago_typo'; EDIT FAR_SYNC 'chicago_typo' RENAME TO 'chicago'; ENABLE FAR_SYNC 'chicago;
次の例は、chicago
という名前の遠隔同期インスタンスの初期化パラメータを設定します。
DGMGRL> EDIT FAR_SYNC 'chicago' SET log_archive_trace=1;
EDIT FAR_SYNC RESET (プロパティ)
EDIT FAR_SYNC RESET
(プロパティ)コマンドは、指定された遠隔同期インスタンスの指定されたプロパティをそのデフォルト値にリセットします。
書式
EDIT FAR_SYNC <db_unique_name> RESET PROPERTY <property_name>;
コマンド・パラメータ
コマンドの例
次の例は、dallas
という名前の遠隔同期インスタンスのReopenSecs
プロパティをデフォルト値にリセットする方法を示しています。
DGMGRL> EDIT FAR_SYNC 'dallas' RESET PROPERTY ReopenSecs;
EDIT FAR_SYNC RESET (パラメータ)
EDIT FAR_SYNC RESET PARAMETER
(パラメータ)コマンドは、指定された遠隔同期インスタンスの指定されたデータベース初期化パラメータをそのデフォルト値にリセットします。
書式
EDIT FAR_SYNC <db_unique_name> RESET PARAMETER <parameter_name>;
コマンド・パラメータ
コマンドの例
次の例は、dallas
という名前の遠隔同期インスタンスのlog_filename_convert
初期化パラメータをデフォルト値にリセットする方法を示しています。
DGMGRL> EDIT FAR_SYNC 'dallas' RESET PARAMETER log_filename_convert;
EDIT PLUGGABLE DATABASE (状態)
EDIT PLUGGABLE DATABASE
コマンドは、指定したプラガブル・データベース(PDB)の状態を変更します。
書式
EDIT PLUGGABLE DATABASE <pluggable_database_name> AT <db_unique_name> SET STATE = state_name;
コマンド・パラメータ
使用上のノート
-
指定したPDBは、
db_unique_name
で指定したデータベースに存在し、ADD PLUGGABLE DATABASE
コマンドで構成してある必要があります。
例
例10-6 ターゲットPDBでのREDO Applyの停止
この例では、ターゲット・データベースnewyork
に含まれているdgpdb_sales
という名前のターゲットPDBに対するREDO Applyを停止します。
DGMGRL> EDIT PLUGGABLE DATABASE dgpdb_sales AT newyork SET STATE=APPLY-OFF;
Succeeded.
EDIT RECOVERY_APPLIANCE (プロパティ)
EDIT RECOVERY_APPLIANCE
(プロパティ)コマンドは、指定したZero Data Loss Recovery Appliance (リカバリ・アプライアンス)のプロパティ値を変更します。
書式
EDIT <db_unique_name> SET PROPERTY property_name = value;
コマンド・パラメータ
- db_unique_name
-
構成可能プロパティ値を変更するリカバリ・アプライアンスの
DB_UNIQUE_NAME
初期化パラメータ値。 - property_name
-
既存のリカバリ・アプライアンス固有プロパティの名前。有効なプロパティは次のとおりです。
-
DGConnectIdentifier
-
LogXptMode
-
DelayMins
-
Binding
-
MaxFailure
-
ReopenSecs
-
NetTimeout
-
RedoCompression
-
LogShipping
-
InconsistentProperties
-
InconsistentLogXptProps
-
AlternateLocation
-
- value
-
新しいプロパティ値。
コマンドの例
次の例は、構成可能なプロパティを編集する例を示しています。
DGMGRL> EDIT RECOVERY_APPLIANCE 'EnterpriseRecoveryAppliance' SET PROPERTY 'ReopenSecs'=300; Property "ReopenSecs" updated
EDIT RECOVERY_APPLIANCE (名前の変更)
EDIT RECOVERY_APPLIANCE
(名前の変更)コマンドは、ブローカ構成内の該当するリカバリ・アプライアンスのプロファイルに記録されているように、指定したリカバリ・アプライアンスを参照するためにブローカで使用する名前を変更します。
書式
EDIT RECOVERY_APPLIANCE <db_unique_name> RENAME TO <new_db_unique_name> ;
コマンド・パラメータ
使用上のノート
-
このコマンドを使用して、このリカバリ・アプライアンスの
DB_UNIQUE_NAME
初期化パラメータへの変更を追跡します。注意:
リカバリ・アプライアンスの名前は、そのリカバリ・アプライアンスの
DB_UNIQUE_NAME
初期化パラメータの値と常に一致する必要があります。
コマンドの例
次の例は、リカバリ・アプライアンスの編集および名前を変更する方法を示しています。
DGMGRL> EDIT RECOVERY_APPLIANCE 'EnterpriseRecoveryAppliance_typo' RENAME TO 'EnterpriseRecoveryAppliance'; Succeeded.
EDIT RECOVERY_APPLIANCE RESET (プロパティ)
EDIT RECOVERY_APPLIANCE RESET
(プロパティ)コマンドは、指定されたリカバリ・アプライアンスの指定されたプロパティを、そのデフォルト値にリセットします。
書式
EDIT RECOVERY_APPLIANCE <db_unique_name> RESET PROPERTY <property_name> ;
コマンド・パラメータ
コマンドの例
次の例は、South_Sales
という名前のリカバリ・アプライアンスのReopenSecs
プロパティをデフォルト値にリセットする方法を示しています。
DGMGRL> EDIT DATABASE 'South_Sales' RESET PROPERTY ReopenSecs; Succeeded.
ENABLE CONFIGURATION
ENABLE CONFIGURATION
コマンドは、すべてのデータベースを含むブローカ構成をブローカで管理できるようにします。
書式
ENABLE CONFIGURATION [ <configuration_name> | ALL ];
コマンド・パラメータ
なし。
使用上のノート
-
ENABLE CONFIGURATION
コマンドを使用して、プライマリ・データベースのブローカ管理と構成のすべてのメンバーを有効にします(これらのメンバーが明示的に無効にされていない場合)。 -
このコマンドを発行するには、制御ファイルのロールがプライマリであるデータベースに接続する必要があります。
-
デフォルトでは、構成のデータベースのブローカ管理は、プライマリ・データベースでは
TRANSPORT-ON
状態で有効化され、REDO転送サービスがオンになり、スタンバイ・データベースではAPPLY-ON
状態で有効化され、ログ適用サービスが起動します。遠隔同期インスタンスは、REDOデータを受け取り、REDOデータを送信するように有効化されます。EDIT DATABASE(状態)コマンドを使用して任意のデータベースの状態を変更できますが、対象のデータベースまたは構成全体が無効になっている場合は変更できません。遠隔同期インスタンスの状態は変更できません。 -
フェイルオーバーまたはスイッチオーバーがDGMGRLやCloud ControlでなくSQL*Plusを使用して実行された場合、このコマンドを使用して、ブローカ構成に格納されているロールを更新します。
-
構成に関する情報を表示するには、SHOW CONFIGURATIONコマンドを使用します。
-
すべての構成を有効にするには、
ALL
キーワードを含めます。これを使用して、DB PDB構成の作成後にソース・データベースとターゲット・データベース間のREDO転送を開始します。
コマンドの例
次の例では、ブローカ構成の管理を有効化しています。
DGMGRL> ENABLE CONFIGURATION; Enabled.
次のコマンドを使用すると、1つ以上のPDBを含む構成済のすべてのブローカ構成を管理できます。ソース・データベースからターゲット・データベースへのREDO転送が開始されます。
DGMGRL> ENABLE CONFIGURATION ALL;
Enabled “MyConfig1” with primary database “boston”.
Enabled “MyConfig2” with primary database “newyork”.
ENABLE DATABASE
ENABLE DATABASE
コマンドは、指定したスタンバイ・データベースのブローカ管理を有効化します。
注意:
回復する必要があるスタンバイ・データベースでENABLE DATABASE
コマンドを発行しないでください。詳細は、「ロール変更後の無効化されたデータベースの再有効化」を参照してください。
書式
ENABLE DATABASE <db_unique_name>;
使用上のノート
-
このコマンドを発行するには、プライマリ・データベースまたはすでに有効化されたスタンバイ・データベースに接続する必要があります。
-
前のフェイルオーバー操作またはスイッチオーバー操作の結果、ブローカによりスタンバイ・データベースが無効化されている場合があります。データベースを回復または再作成する方法を理解するには、「ロール変更後の無効化されたデータベースの再有効化」を参照してください。
-
デフォルトでは、フィジカルまたはロジカル・スタンバイ・データベースのブローカ管理は
APPLY-ON
状態で有効化され、ログ適用サービスが有効化されます。データベースが有効になっている場合にのみ、EDIT DATABASE(状態)コマンドを使用してスタンバイ・データベースの状態を変更できます。 -
構成に関する情報を表示するには、SHOW DATABASEコマンドを使用します。
-
Oracle RACデータベースの場合は、インスタンスを1つ起動してマウントすれば、このコマンドが正常に実行されます。
コマンドの例
次の例に、データベースSouth_Sales
を有効化する方法を示します。
DGMGRL> ENABLE DATABASE 'South_Sales'; Enabled.
ENABLE FAST_START FAILOVER
ENABLE FAST_START FAILOVER
コマンドは、プライマリ・データベースが消失した場合、手動によるステップを必要とせずに、ブローカが具体的に選択されたスタンバイ・データベースにフェイルオーバーできるようにします。
詳細は、「ファスト・スタート・フェイルオーバーの有効化」を参照してください。
書式
ENABLE FAST_START FAILOVER [OBSERVE ONLY];
コマンド・パラメータ
OBSERVE ONLY:
このコマンドの発行前または発行後に開始されたすべてのオブザーバは、監視専用モードで実行されます。
使用上のノート
-
このコマンドを発行してファスト・スタート・フェイルオーバーを有効化する前に、「ファスト・スタート・フェイルオーバーを有効化するための前提条件」で説明する前提条件を満たす必要があります。
-
ENABLE FAST_START FAILOVER
コマンドの発行により、フェイルオーバーが起動されることはありません。構成を監視しているオブザーバが、フェイルオーバーの条件が満たされた場合に、ファスト・スタート・フェイルオーバーを開始できるようにするだけです。 -
ブローカ構成のデータベースに接続されている間は、ファスト・スタート・フェイルオーバーを有効化できます。
-
ファスト・スタート・フェイルオーバーを有効化した後にオブザーバを開始しない場合、プライマリ・データベースとターゲットのスタンバイ・データベースに
ORA-16819
の警告が表示されます。たとえば:DGMGRL> SHOW DATABASE 'South_Sales'; Database - South_Sales Role: PRIMARY Intended State: TRANSPORT-ON Instance(s): south_sales1 Database Warning(s): ORA-16819: fast-start failover observer not started Database Status: WARNING
-
複数のスタンバイ・データベースを含むブローカ構成でファスト・スタート・フェイルオーバーを有効化する場合は、プライマリ・データベース上の
FastStartFailoverTarget
構成プロパティで1つ以上の実行可能なターゲット・スタンバイ・データベースを指定する必要があります。プライマリ・データベースおよびターゲット・スタンバイ・データベースの両方が次の条件を満たしている必要があります。-
スタンバイREDOログが構成されていること
-
REDO転送が、両方のデータベース上で、構成された保護モードに正しく構成されていること
また、プライマリ・データベースとスタンバイ・データベースの両方でフラッシュバック・データベースを有効化し、フェイルオーバー後に元のプライマリ・データベースの回復を許可することをお薦めします。有効化されていない場合、ファスト・スタート・フェイルオーバーを有効化すると警告が表示されます。
DGMGRL> ENABLE FAST_START FAILOVER; Warning: ORA-16827: Flashback Database is disabled
FastStartFailoverTarget
構成プロパティの詳細は、「ファスト・スタート・フェイルオーバーの有効化」のタスク2および「FastStartFailoverTarget」を参照してください。 -
-
ファスト・スタート・フェイルオーバーを有効化した後は、「ファスト・スタート・フェイルオーバーが有効化されている場合の制限事項」の説明にある制約に従う必要があります。
コマンドの例
例1: ファスト・スタート・フェイルオーバーの有効化
次の例では、ファスト・スタート・フェイルオーバーを有効化しています。
DGMGRL> ENABLE FAST_START FAILOVER; Enabled in Zero Data Loss Mode.
例2: ファスト・スタート・フェイルオーバーの有効化の成功例
次の例では、最大パフォーマンス・モードで動作している構成で、ファスト・スタート・フェイルオーバーが正常に有効化されました。
DGMGRL> SHOW FAST_START FAILOVER;
Fast-Start Failover: Enabled in Zero Data Loss Mode
Protection Mode: MaxAvailability
Lag Limit: 0 seconds
Threshold: 180 seconds
Ping Interval: 3000 milliseconds
Ping Retry: 0
Active Target: South_Sales
Potential Targets: "South_Sales"
South_Sales valid
Observer: (none)
Shutdown Primary: TRUE
Auto-reinstate: TRUE
Observer Reconnect: (none)
Observer Override: FALSE
Configurable Failover Conditions
Health Conditions:
Corrupted Controlfile YES
Corrupted Dictionary YES
Inaccessible Logfile NO
Stuck Archiver NO
Datafile Write Errors YES
Oracle Error Conditions:
(none)
ENABLE FAST_START FAILOVER CONDITION
ENABLE FAST_START FAILOVER CONDITION
コマンドは、ファスト・スタート・フェイルオーバーを実行する追加条件を指定します。
書式
ENABLE FAST_START FAILOVER CONDITION <condition>;
コマンド・パラメータ
使用上のノート
-
表10-2に、データベース健全性チェック機能によって管理される健全性条件の例を示します。
-
指定された値が認識されていないか、条件がすでに設定されている場合、エラーは発生しません。
-
表10-2 健全性条件の例
健全性条件 説明 データファイル書込みエラー ファスト・スタート・フェイルオーバーが有効化され、データファイル書込みエラー条件が指定されている場合、任意のデータ・ファイル(一時ファイル、システム・データ・ファイル、UNDOファイルなど)で書込みエラーが発生すると、ファスト・スタート・フェイルオーバーが開始されます。 "破損した制御ファイル"
制御ファイルが破損しました。この条件はデフォルトで有効になっています。
"破損したディクショナリ"
重要なデータベース・オブジェクトのディクショナリが破損しました。この条件はデフォルトで有効になっています。
"アクセス不可能なログ・ファイル"
I/Oエラーにより、LGWRがログ・グループのどのメンバーにも書き込むことができません。
"スタック・アーカイバ"
デバイスに空き容量がないかデバイスを使用できないためにアーカイバがREDOログをアーカイブできません。
-
SHOW FAST_START FAILOVER
コマンドでこれらの構成可能な条件を表示できます。 - ORA-240は、ファスト・スタート・フェイルオーバーを開始する条件として指定できる唯一のOracleエラーです。
コマンドの例
例1
次の例では、破損した制御ファイルが検出された場合、ファスト・スタート・フェイルオーバーを実行するように指定します。
ENABLE FAST_START FAILOVER CONDITION "Corrupted Controlfile";
例2
次の例では、ORA-00240エラーが発生した場合、ファスト・スタート・フェイルオーバーを実行するように指定します。
ENABLE FAST_START FAILOVER CONDITION 240;
例3
次の例では、データファイル書込みエラー条件を示す出力を表示します。
DGMGRL> SHOW FAST_START FAILOVER; Fast-Start Failover: DISABLED Threshold: 180 seconds Ping Interval: 3000 milliseconds Ping Retry: 0 Active Target: (none) Potential Targets: "South_Sales" South_Sales valid Observer: (none) Lag Limit: 300 seconds Shutdown Primary: TRUE Auto-reinstate: TRUE Observer Reconnect: (none) Observer Override: FALSE Configurable Failover Conditions Health Conditions: Corrupted Controlfile YES Corrupted Dictionary YES Inaccessible Logfile NO Stuck Archiver NO Datafile Write Errors YES Oracle Error Conditions: ORA-240: control file enqueue held for more than %s seconds
ENABLE RECOVERY_APPLIANCE
ENABLE RECOVERY_APPLIANCE
コマンドは、指定したZero Data Loss Recovery Appliance (リカバリ・アプライアンス)のブローカ管理を有効化します。
書式
ENABLE RECOVERY_APPLIANCE <db_unique_name> ;
使用上のノート
-
このコマンドを発行するには、プライマリ・データベースまたはすでに有効化されたスタンバイ・データベースに接続する必要があります。
-
SHOW RECOVERY_APPLIANCE
コマンドを使用すると、リカバリ・アプライアンスの情報が表示されます。
コマンドの例
次の例は、EnterpriseRecoveryAppliance
という名前のリカバリ・アプライアンスを有効にする方法を示しています。
DGMGRL> ENABLE RECOVERY_APPLIANCE 'EnterpriseRecoveryAppliance'; Enabled.
EXIT
EXIT
コマンドは、ブローカのコマンドライン・インタフェースを終了します。
書式
EXIT;
コマンド・パラメータ
なし。
使用上のノート
-
このコマンドの効果は、QUITコマンドと同じです。
-
このコマンドの実行には、データベース接続は不要です。ただし、接続されている場合は、このコマンドにより接続が解除されます。
コマンドの例
次の例に、コマンドライン・インタフェースを終了する方法を示します。
DGMGRL> EXIT;
EXPORT CONFIGURATION
EXPORT CONFIGURATION
コマンドを使用すると、ブローカ構成ファイルに含まれているメタデータをテキスト・ファイルに保存できます。このコマンドを使用して、ブローカ構成のメタデータの最新コピーを維持します。
書式
EXPORT CONFIGURATION [TO file_name];
コマンド・パラメータ
- file_name
-
Data Guardブローカ構成が保存されるtraceディレクトリ内のファイルの名前。
TO file_name
句を省略すると、ブローカにより、エクスポートされた構成が、デフォルトのファイル名を使用して保存されます。ファイルに名前を付けるために使用される規則は、SID_dmon_processID-of-DMON_brkmeta_serial-number.trc
です。たとえば、SIDが
orcl
で、PMONプロセスのプロセスIDが1234で、TO
file-name句が省略されている場合、ブローカ構成の最初のエクスポート時に作成されるファイルはorcl_dmon_1234_brkmeta_1.trc
という名前になります。ブローカ構成が次回エクスポートされると、orcl_dmon_1234_brkmeta_2.trc
という名前のファイルに格納されます。
使用上のノート
-
ブローカはエクスポートされた構成を
trace
ディレクトリに格納します。構成を格納する必要があるディレクトリは指定できません。 -
以前のバージョンのデータベース・ソフトウェアにダウングレードする必要がある場合は、データベース・ソフトウェアをダウングレードする前に、ブローカ構成をファイルにエクスポートできます。その後、構成を最初から手動で再作成するかわりに、ダウングレードの完了後、このエクスポートされたファイルをインポートしてブローカ構成を再作成できます。
コマンドの例
次の例では、ブローカ構成ファイルのメタデータをtrace
ディレクトリ内のdg_config.txt
という名前のファイルにエクスポートします。
EXPORT CONFIGURATION TO 'dg_config.txt';
FAILOVER
FAILOVER
コマンドは、指定したターゲットのスタンバイ・データベースをプライマリ・データベースのロールに遷移するフェイルオーバーを開始します。
このタイプのフェイルオーバーは、手動フェイルオーバーと呼びます。詳細は、「手動フェイルオーバー」を参照してください。
ノート:
フェイルオーバーを実行すると、スタンバイ・データベースがプライマリ・データベースのロールに遷移するため、フェイルオーバーは、プライマリ・データベースに障害が発生するか使用不可になり、適時にリカバリできない場合に実行してください。フェイルオーバーの結果、実行時に有効になっている保護モード、およびターゲット・スタンバイ・データベースがプライマリ・データベースと同期化されていたかどうかによっては、データが消失する場合があります。
プライマリ・データベースに障害がなく、データの消失なしに現在のプライマリ・データベースとスタンバイ・データベースのロールを切り替えるには、SWITCHOVER
コマンドを使用します。
書式
FAILOVER TO <db_unique_name> [IMMEDIATE];
コマンド・パラメータ
使用上のノート
-
ORA-752
またはORA-600
[3020]
エラーにより、フェイルオーバー・ターゲットでREDO Applyが停止されていないかぎり、常に完全フェイルオーバーを最初に実行するようにします。これらのエラーのいずれかが発生した場合は、先に進む前に、My Oracle Supportノート1265884.1 (http://support.oracle.com
)のスタンバイ・リカバリ時のORA-752またはORA-600 [3020]の解決のガイドラインに従います。即時フェイルオーバーは、完全フェイルオーバーが失敗するか、前述のエラーの場合にのみ実行してください。 -
指定したスタンバイ・データベースは、プライマリ・データベースに障害が発生する前に有効化されている必要があります。ただし、有効化されているスタンバイ・データベースが停止している場合は、フェイルオーバー操作の候補とみなすことができます。この場合は、DGMGRLの
STARTUP
コマンドを使用してスタンバイ・データベースを再起動してからFAILOVER
コマンドを発行します。 -
フェイルオーバーは、指定したスタンバイ・データベースに対して動作し、スタンバイ・データベースのロールがプライマリ・データベースのロールに変更されます。フェイルオーバーに関係しないその他のスタンバイ・データベースは、スタンバイ・ロールのままです。
-
FAILOVER
コマンドを発行する前に、新しいプライマリ・データベースになるスタンバイ・データベースに接続していることを確認します。必要な場合は、CONNECTコマンドを発行してフェイルオーバーするスタンバイ・データベースに接続します。 -
オプションを指定せずに
FAILOVER
コマンドを発行すると、フェイルオーバー・ターゲットとして選択したスタンバイ・データベースにより、プライマリ・ロールへの変更前に受信した未適用のREDOがすべて適用されます。これを完全フェイルオーバーと呼びます。 -
ブローカ構成が最大保護モードで動作している場合、手動フェイルオーバー操作を実行すると、保護モードが強制的に最大パフォーマンスに設定されます。REDO転送サービスの設定は影響を受けません。フェイルオーバー操作後に、構成に必要な保護モードをリストアする必要があります。
ノート:
ファスト・スタート・フェイルオーバーの場合は、ブローカにより、フェイルオーバー前に有効になっていた保護モードが維持されます。
-
IMMEDIATE
オプションを指定してFAILOVER
コマンドを発行すると、受け取った未適用のREDOの適用は試行されません。このオプションを指定すると、スタンバイ・データベースでスタンバイREDOログ・ファイルが構成されている場合でも、アプリケーション・データが消失する可能性があります。また、構成内の他のスタンバイ・データベースは、回復または再作成されるまで機能しません。詳細は、「ロール変更後の無効化されたデータベースの再有効化」を参照してください。 -
手動フェイルオーバーを実行するか、ブローカをファスト・スタート・フェイルオーバーを実行するように設定できます。フェイルオーバーの条件が満たされた場合に、ブローカにより自動的にフェイルオーバーを起動させる方法については、ENABLE FAST_START FAILOVERコマンドを参照してください。
-
ファスト・スタート・フェイルオーバーが有効になっている場合は、完全手動フェイルオーバーを、ファスト・スタート・フェイルオーバーのターゲット・スタンバイ・データベースに対してのみ、そのスタンバイ・データベースがプライマリ・データベースと同期化されているかプライマリ・データベースのラグ制限内である場合にのみ、およびオブザーバーが開始されている場合にのみ実行できます。ファスト・スタート・フェイルオーバーが有効になっている場合に、即時手動フェイルオーバーは実行できません。
-
障害が発生した元のプライマリ・データベース上で、フェイルオーバーの前に「データベースをフラッシュバック」が有効化されていた場合は、ブローカの
REINSTATE
コマンド(REINSTATE DATABASEコマンドを参照)を使用して、そのプライマリ・データベースを回復できます。フィジカル・スタンバイ・データベースに対してフェイルオーバーが実行された場合は、そのスタンバイ・データベースで「データベースをフラッシュバック」が有効化されていて、使用可能なフラッシュバック・ログ情報が不足なくある場合にのみ、そのフェイルオーバーにより無効化されたその他のフィジカル・スタンバイ・データベースも回復できます。ステップについては、「ロール変更後の無効化されたデータベースの再有効化」を参照してください。
-
元のプライマリ・データベースは、回復または再作成後、スタンバイ・データベースとしてのみ構成に関係できます。
注意:
フェイルオーバー前に、まだアクティブなインスタンスが実行されている場合は、元のプライマリ・データベースを停止します。
関連項目:
プライマリ・データベースのスタンバイ・データベースとして機能するように、元のプライマリ・データベースを再有効化する方法については、「ロール変更後の無効化されたデータベースの再有効化」を参照してください
コマンドの例
次の例では、スタンバイ・データベースSouth_Sales
がプライマリ・ロールに遷移するフェイルオーバーを実行しています。
DGMGRL> FAILOVER TO 'South_Sales'; Performing failover NOW, please wait... Failover succeeded, new primary is "South_Sales" DGMGRL> SHOW CONFIGURATION; Configuration - DRSolution Protection Mode: MaxPerformance Members: South_Sales - Primary database North_Sales - Physical standby database (disabled) ORA-16661: The standby database must be be reinstated. Fast-Start Failover: DISABLED Configuration Status: WARNING
FAILOVER TO PLUGGABLE DATABASE
FAILOVER TO PLUGGABLE DATABASE
コマンドは、指定したターゲットPDBをソースPDBのロールに遷移するフェイルオーバーを起動します。
構文
FAILOVER TO PLUGGABLE DATABASE <pdb_name> AT <target_db_unique_name> [IMMEDIATE];
コマンド・パラメータ
使用上のノート
-
ソースPDBに問題があっても、ソース・データベースが使用可能な場合は、ターゲットPDBへの手動フェイルオーバーを実行します。ターゲットPDBは、受信したすべての未適用REDOを適用し、ソースPDBロールに変更されます。これは完全PDBフェイルオーバーと呼ばれます。
-
ソース・データベースにアクセスできない場合は、
IMMEDIATE
オプションを指定し、FAILOVER PLUGGABLE DATABASE
コマンドを使用して即時フェイルオーバーを実行します。受信済で未適用のREDOを適用することはありません。このオプションを使用すると、アプリケーション・データが失われる可能性が高くなります。 -
元のソースPDBは、新しいソースPDBのターゲットPDBとして機能できるように、手動で再有効化する必要があります。
例10-7 PDBのフェイルオーバーの実行
次の例では、ターゲット・データベースnewyork
に含まれるターゲットPDB sales
がソースPDBに遷移するPDBフェイルオーバーを実行します。
DGMGRL> FAILOVER TO PLUGGABLE DATABASE sales AT newyork;
Verifying conditions for Failover...
Source pluggable database is 'SALESB' at database 'boston'
Performing FAILOVER now, please wait...
Converting 'SALESB' to standby role...
Waiting for 'SALES' to recover all redo data...
Stopping recovery at 'SALES'...
Converting 'SALES' to primary role...
Opening new primary 'SALES'...
Failover succeeded, new primary is “sales”.
HELP
DISPLAY
コマンドは、Data Guardコマンドライン・インタフェースのオンライン・ヘルプを表示します。
書式
HELP [command_name];
コマンド・パラメータ
- command_name
-
ヘルプ情報が必要なコマンド。コマンドを指定しない場合は、すべてのコマンドがリストされます。
@ Execute DGMGRL script file ! Host operating system command / Repeat the last command -- Comment to be ignored by DGMGRL add Adds a member to the broker configuration connect Connects to an Oracle database instance convert Converts a database from one type to another create Creates a broker configuration or far sync instance disable Disables a configuration, a member, or fast-start failover edit Edits a configuration or a member enable Enables a configuration, a member, or fast-start failover exit Exits the program export Export Data Guard Broker configuration to a file. failover Changes a standby database to be the primary database help Displays description and syntax for a command host Host operating system command import Import Data Guard Broker configuration from a file. migrate Migrate a pluggable database from one configuration to another. prepare Prepare a primary database for a Data Guard environment. quit Exits the program reinstate Changes a database marked for reinstatement into a viable standby rem Comment to be ignored by DGMGRL remove Removes a configuration or a member set Set a DGMGRLI CLI property to a specified value show Displays information about a configuration or a member shutdown Shuts down a currently running Oracle database instance spool store input and output of DGMGRL CLI in a file sql Executes a SQL statement start Starts the fast-start failover observer startup Starts an Oracle database instance stop Stops the fast-start failover observer switchover Switches roles between a primary and standby database validate Performs an exhaustive set of validations for a member
個々のコマンドの構文を参照するには、
help
command_name
と入力します。
使用上のノート
-
このコマンドの実行には、データベース接続は不要です。
コマンドの例
次の例では、EDIT
コマンドのヘルプを取得しています。
DGMGRL> HELP FAILOVER Changes a standby database to be the primary database Syntax: FAILOVER TO <standby db-unique-name> [IMMEDIATE]; FAILOVER TO PLUGGABLE DATABASE <standby pluggable database name> AT <target CDB> [IMMEDIATE];
HOSTまたは! (感嘆符)
DGMGRLのHOST
コマンドおよび!コマンドでは、DGMGRLを離れることなく、DGMGRLコンソールから直接オペレーティング・システム・コマンドを実行できます。
HOST
コマンドと!コマンドには同じ機能があります。これにより、DGMGRLにログインしたままオペレーティング・システム・コマンドを発行できます。DGMGRLプロンプトがオペレーティング・システム・コマンドを受け入れるシェル・プロンプトになります。また、個別のオペレーティング・システム・コマンドをHOSTコマンドまたは!コマンド経由でDGMGRLに直接送信することもできます。
書式
HOST [command]
または
! [command]
使用上のノート
-
コマンドを指定せずに
HOST
とだけ入力すると、EXIT
コマンドを発行してDGMGRLコンソールに戻るまで、DGMGRLコンソールはオペレーティング・システムのシェル・プロンプトになります。 -
HOSTコマンドおよび!コマンドは、コマンドラインから入力された後続の内容すべてを、オペレーティング・システムのシェル・プロンプトへの入力として解釈します。次に示すコマンドの例2を参照してください。
コマンドの例
例1
次の例は、HOST
コマンドおよび!コマンドを使用し、DGMGRLコンソールで個別のオペレーティング・システム・コマンドを実行する方法を示しています。
DGMGRL> HOST DATE
Executing operating system command(s):" date"
Fri Oct 23 14:08:42 EDT 2015
DGMGRL>
DGMGRL> ! DATE
Executing operating system command(s):" date"
Fri Oct 23 14:09:20 EDT 2015
DGMGRL>
例2
次の例では、両方のDATE
コマンドをオペレーティング・システム・シェルで実行した後、制御がDGMGRLに戻ります。
DGMGRL> ! DATE;DATE;
Executing operating system command(s):" date;date;"
Fri Oct 23 14:11:40 EDT 2015
Fri Oct 23 14:11:40 EDT 2015
DGMGRL>
IMPORT CONFIGURATION
IMPORT CONFIGURATION
コマンドを使用すると、EXPORT CONFIGURATION
コマンドを使用して以前にtraceディレクトリのファイルにエクスポートされたブローカ構成のメタデータをインポートできます。
書式
IMPORT CONFIGURATION FROM <file_name>;
使用上のノート
-
インポートされたメタデータは、インメモリー・メタデータに格納され、
DG_BROKER_CONFIG_FILE1
またはDG_BROKER_CONFIG_FILE2
で指定されたブローカ・メタデータ・ファイルのいずれかに格納されます。 -
指定したファイル名は、
trace
ディレクトリに存在している必要があります。
コマンドの例
次のコマンドは、trace
ディレクトリ内のdg_config.txt
という名前のファイルに格納されている構成メタデータを、メモリーおよびブローカ・メタデータ・ファイルにインポートします。
DGMGRL> IMPORT CONFIGURATION FROM 'dg_config.txt';
MIGRATE PLUGGABLE DATABASE
MIGRATE PLUGGABLE DATABASE
コマンドを使用すると、プラガブル・データベース(PDB)を1つのマルチテナント・コンテナ・データベース(CDB)から同じホスト上の別のCDBに移行できます。あるプライマリCDBから別のプライマリCDBにPDB移行するか、スタンバイCDBからプライマリCDBにPDBをフェイルオーバーできます。
MIGRATE PLUGGABLE DATABASE
コマンドで、Data Guard Brokerの構成内のプライマリCDBから別のブローカの構成内の別のプライマリCDBにプラガブル・データベースを移動するときにスタンバイ・データファイルを再利用できます。スタンバイ・データ・ファイルを再利用するには、次のことを確認する必要があります。
- ソース構成および宛先構成にあるすべてのデータベースで、OMFおよびASMが使用されている必要があります。
- ソース・スタンバイCDBで、宛先スタンバイCDBと同じASMディスク・グループが共有されている必要があります。
書式
MIGRATE PLUGGABLE DATABASE [VERIFY][IMMEDIATE] <pdb_name>
TO CONTAINER <dest_cdb_name>
USING XML_description_file
[CONNECT AS { /@<dest_cdb_connect_identifer> | <dest_cdb_user>/<dest_cdb_pass>@<dest_cdb_connect_identifer>} ]
[ SECRET secret KEYSTORE IDENTIFIED BY ( EXTERNAL STORE | <wallet_password>) ][STANDBY FILES { /@<asm_instance_connect_identifer> | sysasm_user/sysasm_pass@<asm_instance_connect_identifer>} ]
[SOURCE STANDBY <source_standby_cdb_name>
[DESTINATION STANDBY <dest_standby_cdb_name>
[TIMEOUT timeout]
[KEYFILE <key_file>]
[ SOURCE KEYSTORE IDENTIFIED BY ( EXTERNAL STORE | <source_wallet_password>) ];
前提条件
MIGRATE PLUGGABLE DATABASE
コマンドには次の前提条件があります。
-
ソースCDBと同じファイル・パスでPDBデータ・ファイルにアクセスできるようにして、宛先CDBが作成および起動されている必要があります。
-
ソースCDBと宛先CDBは、それぞれ別々のData Guard Broker構成に含まれている必要があります。
-
ソースCDBはプライマリ・データベースまたはフィジカル・スタンバイ・データベースのどちらでもかまいません。
-
ソースPDBで透過的データ暗号化(TDE)が使用されている場合、ソースPDBに関連付けられている暗号化キーも移行する必要があります。データベース・ルートに接続し、
ADMINISTER KEY MANAGEMENT
コマンドを使用してマスター暗号化キーをエクスポートします。このコマンドで使用される句は、PDBモード(分離モードまたは統一モード)およびキーストアのタイプ(ソフトウェアベースのキーストアまたはパスワード・キーストア)によって異なります。エクスポートされたキーを含むファイルは、セキュア・ファイル・コピー(SCP)またはOracle Automatic Storage Management Cluster File System (Oracle ACFS)を使用して、宛先CDBからアクセスできる必要があります。
-
ソースCDBがフィジカル・スタンバイ・データベースの場合:
-
ソースCDBと宛先CDBで同じOracleバージョンおよびパッチが実行されている必要があります。
-
ソースCDBと宛先CDBの
COMPATIBLE
初期化パラメータの設定は同じである必要があります。 -
移行対象のPDBがそのプライマリCDB上でクローズされている必要があります。
-
フェイルオーバーを実行します。
PDBフェイルオーバーによってデータが消失する可能性がある場合は、
IMMEDIATE
オプションを使用して、フェイルオーバーの実行を明示的に選択する必要があります。
-
-
ソースCDBがプライマリ・データベースの場合
-
宛先CDBで古いバージョンのOracleは実行できません。
-
宛先CDBでは、
COMPATIBLE
初期化パラメータの設定をソースCDBよりも低い値に設定できません。
-
-
PDBのサービスを停止して、移行対象のソース・データベースのOracle Clusterwareリポジトリから削除する必要があります。これは、ソース・データベースのData Guard Broker構成内のすべてのデータベースに対して実行する必要があります。
-
宛先CDBがオープンしている必要があります。
-
このコマンドを実行するユーザーには、ソースCDBと宛先CDBの両方に対する
SYSDBA
権限が必要です。 - ソース・スタンバイ・データベース・ファイルの再利用が必要な場合:
- ソース・スタンバイ・データベース・ファイルを含むASMインスタンスへの接続識別子を指定するには、
STANDBY FILES
句を使用する必要があります - ソースおよび宛先のCDBスタンバイ・データベースのパラメータ
DB_CREATE_FILE_DEST
を、同じASMディスク・グループ名に設定する必要があります。 - 宛先CDBスタンバイ・データベースのパラメータ
DB_FILE_NAME_CONVERT
はnullである必要があります。 - パラメータ
STANDBY_FILE_MANAGEMENT
は、ソース・スタンバイ・データベースでAUTOである必要があります。
- ソース・スタンバイ・データベース・ファイルを含むASMインスタンスへの接続識別子を指定するには、
コマンド・パラメータ
- pdb_name
- 移行対象のPDBの名前。
- dest_cdb_name
- 移行対象のPDBを受け入れるCDBの一意のデータベース名。
- XML_description_file
- 移行対象のPDBの説明が含まれているXMLファイル。このファイルは、
MIGRATE PLUGGABLE DATABASE
コマンドで実行するSQL文によって自動的に作成されます。 - dest_cdb_user
- 宛先CDBへの
SYSDBA
アクセス権を持つユーザーのユーザー名。 - dest_cdb_pass
dest_cdb_user
に指定されているユーザー名に関連付けられたパスワード。- dest_cdb_connect_identifier
- 宛先CDBへの接続に使用するOracle Net接続識別子。
- secret
- ソースPDBのエクスポートされた暗号化キーを含むエクスポート・ファイルの暗号化に使用されたパスワード。このパスワードは、PDB暗号化キーのエクスポート時に
ADMINISTER KEY MANAGEMENT
コマンドの一部として指定されます。 - wallet_password
- 暗号化キーを含むキーストアのパスワード。これは、ソースPDBがパスワード・キーストアを使用して暗号化された場合に必要です。
- asm_instance_connect_identifer
- ソース・スタンバイ・データベース・ファイルがあるASMインスタンスへの接続識別子。
使用上のノート
-
デフォルトで、このコマンドをPDBフェイルオーバーで使用する場合、データを消失する可能性があると、フェイルオーバーの試行は拒否されます。
IMMEDIATE
オプションを使用して、このデフォルトの動作を上書きできます。 -
ソース・データベースがプライマリ・データベースの場合、
IMMEDIATE
オプションは無視されます。 -
VERIFY
オプションは、PDBを正常に移行できるかどうかを判断するための事前チェックを実行します。 -
接続識別子が指定されている場合、宛先CDBでのユーザー認証にはデータベース資格証明が使用されます。
-
オペレーティング・システム資格証明は、宛先CDBでのユーザー認証には使用できません。接続識別子を指定する必要があります。スラッシュ(/)はサポートされません。
-
スラッシュ(/)を使用して接続識別子が指定されている場合(たとえば、
/@boston
)、資格証明はウォレットから取得されます。 -
接続文字列を指定する場合は、次のオプションを使用できます。
-
/@dest_cdb_connect_identifier
(資格証明はウォレットからフェッチされる) -
dest_cdb_user/dest_cdb_pass@dest_cdb_connect_identifier
(データベース資格証明を使用する)
-
-
パスワードがコマンドライン上に表示されないようにするには、接続識別子とユーザー名のみを指定します。次に、パスワードの入力を求められます。ユーザー名と接続識別子のみを入力する場合は、次のオプションがサポートされています。
-
dest_cdb_user@dest_cdb_connect_identifier
(データベース資格証明を使用する) -
dest_cdb_user@dest_cdb_connect_identifier
(データベース資格証明を使用する)
-
-
コマンドラインから接続文字列をすべて省略すると、ユーザー名とパスワードを入力するように要求されます。次のオプションがサポートされています。
-
/@dest_cdb_connect_identifier
(パスワードを求めるプロンプトは表示されず、資格証明はウォレットからフェッチされる) -
dest_cdb_user@dest_cdb_connect_identifier
(データベース資格証明を使用する) -
dest_cdb_user@dest_cdb_connect_identifier
(データベース資格証明を使用する)
-
sysasm_pass
を省略した場合は、sysasm_userのパスワードを求めるプロンプトが表示されます。SOURCE STANDBY
句で指定するデータベースは、フィジカル・スタンバイ・データベースである必要があります。移行ソースのプライマリ・データベースのフィジカル・スタンバイが1つのみの場合、この句はオプションですDESTINATION STANDBY
句で指定するデータベースは、フィジカル・スタンバイ・データベースである必要があります。移行先プライマリ・データベースのフィジカル・スタンバイが1つのみの場合、この句はオプションです。TIMEOUT
句を指定しない場合、デフォルトの1800秒が使用されます。- TDEが有効な場合のスタンバイ・データベースからのフェイルオーバーの場合、TDEマスター・キーをエクスポートするためのキー・ファイルの場所を指定する
KEYFILE
句と、その後にソースCDBのキーストア・パスワードを指定するSOURCE KEYSTORE IDENTIFIED BY
句が必要です。
コマンドの例
例1: プライマリCDBからのPDBの移行
DGMGRL> MIGRATE PLUGGABLE DATABASE REGION1 TO CONTAINER NORTH_SALES_NEW USING REGION1.xml
CONNECT AS sys@NORTH_SALES_NEW;
Connected to "NORTH_SALES_NEW"
Connected.
Beginning migration of pluggable database REGION1.
Source multitenant container database is NORTH_SALES.
Destination multitenant container database is NORTH_SALES_NEW.
Closing pluggable database REGION1 on all instances of multitenant container database NORTH_SALES.
Unplugging pluggable database REGION1 from multitenant container database NORTH_SALES.
Pluggable database description will be written to REGION1.xml.
Dropping pluggable database REGION1 from multitenant container database NORTH_SALES.
Creating pluggable database REGION1 on multitenant container database NORTH_SALES_NEW.
Opening pluggable database REGION1 on all instances of multitenant container database NORTH_SALES_NEW.
Succeeded.
例2: フィジカル・スタンバイからのPDBのフェイルオーバー
DGMGRL> MIGRATE PLUGGABLE DATABASE REGION1 TO CONTAINER SOUTH_SALES_NEW
USING REGION1.xml CONNECT AS sys@SOUTH_SALES_NEW;
Connected to "SOUTH_SALES_NEW"
Connected.
Beginning migration of pluggable database REGION1.
Source multitenant container database is SOUTH_SALES.
Destination multitenant container database is SOUTH_SALES_NEW.
Continuing with migration of pluggable database REGION1 to multitenant container database SOUTH_SALES_NEW.
Stopping Redo Apply services on source multitenant container database SOUTH_SALES.
Succeeded.
Opening database SOUTH_SALES.
Opening pluggable database REGION1 on source multitenant container database SOUTH_SALES to prepare for migration.
Pluggable database description will be written to REGION1.xml.
Closing pluggable database REGION1 on all instances of multitenant container database SOUTH_SALES.
Disabling media recovery for pluggable database REGION1.
Closing database SOUTH_SALES.
Restarting redo apply services on source multitenant container database SOUTH_SALES.
Succeeded.
Creating pluggable database REGION1 on multitenant container database SOUTH_SALES_NEW.
Opening pluggable database REGION1 on all instances of multitenant container database SOUTH_SALES_NEW.
Unplugging pluggable database REGION1 from multitenant container database NORTH_SALES.
Dropping pluggable database REGION1 from multitenant container database NORTH_SALES.
Succeeded.
例3: Data Guard構成のプライマリ・データベースにPDBを接続する場合にソース・スタンバイ・データベース・ファイルを再利用
MIGRATE PLUGGABLE DATABASE REGION1 TO CONTAINER SOUTH_SALES_NEW USING REGION1.xml STANDBY FILES sysasm@asm_tns SOURCE STANDBY SOUTH_SALES_STANDBY DESTINATION STANDBY SOUTH_SALES_NEW_STANDBY ;
Connected.
Beginning migration of pluggable database REGION1.
Source multitenant container database is SOUTH_SALES.
Destination multitenant container database is SOUTH_SALES_NEW.
Connecting to "inst11".
Connected as SYSASM.
Stopping Redo Apply services on multitenant container database SOUTH_SALES_NEW_STANDBY.
The guaranteed restore point "…" was created for multitenant container database "SOUTH_SALES_NEW_STANDBY".
Restarting redo apply services on multitenant container database SOUTH_SALES_NEW_STANDBY.
Closing pluggable database REGION1 on all instances of multitenant container database SOUTH_SALES.
Unplugging pluggable database REGION1 from multitenant container database SOUTH_SALES.
Pluggable database description will be written to ...
Dropping pluggable database REGION1 from multitenant container database SOUTH_SALES.
Waiting for the pluggable database REGION1 to be dropped from standby multitenant container database SOUTH_SALES_STANDBY.
Creating pluggable database REGION1 on multitenant container database SOUTH_SALES_NEW.
Checking whether standby multitenant container database SOUTH_SALES_NEW_STANDBY has added all data files for pluggable database REGION1.
Opening pluggable database REGION1 on all instances of multitenant container database SOUTH_SALES_NEW.
The guaranteed restore point "…" was dropped for multitenant container database "SOUTH_SALES_NEW_STANDBY".
Migration of pluggable database REGION1 completed.
Succeeded.
例4: Data Guard構成のプライマリ・データベースにPDBを接続する場合にTDEを有効にしてソース・スタンバイ・データベース・ファイルを再利用
DGMGRL> MIGRATE PLUGGABLE DATABASE REGION1 TO CONTAINER SOUTH_SALES_NEW
USING REGION1.xml CONNECT AS sys@SOUTH_SALES_NEW;
Connected to "SOUTH_SALES_NEW"
Connected.
Beginning migration of pluggable database REGION1.
Source multitenant container database is SOUTH_SALES.
Destination multitenant container database is SOUTH_SALES_NEW.
Continuing with migration of pluggable database REGION1 to multitenant container database SOUTH_SALES_NEW.
Stopping Redo Apply services on source multitenant container database SOUTH_SALES.
Succeeded.
Opening database SOUTH_SALES.
Opening pluggable database REGION1 on source multitenant container database SOUTH_SALES to prepare for migration.
Pluggable database description will be written to REGION1.xml.
Closing pluggable database REGION1 on all instances of multitenant container database SOUTH_SALES.
Disabling media recovery for pluggable database REGION1.
Closing database SOUTH_SALES.
Restarting redo apply services on source multitenant container database SOUTH_SALES.
Succeeded.
Creating pluggable database REGION1 on multitenant container database SOUTH_SALES_NEW.
Opening pluggable database REGION1 on all instances of multitenant container database SOUTH_SALES_NEW.
Unplugging pluggable database REGION1 from multitenant container database NORTH_SALES.
Dropping pluggable database REGION1 from multitenant container database NORTH_SALES.
Succeeded.
例5: ソースPDBの移行前検証の実行
DGMGRL> MIGRATE PLUGGABLE DATABASE REGION10 TO CONTAINER SOUTH_SALES_NEW USING .* CONNECT AS sys/knl_test7@tkdg4_tns SECRET "s123" KEYSTORE IDENTIFIED BY "Welcome4c" STANDBY FILES sys/knl_test7@inst11 ;
Connected.
Master keys of the pluggable database REGION10 to need to be migrated.
Keystore of pluggable database REGION10 is open.
Beginning migration of pluggable database REGION10.
Source multitenant container database is SOUTH_SALES.
Destination multitenant container database is SOUTH_SALES_NEW.
Connecting to "inst11".
Connected as SYSASM.
Stopping Redo Apply services on multitenant container database SOUTH_SALES_NEW_STANDBY.
The guaranteed restore point "..." was created for multitenant container database "SOUTH_SALES_NEW_STANDBY".
Restarting redo apply services on multitenant container database SOUTH_SALES_NEW_STANDBY.
Closing pluggable database REGION10 on all instances of multitenant container database SOUTH_SALES.
Unplugging pluggable database REGION10 from multitenant container database SOUTH_SALES.
Pluggable database description will be written to ...
Dropping pluggable database REGION10 from multitenant container database SOUTH_SALES.
Waiting for the pluggable database REGION10 to be dropped from standby multitenant container database SOUTH_SALES_STANDBY.
Creating pluggable database REGION10 on multitenant container database SOUTH_SALES_NEW.
Checking whether standby multitenant container database SOUTH_SALES_NEW_STANDBY has added all data files for pluggable database REGION10.
Stopping Redo Apply services on multitenant container database SOUTH_SALES_NEW_STANDBY.
Opening pluggable database REGION10 on all instances of multitenant container database SOUTH_SALES_NEW.
The guaranteed restore point "..." was dropped for multitenant container database "SOUTH_SALES_NEW_STANDBY".
Please complete the following steps to finish the operation:
1. Copy keystore located in ... for migration destination primary database to ... for migration destination standby database.
2. Start DGMGRL, connect to multitenant container database SOUTH_SALES_NEW, and issue command "EDIT DATABASE SOUTH_SALES_NEW_STANDBY SET STATE=APPLY-ON".
3. If the clusterware is configured on multitenant container databases SOUTH_SALES_NEW or SOUTH_SALES_NEW_STANDBY, add all non-default services for the migrated pluggable database in cluster ready services.
Migration of pluggable database REGION10 completed.
Succeeded.
PREPARE DATABASE FOR DATA GUARD
PREPARE DATABASE FOR DATA GUARD
コマンドは、Data Guard Broker構成でプライマリ・データベースとして使用するためにデータベースを構成します。データベース初期化パラメータは推奨値に設定されます。
書式
PREPARE DATABASE FOR DATA GUARD [WITH DB_UNIQUE_NAME IS <db_unique_name>] [DB_RECOVERY_FILE_DEST IS <directory_location>] [DB_RECOVERY_FILE_DEST_SIZE is <size>] [BROKER_CONFIG_FILE_1 IS <broker_config_file_1_location>] [BROKER_CONFIG_FILE_2 IS <broker_config_file_2_location>] [RESTART];
コマンド・パラメータ
- db_unique_name
-
DB_UNIQUE_NAME
初期化パラメータの値。この初期化パラメータが異なる値に設定されている場合、既存の値はdb_unique_name
で指定された値に置き換えられます。このパラメータを指定しない場合、DB_UNIQUE_NAME
パラメータはDBNAME
パラメータの値に設定されます。 - directory_location
-
ファスト・リカバリ領域の場所を表す、
DB_RECOVERY_FILE_DEST
初期化パラメータのディレクトリ名。指定したディレクトリは、RACデータベースのすべてのインスタンスからアクセスできる必要があります。ローカルのアーカイブ先が設定されている場合、このパラメータは省略できます。ただし、
DB_RECOVERY_FILE_DEST
初期化パラメータが設定されておらず、ローカルのアーカイブ先が設定されていない場合は、このパラメータを指定する必要があります。directory_location
が指定されている場合は、log_archive_dest_n
初期化パラメータが値USE_DB_RECOVERY_FILE_DEST
に設定されます。これは、ローカルのアーカイブ先がすでに設定されているかどうかに関係なく実行されます。 - size
-
DB_RECOVERY_FILE_DEST
初期化パラメータのサイズ値。DB_RECOVERY_FILE_DEST
を指定する場合は、このパラメータは必須です。 - broker_config_file_1_location
-
DG_BROKER_CONFIG_FILE1
初期化パラメータの設定に使用される、ファイルの場所。指定したファイル保存場所は、RACデータベースのすべてのインスタンスからアクセスできる必要があります。これはオプションのコマンド・パラメータです。
- broker_config_file_2_location
-
DG_BROKER_CONFIG_FILE2
初期化パラメータの設定に使用される、ファイルの場所。指定したファイル保存場所は、RACデータベースのすべてのインスタンスからアクセスできる必要があります。これはオプションのコマンド・パラメータです。
前提条件
SYSDBA
権限があるユーザーとしてプライマリ・データベースに接続する必要があります。
使用上のノート
- Oracle Database 12cリリース2以降のデータベース・バージョンがサポートされています。
-
単一インスタンス・データベースでは、サーバー・パラメータ・ファイルは、存在していない場合は、現行のメモリー内パラメータ設定を使用して作成され、デフォルトの場所に格納されます。
-
このコマンドは、最大可用性アーキテクチャ(MAA)向けの推奨値に従って、次の初期化パラメータを設定します。
DB_FILES=1024
LOG_BUFFER=256M
DB_BLOCK_CHECKSUM=TYPICAL
この値は、すでに
FULL
に設定されている場合は変更されません。DB_LOST_WRITE_PROTECT=TYPICAL
この値は、すでに
FULL
に設定されている場合は変更されません。DB_FLASHBACK_RETENTION_TARGET=120
このパラメータは、すでにデフォルト以外の値に設定されている場合は変更されません。
PARALLEL_THREADS_PER_CPU=1
DG_BROKER_START=TRUE
-
このコマンドを使用すると、アーカイブ・ログ・モード、ロギング強制およびフラッシュバック・データベースが有効になり、RMANアーカイブ・ログの削除ポリシーが
SHIPPED TO ALL STANDBY
に設定されます。 -
スタンバイREDOログは、プライマリ・データベースに存在しない場合は追加されます。このログは、存在するが正しく構成されていない場合は、削除され再作成されます。
コマンドの例
次の例では、boston
という名前のデータベースをプライマリ・データベースとして準備します。リカバリ先は$ORACLE_BASE_HOME/dbs
です。
DGMGRL> PREPARE DATABASE FOR DATA GUARD
WITH DB_UNIQUE_NAME IS boston
DB_RECOVERY_FILE_DEST IS "$ORACLE_BASE_HOME/dbs/"
DB_RECOVERY_FILE_DEST_SIZE is "400G"
DG_BROKER_CONFIG_FILE1 IS "$ORACLE_HOME/dbs/file1.dat"
DG_BROKER_CONFIG_FILE2 IS "$ORACLE_HOME/dbs/file2.dat";
Preparing database "boston" for Data Guard.
Creating server parameter file (SPFILE) from initialization parameter memory values.
Database must be restarted after creating the server parameter (SPFILE).
Shutting down database "boston".
Database closed.
Database dismounted.
ORACLE instance shut down.
Starting database "boston" to mounted mode.
ORACLE instance started.
Database mounted.
Server parameter file (SPFILE) is "ORACLE_BASE_HOME/dbs/spboston.ora".
Initialization parameter DB_UNIQUE_NAME set to 'boston'.
Initialization parameter DB_FILES set to 1024.
Initialization parameter LOG_BUFFER set to 268435456.
Primary database must be restarted after setting static initialization parameters.
Primary database must be restarted to enable archivelog mode.
Shutting down database "boston".
Database dismounted.
ORACLE instance shut down.
Starting database "boston" to mounted mode.
ORACLE instance started.
Database mounted.
Initialization parameter DB_FLASHBACK_RETENTION_TARGET set to 120.
Initialization parameter DB_BLOCK_CHECKSUM set to 'TYPICAL'.
Initialization parameter DB_LOST_WRITE_PROTECT set to 'TYPICAL'.
Initialization parameter PARALLEL_THREADS_PER_CPU set to 1.
Removing RMAN archivelog deletion policy 1.
Removing RMAN archivelog deletion policy 2.
RMAN configuration archivelog deletion policy set to SHIPPED TO ALL STANDBY.
Initialization parameter DB_RECOVERY_FILE_DEST_SIZE set to '400G'.
Initialization parameter DB_RECOVERY_FILE_DEST set to 'ORACLE_BASE_HOME/dbs/'.
Initialization parameter DG_BROKER_START set to FALSE.
Initialization parameter DG_BROKER_CONFIG_FILE1 set to 'ORACLE_HOME/dbs/file1.dat'.
Initialization parameter DG_BROKER_CONFIG_FILE2 set to 'ORACLE_HOME/dbs/file2.dat'.
LOG_ARCHIVE_DEST_n initialization parameter already set for local archival.
Initialization parameter LOG_ARCHIVE_DEST_2 set to 'location=use_db_recovery_file_dest valid_for=(all_logfiles, all_roles)'.
Initialization parameter LOG_ARCHIVE_DEST_STATE_2 set to 'Enable'.
Initialization parameter STANDBY_FILE_MANAGEMENT set to 'MANUAL'.
Standby log group 4 will be dropped because it was not configured correctly.
Standby log group 3 will be dropped because it was not configured correctly.
Adding standby log group size 26214400 and assigning it to thread 1.
Initialization parameter STANDBY_FILE_MANAGEMENT set to 'AUTO'.
Initialization parameter DG_BROKER_START set to TRUE.
Database set to FORCE LOGGING.
Database set to ARCHIVELOG.
Database set to FLASHBACK ON.
Database opened.
QUIT
QUIT
コマンドは、Data Guardコマンドライン・インタフェースを終了します。
書式
QUIT;
コマンド・パラメータ
なし。
使用上のノート
-
このコマンドの効果は、EXITコマンドと同じです。
-
このコマンドの実行には、データベース接続は不要です。ただし、接続されている場合は、このコマンドにより接続が解除されます。
コマンドの例
次の例に、コマンドライン・インタフェースを終了する方法を示します。
DGMGRL> QUIT;
REINSTATE DATABASE
REINSTATE DATABASE
コマンドは、ブローカ構成内で、データベースを現在のプライマリ・データベースの新規スタンバイ・データベースとして回復します。
書式
REINSTATE DATABASE <db_unique_name>;
使用上のノート
-
「ブローカ構成に含まれる元のプライマリ・データベースの回復」で説明する回復の条件が満たされていない場合、回復処理は失敗し、対応するエラー・ステータスが表示され、指定されたデータベースは無効なままになります。
-
db_unique_name
に元のプライマリの名前が指定されており、ファスト・スタート・フェイルオーバーが有効化されている場合、元のプライマリ・データベースは、新規プライマリ・データベースのスタンバイとして回復し、ファスト・スタート・フェイルオーバー環境は、新規スタンバイ・データベースの可用性を反映して更新されます。新規スタンバイ・データベースは、新規プライマリ・データベースに障害が発生した場合、新規プライマリ・データベースからREDOデータを受け取り、ファスト・スタート・フェイルオーバーのターゲットとなります。FastStartFailoverAutoReinstate
構成プロパティがFALSE
に設定されている場合を除き、オブザーバが実行中であれば自動的に回復が実行されます。 -
このコマンドでは、ファスト・スタート・フェイルオーバーが有効化されている必要はありません。このコマンドは、完全手動フェイルオーバーが実行された後、元のプライマリ・データベースを回復する場合に使用できます。完全または即時フェイルオーバー後に無効化されたその他のスタンバイ・データベースを回復するために使用することもできます。
-
このコマンドは、ブローカ構成内で回復させるデータベース以外のデータベースに接続されている場合に発行します。
コマンドの例
次の例に、North_Sales
データベースを、ブローカ構成のスタンバイ・データベースとして回復させる方法を示します。
DGMGRL> REINSTATE DATABASE 'North_Sales'; Reinstating database "North_Sales", please wait... Reinstatement of database "North_Sales" succeeded
REMOVE CONFIGURATION
REMOVE CONFIGURATION
コマンドは、Oracle Data Guard Broker構成を削除し、構成内のすべてのメンバーのブローカ管理を終了します。
書式
REMOVE CONFIGURATION [ PRESERVE DESTINATIONS ];
コマンド・パラメータ
なし。
使用上のノート
-
構成が削除されると、すべての構成メンバーのブローカ管理が無効化されます。
-
デフォルトでは、このコマンドを実行すると、プライマリ・データベースの
LOG_ARCHIVE_DEST_
n
初期化パラメータと構成内の全メンバーのLOG_ARCHIVE_CONFIG
初期化パラメータから、対応するブローカ設定が削除されます。これらの設定を保持するには、PRESERVE DESTINATIONS
オプションを使用します。 -
このコマンドでは、基礎となるOracle Data Guard構成の実際のプライマリまたはスタンバイ・データベース・インスタンス、データベース、遠隔同期インスタンス、データ・ファイル、制御ファイル、初期化パラメータ・ファイル、サーバー・パラメータ・ファイルまたはログ・ファイルは削除されず、影響を受けません。
-
ファスト・スタート・フェイルオーバーが有効になっている場合は、構成を削除できません。
コマンドの例
次の例では、REMOVE CONFIGURATION
コマンドの成功例と失敗例を示します。
例1
次のコマンドは、構成ファイルから構成情報を削除する方法を示します。
DGMGRL> REMOVE CONFIGURATION; Removed configuration DGMGRL> SHOW CONFIGURATION; Error: ORA-16532: Data Guard broker configuration does not exist Configuration details cannot be determined by DGMGRL
例2
次のコマンドは、ファスト・スタート・フェイルオーバーが有効になっているために失敗しています。
DGMGRL> REMOVE CONFIGURATION; Error: ORA-16654: fast-start failover is enabled Failed. DGMGRL> SHOW CONFIGURATION; Configuration - DRSolution Protection Mode: MaxAvailability Members: North_Sales - Primary database South_Sales - (*) Physical standby database Fast-Start Failover: Enabled in Zero Data Loss Mode Configuration status: SUCCESS
REMOVE DATABASE
REMOVE DATABASE
コマンドは、指定したスタンバイ・データベースをブローカ構成から削除し、そのスタンバイ・データベースのブローカ管理を終了します。
書式
REMOVE DATABASE <db_unique_name> [ PRESERVE DESTINATIONS ];
使用上のノート
-
ブローカ構成に含まれるプライマリ・データベースの名前を指定すると、エラーが戻されます。
-
デフォルトで、このコマンドは、構成の各メンバーにおける、すべてのREDO転送初期化パラメータから、指定されたデータベースへのすべての参照を削除します。これらの設定を保持するには、
PRESERVE DESTINATIONS
オプションを使用します。 -
このコマンドは、ファスト・スタート・フェイルオーバーが有効になっている場合は実行できません。また、database_nameには、ターゲットのスタンバイ・データベースの名前を指定します。
コマンドの例
次の例に、Oracle Data Guard Broker構成からデータベースを削除する方法を示します。
DGMGRL> SHOW CONFIGURATION; Configuration - DRSolution Protection Mode: MaxPerformance Members: North_Sales - Primary database South_Sales - Physical standby database Fast-Start Failover: DISABLED Configuration status: SUCCESS DGMGRL> REMOVE DATABASE 'South_Sales'; Removed database "South_Sales" from the configuration. Configuration - DRSolution Protection Mode: MaxPerformance Members: North_Sales - Primary database Fast-Start Failover: DISABLED Configuration status: SUCCESS
REMOVE FAR_SYNC
REMOVE FAR SYNC
コマンドは、遠隔同期インスタンスをOracle Data Guard Broker構成から削除します。
書式
REMOVE FAR_SYNC <db_unique_name> [ PRESERVE DESTINATIONS ];
使用上のノート
-
RedoRoutes
プロパティが設定されている遠隔同期インスタンスは、削除できません。
- デフォルトで、このコマンドは、構成のメンバーごとに、すべてのREDO転送初期化パラメータから、指定された遠隔同期インスタンスへの参照をすべて削除します。これらの設定を保持するには、
PRESERVE DESTINATIONS
オプションを使用します。
コマンドの例
次の例は、dallas
という名前の遠隔同期インスタンスをブローカ構成から削除します。
DGMGRL> REMOVE FAR_SYNC 'dallas';
REMOVE INSTANCE
REMOVE INSTANCE
コマンドは、指定したインスタンスをブローカ構成から削除します。
書式
REMOVE INSTANCE instance_name [ON { DATABASE | FAR_SYNC } <db_unique_name>];
コマンド・パラメータ
使用上のノート
-
開始されたインスタンスは、ブローカにより自動的にブローカ構成に追加されます。ただし、インスタンスはデータベース・プロファイルから自動的に削除されません。
REMOVE
INSTANCE
コマンドを使用すると、存在しなくなったインスタンスを構成から手動で削除できます。 -
instance_name
が構成内で一意でない場合は、メンバーのDB_UNIQUE_NAME
初期化パラメータ値、およびinstance_name
を指定してインスタンスを完全に特定する必要があります。 -
ブローカ構成内で現在アクティブなインスタンスの場合は、このコマンドが拒否されます。
-
現在そのインスタンスのみがデータベースまたは遠隔同期に関連付けられている場合、このコマンドは拒否されます。
コマンドの例
次の例に、データベースのインスタンスを削除する方法を示します。
DGMGRL> REMOVE INSTANCE 'south_sales3' ON DATABASE 'South_Sales'; Removed instance "south_sales3" from the database "South_Sales"
REMOVE RECOVERY_APPLIANCE
REMOVE RECOVERY_APPLIANCE
コマンドは、指定したZero Data Loss Recovery Appliance (リカバリ・アプライアンス)をブローカ構成から削除し、そのリカバリ・アプライアンスのブローカ管理を終了します。
注意:
REMOVE RECOVERY_APPLIANCE
コマンドを使用すると、リカバリ・アプライアンスのプロファイル情報がブローカ構成ファイルから削除され、リカバリできません。
書式
REMOVE RECOVERY_APPLIANCE <db_unique_name> [ PRESERVE DESTINATIONS ];
使用上のノート
-
デフォルトでは、このコマンドを実行すると、リカバリ・アプライアンスにREDOデータを送信していたメンバーの
LOG_ARCHIVE_DEST_n
初期化パラメータと構成内の全データベースのLOG_ARCHIVE_CONFIG
初期化パラメータから、対応するブローカ設定が削除されます。これらの設定を保持するには、PRESERVE DESTINATIONS
オプションを使用します。
コマンドの例
次の例は、Data Guard Broker構成からリカバリ・アプライアンスを削除する方法を示しています。
DGMGRL> SHOW CONFIGURATION; Configuration - DRSolution Protection Mode: MaxPerformance Members: North_Sales - Primary database South_Sales - Physical standby database EnterpriseRecoveryAppliance - Oracle Backup Appliance Fast-Start Failover: DISABLED Configuration status: SUCCESS (status updated 30 seconds ago) DGMGRL> REMOVE RECOVERY_APPLIANCE 'EnterpriseRecoveryAppliance'; Removed Oracle Backup Appliance "EnterpriseRecoveryAppliance" from the configuration. DGMGRL> SHOW CONFIGURATION; Configuration - DRSolution Protection Mode: MaxPerformance Members: North_Sales - Primary database South_Sales - Physical standby database Fast-Start Failover: DISABLED Configuration status: SUCCESS (status updated 60 seconds ago)
SET ECHO
SET ECHOコマンドは、コマンドライン・プロンプトまたはDGMGRLスクリプトから発行されるコマンドをエコーするかどうかを制御します。
書式
SET ECHO [ON | OFF];
使用上のノート
-
なし
コマンドの例
DGMGRL> SET ECHO ON;
DGMGRL> SHOW CONFIGURATION;
SHOW CONFIGURATION;
Configuration - DRSolution
Protection Mode: MaxPerformance
Members:
North_Sales - Primary database
South_Sales - Physical standby database
Fast-Start Failover: DISABLED
Configuration Status:
SUCCESS
SET FAST_START FAILOVER TARGET
SET FAST_START FAILOVER TARGET
コマンドを使用すると、ファスト・スタート・フェイルオーバーを無効にしたり、ファスト・スタート・フェイルオーバーのリストを変更したりすることなく、指定したスタンバイ・データベースにファスト・スタート・フェイルオーバーのターゲットを設定できます。
書式
SET FAST_START FAILOVER TARGET TO <db_unique_name> [NOWAIT];
使用上のノート:
NOWAIT
句は、コマンドがファスト・スタート・フェイルオーバー・ターゲットの変更が完了するまで待機しないことを指定します。
コマンドの例
例1: 特定のスタンバイへのファスト・スタート・フェイルオーバーの設定
次の例は、ファスト・スタート・フェイルオーバーのターゲットをBoston
という名前のスタンバイ・データベースに設定する方法を示しています。
DGMGRL> SET FAST_START FAILOVER TARGET TO Boston;
Changing fast-start failover target to ‘Boston’…
Succeeded.
DGMGRL> SHOW FAST_START FAILOVER;
Fast-Start Failover: Enabled in Zero Data Loss Mode
Protection Mode: MaxAvailability
Lag Limit: 0 seconds
Threshold: 180 seconds
Ping Interval: 3000 milliseconds
Ping Retry: 0
Active Target: Boston
Potential Targets: "Nashua, Boston"
Nashua valid
Boston valid
Observer: observer-node
Lag Limit: 30 seconds (not in use)
Shutdown Primary: TRUE
Auto-reinstate: TRUE
Observer Reconnect: (none)
Observer Override: FALSE
Configurable Failover Conditions
Health Conditions:
Corrupted Controlfile YES
Corrupted Dictionary YES
Inaccessible Logfile NO
Stuck Archiver NO
Datafile Write Errors YES
Oracle Error Conditions:
(none)
例2: ファスト・スタート・フェイルオーバーのターゲットの設定でのNOWAITモードの使用
次のコマンドは、Bostonという名前のスタンバイ・データベースにファスト・スタート・フェイルオーバーのターゲットを設定します。NOWAIT
句は、コマンドがファスト・スタート・フェイルオーバー・ターゲットの変更が完了するまで待機しないことを指定します。
DGMGRL> SET FAST_START FAILOVER TARGET TO Boston NOWAIT;
Fast-start failover target switch to “Boston” requested.
DGMGRL> SHOW FAST_START FAILOVER;
Fast-Start Failover: Enabled in Zero Data Loss Mode
Protection Mode: MaxAvailability
Lag Limit: 0 seconds
Threshold: 180 seconds
Active Target: Nashua
Potential Targets: "Nashua, Boston"
Nashua valid
Boston valid
Observer: observer-node
Shutdown Primary: TRUE
Auto-reinstate: TRUE
Observer Reconnect: (none)
Observer Override: FALSE
Configurable Failover Conditions
Health Conditions:
Corrupted Controlfile YES
Corrupted Dictionary YES
Inaccessible Logfile NO
Stuck Archiver NO
Datafile Write Errors YES
Oracle Error Conditions:
(none)
DGMGRL> SHOW FAST_START FAILOVER;
Fast-Start Failover: Enabled in Zero Data Loss Mode
Protection Mode: MaxAvailability
Lag Limit: 0 seconds
Threshold: 180 seconds
Active Target: Boston
Potential Targets: "Nashua, Boston"
Nashua valid
Boston valid
Observer: observer-node
Shutdown Primary: TRUE
Auto-reinstate: TRUE
Observer Reconnect: (none)
Observer Override: FALSE
Configurable Failover Conditions
Health Conditions:
Corrupted Controlfile YES
Corrupted Dictionary YES
Inaccessible Logfile NO
Stuck Archiver NO
Datafile Write Errors YES
Oracle Error Conditions:
(none)
SET MASTEROBSERVER TO
SET MASTEROBSERVER TO
コマンドを使用すると、どのオブザーバをマスター・オブザーバとして認識するか、手動で変更できます。
SET MASTEROBSERVER TO
コマンドを使用して、どのオブザーバをマスターとして使用するか、手動で指定します。
書式
SET MASTEROBSERVER TO <observer_name>
使用上のノート
-
指定されたオブザーバ名が存在しない場合は、エラー・メッセージが返され、マスター・オブザーバは変更されません
-
このコマンドが発行された場合、実際に切替えが発生するのは、プライマリがターゲット・スタンバイと次回通信したとき(ファスト・スタート・フェイルオーバーが有効化されている場合、通常は3秒以内)です。
SHOW OBSERVER
コマンドを使用して、切替えが実行されたことを確認してください。 -
手動設定を正常に行うには、ファスト・スタート・フェイルオーバーの次回ping時に、次の条件を満たしている必要があります。
-
ターゲット・スタンバイが有効化されていて、回復の必要がないこと。
-
ロール変更、回復またはファスト・スタート・フェイルオーバー・ターゲットの切替えが進行中でないこと
-
コマンドの例
次に、新しいオブザーバをマスターに指定する例を示します。
DGMGRL> SET MASTEROBSERVER TO boston-obsever;
Succeeded.
SET MASTEROBSERVERHOSTS
SET MASTEROBSERVERHOSTS
コマンドは、ブローカ構成のマスター・オブザーバをターゲット・ホスト上のオブザーバに設定します。
指定したグループ内の各ブローカ構成に、ターゲット・ホスト上で動作しているバックアップ・オブザーバがある場合、このブローカ構成のマスター・オブザーバをターゲット・ホスト上のオブザーバに設定します。
書式
SET MASTEROBSERVERHOSTS {FOR <configuration_group_name>} TO host_name;
コマンド・パラメータ
使用上のノート
-
configuration_group_name
コマンド・パラメータを指定しない場合、このコマンドでは、オブザーバ構成ファイル内で定義されているすべてのブローカ構成について、指定したホストへのマスター・オブザーバの切替えが試みられます。 -
configuration_group_nameにキーワード
ALL
は使用できません。 -
実際の切替えは、各ブローカ構成内でプライマリがターゲット・スタンバイと次回通信するまで実行されません(ファスト・スタート・フェイルオーバーが有効化されている場合、通常は3秒以内です)。
SHOW OBSERVERS
コマンドを使用して、切替えが実行されたことを確認してください。 -
実行されるDGMGRLコマンド、および実行の詳細に関する情報は、ログ・ファイル
superobserver.log
に書き込まれます。このファイルは、$DG_ADMIN/admin/
ディレクトリにあります。DG_ADMIN
環境変数が定義されていない場合、このファイルは現在の作業ディレクトリに置かれます。
コマンドの例
DGMGRL> SET MASTEROBSERVERHOSTS FOR GRP_A TO dgnet0;
SET ObserverConfigFile
SET ObserverConfigFile
コマンドは、オブザーバ構成ファイルのフルパスとファイル名を設定します。
オブザーバ構成ファイルには、管理対象の構成に関する情報が格納されています。コマンドSTART OBSERVING
、STOP OBSERVING
およびSHOW OBSERVERS
は、このコマンドで指定されたファイルから、ブローカ構成グループに関する情報を読み取ります。
書式
SET ObserverConfigFile = <observer_configuration_file>
使用上のノート
-
ObserverConfigFile
はDGMGRLのランタイム・プロパティです。ブローカ構成のメタデータには存在せず、ディスクにも保持されません。オブザーバ構成ファイルの名前がobserver.oraでないか、現在の作業ディレクトリ内に存在しない場合は、新しいDGMGRLクライアントを起動するたびに名前を指定する必要があります。 -
プロパティ
ObserverConfigFile
のデフォルト値はobserver.ora
です。 - オブザーバ構成ファイルの絶対パスを指定できます。ファイル名のみを指定した場合、デフォルトのパスは
DG_ADMIN/admin
ディレクトリになります。DG_ADMIN
が定義されていない場合、デフォルトのパスは現在の作業ディレクトリになります。 -
このコマンドの発行時、指定のファイルが存在しないか、そのファイルの内容が無効である場合でも、構成ファイルの名前は変更されます。
コマンドの例
DGMGRL> SET ObserverConfigFile = /usr/oracle/observer.ora
SET TIME
DGMGRLのSET TIME
コマンドは、タイムスタンプ出力のオン/オフを切り替えます。
タイムスタンプ出力機能は、ユーザーがDGMGRLプロンプトで各コマンドを入力したときのタイムスタンプを記録します。この情報は、DGMGRLコンソールの入出力の分析に役立つ場合があります。
書式
SET TIME [ON | OFF];
使用上のノート
-
なし
コマンドの例
DGMGRL> SET TIME ON;
03/09/2023 09:28:21 DGMGRL> SHOW CONFIGURATION;
Configuration - DRSolution
Protection Mode: MaxPerformance
Members:
North_Sales - Primary database
South_Sales - Physical standby database
Fast-Start Failover: DISABLED
Configuration Status:
SUCCESS
03/09/2023 09:28:24 DGMGRL> SET TIME OFF;
DGMGRL>
SET TRACE_LEVEL
SET TRACE_LEVEL
コマンドは、DGMGRLによって取得されるトレースの量を設定します。これはクライアント側の設定であり、Oracle Database内のブローカのトレース設定には影響しません。
書式
SET TRACE_LEVEL [ SUPPORT | USER | NONE];
使用上のノート
-
トレース・レベルをUSERに設定して、格納されるトレース情報の量を制限します。これはデフォルト設定であり、ファスト・スタート・フェイルオーバー、プライマリ・データベースおよびターゲット・スタンバイ・データベースのステータス変更、エラーまたは警告メッセージに関する情報が含まれます。
-
トレース・レベルをSUPPORTに設定すると、Oracleサポート・サービスが必要とするより低レベルの情報が含まれ、トレース情報の量が増大します。
例10-8 DGMGRLおよびオブザーバのトレース・レベルの設定
次の例では、TRACE_LEVEL
がデフォルト設定であるUSERに設定されて、DGMGRLが起動します。SET TRACE_LEVEL
コマンドを使用して、DGMGRLのトレース・レベルをSUPPORTに変更します。
その後、オブザーバを起動するときにTRACE_LEVEL
句を使用して、オブザーバのトレース・レベルをUSERに設定します。START OBSERVER
コマンドでTRACE_LEVEL
句を省略すると、オブザーバはDGMGRLと同じトレース・レベル設定(SUPPORT)を使用して起動されます。
$ dgmgrl
DGMGRL> SET TRACE_LEVEL SUPPORT;
DGMGRL> START OBSERVER TRACE_LEVEL is USER;
例10-9 DGMGRLおよびデータベースのトレース・レベルに異なる値を設定する
次の例では、DGMGRLのトレース・レベルをSUPPORTに設定します。EDIT CONFIGURATION
コマンドを使用して、Oracle Databaseのトレース・レベルをUSERに設定します。したがって、DGMGRLとデータベースは異なるトレース・レベルを使用します。
$ dgmgrl
DGMGRL> SET TRACE_LEVEL support;
DGMGRL> EDIT CONFIGURATION SET PROPERTY TraceLevel = USER;
SHOW ALL
SHOW ALL
コマンドは、DGMGRL CLIのプロパティの値を表示します。
書式
SHOW ALL;
使用上のノート
-
なし
コマンドの例
DGMGRL> SHOW ALL;
echo OFF
observerconfigfile = observer.ora
time OFF
trace_level USER
SHOW ALL MEMBERS (パラメータ)
EDIT ALL MEMBERS SET
コマンドでは、構成内のすべてのメンバーについて、指定した初期化パラメータの値が表示されます。
書式
SHOW ALL MEMBERS PARAMETER <parameter_name>;
コマンドの例
次の例は、構成内のすべてのメンバーに対してNetTimeout
を設定する方法を示しています。
SHOW ALL MEMBERS PARAMETER log_archive_trace; North_Sales : log_archive_trace = '255' South_Sales: log_archive_trace = '255
SHOW CONFIGURATION
SHOW CONFIGURATION
コマンドは、ブローカ構成のサマリーおよびステータスを表示します。
サマリーには、ブローカ構成に含まれるすべてのメンバーおよびブローカ構成自体に関連するその他の情報(ファスト・スタート・フェイルオーバーのステータス、すべてのスタンバイ・データベースの転送ラグおよび適用ラグを含む)がリストされます。
書式
SHOW CONFIGURATION [ LAG ] [ VERBOSE ];
SHOW CONFIGURATION <property_name>;
コマンド・パラメータ
- property_name
-
サマリー情報を表示するプロパティの名前。
プロパティの詳細は、「Oracle Data Guard Brokerのプロパティ」を参照してください。
- verbose
- このコマンドパラメータは、健全性情報を表示する前に、構成の健全性評価を即時に実行するために使用されます。すべての構成プロパティとその値も表示されます。
使用上のノート
lag
コマンド・オプションでは、ブローカ構成に関する次の情報が表示されます。- すべてのスタンバイ・データベースの転送ラグおよび適用ラグ
- 遠隔同期インスタンスの転送ラグ
- リカバリ・アプライアンスの転送ラグまたは適用ラグは表示されません
-
ファスト・スタート・フェイルオーバーに関連するプロパティを表示するには、
SHOW CONFIGURATION VERBOSE
コマンド(またはSHOW FAST_START FAILOVER
コマンド)を使用します。 -
VERBOSE
またはproperty_name
のどちらかをオプションで指定できますが、両方指定することはできません。 -
SHOW
CONFIGURATION
コマンドを使用すると、最後に健全性が評価された時点での構成およびそのメンバーのステータスが表示されます。(構成およびそのメンバーの健全性は毎秒1回評価されます。)VERBOSE
キーワードを指定すると、健全性情報が表示される前に、構成およびそのメンバーの健全性評価が即時に実行されます。 -
PL/SQLパッケージ
DBMS_ROLLING
を使用したローリング・アップグレードの実行時に、SHOW CONFIGURATION
コマンドは、アップグレード・ターゲットのロールとしてTransient logical standby database
、構成ステータスとしてROLLING DATABASE MAINTENANCE IN PROGRESS
を示します。例3を参照してください。 -
ファスト・スタート・フェイルオーバーが有効化されている場合、現在のファスト・スタート・フェイルオーバー・ターゲットはアスタリスク(*)で強調表示されます
コマンドの例
例1: DRSolution構成のサマリーの表示
次の例では、ファスト・スタート・フェイルオーバーが無効化されているDRSolution
構成のサマリーを表示しています。出力に、ブローカ構成内のFS
という名前の遠隔同期インスタンスが示されています。North_Sales
データベースはFS
に、FS
はSouth_Sales
にデータを送信しています。
DGMGRL> SHOW CONFIGURATION; Configuration - DRSolution Protection Mode: MaxAvailability Members: North_Sales - Primary database FS- Far sync instance South_Sales- Physical standby database Fast-Start Failover: DISABLED Configuration Status: SUCCESS (status updated 20 seconds ago)
例2: DRSolution構成の詳細な説明の表示
次の例では、DRSolution構成の詳細な情報を、構成プロパティ、ファスト・スタート・フェイルオーバー関連の情報を含めて表示しています。
DGMGRL> SHOW CONFIGURATION VERBOSE; Configuration - DRSolution Protection Mode: MaxAvailability Members: North_Sales - Primary database FS- Far sync instance South_Sales- (*) Physical standby database (*) Fast-Start Failover target Properties: FastStartFailoverThreshold = '30' OperationTimeout = '30' TraceLevel = 'USER' FastStartFailoverLagLimit = '30' CommunicationTimeout = '180' ObserverReconnect = '0' FastStartFailoverAutoReinstate = 'TRUE' FastStartFailoverPmyShutdown = 'TRUE' BystandersFollowRoleChange = 'ALL' ObserverOverride = 'FALSE' ExternalDestination1 = '' ExternalDestination2 = '' PrimaryLostWriteAction = 'CONTINUE' ConfigurationWideServiceName = 'North_Sales_CFG' Fast-Start Failover: Enabled in Zero Data Loss Mode Lag Limit: 0 seconds Threshold: 30 seconds Active Target: South_Sales Potential Targets: “South_Sales” South_Sales valid Observer: observer.example.com Shutdown Primary: TRUE Auto-reinstate: TRUE Observer Reconnect: (none) Observer Override: FALSE Configuration Status: WARNING
例3: DBMS_ROLLINGパッケージを使用したローリング・アップグレード実行時の出力例
Configuration - DRSolution
Protection Mode: MaxPerformance
Members:
North_Sales - Primary database
South_Sales - Transient logical standby database
Fast-Start Failover: DISABLED
Configuration Status:
ROLLING DATABASE MAINTENANCE IN PROGRESS
例4: 転送ラグおよび適用ラグの詳細情報の表示
DGMGRL> SHOW CONFIGURATION LAG VERBOSE ;
Configuration - The SUPER cluster
Protection Mode: MaxPerformance
Members:
dgb6 - Primary database
dgb6c - Physical standby database
Transport Lag: 0 seconds (computed 1 second ago)
Apply Lag: 0 seconds (computed 1 second ago)
dgb6e - Far sync instance
Transport Lag: 0 seconds (computed 1 second ago)
dgb6b - Snapshot standby database
Transport Lag: 48 seconds (computed 2 seconds ago)
Apply Lag: 53 seconds (computed 1 second ago)
dgb6d - Logical standby database
Transport Lag: 0 seconds (computed 1 second ago)
Apply Lag: 0 seconds (computed 1 second ago)
Properties:
FastStartFailoverThreshold = '180'
OperationTimeout = '30'
TraceLevel = 'USER'
FastStartFailoverLagLimit = '300'
CommunicationTimeout = '180'
ObserverReconnect = '0'
FastStartFailoverAutoReinstate = 'TRUE'
FastStartFailoverPmyShutdown = 'TRUE'
BystandersFollowRoleChange = 'ALL'
ObserverOverride = 'FALSE'
ExternalDestination1 = ''
ExternalDestination2 = ''
PrimaryLostWriteAction = 'CONTINUE'
ConfigurationWideServiceName = 'b6_CFG'
Fast-Start Failover: DISABLED
SHOW CONFIGURATION WHEN PRIMARY IS
SHOW CONFIGURATION WHEN PRIMARY IS
コマンドは、指定したデータベースがプライマリ・データベースであった場合に有効になるREDO転送構成を表示します。
すべてのメンバーが表示されますが、SHOW
CONFIGURATION
とは異なり、ステータス情報やその他の構成情報は表示されません。
書式
SHOW CONFIGURATION WHEN PRIMARY IS <db_unique_name>;
コマンド・パラメータ
使用上のノート
-
SHOW
CONFIGURATION
WHEN
PRIMARY
IS
コマンドを使用すると、指定したデータベースがプライマリ・データベースであった場合に有効になるREDO転送構成が表示されます。この情報を使用して、ロール変更の後に不適切になるREDO転送構成があれば事前に特定できます。
コマンドの例
次の例に、South_Sales
データベースに対するロール変更の前後のDRSolution
構成のサマリーを示します。
DGMGRL> SHOW CONFIGURATION; Configuration - DRSolution Protection Mode: MaxAvailability Members: North_Sales - Primary database North_FS - Far Sync South_Sales - Physical standby database Members Not Receiving Redo: South_FS - Far Sync Fast-Start Failover: DISABLED Configuration Status: SUCCESS DGMGRL> SHOW CONFIGURATION WHEN PRIMARY IS 'South_Sales'; Configuration when South_Sales is primary - DRSolution Members: South_Sales - Primary database South_FS - Far Sync North_Sales - Physical standby database Members Not Receiving Redo: North_FS - Far Sync
これらの表示は、各メンバーに対して次のように設定されているRedoRoutes
プロパティに基づいています。
DGMGRL> SHOW DATABASE 'North_Sales' RedoRoutes; RedoRoutes = '(LOCAL : North_FS)' DGMGRL> SHOW FAR_SYNC 'North_FS' RedoRoutes; RedoRoutes = '(North_Sales : South_Sales)' DGMGRL> SHOW DATABASE 'South_Sales' RedoRoutes; RedoRoutes = '(LOCAL : South_FS)' DGMGRL> SHOW FAR_SYNC 'South_FS' RedoRoutes; RedoRoutes = '(South_Sales : North_Sales)'
SHOW CONNECTION
現在のデータベース接続を表示します。
SHOW CONNECTION
コマンドでは、現在のデータベース接続に関する詳細が表示されます。
書式
SHOW CONNECTION;
コマンドの例
例1:
DGMGRL> show connection; Oracle SID is sales1. Connected as SYSDBA to instance sales1 of North_Sales.
例2: 実行されていないインスタンスへの接続:
DGMGRL> show connection; Connected as SYSDBA to an idle instance.
SHOW DATABASE
SHOW DATABASE
コマンドは、指定したデータベースとそのインスタンスに関する情報、プロパティ値または初期化パラメータ値を表示します。
書式
SHOW DATABASE [VERBOSE] <db_unique_name> [<property_name>];
SHOW DATABASE <db_unique_name> PARAMETER <parameter_name>;
SHOW DATABASE <db_unique_name>VERSION
コマンド・パラメータ
- db_unique_name
-
情報を表示するデータベースの
DB_UNIQUE_NAME
初期化パラメータ値。VERBOSE
キーワードを使用する場合は、db_unique_name
の前に指定する必要があります。そうしないとエラーが戻ります。 - property_name
-
値を表示するプロパティの名前。プロパティ名を指定すると、
VERBOSE
キーワードを指定したかどうかにかかわらず、出力には指定したプロパティのみ(データベースのすべてのプロパティではなく)が表示されます。関連項目:
プロパティの詳細は、「ブローカ構成のメンバーの管理」および「Oracle Data Guard Brokerのプロパティ」を参照。
- parameter_name
-
値を表示するデータベース初期化パラメータの名前。パラメータ名を指定すると、
VERBOSE
キーワードを指定したかどうかにかかわらず、出力には指定したパラメータのみ(すべてのパラメータではなく)が表示されます。
使用上のノート
PARAMETER
コマンド・パラメータを使用する場合は、オペレーティング・システム認証以外の方法を使用して、プロパティが設定されるデータベースに接続する必要があります。-
SHOW DATABASE
コマンドを使用すると、データベースの簡潔なサマリーが表示されます。SHOW DATABASE VERBOSE
コマンドを使用すると、簡潔なサマリーに加えてデータベースのプロパティが表示されます。データベースのステータスは、どちらのコマンドでも表示されます。 -
SHOW DATABASE VERBOSE
コマンドは、Oracleアラート・ログ・ファイルとブローカ・ログ・ファイルの場所を表示します。ブローカ・ログ・ファイルは、アラート・ログと同じディレクトリに作成され、drc<$ORACLE_SID>.log
という名前が付けられます。 -
SHOW DATABASE VERBOSE
コマンドを使用すると、データベース固有のプロパティとインスタンス固有のプロパティが表示されます。非Oracle RACデータベースの場合、インスタンス固有のプロパティの値は、データベースの唯一のインスタンスの値です。Oracle RACデータベースの場合、プロパティ名は表示されますが、インスタンス固有のプロパティの値は表示されません。これらのプロパティについてインスタンス固有の値を表示するには、SHOW INSTANCE
コマンドを使用します。 -
SHOW DATABASE VERBOSE
コマンドで表示されるプロパティは、データベース・ロールと構成の内容によって異なります。-
プライマリ・データベースの場合は、構成に少なくとも1つのフィジカルまたはスナップショット・スタンバイ・データベースが含まれている場合にのみ、フィジカルまたはスナップショット・スタンバイ・データベース固有のプロパティが表示されます。ロジカル・スタンバイ・データベース固有のプロパティは、構成に少なくとも1つロジカル・スタンバイ・データベースが含まれている場合にのみ表示されます。
-
フィジカルおよびスナップショット・スタンバイ・データベースの場合、ロジカル・スタンバイ・データベース固有のプロパティは表示されません。
-
ロジカル・スタンバイ・データベースの場合、フィジカルおよびスナップショット・スタンバイ・データベース固有のプロパティは表示されません。
-
VERBOSE
オプションは、PARAMETER
コマンドオプションとともに指定できません。-
Oracle RACデータベースでのインスタンス固有のプロパティを表示するために
SHOW DATABASE
database_name property_name
コマンドを使用すると、このコマンドは拒否されます。 -
SHOW DATABASE VERSION
コマンドは、データベースのバージョン情報を表示します。インスタンス番号、ホスト名、インスタンス名およびバージョンの値は、指定されたデータベースのGV$INSTANCE
ビューから読み取られ、表示されます。 -
PL/SQLパッケージ
DBMS_ROLLING
を使用したローリング・アップグレードの実行時に、SHOW DATABASE
コマンドは、アップグレード・ターゲットおよび後続または先行スタンバイに対して、現在のローリング・アップグレードの進行に応じてWARNING
を該当するORA
エラーとともに示します。例3を参照してください。
コマンドの例
例1: 簡略形式でのデータベース情報の表示
この例では、データベース情報を簡略形式で表示します。
DGMGRL> SHOW DATABASE South_Sales;
Database - South_Sales
Role: PHYSICAL STANDBY
Intended State: APPLY-ON
Transport Lag: (unknown)
Apply Lag: 0 seconds (computed 0 seconds ago)
Apply Rate: 1.73 MByte/s
Real Time Query: OFF
Instance(s):
south_sales1
Database Status:
SUCCESS
例2: 拡張形式でのデータベース情報の表示
この例では、データベース情報を拡張形式で表示します。
DGMGRL> SHOW DATABASE VERBOSE 'North_Sales';
Database - North_Sales
Role: PRIMARY
Intended State: TRANSPORT-ON
Instance(s):
North_Sales1
Properties:
DGConnectIdentifier = 'North_Sales.example.com'
ObserverConnectIdentifier = ''
FastStartFailoverTarget = ''
PreferredObserverHosts = ''
LogShipping = 'ON'
RedoRoutes = ''
LogXptMode = 'ASYNC'
DelayMins = '0'
Binding = 'optional'
MaxFailure = '0'
ReopenSecs = '300'
NetTimeout = '30'
RedoCompression = 'DISABLE'
PreferredApplyInstance = ''
ApplyInstanceTimeout = '0'
ApplyLagThreshold = '0'
TransportLagThreshold = '0'
TransportDisconnectedThreshold = '0'
ApplyParallel = 'AUTO'
ApplyInstances = '0'
ArchiveLocation = ''
AlternateLocation = ''
StandbyArchiveLocation = 'USE_DB_RECOVERY_FILE_DEST'
StandbyAlternateLocation = ''
InconsistentProperties = '(monitor)'
InconsistentLogXptProps = '(monitor)'
LogXptStatus = '(monitor)'
SendQEntries = '(monitor)'
RecvQEntries = '(monitor)'
HostName = ’North_Sales.example.com'
StaticConnectIdentifier = '(DESCRIPTION=(ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)
(HOST=North_Sales.example.com)(PORT=2840))
(CONNECT_DATA=(SERVICE_NAME=North_Sales_DGMGRL.example.com)
(INSTANCE_NAME=north_sales1)(SERVER=DEDICATED)))'
TopWaitEvents = '(monitor)'
SidName = '(monitor)’
Log file locations:
Alert log : /dev/oracle/log/diag/rdbms/North_Sales/north_sales1/trace/alert_north_sales1.log
Data Guard Broker log : /dev/oracle/log/diag/rdbms/North_Sales/north_sales1/trace/drcnorth_sales1.log
Database Status:
SUCCESS
例3: DBMS_ROLLINGパッケージを使用したローリング・アップグレード実行時のターゲット・データベースの出力例
DGMGRL> SHOW DATABASE South_Sales;
Database - South_Sales
Role: Physical standby database
Intended State: APPLY-ON
Transport Lag: 0 seconds (computed 1 second ago)
Apply Lag: 0 seconds (computed 1 second ago)
Average Apply Rate: 6.00 KByte/s
Real Time Query: OFF
Instance(s):
South
Database Warning(s):
ORA-16866: database converted to transient logical standby database for rolling database maintenance
Database Status:
WARNING
例4: DBMS_ROLLINGパッケージを使用したローリング・アップグレード実行時の先行スタンバイの出力例
DGMGRL> SHOW DATABASE South_Sales;
Database - South_Sales
Role: Physical standby database
Intended State: APPLY-ON
Transport Lag: 0 seconds (computed 0 seconds ago)
Apply Lag: 0 seconds (computed 0 seconds ago)
Average Apply Rate: 510.00 KByte/s
Real Time Query: OFF
Instance(s):
South
Database Warning(s):
ORA-16881: standby database is not protecting the current primary database during rolling database maintenance
Database Status:
WARNING
例5: log_archive_trace
初期化パラメータの値を表示するサンプル出力
DGMGRL> SHOW DATABASE South_Sales
PARAMETER log_archive_trace;
log_archive_trace = '127'
SHOW FAR_SYNC
SHOW FAR_SYNC
コマンドは、遠隔同期インスタンスに関する情報を表示します。
書式
SHOW FAR_SYNC [VERBOSE] <db_unique_name> [<property_name>];
SHOW FAR_SYNC <db_unique_name> PARAMETER <parameter_name>;
コマンド・パラメータ
- db_unique_name
-
情報を表示する遠隔同期インスタンスの
DB_UNIQUE_NAME
初期化パラメータ値。VERBOSE
キーワードを使用する場合は、db_unique_nameの前に指定する必要があります。そうしないとエラーが戻ります。 - property_name
-
値を表示するプロパティの名前。プロパティ名を指定すると、
VERBOSE
キーワードを指定したかどうかにかかわらず、出力には(遠隔同期のすべてのプロパティではなく)指定したプロパティのみが表示されます。関連項目:
プロパティの詳細は、「ブローカ構成のメンバーの管理」および「Oracle Data Guard Brokerのプロパティ」を参照。
- parameter_name
-
値を表示するデータベース初期化パラメータの名前。初期化パラメータ名が指定されている場合、
VERBOSE
キーワードが指定されているかどうかに関係なく、出力には(遠隔同期のすべての初期化パラメータではなく)指定した初期化パラメータのみが表示されます。
使用上のノート:
VERBOSE
オプションは、PARAMETER
コマンドオプションとともに指定できません。
コマンドの例
例1: SHOW FAR_SYNCの出力例(VERBOSEの指定なし)
次の例は、このコマンドからのサンプル出力を示しています。
DGMGRL> SHOW FAR_SYNC FS; Far Sync - FS Transport Lag: 0 seconds (computed 1 second ago) Instance(s): fs1 Far Sync Status: SUCCESS
例2: SHOW FAR SYNCの出力例(VERBOSEの指定あり)
次の例は、VERBOSE
オプションが使用された場合の、このコマンドからのサンプル出力を示しています。
DGMGRL> SHOW FAR_SYNC VERBOSE FS; Far Sync - FS Transport Lag: 0 seconds (computed 0 seconds ago) Instance(s): b02 Properties: DGConnectIdentifier = 'fs.example.com' LogXptMode = 'sync' RedoRoutes = '(North_Sales : South_Sales) (South_Sales : North_Sales)' Binding = 'optional' MaxFailure = '0' ReopenSecs = '300' NetTimeout = '30' RedoCompression = 'DISABLE' LogShipping = 'ON' TransportLagThreshold = '0' TransportDisconnectedThreshold = '0' InconsistentProperties = '(monitor)' InconsistentLogXptProps = '(monitor)' LogXptStatus = '(monitor)' HostName = 'fs.example.com' StandbyArchiveLocation = 'USE_DB_RECOVERY_FILE_DEST' StandbyAlternateLocation = '' TopWaitEvents = '(monitor)' SidName = = '(monitor)' Far Sync Status: SUCCESS
SHOW FAST_START FAILOVER
SHOW FAST_START FAILOVER
コマンドは、すべてのファスト・スタート・フェイルオーバー関連情報を表示します。
複数の登録済オブザーバが動作している場合、このコマンドの出力にはすべての登録済オブザーバが表示され、マスター・オブザーバがアスタリスクで示されます。オブザーバのホスト名以外の情報も表示するには、SHOW OBSERVER
コマンドを使用します。
書式
SHOW FAST_START FAILOVER;
コマンド・パラメータ
なし。
使用上のノート
-
SHOW FAST_START FAILOVER
コマンドは、ファスト・スタート・フェイルオーバー構成のサマリーを表示します。 - ファスト・スタート・フェイルオーバーの現行ターゲットとターゲット候補が表示されます。プライマリ・データベースの
FastStartFailoverTarget
プロパティがANY
に設定されている場合、ターゲット候補には、有効な保護モードに対して適切に構成されているスタンバイ・データベースが含まれます。
コマンドの例
例1: この例は、動作中の登録済オブザーバが1つのみで、ターゲット候補が複数ある場合の出力を示しています。
DGMGRL> show fast_start failover;
Fast-Start Failover: Enabled in Zero Data Loss Mode
Protection Mode: MaxAvailability
Lag Limit: 0 seconds
Threshold: 30 seconds
Ping Interval: 3000 milliseconds
Ping Retry: 0
Active Target: db02
Potential Targets: "db02"
db02 valid
Observers: nshga2713
nshga2714
Shutdown Primary: TRUE
Auto-reinstate: TRUE
Observer Reconnect: (none)
Observer Override: FALSE
Configurable Failover Conditions
Health Conditions:
Corrupted Controlfile YES
Corrupted Dictionary YES
Inaccessible Logfile NO
Stuck Archiver NO
Datafile Write Errors YES
Oracle Error Conditions:
(none)
例2: この例は、動作中の登録済オブザーバが複数ある場合の出力を示しています。アスタリスク記号(*)は、どのオブザーバがマスターであるかを示します。
DGMGRL> SHOW FAST_START FAILOVER;
Fast-Start Failover: Enabled in Zero Data Loss Mode
Protection Mode: MaxAvailability
Lag Limit: 0 seconds
Threshold: 180 seconds
Ping Interval: 3000 milliseconds
Ping Retry: 0
Active Target: South_Sales
Potential Targets: "East_Sales, West_Sales"
East_Sales valid
West_Sales valid
Observer: observer.example.com
Shutdown Primary: TRUE
Auto-reinstate: TRUE
Observer Reconnect: (none)
Observer Override: FALSE
Configurable Failover Conditions
Health Conditions:
Corrupted Controlfile YES
Corrupted Dictionary YES
Inaccessible Logfile NO
Stuck Archiver NO
Datafile Write Errors YES
Oracle Error Conditions:
(none)
SHOW INSTANCE
SHOW INSTANCE
コマンドは、指定したインスタンスの情報またはプロパティ値を表示します。
書式
SHOW INSTANCE [VERBOSE] <instance_name> [<property_name>] [ON {DATABASE | FAR_SYNC <db_unique_name>} ];
コマンド・パラメータ
- instance_name
-
情報を表示するインスタンスの名前。
VERBOSE
キーワードを使用する場合は、インスタンス名の前に指定する必要があります。 - property_name
-
値を表示するプロパティの名前。プロパティ名を指定すると、
VERBOSE
キーワードを指定したかどうかにかかわらず、出力には指定したプロパティのみ(すべてのプロパティではなく)が表示されます。関連項目:
プロパティの詳細は、「ブローカ構成のメンバーの管理」および「Oracle Data Guard Brokerのプロパティ」を参照。
- database_name | far_sync_name
-
情報を表示するインスタンスに関連付けられているデータベースまたは遠隔同期の名前。
使用上のノート
-
SHOW INSTANCE
コマンドを使用すると、インスタンスの簡潔なサマリーが表示されます。SHOW INSTANCE VERBOSE
コマンドを使用すると、簡潔なサマリーに加えてインスタンスのプロパティが表示されます。インスタンスのステータスは、どちらのコマンドでも表示されます。 -
SHOW INSTANCE VERBOSE
コマンドは、Oracleアラート・ログ・ファイルとブローカ・ログ・ファイルの場所を表示します。ブローカ・ログ・ファイルは、アラート・ログと同じディレクトリに作成され、drc<$ORACLE_SID>.log
という名前が付けられます。 -
SHOW INSTANCE VERBOSE
コマンドでは、インスタンス固有のプロパティのみが表示されます。 -
SHOW INSTANCE VERBOSE
コマンドで表示されるプロパティは、データベース・ロールと構成の内容によって異なります。-
プライマリ・データベースのインスタンスの場合は、構成に少なくとも1つのフィジカルまたはスナップショット・スタンバイ・データベースが含まれている場合にのみ、フィジカルまたはスナップショット・スタンバイ・インスタンス固有のプロパティが表示されます。ロジカル・スタンバイ・インスタンス固有のプロパティは、構成に少なくとも1つロジカル・スタンバイ・データベースが含まれている場合にのみ表示されます。
-
フィジカルまたはスナップショット・スタンバイ・データベースのインスタンスの場合、ロジカル・スタンバイ・インスタンス固有のプロパティは表示されません。
-
ロジカル・スタンバイ・データベースのインスタンスの場合、フィジカルおよびスナップショット・スタンバイ・インスタンス固有のプロパティは表示されません。
-
-
instance_name
には、構成全体で一意の名前を指定できます。instance_name
が一意でない場合は、database_name
とinstance_name
の両方を指定してインスタンスを完全に特定する必要があります。
コマンドの例
例1: 簡略形式でのインスタンス情報の表示
次の例では、データベースの特定のインスタンスに関する情報を表示します。
DGMGRL> SHOW INSTANCE 'north_sales1'; Instance 'north_sales1' of database 'North_Sales' Instance Status: SUCCESS
例2: 拡張形式でのインスタンス情報の表示
次の例では、インスタンス情報を拡張形式で表示します。
DGMGRL> SHOW INSTANCE VERBOSE 'north_sales1'; Instance 'north_sales1' of database 'North_Sales' PFILE: Properties: HostName = 'north.example.com' StaticConnectIdentifier = '(DESCRIPTION=(ADDRESS=(PROTOCOL=tcp) (HOST=north.example.com)(PORT=2094)) (CONNECT_DATA=(SERVICE_NAME=North_Sales_DGMGRL.example.com) (INSTANCE_NAME=north_sales1)(SERVER=DEDICATED)))' TopWaitEvents = '(monitor)' SidName = '(monitor)' Log file locations: Alert log : /db/oracle/log/diag/rdbms/North_Sales/north_sales1/trace/alert_north_sales1.log Data Guard Broker log : /db/oracle/log/diag/rdbms/North_Sales/north_sales1/trace/drcnorth_sales1.log Instance Status: SUCCESS
SHOW OBSERVER
SHOW OBSERVER
コマンドは、Data Guard Broker構成内のすべての登録済オブザーバに関する情報を表示します。
SHOW OBSERVER
コマンドは、オブザーバ名、オブザーバが動作中のホスト名、オブザーバがマスター・オブザーバかどうか、およびオブザーバが最後にプライマリとスタンバイにping送信した時間を表示します。この情報は、この1つの構成内にあるすべてのオブザーバ(最大3つ)について表示されます。
FORMAT
SHOW OBSERVER;
コマンド・パラメータ
なし
使用上のノート
-
このコマンドを実行するには、このコマンドを発行するDGMGRLセッションが1つの構成に接続されている必要があります。
コマンドの例
次の例のSHOW OBSERVER
コマンドは、DRSolution
ブローカ構成内のすべての登録済オブザーバに関する情報を表示します。
DGMGRL> SHOW OBSERVER; Configuration - DRSolution Primary: North_Sales Active Target Standby: South_Sales Observer "ob2" - Master Host Name: observer2.example.com Last Ping to Primary: 1 second ago Last Ping to Target: 2 seconds ago Observer "ob1" - Backup Host Name: observer1.example.com Last Ping to Primary: 1 second ago Last Ping to Target: 3 seconds ago Observer "ob3" - Backup Host Name: observer3.example.com Last Ping to Primary: 4 seconds ago Last Ping to Target: 5 seconds ago
SHOW ObserverConfigFile
SHOW ObserverConfigFile
コマンドは、ObserverConfigFile
プロパティの値を表示します。
書式
SHOW ObserverConfigFile;
コマンド・パラメータ
なし。
使用上のノート
-
ObserverConfigFile
プロパティの値が空文字列の場合、current_working_directory/observer.ora
と出力されます。 -
SHOW ObserverConfigFile
コマンドは、ObserverConfigFile
プロパティで指定されているファイルの解析を試みます。ファイルが存在しない、または解析に失敗した場合、ファイルは使用できませんというメッセージが戻ります。
コマンドの例
DGMGRL> SHOW ObserverConfigFile;
ObserverConfigFile=/usr/oracle/observer
observer configuration file parsing succeeded
SHOW OBSERVERS
SHOW OBSERVERS
コマンドは、特定の構成グループのすべてのブローカ構成の、すべてのオブザーバに関する情報を表示します。
SHOW OBSERVERS
コマンドは、オブザーバ名、オブザーバが動作中のホスト名、オブザーバがマスター・オブザーバかどうか、およびオブザーバが最後にプライマリとスタンバイにping送信した時間を表示します。
書式
SHOW OBSERVERS [FOR <configuration_group_name> ];
コマンド・パラメータ
- configuration_group_name
- 動作中のすべてのオブザーバに関する情報を表示する有効なブローカ構成グループ・ファイルの名前。このパラメータを指定すると、指定したグループのすべての構成のオブザーバに関する情報が表示されます。このコマンドによって表示される情報は、個別の構成に対して
SHOW OBSERVER
コマンドを実行した場合に表示される情報と同じです。グループ名が指定されていない場合、
SHOW OBSERVERS
だけでもコマンドは有効です。その場合は、オブザーバ構成ファイルに定義されているすべてのブローカ構成グループのオブザーバ情報が表示されます。構成グループ名に
ALL
は使用できません。
使用上のノート
-
このコマンドを使用して、新しいマスター・オブザーバへの手動による切替えが正常に実行されたことを確認できます。
コマンドの例
DGMGRL> SHOW OBSERVERS;
ObserverConfigFile=observer.ora
observer configuration file parsing succeeded
Submit command SHOW OBSERVER using the connect identifier 'North_Sales'.
Connected to "North_Sales"
Configuration - DrSolution1
Primary: North_Sales
Target: South_Sales
Observer DRSolution1_Observer - Master
Host Name: observer1.example.com
Last Ping to Primary: 3 seconds ago
Last Ping to Target: 3 seconds ago
Submit command SHOW OBSERVER using the connect identifier 'East_Sales'.
Connected to "East_Sales"
Configuration - DRSolution2
Primary: East_Sales
Target: West_Sales
Observer DRSolution2_Observer - Master
Host Name: observer2.example.com
Last Ping to Primary: 3 seconds ago
Last Ping to Target: 3 seconds ago
SHOW PLUGGABLE DATABASE
このコマンドは、指定されたプラガブル・データベース(PDB)の情報またはプロパティ値を表示します。
書式
SHOW PLUGGABLE DATABASE <pdb_name> AT <target_db_unique_name> [ALL];
コマンド・パラメータ
例
例10-10 PDBの詳細の表示
この例では、PDB sales
の詳細を省略された形式で示します。
DGMGRL> SHOW PLUGGABLE DATABASE 'sales' AT boston;
Pluggable database 'sales' at database 'boston'
Data Guard Role: Physical Standby
Con_ID: 7
Source: con_id 6 at newyork
Transport Lag: +00 00:00:00 seconds
Intended State: APPLY-ON
Apply State: Running
Apply Instance: boston
Average Apply Rate: 16 KByte/s
Real Time Query: OFF
SHOW RECOVERY_APPLIANCE
SHOW RECOVERY_APPLIANCE
コマンドは、指定したZero Data Loss Recovery Appliance (リカバリ・アプライアンス)の情報、プロパティ値または初期化パラメータ値を表示します。
書式
SHOW RECOVERY_APPLIANCE [VERBOSE] <db_unique_name> [<property_name>;
コマンド・パラメータ
使用上のノート
-
SHOW RECOVERY_APPLIANCE
コマンドを使用すると、リカバリ・アプライアンスの簡潔なサマリーが表示されます。SHOW RECOVERY_APPLIANCE VERBOSE
コマンドは、簡潔なサマリーに加え、リカバリ・アプライアンスのプロパティを表示します。データベースのステータスは、どちらのコマンドでも表示されます。 -
SHOW RECOVERY_APPLIANCE VERBOSE
コマンドは、リカバリ・アプライアンス固有のプロパティを表示します。
コマンドの例
例1: 簡略形式でのリカバリ・アプライアンス情報
次の例では、リカバリ・アプライアンス情報を簡略形式で表示します。
DGMGRL> SHOW RECOVERY_APPLIANCE 'EnterpriseRecoveryAppliance'; Oracle Recovery Appliance - EnterpriseRecoveryAppliance Transport Lag: 0 seconds Redo Source: South_Sales Oracle Backup Appliance Status: SUCCESS
例2: 拡張形式でのリカバリ・アプライアンス情報
次の例では、VERBOSE
パラメータを使用して、リカバリ・アプライアンス情報を拡張形式で表示します。
DGMGRL> show member verbose 'EnterpriseRecoveryAppliance'; Recovery Appliance - EnterpriseRecoveryAppliance Properties: Binding = 'OPTIONAL' DGConnectIdentifier = 'RA.example.com' LogShipping = 'ON' LogXptMode = 'ASYNC' MaxFailure = '0' NetTimeout = '30' RedoCompression = 'DISABLE' ReopenSecs = '300' Recovery Appliance Status: ENABLED
SHUTDOWN
現在実行中のOracleインスタンスを停止します。
書式
SHUTDOWN [ ABORT | IMMEDIATE | NORMAL ];
コマンド・パラメータ
なし。
使用上のノート
-
引数を指定せずに
SHUTDOWN
コマンドを使用すると、SHUTDOWN NORMAL
コマンドを使用した場合と同じ結果になります。 -
SHUTDOWN
コマンドのオプションを次に示します。-
ABORT
コールの完了やデータベースからのユーザーの切断を待たずに、データベースを可能なかぎり高速でシャットダウンします。コミットされていないトランザクションはロールバックされません。処理中のクライアントのSQL文は終了します。データベースに接続されているユーザー全員が暗黙的に切断され、次回のデータベース起動時にはインスタンスのリカバリが必要になります。バックグラウンド・プロセスが異常終了した場合は、このオプションを使用する必要があります。
注意:
ファスト・スタート・フェイルオーバーが有効化され、オブザーバが実行されている場合に、プライマリ・データベースに
ABORT
オプションを使用すると、ファスト・スタート・フェイルオーバーが実行される場合があります。意図しないファスト・スタート・フェイルオーバーの実行を防ぐには、IMMEDIATE
またはNORMAL
オプションを使用します。 -
IMMEDIATE
現在のコールが完了したり、ユーザーがデータベースから切断するまで待機しません。それ以降の接続は禁止されます。データベースはクローズされ、ディスマウントされます。インスタンスはシャットダウンされ、次回のデータベース起動時にインスタンスのリカバリは不要です。
-
NORMAL
このオプションがデフォルトです。プロセスは、ユーザーがデータベースから切断するまで待機します。それ以降の接続は禁止されます。データベースはクローズされ、ディスマウントされます。インスタンスはシャットダウンされ、次回のデータベース起動時にインスタンスのリカバリは不要です。
-
コマンドの例
次のコマンドにより、プライマリ・データベースをNORMALモードでシャットダウンします。
DGMGRL> SHUTDOWN; Database closed. Database dismounted. Oracle instance shut down.
SPOOL
SPOOL
コマンドは、DGMGRLの入出力をファイルに記録します。
書式
SPOOL
コマンドには、3通りの使用可能な書式があります。
SPOOL;
SPOOL spool_file_name [CREATE | REPLACE | APPEND];
SPOOL OFF;
DGMGRLコマンド・プロンプトでSPOOL
とだけ入力すると、現在のスプール・ファイル名が表示されます。
それ以外の場合に、使用可能なスプール・オプションは次のよう定義されています。
-
CREATE
- 新しいログ・ファイルを作成します。指定した名前のスプール・ファイルがすでに存在する場合、SPOOLコマンドは失敗します。 -
REPLACE
- 指定した名前の既存のスプール・ファイルを置換します。これは、オプションを指定しない場合のデフォルト動作です。 -
APPEND
- 指定したログ・ファイルが存在する場合は、そのファイルに新しいログを追加します。それ以外の場合は、新規作成します。 -
OFF
- スプールをオフにします。
使用上のノート
-
なし
コマンドの例
次に、スプールを開始する前と開始した後のSPOOL
コマンドの出力例を示します。
DGMGRL> SPOOL; not spooling currently DGMGRL> SPOOL mysession; DGMGRL> SPOOL; currently spooling to "mysession" DGMGRL>
SQL
SQLコマンドは、SQL文またはPL/SQLストアド・プロシージャを実行します。
書式
SQL "<sql_statmement>"
使用上のノート
-
SQL文またはPL/SQLストアド・プロシージャは、DGMGRLの接続先のデータベース・インスタンスで実行されます。また、二重引用符で囲む必要があります。
-
Pure SQL文はセミコロン(;)なしで入力する必要があります。また、SELECT文の実行はサポートされていません。
-
このコマンドにファイル名が含まれている場合は、そのファイル名を一重引用符で囲み、コマンド文字列全体を二重引用符で囲む必要があります。たとえば、次の構文を使用します。
SQL "CREATE TABLESPACE temp1 DATAFILE '?/oradata/trgt/temp1.dbf' SIZE 10M TEMPORARY"
-
PL/SQLストアド・プロシージャは、標準のPL/SQL
begin...; end;
無名ブロック構文内で入力する必要があります。
コマンドの例
すべてのプラガブル・データベースをオープンするには、次のコマンドを入力します。
DGMGRL> SQL "alter pluggable database all open"
次のコマンドでは、30秒間待機するストアドPL/SQLプロシージャが実行されます。
DGMGRL> SQL "begin dbms_drs.sleep(30); end;"
START OBSERVER
START OBSERVER
コマンドは、DGMGRLセッションを実行中のこのホスト上で、この構成に対応する登録済オブザーバが動作していない場合に、ファスト・スタート・フェイルオーバー・オブザーバを起動します。
このコマンドを使用するには、まずCONNECT
コマンドを発行して特定のブローカ構成にログインする必要があります。そうしないと、ログオンしていませんというエラー・メッセージが戻ります。
書式
START OBSERVER [<observer_name>] IN BACKGROUND CONNECT IDENTIFIER IS <connect_identifier> [FILE IS <observer_file>] [LOGFILE IS <observer_log_file>] [TRACE_LEVEL IS { USER | SUPPORT }];
コマンド・パラメータ
- observer_name
- 同一のData Guard Broker構成内でオブザーバを識別する名前。
-
同一のData Guard Broker構成上で2つのオブザーバに同じ名前を付けることはできません。
-
オブザーバの名前を指定しない場合は、デフォルトのオブザーバ名(
START OBSERVER
コマンドが発行されたマシンのホスト名)が使用されます。 -
オブザーバ名の大/小文字は区別されません。
-
文字列"NONAME"および"ALL"はオブザーバ名として使用できません。
-
- observer_log_file
- ランタイム・データ・ファイルのパスと名前を指定します。ファイル名のみを指定した場合、使用されるパスは
$DG_ADMIN/config_ConfigurationSimpleName/dat
です。パスとファイル名の両方を省略した場合、ファイル名はデフォルトでfsfo_hostname.dat
になり、パスは$DG_ADMIN/config_ConfigurationSimpleName/dat
になります。DG_ADMIN
環境変数が定義されていない場合、デフォルトのパスは現在の作業ディレクトリになります。 - log_file
- オブザーバ・ログ・ファイルのフルパス名。各オブザーバには独自のログ・ファイルがあります。
使用上のノート
-
1つのData Guard Broker構成を監視するために最大で4つのオブザーバを登録できます。各オブザーバは、
START OBSERVER
コマンドの発行時に指定する名前で識別されます。「オブザーバのインストールおよび起動」を参照してください。 -
オプションの
TRACE_LEVEL IS
句を使用すると、実行してオブザーバ・ログ・ファイルに書き込むトレースの量を制御できます。デフォルト値のUSER
の場合、オブザーバ・ログの内容は、ファスト・スタート・フェイルオーバー、プライマリ・データベースとターゲット・スタンバイ・データベースのステータス変更、およびエラーまたは警告メッセージに関するトレース情報に制限されます。TRACE_LEVEL
をSUPPORT
に設定すると、Oracleサポート・サービスが必要とするより低レベルの情報が含まれ、トレース情報の量が増大します。 -
ファスト・スタート・フェイルオーバーを有効化する予定のブローカ構成を監視するには、Oracle Client Administratorキット、Oracle Database Enterprise EditionまたはOracle Database Personal Editionのフルキットを、オブザーバ・コンピュータ上にインストールする必要があります。詳細は、「ファスト・スタート・フェイルオーバーを有効化するための前提条件」を参照してください。
-
START OBSERVER
コマンドは、オブザーバ・コンピュータ上で発行する必要があります。オブザーバが正常に開始されると、制御は、(別のクライアント接続からのSTOP OBSERVERのコマンドの発行などにより)オブザーバが停止されるまでユーザーには戻されません。そのブローカ構成とさらに交信する場合は、他のクライアントを介して接続する必要があります。オブザーバをバックグラウンドで起動する方法の詳細は、「START OBSERVER IN BACKGROUND」を参照してください。
-
LOGFILE IS
句を使用すると、オブザーバの出力はすべて指定したファイルに記録されます。オブザーバの出力は、オブザーバの問題とファスト・スタート・フェイルオーバー全般の問題のトラブルシューティングに役立ちます。ファイル名とともに完全パスが指定されている場合、そのファイルは指定されたパスに格納されます。
ファイル名のみが指定され、
DG_ADMIN
環境変数が定義されている場合、指定されたファイルは$DG_ADMIN/config_ConfigurationSimpleName/log
ディレクトリに格納されます。DG_ADMIN
環境変数が定義されていない場合、ファイルは現在の作業ディレクトリに格納されます。LOGFILE IS
句が省略された場合、ログ・ファイルはobserver_hostname.log
という名前を使用して$DG_ADMIN/config_ConfigurationSimpleName/log
ディレクトリに格納されます。DG_ADMIN
環境変数が定義されていない場合、ログ・ファイルはobserver_hostname.log
として現在の作業ディレクトリに格納されます。ConfigurationSimpleName
は、ブローカ構成の名前です。指定されたログ・ファイルにアクセスできない場合、オブザーバの出力は標準出力に送信されます。
-
完全なディレクトリ・パスとファイル名が
FILE IS
句で指定されると、オブザーバ・ランタイム・データ・ファイルがこのディレクトリに作成されます。相対パスとファイル名を指定すると、ファイルは現在の作業ディレクトリの下の指定されたパスに作成されます。ファイル名のみが指定されている場合、そのファイルは
$DG_ADMIN/config_ConfigurationSimpleName/dat/
ディレクトリに格納されます。DG_ADMIN
環境変数が定義されていない場合、ファイルは現在の作業ディレクトリに格納されます。構成プロパティであるConfigurationSimpleName
は、ブローカ構成の名前です。この句が省略されると、ファイルは
$DG_ADMIN/config_ConfigurationSimpleName/dat/FSFO_hostname.dat
として格納されます。DG_ADMIN
環境変数が定義されていない場合、ファイルは現在の作業ディレクトリにfsfo.dat
として格納されます。 -
プライマリ・データベースおよびターゲット・スタンバイ・データベースの
DB_UNIQUE_NAME
初期化パラメータおよび接続識別子は、fsfo.dat
構成ファイルに格納されています。このファイルの不正アクセスを確実に防止することをお薦めします。 -
FILE IS
、LOGFILE IS
およびTRACE LEVEL IS
句の順序は交換可能です。 -
このコマンドを発行する前に、ファスト・スタート・フェイルオーバーを有効化しておく必要はありません。
-
ファスト・スタート・フェイルオーバーが有効化されている場合、オブザーバは、プライマリおよびターゲット・スタンバイの接続識別子をブローカ構成から取得し、構成の監視を開始します。
-
ファスト・スタート・フェイルオーバーが有効化されていない場合、オブザーバは、継続的にファスト・スタート・フェイルオーバーの有効化の時期を監視します。
-
-
このコマンドの発行時、実行されている必要があるのはプライマリ・データベースのみです。コマンドを正常に実行するために、ファスト・スタート・フェイルオーバーのターゲットとなるスタンバイ・データベースが実行されている必要はありません。
-
オブザーバおよびそのホスト・コンピュータのステータスを表示するには、
SHOW OBSERVER
コマンドまたはSHOW CONFIGURATION VERBOSE
コマンドを使用するか、プライマリ・データベースのV$FS_FAILOVER_OBSERVERS
ビューを問い合せます。 -
プライマリ・データベースとターゲットのスタンバイ・データベースの間の接続が維持されている状態でオブザーバとの接続が失われた場合、プライマリ・データベースは監視されない状態になります。この状態は、ブローカの健全性チェック機能により報告されます。
-
SHOW OBSERVER
コマンドは、1つ以上のオブザーバが起動済であるかどうかを示します。SHOW OBSERVER
コマンドで1つ以上の登録済オブザーバが表示されたが、その一部がなんらかの理由で実行されていない場合、次のいずれかの操作を実行できます。-
オブザーバを最初に起動したときに使用したオブザーバ構成ファイルを指定して、
START OBSERVER
コマンドを、最初にオブザーバを起動したオブザーバ・コンピュータ上で発行します。 -
任意のコンピュータ上で、
STOP OBSERVER
コマンドを発行してからSTART OBSERVER
コマンドを発行してオブザーバを起動します。
SHOW OBSERVER
コマンドで1つ以上のオブザーバが表示され、1つのオブザーバが1つの場所ですでに実行されている場合、同じ場所で再度オブザーバを起動しようとすると、次のエラーが表示されて失敗します。Unable to open the observer file
SHOW OBSERVER
コマンドで4つの登録済オブザーバが表示された場合に、別の場所でオブザーバを起動しようとすると、次のエラーが発生してそのコマンドが失敗します。ORA-16647: could not start more than four observers
-
コマンドの例
例1: オブザーバの起動
次の例では、オブザーバの起動方法を示しています。
DGMGRL> CONNECT sysdg@North_Sales.example.com;
Password: password
Connected to "North_Sales"
Connected as SYSDG.
DGMGRL> START OBSERVER;
Observer started
例2: オブザーバの起動(資格証明の表示なし)
次の例は、コマンドラインで接続資格証明を表示できないように、CONNECT '/'
を使用してオブザーバを起動する方法を示しています。
DGMGRL> CONNECT /@North_Sales.example.com; Connected to "North_Sales" DGMGRL> START OBSERVER; Observer started.
CONNECT '/'
を使用するには、OracleウォレットまたはSSLを設定する必要があります。OracleウォレットまたはSSLを設定することで、スクリプトでデータベース資格証明を指定せずに、オブザーバをバックグラウンド・ジョブとして安全に起動および実行するためのスクリプトを記述できます。Oracleウォレットをセキュアな外部パスワード・ストアとして使用する場合は、プライマリ・データベースおよびファスト・スタート・フェイルオーバーのターゲット・スタンバイ・データベースの資格証明を追加する必要があります。各データベースの資格証明を追加するとき、指定するデータベース接続文字列は、データベース・プロパティObserverConnectIdentifer
またはDGConnectIdentifier
と一致している必要があります。
START OBSERVER IN BACKGROUND
START OBSERVER IN BACKGROUND
コマンドは、このDGMGRLセッションを実行中のこのホスト上で、ファスト・スタート・フェイルオーバー・オブザーバをバックグラウンド・プロセスとして起動します。
このコマンドが発行された後、DGMGRLによって、START OBSERVER IN BACKGROUND
コマンドが正常に発行されたかどうか報告されます。「Yes」の場合、ユーザーに制御が戻ります。(これは、オブザーバの起動後にユーザーに制御が戻らないSTART OBSERVER
コマンドの動作とは異なります。)
このコマンドではOracleウォレットを使用して資格証明を取得し、データベース・サーバーにログインして、オブザーバを登録します。CONNECT
コマンドを使用してブローカ構成内のデータベース・サーバーに正常に接続している場合でも、このコマンドでは既存の接続が無視され、Oracleウォレットに格納されている資格証明が使用されます。ウォレットが構成されていない場合、このコマンドによるオブザーバの起動は失敗します。
書式
START OBSERVER [<observer_name>] IN BACKGROUND CONNECT IDENTIFIER IS <connect_identifier> [FILE IS <observer_file>] [LOGFILE IS <log_file>] [TRACE_LEVEL IS USER | SUPPORT];
コマンド・パラメータ
- observer_name
- 同一のData Guard Broker構成内でオブザーバを識別する名前。
-
同一のData Guard Broker構成上で2つのオブザーバに同じ名前を付けることはできません。
-
オブザーバの名前を指定しない場合は、デフォルトのオブザーバ名(
START OBSERVER
コマンドが発行されたマシンのホスト名)が使用されます。 -
オブザーバ名の大/小文字は区別されません。
-
文字列"NONAME"はオブザーバ名として使用できません。
-
- connect_identifier
- 接続識別子は、構成のメンバーに接続するためのOracleウォレット内の資格証明の検索に使用されます。
- observer_file
- ランタイム・データ・ファイルのパスと名前を指定します。指定しない場合、ファイル名はデフォルトで
fsfo.dat
、パスは現在の作業ディレクトリになります。 - log_file
- オブザーバ・ログ・ファイルのフルパス。各オブザーバには独自のログ・ファイルがあります。
使用上のノート
-
START OBSERVER
コマンドが正常に発行されても、資格証明の問題、断続的なネットワーク接続またはオブザーバ登録の失敗が原因で、オブザーバを起動できない場合があります。オブザーバが正常に起動されたことを確認するには、SHOW OBSERVERS
コマンドを使用するか、オブザーバ・ログ・ファイルを確認します。 -
このコマンドでは、
CONNECT
コマンドを使用して確立された特定の構成メンバーへの接続がすべて無視されます。つまり、ブローカ構成内の特定のメンバーに接続していない場合でも、START OBSERVER IN BACKGROUND
コマンドを使用することでオブザーバを起動できます。 -
START OBSERVER IN BACKGROUND
コマンドを発行する前に特定の構成メンバーに接続している場合は、制御が戻った後、その接続を引き続き使用できます。 -
observer_fileパラメータを
FILE IS
パラメータで指定していない場合は、オブザーバによって、現在の作業ディレクトリでfsfo.dat
ファイルが検索されます。見つからない場合は、オブザーバによってfsfo.dat
ファイルが作成されます。 -
LOGIFLE IS
句に、完全なパスがファイル名とともに指定されている場合、そのファイルは指定されたパスに格納されます。ファイル名のみが指定され、
DG_ADMIN
環境変数が定義されている場合、指定されたファイルは$DG_ADMIN/config_ConfigurationSimpleName/log
ディレクトリに格納されます。DG_ADMIN
環境変数が定義されていない場合、ファイルは現在の作業ディレクトリに格納されます。LOGFILE IS
句が省略された場合、ログ・ファイルはobserver_hostname.log
という名前を使用して$DG_ADMIN/config_ConfigurationSimpleName/log
ディレクトリに格納されます。DG_ADMIN
環境変数が定義されていない場合、ログ・ファイルはobserver_hostname.log
として現在の作業ディレクトリに格納されます。ConfigurationSimpleName
は、ブローカ構成の名前です。 -
完全なディレクトリ・パスとファイル名が
FILE IS
句で指定されると、オブザーバ・ランタイム・データ・ファイルがこのディレクトリに作成されます。相対パスとファイル名を指定すると、ファイルは現在の作業ディレクトリの下の指定されたパスに作成されます。ファイル名のみが指定されている場合、そのファイルは
$DG_ADMIN/config_ConfigurationSimpleName/dat/
ディレクトリに格納されます。DG_ADMIN
環境変数が定義されていない場合、ファイルは現在の作業ディレクトリに格納されます。構成プロパティであるConfigurationSimpleName
は、ブローカ構成の名前です。この句が省略されると、ファイルは
$DG_ADMIN/config_ConfigurationSimpleName/dat/FSFO_hostname.dat
として格納されます。DG_ADMIN
環境変数が定義されていない場合、ファイルは現在の作業ディレクトリにfsfo.dat
として格納されます。 -
オプションの
TRACE_LEVEL IS
句を使用すると、実行してオブザーバ・ログ・ファイルに書き込むトレースの量を制御できます。デフォルト値のUSER
の場合、オブザーバ・ログの内容は、ファスト・スタート・フェイルオーバー、プライマリ・データベースとターゲット・スタンバイ・データベースのステータス変更、およびエラーまたは警告メッセージに関するトレース情報に制限されます。TRACE_LEVEL
をSUPPORT
に設定すると、Oracleサポート・サービスが必要とするより低レベルの情報が含まれ、トレース情報の量が増大します。 -
START OBSERVER IN BACKGROUND
コマンドのオプション句の順序は置き替え可能です。
コマンドの例
DGMGRL> START OBSERVER observer1 IN BACKGROUND
FILE IS /net/sales/dat/oracle/broker/fsfo.dat
LOGFILE IS /net/sales/dat/oracle/broker/observer.log
CONNECT IDENTIFIER IS sales_p;
Submitted command "START OBSERVER" using connect identifier "sales_p"
START OBSERVING
START OBSERVING
コマンドは、指定したグループの各ブローカ構成に対応する新規オブザーバを起動します。
START OBSERVING
コマンドの結果は、個々の構成に対してSTART OBSERVER
コマンドを発行した場合と同じ結果になります。
書式
START OBSERVING [<configuration_group_name>];
使用上のノート
-
configuration_group_name
を指定しない場合は、このコマンドによって、オブザーバ構成ファイル内で定義されている構成ごとに1つの新規オブザーバが起動されます。 -
configuration_group_name
にキーワードALL
は使用できません。 -
実行されるDGMGRLコマンド、および実行の詳細に関する情報は、ログ・ファイル
superobserver.log
に書き込まれます。このファイルは、$DG_ADMIN/admin/
ディレクトリにあります。DG_ADMIN
環境変数が定義されていない場合、このファイルは現在の作業ディレクトリに置かれます。
コマンドの例
DGMGRL> START OBSERVING;
ObserverConfigFile=/net/oracle/dataguard/observer.ora
observer configuration file parsing succeeded
Submitted command “START OBSERVER” using connect identifier "cfg1_cid".
Submitted command “START OBSERVER” using connect identifier "cfg2_cid".
Submitted command “START OBSERVER” using connect identifier "cfg3_cid".
Check superobserver.log and individual observer logs for execution details.
DGMGRL> START OBSERVING GRP_A;
ObserverConfigFile=/net/oracle/dataguard/observer.ora
observer configuration file parsing succeeded
Submitted command “START OBSERVER” using connect identifier "cfg1_cid".
Submitted command “START OBSERVER” using connect identifier "cfg2_cid".
Check superobserver.log and individual observer logs for execution details.
STARTUP
STARTUP
コマンドは、Oracleデータベース・インスタンスを起動しますが、ユーザーは様々なオプションを指定できます。
-
FORCE
: 現行のOracleインスタンスをSHUTDOWN
ABORT
モードでシャットダウンしてから、再起動します。 -
RESTRICT
:RESTRICTED SESSION
システム権限を持つOracleユーザーにのみインスタンスへの接続を許可します。 -
PFILE
: データベース・インスタンスの起動時に使用するPFILE
初期化パラメータ・ファイルを指定します。 -
MOUNT
: データベースまたは遠隔同期インスタンスをインスタンスにマウントします。 -
OPEN
: 指定したデータベースでインスタンスをマウントしてオープンします。 -
NOMOUNT
: 指定したインスタンスを、データベースまたは遠隔同期インスタンスをマウントせずに起動します。
書式
STARTUP [FORCE] [RESTRICT] [PFILE=<filename>] [MOUNT | OPEN [<open_options>] | NOMOUNT];
コマンド・パラメータ
使用上のノート
-
引数を指定せずに
STARTUP
コマンドを使用すると、STARTUP OPEN
コマンドを使用した場合と同じ結果になります。 -
STARTUP
コマンドの使用時にFORCE
句を指定せず、現行のデータベース・インスタンスが実行中の場合は、エラーになります。FORCE
句は、デバッグ時やエラー条件の発生時に役立ちます。それ以外の場合は、使用しないでください。 -
RESTRICT
句を使用すると、RESTRICTED SESSION
システム権限を持つOracleユーザーにのみインスタンスへの接続が許可されます。後でSQL*Plusを介しALTER SYSTEM
コマンドを使用して、制限付きセッション機能を無効化できます。 -
初期化パラメータ・ファイルの指定に
PFILE
句を使用しない場合、STARTUP
コマンドではデフォルトのサーバー・パラメータ・ファイル(存在する場合)が使用されます。それ以外の場合、STARTUP
コマンドではデフォルトの初期化パラメータ・ファイルが使用されます。デフォルトのファイルはプラットフォーム固有です。デフォルトのパラメータ・ファイルの詳細は、オペレーティング・システム固有のマニュアルを参照してください。
-
指定したデータベースをマウントしてオープンするには、
OPEN
句を使用します。 -
NOMOUNT
句を指定すると、データベースをマウントせずにデータベース・インスタンスを起動できます。NOMOUNT
句は、MOUNT
またはOPEN
オプションと併用できません。 -
STARTUP
コマンドのオプション句の順序は置き替え可能です。
コマンドの例
例1: データベース・インスタンスの2つの起動方法
次の例では、データベース・インスタンスの2つの起動方法を示します。各コマンドでは、標準パラメータ・ファイルを使用してデータベース・インスタンスを起動し、デフォルト・データベースを排他モードでマウントしてオープンしています。
DGMGRL> STARTUP; DGMGRL> STARTUP OPEN;
例2: 現在のインスタンスの停止および再起動(マウント/オープンなし)
次のコマンドでは、現行のインスタンスをシャットダウンし、その直後にマウントもオープンもせずにデータベースを再起動し、制限付きセッション権限のあるユーザーにのみ接続を許可しています。
DGMGRL> STARTUP FORCE RESTRICT NOMOUNT;
例3: パラメータ・ファイルを使用したインスタンスの起動(ただし、マウントなし)
次のコマンドでは、パラメータ・ファイルtestparm
を使用して、データベースをマウントせずにインスタンスを起動しています。
DGMGRL> STARTUP PFILE=testparm NOMOUNT;
例4: インスタンスの起動およびマウント(オープンなし)
次の例では、データベース・インスタンスを起動してマウントしていますが、オープンはしていません。
DGMGRL> STARTUP MOUNT;
STOP OBSERVER
STOP OBSERVER
コマンドは、ファスト・スタート・フェイルオーバー・オブザーバを停止します。
書式
STOP OBSERVER [<observer_name> | ALL];
コマンド・パラメータ
- observer_name
- 停止するオブザーバの名前。名前を指定しない場合、構成に対して登録済オブザーバが1つしかないと、そのオブザーバが停止されます。構成内に複数の登録済オブザーバがある場合は、エラー・メッセージが戻ります。
ALL
キーワードを使用すると、このブローカ構成に登録されているすべてのオブザーバが停止します。
使用上のノート
-
このコマンドは、ブローカ構成内のいずれかのデータベースと接続されている場合に発行できます。
-
このコマンドではファスト・スタート・フェイルオーバーを無効化できませんが、ファスト・スタート・フェイルオーバーはオブザーバがないと開始できません。
-
このコマンドの発行時に、ファスト・スタート・フェイルオーバーが有効化されている必要はありません。
-
STOP OBSERVER
コマンドの発行時にファスト・スタート・フェイルオーバーが有効化されている場合は、プライマリ・データベースおよびスタンバイ・データベースが接続され、相互に交信している必要があります。そうでない場合は、次のエラーが戻されます。ORA-16636 fast-start failover target standby in error state, cannot stop observer
プライマリ・データベースとスタンバイ・データベースが接続されていない場合、プライマリ・データベースで
DISABLE FAST_START FAILOVER FORCE
コマンドを発行してからSTOP OBSERVER
コマンドを発行できます。オブザーバおよびターゲットのスタンバイ・データベースから切断されたプライマリ・データベース上でFORCE
オプションを指定してファスト・スタート・フェイルオーバーを無効化しても、オブザーバによる、ターゲットのスタンバイ・データベースへのファスト・スタート・フェイルオーバーの開始を無効にはできません。 -
STOP OBSERVER
コマンドの発行時にファスト・スタート・フェイルオーバーが有効化されていない場合は、オブザーバの停止時にプライマリ・データベースのみが実行されている必要があります。 -
オブザーバは、
STOP OBSERVER
コマンドの発行後すぐには停止されません。オブザーバは、次回オブザーバーがブローカと接続されるまで停止されたことを検出しません。STOP OBSERVER
コマンドの発行後ただちに、任意のコンピュータでSTART OBSERVER
コマンドを再度入力できます。旧オブザーバがまだ自身の停止を検出していない場合でも、新規オブザーバを即座に開始できます。ブローカ構成では新しいオブザーバがすでに開始されているため、元のオブザーバの開始を試行すると失敗します。 -
新しいファスト・スタート・フェイルオーバーまたは新しいマスター・オブザーバへの切替えが進行中の場合、
STOP OBSERVER
コマンドは失敗します。 -
登録済オブザーバが2つ以上ある場合、マスターのみを停止しようとすると、
STOP OBSERVER
コマンドは失敗します。
コマンドの例
次の例では、ブローカ構成内の動作しているすべてのオブザーバを停止します。
DGMGRL> STOP OBSERVER ALL;
STOP OBSERVING
STOP OBSERVING
コマンドは、このDGMGRLセッションを実行中のこのホスト上で動作している、特定のグループのすべてのブローカ構成のローカル・オブザーバをすべて停止します。
書式
STOP OBSERVING [<configuration_group_name>] [TRACE_LEVEL= USER | SUPPORT];
使用上のノート
-
configuration_group_name
が指定されていない場合、このコマンドを実行すると、このDGMGRLセッションが実行中のこのホスト上で動作している、オブザーバ構成ファイルに定義されたすべてのブローカ構成のLOCAL
オブザーバをすべて停止します。 -
configuration_group_name
にキーワードALL
は使用できません。 -
実行されるDGMGRLコマンド、および実行の詳細に関する情報は、ログ・ファイル
superobserver.log
に書き込まれます。このファイルは、$DG_ADMIN/admin/
ディレクトリにあります。DG_ADMIN
環境変数が定義されていない場合、このファイルは現在の作業ディレクトリに置かれます。 - オプションの
TRACE_LEVEL
IS句を使用すると、実行してオブザーバ・ログ・ファイルに書き込むトレースの量を制御できます。デフォルト値のUSER
の場合、オブザーバ・ログの内容は、ファスト・スタート・フェイルオーバー、プライマリ・データベースとターゲット・スタンバイ・データベースのステータス変更、およびエラーまたは警告メッセージに関するトレース情報に制限されます。TRACE_LEVEL
をSUPPORT
に設定すると、Oracleサポート・サービスが必要とするより低レベルの情報が含まれ、トレース情報の量が増大します。
コマンドの例
DGMGRL> STOP OBSERVING;
ObserverConfigFile=/net/oracle/dataguard/observer.ora
observer configuration file parsing succeeded
Submitted command "STOP OBSERVER HOST IS OBM1" using connect identifier cfg1_cid.
Submitted command "STOP OBSERVER HOST IS OBM1" using connect identifier cfg2_cid.
Submitted command "STOP OBSERVER HOST IS OBM1" using connect identifier cfg3_cid.
Check superobserver.log and individual observer logs for execution details.
DGMGRL> STOP OBSERVING GRP_A;
ObserverConfigFile=/net/oracle/dataguard/observer.ora
observer configuration file parsing succeeded
Submitted command "STOP OBSERVER HOST IS OBM1" using connect identifier cfg1_cid.
Submitted command "STOP OBSERVER HOST IS OBM1" using connect identifier cfg2_cid.
Check superobserver.log and individual observer logs for execution details.
SWITCHOVER
SWITCHOVER
コマンドを発行すると、現行のプライマリ・データベースがスタンバイ・データベースになり、指定したスタンバイ・データベースがプライマリ・データベースになります。これはスイッチオーバー操作と呼ばれています。
書式
SWITCHOVER TO <db_unique_name> [WAIT [<timeout_in_seconds>]];
WAIT
オプションでは、スイッチオーバーを続行する前にセッションが排出されるまで待機することを指定します。timeout_in_seconds
オプションを使用して待機時間を指定します。ブローカは、指定された秒数の間、セッションのドレインを待機してから、スイッチオーバーを続行します。ドレインされていないセッションは、スイッチオーバー・プロセス中に強制終了されます。
WAIT
オプションを含めたが、timeout_in_seconds
を省略した場合は、ブローカにより、現在のアクティブなサービスすべてについてdrain_timeout
の最大値が特定され、最長でもその期間で、現在のすべてのクライアント要求が処理されるのを待ってから、スイッチオーバーが続行されます。drain_timeout
値は、SRVCTLユーティリティのadd service
コマンドまたはmodify service
コマンドで指定するオプションです。
timeout_in_seconds
に指定された値は、drain_timeout
オプションを使用して設定された値より優先されます。
WAIT
オプションは、Oracle Clusterwareのアプリケーション・コンティニュイティ関連の属性を使用してサービスが構成されている場合にのみ有効です。
ノート:
WAIT
オプションは23aiでは非推奨となっています。DrainTimeout
構成プロパティを使用して、スイッチオーバーのドレイン・タイムアウトを指定します。
コマンド・パラメータ
使用上のノート
-
ファスト・スタート・フェイルオーバーが有効な場合は、ファスト・スタート・フェイルオーバーのターゲット・スタンバイ・データベースへのスイッチオーバーのみ実行できます。
-
スイッチオーバーの起動前に、ブローカによって、プライマリ・データベースおよびスタンバイ・データベースが次の状態であることが検証されます。
-
REDO転送サービスが起動するように、プライマリ・データベースが有効化され、
TRANSPORT-ON
状態になっている必要があります。 -
スタンバイ・データベースが有効化され、
TRANSPORT-ON
状態になっており、ログ適用サービスが起動している必要があります。
-
-
ブローカは、スイッチオーバーに関係するように選択したスタンバイ・データベースにREDO転送サービスのエラーがないかぎり、スイッチオーバーを続行します。その他のスタンバイ・データベースにエラーが発生しても、スイッチオーバーの続行には影響しません。
-
ロジカル・スタンバイ・データベースへのスイッチオーバーは、構成が最大保護モードで動作している場合には許可されません。
-
ブローカ構成が最大保護モードまたは最大可用性モードで動作している場合、スイッチオーバーの操作後も同じ保護モードが維持されます(「スイッチオーバー操作実行前の考慮事項」を参照)。スイッチオーバーのターゲットとなるスタンバイ・データベースが保護モード要件を満たす唯一のスタンバイであったためにモードを維持できない場合、スイッチオーバーは許可されません。
-
プライマリ・ロールを引き継ぐスタンバイ・データベースがフィジカル・スタンバイ・データベースの場合は、スイッチオーバーの完了後に、元のプライマリ・データベースが再起動されます。例10-13に示すように、元のプライマリへのクライアント接続はフィジカル・スタンバイ・データベースにリダイレクトされます。スタンバイ・データベースがロジカル・スタンバイ・データベースの場合は、プライマリ・データベースもロジカル・スタンバイ・データベースも再起動されません。
-
プライマリ・ロールを引き継ぐスタンバイ・データベースがフィジカル・スタンバイ・データベースの場合、元のプライマリ・データベースはフィジカル・スタンバイ・データベースとなります。
-
プライマリ・ロールを引き継ぐスタンバイ・データベースがロジカル・スタンバイ・データベースの場合、元のプライマリ・データベースはロジカル・スタンバイ・データベースとなります。
-
スナップショット・スタンバイ・データベースにはスイッチオーバーできません。
-
プライマリ・ロールを引き継ぐスタンバイ・データベースがロジカル・スタンバイ・データベースで、構成にフィジカル・スタンバイ・データベースが含まれている場合、スイッチオーバー後、フィジカル・スタンバイ・データベースは無効化されます。
注意:
このため、通常、スイッチオーバーには、ロジカル・スタンバイ・データベースのかわりにフィジカル・スタンバイ・データベースを指定することをお薦めします。ロジカル・スタンバイ・データベースへのスイッチオーバーが必要な場合、フィジカル・スタンバイ・データベースを再作成する方法については、「ロール変更後の無効化されたデータベースの再有効化」を参照してください。
比較的すぐに元のプライマリ・データベースにスイッチバックする場合は、フィジカルおよびスナップショット・スタンバイ・データベースを無効なままにしておくことができます。フィジカルおよびスナップショット・スタンバイ・データベースはまだ元のプライマリ・データベースの実行可能なスタンバイ・データベースであるため、元のプライマリ・データベースへのスイッチバックの完了後、これらを再有効化できます。
-
データベースがOracle Clusterwareによって管理されている場合、ブローカはどのインスタンスのPDBもオープンしません。かわりに、ブローカはスイッチオーバーの完了後にClusterwareエージェントに通知し、Clusterwareエージェントはサービス構成に基づいて特定のインスタンスのPDBをオープンします。
コマンドの例
例10-11 プライマリからフィジカル・スタンバイへのスイッチオーバーの成功例
この例では、フィジカル・スタンバイ・データベースSouth_Sales
がプライマリ・ロールに遷移する正常なスイッチオーバーを示します。
DGMGRL> SWITCHOVER TO 'South_Sales';
2021-03-08T18:46:18.576-05:00
Performing switchover NOW, please wait...
2021-03-08T18:46:31.899-05:00
New primary database "South_Sales" is opening...
2021-03-08T18:46:31.901-05:00
Operation requires start up of instance "north_sales1" on database "North_Sales"
Starting instance "north_sales1"...
Connected to an idle instance.
ORACLE instance started.
Connected to "north_sales1"
Database mounted.
Connected to "South_Sales"
2021-03-08T18:47:12.754-05:00
Switchover succeeded, new primary is "South_Sales"
2021-03-08T18:47:12.780-05:00
Switchover processing complete, broker ready.
例10-12 O/S認証を使用したことによるスイッチオーバーの失敗例
オペレーティング・システム認証を使用してデータベースに接続する場合は、任意のユーザー名およびパスワードを使用して接続できます。ただし、DGMGRLはリモートでは自己認証できないため、プライマリ・データベースとスタンバイ・データベースを自動的にシャットダウンして起動することができません。
次に、スイッチオーバーには成功したが、DGMGRLでプライマリ・データベースとスタンバイ・データベースのシャットダウンおよび起動ができなかったためにエラーが戻された例を示します。
DGMGRL> SWITCHOVER TO 'South_Sales'; Performing switchover NOW, please wait... New primary database "South_Sales" is opening... Operation requires shutdown of instance "north_sales1" on database "North_Sales" Shutting down instance "north_sales1"... ORA-01031: insufficient privileges Warning: You are no longer connected to ORACLE. Please complete the following steps to finish switchover: shut down instance "north_sales1" of database "North_Sales" start up and mount instance "north_sales1" of database "North_Sales"
ノート:
DGMGRLでインスタンスを自動的に再起動するには、最後のCONNECT
コマンドが別のデータベースへの接続に使用された場合でも、最後のCONNECT
コマンドに指定された資格証明を使用してデータベースに接続する必要があります。
SHUTDOWN
およびSTARTUP
コマンドを手動で発行して、新しいプライマリおよび停止されたスタンバイ・インスタンスを再起動する必要があります。
例10-13 ターゲットのフィジカル・スタンバイ・データベースへのクライアント接続のリダイレクト
この例では、フィジカル・スタンバイ・データベースSouth_Sales
がプライマリ・ロールに遷移する正常なスイッチオーバーを実行します。元のプライマリへの接続は、新しいプライマリ・データベースSouth_Sales
に自動的に再接続されます。
DGMGRL> SWITCHOVER TO South_Sales;
2021-03-08T18:42:38.906-05:00
Performing switchover NOW, please wait...
2021-03-08T18:42:39.704-05:00
Operation requires a connection to database "South_Sales"
Connecting ...
Connected to "South_Sales"
Connected as SYSDG.
2021-03-08T18:42:39.908-05:00
Continuing with the switchover...
2021-03-08T18:42:50.022-05:00
New primary database "South_Sales" is opening...
2021-03-08T18:42:50.023-05:00
Operation requires start up of instance "north_sales2" on database "North_Sales"
Starting instance "north_sales2"...
Connected to an idle instance.
ORACLE instance started.
Connected to "North_Sales"
Database mounted.
Connected to "South_Sales"
2021-03-08T18:43:31.457-05:00
Switchover succeeded, new primary is "South_Sales"
2021-03-08T18:43:31.486-05:00
Switchover processing complete, broker ready.
例10-14 スイッチオーバー時のゼロ待機時間の指定
この例では、SWITCHOVER
コマンドにWAIT
オプションを挿入し、待機時間をゼロ秒に設定します。したがって、ブローカはセッションのドレインを待機せず、スイッチオーバー操作を続行します。
DGMGRL> SWITCHOVER TO 'South_Sales' WAIT 0;
2021-03-08T18:29:17.674-05:00
WAIT 0 does not wait for sessions to drain; proceeding with switchover...
2021-03-08T18:29:27.995-05:00
New primary database "South_Sales" is opening...
2021-03-08T18:29:27.995-05:00
Oracle Clusterware is restarting database "North_Sales" ...
Connected to "South_Sales"
2021-03-08T18:30:09.375-05:00
Switchover succeeded, new primary is "South_Sales"
2021-03-08T18:30:09.421-05:00
Switchover processing complete, broker ready.
例10-15 WAIT句の使用によるスイッチオーバー時の待機時間の指定
この例では、SWITCHOVER
コマンドにWAIT
オプションを挿入し、待機時間を23秒に設定します。したがって、ブローカはセッションのドレインを23秒間待機してから、スイッチオーバーを続行します。
DGMGRL> SWITCHOVER TO 'South_Sales' WAIT 23;
2021-03-08T18:26:29.412-05:00
Stopping services and waiting up to 23 seconds for sessions to drain...
2021-03-08T18:26:40.209-05:00
Done waiting for sessions to drain; proceeding with switchover now...
2021-03-08T18:26:54.411-05:00
New primary database "South_Sales" is opening...
2021-03-08T18:26:54.412-05:00
Oracle Clusterware is restarting database "North_Sales" ...
Connected to "South_Sales"
2021-03-08T18:27:39.045-05:00
Switchover succeeded, new primary is "South_Sales"
2021-03-08T18:27:39.084-05:00
Switchover processing complete, broker ready.
SWITCHOVER PLUGGABLE DATABASE
このコマンドは、ソースPDBのロールを指定されたターゲットPDBに切り替えます。
前提条件
-
ターゲット・データベースへの接続。
-
指定されたターゲットPDBがターゲット・データベースに存在し、DG PDBとして構成されている必要があります。
構文
SWITCHOVER TO PLUGGABLE DATABASE <pdb_name> AT <target_db_unique_name>;
コマンド・パラメータ
使用上のノート
-
ブローカは、ソースPDBがオープンしていることを確認します。
- ブローカは、指定されたPDBが指定されたデータベースのDG PDBであることを確認し、REDO Applyが実行中であることを確認します。
例
例10-16 ターゲットPDBへの切替え
この例では、ターゲット・データベースcdb_newyork
に含まれているdgpdb_sales
という名前のターゲットPDBを使用して、ソースPDBの操作を切り替えます。
DGMGRL> SWITCHOVER TO PLUGGABLE DATABASE dgpdb_sales AT newyork;
VALIDATE DATABASE
VALIDATE DATABASE
コマンドは、ロール変更に先立って包括的なデータベース・チェックを実行します。このコマンドでは、指定したスタンバイ・データベースがスイッチオーバーまたはフェイルオーバーの準備ができているかどうかを示す基本チェックを実行するオプションが提供されます。STRICT
句で使用可能な様々なオプションを使用して、より厳しいレベルのチェックを含めることもできます。
チェックでは、Oracle Data Guardの様々なビューで使用可能な情報が使用されます。
書式
VALIDATE DATABASE [VERBOSE] <db_unique_name>
[STRICT { ALL | APPLY_PROPERTY | FLASHBACK | FORCE_LOGGING | LOG_FILES_CLEARED |
LOG_FILE_CONFIGURATION | TEMP_FILES | TRANSPORT_PROPERTY }];
使用上のノート
VALIDATE DATABASE
コマンドは、データベースのサマリーを表示し、エラーまたは警告が検出されたらレポートします。VALIDATE DATABASE VERBOSE
は、簡潔なサマリーの全内容に加え、検証されたすべての項目を表示します。
より厳密な検証レベルを追加するには、STRICT
句を使用して、1つ以上のSTRICT
オプションを指定します。
表10-3 STRICT
句のオプション
オプション | 説明 |
---|---|
ALL |
プライマリおよび指定したスタンバイ・データベースの検証で、すべてのstrictオプションを使用します。 |
APPLY_PROPERTY |
プライマリ・データベースと指定したスタンバイ・データベース間の適用関連プロパティ設定が同じであることを確認します。 |
FLASHBACK |
プライマリおよび指定したスタンバイ・データベースのフラッシュバック・データベースが有効になっていることを確認します。 |
FORCE_LOGGING |
プライマリおよび指定されたスタンバイ・データベースで強制ロギングが有効になっていること、およびプライマリ・データベースにログに記録されていないブロックがあるかどうかを確認します。 |
LOG_FILES_CLEARED |
プライマリ・データベースのスタンバイREDOログがクリアされ、指定したスタンバイ・データベース(フィジカル・スタンバイ・データベースの場合)のオンライン・ログがクリアされていることを確認します。 |
コマンドの例
この項の例は、プライマリおよびスタンバイ・データベースでのVALIDATE DATABASE
コマンドの出力の、簡潔表示と詳細表示の例を示します。
例10-17 プライマリに対するVALIDATE DATABASEの簡潔出力
次の例は、プライマリ・データベースの簡潔出力を示します。
DGMGRL> VALIDATE DATABASE South_Sales;
Database Role: Primary database
Ready for Switchover: Yes
Managed by Clusterware:
South_Sales: YES
例10-18 フィジカル・スタンバイに対するVALIDATE DATABASEの簡潔出力
次の例は、フィジカル・スタンバイ・データベースの簡潔出力を示します。
DGMGRL> VALIDATE DATABASE North_Sales;
Database Role: Physical standby database
Primary Database: South_Sales
Ready for Switchover: Yes
Ready for Failover: Yes (Primary Running)
Managed by Clusterware:
South_Sales : NO
North_Sales: NO
The static connect identifier allows for a connection to database "South_Sales".
Parameter Settings:
Parameter South_Sales Value North_Sales Value
DB_BLOCK_CHECKING FALSE FALSE
DB_BLOCK_CHECKSUM TYPICAL TYPICAL
DB_LOST_WRITE_PROTECT AUTO AUTO
例10-19 プライマリに対するVALIDATE DATABASEの詳細出力
次の例は、プライマリ・データベースの詳細出力を示します。
DGMGRL> VALIDATE DATABASE VERBOSE South_Sales;
Database Role: Primary database
Ready for Switchover: Yes
Flashback Database Status:
Database Status Retention Target
South_Sales On 1440
Capacity Information:
Database Instances Threads
South_Sales 1 1
Managed by Clusterware:
South_Sales: NO
The static connect identifier allows for a connection to database "South_Sales".
Temporary Tablespace File Information:
South_Sales TEMP Files: 1
Data file Online Move in Progress:
South_Sales: No
Transport-Related Information:
Transport On: Yes
Log Files Cleared:
South_Sales Standby Redo Log Files: Cleared
例10-20 フィジカル・スタンバイに対するVALIDATE DATABASEの詳細出力
次のコマンドは、フィジカル・スタンバイ・データベースの詳細出力を示します。
DGMGRL> validate database verbose North_Sales
Database Role: Physical standby database
Primary Database: South_Sales
Ready for Switchover: Yes
Ready for Failover: Yes (Primary Running)
Flashback Database Status:
Database Status Retention Target
South_Sales On 1440
North_Sales On 1440
Capacity Information:
Database Instances Threads
South_Sales 1 1
North_Sales 1 1
Managed by Clusterware:
South_Sales : NO
North_Sales: NO
The static connect identifier allows for a connection to database "South_Sales".
Temporary Tablespace File Information:
South_Sales TEMP Files: 1
North_Sales TEMP Files: 1
Data file Online Move in Progress:
South_Sales: No
North_Sales: No
Standby Apply-Related Information:
Apply State: Running
Apply Lag: 0 seconds (computed 0 seconds ago)
Apply Delay: 0 minutes
Transport-Related Information:
Transport On: Yes
Gap Status: No Gap
Transport Lag: 0 seconds (computed 0 seconds ago)
Transport Status: Success
Log Files Cleared:
South_Sales Standby Redo Log Files: Cleared
North_Sales Online Redo Log Files: Cleared
North_Sales Standby Redo Log Files: Available
Current Log File Groups Configuration:
Thread # Online Redo Log Groups Standby Redo Log Groups
(South_Sales) (North_Sales)
1 4 5
Future Log File Groups Configuration:
Thread # Online Redo Log Groups Standby Redo Log Groups
(North_Sales) (South_Sales)
1 4 5
Current Configuration Log File Sizes:
Thread # Smallest Online Redo Smallest Standby Redo
Log File Size Log File Size
(South_Sales) (North_Sales)
1 25 MBytes 25 MBytes
Future Configuration Log File Sizes:
Thread # Smallest Online Redo Smallest Standby Redo
Log File Size Log File Size
(North_Sales) (South_Sales)
1 25 MBytes 25 MBytes
Apply-Related Property Settings:
Property South_Sales Value North_Sales Value
DelayMins 0 0
ApplyParallel AUTO AUTO
ApplyInstances 0 0
Transport-Related Property Settings:
Property South_Sales Value North_Sales Value
LogShipping ON ON
LogXptMode ASYNC ASYNC
Dependency <empty> <empty>
DelayMins 0 0
Binding optional optional
MaxFailure 0 0
ReopenSecs 30 30
NetTimeout 300 300
RedoCompression DISABLE DISABLE
Parameter Settings:
Parameter South_Sales Value North_Sales Value
DB_BLOCK_CHECKING true true
DB_BLOCK_CHECKSUM true true
DB_LOST_WRITE_PROTECT NONE NONE
例10-21 プライマリに関するVALIDATE DATABASE STRICT
オプション
次の例では、プライマリに関するSTRICT
の出力を示します。
DDGMGRL> VALIDATE DATABASE 'North_Sales' STRICT ALL;
Database Role: Primary database
Ready for Switchover: No
Flashback Database Status:
Database Status Retention Target
North_Sales Off 1440
South_Sales On 1440
Managed by Clusterware:
North_Sales: NO
The static connect identifier allows for a connection to database "North_Sales".
例10-22 フィジカル・スタンバイに関するVALIDATE DATABASE STRICT
オプション
次の例では、フィジカル・スタンバイに関するSTRICT
の出力を示します。
DGMGRL> DGMGRL> VALIDATE DATABASE 'North_Sales' STRICT FLASHBACK;
Database Role: Physical standby database
Primary Database: 'South_Sales'
Ready for Switchover: No
Ready for Failover: Yes (Primary Running)
Flashback Database Status:
Database Status Retention Target
South_Sales Off 1440
North_Sales Off 1440
Managed by Clusterware:
North_Sales : NO
South_Sales: NO
The static connect identifier allows for a connection to database "South_Sales".
Parameter Settings:
Parameter South_Sales Value North_Sales Value
DB_BLOCK_CHECKING true true
DB_BLOCK_CHECKSUM true true
DB_LOST_WRITE_PROTECT AUTO AUTO
例10-23 フィジカル・スタンバイに関するVALIDATE DATABASE STRICT
オプション
次の例は、STRICT
句のないフィジカル・スタンバイ出力を示しています:
DGMGRL> VALIDATE DATABASE 'North_Sales' ;
Database Role: Physical standby database
Primary Database: 'South_Sales'
Ready for Switchover: Yes
Ready for Failover: Yes (Primary Running)
Flashback Database Status:
Database Status Retention Target
South_Sales Off 1440
North_Sales Off 1440
Managed by Clusterware:
North_Sales : NO
South_Sales: NO
The static connect identifier allows for a connection to database "South_Sales".
Parameter Settings:
Parameter South_Sales Value North_Sales Value
DB_BLOCK_CHECKING true true
DB_BLOCK_CHECKSUM true true
DB_LOST_WRITE_PROTECT AUTO AUTO
VALIDATE DATABASE DATAFILE
VALIDATE DATABASE DATAFILE
コマンドは、プライマリ・データベースとスタンバイ・データベース全体のデータ・ファイルの検証を実行します。
データ・ファイルの検証では、いずれかのデータベースでの書込み欠落を検出します。
書式
VALIDATE DATABASE [VERBOSE] <db_unique_name> | ALL] DATAFILE { <datafile_name> | <datafile_number> | ALL } OUTPUT="output_file_name";
コマンド・パラメータ
- db_unique_name
-
情報を表示するデータベースの名前。
VERBOSE
キーワードを使用する場合は、DB_UNIQUE_NAME
の前に指定する必要があります。そうしないとエラーが戻ります。検証対象のデータベースがプライマリまたは
ALL
の場合、すべてのスタンバイ・データベースのデータ・ファイルがプライマリのデータ・ファイルと比較されます。検証対象のデータベースがスタンバイ・データベースの場合、そのデータ・ファイルがプライマリのデータ・ファイルと比較されます。
- datafile_name | datafile_number
- 比較対象のデータファイルを名前(datafile_name)または番号(datafile_number)で指定できます。
datafile_nameは、検証される特定のデータファイルの名前です。
datafile_numberは、データファイルのファイル識別番号です(
V$DATAFILE
ビューのFILE#
列に表示されている)。 - output_file_name
- ブロック比較が完了しているかどうか、および書込み欠落があったかどうかを判断するためにチェックする必要がある、サーバー上に生成されるファイル。出力ファイルは、比較しているデータベースの診断の
trace
ディレクトリに作成されます。
使用上のノート
-
VALIDATE
DATABASE
コマンドが発行されると、データベースでデータ・ファイルの比較が開始されたことを示すメッセージが即時に戻りますが、これはデータ・ファイルの比較が完了したこと、またはデータ・ファイル間で書込み欠落がなかったことを意味するわけではありません。データ・ファイルの比較が完了したかどうか、または書込み欠落があったかどうかを判断するには、生成される出力ファイルをチェックする必要があります。 VERBOSE
オプションを使用すると、指定されたデータ・ファイルのブロック内容をダンプできます。
コマンドの例
例: VALIDATE DATABASE DATAFILEを使用したデータ・ファイルの比較
次のコマンドでは、スタンバイのデータ・ファイルをプライマリのデータ・ファイルと比較します。出力は、dbcomp1.out
という名前のファイルに送信されます。
DGMGRL> VALIDATE DATABASE boston DATAFILE ALL OUTPUT=dbcomp1.out;
Operation requires a connection to database "boston"
Connecting ...
Output files are created in /path/to/trace on host "standby-host"
次に、コマンドの出力例を示します。
Client is connected to database: boston. Role: physical standby.
******************************
Remote database chicago.
remote db role: primary database
Slave Id 0
Summary:
Different data block pairs: 66617
Details:
***************************************************
ID: Block Type Id
TOTAL: Total number of blocks found
DIFFV: Number of block pairs with different version
LWLOC: Lost Writes at Local
LWRMT: Lost Writes at Remote
SAMEV: Number of block pairs with same version
SAMEV&C: Number of block pairs with same version and checksum
DIFFPAIR: Number of block pairs with same version but different contents
ENCERR: Undecided blocks related to encryption/decrytion error.
e.g. Wallet is not open.
SKIPPED: Skipped blocks due to data corruption, direct load, etc
ID TOTAL DIFFV LWLOC LWRMT SAMEV SAMEV&C DIFFPAIR ENCERR SKIPPED
02 0067698 0001032 0000000 0000000 0066666 0000049 0066617 0000000 0000000
29 0000001 0000001 0000000 0000000 0000000 0000000 0000000 0000000 0000000
30 0000125 0000001 0000000 0000000 0000124 0000124 0000000 0000000 0000000
38 0000014 0000014 0000000 0000000 0000000 0000000 0000000 0000000 0000000
VALIDATE DATABASE SPFILE
VALIDATE DATABASE SPFILE
コマンドは、プライマリ・データベースと指定されたスタンバイ・データベースのサーバー・パラメータ・ファイル(SPFILE)のエントリの比較を実行します。
サーバー・パラメータ・ファイルの検証では、プライマリと指定されたスタンバイ・データベース間のパラメータ値の不一致を検出するので、ロールの変更前にこれらを修正できます。これにより、ロールの変更後も、データベースのレベルをロールの変更前と同じレベルにします。また、このコマンドを使用すると、不適切なパラメータ設定を修正するためにデータベースを再起動することが不要になります。
書式
VALIDATE DATABASE [VERBOSE] <db_unique_name> SPFILE;
コマンド・パラメータ
使用上のノート
-
差異がない場合、
VALIDATE DATABASE SPFILE
コマンドはNo parameter differences found
を報告します。差異が見つかった場合は、プライマリ・データベースと指定されたスタンバイ・データベースで異なる値を持つパラメータのリストが表示されます。 -
VALIDATE DATABASE SPFILE
コマンドが発行されると、DGConnectIdentifier
プロパティのそれぞれの値に基づいて、プライマリ・データベースと指定されたスタンバイ・データベースに接続します。コマンドは、接続の試行が正常に完了できない場合に失敗します。 - 両方のデータベースのSPFILEのパラメータ設定のリストを表示するには、
VERBOSE
キーワードを使用します。 - このコマンドでは、すべてのインスタンスに対して設定されているパラメータのみがチェックされます。特定のインスタンスに対して設定されているパラメータは除外されます。
次のパラメータは、Data Guard Brokerによって管理されているかデータベース間で別々の値にできるため、チェックされません。
archive_lag_target、log_archive_config*、db_file_name_convert、log_archive_max_processes、log_archive_min_succeed_dest、log_file_name_convert、standby_file_management、log_archive_dest_n*、log_archive_dest_state_n*、db_unique_name、asm_diskgroups、asm_diskstring control_files fal_server*、db_create_file_dest、db_create_online_log_dest_1、db_create_online_log_dest_2、db_create_online_log_dest_3、db_create_online_log_dest_4、db_create_online_log_dest_5、db_recovery_file_dest、db_recovery_file_dest_size、dg_broker_config_file1、dg_broker_config_file2、dg_broker_start instance_groups、instance_mode instance_name、instance_number、instance_type、listener_networks、local_listener、log_archive_duplex_dest、log_archive_format、remote_listener、service_names spfile、standby_archive_dest
コマンドの例
例: VALIDATE DATABASE SPFILEを使用したサーバー・パラメータ・ファイルの値の比較
次に、指定されたスタンバイ・データベースとプライマリ・データベースでサーバー・パラメータ・ファイルの値の違いがない場合のVALIDATE DATABASE SPFILE
コマンドの出力例を示します。
DGMGRL> VALIDATE DATABASE chicago SPFILE;
Connecting to "boston".
Connecting to "chicago".
No parameter differences found.
次に、指定されたスタンバイ・データベースとプライマリ・データベースでサーバー・パラメータ・ファイルの値の違い(異なる値または一方には指定されているがもう一方には指定されていない値)がある場合のVALIDATE DATABASE SPFILE
コマンドの出力例を示します。
DGMGRL> VALIDATE DATABASE chicago SPFILE;
Connecting to "boston".
Connecting to "chicago".
Parameter settings with different values:
aq_tm_processes:
boston (PRIMARY) : 8
chicago : 9
commit_point_strength:
boston (PRIMARY) : NOT SPECIFIED
chicago : 255
sec_max_failed_login_attempts:
boston (PRIMARY) : 2
chicago : NOT SPECIFIED
use_large_pages:
boston (PRIMARY) : TRUE
chicago : NOT SPECIFIED
DGMGRL>
VALIDATE DGConnectIdentifier
VALIDATE DGConnectIdentifier
コマンドを使用すると、ユーザーは接続識別子がDGConnectidentifier
プロパティに対して有効かどうかを確認できます。
各接続性チェックの接続識別子は、関連付けられたデータベースのDGConnectIdentifier
プロパティに基づいて生成されます。
書式
VALIDATE DGConnectIdentifier
<connect_identifier> ;
使用上のノート
DGMGRLコマンドVALIDATE DGConnectIdentfier
を使用すると、接続識別子がDGConnectidentifier
プロパティに対して有効かどうかを確認できます。
構成が存在し、有効になっている場合、このコマンドは、すべての構成メンバーでそれを使用して接続できるかどうかを確認します。
このコマンドは、構成にメンバーを追加する前に使用することもできます。構成が存在しない場合、このコマンドは、DGMGRLが接続されているデータベースとインスタンスの接続識別子を検証します。
このコマンドは、すべてのメンバーのインスタンスごとに次を実行します。
-
インスタンスで接続文字列の変換済ネットワークを出力します
- インスタンスでネットワーク構成に関連する環境変数を出力します
- インスタンスで変換済ネットワーク・アドレスを使用して新しい接続を作成します
- 接続テストが成功すると、接続データベースのインスタンス名およびdb_unique_nameが出力されます
コマンドの例
例1: 構成が存在する場合:
DGMGRL> validate dgconnectidentifier north_sales;
At instance sales1 of member 'South_Sales'
north_sales translates to:
(DESCRIPTION=(ADDRESS_LIST=(ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)(HOST=north.example.com)(PORT=2852)))(CONNECT_DATA=(SERVICE_NAME=north_sales.example.com)(SERVER=DEDICATED)))
Environment Variables:
TNS_ADMIN: /oracle/south_sales/network
ORACLE_HOME: /oracle/south_sales/home
ORACLE_BASE: /oracle/south_sales/base
Initialization Parameters:
LOCAL_LISTENER: south_listener
Connected to instance 'sales1' at member 'North_Sales'
At instance 'sales1' of member 'North_Sales'
north_sales translates to:
(DESCRIPTION=(ADDRESS_LIST=(ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)(HOST=north.example.com)(PORT=2852)))(CONNECT_DATA=(SERVICE_NAME=north_sales.example.com)(SERVER=DEDICATED)))
Environment Variables:
TNS_ADMIN: /oracle/north_sales/network
ORACLE_HOME: /oracle/north_sales/home
ORACLE_BASE: /oracle/north_sales/base
Initialization Parameters:
LOCAL_LISTENER: north_listener
Connected to instance 'sales1' at member 'North_Sales'
例2: 構成が存在しない場合:
DGMGRL> validate dgconnectidentifier north_sales;
At instance 'sales1' of member 'North_Sales'
north_sales translates to:
(DESCRIPTION=(ADDRESS_LIST=(ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)(HOST=north.example.com)(PORT=2852)))(CONNECT_DATA=(SERVICE_NAME=north_sales.example.com)(SERVER=DEDICATED)))
Environment Variables:
TNS_ADMIN: /oracle/south_sales/network
ORACLE_HOME: /oracle/south_sales/home
ORACLE_BASE: /oracle/south_sales/base
GRID_HOME:
Initialization Parameters:
LOCAL_LISTENER: south_listener
Connected to instance 'sales1' at member 'North_Sales'
例3: 認識されない接続識別子の場合:
DGMGRL> VALIDATE DGConnectIdentifier 'north_sales';
At instance 'NorthSales' of member 'North_Sales'
north_sales translates to:
(DESCRIPTION = (ADDRESS = (PROTOCOL = TCP)(HOST = sales1.example.com)(PORT = 1521)) (CONNECT_DATA = (SERVER = DEDICATED) (SERVICE_NAME = North_Sales.example.com)))
Environment Variables:
TNS_ADMIN:
ORACLE_HOME: /sales/oracle/product/23.0.0/db_1
ORACLE_BASE: /sales/oracle
Initialization Parameters:
LOCAL_LISTENER: LISTENER_NORTHSALES
Connected to instance 'NorthSales' at member 'North_Sales'
At instance 'SouthSales' of member 'South_Sales'
north_sales translates to:
(DESCRIPTION = (ADDRESS = (PROTOCOL = TCP)(HOST = sales1.example.com)(PORT = 1522)) (CONNECT_DATA = (SERVER = DEDICATED) (SERVICE_NAME = North_Sales.example.com)))
Environment Variables:
TNS_ADMIN:
ORACLE_HOME: /sales/oracle/product/23.0.0/db_1
ORACLE_BASE: /sales/oracle
Initialization Parameters:
LOCAL_LISTENER: LISTENER_SOUTHSALES
DGM-17565: Failed to connect using 'north_sales'.
DGM-17488: Warning: DGConnectIdentifer 'north_sales' does not have the same translation on all members.
例4: 接続テストが失敗した場合:
DGMGRL> VALIDATE DGConnectIdentifier 'north_sales';
At instance 'NorthSales' of member 'North_Sales'
north_sales translates to:
(DESCRIPTION = (ADDRESS = (PROTOCOL = TCP)(HOST = sales1.example.com)(PORT = 1521)) (CONNECT_DATA = (SERVER = DEDICATED) (SERVICE_NAME = NorthSales.example.com)))
Environment Variables:
TNS_ADMIN:
ORACLE_HOME: /sales/oracle/product/23.0.0/db_1
ORACLE_BASE: /sales/oracle
GRID_HOME:
Initialization Parameters:
LOCAL_LISTENER: LISTENER_NORTHSALES
DGM-17565: Failed to connect using 'north_sales'.
VALIDATE FAR_SYNC
VALIDATE FAR_SYNC
コマンドは、遠隔同期インスタンスに対する一連の包括的なチェックを実行します。
チェックでは、Oracle Data Guardの様々なビューで使用可能な情報が使用されます。
書式
VALIDATE FAR_SYNC [VERBOSE] <db_unique_name>
[WHEN PRIMARY IS <primary_db_unique_name>];
コマンド・パラメータ
使用上のノート
VALIDATE
FAR_SYNC
コマンドは、遠隔同期インスタンスの簡潔なサマリーを表示し、エラーまたは警告が検出された場合は報告します。VALIDATE
FAR_SYNC
VERBOSE
コマンドは、簡潔なサマリーの全内容に加え、REDO転送関連情報を表示します。
コマンドの例
この項では、様々なシナリオにおけるVALIDATE
FAR_SYNC
コマンドの出力例を示しています。
例1: VALIDATE FAR_SYNCの簡潔出力
次の例では、遠隔同期インスタンスの簡潔な出力を示しています。
DGMGRL> VALIDATE FAR_SYNC FS; Member Role: Far Sync Instance When Primary Is: North_Sales Active Redo Source: North_Sales Redo Destinations: South_Sales Thread # Online Redo Log Groups Standby Redo Log Groups Status North_Sales FS 1 4 5 Sufficient SRLs
例2: VALIDATE FAR_SYNCの詳細出力
次の例では、遠隔同期インスタンスの冗長な出力を示しています。
DGMGRL> VALIDATE FAR_SYNC VERBOSE FS; Member Role: Far Sync Instance When Primary Is: North_Sales Active Redo Source: North_Sales Redo Destinations: South_Sales Thread # Online Redo Log Groups Standby Redo Log Groups Status North_Sales FS 1 4 5 Sufficient SRLs Transport-Related Information: Transport On: Yes Gap Status: No Gap Transport Lag: 0 seconds (computed 0 seconds ago) Transport Status: Success
例3: South_Salesがプライマリの場合のVALIDATE FAR_SYNCの出力
次の例では、South_Sales
データベースをプライマリ・データベースとして指定したときの出力を示しています。
DGMGRL> VALIDATE FAR_SYNC FS WHEN PRIMARY IS 'South_Sales'; Member Role: Far Sync Instance When Primary Is: South_Sales Redo Destinations: North_Sales Thread # Online Redo Log Groups Standby Redo Log Groups Status South_Sales FS 1 4 5 Sufficient SRLs
VALIDATE FAST_START FAILOVER
VALIDATE FAST_START FAILOVER
コマンドを使用すると、ファスト・スタート・フェイルオーバー構成を検証できます。これは、ファスト・スタート・フェイルオーバーの設定中または開始中に、構成ミスを識別します。
書式
VALIDATE FAST_START FAILOVER;
コマンド・パラメータ
なし。
使用上のノート
-
このコマンドは、ファスト・スタート・フェイルオーバー構成を検証し、次の情報をレポートします。
- 設定が正しくないファスト・スタート・フェイルオーバー・プロパティ
たとえば、ファスト・スタート・フェイルオーバーのしきい値が適切に設定されていないなどです。
-
ファスト・スタート・フェイルオーバーの有効化または開始を妨げる問題
これには、ファスト・スタート・フェイルオーバーに必要な条件を満たしている場合でもファスト・スタート・フェイルオーバーを使用できなくなるような問題などがあります(たとえば、ファスト・スタート・フェイルオーバーが監視専用モードで有効になっているなど)。
- ファスト・スタート・フェイルオーバーの開始後に実行されたアクションに影響する問題
- ブローカ構成の安定性に影響を与える可能性がある問題
-
ファスト・スタート・フェイルオーバーのコールアウト構成スクリプトに関する問題
ファスト・スタート・フェイルオーバー構成ファイル
fsfocallout.ora
の構文が正しいかどうか、およびコールアウト前スクリプトとコールアウト後スクリプトにアクセス可能かどうかが表示されます。
- 設定が正しくないファスト・スタート・フェイルオーバー・プロパティ
コマンドの例
例10-24 しきい値が小さい可能性があるファスト・スタート・フェイルオーバー構成の検証
次の例では、最大パフォーマンス・モードになっているブローカ構成を検証し、ファスト・スタート・フェイルオーバーをその構成に対して有効にできなくしている問題を識別します。
DGMGRL> VALIDATE FAST_START FAILOVER;
Fast-Start Failover: Enabled in Potential Data Loss Mode
Protection Mode: MaxPerformance
Primary: North_Sales
Active Target: South_Sales
Fast-Start Failover Not Possible:
Fast-Start Failover observer not started
Post Fast-Start Failover Issues:
Flashback database disabled for database ‘dgv1’
Other issues:
FastStartFailoverThreshold may be too low for RAC databases.
Fast-start failover callout configuration file "fsfocallout.ora" has the following issues:
Invalid lines
foo=foo
The specified file "./precallout" contains a path.
例10-25 同期されていないファスト・スタート・フェイルオーバー構成の検証
この例では、通常モードで有効になっている、ファスト・スタート・フェイルオーバー構成を検証します。コールアウト・スクリプトは存在しておりその構文は間違っていません。唯一の問題は、構成が同期されていないということです。
DGMGRL> VALIDATE FAST_START FAILOVER;
Fast-Start Failover: Enabled in Observe-Only mode
Protection Mode: MaxPerformance
Primary: North_Sales
Active Target: South_Sales
Fast-Start Failover not possible:
Fast-start failover configuration is unsynchronized
VALIDATE NETWORK CONFIGURATION
VALIDATE NETWORK CONFIGURATION
コマンドは、構成のメンバー間のネットワーク接続性チェックを実行します。
各接続性チェックの接続識別子は、関連付けられたデータベースのDGConnectIdentifier
プロパティに基づいて生成されます。
書式
VALIDATE NETWORK CONFIGURATION FOR { ALL | <db_unique_name>
};
コマンド・パラメータ
使用上のノート
-
このコマンドは静的接続識別子のチェックも実行します。
コマンドの例
例1: 特定のデータベース用のネットワーク構成の検証
DGMGRL> VALIDATE NETWORK CONFIGURATION FOR North_Sales;
Connecting to instance "north_sales1" on database "North_Sales" ...
Checking connectivity from instance "north_sales1" on database "North_Sales to instance "south_sales1" on database "South_Sales"...
Succeeded.
Connecting to instance "north_sales6" on database "North_Sales" ...
Checking connectivity from instance "north_sales6" on database "North_Sales to instance "south_sales1" on database "South_Sales"...
Succeeded.
Connecting to instance "south_sales1" on database "South_Sales" ...
Checking connectivity from instance "south_sales1" on database "South_Sales to instance "north_sales1" on database "North_Sales"...
Succeeded.
Checking connectivity from instance "south_sales1" on database "South_Sales to instance "north_sales6" on database "North_Sales"...
Succeeded.
Oracle Clusterware on database "North_Sales" is available for database restart.
例2: 全メンバー用のネットワーク構成の検証
DGMGRL> VALIDATE NETWORK CONFIGURATION FOR ALL;
Connecting to instance "north_sales1" on database "North_Sales" ...
Checking connectivity from instance "north_sales1" on database "North_Sales to instance "south_sales1" on database "South_Sales"...
Succeeded.
Connecting to instance "north_sales6" on database "North_Sales" ...
Checking connectivity from instance "north_sales6" on database "North_Sales to instance "south_sales1" on database "South_Sales"...
Succeeded.
Connecting to instance "south_sales1" on database "South_Sales" ...
Checking connectivity from instance "south_sales1" on database "South_Sales to instance "north_sales1" on database "North_Sales"...
Succeeded.
Checking connectivity from instance "south_sales1" on database "South_Sales to instance "north_sales6" on database "North_Sales"...
Succeeded.
Oracle Clusterware on database "North_Sales" is available for database restart.
Oracle Clusterware is not configured on database "South_Sales".
Connecting to database "South_Sales" using static connect identifier "(DESCRIPTION=(ADDRESS_LIST=(ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)(HOST=<nodename>)((PORT=.*))))(CONNECT_DATA=(SERVICE_NAME=South_Sales_DGMGRL.example.com)(INSTANCE_NAME=south_sales1)(SERVER=DEDICATED)(STATIC_SERVICE=TRUE)))" ...
Succeeded.
The static connect identifier allows for a connection to database "South_Sales".
VALIDATE PLUGGABLE DATABASE
VALIDATE DATABASE
コマンドは、ロール変更に先立って包括的なデータベース・チェックを実行します。
チェックでは、様々なOracle Data Guardビューや自動診断リポジトリで入手できる情報を使用します。
書式
VALIDATE PLUGGABLE DATABASE [VERBOSE] <database_name> [ STRICT
{ TEMP_FILES | FLASHBACK | LOG_FILES_CLEARED | LOG_FILE_CONFIGURATION | APPLY_PROPERTY |
TRANSPORT_PROPERTY | ALL } [ <strict_option> ... <strict_option> ] ];
コマンド・パラメータ
使用上のノート
VALIDATE DATABASE
コマンドは、データベースのサマリーを表示し、エラーまたは警告が検出されたらレポートします。VALIDATE DATABASE VERBOSE
は、簡潔なサマリーの全内容に加え、検証されたすべての項目を表示します。
コマンドの例
この項の例は、プライマリおよびスタンバイ・データベースでのVALIDATE DATABASE
コマンドの出力の、簡潔表示と詳細表示の例を示します。
例10-26 プライマリに対するVALIDATE DATABASEの簡潔出力
次の例は、プライマリ・データベースの簡潔出力を示します。
DGMGRL> VALIDATE DATABASE South_Sales;
Database Role: Primary database
Ready for Switchover: Yes
Managed by Clusterware:
South_Sales: YES
例10-27 フィジカル・スタンバイに対するVALIDATE DATABASEの簡潔出力
次の例は、フィジカル・スタンバイ・データベースの簡潔出力を示します。
DGMGRL> VALIDATE DATABASE North_Sales;
Database Role: Physical standby database
Primary Database: South_Sales
Ready for Switchover: Yes
Ready for Failover: Yes (Primary Running)
Managed by Clusterware:
South_Sales : NO
North_Sales: NO
The static connect identifier allows for a connection to database "South_Sales".
Parameter Settings:
Parameter South_Sales Value North_Sales Value
DB_BLOCK_CHECKING true true
DB_BLOCK_CHECKSUM true true
DB_LOST_WRITE_PROTECT NONE NONE
例10-28 プライマリに対するVALIDATE DATABASEの詳細出力
次の例は、プライマリ・データベースの詳細出力を示します。
DGMGRL> VALIDATE DATABASE VERBOSE South_Sales;
Database Role: Primary database
Ready for Switchover: Yes
Flashback Database Status:
Database Status Retention Target
South_Sales On 1440
Capacity Information:
Database Instances Threads
South_Sales 1 1
Managed by Clusterware:
South_Sales: NO
The static connect identifier allows for a connection to database "South_Sales".
Temporary Tablespace File Information:
South_Sales TEMP Files: 1
Data file Online Move in Progress:
South_Sales: No
Transport-Related Information:
Transport On: Yes
Log Files Cleared:
South_Sales Standby Redo Log Files: Cleared
例10-29 フィジカル・スタンバイに対するVALIDATE DATABASEの詳細出力
次のコマンドは、フィジカル・スタンバイ・データベースの詳細出力を示します。
DGMGRL> validate database verbose North_Sales
Database Role: Physical standby database
Primary Database: South_Sales
Ready for Switchover: Yes
Ready for Failover: Yes (Primary Running)
Flashback Database Status:
Database Status Retention Target
South_Sales On 1440
North_Sales On 1440
Capacity Information:
Database Instances Threads
South_Sales 1 1
North_Sales 1 1
Managed by Clusterware:
South_Sales : NO
North_Sales: NO
The static connect identifier allows for a connection to database "South_Sales".
Temporary Tablespace File Information:
South_Sales TEMP Files: 1
North_Sales TEMP Files: 1
Data file Online Move in Progress:
South_Sales: No
North_Sales: No
Standby Apply-Related Information:
Apply State: Running
Apply Lag: 0 seconds (computed 0 seconds ago)
Apply Delay: 0 minutes
Transport-Related Information:
Transport On: Yes
Gap Status: No Gap
Transport Lag: 0 seconds (computed 0 seconds ago)
Transport Status: Success
Log Files Cleared:
South_Sales Standby Redo Log Files: Cleared
North_Sales Online Redo Log Files: Cleared
North_Sales Standby Redo Log Files: Available
Current Log File Groups Configuration:
Thread # Online Redo Log Groups Standby Redo Log Groups
(South_Sales) (North_Sales)
1 4 5
Future Log File Groups Configuration:
Thread # Online Redo Log Groups Standby Redo Log Groups
(North_Sales) (South_Sales)
1 4 5
Current Configuration Log File Sizes:
Thread # Smallest Online Redo Smallest Standby Redo
Log File Size Log File Size
(South_Sales) (North_Sales)
1 25 MBytes 25 MBytes
Future Configuration Log File Sizes:
Thread # Smallest Online Redo Smallest Standby Redo
Log File Size Log File Size
(North_Sales) (South_Sales)
1 25 MBytes 25 MBytes
Apply-Related Property Settings:
Property South_Sales Value North_Sales Value
DelayMins 0 0
ApplyParallel AUTO AUTO
ApplyInstances 0 0
Transport-Related Property Settings:
Property South_Sales Value North_Sales Value
LogShipping ON ON
LogXptMode ASYNC ASYNC
Dependency <empty> <empty>
DelayMins 0 0
Binding optional optional
MaxFailure 0 0
ReopenSecs 30 30
NetTimeout 300 300
RedoCompression DISABLE DISABLE
Parameter Settings:
Parameter South_Sales Value North_Sales Value
DB_BLOCK_CHECKING true true
DB_BLOCK_CHECKSUM true true
DB_LOST_WRITE_PROTECT NONE NONE
例10-30 プライマリに関するVALIDATE DATABASE STRICT
オプション
次の例では、プライマリに関するSTRICT
の出力を示します。
DDGMGRL> VALIDATE DATABASE 'North_Sales' STRICT ALL;
Database Role: Primary database
Ready for Switchover: No
Flashback Database Status:
Database Status Retention Target
North_Sales Off 1440
South_Sales On 1440
Managed by Clusterware:
North_Sales: NO
The static connect identifier allows for a connection to database "North_Sales".
例10-31 フィジカル・スタンバイに関するVALIDATE DATABASE STRICT
オプション
次の例では、フィジカル・スタンバイに関するSTRICT
の出力を示します。
DGMGRL> DGMGRL> VALIDATE DATABASE 'North_Sales' STRICT FLASHBACK;
Database Role: Physical standby database
Primary Database: 'South_Sales'
Ready for Switchover: No
Ready for Failover: Yes (Primary Running)
Flashback Database Status:
Database Status Retention Target
South_Sales Off 1440
North_Sales Off 1440
Managed by Clusterware:
North_Sales : NO
South_Sales: NO
The static connect identifier allows for a connection to database "South_Sales".
Parameter Settings:
Parameter South_Sales Value North_Sales Value
DB_BLOCK_CHECKING true true
DB_BLOCK_CHECKSUM true true
DB_LOST_WRITE_PROTECT AUTO AUTO
VALIDATE STATIC CONNECT IDENTIFIER
VALIDATE STATIC CONNECT IDENTIFIER
コマンドは、データベースの静的接続識別子を検証します。
この検証を実行するには、ブローカはデータベースのStaticConnectIdentifer
プロパティに基づいた静的接続識別子を使用してデータベースへの新規接続を作成します。新しい属性STATIC_SERVICE=TRUE
を接続識別子に追加して、動的サービスではなく静的サービスのみを使用してデータベースへの接続を確立します。
書式
VALIDATE STATIC CONNECT IDENTIFIER FOR { ALL | <db_unique_name> };
コマンド・パラメータ
使用上のノート
-
なし
コマンドの例
例1: Oracle Clusterwareが構成されているデータベースの静的接続識別子の検証
DGMGRL> VALIDATE STATIC CONNECT IDENTIFIER FOR North_Sales;
Oracle Clusterware on database "North_Sales" is available for database restart.
例2: Oracle Clusterwareが構成されていないデータベースの静的接続識別子の検証
DGMGRL> VALIDATE STATIC CONNECT IDENTIFIER FOR South_Sales;
Oracle Clusterware is not configured on database "South_Sales".
Connecting to database "South_Sales" using static connect identifier "(DESCRIPTION=(ADDRESS_LIST=(ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)(HOST=<nodename>)((PORT=.*))))(CONNECT_DATA=(SERVICE_NAME=South_Sales_DGMGRL.example.com)(INSTANCE_NAME=tkdg2_sid)(SERVER=DEDICATED)(STATIC_SERVICE=TRUE)))" ...
Succeeded.
The static connect identifier allows for a connection to database "South_Sales".
例1: すべてのデータベースの静的接続識別子の検証
DGMGRL> VALIDATE STATIC CONNECT IDENTIFIER FOR all;
Oracle Clusterware on database "North_Sales" is available for database restart.
Oracle Clusterware is not configured on database "South_Sales".
Connecting to database "South_Sales" using static connect identifier "(DESCRIPTION=(ADDRESS_LIST=(ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)(HOST=<nodename>)((PORT=.*))))(CONNECT_DATA=(SERVICE_NAME=South_Sales_DGMGRL.example.com)(INSTANCE_NAME=tkdg2_sid)(SERVER=DEDICATED)(STATIC_SERVICE=TRUE)))" ...
Succeeded.
The static connect identifier allows for a connection to database "South_Sales".